JPH0437305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、デジタルオーデイオテーププレーヤ
において、テープスタートとテープエンドとを検
出するためのテープ検出機構に関するものであ
る。

（従来の技術） 近年の著しい技術進歩に伴い、音響の分野にお
いては、回転ヘツドにテープを巻付けてデジタル
信号の記録・再生を行なうデジタルオーデイオテ
ーププレーヤ（以下DATと称す）の研究、開発
が進められており、従来のアナログ方式のテープ
プレーヤに比べて極めて高い音質を得られるとい
う長所から、大きく注目されている。このDAT
においては、従来のテーププレーヤと同様に、
巻戻しモードによりテープスタートまで巻き戻さ
れた時点で自動的にプレイモードやストツプモー
ドを行なつたり、プレイモードや早巻きモード
によりテープエンドまで巻取られた時点で自動的
にストツプモードやリバースモードを行なつてた
りするために、テープスタート及びテープエンド
を検出するテープ検出機構が設けられている。

このテープ検出機構は、テープの両端部に設け
られた透光性を有するリードテープ部を検出する
光学利用の機構であり、灯台方式とプリズム方式
との２種類の機構が存在している。

このうち、プリズム方式とは、第２図Ａ，Ｂに
示す様に、カセツト１の側面１ａに、テープ走行
路に沿つて上下に設けられたプリズム方式の入射
口２と出射口３と、カセツト１のテープ走行路の
内側に設けられたプリズム４とを使用し、カセツ
ト装着時には入射口２を介してテープ５に光６を
放射するものである。このプリズム方式におい
て、テープ５のリードテープ部が光路上に重なつ
た際には、入射された光６はプリズム４に至り、
ここでＵターンして出射口３から出射され、カセ
ツト外部の出射光路上に設けられた受光部に送ら
れる。

また、灯台方式とは、第２図Ｂに示す様に、カ
セツト１の側面１ａに、プリズム方式の出射口３
と並べて設けられた灯台方式の出射口７を使用
し、カセツト１の装着状態においては、第１図に
示す様にカセツト１内の略中央に位置する発行ダ
イオード等の光源８からテープ５に光９を放射す
るものである。この灯台方式において、テープ５
のリードテープ部が光路上に重なつた際には、光
源８から放射された光９は出射口７に至つてここ
からカセツト１の外部に出射され、光源８と出射
口７とを結ぶ延長上に配設された受光部１０に送
られる。

ところで、一般にカセツト１の下面１ｂはカセ
ツト装着状態においてカセツト下面に保護するス
ライダが移動して開口状態となるため、灯台方式
における光源８からの光の一部が、カセツト１の
下面１ｂを介してシヤーシ１１に達し、ここで反
射して受光部１０に送られることがある。第１図
中実線１２ａ、破線１２ｂ及び実線１３ａ、破線
１３ｂは、この様な反射光を示している。従つ
て、テープ５の記録部が走行途中にある場合で
も、カセツト１の下面１ｂからシヤーシ１１に反
射し漏れた光により誤つてテープスタート又はテ
ープエンドを検出してしまうことになる。

但し、カセツト１の片側においては、その下面
がテンシヨンアーム１４等によつて覆われること
が一般的であるため、図中実線１３ｃに示す様に
受光部１０への反射光を遮断できる様になつてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の様に従来のテープ検出機構においては、
カセツトの下面から漏れた光により、誤つてテー
プスタート又はテープエンドを検出する恐れがあ
つた。

本考案は、この様な問題点を解決するために提
案されたものであり、その目的は、灯台方式の機
構において、カセツトの下面から漏れて、シアー
シに反射した光を遮断することにより、誤動作の
恐れのない優れたテープ検出機構を提供すること
である。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案のテープ検出機構は、カセツト装着時に
カセツトの下部に位置することで、シヤーシに反
射した光を、受光部に対して遮断する様な遮光部
材を設けたことを特徴としている。

（作用） 本考案は、以上の様な構成を有することによ
り、カセツトの下面から漏れシヤーシに反射した
光を、常に受光部に対して遮断できるため、テー
プの記録部が走行途中にある場合に誤動作を生ず
ることがない。

（実施例） 以下に、本考案の一実施例を第１図を参照して
具体的に説明する。

第１図に示す様に、カセツト１を挿入する左右
のカセツトホルダ１５Ｌ，１５Ｒのうち、右側の
カセツトホルダ１５Ｒの下面にはシヤーシ１１に
反射した光を受光部１０に対してしや断する遮光
部材として延長部１５ａが設けられている。

また、左側のカセツトホルダ１５Ｌの下部は、
テンシヨンアーム１４によつて覆われている。

なお、左右のカセツトホルダ１５Ｌ，１５Ｒの
側面には、灯台方式の出射口７から出射された光
を受光部１０に送り出すための開口部１５ｂが設
けられている。

以上の様な構成を有する本実施例においては、
カセツト１の右側において図中１２ａ，１２ｂに
示す様に従来シヤーシ１１に反射して受光部１０
に達していた光がカセツトホルダ１５Ｒの下面の
延長部１５ａによつて受光部１０への光路を絶た
れ、図中実線１２ｃに示す様に再び下方へと反射
する。従つて、テープ５の記録部が走行途中にあ
る場合に誤つてテープスタート又はテープエンド
を検出する恐れはない。

特に本実施例においては、カセツトホルダ１５
Ｒの下面を延長して、これを遮光部材として使用
する構成であるため、部品点数を低減でき、ま
た、組立作業も容易である。さらに、カセツト１
とカセツトホルダ１５Ｌ，１５Ｒの下面との間に
はほとんど隙間がないため、外部からの光が入る
こともなく、効果的な遮光を行える。

なお、本考案は前記実施例に限定されず、例え
ば、遮光部材としては、シヤーシを立ち上げた
り、リンク等を兼用させたり、また専用の別部材
を設ける等の構成も可能である。一方、カセツト
左側の下部をテンシヨンアーム１４で覆わない場
合には、右側と同様の構成とすることで同じ効果
を得られる。

［考案の効果］ 以上説明した様に、本考案においては、カセツ
ト装着時にカセツトの下部に位置する様な遮光部
材を設けるという簡単な構成により、シヤーシに
反射した光を常に受光部に対して遮断できるた
め、誤動作の恐れのない簡略な構成のテープ検出
機構を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるテープ検出機構の一実施
例を示す断面図、第２図Ａ，ＢはそれぞれDAT
用のカセツトの一部を示す断面図と側面図であ
る。 １……カセツト、２……プリズム方式の入射
口、３……プリズム方式の出射口、４……プリズ
ム、５……テープ、６，９，１２ａ〜１２ｃ，１
３ａ〜１３ｃ……光、７……灯台方式の出射口、
８……光源、１０……受光部、１１……シヤー
シ、１４……テンシヨンアーム、１５Ｌ，１５Ｒ
……カセツトホルダ、１５ａ……カセツトホルダ
の下面延長部、１５ｂ……開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 左右にプリズムとプリズム方式の入射口と出
   射口、及び灯台方式の出射口とを有するカセツ
   トのテープスタートとテープエンドとを光学的
   に検出するテープ検出機構において、 ａ カセツト装着時に、カセツト内の略中央に
   位置する様に配設された光源。 ｂ カセツト装着時に、光源と灯台方式の出射
   口とを結ぶ延長線上に位置する様に配設され
   た受光部。 ｃ カセツト装着時にカセツトの下部に位置す
   る様に配設され、光源から放射され、シヤー
   シに反射した光を、受光部に対して遮断する
   遮光部材。 以上ａ〜ｃの各要件を備えたことを特徴とする
   テープ検出機構。 (2) 遮光部材が、カセツトホルダの下面を延長し
   て形成されたものである実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のテープ検出機構。