JPH0439454Y2 - - Google Patents

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JPH0439454Y2
JPH0439454Y2 JP1989094444U JP9444489U JPH0439454Y2 JP H0439454 Y2 JPH0439454 Y2 JP H0439454Y2 JP 1989094444 U JP1989094444 U JP 1989094444U JP 9444489 U JP9444489 U JP 9444489U JP H0439454 Y2 JPH0439454 Y2 JP H0439454Y2
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oil
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、流体の動圧により軸を支持する動圧
軸受装置に関し、特に動圧発生用の流体として潤
滑剤を用いる動圧軸受装置に関する。
〈従来の技術〉 従来この種の動圧軸受装置としては、第2図に
示すものが知られている。この動圧軸受装置は、
外周面に動圧発生用の溝1を設けた軸2を、合成
樹脂製スリーブ3の筒部4に収納して該筒部4と
軸2との軸受面間に動圧形のラジアル軸受部8を
形成すると共に、筒部4の一方の開口部に一体に
結合された合成樹脂製端板5の上記軸2の軸端に
対向する内面7に動圧発生用の溝6を設けて、該
内面7と軸2の軸受面間に動圧形のスラスト軸受
部9を形成している。そして、上記ラジアル軸受
部8及び上記スラスト軸受部9のそれぞれの間隙
Cに動圧発生用の流体として潤滑油またはグリー
スを封入している。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記従来の動圧軸受装置におい
ては、軸受装置内に潤滑油またはグリースを封入
する際、上記間隙C内に潤滑油またはグリースを
完ぺきに満たすことが困難で、潤滑油またはグリ
ースと両軸受面4a,5aの表面との間に気孔が
生じ易い。このため、この種の動圧軸受装置にお
いては、両軸受部の摩耗や損傷防止に油膜が常に
必要であるにもかかわらず、軸受回転直後および
停止前の境界潤滑状態での軸2とスリーブ3との
固体接触時に上記気孔により油膜が破断して、両
軸受部8,9に摩耗や損傷が生じ易く、動圧軸受
装置の寿命の低下を招いていた。さらに、上記気
孔により動圧軸受装置の回転中における負荷容量
が低下する問題があつた。
また、これを防止するために含油させた合成樹
脂材料によりスリーブ3を形成し、上記固体接触
時の油膜維持を図ることも考えられるが、上記含
油される油性状が潤滑性を有するという点のみで
選定されることが多く、含油の油により軸受部に
封入される潤滑油またはグリースが化学反応を起
こして性状変化し、潤滑性が低下する恐れがあ
る。
そこで、本考案の目的は、動圧発生用の流体と
して潤滑油またはグリースを用いる動圧軸受装置
において、軸受部の潤滑油またはグリースに対す
るぬれ性を向上させて、潤滑油またはグリースと
軸受面間に気孔の発生をなくすことにより、動圧
発生中の負荷容量の低下を防止するとともに、軸
受装置の回転直後もしくは停止前の軸受面間に十
分な油膜を存在させて軸受面間の摩耗、損傷を防
止し、さらに潤滑油またはグリースが化学反応を
起こして性状変化を生じることを防止することに
ある。
なお、本願明細書において、ぬれ性とは、潤滑
油またはグリースの油分が軸受面に拡張されて付
着することをいう。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、本考案の動圧軸受装
置は、軸または該軸を嵌挿するスリーブの少なく
とも一方の軸受面に溝が形成されて動圧軸受部が
設けられるとともに、該動圧軸受部に動圧発生用
の潤滑油を封入した動圧軸受装置において、上記
スリーブは潤滑油と同種の潤滑油を含浸させた結
晶性樹脂で形成されていることを特徴としてい
る。
さらに、軸または該軸を嵌挿するスリーブの少
なくとも一方の軸受面に溝が形成されて動圧軸受
部が設けられるとともに、該動圧軸受部に動圧発
生用のグリースを封入した動圧軸受装置におい
て、上記スリーブはグリースの基油を含浸させた
結晶性樹脂で形成されていることを特徴としてい
る。
〈作用〉 軸受部を形成するスリーブの樹脂には潤滑油ま
たはグリースの基油が含浸されているので、軸受
部のぬれ性が向上し、軸とスリーブ軸受面との間
の間隙に潤滑油またはグリースを封入する際に、
スリーブの軸受面に潤滑油またはグリースがスム
ーズに広がつて、気孔を生ずることなく油膜が良
好に形成される。したがつて気孔に起因する油膜
破断が防止されることにより、軸受起動時の軸受
面の摩耗と、軸受の回転直後および停止前の境界
潤滑状態での摩耗が防止され、軸や軸受部に損傷
が生じにくい。
また、蒸発時、何等かの事情で、封入された潤
滑油またはグリースが切れた場合には、軸がスリ
ーブ軸受面に接触した際、樹脂に含浸された潤滑
油またはグリースの基油が噴出する。したがつ
て、潤滑油またはグリース切れが起きても、軸と
スリーブ軸受面との間の潤滑は良好に維持される さらに、気孔の発生が防止されるため、軸受回
転中の負荷容量の低下がない。
しかも、上記樹脂が結晶性樹脂であるので、ス
リーブ成型時に潤滑油またはグリースの基油と樹
脂とが分子間の吸引力等により化学的に結合する
ため、潤滑油またはグリースの基油の含浸率が高
くなつて、上記ぬれ性や潤滑性能は一層向上する
と共に、含浸した油の保持力が高いため、潤滑性
能が長期にわたつて維持され、軸受の寿命が延び
る。
また、軸受間隙に封入する潤滑油またはグリー
スの基油と同じ潤滑油またはグリースの基油を樹
脂に含浸させるため、潤滑油またはグリース同士
の化学反応が起こらず、潤滑油またはグリースの
性状変化が生じない。
〈実施例〉 以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明
する。
第1図は本考案の一実施例の動圧軸受装置の概
略断面図である。
この動圧軸受装置は、第2図に示した従来の動
圧軸受装置と同様に、外周面に動圧発生用の溝1
1を有する軸12と、上記軸12を収容する筒部
14を有する樹脂製スリーブ13とよりなる。筒
部14の一方の開口部には軸12の軸端と対向す
る樹脂製の端板15が蓋状に一体的に取りつけら
れ、樹脂製スリーブ13の一部を構成する。ま
た、上記端板15の軸端と対向する内面17には
動圧発生用の溝16を設けている。上記動圧発生
用溝11,16により、軸12とスリーブ13の
筒部との間にラジアル荷重を支持するラジアル軸
受部18を、軸12の軸端と端板15の内面17
との間にアキシアル荷重を支持するスラスト軸受
部19とを形成する。また上記軸12とスリーブ
13の筒部14内周面のラジアル軸受面14aお
よび上記軸12とスリーブ13の端板15のスラ
スト軸受面15aとの間のそれぞれの間隙Cに
は、シリコン油を基油として用いたグリースを動
圧発生用の潤滑剤として封入している。
上記筒部14および端板15は、結晶性樹脂で
あるポリアセタール樹脂(商品名:ジユラコン)
に上記グリースの基油であるシリコン油を含浸さ
せた含油ポリアセタール樹脂で形成している。こ
のように、軸受装置内に封入するグリースの基油
と樹脂に含浸する油とに同一性状のものを用いる
のは、作動中に両者が化学反応を起こして性状変
化するのを回避するためである。また、上記スリ
ーブ13に結晶性樹脂を用いるのは、上記スリー
ブ13を成型する際に、この結晶性樹脂と含浸す
る油とが化学的に結合するため、含浸後の油の保
持力を高めることができるからである。
ところで、ポリアセタール樹脂はバランスのと
れた機械的性質を有し、耐疲労性、耐摩耗性、耐
熱性、耐加重性、耐油性等に非常に優れており、
エンジニアリングプラスチツクとして要求される
諸物性を満足する結晶化度の高い樹脂である。し
たがつて、ポリアセタール樹脂は軸受材としても
最近非常に注目されている樹脂である。
このように種々の特長を有するポリアセタール
樹脂にシリコン油を含浸させた本実施例の含油ポ
リアセタール樹脂は、含浸された上記シリコン油
によつて上記ラジアルおよびスラスト軸受面14
a,15aと軸2との間の間隙に封入するグリー
スに対するぬれ性が向上するため、上記グリース
がラジアル軸受面14aとスラスト軸受面15a
全体に広がり、気孔を生ずることなく油膜が良好
に形成される。したがつて、気孔に起因する油膜
破断の発生は効果的に防止され、油膜破断による
両軸受部18,19の損傷は回避される。
さらに、何等かの事情で間隙Cに封入されたグ
リースが切れても、軸12はラジアル軸受面14
aの内周面あるいはスラスト軸受面15aに接触
した際に、接触により含油ポリアセタール樹脂中
のシリコン油が噴出するため、潤滑を維持するこ
とができる。
また、既に述べたように、ポリアセタール樹脂
に含浸したシリコン油は軸受間隙Cに封入するグ
リースの基油と同じものであるので、ポリアセタ
ール樹脂中のシリコン油にもグリースにも性状変
化が生じない。
また、グリースの代わりに潤滑油、例えばフツ
素油を用いる場合には、同一種類の潤滑油、この
場合にはフツ素油をスリーブ13に含浸させるこ
とにより、上記と同様の効果が得られる。
なお、本実施例における動圧軸受装置はラジア
ル軸受部18とスラスト軸受部19を備え、両軸
受部18,19に対して本考案を適用したが、い
ずれか一方の軸受部のみに適用してもよい。ま
た、本実施例の動圧軸受装置はラジアル軸受部1
8とスラスト軸受部19の両方を備えたものであ
つたが、これに限るものではなく、本考案はすべ
ての動圧軸受装置において実施できることは言う
までもない。
また、本実施例では、樹脂として結晶性のポリ
アセタール樹脂を用いたが、潤滑油が浸透可能な
他の樹脂を用いてもよい。ただし、耐蝕性の低い
塩化ビニールや、水や油性の物質をはじく性質の
あるポリテトラフルオロエチレンなどは使用目的
に適合しないため除く。
また、本実施例では、軸受間隙に封入するグリ
ースの基油がシリコン油であつたため、ポリアセ
タール樹脂にシリコン油を含浸させたが、樹脂に
含浸させる潤滑油は軸受間隙内に封入する潤滑油
と同じもの(グリースの場合は基油と同じもの)
であればよい。
〈考案の効果〉 以上の説明より明らかなように、本考案の動圧
軸受装置は、軸と軸受面との間の間隙に封入され
る潤滑剤がグリースの場合はこのグリースの基油
と同一の油が、または潤滑油の場合は同一潤滑油
が含浸させられた樹脂製スリーブを使用するた
め、軸受面のぬれ性が向上する。したがつて、潤
滑油またはグリースを上記間隙に封入する際に、
軸受部の軸に対向する軸受面全体に、潤滑油また
はグリースが気孔を生ずることなく広がつて、油
膜が良好に形成されるので、気孔による油膜破断
が解消されるため、動圧軸受の起動時の摩耗や、
回転直後および停止前の境界潤滑状態時での摩耗
が防止され、軸受部に損傷が生じにくい。
さらに、封入した潤滑剤が蒸発などの理由によ
つて切れた場合であつても、軸と軸受面との接触
によつて樹脂内の油が噴出するため、動圧軸受装
置の潤滑は良好に維持できる。
さらにまた、軸受部に従来のような気孔がない
ため、軸受回転中の負荷容量の低下がない。
そのうえ、樹脂に含浸された油が軸受部に封入
された潤滑油またはグリースの基油と同一種であ
るため、潤滑油またはグリースの化学変化による
性状変化がない。
さらに、上記樹脂は結晶性樹脂であるため、油
の含浸率を高くすることができるので、ぬれ性や
潤滑性能をさらに向上できると共に、多孔質の樹
脂等に含浸させた場合に比べて、油の保持力が極
めて高いので、良好な潤滑性能を長期間維持する
ことができ、従つて、軸受の寿命を従来に比して
大幅に延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の動圧軸受装置の概
略断面図、第2図は従来例の概略断面図である。 2,12……軸、8,18……ラジアル軸受
部、9,19……スラスト軸受部。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 軸または該軸を嵌挿するスリーブの少なくと
    も一方の軸受面に溝が形成されて動圧軸受部が
    設けられるとともに、該動圧軸受部に動圧発生
    用の潤滑油を封入した動圧軸受装置において、 上記スリーブは潤滑油と同種の潤滑油を含浸
    させた結晶性樹脂で形成されていることを特徴
    とする動圧軸受装置。 (2) 軸または該軸を嵌挿するスリーブの少なくと
    も一方の軸受面に溝が形成されて動圧軸受部が
    設けられるとともに、該動圧軸受部に動圧発生
    用のグリースを封入した動圧軸受装置におい
    て、上記スリーブはグリースの基油を含浸させ
    た結晶性樹脂で形成されていることを特徴とす
    る動圧軸受装置。
JP1989094444U 1989-08-10 1989-08-10 Expired JPH0439454Y2 (ja)

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JP1989094444U JPH0439454Y2 (ja) 1989-08-10 1989-08-10

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JP1989094444U JPH0439454Y2 (ja) 1989-08-10 1989-08-10

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JPH0333216U JPH0333216U (ja) 1991-04-02
JPH0439454Y2 true JPH0439454Y2 (ja) 1992-09-16

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JP1989094444U Expired JPH0439454Y2 (ja) 1989-08-10 1989-08-10

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6319620U (ja) * 1986-07-22 1988-02-09

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6319620U (ja) * 1986-07-22 1988-02-09

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JPH0333216U (ja) 1991-04-02

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