JPH043670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は管内清掃用装置、特に水道管、都市ガ
ス管等の既設埋設管の更生に際する管内清掃に用
いて有用な管内清掃用装置に関する。

従来の技術 従来、管内を牽引移動しつつ刃板の前端刃先に
より管内面より付着物を削取するようにした管内
清掃用装置が種々提案されている。この方式の管
内清掃用装置によれば、刃板先端の刃先により付
着物を根元より削取でき、管内面より付着物を効
率的に切削除去できる。

考案が解決しようとする問題点 既設埋設管の管内清掃作業は通常100〜150ｍ程
度を一施工長として行なわれ、この間には数多く
の管接手部が存在する。管接手部の内周部には、
通常第１図に示されるように周溝が生じていた
り、更には同口径の管であつても布設年度などに
よつて内径に僅かに寸法差があることがあるた
め、途中で新しく入替えられた管の接手部に於て
は、第４図に示されるように段差が生じているこ
とがあり、このような周溝及び段差には、刃板先
端の刃先が引掛かり易く牽引移動に支障を来たす
ことがあつた。

本考案は、このような従来の問題点を一掃する
ことを目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、管内を前方に向けて牽引移動される
装置本体の外周部に、管内面より付着物を削取す
るための正面円弧状且つ後方傾斜の刃板の複数枚
を、管円周方向に適当間隔を隔てて配し、装置本
体と各刃板とは、刃板先端の刃先が装置本体より
後方側に於て管内面に圧接されると共に削取付着
物が刃板上を乗り越え得るようにバネ部材を介し
て結合し、各刃板には、刃先より前方へ突出され
ていて前端に刃部を有する、側面円弧状の板状ガ
イド部を、上記管の軸線と平行するように一体に
備えたことを特徴とする管内清掃用装置に係る。

実施例 以下に本考案の一実施例を添附図面にもとづき
説明すると次の通りである。

第１図は牽引ロープ８操作をして管内を牽引移
動される装置本体１の管ａ内設置状況を示し、装
置本体１は自在接手部２を介して３基連設され、
自在接手部２により、管ａの屈曲部の通過性が得
られるような構成になつている。

第１図及び第２図に示されるように装置本体１
の外周部には管ａ内面より付着物ｂを削取するた
めの正面円弧状且つ後方傾斜の刃板３の複数枚例
えば４枚が管円周方向に等間隔を隔てて配されて
いる。刃板３の管円周方向の巾は設置枚数等によ
り適宜決定すればよく、例えば図示のように、一
基当り４枚都合12枚を備える場合には、45°程度
が適当である。この場合、刃板３の設置位置は第
２〜３図に示されるように各基毎に管円周方向に
例えば30°ずつずれており、全体で管内周面の
360°全範囲をカバーできるようになつている。ま
た刃板３の後方傾斜角度は広い範囲から選択でき
るが、あまり大きいと付着物の削取抵抗ひいては
管内の牽引抵抗が増大し、またあまり小さいと削
取性能面でよくない結果を招く虞れがあるので、
通常は５〜30°程度の範囲から適宜選択される。

装置本体１とその外周部に配された刃板３と
は、刃板３先端の刃先３ａが装置本体１の後方側
に於て管ａの内面に圧接されると共に削取付着物
が刃板３上を乗り越え得るようにバネ部材４によ
り結合されている。図示された実施例に於ては、
刃板３は両側部に管ａの軸線と平行の両側板５，
５を有し、この両側板５，５と正面Ｙ型のバネ部
材４（第２図参照）が、その２股部４ａに於て結
合され、２股部４ａと刃板３との間に、削取付着
物の乗り越えに必要な開口６が形成されている。

装置本体１の各刃板３には、刃板３の刃先３ａ
より前方へ突出されていて、前端の刃部７ａを有
する側面円弧状の板状ガイド部７が管ａの軸線と
平行するように一体に備えられている。図に示さ
れた実施例に於ては、このようなガイド部７は両
側板５，５の管内面接触部と、更にその中間の３
個所に設けられているが、その設置数は、刃板３
の管内周方向の巾の大小によつて適宜決定すれば
よく、例えば巾の小さい場合には、一つあればよ
い。

第１図に示す状態で牽引ロープ８による牽引操
作をして装置本体１…を管ａ内を前方に向けて牽
引移動すると、この移動につれ刃板３が管ａ内面
より付着物ｂを根元より削取して行き、削取され
た付着物（図示せず）は、管下端部に落下し且つ
刃板３を乗り越えてその後方側に残置されて行
く。この管内下端部に残置された削取付着物は次
工程に於て、適宜の手段を適用して管内より除去
される。

装置本体１の管ａ内移動中、刃板３は、管ａの
接手部a₁を通過するとき、接手部a₁内周部の周溝
a₂や段差部a₃（第４図参照）に刃先３ａが引掛か
ることのないよう、ガイド部７によりガイドされ
る。

ガイド部７によるガイド状態が第４図Ａ〜Ｃに
拡大して示され、刃板３の刃先３ａに先行して、
側面円弧状のガイド部７が接手部a₁の段差部a₃
（又は周溝a₂）を乗り越え刃板３の刃先３ａをガ
イドして行くので、刃板３の刃先３ａは段差部a₃
や周溝a₂に何等引掛かることなしに、管ａ内面に
沿つて移動して行くことができる。このような段
差部a₃の通過時には、刃板３はバネ部材４のバネ
性に抗して、管ａの半径方向に自由に移動でき
る。

また管内移動中、ガイド部７は、刃板３の刃先
３ａに先行して付着物ｂ内に喰い込んで行くの
で、装置本体１は管ａに対し回止めされることに
なり、装置本体１を実質的に回転を伴うことなし
に牽引移動できる。

本考案に於ては、接手部a₁の周溝a₂及び／又は
段差部a₃を通過する刃板３の通過するタイミング
をずらすために、装置本体１に対する刃板３の取
付け位置を、第１図の３基目の装置本体１に符号
Ｓで示すように、前後方向に少しずつずらすよう
にしてもよい。

効 果 このように本考案装置によれば、刃板３の刃先
３ａが管ａの接手部a₁の周溝a₂や段差部a₃に引掛
かることがなくなり、管内面よりの付着物ｂの切
削除去を刃板３を利用して牽引不能などの作業上
のトラブル発生なしに安定確実に達成できる特長
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例及び管内設置状況を
示す縦断面図、第２図及び第３図は、第１基目及
び第２基目の装置本体の管内設置状況を示す正面
図、第４図Ａ〜Ｃは、ガイド部のガイド状況を示
す説明図である。 図に於て、１は装置本体、２は自在接手部、３
は刃板、４はバネ部材、５は側板、６は開口、７
はガイド部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管内を前方に向けて牽引移動される装置本体の
   外周部に、管内面より付着物を削取するための正
   面円弧状且つ後方傾斜の刃板の複数枚を、管円周
   方向に適当間隔を隔てて配し、装置本体と各刃板
   とは、刃板先端の刃先が装置本体より後方側に於
   て管内面に圧接されると共に削取付着物が刃板上
   を乗り越え得るようにバネ部材を介して結合し、
   各刃板には、刃先より前方へ突出されていて前端
   に刃部を有する、側面円弧状の板状ガイド部を、
   上記管の軸線と平行するように一体に備えたこと
   を特徴とする管内清掃用装置。