JPH0437807B2 - - Google Patents

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JPH0437807B2
JPH0437807B2 JP59038137A JP3813784A JPH0437807B2 JP H0437807 B2 JPH0437807 B2 JP H0437807B2 JP 59038137 A JP59038137 A JP 59038137A JP 3813784 A JP3813784 A JP 3813784A JP H0437807 B2 JPH0437807 B2 JP H0437807B2
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Japan
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oxygen
complex
compound
organic
synthesizing
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JP59038137A
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Taiji Kamiguchi
Kijiro Arikawa
Rikuo Yamada
Hirotoshi Tanimoto
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は酸素錯体を利用する有機化合物の合成
法に係り、特に酸素錯体を用いて新たな含酸素有
機化合物を製造する方法に関するものである。
(発明の背景) 石油化学工業の基礎化学品としての酢酸やアル
デヒドは、適当な有機基質を原料としてその酸化
反応によつて合成されている。このような酸化反
応は、石油化学工業に用いられている反応プロセ
スの中で重要な位置を占める反応である。しか
し、これら酸化反応は、従来、高温高圧下で行わ
れており、副生物が同時に生成し、反応の選択
性、収率の向上が重要な課題となつている。例え
ばアルデヒドからのカルボン酸の合成において
は、Co、Mn等の遷移金属イオンを触媒として用
いる酸素酸化法が実用化されている。その反応機
構は、酸素により先ず金属イオンを高原子価状態
に酸化し、生成したCo(3)またはMn(3)によつてア
ルデヒドを酸化するものであるが、中間段階でラ
ジカル生成等を伴う複雑な経路をとり、反応温度
が例えば50〜70℃付近であるため、酸化反応がさ
らに進んで、ギ酸、CO2が副生するとされてい
る。このため高い収率が望めず、さらに生成物の
精製には複雑な分離工程が必要になる。
一方、有機物の酸化反応に対し有効な酸化剤と
して作用する酸素錯体については、生体の呼吸反
応のモデル化として種々検討されている。例えば
哺乳動物における鉄−タンパクあるいは軟体動物
における銅−タンパクがある。これらは、2価の
鉄および1価の銅という低原子価イオンとタンパ
クとの錯体化合物である。
通常、種々の原子価をとりうる金属イオンにお
いて低原子価イオンは酸素と接触すると酸素酸化
により、次式のように高原子価金属イオンとな
る。
Cu(1)+1/4O2+1/2H2O →Cu(2)+OH- (1) Fe(2)+1/4O2+1/2H2O →Fe(3)+OH- (2) ところが、Fe(2)またはCu(1)が予めタンパクと
反応してタンパク錯体となつているヘモグロビン
およびヘモシアニンでは、酸素と接触しても金属
イオンの直接酸化反応は起きず、酸素分子として
の次のように錯体中の金属イオンに配位結合する
こと(すなわち酸素錯体を形成すること)が知ら
れている(大塚、山中編 金属タンパク質の化学
講談社(1983))。
P−Fe(2)−O2−Fe(2)−P、 P−Cu(1)−O2−Cu(1)−P (3) (但しPはタンパクを意味する) このように結合した酸素分子は金属イオンへの
配位によつて活性化されており、生体の体温によ
うな低温で多くの有機物を酸化する能力をもつて
おり、その反応熱は生体のエネルギ源となつてい
る。しかし、このようなタンパク錯体では生体を
離れると不安定となり、金属イオンが容易に酸素
酸化されてしまい、現実的な酸化触媒とならな
い。従つて人工的な化合物を錯化剤として用い、
適当な遷移金属との組み合わせによつて安定な酸
素錯体を形成しうる錯体を見出すことが、工業的
な酸化反応へ適用という点で大きな課題となつて
いる。
(発明の目的) 本発明の目的は、これらの課題を解決し、温和
な条件下で有機物の酸化反応を行い、目的とする
含酸素化合物を選択的に、高収率で合成すること
ができる有機化合物の合成方法を提供することに
ある。
(発明の概要) 要するに本発明は、酸素分子が配位結合して酸
素錯体を生成しうる遷移金属錯体を触媒として用
い、基質の有機化合物を該酸素錯体の結合酸素で
酸化して目的とする含酸素化合物を温和な条件で
合成するものである。すなわち、本発明は、有機
化合物を酸素錯体の生成によつて酸素を活性化す
る触媒の存在下に酸化して含酸素有機化合物を合
成する方法において、該触媒として遷移金属化合
物(MmXn)と配位子としての有機リン化合物
(L)からなる錯体(MmXn・Ll)を用いること
(ここでMは周期律第族、第〜族または第
族の鉄族に属する遷移金属、Xはハロゲン等の
陰イオン、配位子Lは有機リン化合物、m、n、
lは前記遷移金属および配位子の電荷により定ま
る数を意味する)を特徴とするものである。本発
明の錯体において、前記Xは、Cl-、Br-、I-
のハロゲン、またはBF4 -、PF6 -、CO2 2-
CH3COO-等の陰イオン、配位子Lの有機リン化
合物は、亜リン酸またはリン酸のアルコキシ、ア
ルキルもしくはアミド誘導体で代表される化合物
であることが好ましく、またm、nは一般に元素
数、lは配位子の数を意味し、それぞれ1〜4が
好ましい。
本発明者らは、前述のように有機化合物の酸素
酸化において、適当な遷移金属との組み合わせで
安定な酸素錯体を形成し得る化合物を種々検討し
た結果、その代表例でのべるならば、塩化第1銅
Cu(1)Clとリン酸の誘導体であるヘキサメチルホ
スホルアミド(別名トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフインオキシド、以下、hmpaと記す)の錯体
が安定な酸素錯体を生成し得ることを見出し、ま
たその結合酸素は有機基質に対して有効な酸化剤
になることを確認した。
液状であるhmpaにCu(1)Clを添加すると次のよ
うに1:1錯体を形成するが、このような錯体を
一般式MmXn・Llで表わした場合、m=1、n
=1、l=1となる。なお、Ti(3)あるいはV(3)
を中心金属とし陰イオンを例えばCl-とした場合
はm=1、n=3、l=1となる。
Cu(1)Cl+hmpa→Cu(1)Cl・hmpa (4) 生成錯体は、液状配位子であるhmpa自身(m.
p.7℃、b.p.233℃/760mmHg)が過剰に存在する
場合、これによく溶解するが、さらに、この錯体
は、n−ヘキサン、トルエン、シクロヘキサン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エ
タノール、エチレングリコール、酢酸ブチル、プ
ロピレンカーボネート、クロロホルム、クロロベ
ンゼン、トリエチルアミン、ピリジン、エチルメ
チルスルホキシド、ジフエニルスルホン、スルホ
ラン、フツ化トルエン、ベンゾトリフロライド、
フラン、テトラヒドロフランなどにも溶解する。
Cu(1)Cl・hmpa錯体のエチルアルコール溶液は
淡黄色を呈し、その吸収スペクトルは第1図中の
1に示すように、極大吸収260nmにもつ。これ
に酸素または空気を通気すると吸光度は増加し、
265nmに極大吸収が現われ(第1図中の2)、緑
色を呈する。これは当初Cu(1)が酸素により酸化
されてできたCu(2)の錯体とも考ええられた。し
かし、塩化第2銅(Cu(2)Cl2)とhmpaの錯体溶
液を合成してそのスペクトルを測定した結果、
Cu(1)Cl・hmpaやその酸素吸収液のスペクトルと
著しい差を示し、第1図の3のように290nmに
極大吸収を有し、赤褐色を呈した。このCu(1)
Cl・hmpa溶液に対して対照的な色の差は、前者
が酸素分子を配位した、いわゆる酸素錯体を生成
したためと思われる。
ちなみに、一定濃度のCu(1)Cl・hmpa錯体の溶
液について酸素吸収量を測定した結果、Cu(1)に
対してのO2吸収モル比は2:1であり、従つて
265nmに極大吸収を有し、緑色を呈する化合物
は、Cu(1)−ヘモシアニンの酸素錯体と同様に、
次のような構造をもつ新しい酸素錯体であること
がわかつた。
hmpa・ClCu(1)−O2−Cu(1)Cl・hmpa (5) この酸素錯体の特色は、配位したO2が加熱あ
るいは減圧脱気によつても錯体から脱離しないこ
とにある。そのため予め液中の遊離酸素を除去し
ておけば触媒液中には遊離のO2が存在しないの
で有機物とO2ガスとの直接混合による爆発の危
険も避け得る。また、銅タンパクの場合に比較し
て安定であり、結合酸素によつてCu(1)をCu(2)に
酸化するには、100℃における煮沸を要する程で
ある。さらに、本酸素錯体は温和な条件下で結合
酸素により有機物を選択的に酸化し、高収率で目
的とする新たなる含酸素化合物を与えることがわ
かつた。
例えば本酸素錯体をアセトアルデヒド
(CH3CHO)の酸化に適用する場合の反応は配位
子のhmpaをLと書き表すと次式で示され、酢酸
(CH3COOH)が生成する。
2CH3CHO+L・Cu(1)Cl−O2−Cu(1)Cl・L→2CH3COOH+2
LCu(1)Cl(6) この反応は、後述の実施例でのべるように40℃
前後の低温で進行するので、副成物が少く高収率
で酢酸が得られる。酸化剤として働くのは、配位
結合によつて活性化された酸素によるものであ
り、中心遷移金属イオンの原子価に変化はなく、
酸素錯体はもとのCu(1)Cl・hmpa錯体となるの
で、酸素を吸収させれば再び有効な酸素錯体とな
る。Cu(1)Cl・hmpaの酸素吸収は選択的であるの
で、酸素源として空気を通気すれば容易に酸素錯
体が再び形成できるという特色をもつている。す
なわち、Cu(1)Cl・hmpa錯体が酸素活性化触媒と
して作用するものである。なお、空気を用いて酸
素を選択的に吸収するので、純酸素を用いた場合
と全く同様の効果があり、これはコスト的に有利
である。
本発明は、基質としての有機化合物を酸素酸化
して含酸素有機化合物を得る種々の酸化反応に適
用することができる。好ましい適用例としては、
アセトアルデヒドから酢酸、プロピオンアルデヒ
ドからプロピオン酸、アクロレインからアクリル
酸、ベンツアルデヒドから安息香酸等のようにア
ルデヒド類から対応する有機酸への反応、エチル
アルコール等の第1級アルコールからアセトルデ
ヒド等のアルデヒド類、イソプロピルアルコール
等の第2級アルコールからアセトン等のケトン
類、およびクメン等からフエノールとアセトン等
への反応があげられる。また、本発明は、必要に
より他の錯体触媒と組合せて、エチレン、プロピ
レン等のオレフイン類からアセトアルデヒド、ア
クロレイン等のアルデヒド類、LPG、ブタン、
ナフサ等から酢酸、プロピレンとアンモニアから
アクリロニトリル、エチレンと塩化水素から塩化
ビニル、エチレンと酢酸から酢酸ビニル、ベンゼ
ンから無水マレイン酸、トルエンから安息香酸、
ナフタリンから無水フタル酸、o−キシレンから
無水フタル酸、p−キシレンからテレフタル酸、
シクロヘキサンからシクロヘキサノールなどの
種々の合成反応に応用することが可能である。
本発明において、酸素錯体を作る遷移金属化合
物(MmXn)の金属Mとしては、周期律表第
族のCu、Ag、第族のTi、Zr、第族のV、
Nb、第族のCr、Mo、W、第族のMn、第
族のFe、Co、Ni、等が好ましく、特にCu(1)、Ti
(3)、V(3)が好ましい。また該遷移金属化合物のX
は、ハロゲンまたはBF4 -、PF6 -、SO4 2-
CH3COO-等の陰イオンがあげられるが、特に
Cl-1、Br-、I-のハロゲンが好ましい。
配位子Lとしては、亜リン酸誘導体である亜リ
ン酸とメタノール、エタノール等との反応から生
成するモノ、ジまたはトリエステル、フエニルホ
スフイン酸エステル、ジメチル亜ホスフイン酸エ
ステル、トリメチルホスフイン、トリフエニルフ
オスフイン等、リン酸の誘導体であるトリフエニ
ルホスフインオキシド、ヘキサメチルホスホルア
ミド、ヘキサエチルホスホルアミド、およびリン
酸とメタノール、エタノール等との反応からでき
るモノ、ジ、トリエステル、さらにメチルホスホ
ン酸ジメチルホスフイン酸メチルで代表される有
機リン化合物が好ましく、特にヘキサメチルホス
ホルアミドが好ましい。
なお溶液状態で反応を行う場合の溶媒として
は、錯体を溶解するとともに、生成する含酸素有
機化合物との分離が容易であるものが好ましく、
脂肪族、芳香族、脂環式炭化水素類、アルコール
類、エーテル類、ケント類、グリコール類、カー
ボネート類、スルホン類、ニトリル類から選ばれ
た少なくとも一種の化合物を用いるか、または配
位子Lが液体の場合、そのものを溶媒として兼用
することもできる。
また、酸素を吸収して酸素錯体を形成する錯体
を活性炭、珪酸塩、あるいはポーラスガラスさら
には巨大網状構造を有するポリマー等の多孔質担
体に担持させて酸化反応を行うこともできる。
以上、酸素錯体を形成する新しい錯体およびそ
の特性およびそれを用いる合成反応例をのべた
が、次に本発明の実施例を述べる。なお、実施例
中のガスの体積は標準状態の値である。
(発明の実施例) 実施例 1 内容積1の反応管にCu(1)Cl 5g(50ミリモ
ル)およびhmpa 515gを仕込み、0.1mol/の
Cu(1)Cl・hmpa錯体溶液500mlを調製した。これ
に空気を3.0通気したところ0.55(24.5ミリモ
ル)の酸素が吸収された。その後N2ガスを通気
したが、反応器の液相部に物理溶解していた酸素
が除かれたのみで、酸素錯体中の結合酸素からの
酸素の脱離は認められず、酸素の吸収反応は不可
逆的であり、これは実プロセスにおける安全性の
点で大きな特色となる。この溶液にアセトアルデ
ヒドを10g(227ミリモル)を添加し、常圧下、
40℃に加温した。2時間反応させたのち、反応溶
液をガスクロマトグラフイーで分析した。その結
果、酢酸が2.8g(47ミリモル)生成していた。
アセトアルデヒドと酸素錯体の反応は、前述の(5)
式に従い、かつ、本実施例においてはアセトアル
デヒドが過剰に存在するので、酢酸の生成量は酸
素錯体濃度で規制される。従つて、アセトアルデ
ヒドの酢酸への転化率を酸素錯体中の結合O2
度基準で示すと96%であり、酸化反応がほぼ定量
的に進むことがわかつた。
実施例 2 反応温度を60℃とし、1時間反応させる以外は
実施例1と同様にして反応を行つた。その結果、
酢酸が2.9g(48ミリモル)生成しており、反応
温度を40℃から60℃へと上げることにより、反応
速度が大となり、短時間で収率が98%に達するこ
とがわかつた。
実施例 3 実施例1と同様な方法でアセトアルデヒド0.9
g(20ミリモル)を添加し、反応温度60℃で1時
間反応を行つた。この場合は、酸素錯体が過剰に
存在するので、酢酸の収率はアセトアルデヒド濃
度で規制される。本実施例におけるアセトアルデ
ヒド基準の酢酸収率は98%となり、先の実施例と
同様に反応がほぼ定量的に進むことが認められ
た。
実施例 4 実施例2において、アセトアルデヒドをあらか
じめCu(1)Cl・hmpa溶液に添加しておき、その後
空気を通気して、実施例2と同じ反応条件で酸化
実験を行つたが、反応率は96%であつた。なお爆
発限界内で空気とアセトアルデヒドを同時にCu
(1)Cl・hmpa溶液に反応液量/ガス通気速度=
60h-1の割合で通気したところアセトアルデヒド
の86%が酢酸へと酸化された。
実施例 5 実施例1において、hmpaの添加量を17.3gと
してCu(1)Cl・hmpa錯体を形成させ、これにトル
エンを加えることにより、Cu(1)Cl・hmpa錯体の
トルエン溶液を調製した。その後、実施例2と同
条件で反応を行つたが、収率は97%であり、溶媒
をトルエンとしても酢酸収率に変化はなかつた。
実施例 6 実施例2と同様な条件で、プロピオンアルデヒ
ド10g(172ミリモル)を添加して、反応を行つ
た。その結果、プロピオン酸が3.4g(46ミリモ
ル)生成しており、酸素錯体基準の収率は94%で
あつた。すなわちアセトアルデヒドと同程度の速
度と選択率で、プロピオアルデヒドが酸化される
ことが認められた。
実施例 7 実施例1と同様な反応管に三塩化バナジウムV
(3)Cl37.9g(50ミリモル)およびhmpa515gを仕
込み0.1mol/のv(3)Cl3・hmpa錯体溶液500ml
を調製した。これに空気を1.5通気したところ
0.45(20ミリモル)を酸素が吸収されたが、液
色はもとの赤紫色から黄緑色に変化した。4価の
バナジウム錯体である塩化バナジルとhmpaの錯
体のV(4)OCl2・hmpaの液色は濃緑色であり、両
者の差からV(3)Cl3・hmpaの酸素錯体が生体して
いるものと推定される。酸素吸収後の錯体溶液に
アセトアルデヒド10g(227ミリモル)を添加し、
常圧下、60℃に加温した。1.5時間反応させたの
ち、酢酸生成量を求めたところ、1.1g(18ミリ
モル)であり、酸素錯体中の結合酸素基準の収率
は43%であつた。
実施例 8 実施例1と同様な反応管に三塩化チタンTi(3)
Cl3 7.7g(50ミリモル)およびhmpa270g、ス
ルホラン230gを仕込み0.1mol/のTi(3)Cl3
hmpa錯体溶液500mlを調製した。この錯体溶液
に実施例8と同様に空気を通気したところ0.28
(12.5ミリモル)の酸素を吸収した。色調はもと
の青色が橙赤色に変化した。ちなみに高原子価の
4価のチタン化合物として四塩化チタンTi(4)Cl4
を上記と同様な液に添加すると黄色沈澱が生成す
る。このことより、Ti(3)Cl3・hmpa錯体溶液に
おいても、酸素錯体に生成したと考えられる。こ
の溶液にプロピオンアルデヒド10g(172ミリモ
ル)を添加して、常圧下、40℃に加温した。1時
間後にガスクロマトグラフにより錯体溶液の分析
を行つたところ。プロピオン酸が1.0g(14ミリ
モル)生成しており、酸素錯体基準の収率は56%
であつた。
実施例 9 実施例1において、Cu(1)ClをCu(1)Brとして他
は同様な操作を行つた。その結果、酸素吸収量に
有為な差はなく、また、酢酸収率は、94%であつ
た。
実施例 10 巨大網状型のスチレン・ジビニルベンゼン共重
合体のビーズ(粒径約1mmφ、比表面積700〜800
m2/g、オルガノ社製アンバーライトXAD−4)
50mlに実施例1に示した組成の酸素錯体を含む触
媒溶液を含浸させ吸引ろ過し、粒状触媒を調製し
た。これを内径20mmφの硬質ガラス製反応管に充
てんし、アセトアルデヒドガスを1/minの割
合で通気し、120℃まで加熱した。出口ガス中の
生成物をガスクロマトグラフにて分析したとこ
ろ、生成物は酢酸のみであり、アセトアルデヒド
基準の収率は反応開始から2時間まで5%であつ
た。その後、出口ガスをリサイクルさせて酸素錯
体基準のアセトアルデヒド収率を求めたところ85
%に達した。さらに、一旦アセトアルデヒドの供
給を止め60℃まで冷却したのち、空気を通気し、
反応で消費された結合酸素を再生し、上記の条件
で再び酸化実験を行つたが、同様な結果が得られ
た。
実施例 11 実施例1と同様な反応管に三塩化一酸価モリブ
デン(MoOCl3)10.9g(50ミリモル)および
hmpa515gを仕込み、0.1モル/のMoOCl3
hmpa錯体溶液500mlを調製した。これに空気1.5
通気したところ0.45(20ミリモル)の酸素が
吸収された。酸素吸収後の錯体溶液にアセトアル
デヒド10g(227ミリモル)を添加して常圧下80
℃に加熱し、1.5時間反応させたところ、酢散1.2
g(19.6ミリモル)が生成していた。
実施例 12 実施例1と同様な反応管に塩化マンガン
(MnCl2)6.29g(50ミリモル)およびhmpa515
gを仕込み、0.1モル/のMnCl2・hmpa錯体溶
液500mlを調製した。これに空気1.5通気したと
ころ0.45(20ミリモル)の酸素が吸収された。
酸素吸収後の錯体溶液にアセトアルデヒド10g
(227ミリモル)を添加して常圧下80℃に加熱し、
1.5時間反応させたところ、酢散0.9g(14.7ミリ
モル)が生成していた。
実施例 13 実施例1と同様な反応管に塩化鉄(FeCl2
6.34g(50ミリモル)およびhmpa515gを仕込
み、0.1モル/のMnCl2・hmpa錯体溶液500ml
を調製した。これに空気1.5通気したところ
0.45(20ミリモル)の酸素が吸収された。酸素
吸収後の錯体溶液にアセトアルデヒド10g(227
ミリモル)を添加して常圧下80℃に加熱し、1.5
時間反応させたところ、酢散1.3g(21.3ミリモ
ル)が生成していた。
以上のことから、本発明の錯体を多孔質担体に
担持しても酸素錯体中の結合酸素による反応が進
行することが明らかになつた。
なお、担体としては、珪酸塩、活性炭、ポーラ
スガラス等の多孔質担体の使用が可能であり、ま
た含浸後の処理法としては、吸引ろ過以外に、加
熱ガス通気、低温焼成等種々の方法が使用可能で
あつた。
(発明の効果) 本発明によれば、特定の遷移金属の塩と有機リ
ン化合物からなる錯体に空気を通気して酸素錯体
を形成させ、これによつて活性化された結合酸素
を用いて有機化合物を酸化することにより、有機
化合物の酸素酸化反応が常温、常圧で可能となる
ため、選択的に高効率で目的とする含酸素有機化
合物を合成することができる。また製品中に副生
物が少いので、その後の精製を含めた製造工程が
簡略化され、また酸素源として空気を用いて選択
的に酸素を吸収するので、純酸素ガスを用いたも
のと全く同じ効果が得られる。また酸素吸収は不
可逆的であるため、酸素錯体を形成させたのち過
剰の遊離酸素を容易に除去することができ、安全
性の面で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いる錯体に関する吸収ス
ペクトルを示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機化合物を酸素錯体の生成によつて酸素を
    活性化する触媒の存在下に酸化して含酸素有機化
    合物を合成する方法において、該触媒として遷移
    金属化合物(MmXn)と配位子としての有機リ
    ン化合物(L)からなる錯体(MmXn・Ll)を
    用いること(ここでMは周期律第族、第〜
    族または第族の鉄族に属する遷移金属、Xはハ
    ロゲン等の陰イオン、配位子Lは有機リン化合
    物、m、n、lは前記遷移金属および配位子の電
    荷により定まる数を意味する)を特徴とする酸素
    錯体を利用する有機化合物の合成法。 2 特許請求の範囲第1項において、前記Xは
    Cl-、Br-、I-等のハロゲン、またはBF4 -
    PF6 -、SO2 2-、CH3COO-等の陰イオン、配粒子
    Lの有機リン化合物は、亜リン酸またはリン酸の
    アルコキシ、アルキル、もしくはアミド誘導体で
    代表される化合物であることを特徴とする酸素錯
    体を利用する有機化合物の合成法。 3 特許請求の範囲第1項または第2項におい
    て、m、n、lはそれぞれ1〜4である酸素錯体
    を利用する有機化合物の合成法。 4 特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれ
    かにおいて、前記錯体の溶媒として、脂肪族、芳
    香族、脂環式炭化水素類、含酸素有機化合物、有
    機ハロゲン化物、含窒素化合物、有機イオウ化合
    物、有機フツソ化合物および複素環化合物から選
    ばれた少なくとも一種の化合物を用いるか、ある
    いは配粒子Lが液体の場合、そのものを溶媒とし
    て兼用することを特徴とする酸素錯体を利用する
    有機化合物の合成法。 5 特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
    かにおいて、前記錯体の溶液に酸素を通気して酸
    素錯体を生成させ、これに有機化合物である基質
    を導入し、酸素錯体中の結合酸素によつてこれを
    酸化し、含酸素有機化合物を合成することを特徴
    とする酸素錯体を利用する有機化合物の合成法。 6 特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれ
    かにおいて、前記錯体を溶媒に溶解して、多孔質
    担体に含浸担持させ、これに酸素または空気と有
    機物を接触させて酸素錯体中の結合酸素によつて
    該有機物を酸化し、含酸素有機化合物を合成する
    ことを特徴とする酸素錯体を利用する有機化合物
    の合成法。
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