JPH0438209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、例えば冷蔵庫のように扉に操作盤を
有しその扉と貯蔵庫本体との間で複数種類の制御
用信号を送受信するようにした貯蔵庫、特には上
記制御用信号の送受信を扉支持用のヒンジ部に挿
通させた信号線を介して行なうようにした貯蔵庫
に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 従来より、例えば冷蔵庫において、扉に設けた
急速冷凍開始用のスイツチの操作に応じて冷凍室
内の急速冷凍運転を所定時間実行するようにした
ものが供されており、第２図には斯様な冷蔵庫に
おける要部の電気的構成の一例が示されている。
即ち、１は扉側に設けられた急速冷凍運転用の制
御回路で、この制御回路１において、２は扉前面
の操作盤に設けられた急速冷凍運転開始及び停止
用の押しボタンスイツチ、３はＤフリツプフロツ
プ、４はリセツト端子Ｑ及びインヒビツト端子
INHを有したタイマ、５はこのタイマ４の時定
数回路、６は前記操作盤に設けられた発光ダイオ
ード、７はトランジスタ、８，９，１０は抵抗、
＋Vccは直流電源端子である。上記Ｄフリツプフ
ロツプ３は、反転側の出力端子がデータ入力端
子Ｄに接続され、押しボタンスイツチ２がオン操
作される毎にトリガされて非反転側の出力端子Ｑ
から制御用信号たる運転開始指令信号Sa（ハイレ
ベル信号）を出力した状態とその運転指令信号
Saの出力を停止した状態との間で反転するよう
に構成されている。タイマ４は、上記運転指令信
号Saが出力されたときに一定時間のタイマ動作
を開始すると共に、その運転指令信号Saが出力
停止されたとこにタイマ動作を停止するように構
成されており、タイマ動作が終了したときには出
力端子Ｐからハイレベル信号を出力してＤフリツ
プフロツプ３をリセツト状態（運転指令信号Sa
が出力停止された状態）に戻すようになつてい
る。尚、このタイマ４は、タイマ動作中において
インヒビツト端子INHにローレベル信号を受け
たときにタイマ動作を一時的に停止する構成であ
る。トランジスタ７は運転指令信号Saが出力さ
れた状態時のみオンするように構成されており、
そのオン期間中発光ダイオード６が点灯されて急
速冷凍運転が行なわれている旨の報知がなされ
る。

しかして、上記運転指令信号Saは信号線１１
を介して冷蔵庫本体側の運転制御装置（図示せ
ず）に与えられるようになつており、この運転制
御装置は、運転指令信号Saを受けたときに冷凍
室用冷却器のみに冷媒を強制的に供給するという
冷凍室の急速冷凍運転を実行し、運転指令信号
Saが入力されなくなつたときにその急速冷凍運
転を停止させるように構成されている。また、上
記運転制御装置は、冷凍室用冷却器の着霜量が所
定量以上に増えたときに除霜指令信号Sd（ローレ
ベル信号）を出力してその冷凍室用冷却器の除霜
運転を開始させるように構成されており、このよ
うな除霜運転中には前記急速冷凍運転を停止させ
る必要があるため、上記除霜信号Sdを信号線１
２を介してタイマ４のインヒビツト端子INHに
与え、以てそのタイマ動作を一次的に中断させる
ように構成されている。要するに従来の冷蔵庫に
おいては、冷蔵庫本体と扉との間で運転指令信号
Sa及び除霜指令信号Sdの送受信を行なうために
少なくとも２本の信号線１１，１２が必要であ
り、斯様な信号線１１，１２は扉支持用のヒンジ
部１３内を挿通させて配線されるようになされて
いる。このため、従来の冷蔵庫では、信号線数が
多くなつてその分コスト高になるばかりか、ヒン
ジ部１３内に少なくとも２本の信号線１１，１２
と制御回路１用の電源線を通さねばならないた
め、そのヒンジ部１３の形状が大形化する問題点
があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、
その目的は、貯蔵庫本体と扉との間に制御用信号
を伝送するために設けられる信号線の必要数を減
らすことができ、以てコスト安になし得ると共に
ヒンジ部を小形化できる等の効果を奏する貯蔵庫
を提供するにある。

［考案の概要］ 本考案は上記目的を達成するために、扉支持用
のヒンジ部に挿通させた信号線を介して貯蔵庫本
体と扉との間で制御用信号の送受信を行なうよう
にした貯蔵庫において、前記ヒンジ部に挿通され
る信号線の本数を前記制御用信号２種類につき１
本にすると共に、前記信号線に優先順位が低い制
御用信号が出力された状態で優先順位が高い制御
用信号が出力されたときにその低優先順位信号を
一時的に出力停止状態に待機させるロツク手段を
設け、構成としたものであり、これによつて１本
の信号線によつて２種類の制御用信号を送受信で
きるようにしたものである。

［考案の実施例］ 以下、本考案を冷蔵庫に適用した一実施例につ
いて第１図を参照しながら説明するに、この実施
例において前記第２図と同一部分にはこれと同一
符号を付すことによりその説明を省略しながら述
べる。即ち、１４は２種類の制御用信号（運転指
令信号Sa及び除霜指令信号Sd）につき１本設け
られた信号線で、ヒンジ部１３に挿通された状態
で冷蔵庫本体側の図示しない運転制御装置と扉側
の制御回路１とを接続している。この場合、信号
線１４の扉側の一端は二分岐され、一方の分岐端
が保護用抵抗１５を介してＤフリツプフロツプ３
の出力端子Ｑに接続され、且つ他方の分岐端がタ
イマ４のインヒビツト端子INHに直接接続され
ている。また、信号線１４の冷蔵庫本体側の一端
は、ロツク手段たるPNP形のトランジスタ１６
のエミツタ・コレクタ間を介してアースされてお
り、斯かるトランジスタ１６のベースに対して前
記運転制御装置からの除霜指令信号Sdが抵抗１
７を介して与えられるようになつている。

上記構成において、除霜指令信号Sdが出力さ
れたときに急速冷凍運転を中断する必要があるの
は従来と同じであり、従つて除霜指令信号Sdの
方が運転指令信号Saより優先順位が高い。しか
して、急速冷凍運転が行なわれた状態、換言すれ
ばＤフリツプフロツプ３から運転指令信号Saが
出力されてタイマ４がタイマ動作を実行中の状態
においては、その運転指令信号Sa（ハイレベル信
号）が信号線１４を介して冷蔵庫本体側の運転制
御装置に与えられている。この状態で、運転制御
装置から除霜指令信号Sd（ローレベル信号）が出
力されると、その除霜指令信号Sdをベースに受
けたトランジスタ１６がオンするため信号線１４
の電位が零レベルに落とされ、以て運転指令信号
Saが出力停止された状態と等価の状態になされ。
そして、斯様に運転指令信号Saの出力が停止さ
れた状態に待機されるのに応じて、急速冷凍運転
が停止されると共に除霜指令信号Sdに基づいて
除霜運転が行なわれる。また、これと同時にタイ
マ４のインヒビツト端子INHにローレベル信号
が入力されるため、そのタイマ４のタイマ動作が
一時的に停止される。この後、除霜運転が完了し
て除霜指令信号Sdの出力が停止されると、トラ
ンジスタ１６がオフするため、信号線１４に再び
運転指令信号Saが出力されるようになり、これ
に応じて急速冷凍運転が再開されると共に、タイ
マ４もタイマ動作を再開する。そして、タイマ４
のタイマ動作が終了したときには、そのタイマ４
の出力端子Ｐからのハイレベル信号によつてＤフ
リツプフロツプ３がリセツトされて運転指令信号
Saが出力停止され、これに応じて急速冷凍運転
が自動的に終了される。尚、急速冷凍運転中に押
しボタンスイツチ２がオン操作されたときには、
Ｄフリツプフロツプ３がリセツトされて急速冷凍
運転が直ちに停止される。

従つて、上記した本実施例の構成によれば、ヒ
ンジ部１３に挿通させる信号線の本数を１本にで
きるものであり、その分コスト安になし得ると共
に、ヒンジ部１３の小形化を実現できる。

尚、本考案は上記し且つ図面に示した実施例に
限定されるものではなく、例えば冷蔵庫に限らず
他の貯蔵庫にも適用できる等、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形して実施することができるも
のである。

［考案の効果］ 本考案によれば以上の説明によつて明らかなよ
うに、優先順位を有した複数種類の制御用信号を
貯蔵庫本体と扉との間で送受信できるようにした
貯蔵庫において、制御用信号を伝送するための信
号線の必要数を減らすことができて、コストの低
減並びにヒンジ部の小形化を実現できるという実
用的な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気的構成
図、第２図は従来例を示す第１図相当図である。 図中、１は制御回路、２は押しボタンスイツ
チ、３はＤフリツプフロツプ、４はタイマ、１３
はヒンジ部、１４は信号線、１５は保護用抵抗、
１６はトランジスタ（ロツク手段）を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 優先順位を有した複数種類の制御用信号を貯蔵
   庫本体と扉との間で送受信するようにした貯蔵庫
   において、前記扉支持用のヒンジ部に前記制御用
   信号２種類につき１本の信号線を挿通させると共
   に、前記信号線に優先順位が低い制御用信号が出
   力された状態で優先順位が高い制御用信号が出力
   されたときにその低優先順位信号を一時的に出力
   停止状態に待機させるロツク手段を設けたことを
   特徴とする貯蔵庫。