JPH0438090Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、アクチユエータに圧力流体を給排す
る制御弁に関し、さらに詳しくは、アクチユエー
タの流体の排出時にそれを急速に排出させ得る急
速排気制御弁に関するものである。

［従来の技術］ 従来、アクチユエータを急速復帰させてアクチ
ユエータの作動時間を短縮するための急速排気弁
として、第４図に示すものが知られている。

同図に示す急速排気弁１は、図示を省略してい
る切換弁とアクチユエータの間の流路に設けられ
るもので、弁本体２内に流体圧による作用力とス
プリング３，４の付勢力の大小によつて開閉する
開閉弁５と絞り弁６とを並列に備え、絞り弁６の
開度はねじ杆７によつて調整可能に構成されてい
る。

上記急速排気弁１は、切換弁から圧力流体が
供給される図示の状態のときには、絞り弁６は流
体圧によつて閉鎖されるが、開閉弁５が流体圧に
よつて開放するので、圧力流体は開閉弁５を通つ
てアクチユエータに供給される。切換弁がアクチ
ユエータの圧力流体を大気に排出する切換位置に
切換わると、開閉弁５及び絞り弁６が排気の圧力
によつてスプリング３，４の付勢力に抗して開放
するので、アクチユエータの流体は急速に排出さ
れる。アクチユエータの流体の排出によつて排気
の圧力が低下すると、開閉弁５はスプリング３の
付勢力によつて閉鎖するが、絞り弁６のスプリン
グ４の付勢力はスリング３のそれよりも小さくさ
れているので、排気は絞り弁６を通つて排出され
る。この場合、絞り弁６の限度はねじ杆７を回転
することによつて調整される。

上記開閉弁５の閉鎖によつて排気の排気量が制
限されるので、急速復帰したアクチユエータは、
ストローク終端近傍で減速されて、ストローク終
端において確実に停止する。

しかしながら、上記公知の急速排気弁は、アク
チユエータに圧力流体を供給する別個の切換弁を
必要とするので高価になるばかりでなく、配管が
面倒になる欠点がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、アクチユエ
ータに圧力流体を給排する切換弁に急速排気弁と
しての機能を具備させて、両者の弁を一体化した
安価なものにするとともに、配管を簡単にするこ
とにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案の急速排気制
御弁は、主弁１０と、該主弁を駆動するパイロツ
ト弁４０Ａ，４０Ｂまたは５０とを備えた急速排
気制御弁であつて、上記主弁１０に、供給ポート
Ｐと出力ポートＡとの間を開閉する供給弁部１２
と、出力ポートＡと排出ポートＲとの間を開閉す
る排出弁部１３と、パイロツト弁４０Ａ，５０か
ら供給される供給流体圧の作用力がスプリング２
８の付勢力より大きい場合に供給ポートＰと出力
ポートＡとを連通させる供給弁部１２の駆動部１
４と、パイロツト弁４０Ｂからまたはパイロツト
弁５０の切換えにより出力される出力ポートＡの
フイードバツク流体の作用力が供給流体圧の作用
力より大きい場合に出力ポートＡと排出ポートＲ
間を全開状態で連通させ、フイードバツク流体圧
の作用力の低下に伴つてポートＡとＲ間の連通を
次第に絞つて小開状態で連通させる排出弁部１３
の駆動部１５とを設けたことを特徴としている。

［作用］ 出力ポートの流体圧が低下した状態において、
パイロツト弁４０Ａ，５０を通じて供給弁部の駆
動部に供給流体圧が供給されていないときは、主
弁の供給弁部における出力ポートと供給ポートと
の連通が遮断され、また排出弁部においては、出
力ポートと排出ポート間が予め設定された小開状
態で連通している。

この状態において、パイロツト弁４０Ａ，５０
から供給弁部の駆動部にパイロツト流体を供給す
ると、パイロツト流体圧によつて供給弁部が復帰
スプリングの付勢力に抗して全開するので、出力
ポートと供給ポートが連通して出力ポートに圧力
流体が供給される。この場合には、パイロツト弁
４０Ａ，５０が出力ポートと排出弁部の駆動部と
の連通を遮断し、それにより排出弁部が出力ポー
トと排出ポートの連通を遮断する。

次いで、パイロツト弁４０Ａ，５０により供給
弁部の駆動部への流体圧の供給を遮断し、スプリ
ングの付勢力によつて供給弁部を閉鎖すると、出
力ポートと供給ポートの連通が遮断され、またパ
イロツト弁４０Ｂからまたはパイロツト弁５０の
切換えにより出力ポートの流体圧を排出弁部の駆
動部に供給すると、出力ポートと排出ポートが全
開状態で連通するので、排出流体は急速に排出さ
れる。

上記流体の排出に伴つて出力ポートの流体圧が
低下すると、供給流体圧によつて排出弁部の駆動
部が排出弁部の閉鎖方向に駆動され、出力ポート
と排出ポートの連通が小開状態になるので、排出
流体の排出量が次第に減少し、出力ポートの流体
圧がさらに低下すると、出力ポートと排出ポート
が小開状態で連通する元の状態に復帰する。

［実施例］ 第１図及び第２図は本考案の第１実施例を示
し、この急速排気制御弁は、主弁１０及び主弁１
０を駆動する電磁作動のパイロツト弁４０Ａ，４
０Ｂで構成されている。

上記主弁における弁本体１１は、供給ポート
Ｐ、出力ポートＡ及び排出ポートＲを備え、内部
には供給弁部１２、排出弁部１３、供給弁部１２
の駆動部１４及び排出弁部１３の駆動部１５が設
けられている。

供給弁部１２は、供給ポートＰと出力ポートＡ
を連通させる供給弁座１６を備え、供給弁座１６
との対向位置にはそれと略同径の案内部を有する
背室を形設し、その案内部に供給弁座１６を開閉
する供給弁体１７を摺動可能に挿嵌するととも
に、供給弁体１７を供給弁座１６に押付ける供給
弁スプリング１８を縮設している。なお、上記背
室は、供給弁体１７に設けた連通孔により出力ポ
ートＡに連通させている。

上記供給弁部１２と同一軸線上に形成された排
出弁部１３は、出力ポートＡと排出ポートＲを連
通させる排出弁座１９を備え、その排出弁座１９
は上記供給弁座１６と背向状態に形設されてい
る、また、弁本体１１における排出弁座１９と対
向する位置には案内部を有する背室が形設され、
その背室の案内部に排出弁座１９を開閉する排出
弁体２０を摺動可能に挿嵌するとともに、排出弁
体２０を排出弁座１９に押付ける排出弁スプリン
グ２１を縮設している。なお、上記背室は、排出
弁体２０に設けた連通孔により出力ポートＡ側に
連通させている。

上記駆動部１４は、供給弁体１７のロツド挿通
孔に摺動自在に挿通した供給弁ロツド２２と排出
弁体２０のロツド挿通孔に摺動自在に挿通した排
出弁ロツド２３とを備え、ロツド２３，２３は、
後述の構成により軸方向に摺動可能に連結されて
いる。

供給弁ロツド２２は供給弁座側に大径部を有
し、背室を貫通した他端にはピストン２４が固定
されている。このピストン２４は、弁本体１１内
のピストン室に第１パイロツト室２５と第２パイ
ロツト室２６とを区画形成し、両室に作用する力
の差により軸方向に駆動されるもので、第１パイ
ロツト室２５は第１パイロツト通路２７を通じて
パイロツト弁４０Ａに連通しており、第２パイロ
ツト室２６には復帰スプリング２８が縮設されて
いる。したがつて、ピストン２４及び供給弁ロツ
ド２２は、第２パイロツト室２６の復帰スプリン
グ２８の付勢力が第１パイロツト室２５の作用力
より大きいときには下動し、小さいときには上動
する。

上記ピストン２４は、供給弁ロツド２２に固定
されたピストン本体とこれに螺着された蓋体より
なり、これらによつて形成された中空部には、ね
じ杆２９先端のストツパ３０が挿入されている。
ねじ杆２９の他端はピストン２４の蓋体を貫通し
て弁本体１１に螺着されており、ねじ杆２９の回
転によつてピストン２４のストロークを調整可能
としている。

一方、上記駆動部１５における排出弁ロツド２
３は、排出弁座側に大径部を有し、背室を貫通し
た他端に固定されたピストン３１は、弁本体１１
内のピストン室に第３パイロツト室３２とそれよ
りも大径の第４パイロツト室３３を区画形成し、
第４パイロツト室３３側の受圧面積を第３パイロ
ツト室３２側のそれよりも大きくして、第３パイ
ロツト室３２を第３パイロツト通路３４を通じて
空気源３６に、第４パイロツト室３３を第４パイ
ロツト通路３５を通してパイロツト弁４０Ｂにそ
れぞれ連通させている。したがつて、ピストン３
１及び排出弁ロツド２３は、第４パイロツト室３
３の作用力が第３パイロツト室３２のそれより大
きいときには下動し、小さいときには上動する。

上記供給弁ロツド２２の大径部は、先端の筒状
部３７を排出弁ロツド２３の大径部に対して両弁
部１２，１３が同時に閉鎖可能な状態において摺
動自在に外嵌させている。したがつて、ロツド２
２，２３の一方が上下動しても、他方は静止して
いる。

一方、パイロツト弁４０Ａ，４０Ｂは、弁機構
部４１ａ，４１ｂ及び電磁部４２ａ，４２ｂより
なる周知の３ポート電磁弁からなり、パイロツト
弁４０Ａの弁機構部４１ａは、通路４３によつて
空気源３６に連通するポートPa、第１パイロツ
ト通路２７に連通するポートAa及び大気に連通
するポートRaを備え、パイロツト弁４０Ｂの弁
機構部４１ｂは、通路４４によつて出力ポートＡ
に連通するポートPb、第４パイロツト通路３５
に連通するポートAb及び大気に連通するポート
Rbを備えている。

次に、上記実施例の作動を説明する。

第１図はパイロツト弁４０Ａ，４０Ｂの電磁部
４２ａ，４２ｂが非励磁の状態にあり、第１パイ
ロツト室２５は第１パイロツト通路２７及びパイ
ロツト弁４０ａのポートAa，Raを通つて大気に
連通しているので、ピストン２４及び供給弁ロツ
ド２２は復帰スプリング２８の付勢力によつて図
において下動し、供給弁部１２は供給弁スプリン
グ１８の付勢力で閉鎖している。一方、第４パイ
ロツト室３３の流体圧は、出力ポートＡの流体圧
の低下によつて低下しているので、ピストン３１
及び排出弁ロツド２３は第３パイロツト室３２に
供給されている空気源３６の圧力流体によつて下
動し、排出弁座１３も排出弁スプリング２１の付
勢力で閉鎖している。

この場合、ねじ杆２９によつて供給弁ロツド２
２のストロークを調整しておくことができる。

電磁部４２ａ，４２ｂの両者を励磁すると、第
１パイロツト室２５に圧力流体が供給されてピス
トン２４及び供給弁ロツド２２がスプリングの付
勢力に抗して上動するので、供給弁部１２が全開
して圧力流体が供給ポートＰから出力ポートＡに
流出する。一方、第４パイロツト室３３の流体は
第４パイロツト通路３５及びパイロツト弁４１ｂ
のポートAb，Rbを通つて大気に排出されるの
で、排出弁部１３は排出弁スプリング２１の付勢
力で閉鎖状態に保たれている。

この状態で電磁弁４２ａ，４２ｂの励磁を解除
すると、第１パイロツト室２５の流体が第１パイ
ロツト通路２７及びパイロツト弁４０Ａを通つて
大気に排出されるので、復帰スプリング２８の付
勢力によつてピストン２４が下動し、供給弁部２
１が供給弁スプリング１８の付勢力で閉鎖され
る。一方、出力ポートＡの圧力流体が、通路４
４、パイロツト弁４０Ｂ及び第４パイロツト通路
３５を通つて第４パイロツト室３３に流入し、第
４パイロツト室側におけるピストン３１の受圧面
積が第３パイロツト室側のそれよりも大きいの
で、ピストン３１が下動して排出弁部１３を全開
状態にする。したがつて、出力ポートＡの圧力流
体が排出ポートＲに急速に排出される。

上記出力ポートＡの流体の排出によつて出力ポ
ート側の流体圧が低下すると、第４パイロツト室
３３側のピストン３１に対する作用力が第３パイ
ロツト室３２側のそれに比して次第に小さくなる
ために、ピストン３１及び排出弁ロツド２３は図
において上動して排出弁部１３の開口量が小さく
なり、排出弁部１３から流出する排出量が絞られ
る。出力ポートＡにおける流体圧がさらに低下す
ると、排出弁部１３は、出力ポートＡと排出ポー
トＲが予め設定された小開状態となる元の状態に
復帰する。

第３図は本考案の第２実施例を示し、この第２
実施例のパイロツト弁５０は、通常の電磁作動の
５ポート弁で構成されている。したがつて、第２
実施例におけるパイロツト弁５０は、１個の電磁
部５１によつて主弁１０を駆動することができ
る。

第２実施例の作用は、第１実施例におけるポー
トRa，Rbが共通である以外は第１実施例と同じ
なので、図中の同一または相当部分に同一の符号
を付して詳細な説明は省略する。

なお、本考案の急速排気制御弁は、例えば上下
方向に配置された流体圧シリンダによつて負荷を
昇降する場合の、復帰圧力室に接続すると、復帰
圧力室への圧力空気の供給と復帰圧力室の排気の
排出を急速にできるので、負荷を昇降させる時間
を短縮することができ、しかも駆動ストローク終
端近傍で排気量が絞られることによつて、ピスト
ンをシリンダ壁に衝突させることなく緩衝的に停
止させることができる。

［考案の効果］ 本考案の急速排気制御弁は、圧力流体の給排を
行う主弁の排出弁部が急速排気弁としての機能を
有することにより、別個に急速排気弁を設ける必
要がないので、弁を一体として安価なものにする
ことができるとともに、配管を簡単にすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の縦断正面図、第
２図は同上作動説明図、第３図は本考案の第２実
施例の作動説明図、第４図は従来の急速排気弁の
縦断正面図である。 １０……主弁、１２……供給弁部、１３……排
出弁部、１４，１５……駆動部、２８……スプリ
ング、４０Ａ，４０Ｂ，５０……パイロツト弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 主弁１０と、該主弁を駆動するパイロツト弁４
   ０Ａ，４０Ｂまたは５０とを備えた急速排気制御
   弁であつて、 上記主弁１０に、供給ポートＰと出力ポートＡ
   との間を開閉する供給弁部１２と、出力ポートＡ
   と排出ポートＲとの間を開閉する排出弁部１３
   と、パイロツト弁４０Ａ，５０から供給される供
   給流体圧の作用力がスプリング２８の付勢力より
   大きい場合に供給ポートＰと出力ポートＡとを連
   通させる供給弁部１２の駆動部１４と、パイロツ
   ト弁４０Ｂからまたはパイロツト弁５０の切換え
   により出力される出力ポートＡのフイードバツク
   流体の作用力が供給流体圧の作用力より大きい場
   合に出力ポートＡと排出ポートＲ間を全開状態で
   連通させ、フイードバツク流体圧の作用力の低下
   に伴つてポートＡとＲ間の連通を次第に絞つて小
   開状態で連通させる排出弁部１３の駆動部１５と
   を設けた、ことを特徴とする急速排気制御弁。