JPH0440362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ドア等に設けられる箱錠の室内側
に取付けたサムターン用の防犯カバーに関するも
のである。

〔従来技術〕

従来この種のサムターンは、その形状が一文字
型、レバー型、小判型等に形成されており、施錠
状態が一目で解るように、また手での回転操作が
容易に行えるようになつているものが一般に知ら
れている。

〔この考案が解決すべき問題点〕

しかし近年集合住宅等の鉄扉等における箱錠の
横に小さな穴を開け、この穴から針金等を挿入
し、回転操作の容易な形状のサムターンに係止し
て回転させ、室内に侵入する泥棒が増えている。

これは機械工具の発達により、コードレスのド
リルで、一般的に使用されている1.6mmのプレス
ドアに、あまり音もさせずに簡単に小さな穴が開
けられるからである。

またポスト口から針金等を挿入し、サムターン
に係止させる手口もある。

そして近年共働きが多くなつており、無人とな
る時間が多くなつていると共に、賃貸住宅では錠
前を取替えたり、新規にもう一個取付けることが
難しい等から、簡単で確実な防犯手段の開発が望
まれていた。

この考案は前述した事情に鑑みて創案されたも
ので、その目的は既設サムターンに取付けるだけ
で、針金等を係止させて回転させることを不可能
にすることができる防犯カバーを提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案によれば針金を係止させて回転させる
ことが不可能な形状、即ち回転操作を行いにくい
形状とすべく、サムターンに防犯カバーを取付け
ることとする。

そしてこの防犯カバーの、回転時の円状軌跡を
描くサムターンの外面を覆う部分を、円形状に形
成したものである。

〔実施例〕

以下この考案を図示する実施例によつて説明す
る。

防犯カバー１は、サムターン２が嵌入する嵌入
孔３が形成されていると共に、回転時に円状軌跡
２ｂを描くサムターン２の外面２ａを覆う部分
が、円状軌跡に沿う円形状に形成されている。
（第１図〜第３図参照）なおここで符号７は、扉
である。

そして嵌入孔３内へ螺入してサムターン２の側
面に当接し、両側から挾持することが可能なセツ
トスクリユー４，４が設けられている。

このような構成からなる防犯カバー１を使用す
る場合、例えば長時間留守するときには、まず嵌
入孔３内へサムターン２を挿入することで、サム
ターン２に防犯カバー１を覆うように被せる。

その後セツトスクリユー４，４を螺入させて締
付けることにより、防犯カバー１をサムターン２
に固定する。

そしてこの防犯カバー１によつて、針金等を係
止させて回転させることが難しくなる。

第４図〜第６図は、この考案の防犯カバー１の
別態様であり、防犯カバー１を取付部５および本
体部６とから構成したものである。

取付部５は、第１図で示した防犯カバー１の外
形を手での操作が容易となるように形成し、本体
部６が係止する係止突部５ａを設けたものであ
る。この取付部５によれば、サムターン２に被せ
た状態で、サムターン２を容易に回転させること
ができる。

また本体部６は、第１図で示した防犯カバー１
の嵌入孔３を取付部５が嵌入できるように形成す
ると共に、セツトスクリユー４，４を設けずに嵌
入孔３内に係止突部５ａに係止可能な係止部６ａ
を設けたものである。

このようにすると係止作業という簡単な作業
で、防犯カバー１の着脱が行える。さらに係止部
６ａで本体部６が空転することにより、針金等を
係止させて回転させることが不可能となる。

第７図および第８図は、第４図〜第６図で示し
たものの係止部６ａ内に、係止突部５ａとの間に
バネ部材８を設ける。また取付部５の本体部６側
の外周縁に複数の係合凹部５ｂと、この係合凹部
５ｂへ係合可能な係合凸部６ｂとを設けたもので
ある。

このようにすれば防犯カバー１の本体部６を常
に取付けたままにしておける。

即ち常時は係止突部５ａと係止部６ａとで本体
部６が空転するようになつている。またサムター
ン２を回転させたい時は、本体部６を手で押圧し
て、その係合凸部６ｂを取付部５の係合凹部５ｂ
へ係合させ、この係合状態のまま本体部６を回転
させる。このことにより、取付部５が固着してい
るサムターン２も回転させることができる。

そして本体部６の押圧を解除すれば、バネ部材
８の付勢力によつて、本体部６が常時の空転位置
に戻り、係合凸部６ｂと係合凹部５ｂとの係合も
解除される。

これらのことから本体部６を取付けたままにし
ておける。

第９図は、第７図および第８図で示した実施例
のものに、錠部９を設けたものである。

このようにすると本体部６でサムターン２を回
転させることを、施錠することで阻止することが
できる。そのため室内からもサムターン２を回転
させるときに、施錠用キー１０が必要となる。

このことは、泥棒が室内に侵入し、逃げるとき
に一般的に行われるベランダ，バルコニー等から
侵入し玄関から逃げることを、サムターン２が施
錠用キー１０なしでは回転しないことから、困難
とすることができる。

なおこの考案の防犯カバーは、前述した実施例
のものに限らずに、サムターンへ着脱自在であ
り、回転時に円状軌跡を描くサムターンの外面を
覆う部分が円状軌跡に沿う円形状に形成されてい
るものならば、どのような形状・構成でもよい。

〔考案の効果〕

この考案の防犯カバーによれば既設のサムター
ンに何ら改良等を加えることなく、針金等の係止
によりサムターンが回転してしまうことを防止す
ることができる。

そのため別な構造の錠に取替えたり、新たに錠
を付け加えることなく、既設の箱錠を安全な錠前
とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の防犯カバーの扉への取付状
態を示す斜視図、第２図は防犯カバーを扉へ取付
けた状態を示す第１図のＡ−Ａ線拡大矢視図、第
３図は第２図のＢ−Ｂ線断面図、第４図はこの考
案の防犯カバーの別態様を示す部分破断側面図、
第５図は第４図のＣ−Ｃ線断面図、第６図は第４
図における防犯カバーの本体部取付状態を示す側
面図、第７図は防犯カバーのさらに別態様を示す
部分破断側面図、第８図は第７図における防犯カ
バーの本体部取付状態を示す部分破断側面図、第
９図は第７図の防犯カバーに錠部を取付けた実施
例を示す部分破断側面図である。 １……防犯カバー、２……サムターン、２ａ…
…外面、２ｂ……円状軌跡、３……嵌入孔、４…
…セツトスクリユー、５……取付部、５ａ……係
止突部、５ｂ……係合凹部、６ａ……係止部、６
ｂ……係合凸部、７……扉、８……バネ部材、９
……錠部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 既設サムターンを被覆可能に形成され、該サ
   ムターンへ着脱自在な防犯カバーであり、 回転時に円状軌跡を描く前記サムターンの外
   面を覆う部分が前記円状軌跡に沿う円形状に形
   成されていることを特徴とするサムターン用防
   犯カバー。 (2) 防犯カバーは、既設サムターンへの装着時
   に、サムターンの回転方向へ回転可能に装着さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のサムターン用防犯カバー。 (3) 防犯カバーは、自身の回転阻止が可能である
   と共に、既設サムターンを回転させることが可
   能に構成されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第２項記載のサムターン用防犯
   カバー。