JPH04368717A - 直流電力ケーブル - Google Patents

直流電力ケーブル

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JPH04368717A
JPH04368717A JP17073391A JP17073391A JPH04368717A JP H04368717 A JPH04368717 A JP H04368717A JP 17073391 A JP17073391 A JP 17073391A JP 17073391 A JP17073391 A JP 17073391A JP H04368717 A JPH04368717 A JP H04368717A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、海底ケーブルなどの
高圧直流送電線路に用いるのに好適な直流電力ケーブル
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、交流送電用電力ケーブルとしては
優れた絶縁特性や保守管理の容易性、防災性の面で多く
の利点を有することから架橋ポリエチレンを絶縁体とし
た電力ケーブル、いわゆるCVケーブルが広く使用され
ており、近年の製造技術の著しい進歩と相まって、今日
では500kVケーブルとして実用化されるに至ってい
る。
【0003】このように、交流ケーブルとしては多くの
優れた特徴と実績を有するCVケーブルであるが、これ
を高圧直流送電用として適用する場合には直流絶縁特有
の問題が顕著に現われ、国内はもとより世界的にみても
未だ実線路への適用例はない。また、CVケーブルは絶
縁体の耐熱性を高め、ケーブルの許容電流の向上を図る
ため、単なるポリエチレンではなく、例えば、D.C.
P.(di−cumyl  peroxide)などの
架橋剤により架橋した架橋ポリエチレンが絶縁体として
使用されている。そのため、ケーブル製造時には架橋反
応に伴なうメタンやアセトフェノンなどの分解生成物が
絶縁体中に発生することから、一般にはケーブル押し出
し終了後、ある所定の期間乾燥室などでケーブルを乾燥
し、絶縁体中に残存している架橋時の分解生成物を許容
レベル(発生ガスがケーブルシース等に悪影響を及ぼさ
ないレベル)以下となるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】CVケーブルを直流ケ
ーブルとして使用する場合の問題点の一つとして、ケー
ブルに直流電圧を印加した際に絶縁体内に形成される空
間電荷の存在があることは一般に知られるところである
【0005】例えば、ケーブルに負の直流電圧を印加す
ると、導体側近傍には負の空間電荷、逆に遮蔽側近傍に
は正の空間電荷が形成されることが知られている。この
ような場合には、導体電極直上および遮蔽側電極での電
界は緩和される反面、絶縁体内部に局所的高電界を発生
するばかりか、ケーブルの実質的な有効絶縁厚を小なら
しめてしまうこともまた知られるところである。さらに
、このような状態のところに直流と逆極性(この場合は
正)の雷インパルス電圧が侵入したり、直流電圧の極性
を急激に反転すると、空間電荷により緩和されていた導
体電極直上電界が著しく上昇し、予想外の破壊電圧の低
下を招くこととなる。
【0006】従って、ポリエチレンや架橋ポリエチレン
を絶縁体としたケーブルを直流用として適用するには、
前記した空間電荷の形成を極力抑制することが必要条件
となり、その抑制策としてこれまでにも種々の提案がな
されている。
【0007】例えば、特公昭57−21805号公報に
示されているように、ポリエチレンに50ミクロン以下
の粒径を有する20〜80重量部の有極性非扁平形状無
機絶縁粉末、即ち、ケイ酸アルミニウム,ケイ酸カルシ
ウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム等を配合して
架橋した絶縁体とその外周に設けられた遮水層を有する
ケーブルもその一例であり、有極性無機絶縁物の添加に
より空間電荷の蓄積による直流絶縁耐力の低下を防止す
るようにしたものである。
【0008】しかし、このような有極性無機絶縁物をポ
リエチレンや架橋ポリエチレンに添加すると、直流破壊
特性の向上は図れるものの添加した有極性無機絶縁物が
異物として作用し、架橋ポリエチレン本来の優れた交流
特性、例えば雷インパルス破壊特性が低下してしまうと
いう不具合がある。また、有極性無機絶縁物の粉末が製
造過程で凝集したりすると電気絶縁上好ましくないこと
はいうまでもない。
【0009】以上は空間電荷の挙動に絡む直流絶縁上の
問題であるが、これに加えて直流課電時にはケーブル絶
縁体内の電位が抵抗分担となり、内部の電界分布はケー
ブル半径方向の抵抗分布に大きく依存したものになる。 とりわけ、架橋ポリエチレン絶縁体においてはケーブル
絶縁体中に残存する架橋時分解生成物が絶縁体の抵抗に
大きく影響し、内部電界を一層複雑なものとしている。
【0010】図1は通常の架橋ポリエチレンケーブルに
おいて、絶縁体半径方向の固有絶縁抵抗(ρ)と残存し
ている架橋時分解生成物量の分布を測定したものをグラ
フに示したものである。ケーブルは押出し後、温度約7
0℃の雰囲気で2週間の乾燥処理を実施した絶縁厚さ1
3mmの架橋ポリエチレン絶縁ケーブルである。このケ
ーブルより特殊バイトを用いた旋盤で半径方向に薄く(
約0.1mm)スライスした絶縁体シートの試料をサン
プリングし、各試料の固有絶縁抵抗ρと架橋時分解生成
物の量βを測定した。固有絶縁抵抗ρは室温で前記サン
プルに直流4kVを印加し、その時の漏れ電流から算定
した。なお、測定中の架橋時分解生成物の揮散の影響を
極力少なくするために、電圧印加後10分経過後の漏れ
電流値に基づき適宜上算定している。また、分解生成物
は同様にサンプリングしたシートを真空乾燥し、その時
の重量変化分から算定した。
【0011】図1から明らかなように、通常の架橋ポリ
エチレンケーブルにおける分解残渣量βは絶縁体の中央
部にピークを有する凸形の分布となっている。分解残渣
はケーブル製造直後には絶縁体中に均一に発生している
ものと考えられるが、その後の乾燥工程や大気中放置の
過程において、自然に外部(ケーブル外導側あるいは導
体側)に揮散するため、前記したような凸形の分解残渣
量分布となることは容易に推察されるところである。一
方、ケーブル半径方向の固有絶縁抵抗ρの分布は分解残
渣量βの分布とは逆に、ケーブルの内部および外部導電
層側が高く、絶縁体の中央部が低い凹形の分布となって
いる。これにより、絶縁体中の分解残渣が、その固有絶
縁抵抗ρを低下させていることがわかる。
【0012】例えば、D.C.P.を架橋剤とした架橋
ポリエチレンの分解残渣成分はメタン,アセトフェノン
,α−メチルスチレン,クミルアルコールが代表的なも
のとして挙げられるが、これらはいずれも低分子量のガ
スあるいは液体で、それら単独の固有絶縁抵抗ρ値とし
てアセトフェノン:4×107 Ω・cm,クミルアル
コール:5×109 Ω・cm,α−メチルスチレン:
7×1012Ω・cmが確認されている。これはポリエ
チレンに比べ桁違いに低い固有絶縁抵抗値であることが
わかる。従って、分解残渣が多く残存しているところで
は絶縁体の固有絶縁抵抗ρが低く、分解残渣の揮散しや
すい内、外導層側では相対的に固有絶縁抵抗ρが高いと
いう図1の結果を説明することができる。
【0013】図1のような固有絶縁抵抗ρの分布を有す
るケーブルに直流電圧が印加されると、固有絶縁抵抗ρ
の高い部分での電圧分担が大きくなり、結果として、そ
の部分において局所的な高電界部を形成することとなる
。当然ながら、分解残渣はケーブル絶縁厚が大きいほど
揮散しにくいことから、この傾向は絶縁厚の厚いケーブ
ルでは益々助長されることとなり、このことが架橋ポリ
エチレンケーブルで認められている直流破壊電圧の顕著
な絶縁厚依存性の一因と考えられる。また、絶縁体の固
有絶縁抵抗ρの低下は必然的に直流印加時の漏れ電流を
増大させ、それに伴う絶縁体の発熱(ジュール熱:P=
I2 R)を招くことから、熱的不安定性の原因となり
、安定したケーブル絶縁体とするためには極力絶縁体の
固有絶縁抵抗ρを高くすることが望ましいことは言うま
でもない。
【0014】前述したようなケーブル押出し後の乾燥処
理により、残存している分解残渣の量βは減少し、ある
程度の固有絶縁抵抗ρの向上が期待できるが、分解残渣
は濃度拡散で外部に出てくることから、相対的な固有絶
縁抵抗ρの大小関係は基本的には変わらず、前述した固
有絶縁抵抗ρの分布の不均一性は解消されない。さらに
、絶縁厚が厚いほど乾燥に要する時間も長くなり、実際
のケーブル製造工程では対応が難しくなるという問題が
ある。
【0015】この発明の目的は、上記のような諸問題点
を解決するためになされたもので、架橋ポリエチレン絶
縁ケーブルにおいて、空間電荷形成抑制効果を有しつつ
インパルス破壊特性の向上を可能とするとともに、特殊
な乾燥処理等を実施しなくとも高い固有絶縁抵抗が維持
でき、かつ、ケーブル半径方向の固有絶縁抵抗の分布が
均一となるような絶縁体とすることにより、直流および
インパルス破壊特性,熱的信頼性,経済性に優れた直流
ケーブルを提供することにある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題および作用】この発明は
、空間電荷の影響を軽減できる有極性無機粉末のうち、
BET比表面積が20〜80m2 /gの範囲にある酸
化マグネシウムを添加した架橋ポリエチレン絶縁体によ
る直流ケーブルを提供するものである。
【0017】ここで、添加物を酸化マグネシウムとした
理由について説明する。絶縁体の空間電荷蓄積の抑制に
有効である数ある有極性無機絶縁粉末のうち、特に酸化
マグネシウムに限定したのは次の理由による。
【0018】(a)酸化マグネシウムを添加したポリエ
チレンあるいは架橋ポリエチレンのインパルス破壊特性
の低下が他の有極性無機絶縁粉末添加物に比べて小さい
。即ち、空間電荷抑制効果があると考えられる各種有極
性無機絶縁粉末充填ポリエチレンの比較において、酸化
マグネシウム添加品が最も高いインパルス破壊強度を有
している。
【0019】(b)充填剤として工業的に広く使用され
ているタルクやクレイなどの有極性無機絶縁粉末は天然
鉱石であるため、酸化鉄などの電気絶縁上有害な不純物
が多く、かつその除去には工業的にも限度がある。これ
に対して、酸化マグネシウムは資源的には含マグネシウ
ム天然鉱石からも得ることができるが、海水中のマグネ
シウム塩を利用した人工合成原料から製造することがで
き、前述した天然鉱石に比べはるかに高純度で、かつ品
質や物性の安定した材料の供給が可能であるという利点
を有している。なお、このような不純物の存在は固有絶
縁抵抗ρの低下を招くことが推定される。
【0020】次に、酸化マグネシウムのBET比表面積
20〜80m2/gの範囲と限定した理由について説明
する。BET比表面積は粒子の活性度の目安となるもの
で、20m2 /g未満の小さい場合には活性度が小さ
すぎ効率的な分解残渣吸着作用が得られない。また、8
0m2 /gを越えると逆に活性度が大き過ぎ、粒子が
凝集しやすくなり、均一な分散が得られないためである
【0021】ここで、BET比表面積とは、単位重量当
りの表面積で、その表面積の測定をBET法で行なった
ものである。BET法は、いわゆる吸着法と呼ばれる固
体(特に粉体)の表面積を測定する一手法であって、S
.Brunauer,P.H.Emmett,E.Te
llerが提案した固体に対する気体の吸着に関する一
連の関連式に基づいていることから、BETの名前があ
る。即ち、気体中に置かれた固体(粉体)表面には気体
分子が吸着する。気体分子1個の断面積の値が既知であ
ることから、粉体(単分子)に吸着する気体分子の量を
測定することにより、粉体の全表面積を求めるものであ
る。
【0022】次に、酸化マグネシウムの添加量を1重量
部から40重量部の範囲に限定した理由を説明する。ポ
リエチレン100重量部に対して1重量部から40重量
部が望ましい。即ち、1重量部以下では空間電荷の蓄積
防止効果ならびに固有絶縁抵抗の向上効果およびそれに
伴う均一化作用が薄れ、40重量部を越える添加量では
逆に固有絶縁抵抗が低下してしまうためである。
【0023】
【実施例】以下、この発明の直流ケーブルを詳細に説明
する。先ず、異なるBET比表面積を有する酸化マグネ
シウムを添加した架橋ポリエチレンシートを作成し、雷
インパルス破壊特性ならびに固有絶縁抵抗ρに及ぼすB
ET比表面積の影響と凝集粒子の発生状況を調査した。 その結果を第1表に示す。
【0024】試料は、低密度ポリエチレン、架橋剤(D
.C.P.)および老化防止剤とこれに異なるBET比
表面積からなる酸化マグネシウムを配合したものをロー
ルにて混練し、加圧プレスにして成形架橋した0.1m
mの架橋ポリエチレンシートである。なお、酸化マグネ
シウムの添加量は全試料ともにポリエチレン100重量
部に対して酸化マグネシウム5重量部に統一した。 なお、表中の試料Iは比較のために実施したもので、前
記した配合のうち酸化マグネシウムを充填しない通常の
架橋ポリエチレンによるシートのデータである。
【0025】なお、破壊特性の評価において雷インパル
ス破壊特性を選んだのは、直流破壊特性に比べて、凝集
粒子などの欠陥に対して敏感に反映されるためである。 また、架橋ポリエチレンに発生した凝集粒子は光学顕微
鏡に対する観察結果から評価した。
【0026】
【表1】
【0027】第1表から明らかなように、酸化マグネシ
ウムのBET比表面積を変化させることによって、イン
パルス破壊強度、固有絶縁抵抗ρならびに最大凝集粒子
の大きさが変化している。即ち、インパルス破壊強度は
BET比表面積50m2 /gをピークにして、それ以
上でも以下でも低下する傾向が見られた。ここで、試料
G,Hに見られるようにBET比表面積が100m2 
/gを越えると、それにつれて最大凝集粒子の大きさも
大きくなっていることから、その粗大凝集粒子の存在が
特性低下の要因となっていると推察される。これは粒子
の活性度が大きすぎ、凝集しやすくなるためと解釈され
る。逆に、BET比表面積が非常に小さい場合(試料A
,B,C)にも、インパルス破壊強度は低くなっている
。この場合には活性度が小さいことから、最大凝集粒子
という点では改善される方向にあり、むしろ、粒子とポ
リマーそのものの接着性が損なわれてしまうためと推察
される。ちなみに、試料Eのインパルス破壊強度は試料
Iの無添加の架橋ポリエチレンには及ばないものの、4
35kV/mmと良好な特性が確認された。
【0028】一方、絶縁体の固有絶縁抵抗ρという観点
からみれば、酸化マグネシウムを添加した試料A〜Gは
いずれも無添加の試料Iとの比較において約2桁程高く
なっている。
【0029】これは供試サンプルが架橋ポリエチレンで
かつ未乾燥品であるため、架橋時に生成された分解残渣
に固有絶縁抵抗ρが大きく依存し、かつ添加した酸化マ
グネシウムがその分解残渣を吸着する作用を有している
ためと考えられる。また、固有絶縁抵抗ρは酸化マグネ
シウムのBET比表面積が大きくなるにつれ高くなって
おり、BET比表面積50m2 /g以上では飽和する
傾向が見られた。これは、BET比表面積は活性度の目
安となるもので、その数値が大きいほど活性度が高いこ
とから、BET比表面積が大きいほど分解残渣の吸着作
用が促進されるためであろう。BET比表面積がある値
以上で固有絶縁抵抗ρは飽和しているのは、いずれも同
一条件で架橋されていることから、ポリエチレン中に残
存する分解残渣量βが一定であり、BET比表面積50
m2 /g程度で既に吸着が平衡状態となっているため
と考えられる。
【0030】以上の結果から、雷インパルス破壊特性と
絶縁体の固有絶縁抵抗特性の双方において、良好な特性
が発揮できる酸化マグネシウムのBET比表面積の範囲
は、20〜80m2 /gと判断された。
【0031】図2は、この発明による直流電力ケーブル
の実施例の断面図である。同図において1は800mm
2 の銅撚線からなる導体、2は内部半導電層、4は外
部半導電層、5は金属遮蔽層であり、3がこの発明によ
るBET比表面積が50m2 /gの酸化マグネシウム
を添加した架橋ポリエチレンからなる絶縁厚20mmの
絶縁層である。なお、絶縁層3はポリエチレン100重
量部に対して酸化マグネシウム10重量部と老化防止剤
、架橋剤(D.C.P.)を適量配合した架橋ポリエチ
レンである。
【0032】直流絶縁破壊特性に及ぼす影響を明らかに
するために、押出し直後(未乾燥品)の同ケーブルの直
流破壊試験を実施した。その結果を第2表に示す。比較
例として同じ寸法構造および絶縁体配合を有するもので
、第1表に示した試料C(比較例1)および試料G(比
較例2)で使用した酸化マグネシウムを添加したケーブ
ルと通常の無添加の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(比
較例3)で、同じ条件で試験したデータを示している。 試験温度は全て90℃である。
【0033】
【表2】
【0034】第2表から分かるように、比較例3の未乾
燥の架橋ポリエチレンケーブルの直流破壊電圧は低く、
未乾燥品においては十分な性能が得られないという従来
のデータを裏付けている。これに対して、この発明によ
る実施例は同じく未乾燥品にもかかわらず、比較例で確
認された電圧の2倍の電圧でも破壊せず、非常に良好な
直流破壊特性を示した。
【0035】なお、比較例1、2の直流破壊電圧は比較
例3との比較においては向上が認められるものの、この
発明による実施例には及ばない。この原因は、比較例1
については固有絶縁抵抗ρの不安定性が、また比較例2
については凝集粒子の発生によるものと考えられる。特
に、比較例2はインパルス破壊特性が最も低く、第1表
の結果と併せて考えれば、凝集粒子の発生が大きく性能
低下に影響しているものと推察される。
【0036】なお、本試験はいずれも90℃の温度で実
施しているが、この発明による実施例では、前記したよ
うな高電界に晒されていても、熱的に非常に安定した特
性を有しており、実施例における固有絶縁抵抗ρの向上
の効果が顕著に認められる。さらに、インパルス破壊特
性も無添加の架橋ポリエチレンケーブルである比較例に
は若干及ばないものの、それに匹敵する良好な特性が確
認され、この発明によるケーブルの有効性を改めて確認
できた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の直流電
力ケーブルによると、芯線導体の外周部に形成される絶
縁体として、BET比表面積20〜80m2 /gを有
する酸化マグネシウムを添加した架橋ポリエチレンを採
用することとしたために、直流絶縁特性に悪影響を及ぼ
す架橋時の分解残渣の影響、即ち、絶縁体の固有絶縁抵
抗ρの低下とその不均一性を解消し、良好な直流破壊特
性を有するとともに、このような無機物を添加した場合
の大きな問題であるインパルス破壊電圧の低下を最小限
に抑えられる直流ケーブルを実現した。
【0038】また、これらのことと実用的な乾燥処理程
度でも十分に安定した直流破壊特性を維持しうるという
特徴を併せて備えたことにより合理的な絶縁設計が可能
で、ケーブルの小型化および軽量化が図れるとともに、
ケーブル製造面でのコスト低減をも可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルのケーブ
ル半径方向の固有絶縁抵抗ρおよび分解残渣量βの測定
結果のグラフ、
【図2】この発明による直流電力ケーブルの一実施例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1  導体 2  内部半導電層 3  絶縁層 4  外部半導電層 5  金属遮蔽層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  芯線導体の外周部に高分子からなる絶
    縁体を形成した直流電力ケーブルにおいて、前記絶縁体
    は粒子径が50μm以下で、BET法による比表面積が
    20〜80m2 /gの範囲にある酸化マグネシウムを
    添加したポリエチレンあるいは架橋ポリエチレンである
    ことを特徴とする直流電力ケーブル。
  2. 【請求項2】  前記酸化マグネシウムは純度95%以
    上で、その添加量はポリエチレン100重量部に対して
    酸化マグネシウム1重量部以上,40重量部以下を添加
    したことを特徴とする「請求項1」記載の直流ケーブル
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