JPH043771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はネツトの周縁部分にプラスチツクを射
出成形して空調機器のためのフイルタを製造する
場合等に使用されるプラスチツク成形機へのネツ
ト供給装置に関するものである。

（従来の技術） ネツトの周縁部分にプラスチツクを射出成形し
てフイルタ等を製造する場合には、射出成形用の
金型の内部にネツトを一定の張力をかけた状態で
供給する必要がある。このため従来は予め所要寸
法に切断されたネツトを作業員が人手によつて２
つ割りの金型間に供給していたが、危険であるう
えに作業能率が低く、またネツトに一定の張力を
付与するには熟練を要する等の問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
プラスチツク成形機の金型の内部にネツトを一定
の張力を付与した状態で自動的に供給することが
できるプラスチツク成形機へのネツト供給装置を
目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は帯状のネツトが卷回された供給ドラム
と、供給ドラムから送り出された帯状のネツトに
一定の張力を与えるダンサーローラと、該ダンサ
ーローラの上昇位置と下降位置を検出するリミツ
トスイツチと、プラスチツク成形機の金型の上部
でネツトをクランプして金型の下部まで引降ろす
シリンダ装置と、金型の下部に設けられ、その位
置まで引降ろされたネツトをクランプするととも
に先のサイクルにおいて成形された製品をネツト
から切断する切断装置とからなることを特徴とす
るものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明
すると、１は固定側の金型２と可動側の金型３と
を備えたプラスチツク成形機、４はその一側上方
に設けられた架台である。架台４上には帯状のネ
ツト５０が卷回された供給ドラム５と、ダンサー
ローラ６とが設けられている。供給ドラム５はモ
ータ７によつて駆動され一定量のネツトを送り出
したのち停止するものである。またダンサーロー
ラ６はガイド８に案内されその自重により一定の
張力をネツト５０に付与するものであり、ガイド
８の上下にリミツトスイツチ９，１０を付けて供
給ドラム５からのネツト５０の送り出し量を常に
一定に制御する役割も持つている。

１１は移動盤１２の上端に取付けられた支持板
であり、この支持板１１には３個のローラ１３，
１４，１５とシリンダ装置１６とが取付けられて
いる。これらのローラ１３，１４，１５はいずれ
も自由回転型のものであるが、ローラ１５は図示
のように支点１７を中心とし、バネ１８により時
計方向に付勢される三角板１９に支持されている
ので、ローラ１４とローラ１５との間を通るネツ
ト５０には一定の摩擦力が与えられることとな
る。またシリンダ装置１６は図示のようにそのピ
ストンロツドの下端にコ字状の金具２０を備えて
おり、この金具２０の固定片２１と小型シリンダ
２２とによつてネツト５０を金型３の上部でクラ
ンプし、想像線で示すように垂直下方に金型３の
下部まで引降ろすことができる構造となつてい
る。

一方、金型３の下部には切断装置２３が設けら
れている。切断装置２３は第２図に拡大して示す
ようにブラケツト２４の片側の固定刃２５と、小
型のシリンダ２６により進退動される可動刃２７
と、固定刃２５の背後にスプリング２８によつて
弾性的に支持させたクランパー２９とからなるも
のである。

（作用） このように構成されたものは、第１図に示すよ
うに金型２，３が開いた状態で供給ドラム５をモ
ータ７によつて回転させ、ダンサーローラ６が所
定位置まで下降するまで帯状のネツト５０を送り
出す。この帯状のネツト５０の送り出し量はダン
サーローラ６の下降位置を検出するリミツトスイ
ツチ１０によつて一定に制御されるから、ネツト
５０が破断した場合のように、ダンサーローラ６
の下降がリミツトスイツチ１０によつて検出され
なかつた時は、装置を停止させて不良品の発生を
防止する。次にシリンダ装置１６が金型３の上部
でネツト５０をクランプし、想像線で示すように
ネツト５０を金型３の下部まで引降ろす。このと
き、ネツト５０の下降によりダンサーローラ６は
持ち上げられてネツト５０にはダンサーローラ６
の自重分だけの一定の張力が作用する。そしてネ
ツト５０はこの張力により張られた状態で金型３
の下部に設けられた切断装置２３の可動刃２７と
クランパー２９との間にクランプされる。このと
きダンサーローラ６の上昇はリミツトスイツチ９
によつて検出されるから、ネツト５０が破断した
場合のようにダンサーローラ６の上昇がリミツト
スイツチ９によつて検出されなかつた時は装置を
停止させて不良品の発生を防ぐものである。これ
と同時にネツト５０の下部は切断装置２３の可動
刃２７の下面と固定刃２５の上面との間で剪断さ
れ切断されるのであるが、実はネツト５０の下部
には先のサイクルにおいてプラスチツクが射出成
形されて完成品となつているので、この切断によ
つて完成品となつた部分は下方へ落下することと
なる。その後シリンダ装置１６は上方へ戻り、こ
のようにして下部を切断されたネツト５０は一定
の張力を付与されたままで移動盤１２、金型３と
ともに固定側の金型２の方へ動いて金型２，３間
に挟まれ、その周囲にプラスチツクが射出成形さ
れてフイルタが製造されることとなる。その後、
金型３は再び第１図の位置まで開き、以下上記と
同様のサイクルが繰返されて成形済みの部分は次
のサイクルのネツト５０がシリンダ装置１６によ
つて引降ろされて切断装置２３によつてクランプ
されると同時に切離されることとなる。なお金型
３の移動によつてネツト５０の引出し長さが変化
するが、これはダンサーローラ６によつて吸収さ
れて常に一定の張力がネツト５０に加えられるよ
うになつている。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、帯
状のネツトが卷回された供給ドラムから送り出さ
れたネツトをダンサーローラによつて一定の張力
を与えながらシリンダ装置によつてプラスチツク
成形機の金型の上部から下部まで引降ろし、金型
下部の切断装置にクランプさせるようにしたの
で、２つ割りの金型の内部にネツトを一定の張力
で供給することができ、その周縁部分にプラスチ
ツクを射出成形することによつてフイルタ等の製
品を精度良く製造することができる。またダンサ
ーローラの上昇位置と下降位置をリミツトスイツ
チにより検出するようにしたから、ネツトの破断
等によるネツトの送り出し異常は容易に検出さ
れ、不良品の発生を的確に防止することができ
る。さらに成形済みの製品は次のサイクルのネツ
トが金型下部まで引降ろされて切断装置にクラン
プされたときに切り離されることとなるが、成形
までを帯状のネツトのままで行うことができるの
でネツトの取扱いが容易であり、完全な自動運転
が可能となる。更にこのほか、本考案によれば開
閉する金型間へのネツトの供給を全自動的に行う
ことができるので、従来の人手による場合のよう
な危険がなく、作業能率を著しく向上させること
ができる利点もある。よつて本考案は従来の問題
点を解決したプラスチツク成形機へのネツト供給
装置として、その実用的価値は極めて大きいもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
は切断装置の部分の一部切欠拡大正面図である。 ３……金型、５……供給ドラム、６……ダンサ
ーローラ、９，１０……リミツトスイツチ、１６
……シリンダ装置、２３……切断装置、５０……
ネツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状のネツト５０が卷回された供給ドラム５
   と、供給ドラム５から送り出された帯状のネツト
   ５０に一定の張力を与えるダンサーローラ６と、
   該ダンサーローラ６の上昇位置と下降位置を検出
   するリミツトスイツチ９，１０と、プラスチツク
   成形機の金型３の上部でネツト５０をクランプし
   て金型３の下部まで引降ろすシリンダ装置１６
   と、金型の下部に設けられ、その位置まで引降ろ
   されたネツト５０をクランプするとともに先のサ
   イクルにおいて成形された製品をネツト５０から
   切断する切断装置２３とからなることを特徴とす
   るプラスチツク成形機へのネツト供給装置。