JP4277240B2 - 省エネルギ駆動用電磁弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンのストローク端への移動に必要最低限の空気をエアシリンダへ供給し、必要以上の空気の供給を停止する機能をもたせた省エネルギ駆動用電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の供給停止弁(2位置2ポート切換弁,開閉弁)88を備えた省エネルギ機能を有する空気圧駆動システム(実開昭55−177559号公報参照)の回路図である。空気圧源80は電磁切換弁81の供給ポートPに連通され、電磁切換弁81の出力ポートAは供給停止弁88を備えた配管87を介してエアシリンダ82のヘッド側シリンダ室84に連通されている。エアシリンダ82のロッド側シリンダ室83は配管86を介して電磁切換弁81の出力ポートBに連通され、配管87と供給停止弁88のパイロット室との間は、スピードコントローラ(チェック弁と可変絞り弁を並列に接続したもの)89を介在させた配管によって連通されている。
【0003】
電磁切換弁81が図7に示す位置IIにあるとき、圧縮空気は空気圧源80から電磁切換弁81の供給ポートP・出力ポートBから配管86を通ってエアシリンダ82のロッド側シリンダ室83に流入する。ヘッド側シリンダ室84は配管87、供給停止弁89(開位置)、電磁切換弁81の出力ポートA・排気ポートRAを通って排気される。従って、ピストン85は急速に後退移動し、ピストン85がストローク後端に達するまでロッド側シリンダ室83には圧縮空気が流入するので、後退のストロークにおいては省エネルギは行われない。
【0004】
電磁切換弁81を位置Iに切り換えると、圧縮空気は空気圧源80から電磁切換弁81の圧力ポートP・出力ポートA、配管87、供給停止弁88(開位置)を通ってエアシリンダ82のヘッド側シリンダ室84に流入する。ロッド側シリンダ室83の空気は配管86、電磁切換弁81の出力ポートB・排気ポートRBを通って大気に排気される。ピストン85は前進移動を開始し、供給停止弁88(開位置)のパイロット室にはスピードコントローラ89により制御された圧縮空気が徐々に流入する。ピストン85が所定のストロークに達したとき、供給停止弁88が閉位置に切り換えられ、ヘッド側シリンダ室84への圧縮空気の供給が停止される。従って、その後の残ストロークは、ヘッド側シリンダ室84内の封入空気が膨張し、膨張により圧力が低下(例えば0.5MPaから0.2MPaへ)しつつ、そしてピストン85が減速しつつ前進移動を行い、減速緩衝の効果を発揮してタイミングよく停止する。前進のストロークにおいては、供給停止弁88が切り換えられて、圧縮空気の供給が停止されるときから移動停止に至るストロークの分の圧縮空気が節約されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7の従来例においては、電磁切換弁81の他に供給停止弁88とスピードコントローラ89を必要とし、しかも前進移動のみでなく後退移動時にも省エネルギの効果を発揮させるためには、配管86にも供給停止弁88とスピードコントローラ89を配設する必要がある。このように、多数の部品を組み合わせるので、組立の手数と多数の部品の費用を必要とし、コスト高となった。
本発明は、一つの部品である省エネルギ駆動用電磁弁によって、ピストンの移動方向を制御するとともに、エアシリンダへピストンのストロークに必要最低限の空気を供給し、必要以上の空気の供給を停止できるようにすることを第1の課題とし、高速起動及び緩衝停止ができるようにすることを第2の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するために、供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRA・RBの5ポートを有し、供給ポートPと出力ポートAとが連通するとともに出力ポートBと排気ポートRBとが連通し、排気ポートRAが閉鎖される位置Iと、出力ポートBと排気ポートRBとが連通し、供給ポートP、出力ポートA及び排気ポートRAがともに閉鎖される位置IIと、出力ポートAと排気ポートRAとが連通し、供給ポートP、出力ポートB及び排気ポートRBがともに閉鎖される位置III と、供給ポートPと出力ポートBとが連通するとともに出力ポートAと排気ポートRAとが連通し、排気ポートRBが閉鎖される位置IVとの4つの位置のいずれか一つに切り換えられるように構成された電磁弁において、上記供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRA・RBが連通路によってスリーブに連通され、スリーブの両側に第1・第2シリンダ孔が形成され、スリーブに第1・第2スプールが移動可能にそれぞれ挿入され、第1シリンダ孔に嵌合された第1中空ピストンが第1スプールに連結され、同様に第2シリンダ孔に嵌合された第2中空ピストンが第2スプールに連結され、第1スプールと第2スプールとは、リターンスプリングにより離隔方向に付勢されるとともに間隔規制ロッドにより離隔距離が制限されることを第1の構成とする。
本発明は、供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRの4ポートを有し、供給ポートPと出力ポートAとが連通するとともに出力ポートBと排気ポートRとが連通する位置Iと、出力ポートBと排気ポートRとが連通し、供給ポートP及び出力ポートAが閉鎖される位置IIと、出力ポートAと排気ポートRとが連通し、供給ポートP及び出力ポートBが閉鎖される位置III と、供給ポートPと出力ポートBとが連通するとともに出力ポートAと排気ポートRとが連通する位置IVとの4つの位置のいずれか一つに切り換えられるように構成された電磁弁において、上記供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRが連通路によってスリーブに連通され、スリーブの両側に第1・第2シリンダ孔が形成され、スリーブに第1・第2スプールが移動可能にそれぞれ挿入され、第1シリンダ孔に嵌合された第1中空ピストンが第1スプールに連結され、同様に第2シリンダ孔に嵌合された第2中空ピストンが第2スプールに連結され、第1スプールと第2スプールとは、リターンスプリングにより離隔方向に付勢されるとともに間隔規制ロッドにより離隔距離が制限されることを第2の構成とする。
本発明は、第1及び第2の構成において、ソレノイドA・Bを有し、ソレノイドAを励磁し、ソレノイドBを消磁するとき位置Iに切り換えられ、位置IでソレノイドA・Bを消磁すると位置IIに切り換えられ、ソレノイドBを励磁し、ソレノイドAを消磁するとき位置IVに切り換えられ、位置IVでソレノイドA・Bを消磁すると位置III に切り換えられることを第3の構成とする。
本発明は、第1〜3の構成において、第1・第2スプール(及び第1・第2中空ピストン)の内部に間隔規制ロッドのロッド部が挿通され、間隔規制ロッドのロッド部の外周で第1・第2スプール(及び第1・第2中空ピストン)の内部かつ第1スプールの段部と第2スプールの段部との間にリターンスプリングが装着され、第1・第2スプール(又は第1・第2中空ピストン)の内面と間隔規制ロッドのロッド部の外面との間が密封され、間隔規制ロッドの両側に第1フランジと第2フランジとが形成され、第1フランジが第1スプール(又は第1中空ピストン)に当接しかつ第2フランジが第2スプール(又は第2中空ピストン)に当接して離隔距離が制限されたことを第4の構成とする。
本発明は、第4の構成において、第1シリンダ孔の第1シリンダ室に圧縮空気が供給されかつ第2シリンダ孔の第2シリンダ室の空気が排気されたとき位置Iに切り換えられ、位置Iで第1・第2シリンダ室の空気が排気されると位置IIに切り換えられ、第2シリンダ室に圧縮空気が供給されかつ第1シリンダ室の空気が排気されたとき位置IVに切り換えられ、位置IVで第1・第2シリンダ室の空気が排気されると位置III に切り換えられることを第5の構成とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本発明の省エネルギ駆動用電磁弁の実施の形態を示す。
図1は、省エネルギ駆動用電磁弁1とエアシリンダ2とを配管により連通させた回路図であって、本発明の電磁弁1の機能が記号によって示されている。なお、図1(a) は後記の連通路72、73がそれぞれ排気ポートRA,RBに連通された場合(5ポート4位置電磁切換弁)を示し、図1(b) は連通路72、73を内部通路によって合流させて排気ポートR(不図示)が連通させた場合(4ポート4位置電磁切換弁)を示す。ここでは、図1(a) を中心にして説明する。
【0008】
図1(a) に示すように、電磁弁1は5ポート4位置電磁切換弁であって、圧縮空気の供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRA・RBの5ポートが配設されている。位置Iにおいては、供給ポートPが出力ポートAに連通するとともに出力ポートBが排気ポートRBに連通し、排気ポートRAは閉鎖されている。位置IIにおいては、出力ポートBが排気ポートRBに連通し、出力ポートA・供給ポートP・排気ポートRAはともに閉じられている。位置III においては、出力ポートAが排気ポートRAに連通し、出力ポートB・供給ポートP・排気ポートRBはともに閉じられている。位置IVにおいては、供給ポートPが出力ポートBに連通するとともに出力ポートAが排気ポートRAに連通し、排気ポートRBは閉じられている。
【0009】
図1(b) に示すように、電磁弁1’は4ポート4位置電磁切換弁であって、圧縮空気の供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRの4ポートが配設されている。位置Iにおいては、供給ポートPが出力ポートAに連通するとともに出力ポートBが排気ポートRに連通する。位置IIにおいては、出力ポートBが排気ポートRに連通し、出力ポートAと供給ポートPは閉じられている。位置III においては、出力ポートAが排気ポートRに連通し、出力ポートBと供給ポートPは閉じられている。位置IVにおいては、供給ポートPが出力ポートBに連通するとともに出力ポートAが排気ポートRに連通する。
【0010】
図1(a) において、位置I〜IVは左側から右へ向かって隣接し、ソレノイドAが左側に配設され、ソレノイドBが右側に配設されている。ソレノイドBを消磁(非通電)し、ソレノイドAを励磁(通電)すると、電磁弁1は位置Iに切り換えられ、位置IでソレノイドBの消磁を継続し、ソレノイドAを消磁すると、電磁弁1は位置IIに切り換えられる。ソレノイドAを消磁し、ソレノイドBを励磁すると、電磁弁1は位置IVに切り換えられ、位置IVでソレノイドAの消磁を継続し、ソレノイドBを消磁すると、電磁弁1は位置III に切り換えられる。図示のものでは、ソレノイドA・Bを制御すると、圧縮空気の流れが操作され、電磁弁1が切り換えられる。図1(b) の電磁弁1’についても同様である。
【0011】
図2は電磁弁1の構造を示す断面図であって、図1(a) の位置IIに位置する状態を示している。電磁弁1では、カバー12、ボディ11及びカバー13が順に並べられ、不図示のボルトにより連結されている。ボディ11の内面には長手方向の全域にわたってスリーブ15が形成され、カバー12・13にはスリーブ15よりも大径のシリンダ孔16(第1シリンダ孔)及びシリンダ孔17(第2シリンダ孔)がそれぞれ形成されている。シリンダ孔16のボディ11側(右側)は開口され、段差面18を介してスリーブ15に連通され、シリンダ孔16のソレノイドA側(左側)の壁には連通ポート20が形成されている。同様に、シリンダ孔17のボディ11側(左側)は開口され、段差面19を介してスリーブ15に連通され、シリンダ孔17のソレノイドB側(右側)の壁には連通ポート21が形成されている。
【0012】
ボディ11のスリーブ15の内部には左右対称の2個の中空のスプール23(第1スプール)及びスプール24(第2スプール)が往復動自在に挿入され、カバー12、13のシリンダ孔16、17には中空ピストン25(第1中空ピストン)及び中空ピストン26(第2中空ピストン)がそれぞれ摺動自在に嵌合されている。スプール23の外周には、内側(右側)から順に小径部32、ランド27、小径部33、幅広のランド28及び小径部34があり、小径部34の外側には中空ピストン25が一体的に連結されている。同様に、スプール24の外周には、内側(左側)から順に小径部35、ランド29、小径部36、幅広のランド30及び小径部37があり、小径部37の外側には中空ピストン26が一体的に連結されている。なお、小径部32〜37及びランド27〜30の長さ(幅)は、本発明の機能を奏するための所定の長さとされている。中空ピストン25・26の外周面の環状溝にはOリング50・51がそれぞれ装着され、中空ピストン25・26とシリンダ孔16・17との間をそれぞれ密封している。
【0013】
スプール23の内周には大径孔41と小径孔42からなる段付の挿通孔39が形成され、小径孔42の内面に形成された環状溝にはOリング48が装着されている。同様に、スプール24の内周には大径孔44と小径孔45からなる段付の挿通孔40が形成され、小径孔45の内面に形成された環状溝にはOリング49が装着されている。中空ピストン25・26の内部には、小径孔42・45より径の大きい内部孔43・46が小径孔42・45に隣接してそれぞれ形成され、小径孔42・45と内部孔43・46との段差部がスプール23・24の外側面75・76となっている。小径孔42、45はスプール23、24の小径部34、36の各外側端部の半径方向の内面に形成されている。スプール23の小径孔42と大径孔41との間の段部と、スプール24の小径孔45と大径孔44との間の段部との間にはリターンスプリング50が装着され、リターンスプリング50によってスプール23及び24が互いに離れる離隔方向(スプール23は左側、スプール24は右側)に付勢されている。
【0014】
スプール23・24の挿通孔39・40には間隔規制ロッド55のロッド部が挿通され、挿通孔39・40の内面と間隔規制ロッド55のロッド部の外面との間は前記Oリング48・49によってそれぞれ密封されている。間隔規制ロッド55の左右の端部にはフランジ56(第1フランジ)及びフランジ57(第2フランジ)が形成され、間隔規制ロッド55はロッド部の略中央部分で図示の雄ねじ及び雌ねじによって連結されている。フランジ56・57は中空ピストン25・26の内部孔43・46にそれぞれ緩く嵌合することができる。図2では、間隔規制ロッド55のフランジ56の内側(図2では右側)面59と、スプール23の外側面75とが当接し、間隔規制ロッド55のフランジ57の内側(図2では左側)面60と、スプール24の外側面76とが当接しており、こうしてスプール23と24との離隔間隔が規制されている。なお、内部孔43・46を小径孔42・45と同径とし、間隔規制ロッド55のフランジ56・57の内面59・60が中空ピストン25・26の外側面に当接するようにすることができる。
【0015】
図2に示すように、ボディ11には左側から順に排気ポートRA、出力ポートA、供給ポートP、出力ポートB及び排気ポートRBが配設され、各ポートはそれぞれ連通路72、70、68・69、71、73を介してそれぞれスリーブ15に連通され開口されている。連通路72、70、68・69、71、73の開口位置及び開口の大きさは、本発明の機能を奏するための所定の長さとされている。なお、供給ポートPには左側(ソレノイド部63側)の連通路68及び右側(ソレノイド部64側)の連通路69を介してスリーブ15に連通されている。カバー12のシリンダ孔16の内面で中空ピストン25の左側がシリンダ室61(第1シリンダ室)となり、シリンダ室61は連通ポート20を介してソレノイド部63の制御弁に連通され、中空ピストン25の右側室は連通路66を介して大気に連通されている。同様に、カバー13のシリンダ孔17の内面で中空ピストン26の右側がシリンダ室62(第2シリンダ室)となり、シリンダ室62は連通ポート21を介してソレノイド部64の制御弁に連通され、中空ピストン26の右側室は連通路67を介して大気に連通されている。
【0016】
本発明の実施の形態の省エネルギ駆動用電磁弁1の作用について説明する。
図3(a) は電磁弁1が図1(a) の位置Iに位置するときの主要部の断面図であり、一部簡略に示され、ソレノイド部63・64は省略され、右側に機能を示すブロックが併記されている。ソレノイド部64のソレノイドBを消磁し、ソレノイド部63のソレノイドAを励磁すると、シリンダ室62は大気に連通され、ソレノイド部63の不図示の制御弁が切り換えられて、シリンダ室61には連通ポート20を通して圧縮空気が供給される。シリンダ室61の圧力により中空ピストン25は内側(右側)に付勢され、リターンスプリング53の弾発力に抗してスプール23・24が右側(ソレノイド部64側)に押し進められ、中空ピストン26が右端位置(外側端位置。シリンダ室62の外側壁に当接)に位置し、スプール23の右端(内方端)がスプール24の左端(内方端)に当接される。間隔規制ロッド55のフランジ57は右端位置(シリンダ室62の外側壁に当接)にあり、間隔規制ロッド55のフランジ56は内部孔43との嵌合を離脱した位置にある。この位置は、図2の位置に対して、スプール23が所定距離L1 だけ右側(内側)へ移動した位置に相当する。
【0017】
電磁弁1が位置Iにあるとき、圧縮空気は、供給ポートPから連通路68を通り、スリーブ15内でスプール23のランド27と28との間のパッセージを通り、連通路70、出力ポートAを通ってエアシリンダ2のヘッド側シリンダ室6に流入する(図1(a) も参照のこと。以下同様)。エアシリンダ2のロッド側シリンダ室7内の空気は、出力ポートB、連通路71を通り、スリーブ15内でスプール24のランド29と30との間のパッセージを通り、連通路73、排気ポートRBを通って大気に排気される。電磁弁1を位置Iに切り換えた所定時間後の始動圧力に達した時に、エアシリンダ2のピストン8は右方への移動(前進)を開始する(図5,図6を参照)。次に、図6に示すようにヘッド側(給気側)の圧力とロッド側(排気側)の圧力とが一定になり、図5に示すように時間とピストン位置とが比例してピストン8が急速に前進移動し、ピストン8が図5に示す位置に移動したとき、電磁弁1が位置Iから位置IIに切り換えられる。
【0018】
図3(b) は電磁弁1が図1(a) の位置IIにあるときの主要部の断面図であり、一部簡略に示され、ソレノイド部63・64は省略され、右側に機能を示すブロックが併記されている。電磁弁1が位置Iにあるときに、ソレノイド部64のソレノイドBの消磁を継続し、ソレノイド部63のソレノイドAも消磁すると、シリンダ室61も大気に連通される。シリンダ室61・62がともに大気に連通され、中空ピストン25・26は空気圧によって付勢されることがないので、リターンスプリング53の弾発力によりスプール23が左側(ソレノイド部63側)に付勢され、所定距離L1 だけ移動し復帰する。スプール23の移動により間隔規制ロッド55のフランジ56は中空ピストン25の内部孔43と緩く嵌合し、スプール23の右端(内方端)とスプール24の左端(内方端)とが距離L1 だけ離れる。ピストン26及びフランジ57は右端位置に継続して位置している。
【0019】
電磁弁1が位置IIにあるとき、排気ポートRA、出力ポートA及び供給ポートPは閉鎖されている。すなわち、排気ポートRAは連通路72の内端でスプール23のランド28により閉鎖され、出力ポートAは連通路70を介してスリーブ15に連通するがスプール23のランド27・28間で封鎖され、供給ポートPは連通路68・69を介してスリーブ15に連通するがスプール23のランド27とスプール24のランド29との間で封鎖されている。従って、エアシリンダ2のヘッド側シリンダ室6への圧縮空気の供給は停止される。エアシリンダ2のロッド側シリンダ室7内の空気は、引き続き、出力ポートBから排気ポートRBを通って大気に排気される。
【0020】
電磁弁1を位置Iから位置IIに切り換えると、ヘッド側シリンダ室6に封入された空気が膨張し、ロッド側シリンダ室7の空気は排気されるが、ヘッド側(給気側)の圧力とロッド側(排気側)の圧力とが図6に示すように変化する。すなわち、切換直後のヘッド側(給気側)及びロッド側(排気側)の圧力降下は急速であるが時間とともに緩慢となり、ピストン8の減速緩衝が行われて図5・図6に示す位置で停止する。電磁弁1を位置Iから位置IIに切り換えた後には、圧縮空気が供給されないので、電磁弁1切換後の残ストロークは圧縮空気を消費しない省エネルギ状態でピストン8の移動が行われることとなる。
【0021】
電磁弁1を位置IVに切り換えると、電磁弁1は図4(a) に示す状態となり、空気は位置Iの時の概ね反対方向に流れ、ピストン8の移動が位置Iのときの反対方向になる。すなわち、圧縮空気は供給ポートP、出力ポートBを通ってエアシリンダ2のロッド側シリンダ室7に流入し、ヘッド側シリンダ室6の空気は出力ポートA、排気ポートRAを通って排気され、ピストン8は後退移動する。ピストン8が所定位置に移動したとき、電磁弁1を位置IVから位置III に切り換えると、図4(b) に示す状態となる。このとき、ロッド側シリンダ室7への圧縮空気の供給が停止され、ロッド側シリンダ室7に封入された空気が膨張し、ヘッド側シリンダ室6の空気は排気される。従って、位置Iから位置IIへの切り換えのときと同様に、ピストン8の減速緩衝が行われ、電磁弁1の位置III への切換後の残ストロークは圧縮空気を消費しない省エネルギ状態でピストン8の移動が行われる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の省エネルギ駆動用電磁弁に空気圧源及びエアシリンダを接続し、位置Iに切り換えるとエアシリンダのピストンが高速起動して一方向に移動し、位置IVに切り換えるとピストンは高速起動して他方向に移動する。このように、本発明の省エネルギ駆動用電磁弁は一つの部品である省エネルギ駆動用電磁弁によって、ピストンの移動方向を制御することができる。
そして、位置I又は位置IVにあってピストンが所定ストローク移動したときに、位置Iを位置IIへ又は位置IVを位置III へ切り換えると、エアシリンダへの圧縮空気の供給が停止され、供給側のシリンダ室内に封入された空気が膨張し、排気側のシリンダ室の空気は排気される。従って、ピストンの移動は減速され、ピストンをストローク終端で緩衝停止させることができ、省エネルギ駆動用電磁弁を切り換える時期(ストローク)を調整することにより、移動時間や緩衝の程度を制御することができる。しかも、前記の位置II・位置III への切換後は空気の供給が停止された状態で、ピストンが移動するので、その間の圧縮空気の消費が節約され、ピストンのストロークに必要最低限の空気を供給し、必要以上の空気の供給を停止でき、省エネルギが実現する。
【0023】
本発明では、ソレノイドAを励磁し、ソレノイドBを消磁するとき位置Iに切り換えられ、位置IでソレノイドA・Bを消磁すると位置IIに切り換えられる。また、ソレノイドBを励磁し、ソレノイドAを消磁するとき位置IVに切り換えられ、位置IVでソレノイドA・Bを消磁すると位置III に切り換えられる。このように、簡単な操作で省エネルギ駆動用電磁弁の位置を切り換えることができ、実用価値が高い。しかも、1個の省エネルギ駆動用電磁弁により、減速、緩衝停止、省エネルギの機能を発揮することができ、従来より部品コストも組立コストも低減し、経済的効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の省エネルギ駆動用電磁弁とエアシリンダとを配管により連通させた回路図であって、図1(a) は電磁弁が5ポート4位置電磁切換弁の場合を示し、図1(b) は電磁弁が4ポート4位置電磁切換弁の場合を示す。
【図2】図1(a) の電磁弁1の構造を示す断面図である。
【図3】図3(a) は図2の電磁弁が位置Iにあるときの状態を示す断面図であり、図3(b) は位置IIにあるときの状態を示す断面図である。
【図4】図4(a) は図2の電磁弁が位置IVにあるときの状態を示す断面図であり、図4(b) は位置III にあるときの状態を示す断面図である。
【図5】ピストン移動中のストロークを示すグラフである。
【図6】ピストン移動中のシリンダ室の圧力変化を示すグラフである。
【図7】従来の供給停止弁を備えた省エネルギ機能を有するシステムの空気圧回路図である。
【符号の説明】
1 省エネルギ駆動用電磁弁(電磁弁)
15 スリーブ
16 第1シリンダ孔
17 第2シリンダ孔
23 第1スプール
24 第2スプール
25 第1中空ピストン
26 第2中空ピストン
27〜30 ランド
53 リターンスプリング
55 間隔規制ロッド
56 第1フランジ
57 第2フランジ
61 第1シリンダ室
62 第2シリンダ室
Claims (5)
- 供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRA・RBの5ポートを有し、供給ポートPと出力ポートAとが連通するとともに出力ポートBと排気ポートRBとが連通し、排気ポートRAが閉鎖される位置Iと、出力ポートBと排気ポートRBとが連通し、供給ポートP、出力ポートA及び排気ポートRAがともに閉鎖される位置IIと、出力ポートAと排気ポートRAとが連通し、供給ポートP、出力ポートB及び排気ポートRBがともに閉鎖される位置III と、供給ポートPと出力ポートBとが連通するとともに出力ポートAと排気ポートRAとが連通し、排気ポートRBが閉鎖される位置IVとの4つの位置のいずれか一つに切り換えられるように構成された電磁弁において、上記供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRA・RBが連通路によってスリーブに連通され、スリーブの両側に第1・第2シリンダ孔が形成され、スリーブに第1・第2スプールが移動可能にそれぞれ挿入され、第1シリンダ孔に嵌合された第1中空ピストンが第1スプールに連結され、同様に第2シリンダ孔に嵌合された第2中空ピストンが第2スプールに連結され、第1スプールと第2スプールとは、リターンスプリングにより離隔方向に付勢されるとともに間隔規制ロッドにより離隔距離が制限されることを特徴とする省エネルギ駆動用電磁弁。
- 供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRの4ポートを有し、供給ポートPと出力ポートAとが連通するとともに出力ポートBと排気ポートRとが連通する位置Iと、出力ポートBと排気ポートRとが連通し、供給ポートP及び出力ポートAが閉鎖される位置IIと、出力ポートAと排気ポートRとが連通し、供給ポートP及び出力ポートBが閉鎖される位置III と、供給ポートPと出力ポートBとが連通するとともに出力ポートAと排気ポートRとが連通する位置IVとの4つの位置のいずれか一つに切り換えられるように構成された電磁弁において、上記供給ポートP、出力ポートA・B、排気ポートRが連通路によってスリーブに連通され、スリーブの両側に第1・第2シリンダ孔が形成され、スリーブに第1・第2スプールが移動可能にそれぞれ挿入され、第1シリンダ孔に嵌合された第1中空ピストンが第1スプールに連結され、同様に第2シリンダ孔に嵌合された第2中空ピストンが第2スプールに連結され、第1スプールと第2スプールとは、リターンスプリングにより離隔方向に付勢されるとともに間隔規制ロッドにより離隔距離が制限されることを特徴とする省エネルギ駆動用電磁弁。
- ソレノイドA・Bを有し、ソレノイドAを励磁し、ソレノイドBを消磁するとき位置Iに切り換えられ、位置IでソレノイドA・Bを消磁すると位置IIに切り換えられ、ソレノイドBを励磁し、ソレノイドAを消磁するとき位置IVに切り換えられ、位置IVでソレノイドA・Bを消磁すると位置III に切り換えられる請求項1又は2に記載の省エネルギ駆動用電磁弁。
- 第1・第2スプールの内部に間隔規制ロッドのロッド部が挿通され、間隔規制ロッドのロッド部の外周で第1・第2スプールの内部かつ第1スプールの段部と第2スプールの段部との間にリターンスプリングが装着され、第1・第2スプールの内面と間隔規制ロッドのロッド部の外面との間が密封され、間隔規制ロッドの両側に第1フランジと第2フランジとが形成され、第1フランジが第1スプールに当接しかつ第2フランジが第2スプールに当接して離隔距離が制限された請求項1〜3の何れかに記載の省エネルギ駆動用電磁弁。
- 第1シリンダ孔の第1シリンダ室に圧縮空気が供給されかつ第2シリンダ孔の第2シリンダ室の空気が排気されたとき位置Iに切り換えられ、位置Iで第1・第2シリンダ室の空気が排気されると位置IIに切り換えられ、第2シリンダ室に圧縮空気が供給されかつ第1シリンダ室の空気が排気されたとき位置IVに切り換えられ、位置IVで第1・第2シリンダ室の空気が排気されると位置III に切り換えられる請求項4に記載の省エネルギ駆動用電磁弁。
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