JPH0437404A - 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板 - Google Patents

塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板

Info

Publication number
JPH0437404A
JPH0437404A JP14287190A JP14287190A JPH0437404A JP H0437404 A JPH0437404 A JP H0437404A JP 14287190 A JP14287190 A JP 14287190A JP 14287190 A JP14287190 A JP 14287190A JP H0437404 A JPH0437404 A JP H0437404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
painting
steel plate
sum
coating
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14287190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2568297B2 (ja
Inventor
Masataka Inoue
井上 雅隆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP2142871A priority Critical patent/JP2568297B2/ja
Publication of JPH0437404A publication Critical patent/JPH0437404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2568297B2 publication Critical patent/JP2568297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/22Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling plates, strips, bands or sheets of indefinite length
    • B21B1/227Surface roughening or texturing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、各種塗装用鋼板の塗膜鮮映性(塗装後の、鋼
板表面における鮮映性)を評価する塗装用鋼板の評価方
法および塗膜鮮映性に関し、特に、塗装回数2回以下ま
たは合計塗膜厚80μm未満の薄塗装後の鋼板の塗膜鮮
映性を正確に評価する方法および上記の薄塗装であって
も塗装回数3回以上または合計塗膜厚80μm以上の通
常塗装と同等以上の塗膜鮮映性を有する塗膜鮮映性に優
れた塗装用鋼板に関する。
〈従来の技術〉 従来、自動車ボディや家庭用電気製品に−用いられる塗
装用鋼板の代表例としての冷延鋼板は、冷間圧延後脱脂
清浄を行い、さらに焼鈍した後調質圧延を施して製造さ
れるのが通常である。 ここで、調質圧延の目的の一つ
は、表面をダル仕上げしたワークロールを用いて軽度の
圧延を行うことによって鋼板表面に適度の表面粗さを与
えることである。
ところで、このワークロールの表面をダル仕上げする方
法としては、従来から、ロール表面にショットを投射し
てダル加工を行うショツトブラストによる方法と、加工
液中で放電させロール表面を溶融飛散させて所定のダル
表面を得る放電加工による方法とが実用化されている。
 これらの方法によるワークロールのダル仕上げの場合
、ロール表面にはそれぞれのダル加工法固有の不規則な
粗度プロフィルが形成されるため、圧延後の鋼板表面が
不規則な山と谷で構成される。 このような鋼板につい
てプレス加工を施せば、谷部に潤滑油を貯留させてプレ
ス金型と鋼板との摩擦力を低減させ、プレス作業を容易
にすると同時に、金型との摩擦力により剥離した金属粉
を谷部にトラップして焼付きを防止することができる等
プレス成形性を向上できる。
近年、乗用車は勿論、軽自動車、ワゴン車、トラックに
至るまで、塗装後の総合的な品質の高さを顧客に対して
直接的に視覚によって訴えることができるため、塗装面
の良否が極めて重要な品質管理項目となっている。 と
ころで、塗装面の評価項目としては種々のものがある。
そのうちでも特に塗装面の乱反射が少なく光沢性に優れ
ていること、および写像の歪みが少ないこと、すなわち
写像性が優れていることが重要であり、これらの光沢性
と写像性とを合わせて一般に「塗膜鮮映性」と称してい
る。
上記塗装面の塗膜鮮映性の評価方法として、従来から、
例えば、特開昭63−117206号、特開昭61−2
17708号、特開昭62−103544号、特開昭6
2−233712号が提案されている。
しかしながら、塗装面の塗膜鮮映性に対しては、塗料の
種類や塗装方法も影響を与えるが、塗装下地としての鋼
板表面の粗さの影響も強く受ける。 特に、塗膜厚が薄
い場合、具体的には塗装回数が1ないし2回で合計膜厚
が80μm未満の場合には、塗装下地としての鋼板表面
の形態が塗膜鮮映性に大きく影響する。 すなわち、鋼
板表面の平坦な部分の占める割合が少なく、波長と振幅
の大きい凹凸成分が多くなれば、塗装面でも凹凸が大き
くなり、その結果、光の乱反射を生じて光沢性を損なう
とともに、写像の歪みを招き前述の塗膜鮮映性を悪化さ
せることとなる。
そこで、塗装前の鋼板表面の微視的形態から塗膜鮮映性
を評価することが必要であるが、従来は、JISB−0
601(1982)に記載の方法により評価していた。
 この方法では、鋼板表面の微視的形態のうち、塗膜鮮
映性の評価の指標として、JISB−0601に規定さ
れた「ろ液中心線うねり(WC,)Jを用い、この値が
小さいほど、塗膜鮮映性が良好であると評価している。
一方、ショツトブラストにより加工されたワークロール
により圧延された鋼板(以下、ショットダル鋼板という
)、放電加工されたワークロールにより圧延された鋼板
(以下、放電ダル鋼板という)の塗膜鮮映性を改善する
ために、近年レーザ等の高密度ビームエネルギーにより
ダル加工した、すなわち、回転するワークロールに垂直
に近い短いピッチの断続したレーザビームをワークロー
ルの回転軸と平行に移動させながら照射し、ワークロー
ルの表面を溶融させてダル加工を行うレーザダル加工方
法による規則的な粗度プロフィルが形成されたロール表
面を有するワークロールにより塗装用鋼板を圧延するこ
とが行われている。 このようにして得られたレーザダ
ル鋼板は従来の放電タル鋼板、ショットダル鋼板に比較
して、塗膜鮮映性を悪化させる鋼板表面の凹凸成分すな
わち長波長(例えば0.8〜8.0mmあるいは1.0
〜6.0mm)の「表面うねり成分」が少ない一方で、
短波長(例えば、O−O,Smmあるいは0〜1.0m
m)の「表面粗さ成分」が多いため、プレス成形性は良
好なレベルとなっている。
上記の各ダル鋼板を上述のJISB−0601に規定さ
れた方法で評価すると、長波長成分および短波長成分を
100%カットできないので、「ろ液中心線うねり」の
値に、上述の短波長成分すなわち「表面粗さ成分」が入
り込むために、ショットダル鋼板および放電ダル鋼板に
比べて、レーザダル鋼板の方が「ろ液中心線うねり」の
値が高くなり、塗膜鮮映性が劣るという評価がなされ、
プレス成形性の良好な被ダル加工塗装用鋼板の塗膜鮮映
性を正確に比較評価することができていなかった。
このため、本出願人は、特願平01−312125号に
おいて被ダル加工法の異なる各種塗装用鋼板の塗膜鮮映
性を正確に評価する方法を提案し、またこの評価方法に
より正確に評価された塗膜鮮映性に優れた鋼板を提案し
ている。
この評価方法は、塗装用鋼板の表面の断面曲線を検出し
、該断面曲線をフーリエ変換して周波数解析曲線を得る
と共に、塗装後の鋼板の鮮映性を阻害する塗膜鮮映性阻
害波長域を、前記周波数解析曲線における波長1.0〜
6.0mmの範囲内に設定し、当該鮮映性阻害波長域の
パワースペクトル和を求めることにより、前記塗装用鋼
板の塗膜鮮映性を評価するものである。 また前記パワ
ースペクトル和を0.5μm!以下に限定することによ
り、塗膜鮮映性の優れた鋼板を得ている。
〈発明が解決しようとする課題〉 このような本出願人が特願平01−312125号に提
案した評価方法は、従来の塗装回数3回以上あるいは合
計塗膜厚80μm以上の通常塗装においては、塗膜鮮映
性を適正に評価できるものであり、こうして適正に評価
された塗装用鋼板は通常塗装においては優れた塗膜鮮映
性を示す塗装用鋼板である。
ところが、塗装用鋼板が用いられる分野においては、塗
装技術や塗膜性能の向上により、コストダウンを図るた
め、塗装回数の減少や薄塗膜厚化が要請されている。
しかし、上述の塗膜鮮映性阻害波長域のパワースペクト
ル和による評価方法で良好であると評価される塗装用鋼
板例えばレーザダル鋼板であっても、塗装回数2回以下
または合計塗膜厚80μm未満(例えば、標準的塗膜厚
30μm以上80μm未満)では、塗装用鋼板の塗装下
地処理のダル仕上によて生じる微視的形態の影響が塗装
面に残ってしまい、例えば、レーザダル鋼板ではレーザ
ダルパターンのリング溝の痕跡が塗膜面に残ってしまい
、塗膜鮮映性を阻害する場合があるという問題があった
また、本出願人は特願平01−299842号において
、ワークロールのレーザダル加工時のマイクロクレータ
の形態を規制し、リング溝の形状を規制した鋼板を提案
したが、この製法によって製造された鋼板の表面を工業
的に計測する手段および評価する方法が十分でないため
、十分な品質評価ができないという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、塗装
用鋼板の表面形状を工業的すなわち実用的な計測手段に
より適切に測定して制御可能な品質評価指標を求めるこ
とにより、塗装回数2回以下または合計塗膜厚80μm
未満の薄塗膜に供される塗装用鋼板であってもその塗膜
鮮映性を正確かつ適正に評価する塗装用鋼板の評価方法
および上記評価方法により適正に評価された塗膜鮮映性
に優れた塗装用鋼板を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者は、上記目的を達成し、標準的な溝塗装、例え
ば合計塗膜厚30μm以上80μm未満の塗装である2
回塗装においても、塗装用鋼板の塗膜鮮映性が通常塗装
(合計塗膜厚80μm以上の塗装)である3回塗装と同
等以上に優れたものとするため、溝塗装用鋼板の塗膜鮮
映性を評価する方法および優れた塗膜鮮映性を示す溝塗
装用鋼板が具備すべき条件について、鋭意研究を重ね、
鋼板表面および塗装後の薄塗装面(80μm未満の合計
塗膜厚)の断面曲線から得られる周波数解析曲線を調べ
、上記薄塗装面の鮮映性を種々の評価方法による評価実
験を行った結果、以下の知見を得て、本発明に至ったも
のである。
(1)通常塗装の塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板(1,
0〜6.0mmの波長域のパワースペクトル和PAが0
.5μm2以下)においては、溝塗装での塗膜鮮映性に
最も効くのは、波長範囲200μm以上1.0mm (
1000μm)未満であること。
(2)溝塗装の塗膜鮮映性は鋼板の表面形態だけではな
く、塗装方法によっても異なるが、上記周波数解析曲線
における波長範囲200μm以上1.0mm未満のパワ
ースペクトル和PBを2.0μm2以下とすれば殆どの
塗装仕様において塗膜鮮映性が良好であり、上記パワー
スペクトル和PBを1.0μm2以下にすれば、実験を
行ったすべての塗装仕様においてレーザダルパターン残
存による塗膜鮮映性の低下を全く生じない。
すなわち、本発明の第1の態様は、塗装用鋼板の表面の
断面曲線を検出し、該断面曲線をフーリエ変換して周波
数解析曲線を得、通常塗装後の鋼板の鮮映性を阻害する
通常塗装塗膜鮮映性阻害波長域を、前記周波数解析曲線
における波長1.0〜6.0mmの範囲内に設定すると
ともに、塗装回数2回以下または合計塗膜厚80μm未
満の薄塗装後の鋼板の鮮映性を阻害する薄塗装塗膜鮮映
性阻害波長域を前記周波数解析曲線における波長200
μm以上1.0mm未満の範囲内に設定し、これら2つ
の塗膜鮮映性阻害波長域のパワースペクトル和を求める
ことにより、前記塗装用鋼板の塗膜鮮映性を評価するこ
とを特徴とする塗装用鋼板の評価方法を提供することに
ある。
また、本発明の第2の態様は、鋼板の表面の断面曲線を
フーリエ変換して得られる周波数解析曲線における1、
0〜6.0mmの範囲内に設定された通常塗装塗膜鮮映
性阻害波長域のパワースペクトル和PAが0.5μm2
以下であり、かつ前記周波数解析曲線における波長20
0μm以上1.0mm未満の範囲内に設定された、塗装
回数2回以下または合計塗膜厚80μm未満の薄塗装後
の鋼板の塗膜鮮映性を阻害する薄塗装塗膜鮮映性阻害波
長域のパワースペクトル和PBが2.0μm2以下であ
ることを特徴とする塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板を提
供することにある。
上記各態様において、前記塗装用鋼板が、レーザダル鋼
板であるのが好ましい。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明においては、塗装回数3回以上または合計塗膜厚
80μm以上の塗装を通常塗装といい、塗装回数2回以
下または合計塗膜厚80μm未満の塗装を溝塗装という
本発明にかかる塗装用鋼板の評価方法においては、まず
塗装用鋼板の表面形状の不規則なランダム波形、すなわ
ち時間軸に対してランダムな変動を示す入力信号をフー
リエ変換して各周波数ごとの振幅レベルに分解して、表
示して得られる周波数解析的!!(パワースペクトル−
鋼板表面に形成された凹凸の波形)を作成する。
塗装用鋼板としてレーザダル鋼板を用いて作成された周
波数解析曲線の一例を第1図に示す。
次いで、第1図に示すように、通常塗装後の鋼板の一膜
鮮映性を阻害する塗膜鮮映性阻害波長域WAを周波数解
析曲線における波長1.0〜5.0mmの範囲内に、ま
た薄塗装後の鋼板の塗膜鮮映性を阻害する溝塗装塗膜鮮
映性阻害波長域WBを周波数解析曲線における波長20
0μm以上1.0mm未満の範囲内に設定する。 そし
て、第1図に示すように、上記2つの塗膜鮮映性阻害波
長域WAおよびWBにあるパワースペクトルをそれぞれ
積分して、通常塗装および薄塗装それぞれの塗膜鮮映性
阻害波長域のパワースペクトル和(以下PB和という)
PAおよびPBを求める。
周波数解析曲線の通常塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WA
におけるPS和PAは、塗装用鋼板の表面のうねり成分
の存在量が少ない程小さくなる。
また、周波数解析曲線の薄塗装の塗膜鮮映性阻害波長域
WBすなわち200tLm以上1.0mm未満の波長域
におけるPS和PBは、塗装用鋼板の表面の粗さ成分の
存在量が少ないほど小さくなる。 しかし、この波長域
WBは、プレス加工性向上波長域内でもあるので、ある
程度の表面粗さ成分は存在するほうが好ましい。
例えば、第1図に示すようなレーザダル鋼板の場合には
、この波長域にはプレス加工性向上成分である特定波長
の表面粗さ成分が存在するが、これらの成分の存在があ
まり大きいと、薄塗装後の塗装面に鋼板表面の微視的形
態の影響が残り、塗膜鮮映性を阻害する。
従って、上記各塗膜鮮映性阻害波長域WAおよびWBに
あるPS和PAおよびPBが小さい程、通常塗装および
溝塗装時の塗膜鮮映性が良好であることから、上記パワ
ースペクトル和PAおよびPBの値を比較することによ
り、通常塗装は勿論、薄塗装であってもあるいは、各種
塗装用鋼板であっても塗装面の塗膜鮮映性を正確に比較
評価することが可能となる。
上記本発明において、周波数解析曲線のPS和PAおよ
びPBを求めていることから、上記各鮮映性阻害波長域
WAおよびWB内にあるパワースペクトルを100%取
り込み、一方、それ以外の波長域にあるパワースペクト
ルを全て取り除くことができるため、PS和PAには通
常塗装での塗膜鮮映性を阻害する波長域WAより長波長
側(6,0mm超)にある形状狂いに相当する成分と、
短波長側(1,Omm末?M)にあるプレス成形性を向
上するが、あまり大きいと薄塗装の塗膜鮮映性を阻害す
る成分とが加算されないし、PS和PBには上述の溝塗
装塗膜鮮映性阻害成分のみが加算される。 従って、通
常塗装または薄塗装の各種塗装用鋼板の塗膜鮮映性を鋼
板毎に正確に評価することができる。
また、両塗膜鮮映性阻害波長域WAおよびWBにあるP
S和PAおよびPBそれぞれ前記各所定値以下とするこ
とにより、通常塗装ではもちろん薄塗装でも確実に塗膜
鮮映性に優れている塗装用鋼板を提供できることになる
本発明の各態様において、通常塗装および薄塗装の塗膜
鮮映性阻害波長域WAおよびWBをそれぞれ波長1.0
〜6.0mmおよび200μm以上1.0mm未満の範
囲内に設定する理由は次の通りである。
通常塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WAの短波長端側か1
.0mmより小さいと、薄塗装の塗膜鮮映性を阻害する
恐れがあるがプレス成形性を向上する1、0mm未満に
ある波長成分が上記PB和PAに入り込む。 一方、長
波長端側か6.0mmより大きいと、プレス成形によっ
て矯正可能であるために、塗膜の塗膜鮮映性を低下する
ことのない、形状狂い相当する6、0mmを超える波長
成分が上記ps和PAに入り込む。
また、薄塗膜の塗膜鮮映性阻害波長域WBの上限を1.
0mm以上に設定すると、通常塗装の塗膜鮮映性阻害成
分が上記PB和PBに入り込む。 一方、下限を200
μm以上にするのは、波長域200μm未満については
塗装によって関係なくなるからである。
こうなると、通常塗装の各種塗装用鋼板の塗膜鮮映性や
プレス加工性を正確に評価できないばかりか、溝塗装の
塗膜鮮映性およびプレス加工性をも正確に評価できない
からである。
本発明の塗装用鋼板としては、レーザダル鋼板が好まし
い。
レーザダル鋼板は、レーザ等の高密度ビームエネルギに
よりダル加工したワークロールにより調質圧延され、ダ
ル目付けされた塗装用鋼板である。 より詳細に説明す
ると、レーザダル鋼板は、例えば、冷延薄鋼板をブライ
ト仕上した後、第2図(C)に示すロール表面を有する
レーザダル加工ワークロールな用いてスキンパス圧延処
理したものであり、第2図(a)および(b)に示すよ
うに平滑なバックグラウンドに所定直径り、のリング溝
20が所定ピッチして規則正しく並び、リング溝20で
囲まれた円丘22の頂部もほぼ平坦である表面を有する
鋼板である。 ここで、リング溝20のピッチLおよび
直径り、は主に鋼板表面の断面曲線の波長に、リング溝
20の深さり、は主に鋼板表面の断面曲線の振幅に影響
を与える。
このようなダル目付けを行うことのできるワークロール
は、レーザダル加工方法によって、第2図(c)に示す
ような所定直径り、および所定深さり、を持っマイクロ
クレータが所定ピッチして設けられた、規則的な粗度プ
ロフィルを持つロール表面を有する。
このようなワークロールへのダル加工は、回転するワー
クロールに垂直に近い短いピッチの断続したレーザビー
ムをワークロールの回転軸と平行に移動させながら照射
し、ワークロールの表面を溶融させて所定ピッチし、深
さり、および直径り、のマイクロクレータ24を形成さ
せることにより行われる。
このため、ワークロールへのレーザダル加工時に、ビー
ムパルス間隔およびビームエネルギなどのダル加工条件
を制御することによりワークロール表面に形成されるマ
イクロクレータ24のピッチLおよび直径り、と深さり
、を制御することができるので、これらが調整されたワ
ークロールを用いて、レーザダル鋼板表面の断面曲線の
波長および振幅を制御することが可能である。
一般に、レーザダル鋼板は従来の放電ダル鋼板、ショッ
トダル鋼板に比較して、通常塗装の塗膜鮮映性を悪化さ
せる鋼板表面の凹凸成分が少ない一方で、プレス成形性
向上成分は良好なレベルとなっているが、このプレス成
形性向上成分は、溝塗装塗膜鮮映性阻害成分でもある。
レーザダル鋼板は、鋼板表面の断面曲線の周波数解析曲
線から得られる上記PB和PAおよびPBを制御するこ
とができるので、本発明の塗装用鋼板として最も好まし
い。
なお、レーザダル鋼板においては、第2図(a)および
(b)に示すような鋼板表面に形成されるレーザダルパ
ターンを制御することが可能であるため、レーザダルパ
ターンに基づく鋼板表面の凹凸は、例えば、第1図に示
すように波長1.0mm未満の範囲にあるプレス加工性
向上波長域にある表面粗さ成分となっている。 ところ
で第2図(a)および(b)に示すように鋼板表面に形
成されるレーザダルパターンは、第2図(C)に示すよ
うなレーザダル加工方法により規則的な粗度プロフィル
が形成されたロール表面を有するワークロールでの圧延
によって形成されるので、第1図に示すように、レーザ
ダル鋼板表面の周波数解析曲線には、溝塗装の塗膜鮮映
性を阻害する、レーザダルパターン特有の特定周波数成
分のピークが例えば、第1図に示す例では、20OLL
mおよび300LLm付近に存在する。
従って、レーザダル鋼機においては、これらの成分を含
めた溝塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WBのPS和PBに
よって溝塗装の塗膜鮮映性を評価することができる。
次に本発明の第2の態様における数値の限定理由につい
て説明する。
まず、本発明の塗装用鋼板においては、塗装前の鋼板の
通常塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WAにおけるps和P
Aは、0.5μm”以下であることが必要である。 P
S和PAが0.5μm2を超えると、塗装前の鋼板表面
に通常塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WAにある凹凸の存
在量が多く、塗装後において通常塗装および薄塗装のい
ずれの塗装によってもこの凹凸を埋めることができず塗
装後において塗膜鮮映性を阻害するため、PS和PAは
0.5μm2以下であることが必要である。
次に、上記PB和PAが0.5μm2以下の塗装用鋼板
、好ましくはレーザダル鋼板においては、塗装前の鋼板
の薄塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WBにおけるPs和P
Bは、2.0μm2以下であることが必要である。 P
B和が2.0μm2を超えると、塗装前の鋼板表面に、
第1図に示す200μm以上1.0mm未満の波長域内
に凹凸が多数存在し、これらがプレス加工性を向上させ
るが、薄塗装における塗膜鮮映性を阻害するからである
また、上記ps和PBは、2.0μm″以下であれば、
薄塗装の塗膜鮮映性をさらに向上させることができ、ど
のような塗装仕様においても通常塗装と同等以上の塗膜
鮮映性とすることができる。
まず、本発明の第1の態様に係る塗装用鋼板の評価方法
の一例を添付図面に示す好適実施例について詳細に説明
する。
第3図は、この評価方法を実施するための塗装用鋼板評
価装置の構成を示す図である。
第3図において、鋼板試料固定台1上には塗装用鋼板試
料40が載厘されている。 触 針10は鋼板試料40
と接触して、試料表面に形成されたダル加工溝を走査す
ることにより、鋼板試料40表面の断面曲線に応じたラ
ンダム波形を出力する。
このランダム波形は3次元表面形状測定装置2に入力さ
れ、電圧信号に変換される。 この電圧信号は、周波数
解析装置4で高速フーリエ変換されて周波数解析曲線が
作成される。
この周波数解析曲線はマイクロコンピュータ5によって
目的に応じた波長域間のパワースペクトル和(積分値)
に分解、定量化して表示装置7においてその結果が表示
される。
上記触針10は試料固定台1に対して移動可能に構成さ
れており、試料表面のX軸方向に触針10を移動させた
後、所定ピッチでY軸方向に触針10を移動させて、こ
れを繰り返すことにより、試料表面に形成された被ダル
加工溝を走査する。
上記周波数解析装置4は、上記3次元表面形状測定装置
2で得られた表面形状の不規則な波形即ち時間軸に対し
てランダムな変動を示す入力信号を高速フーリエ変換し
て各周波数ごとの振幅レベルに分解、表示して得られる
周波数解析曲線を作成する。
この周波数解析曲線は時間軸信号を数学的に周波数軸に
変換したものであり、縦軸はランダム波形から周波数軸
に対して振幅をレベル表示したパワースペクトラムであ
る。 従って、この周波数曲線は目的とする波長域WA
、およびWB内の振幅レベルを100%評価することが
できる。
上記コンピュータ5の記憶装置の所定の記憶領域には、
塗膜鮮映性を阻害する、2種の塗膜鮮映性阻害波長域W
AおよびWBがそれぞれ、波長1.0〜6.0mmおよ
び200μm以上1.0mm未満の範囲内に設定されて
いる。
次いで、コンピュータ5は、この2つの設定波長域WA
およびWBにある周波数解析曲線の上記パワースペクト
ル和PAおよびPBを演算して出力する。
こうして得られたPS和PAには、プレス成形によって
矯正可能な、波長6.0mm超の長波長側の形状狂いに
相当する成分や波長1.0mm未満の短波長側のプレス
成形性を向上するが薄塗装塗膜鮮映性を阻害する恐れの
ある成分は含まれないし、もう一つのPS和PBには、
通常塗装の塗膜鮮映性を阻害する鋼板表面のうねり成分
や200μm未満の薄塗装でほとんど消失してしまう成
分は含まれない。
従って、通常塗装ではもちろん、薄塗装の塗膜鮮映性を
レーザダル鋼板を始めとして各種塗装用鋼板にわたって
正確に評価することができる。
ところで、ショットダル鋼板および放電ダル鋼板を圧延
して得るためのワークロールの表面の粗度プロフィルは
不規則である。 従って、これらの鋼板表面の断面曲線
には方向性がないのでどこを測定してもよいが、レーザ
ダル鋼板の場合には、第2図(a) !3よび(b)に
示すような規則的なレーザダルパターンが形成されてい
るため、鋼板表面の断面曲線を採取する際には、走査方
向が、レーザダルパターンの配列と平行にならないよう
に走査するのが望ましい。 また、レーザダル鋼板の表
面の断面曲線を採取する際に走査方向が例えば第2図に
示すようなレーザダルパターンの配列と平行になる場合
には、レーザダルパターンの1ピツチL内において数条
の平行走査を行い、リング溝20を横断した断面曲線を
使用するのが良い。
第4図は、レーザダル加工されたワークロールにより調
質圧延された鋼板の表面粗さの出力曲線を示す。 第4
図において、横軸は試料表面のy軸(またはy軸)方向
の変位量を示し、縦軸は試料の深さ方向(Z軸方向)を
示す。
第5図は、上記周波数解析装置4において、第4図の出
力曲線を高速フーリエ変換して得られた、2次元平均パ
ワースペクトル分布(3次元パワースペクトル分布をリ
ニア加算して2次元平均化した、周波数解析曲線)を示
したものである。 第5図において、横軸は試料表面に
形成された凹凸の波長(mm)を示し、縦軸はパワース
ペクトル(μm2)または振幅スペクトル(μm)を示
す。 また、波長1.0〜6.0mmの範囲内および2
00μm以上1.0mm未満の範囲内は、それぞれ通常
塗装および薄塗装の塗膜鮮映性阻害波長域WAおよびW
Bを示し、両斜線部は、塗膜鮮映性阻害波長域WAおよ
びWBにおけるPS和(パワースペクトル和:積分値)
PAおよびPB(μm 2 )を示す。
このような周波数解析(パワースペクトル)において、
上記のようなパワースペクトル和を求める具体的方法と
しては、例えば、まず、第4図に示すようなX軸測定長
さ40.96mmの断面曲線をy軸に50tLmピッチ
で60本採取する。
次に、例えば、X軸データピッチを1断面曲線当り40
96点として断面曲線は最小自乗法で傾き補正をかけ、
リニア加算にて60本の二次元平均振幅スペクトル分布
を求める。 こうして得られた振幅スペクトル分布を第
5b図に示す。
この振幅スペクトル分布において各波長(各周波数)に
対するパワースペクトルの2乗和を求めることにより第
5a図のパワースペクトル分布を得ることができる。 
ここで振幅スペクトルの各周波数成分は実数部と虚数部
からなるので各成分のパワーを求めるためにはそれらの
2乗和を作る必要がある。 k番目の周波数成分xkの
実数部をR,(X、)、虚数部をI、(X、)と表わす
と、k番目のパワースペクトルpHは p+、  = l x、、l ”  =  Ht、(x
k))  ”  +  (1,(X、))  2で表わ
される。
第5a図に示すパワースペクトル分布の特定波長域の各
波長成分の和(積分値)をパワースペクトル和として求
めている。
すなわち、特定波長域をa〜bとするとき、この波長域
内に入る振幅スペクトルの周波数成分X、(k=0. 
1.2・・・・・・n)が離散値として与えられている
場合にはそのパワースペクトルPkも離散値として与え
られ、この範囲のPS和PSは、 PS=ΣlX、l”=ΣP。
で与えられ、振幅スペクトルXが連続関数X=f (λ
)(え:a長)で与えられている場合には、そのパワー
スペクトルPも連続関数P=lf(λ)I”=g(λ)
で与えられ、この範囲のPS和psは、 で与えられる。
これらの式に従って、周波数解析装置4により、直接P
B和を求めてもよい。
尚、上記両塗膜鮮映性阻害波長域WAおよびWBは、イ
ンターフェイス回路を通して、予めコンピュータ5に設
定しておくのが好ましい。
塗膜鮮映性阻害波長域とは、鋼板表面の凹凸がそれぞれ
の対応する合計塗膜厚の塗装によっても埋まらず、プレ
ス加工によっても、矯正することのできない、鋼板表面
に形成された凹凸の波長範囲を意味する。
従って、上記波長域WAのPS和PAが小さければ、通
常塗装での塗膜鮮映性が良好となり、さらに上記波長域
WBのPS和PBがある程度小さければ、薄塗装であっ
ても塗膜鮮映性が良好となるので、両PS和PAおよび
PBを用いて、通常塗装はもちろん薄塗装の塗膜鮮映性
を塗装用鋼板の種類にかかわらず正確に評価することが
できる。
本発明の第2の態様に係る塗装用鋼板においては、上記
ps和PAが0.5μm”以下、かつ上記PB和PBが
2.0am”以下であれば、塗装回数2回以下または合
計塗膜厚80μm未満、標準的には30LLm以上80
μm未満の薄塗装であっても、塗装回数3回以上または
合計塗膜厚80tLm以上の通常塗装と同等以上の優れ
た塗膜鮮映性を有する塗装用鋼板であるといえる。
本発明の塗装用鋼板としては、上記条件を満足するもの
であれば、どのような塗装用鋼板でもよく、被ダル加工
法の種類によらないが、例えば、鋼板表面に形成される
レーザダルパターンは規則的に配列されるものであり、
その配列(ピッチL)および寸法(直径り、、[さり、
)などは制御可能であるため、レーザダル鋼板であるの
がよい。
本発明においては、レーザダル鋼板を製造する際には、
圧延用ワークロールのレーザダル加工時にマイクロクレ
ータのピッチ(L)、直径(D、)、深さ(D、)を制
御しておくが、スキンパス圧延を続けていると、ワーク
ロールのレーザダル目(マイクロクレータ)が摩耗して
行くので、ワークロールの使用限界をも好適に管理する
ことができ、不良品の発生を防止することができる。
なお、上記本実施例では、3次元表面形状測定装置とし
ては、鋼板試料表面に接触する触針を用いたものについ
て説明したが、例えば、超音波発生器と受渡器を有し、
鋼板試料表面に超音波を照射して鋼板表面の凹凸を検出
する等、非接触式のものを用いても良い。
〈実施例〉 以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1) 種々の塗装用鋼板に種々の塗装方法により、合計塗膜厚
55〜65μmの2回塗装および合計塗膜厚95〜10
5μmの3回塗装を施し、塗装後の塗装面の断面曲線を
、第3図に示す3次元表面形状測定装置2および周波数
解析装置4を用いて、(a)3150〜1024μm、
(b)1024〜200LLmおよび(c)200〜2
5.6μmの3つの波長域に分割して、それぞれ周波数
解析曲線を求め、それぞれの波長域のパワースペクトル
和を求めた。
一方、塗装後の塗装面の塗膜鮮映性を4種の測定方法に
より計測し、測定値と前述のパワースペクトル和の相関
および各測定方法間の相関を調べた。
ここで用いた4種の鮮映性評価法は、計器による方法と
して、ドリゴン(DORTGON )鮮明度光沢針(米
国ハンターアソシエイツラボラトリー社製)によるDO
I値およびN5IC型写像鮮明度測定器(日本ペイント
社およびスガ試験機社製)によるN5IC値(平滑感の
評価指標)およびsNS I C値(光沢感の評価指標
)の計測法ならびに視覚による方法としてPGD計(P
ORTABLE GLO3S AND DISTINC
TOIN METER)によるPGD値およびM式映像
鮮明度光沢計によるM値の計測法であった。
上記(a)、(b)および(c)の3種の波長域につい
てのDOI値、N5IC値(INSIC値)およびPG
D値とPB和の関係をそれぞれ第6図、第7図および第
8図の各(a)。
(b)および(c)に示す。
第6図、第7図および第8図の各(a)(b)および(
C)から明らかなようにいずれの測定値においても(a
)波長域の3150〜1024μmの波長域ではPB和
とDOI値との間の相関はな(、(c)の200〜25
.6μmの波長域では上記相関は小さく、(b)の10
24〜200μmの波長域の相関は大きいことがわかる
また、上記3種の測定値の間の相関関係を調べるために
、上述の各図からN5IC値(mNSIC値)とDOI
値の関係およびPGD値とDOI値との関係を示すグラ
フを得て、それぞれ第9a図および第9b図に示す。
第9a図から明らかなように、DOI値とN5IC値(
sNSIC値)とは強い相関を有しており、第9b図か
らDOI値とPGD値は相関関係を有していることがわ
かる。
図示してはいないがM値も他の測定値と同様にそれぞれ
の波長域において各波長域のPB和と同様の相関を示し
た。
従って、本発明の特定波長域のパワースペクトル和を用
いて塗膜鮮映性を評価する方法は、塗装後の塗膜鮮映性
を評価するための上記4種の評価方法のいずれに対して
も相関を有し、正確な評価を与えるものであることがわ
かる。
なお、このDOI値は、試料の表面に対して入射角30
度で光を入射し、その正反射光強度R8と正反射角に対
し、±0.3度での散乱光強度Ro、sの値を用いて、
次式で表される。
DOI値(%) =100X (R,−R,、、)/R・そして、このD
OI値が高い程塗膜鮮映性が良好であることを示す。
NS I C(mNS I C)値は、試料面による反
射を介して結像した矩形波パターンの光強度分布を測定
し、それをフーリエスペクトル解析し、結像パターンの
「矩形波からのズレ」の程度として鮮明度を評価するも
ので、特に、平滑感(NSIC値)および光沢感(sN
SIC値)を評価する指標である。
(実施例2) 実施例1で用いた塗装用鋼板の塗装前に鋼板表面の断面
曲線を3次元表面形状測定装置および周波数解析装置を
用いてスペクトル分析し、波長域6.0〜1.0mmの
ps和PAおよび波長域1.0mm未満200 μm以
上のps和PBを求め、PAが0.5μm2以下の塗装
用鋼板について種々の塗装方法により合計塗膜厚55〜
65μmの2回塗装を行って、各鋼板の塗装後の塗装面
の塗膜鮮映性を上述のドリゴン鮮明度光沢計によるDO
I値およびN5IC型写像鮮明度測定器によるN5IC
値(mNSIC値)を求めた。
その結果を第10a図および第10b図に示す。
これらの図から明らかなように、いずれの計測法による
結果も、塗装用鋼板の表面の断面曲線から得られる周波
数解析曲線の波長域1.Omm未t4200 u m以
上のps和PBが2.0以下であればN5IC値約70
以上、I rXI S IC値で約50以上、DOI値
で約90以上であり、良好な塗膜鮮映性を示すが、PB
が2,0より大きくなるとN5IC値、mNS I C
値、DOI値のいずれも急激に低下し、塗膜鮮映性が劣
化することがわかる。
(実施例3) 供試鋼として、低炭素アルミキルト鋼の冷延鋼板を用い
た。 これを、レーザビームによるダル加工を施した5
種類のスキンバスロールA、B、C,DおよびEを用い
て、1.0%の圧下率で調質圧延を行い、70X70m
mの原板試験片A、B、C,DおよびEを作成した。
なお、この時、レーザダル加工方法の条件を種々変える
ことにより、A、B、C,DおよびEの5種類のロール
表面の粗度パターンを変化させ、スキンパス圧延後の被
ダル加工鋼板表面の粗度パターンを変化させた5種の試
験片とした。
そして、各試験片を3次元表面形状測定装置(明神1機
製5AS−2001)により走査し、各試験片の3次元
鋼板表面断面曲線を得た。
その後、上記各試験片A、B、C,DおよびEの各々に
ついて、周波数解析装置を用いて、上記3次元表面形状
測定装置で得られた表面形状の不規則なランダム波形、
すなわち時間軸に対してランダムな変動を示す入力信号
を高速フーリエ変換して、凹凸の各周波数毎の振幅レベ
ルに分解、表示して得られる周波数解析曲線を波長域を
(a)3150〜1024μm、(b)1024〜20
0μmおよび(c)200〜25.6μmに3分割して
作成した。
次いで、これらの周波数解析曲線の各波長域におけるパ
ワースペクトル和を求めた。
次に、上記各試験片について次のような化成処理を行い
、次いで合計塗膜厚55〜65μmの2回塗装を施した
ものと、合計塗膜厚95〜105μmの3回塗装を施し
たものとを得た。
止11m埋 処理剤:デイツプ処理用細粒型リン酸塩系薬剤 デイツプ条件:43℃×120秒 被膜重量:2.2±0.2g/cm” 前処理:脱脂、水洗、表面調整 後処理:水洗い、純水洗、乾燥 塗装姿勢:垂直姿勢 下塗:カチオンED塗料 15〜20μm厚中塗:シー
ラー 40〜45μm厚 上塗ニドツブコート 40〜45μm厚なお、2回塗装
の場合は中塗省略し、上記各工程ともサンディングは行
わなかった。
2回塗装および3回塗装後の各鋼板の試験片の塗膜表面
について、上述と同様に、第1図に示す3次元表面形状
測定装置2および周波数解析装置4を用いて、上述の(
a)、(b)および(c)の3つの波長域の周波数解析
曲線を作成し、各波長域のパワースペクトル和を求めた
第11図(a)、(b)および(c)に、試験片A、B
、C,DおよびEの原板、2回塗装板および3回塗装板
のパワースペクトル和を上記各(a)、(b)および(
c)の3つの波長域に分けて示す。 塗装姿勢はいずれ
も水平である。
また、第12図(a)、(b)および(c)に、上記試
験片AおよびDについて、上記各波長域における、原板
および2回塗装板の周波数解析曲線(振幅スペクトル分
布)を示す。
第11図から明らかなように、 (a)3150〜1024μmの波長域の原板表面の凹
凸成分は、2回塗装でほとんど消失し、3回塗装で消失
すること、 (b)1024〜20OL1mの波長域の原板表面の凹
凸成分は、2回塗装後にも原板でのPS和に対応したP
S和を呈するが、3回塗装ではほとんど消失すること、
および (C)200〜256μmの波長域の原板表面の凹凸成
分は、2回塗装でほとんど消失するが、わずかに原板に
似たPS和の比を残しているが、3回塗装で消失するこ
と、 がわかる。
また、第12図(a)、(b)および(c)から明らか
なように、原板と2回塗膜での周波数分析の結果、Aと
Dのいずれの試験片においても、レーザダル鋼板特有の
290μm近辺と200μm近辺のピークが塗装面に痕
跡を残していることがわかる。
〈発明の効果〉 以上詳述したように、本発明の第1の態様によれば、塗
装用鋼板表面の断面曲線をフーリエ変換して得られる周
波数解析曲線における波長1.0〜6.0mmの範囲内
に通常塗装の塗膜鮮映性阻害波長域を設定し、かつ波長
200μm以上1.0mm未満の範囲内に薄塗装の塗膜
鮮映性阻害波長域を設定し、これら2つの波長域のパワ
ースペクトル和を用いることにより、薄塗装での塗膜鮮
映性をいかなる塗装用鋼板であっても正確に評価するこ
とが可能である。
また、本発明の第2の態様によれば、通常塗装の塗膜鮮
映性阻害波長域のパワースペクトル和を0.5μm2以
下、かつ薄塗装の塗膜鮮映性阻害波長域のパワースペク
トル和を2.0μm8以下とすることにより、薄塗装で
あっても優れた塗膜鮮映性を有する塗装用鋼板とするこ
とができる。 特に、レーザダル鋼板においては、スキ
ンパス処理用の圧延ワークロールのロール表面をレーザ
ダル加工する際にレーザビームパルス間隔やレーザビー
ムエネルギなどの加工条件を制御することによりロール
表面に形成されるマイクロクレータの形状と間隔を容易
に制御できるので、上記両波長域のPS和を制御するこ
とが可能であり、さらにワークロールの使用に伴うダル
目(マイクロクレータ)の摩耗による使用限界を制御で
きるので、常に一定かつ高品質の塗装用鋼板とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る塗装用鋼板の一実施例の鋼板表
面の周波数解析曲線の一例を示すグラフである。 第2図(a)および(b)は、本発明の塗装用鋼板の一
実施例の鋼板表面に形成されたレーザダルパターンの一
例であり、第2図(C)は、このレーザダルパターンを
形成するのに用いられるワークロール表面の粗度プロフ
ィルの一例である。 第3図は、本発明に係る塗装用鋼板の評価方法を実施す
る装置の一実施例の構成図である。 第4図は、本発明の塗装用鋼板表面を形状測定した、3
次元表面形状測定装置により得られた出力曲線の一例を
示すグラフである。 第5a図および第5b図は、それぞれ第4図の出力曲線
を高速フーリエ変換して得られた、2次元平均パワース
ペクトル分布および2次元平均振幅スペクトル分布を示
す図である。 第6図、第7図および第8図の各(a)(b)および(
C)は、それぞれ塗装後の塗装面のDOI値、N5IC
値およびPGD値とそれぞれ異なる3つの波長域のパワ
ースペクトル和との関係を示す図である。 第9a図および第9b図は、それぞれ塗装後の塗装面の
N5IC値およびPGD値とDOI値の関係を示す図で
ある。 第10a図および第10b図は、それぞれ塗装用鋼板の
薄塗装塗膜鮮映性阻害波長域のPS和PBと塗装後の塗
装面のN5IC値およびDOI値の関係を示す図である
。 第11図(a)、(b)および(c)は、それぞれ異な
る3つの波長域において、原板、2回塗装板および3回
塗装板のパワースペクトル和の一例を示す図である。 第12図(a)、(b)および(c)は、それぞれ3つ
の異なる波長域における、本発明の塗装用鋼板の2種に
ついての原板および2回塗装板の周波数解析曲線の例を
示す図である。 符号の説明 2・・・3次元表面形状測定装置、 4・・・周波数解析装置、 5・・・マイクロコンピュータ 図面の浄書(内容に変更なし) FIG、1 4M1FfL表面1=形嵐さ水た凹凸の波長(mm) FIG、3 FIG、4 =XX軸 向 FIG、2 FIG a tliI秩表面にft3爪でKた凹凸の波長(mm)F
IG、5b 渫 長 (mm) F I G、 9a 9゜ DOI F I G、 9b DOI F I G、 10a Ps和()am’) F I G、10b PsJ口(μm’) 手続ネ甫正書(自発) 平成02年07月05日 1、事件の表示 平成02年特許願第142871号 2、発明の名称 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用
鋼板3、補正をする者 事件との関係   特許出願人 名 称  (125)川崎製鉄株式会社4、代理人 〒
101 住  所  東京都千代田区岩本町3丁目2番2号千代
田岩本ビル4階 R864−4498Fax、 864−62806、補
正の内容 図面の全図を別紙のとおり補正する。 ただし、図面の浄書に

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)塗装用鋼板の表面の断面曲線を検出し、該断面曲
    線をフーリエ変換して周波数解析曲線を得、通常塗装後
    の鋼板の鮮映性を阻害する通常塗装塗膜鮮映性阻害波長
    域を、前記周波数解析曲線における波長1.0〜6.0
    mmの範囲内に設定するとともに、塗装回数2回以下ま
    たは合計塗膜厚80μm未満の薄塗装後の鋼板の鮮映性
    を阻害する薄塗装塗膜鮮映性阻害波長域を前記周波数解
    析曲線における波長200μm以上1.0mm未満の範
    囲内に設定し、これら2つの塗膜鮮映性阻害波長域のパ
    ワースペクトル和を求めることにより、前記塗装用鋼板
    の塗膜鮮映性を評価することを特徴とする塗装用鋼板の
    評価方法。
  2. (2)鋼板の表面の断面曲線をフーリエ変換して得られ
    る周波数解析曲線における1.0〜6.0mmの範囲内
    に設定された通常塗装塗膜鮮映性阻害波長域のパワース
    ペクトル和PAが0.5μm^2以下であり、かつ前記
    周波数解析曲線における波長200μm以上1.0mm
    未満の範囲内に設定された、塗装回数2回以下または合
    計塗膜厚80μm未満の薄塗装後の鋼板の塗膜鮮映性を
    阻害する薄塗装塗膜鮮映性阻害波長域のパワースペクト
    ル和PBが2.0μm^2以下であることを特徴とする
    塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板。
JP2142871A 1990-05-31 1990-05-31 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板 Expired - Fee Related JP2568297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2142871A JP2568297B2 (ja) 1990-05-31 1990-05-31 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2142871A JP2568297B2 (ja) 1990-05-31 1990-05-31 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0437404A true JPH0437404A (ja) 1992-02-07
JP2568297B2 JP2568297B2 (ja) 1996-12-25

Family

ID=15325540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2142871A Expired - Fee Related JP2568297B2 (ja) 1990-05-31 1990-05-31 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2568297B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08122024A (ja) * 1994-10-24 1996-05-17 Nissan Motor Co Ltd 塗装膜厚計測装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08122024A (ja) * 1994-10-24 1996-05-17 Nissan Motor Co Ltd 塗装膜厚計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2568297B2 (ja) 1996-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4795681A (en) Steel sheets for painting and a method of producing the same
Scheers et al. Assessment of steel surface roughness and waviness in relation with paint appearance
Simão et al. Mill roll texturing using EDT
JP3042793B2 (ja) 塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0437404A (ja) 塗装用鋼板の評価方法および塗膜鮮映性に優れた塗装用鋼板
JP2661858B2 (ja) リン酸塩被覆の品質を監視する方法およびシステム
JP2915192B2 (ja) 薄塗装用金属板の評価方法及び薄塗装塗膜鮮映性に優れた薄塗装用金属板
JP2519809B2 (ja) 塗装用鋼板およびその評価方法
Skarpelos et al. The effect of surface morphology on friction during forming of electrogalvanized sheet steel
JPH0675728B2 (ja) 鮮映性に優れた表面処理鋼板の製造法
JPH0354412A (ja) 塗装用鋼板およびその評価方法
US20230081814A1 (en) Sheet Metal Packaging Product with Textured Surface And Method of Producing Such a Sheet Metal Packaging Product
JP3614904B2 (ja) 塗装後鮮映性に優れた鋼板及びその製造方法
Vermeulen et al. 3D-characterisation of EBT-steel sheet surfaces
JP2519809C (ja)
JP2514693B2 (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板
Van Gils et al. Electropolishing of aluminium: processing and assessment of visual appearance
Osterhold Characterization of surface structures by mechanical and optical Fourier spectra
JP2792393B2 (ja) 自動車用合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
Bastawros et al. Effects of steel surface texture on appearance after painting
JP2530908B2 (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板
JP2749627B2 (ja) 成形性と塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JP2514692B2 (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板及びその製造方法
Nilan et al. Effect of sheet surface roughness and painting variables on painted sheet appearance
Jędrzejczyk et al. The comparison of surface state evaluation accuracy of zinc coated elements by application of different methods

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees