JPH0439647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、テレビジヨン受像機等に装備された
偏向ヨークに於ける水平偏向用鞍形コイルのセク
シヨン巻き巻線装置に関するものである。

（従来の技術） 水平偏向用セクシヨン巻の鞍形コイル（以下鞍
形コイルという）は第６図に示す如く、偏向すべ
きビームの放射方向（図面中で上下方向）に伸び
る左右の側辺部６２，６２と鍔状の上辺部６０及
び下辺部６１とからなり、全体が鞍形を呈して中
央部に窓部６５を有し、各側辺部６２，６２の下
部に側辺部６２，６２の巻線部を複数のセクシヨ
ン６６，６７，６８，６９に分割する貫通部６３
を有していることを特徴とする。

上記鞍形コイル６９を製造する装置は、第７
図、第８図に示す如く、雌型１と雄型２を型締め
して両型の間に鞍形空間７を形成すると共に、雄
型２には前記鞍形コイルの貫通部６３との対応位
置に複数対のセクシヨン規制ピン５４（以下ピン
という）を鞍形空間７に出没可能に配備して構成
される。

全てのピン５４を雄型２内に後退させた状態に
て点Ｐを中心に型１，２を紙面の面内で矢印Ａ方
向に回転させて、各型の案内面を辷らせながら矢
印Ｂで示す様に鞍形空間７内に導線を所定の回数
積み重ね巻回し、次に内側の一対のピン５４，５
４を鞍形空間内に突出させて再び導線を所定の回
数積み重ね巻回する。

更に次の一対のピン５４ａ，５４ａを突出させ
て導線を所定の回数積み重ね巻回する。

ピンの対数だけ上記動作を繰り返して巻線工程
を終了する。

型締め状態の侭、コイルに通電して発熱させる
と共に加圧手段（図示せず）によつてコイルを加
圧し、導線の被膜を融着させて成形工程を終え
る。

ピン５４を型２内へ後退させ、型開きして完成
した鞍形コイルを取り出す。

鞍形コイルにはピン５４との対応位置が第６図
に示す貫通部６３となる。

上記ピン５４は雄型２内に固定配備されたエア
ーシリンダ装置５１のピストンロツド５３であつ
て、バネ５５により常時鞍形空間７に突出する方
向に付勢され、エアー圧によつて雄型２内に後退
する。

（解決しようとする問題点） 上記従来の巻線装置ではピン５４に加わる導線
のテンシヨン及び導線の溶融被膜のピンへの付
着、更には加圧手段によるピンへの負荷によつて
ピン５４の型内への後退移動が困難となり、鞍形
コイルを型から外す際にピンが邪魔となり、ピン
の損傷及び鞍形コイルが変形することがあつた。

（問題点を解決する為の手段） 本考案は各ピンを単独で鞍形空間に出没させる
ピンの駆動装置５全体を、ピンの移行方向へ移動
させる移動装置８に連携したことを特徴とする。

（作用及び効果） 従前と同様に導線の巻き数に応じてピン駆動装
置５によりピンを鞍形空間７内へ突出させ、これ
をピンの対数だけ繰り返し、次いで鞍形空間内へ
の導線に通電及び加圧してコイル成形を行なう。

鞍形コイルを型から外す際にピン駆動装置５に
よつてピン５４を型内へ後退させる方向に移動さ
せると共に、移動装置８によりピン駆動装置５全
体をピンの後退方向に移動させる。

ピン５４とコイルとの間に大なる摩擦抵抗が生
じてピン駆動装置５の出力だけではピン５４を後
退出来ない場合でも、移動装置８によつてピン駆
動装置５全体がピンの後退方向へ移動するため、
ピンを確実に型内へ後退させることが出来、従来
の問題は生じない。

型から鞍形コイルを外した後は移動装置８によ
つてピン駆動装置５全体を元位置に復帰させ、次
の巻線作業に備える。

（実施例） 鞍形コイルの自動巻線機は、第５図に示す如く
回転駆動される原動軸１２と、該軸１２と同軸上
に回動自在に配備された従動軸２７を具え、両軸
１２，２７の先端部には雌型１及び雄型２が装備
されている。従動軸２７には後記の各シリンダ装
置５１，８１へのエアー通路（図示せず）が形成
されている。

雌型１は第４図に示す如く、上面両側に巻線案
内面１１，１２、中央部に鞍形凹面３，３を具
え、更に該鞍形凹面３，３の間には両側面が彎曲
して裾部が拡大した枕４が嵌まつている。該枕４
の下半部上面には太軸の第１キー４０が突設さ
れ、上半部上面には小径の孔４２が開設されてい
る。

一方雄型２は第３図に示す如く、上面両側に大
小２つの巻線案内面２１，２２、中央部に鞍形凸
面３０，３０を具え、更に両凸面３０，３０の間
には前記枕４が密に嵌合可能な受面４４が凹設さ
れている。該受面４４には前記第１キー４０が嵌
入可能な大径の孔４３が開設されると共に、前記
枕４の小径孔４２に嵌入可能な細軸の第２キー４
１が突設されている。

雌型１の鞍形凹面３，３は第６図に示す鞍形コ
イル６の背面が密着可能な曲面に形成され、雄型
２の鞍形凸面３０，３０は鞍形コイル６の内面が
密着可能な曲面に形成されている。又、第４図に
示す枕４は、凹面３，３から突出する高さが第３
図に示す嵌合受面４４の深さよりも鞍形コイル６
の厚さ分だけ高く形成されている。

従つて、雌型１と雄型２とを第１図、第２図に
示す如く、互いの案内面を略直角に交叉させて嵌
合せしめることにより、鞍形凹面３と鞍形凸面３
０との間には第６図に示す鞍形コイル６が密に嵌
まる鞍形空間７が形成される。

雄型２の大小２つの巻線案内部２１，２２の
内、大案内部２１内は中空に形成され、該大案内
部２１の小案内部２２側の側面２５には前記鞍形
凸面３０，３０に沿つて３ケ所づつに貫通ピン孔
２４が開設される。

上記大案内部２１の中空室２３には小案内部２
２に向けてスライド基板８２が移動可能に配備さ
れ、該基板８２に６基の小型復動エアーシリンダ
装置５１の各シリンダ筒５２が固定される。

各シリンダ装置５１のピストンロツド５３はス
ライド基板８２を貫通して前記各ピン孔２４に摺
動可能に嵌まり、ピストンロツド５３がピン５４
を兼用し、復動エアーシリンダ装置５１がピンを
鞍形空間７に出没させるピン駆動装置５となつて
いる。

復動エアーシリンダ装置５１にはピン５４を鞍
形空間７から後退させる方向に付勢する補助バネ
５５を内蔵している。

スライド基板８２に移動装置８が連携される。

移動装置８は雄型２内の中空室２３の中央に配
備した主エアーシリンダ装置８１のピストンロツ
ド８３に取付けプレート８４及びスライド軸８
０，８０を介して前記スライド基板８２に連結し
て構成され、スライド軸８０は中空部２３に固定
配備した支持プレート２６に摺動可能に嵌まつて
いる。

主エアーシリンダ装置８１はエアー圧によつて
スライド基板８２及び各小型シリンダ装置５１を
後退させ、内蔵したバネ８６にて復帰する。

然して、第５図の如く鞍形コイルを巻く為の導
線６４は、先端部が円板１０の端部に固定され、
雌型１と雄型２との嵌合部に図示の如く巻装され
る。原動軸１２を回転駆動して、雌型１及び雄型
２を一体回転せしめることにより、導線６４は雌
型１及び雄型２の案内面１１，１２，２１，２２
に案内されつつ中央部の鞍形空間に繰り出され、
第１図に矢印Ｂで示すルートで積み重ね巻回され
る。

導線を所定の回数巻回すれば、内側の一対の小
型シリンダ装置５１，５１によりピン５４，５４
を鞍形空間７内に突出させて先端を雌型１の側面
に当てる。

この状態にて更に導線を所定の回数巻回する。

従前通りピンの対数だけ上記動作を繰り返して
巻回工程を終了する。

次に巻回したコイルに通電を行ないプレス手段
（図示せず）にてコイルを加圧して成形工程を終
了する。

次に各小型シリンダ装置５１をピン５４を後退
する方向に作動させ、又、移動装置８の主シリン
ダ装置８１にエアーを供給してピン駆動装置５全
体を後退させる。

ピン５４とコイルとの摩擦抵抗が大でピン駆動
用のシリンダ装置５１の力だけではピン５４を後
退させることが出来なくとも移動装置８によつて
シリンダ装置５１全体をピンの後退方向へ移動さ
せることが出来、これによつてピン５４を確実に
型内に後退させることが出来る。

尚、実施例の様にピン駆動装置５の往復シリン
ダ装置５１にピン５４を型内へ戻す方向に付勢す
る補助バネ５５を配備すれば、シリンダ装置５１
へのエアー供給が停止されたとき、バネ力でピン
５４は型内へ引つ込むため、型の保安、点検等に
於てピンが邪魔になることはない。

本考案の各部構成は上記実施例に限らず、実用
新案登録請求の範囲に記載の技術範囲内で種々の
変形が可能であるのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転軸と直交する面での雄型の断面
図、第２図は回転軸を含む面での雄型の断面図、
第３図は雄型の斜面図、第４図は雌型の斜面図、
第５図は装置の正面図、第６図は鞍形コイルの斜
面図、第７図は回転軸と直交する面での従来例の
断面図、第８図は回転軸を含む面での従来例の断
面図である。 １……雌型、２……雄型、５……ピン駆動装
置、５１……シリンダ装置、８……移動装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 雄型２と雌型１を嵌合して両型の間に鞍形空
   間を形成すると共に、一方の型にセクシヨン規
   制ピン５４を鞍形空間に出没可能に配備し、鞍
   形空間に導線を積み重ね巻回して鞍形コイルを
   形成し、該鞍形コイルの前記ピン５４との対応
   位置にセクシヨン区画用の貫通部６３を形成出
   来る鞍形コイルのセクシヨン巻き巻線装置に於
   て、ピン５４を出没させるピン駆動装置５を収
   容した型の内部にピン駆動装置５の全体を移動
   させる移動装置８を設けたことを特徴とする鞍
   形コイルのセクシヨン巻き巻線装置。 ピン駆動装置５はエアーシリンダ装置５１で
   あつて、該エアーシリンダ装置５１のピストン
   ロツド５３がピン５４を兼用しており、移動装
   置８は型内にピン５４の出没方向に移動可能に
   スライド基板８２を配備し、該基板８２に前記
   エアーシリンダ装置５１を固定配備すると共に
   該基板８２に基板駆動用の主エアーシリンダ装
   置８１を連携して構成されている実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の鞍形コイルのセクシ
   ヨン巻き巻線装置。