JPH0438220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は冷凍倉庫内を冷却するために庫内に
取付けるクーラーユニツトの構造に関し、簡単な
構造でこのクーラーユニツトの連続運転によりそ
の熱交換器に附着する霜を迅速に解凍除去し、以
つて解凍時間の短縮と省エネルギーを計らんとす
るものである。

〔従来の技術〕

冷凍倉庫のクーラーは、コンデンシングユニツ
トを庫外に設置し、圧縮冷媒を庫内に導入して庫
内のクーラーユニツトで蒸発させ、その蒸発冷熱
を熱交換器から採つて附属のフアンを廻転して庫
内に冷気流を生ぜしめて冷却するものである。従
来のクーラーユニツト１は、第４図に示すよう
に、熱交換器とフアンとをケース１′に組込んだ
構造で、後部吸引口３側にフアンを設け、前後吹
出口２側に熱交換器を設けてある。即ち、フアン
により後部吸引口３から室内空気を引き込み、熱
交換器を通して前部吹出口２から冷気を室内に排
出している。上記熱交換器とフアンを収容したク
ーラーユニツト１は、普通、第４図に示すよう
に、冷凍庫内の天井に取付け、冷気の吹出口を庫
の中心方向に向け、冷気を吹出して庫内を冷却す
るが、連続運転中に熱交換器に付着する霜は、発
生状況に応じて、時々フアンを止め、且つ、冷媒
の循環を停止し、熱交換器に取付けた電気ヒータ
ーにより、又はホツトガスを送ることにより除霜
する方法が採用されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上のような方法であると、除霜の場合に、電
気ヒーター等で加熱しても、熱交換器が、周囲に
存在する庫内冷気により冷却されているから除霜
の速度がそいと共に、熱交換器の加熱が進行する
と周囲の、特に同一レベルの外気との対流によ
り、逆に周囲の雰囲気である冷気の温度を上昇さ
せ、又除霜時に生じた水滴が隣りに位置するフア
ンのガード近辺に付着し、これが氷結成長し次の
冷凍運転に入つたときのフアンモータの焼損事故
等の原因となる。この考案は除霜の時間を短縮し
て除霜し、作業性の向上と省エネルギーをはかる
と共に、前記のトラブルをも除かんとするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、冷凍倉庫の天井周辺部に取付けられ
るクーラーユニツトであつて、前部に冷気吹出口
を、後部に室内空気吸引口を形成した箱型ケース
内の、吹出口側に熱交換器を、吸引口側にフアン
を並設し、上記箱型ケースの後部に両側面を板部
材で閉塞した枠体を連設し、設置状態において、
枠体の上面、後面を天井、壁を利用して閉塞し、
下面のみが開口するようにすることにより、その
目的を達成するものである。

〔作用〕

前記の如くクーラーユニツトは上面は天井に接
して取り付けられ、又後側の吸引口側に形成した
枠体の内、後面は普通必ず冷凍庫壁により閉塞さ
れるが、前記空間の左右側面は開放されて居り、
クーラーユニツトの取り付け場所によつて右又は
左は冷凍庫の側壁によつて閉塞されるのである
が、側面の他方は開放されて居る。この状態で運
転すれば冷凍運転中はクーラーユニツトの後側枠
体の下面及び側面からクーラーユニツト後部分の
フアンにより冷凍庫の空気が吸引されて吹出し、
冷凍庫内の空気は次第に冷凍温度となつて行く
が、この運転を続けて行くと、前述の如く熱交換
器にだんだん霜が附着し効率が悪くなるため、
時々運転を止め熱交換器に予め設備された電気ヒ
ーターに通電して除霜を行うのであるが、このま
ま除霜のための加熱を行うと除霜と共に熱交換器
内ならびに周囲の空気が昇温して軽くなるため、
前記クーラーユニツト後側枠体の側面から同一レ
ベルの周囲の空気の対流で枠体外の空気と入れか
わり、これが加熱のロスとなると共に、クーラー
ユニツト外の空気を昇温せしめるばかりでなく、
冷凍運転中は通電により温まつて居て霜の附着し
なかつたフアンにまで逆に霜が附着しはじめると
云う不都合があり、除霜時間の遅延と共に、運転
再開にも支障を来たすこともあり得るため、本考
案はこのトラブルを除去するため前記後側枠体の
側面のみを板部材で閉塞することにより、前述の
トラブルを解消せんとするものである。前述の如
く、側面を閉塞することにより、クーラーユニツ
トの取付け場所が、第３図に示す如き左隅・中
間・右隅であつても枠体の後面は必ず冷凍倉庫の
壁面に接し、他方の側面は板部材で閉塞され、上
面は天井に接するためその開口部分は下面のみと
なり、運転を停止して除霜のための加熱を行えば
同一レベルの周囲の空気との対流は発生せず、勿
論、下部周囲の冷たい空気が上昇して対流するこ
ともなく、昇温したクーラーユニツト内の空気は
熱交換器の除霜を迅速にするばかりでなくフアン
の着霜をも防止し、運転停止時間を短縮して作業
効率を上昇せしめると共に、省エネルギーとして
の効果も得られるものである。第４図にその短縮
の実験例として温度の測定位置とその位置での温
度変化曲線を示し、除霜時間の短縮ぶりを示す。

〔実施例〕

次に第１図、第２図、第３図によりその実施例
を説明する。

本考案に係るクーラーユニツト１は、前部に冷
気吹出口２を、後部に室内空気吸引口３を形成し
た箱型ケース１′内に、吹出口側に熱交換器２′
を、吸引口側にフアン３′を並設状態において、
下面のみが開口６′する枠体６を連設した構造で
ある。上記クーラーユニツト１は、冷凍庫内の空
気をよく冷却し、しかも庫内空間を狭くしないた
めに倉庫内の天井７の周辺部に接して取付けら
れ、冷却された空気は、冷凍庫内の中心部に向か
つて吹出されるようにされて居る。而してクーラ
ーユニツト１内前部に熱交換器２′、後部にフア
ン３′を揃え冷却運転中はフアン３′の廻転により
枠体６の下面開口部６′から箱型ケース１′の後部
引出口３を通つて吸込まれた空気は熱交換器２′
で冷却され、前部吹出し口２から吹き出し、順次
冷凍倉庫内の空気が冷却されるのであるが、この
クーラーユニツト１の箱型ケース１′の後側に連
設形成した枠体６の左右両側面を板部材５，５′
で閉塞することにより、吸引空気は前記枠体６の
下側面のみから吸引されることになり、第３図に
示す如く、クーラーユニツト１が天井周辺部の何
れの取付け位置であつても冷凍倉庫の壁８，８′，
８′により前述の如く吸引空気はすべて枠体６の
下面開口部６′のみからとなる故、枠体６の閉塞
すべき面は左右部材５，５′のみでよく冷凍倉庫
の壁８で閉塞される後側面４は閉塞を要しないの
である。

〔考案の効果〕

上記の如く形成されたクーラーユニツト１を運
転し続けると、熱交換器２′にだんだん着霜し、
冷却効率が低下するため、一定の時間を経過した
後、運転を停止して除霜するために、電気ヒータ
ーやホツトガスで熱交換器２′を加熱する。この
様にして熱交換器２′を加熱すれば、これに伴つ
てその周辺の空気も加熱され、第４図の如くクー
ラーユニツトの左右側面が開放されて居る場合は
クーラーユニツトから外に流出して同一レベルの
周辺部分の冷空気と置換され加熱効率を低下せし
める。そして叉置換によりクーラーユニツト１内
に進入して来た冷気により通電停止により冷えた
フアンのモーター部分にまで着霜することがあ
り、これを防止するためにはこの部分にまで電気
ヒーターを必要とすることになる。本考案は枠体
６の左右両側面を単に板部材５，５′で閉塞した
から、第３図に示す何れの取付位置に於いても前
記の不具合は解消され第４図に示す如く２時間15
分の除霜時間（Ａ表で示す）が一挙に１時間20分
の除霜時間（Ｂ表で示す）に短縮されたのであ
る。よつて作業効率の向上と省エネルギーに効果
あること明らかであり、本考案は産業上有利なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施状態を示すクーラーユニ
ツトの斜視図、第２図は冷凍倉庫へのクーラーユ
ニツトの取付状態を示す側面図、第３図は取付位
置３様を示す略平面図、第４図は本考案の実施前
後の除霜時間差を示すデータ曲線とその測定位置
図である。 １……クーラーユニツト、２……吹出口、２′
……熱交換器、３……吸引口、３′……フアン、
４……後側面、５，５′……左右板部材、６……
枠体、７……天井、８，８′……壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 冷凍倉庫の天井周辺部に取付けられるクーラー
   ユニツトであつて、 前部に冷気吹出口を、後部に室内空気吸引口を
   形成した箱型ケース内の、吹出口側に熱交換器
   を、吸引口側にフアンを並設し、 上記箱型ケースの後部に両側面を板部材で閉塞
   した枠体を連設し、設置状態において、枠体の上
   面、後面を天井、壁を利用して閉塞して、下面の
   みが開口するようになしたことを特徴とする冷凍
   倉庫用クーラーユニツト。