JPH0440460B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は織機における箔糸引入れ自動位置規制
装置、特に、従来公知の典型的な順引き技法によ
る模様織り出し方法に用いられている切り箔（箔
糸或いは所謂引き箔と同義）からなる絵緯をその
緯入れ順に順次、長さの方向に接続したものに相
当する、所要部位に模様構成素子を有する箔糸の
長尺巻取物を定位置に配置して、該箔糸長尺巻取
物からの箔糸を一定の糸行ラインを経てその糸端
部を所定個所に待機させ、これをグリツパシヤト
ル或いはレピアのグリツパで把持して緯入れし、
緯入れした箔糸を所定個所で機械力駆動型の鋏に
より切断するという仕様の下に緯入れを繰返し
て、順引き技法的に織物上に隣接する箔糸と箔糸
の模様構成素子の集積で模様をあらわす織物を製
織するのに使用される織機のための箔糸引入れ自
動規制装置に関する。

従来の技術 このような方式で模様構成素子付きの箔糸を緯
入れすることにより、順引き技法的に模様を織り
出す織機は従来公知であり、管糸をシヤトルで緯
入れする一般通常の力織機より生産性は多少、劣
るが、典型的な順引き技法による模様織り出し方
法、即ち和紙等の基材シートの表面に模様を施し
た切箔原反を多数本の細幅にスリツトして得られ
る部分模様付きの当業者に引き箔と称されている
切箔（箔糸と同義）による絵緯を所要の順に一本
宛、緯入れすることにより、上記原反に当初あら
わされていた模様を織物上に再現する方法より緯
入れサイクルに優れ、高い生産性が得られる。

しかし反面、上記順引き技法的な模様織り出し
においては、箔糸が織物の緯方向に実質的にずれ
のない位置に緯入れされないと、模様崩れを生
じ、隣接する箔糸と箔糸の模様構成素子の集積に
よる良好な模様の織り出しは達成されない。しか
も織機における緯入れは、箔糸長尺巻取物より箔
糸の繰出しをピンチローラーによる誘導の下に行
われるが、織機の振動、温度や湿度変化によるテ
ンシヨン斑等のために位置ずれを発生することが
多い。

従来、前示の順引き技法的に模様をあらわす織
物を製織するのに使用される織機において、模様
崩れを発生しないよう、箔糸緯入れを自動的に旨
く位置規制することを保証する手段は未だ開発さ
れていない。因みに従来では作業員が必要時に手
作業で緯ずれを修正しているのが実状である。

なお、絣り糸を自動的に緯入れ規制するものと
して、レピアが復帰停止する少し前に、絣り緯に
施された位置マークをセンサーによりキヤツチ
し、それに基づきクランプにより絣り緯を拘束し
て、レピアにより絣り緯の引入れを停止するよう
にされた装置（特開昭58−70743号公報）が知ら
れている。この従来装置では、絣り緯の緯入れ位
置規制が、絣り緯の引入れ停止時点の規制でなさ
れる。即ち、当該装置における前記クランプは、
緯入れされつつある絣り緯を押下げるようには働
かない。このことは、もしこの従来装置を箔糸の
緯入れ位置規制に転用したならば、模様崩れとな
る、緯入れ中の箔糸の裏返りの回避には、前記ク
ランプが寄与しないことを意味する。つまり、か
かる従来の緯入れ位置規制では、緯入れ中の箔糸
の裏返り回避を合目的の下に達成し得ない。

そこで本発明はこのような織機において、模様
崩れが起らないよう、箔糸緯入れを自動的に位置
規制し且つ引入れ長さも規制し得るのみならず、
緯入れ中の箔糸の裏返し回避を合目的の下に達成
できる装置を提供しようというものである。

上記目的達成のため、本発明は次の構成をとつ
ている。

所要部位に模様構成素子を有する箔糸の長尺巻
取物を定位置に配置して、該箔糸長尺巻取物から
の箔糸を一定の糸行ラインを経てその糸端部を所
定個所に待機させ、これをグリツパシヤトル或い
はレピアのグリツパで把持して緯入れし、緯入れ
した箔糸を所定個所で機械力駆動型の鋏により切
断するという仕様の下に緯入れを繰返して、織物
上に隣接する箔糸と箔糸の模様構成素子の集積で
模様をあらわす織物を製織するのに使用される織
機において、上記箔糸の各一緯入れ範域の所定位
置に施された位置マークを検出するマークセンサ
ーが上記箔糸の杼口より手前側の糸行ラインに面
して定位置に、またグリツパシヤトル或いはレピ
アの後退時に上記マークセンサーが位置マークを
検出すると、このとき駆動される駆動器が適当な
個所にそれぞれ配置されており、グリツパシヤト
ル或いはレピアによる箔糸の引入れ長さが定常よ
り所定長、長くなつて箔糸が延在するよう該箔糸
を押下げる、織機上の経糸と平行をなす緊張線に
よる押下げ手段が杼口の側方近くにて織機に組込
まれ、グリツパシヤトル或いはレピアによる箔糸
引入れ当初、上記箔糸押下げ手段が箔糸を押下げ
るようにされ、上記マークセンサーが箔糸の位置
マークを検出する時点に箔糸引入れが進んだ時、
当該検出に基づき、上記駆動器により箔糸押下げ
手段が、箔糸の引入れ長さが所定長となるよう、
箔糸押下げを解放に転換されるようになつている
ことを特徴とする織機における箔糸引入れ自動規
制装置。

作 用 本発明においては所要部位に模様構成素子を有
する箔糸の長尺巻取物を定位置に配置して、該箔
糸長尺巻取物から繰出される箔糸は、その糸端部
が一定の糸行ラインを経て所定個所に待機せしめ
られ、グリツパシヤトル或いはレピアのグリツパ
で把持されて緯入れされ、その緯入れされた箔糸
が機械力駆動型の鋏により所定個所で切断され、
以下同様にして箔糸の緯入れ及び所定個所での切
断を繰返し行われ、織物上に隣接する箔糸と箔糸
の模様構成素子の集積で模様が現わされる。

そして本発明ではこの緯入れにおいて、緯入れ
当初、箔糸押下げ手段を箔糸を押下げる位置にも
たらしておき、グリツパシヤトル或いはレピアの
後退時つまりこれによる緯入れ時に、マークセン
サーが位置マーク即ち定点を検出すると、この時
駆動器が駆動されて、該駆動器により箔糸押下げ
手段の箔糸所定長さの延在の下での押圧が解放さ
れる。かくて、引入れられた箔糸の緯についての
関係位置が規制され、また引入れ有効長さが所定
長さに規制される。

本発明において、箔糸の引入れ緯位置及び引入
れ有効長を規制するのに、織機上の経糸と平行を
なす緊張線による、杼口の側方近くに配置した箔
糸押下げ手段を適用したことは、該箔糸押下げ手
段が、それによる緯入れ中の箔糸の押下げで以
て、箔糸にテンシヨンを負荷するのに寄与する
し、また模様崩れとなる緯入れ中の箔糸の裏返り
を回避することももたらす。

発明の効果 上記の如く、本発明によればグリツパシヤトル
或いはレピアによる箔糸の緯入れにつき、その緯
位置と更に引入れ有効長さも所定長さに規制でき
るだけでなく、箔糸の裏返り回避が合目的の下に
達成される効果がもたらされる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説
明する。

図において１が所要の部位に模様構成素子を有
する箔糸の長尺巻取物、２が織機におけるグリツ
パシヤトル乃至レピア（以下、グリツパシヤトル
を略記する。）、３が該グリツパシヤトルのグリツ
パであり、箔糸の長尺巻取物１は、従来公知の典
型的な順引き技法による模様織り出し方法に用い
られている所謂引き箔からなる絵緯をその緯入れ
順に順次、長さの方向に接続したものに相当する
ものであつて、その一緯入れ範域の織物の耳に相
当する部位の所定位置に位置マーク４を施したも
のである。グリツパシヤトル２は従来と同様にし
て経糸の開口中を往復動される。位置マーク４は
適当な色のものでよい。

５は定位置に配置され、ソレノイド（図示せ
ず）による等の適当な機械力により前方へ駆動さ
れる鋏で、これは前方へ駆動されると、定位置に
ある固定部材（図示せず）に鋏峰部が当ることに
よつて、剪断作動を行うようになつている。な
お、図で鋏５はそれの理解を容易にする便宜上、
正面視の形で示されているが、その設置は第１図
に対する側面図に相当する向きの態様である。

上記箔糸の長尺巻取物１は織機上の定位置に配
置され、これより箔糸１ａをガイドローラー６…
及びピンチローラー７を経て繰出され、その糸端
部が所定個所に待機せしめられる。

箔糸長尺巻取物１から繰り出された箔糸１ａ
の、杼口より手前、より好ましくはピンチローラ
ー７より手前側の糸行ラインにおける位置マーク
４に面するようにしてカラーマークセンサー等の
マークセンサー８を定位置に配設する。マークセ
ンサー８は直接反射式光電スイツチのタイプのも
のを適用すればよい。

グリツパシヤトル２の後退時つまりこれによる
緯入れ時に、定位置のマークセンサー８が位置マ
ーク４即ち定点を検出すると、この時、駆動され
る駆動器、例えばソレノイド１１をジヤガード機
１０に第２図に例示するような態様にて組込む。
該ソレノイド１１は、その励磁により横針１２を
所要の方向に駆動させ、下記箔糸押下げ手段１５
付き竪針１６をナイフ１３から外す働きをする。
上記横針１２はジヤガード機１０において経糸の
開口運動、即ち所要の竪針を選択的にナイフ１３
に掛けたり外したりする作用を、シリンダ及びカ
ード等と協働して行う横針１４とは異なるものが
充当される。

上記ソレノイド１１の励磁をグリツパシヤトル
２の後退時、即ち箔糸１ａの緯入れ期に同期させ
るには、所定時にオン或いはオフされる同期スイ
ツチ９により行えばよい。

１５は箔糸を所定長の延在となるよう押下げる
押下げ手段で、これは織機における経糸と平行に
延びる緊張線によるものを適用する。箔糸押下げ
手段１５は織機の杼口の側方近くに配設し、該個
所に対応する位置で上下動する然るべき部材、例
えばジヤガード機１０の堅針群のうち開口運動に
寄与しない竪針、即ち予備の竪針１６に吊下げ、
所要時に上記ソレノイド１１により横針１２及び
竪針１６を作動媒体として上下動するようにすれ
ばよい。この箔糸押下げ手段１５による箔糸の押
下げ度合いは、該手段１５での箔糸押下げの下、
グリツパシヤトル２による箔糸の引入長さが定常
（即ち位置マーク４と４の間隔）より所定長、長
くなるのに対応する度合いとする。

図示の本発明実施例装置において、箔糸長尺巻
取物１より繰り出されて糸端部が所定個所に待機
せしめられている箔糸１ａは、第１図の左方へグ
リツパシヤトル２と共に前進しその前進位置で常
法に従い作動するグリツパ３により糸先端部を掴
まれて、グリツパシヤトル２の後退により緯入れ
される。その緯入れにより次の一緯入れ相当分の
箔糸１ａが繰り出されて待機する。緯入れされた
箔糸は次いで、鋏５の前進、その前進位置での剪
断作動により所定個所で切断される。鋏５は切断
作動終了後、元の位置に復帰される。

この緯入れにあつて、箔糸押下げ手段１５は箔
糸をその緯入れの結果として、これを所定度合い
で押下げる位置にもたらしておく。

上記緯入れ時において、グリツパシヤトル２の
後退時に定位置のマークセンサー８が位置マーク
４即ち定点を検出すると、その時ソレノイド１１
が励磁されて、横杆１２を作動媒体として竪針１
６がナイフ１３より外され、緯糸押下げ手段１５
による箔糸の押下げが解放され、この解放により
箔糸の緯関係位置が規制され、またグリツパシヤ
トル２による箔糸の引入れ有効長さが調整され、
この調整でマークセンサー８に対する位置マーク
４の関係位置も定位置に調整される。位置マーク
４の関係位置調整後、ソレノイド１１はリセツト
され、箔糸押下げ手段１５は再び箔糸を押下げる
位置に戻される。

以下、同様にして箔糸押下げ手段１５による制
御により箔糸の引入れ有効長さが所定長さに規制
され、緯入れの自動位置規制も行われる。

本発明において箔糸を緯入れするシヤトルは上
記実施例のものに代え、第３図及び第４図に示す
ようなそれ自体公知の他形式のものでもよい。第
３，４図に示すシヤトル〔レピア〕２′は、前進
時には定位置に待機されている箔糸の糸端部１ｂ
の個所をこれに摺れるが引つ掛かることなく通過
し（第５図参照）、後退時に該糸端部１ｂを引つ
掛けるようにして掬う鉤状の固定グリツパ３
a′と、スプリング１７により第３図の時計回り方
向へスプリング付勢されて、前記固定グリツパ３
a′と協同して箔糸糸端部１ｂを該グリツパ３a′と
の間に掴むレバー状の可動グリツパ３b′とからグ
リツパ３′がなり、上記可動グリツパ３b′は第１
図に示した実施例のグリパシヤトルにおけるオフ
ロツド（図示せず）に相当するレバー部１９を有
し、従来がそうであつたと同様にシヤトル２′の
後退時に該レバー部１９が定位置の当り１８に当
つて可動グリツパ３b′が解放され、箔糸を解放す
る。

第３，４図の形式のシヤトルにおいて、定位置
に待機される箔糸の糸端部１b′は、常法に従い所
要時に可動の押え２０により解放可能に押圧拘束
されて待機状態（第５図）となり、シヤトル２′
の後退による箔糸緯入れ時に該押え２０による拘
束が解放される。第５図で２１はそれ自体公知の
糸ガイドとしてのノズルを示している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部省略正面
図、第２図は箔糸押下げ手段の系の第１図に対す
る側面相当図、第３図は箔糸緯入れシヤトルの変
更例を示す平面図、第４図はその正面図、第５図
は当該シヤトルの前進位置での正面図である。 １……箔糸長尺巻取物、２……グリツパシヤト
ル、２′……レピア、３，３′……グリツパ、６…
…ガイドローラー、７……ピンチローラー、８…
…マークセンサー、９……同期スイツチ、１０…
…ジヤガード機、１１……ソレノイド、１２……
横針、１３……ナイフ、１５……箔糸押下げ手
段、１７……スプリング、１８……当り、１９…
…レバー部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所要部位に模様構成素子を有する箔糸の長尺
   巻取物を定位置に配置して、該箔糸長尺巻取物か
   らの箔糸を一定の糸行ラインを経てその糸端部を
   所定個所に待機させ、これをグリツパシヤトル或
   いはレピアのグリツパで把持して緯入れし、緯入
   れした箔糸を所定個所で機械力駆動型の鋏により
   切断するという仕様の下に緯入れを繰返して、織
   物上に隣接する箔糸と箔糸の模様構成素子の集積
   で模様をあらわす織物を製織するのに使用される
   織機において、上記箔糸の各一緯入れ範域の所定
   位置に施された位置マークを検出するマークセン
   サーが上記箔糸の杼口より手前側の糸行ラインに
   面して定位置に、またグリツパシヤトル或いはレ
   ピアの後退時に上記マークセンサーが位置マーク
   を検出すると、このとき駆動される駆動器が適当
   な個所にそれぞれ配置されており、グリツパシヤ
   トル或いはレピアによる箔糸の引入れ長さが定常
   より所定長、長くなつて箔糸が延在するよう該箔
   糸を押下げる、織機上の経糸と平行をなす緊張線
   による押下げ手段が杼口の側方近くにて織機に組
   込まれ、グリツパシヤトル或いはレピアによる箔
   糸引入れ当初、上記箔糸押下げ手段が箔糸を押下
   げるようにされ、上記マークセンサーが箔糸の位
   置マークを検出する時点に箔糸引入れが進んだ
   時、当該検出に基づき、上記駆動器により箔糸押
   下げ手段が、箔糸の引入れ長さが所定長となるよ
   う、箔糸押下げを解放に転換されるようになつて
   いることを特徴とする織機における箔糸引入れ自
   動規制装置。