JPH04366757A - X線回折測定方法及びx線回折装置 - Google Patents
X線回折測定方法及びx線回折装置Info
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- JPH04366757A JPH04366757A JP16865791A JP16865791A JPH04366757A JP H04366757 A JPH04366757 A JP H04366757A JP 16865791 A JP16865791 A JP 16865791A JP 16865791 A JP16865791 A JP 16865791A JP H04366757 A JPH04366757 A JP H04366757A
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- ray
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Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線検出器を試料を中
心として回転させながら、試料で回折したX線の強度を
そのX線検出器によって測定するX線回折測定方法及び
X線回折装置に関する。
心として回転させながら、試料で回折したX線の強度を
そのX線検出器によって測定するX線回折測定方法及び
X線回折装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より良く知られているX線回折測定
方法として、図3に示す方法がある。この方法において
は、陰極としてのタングステンフィラメント1から放射
された電子が対陰極2に衝突し、その対陰極2からX線
Rが放射される。放射されたX線は試料3に照射され、
試料3内の結晶格子面と入射X線との間で回折条件が満
足されたときX線が試料3で回折する。
方法として、図3に示す方法がある。この方法において
は、陰極としてのタングステンフィラメント1から放射
された電子が対陰極2に衝突し、その対陰極2からX線
Rが放射される。放射されたX線は試料3に照射され、
試料3内の結晶格子面と入射X線との間で回折条件が満
足されたときX線が試料3で回折する。
【0003】回折したX線は、受光スリット4に集中し
た後、X線検出器5によって受け取られて、その強度が
測定される。受光スリット4とX線検出器5との間に配
設された散乱防止スリット6は、受光スリット4におい
て散乱するX線がX線検出器5に入射するのを防止する
。
た後、X線検出器5によって受け取られて、その強度が
測定される。受光スリット4とX線検出器5との間に配
設された散乱防止スリット6は、受光スリット4におい
て散乱するX線がX線検出器5に入射するのを防止する
。
【0004】以上の測定が行なわれている間、試料3は
試料軸ω(紙面垂直方向に延びている)を中心として、
所定の角速度で図の正時計方向に連続的又は間欠的に回
転する。一般にこの回転は試料のθ回転と呼ばれている
。一方、X線検出器5は試料軸ωを中心として、試料3
の角速度の2倍の角速度で同じく正時計方向に連続的又
は間欠的に回転する。一般にこの回転はX線検出器の2
θ回転と呼ばれている。
試料軸ω(紙面垂直方向に延びている)を中心として、
所定の角速度で図の正時計方向に連続的又は間欠的に回
転する。一般にこの回転は試料のθ回転と呼ばれている
。一方、X線検出器5は試料軸ωを中心として、試料3
の角速度の2倍の角速度で同じく正時計方向に連続的又
は間欠的に回転する。一般にこの回転はX線検出器の2
θ回転と呼ばれている。
【0005】試料3がθ回転し、そしてX線検出器5が
2θ回転しながら、X線検出器5による回折X線強度の
測定が行なわれることにより、測定の結果として図4に
示すような回折X線強度曲線が得られる。すなわち、横
軸に2θ回転角度、縦軸にX線強度をとり、2θが変化
した場合の各2θ角度値における回折X線強度が求めら
れる。通常の測定では、この回折X線強度曲線に基づい
て試料3の結晶構造その他の特性が判別される。
2θ回転しながら、X線検出器5による回折X線強度の
測定が行なわれることにより、測定の結果として図4に
示すような回折X線強度曲線が得られる。すなわち、横
軸に2θ回転角度、縦軸にX線強度をとり、2θが変化
した場合の各2θ角度値における回折X線強度が求めら
れる。通常の測定では、この回折X線強度曲線に基づい
て試料3の結晶構造その他の特性が判別される。
【0006】上記のX線回折測定においては、従来より
、高分解能の測定結果が要求される場合と、それ程高い
分解能が要求されない場合との2つの場合がある。ここ
にいう分解能とは、一つには、図4に示した回折X線強
度曲線における接近したピークの分離の度合いをいって
いる。すなわち、分解能が高いというのは、接近したピ
ーク、例えばP1とP2とが明確に分離できる状態をい
う。また他の一つの考え方は、ピークそのものの幅の広
がりの程度をいうものである。すなわち、分解能が高い
というのは、1つのピーク、例えばピークP3の幅Wが
狭いということである。
、高分解能の測定結果が要求される場合と、それ程高い
分解能が要求されない場合との2つの場合がある。ここ
にいう分解能とは、一つには、図4に示した回折X線強
度曲線における接近したピークの分離の度合いをいって
いる。すなわち、分解能が高いというのは、接近したピ
ーク、例えばP1とP2とが明確に分離できる状態をい
う。また他の一つの考え方は、ピークそのものの幅の広
がりの程度をいうものである。すなわち、分解能が高い
というのは、1つのピーク、例えばピークP3の幅Wが
狭いということである。
【0007】従来、分解能を高くする場合には、ゴニオ
半径、すなわち対陰極2から試料3に至る距離L1又は
試料3から受光スリット4に至る距離L2の長さを長く
設定し、一方、分解能を低くする場合には、ゴニオ半径
を短く設定するという方法が知られている。この方法を
用いて目的とする分解能を得ようとする場合には、その
都度ゴニオ半径L1又はL2を長くしたり、又は短くし
たりしなければならなかった。この作業は非常に面倒で
あった。また、ゴニオ半径L1,L2を変更した場合に
は、その都度、対陰極2からX線検出器5に至るX線光
学系の光軸調節をしなければならず、きわめて面倒であ
った。
半径、すなわち対陰極2から試料3に至る距離L1又は
試料3から受光スリット4に至る距離L2の長さを長く
設定し、一方、分解能を低くする場合には、ゴニオ半径
を短く設定するという方法が知られている。この方法を
用いて目的とする分解能を得ようとする場合には、その
都度ゴニオ半径L1又はL2を長くしたり、又は短くし
たりしなければならなかった。この作業は非常に面倒で
あった。また、ゴニオ半径L1,L2を変更した場合に
は、その都度、対陰極2からX線検出器5に至るX線光
学系の光軸調節をしなければならず、きわめて面倒であ
った。
【0008】本発明者は、目的とする分解能を正確に得
ることができ、しかもそのための作業が簡単であるX線
回折測定方法及びX線回折装置を求めて種々の実験を行
なった。実験の結果、タングステンフィラメント等の陰
極から放射された電子を対陰極に衝突させる場合の対陰
極上の電子衝突領域、すなわち電子の焦点サイズが分解
能と密接に関連していることを知見した。
ることができ、しかもそのための作業が簡単であるX線
回折測定方法及びX線回折装置を求めて種々の実験を行
なった。実験の結果、タングステンフィラメント等の陰
極から放射された電子を対陰極に衝突させる場合の対陰
極上の電子衝突領域、すなわち電子の焦点サイズが分解
能と密接に関連していることを知見した。
【0009】対陰極上におけるX線の焦点サイズを変化
させること自体は、特開昭 61−218100 号公
報その他により、従来より各種の提案がなされている。 しかしながら従来のものは、X線源をX線回折測定に用
いるということは前提となっておらず、従って、X線回
折測定における分解能を変化させることを目的として、
対陰極上における電子焦点のサイズを変化させるという
技術については何等提案されていない。
させること自体は、特開昭 61−218100 号公
報その他により、従来より各種の提案がなされている。 しかしながら従来のものは、X線源をX線回折測定に用
いるということは前提となっておらず、従って、X線回
折測定における分解能を変化させることを目的として、
対陰極上における電子焦点のサイズを変化させるという
技術については何等提案されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のX線
回折測定方法における上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、X線回折測定における分解能を所望の任意
の値に正確に設定でき、しかもそのための作業がきわめ
て簡単であるX線回折測定方法を提供することを目的と
する。
回折測定方法における上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、X線回折測定における分解能を所望の任意
の値に正確に設定でき、しかもそのための作業がきわめ
て簡単であるX線回折測定方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るX線回折測定方法及びX線回折装置は
、X線検出器を試料を中心として回転させながら、陰極
から発生した電子を対陰極に衝突させて該部にX線を発
生させ、発生したX線を試料に照射し、試料で回折した
X線を受光スリットで制限してX線検出器へ導いてその
X線の強度を測定するX線回折測定方法において、X線
検出器による測定結果における分解能に対応させて、陰
極から発生して対陰極に衝突する電子の対陰極上におけ
る焦点の大きさを変化させることを特徴としている。
め、本発明に係るX線回折測定方法及びX線回折装置は
、X線検出器を試料を中心として回転させながら、陰極
から発生した電子を対陰極に衝突させて該部にX線を発
生させ、発生したX線を試料に照射し、試料で回折した
X線を受光スリットで制限してX線検出器へ導いてその
X線の強度を測定するX線回折測定方法において、X線
検出器による測定結果における分解能に対応させて、陰
極から発生して対陰極に衝突する電子の対陰極上におけ
る焦点の大きさを変化させることを特徴としている。
【0012】
【作用】X線回折測定には、高分解能を要求する精密測
定と、分解能よりはむしろ高強度の回折X線を要求する
測定とがある。高分解能を要求する測定の場合には、対
陰極上に照射される電子の焦点サイズを小さく設定し、
高強度の回折X線を要求する測定の場合には、その電子
焦点サイズを大きく設定する。
定と、分解能よりはむしろ高強度の回折X線を要求する
測定とがある。高分解能を要求する測定の場合には、対
陰極上に照射される電子の焦点サイズを小さく設定し、
高強度の回折X線を要求する測定の場合には、その電子
焦点サイズを大きく設定する。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係るX線回折測定方法を実
施するためのX線回折装置の全体の概略を示している。 X線回折装置の機構部分は、それを上方から見た場合を
示してある。
施するためのX線回折装置の全体の概略を示している。 X線回折装置の機構部分は、それを上方から見た場合を
示してある。
【0014】同図において、試料3が試料台7の上に載
置されている。試料台7のまわりにはそれと同軸にアー
ム台8が配設されている。試料台7は、CPU(中央演
算処理装置)9によって制御されているドライバ10に
よって駆動されて、試料軸ωを中心として図の正時計方
向へ所定の各速度で間欠的又は連続的に回転移動する。 以下、この回転移動をθ回転という。アーム台8は、同
じくドライバ10によって駆動されて、試料軸ωを中心
として図の正時計方向へ上記θ回転の2倍の角速度で試
料台3と同期して回転移動する。
置されている。試料台7のまわりにはそれと同軸にアー
ム台8が配設されている。試料台7は、CPU(中央演
算処理装置)9によって制御されているドライバ10に
よって駆動されて、試料軸ωを中心として図の正時計方
向へ所定の各速度で間欠的又は連続的に回転移動する。 以下、この回転移動をθ回転という。アーム台8は、同
じくドライバ10によって駆動されて、試料軸ωを中心
として図の正時計方向へ上記θ回転の2倍の角速度で試
料台3と同期して回転移動する。
【0015】アーム台8の右側にはアーム11が固定さ
れており、そのアーム11上に受光スリット4、散乱防
止スリット6、そしてX線検出器5が固定されている。 受光スリット4はCPU9によって制御されているドラ
イバ12によって駆動されて、そのスリット幅Hが無段
階に調節できるようになっている。X線検出器5の出力
はCPU9へ送られる。アーム11はアーム台8と一体
になって上記の2θ回転し、そのときX線検出器5等そ
のアーム1上に固定された各機器も一体になって2θ回
転する。
れており、そのアーム11上に受光スリット4、散乱防
止スリット6、そしてX線検出器5が固定されている。 受光スリット4はCPU9によって制御されているドラ
イバ12によって駆動されて、そのスリット幅Hが無段
階に調節できるようになっている。X線検出器5の出力
はCPU9へ送られる。アーム11はアーム台8と一体
になって上記の2θ回転し、そのときX線検出器5等そ
のアーム1上に固定された各機器も一体になって2θ回
転する。
【0016】アーム台8の左側には、X線発生装置13
が固定して配設されている。このX線発生装置13は、
熱電子を放出する陰極、例えばタングステンフィラメン
ト1と、その陰極を包囲するウエネルト(wehnel
t)14と、そして銅、モリブデン等によって形成され
た対陰極2とを有している。
が固定して配設されている。このX線発生装置13は、
熱電子を放出する陰極、例えばタングステンフィラメン
ト1と、その陰極を包囲するウエネルト(wehnel
t)14と、そして銅、モリブデン等によって形成され
た対陰極2とを有している。
【0017】詳しくは図示されていないが、陰極1には
電力供給回路15から供給される電流が流れ、これによ
り陰極1が加熱されて熱電子が放出される。また、陰極
1と対陰極2との間には電力供給回路15によって高電
圧が印加されている。陰極1から発生した熱電子は、そ
の高電圧によって加速されて対陰極2に衝突し、これに
より対陰極2からX線Rが放射される。電力供給回路1
5は、CPU9からの指令に基づいて、陰極1への供給
電流及び陰極1と対陰極2との間の印加電圧を調節する
。
電力供給回路15から供給される電流が流れ、これによ
り陰極1が加熱されて熱電子が放出される。また、陰極
1と対陰極2との間には電力供給回路15によって高電
圧が印加されている。陰極1から発生した熱電子は、そ
の高電圧によって加速されて対陰極2に衝突し、これに
より対陰極2からX線Rが放射される。電力供給回路1
5は、CPU9からの指令に基づいて、陰極1への供給
電流及び陰極1と対陰極2との間の印加電圧を調節する
。
【0018】ウエネルト14と陰極1との間には、電圧
回路16により電圧が印加されている。この印加電圧に
より陰極1のまわりに電場が形成され、陰極1から放出
されて対陰極2に向かう熱電子がその電場を通過する間
に、熱電子の進行路が偏向される。その結果、対陰極2
上における電子焦点の大きさを変化させることができる
。陰極1とウエネルト14との間の印加電圧は、CPU
9からの指令に基づいて任意の値に制御できるようにな
っており、この制御により、対陰極2上における電子焦
点の大きさを所望の大きさに設定できる。
回路16により電圧が印加されている。この印加電圧に
より陰極1のまわりに電場が形成され、陰極1から放出
されて対陰極2に向かう熱電子がその電場を通過する間
に、熱電子の進行路が偏向される。その結果、対陰極2
上における電子焦点の大きさを変化させることができる
。陰極1とウエネルト14との間の印加電圧は、CPU
9からの指令に基づいて任意の値に制御できるようにな
っており、この制御により、対陰極2上における電子焦
点の大きさを所望の大きさに設定できる。
【0019】CPU9の入力ポートには、キーボード1
7が接続されている。また、CPU9の出力ポートには
記録装置18、さらにドライバ19を介してCRT20
が接続されている。
7が接続されている。また、CPU9の出力ポートには
記録装置18、さらにドライバ19を介してCRT20
が接続されている。
【0020】アドレスバス及びデータバスを介してCP
U9に接続されたメモリ21には、X線回折測定を行な
うに際して各種機器の動作を制御するのに必要なプログ
ラムが記憶されている。
U9に接続されたメモリ21には、X線回折測定を行な
うに際して各種機器の動作を制御するのに必要なプログ
ラムが記憶されている。
【0021】以下、CPU9によって実行される処理を
機能別に説明する。 (X線強度測定処理)電力供給回路15により、陰極1
に電流が供給されて陰極1が加熱され、同時に陰極1と
対陰極2との間に電圧が印加される。加熱された陰極1
から発生した熱電子は対陰極2に衝突し、該部からX線
Rが放射される。
機能別に説明する。 (X線強度測定処理)電力供給回路15により、陰極1
に電流が供給されて陰極1が加熱され、同時に陰極1と
対陰極2との間に電圧が印加される。加熱された陰極1
から発生した熱電子は対陰極2に衝突し、該部からX線
Rが放射される。
【0022】放射されたX線Rは試料3に照射され、回
折条件が満足されたときにその試料3においてX線が回
折する。回折したX線は、受光スリット4及び散乱防止
スリット6を通過してX線検出器5に取り込まれてその
強度が測定される。測定された回折X線強度情報は、C
PU9へ送り込まれ、メモリ21上の所定番地の記憶場
所に記憶される。
折条件が満足されたときにその試料3においてX線が回
折する。回折したX線は、受光スリット4及び散乱防止
スリット6を通過してX線検出器5に取り込まれてその
強度が測定される。測定された回折X線強度情報は、C
PU9へ送り込まれ、メモリ21上の所定番地の記憶場
所に記憶される。
【0023】上記のX線強度測定が行なわれている間、
ドライバ10によって試料台7が駆動されてθ回転し、
同時にアーム台8、従ってX線検出器5が2θ回転する
。このθ及び2θ回転の間に、2θの各角度位置におけ
る回折X線強度がX線検出器5によって測定され、各強
度値がメモリ21に記憶される。CPU9は、記憶され
た各角度位置における回折X線強度値を適時に読み出し
て、プリンタ等の記録装置18に機械的に書き出したり
、あるいはCRT20上に映像として写し出す。書き出
し等の方法は種々考えられるが、一般的には、図4に示
すようなX線強度曲線のように表わされる。
ドライバ10によって試料台7が駆動されてθ回転し、
同時にアーム台8、従ってX線検出器5が2θ回転する
。このθ及び2θ回転の間に、2θの各角度位置におけ
る回折X線強度がX線検出器5によって測定され、各強
度値がメモリ21に記憶される。CPU9は、記憶され
た各角度位置における回折X線強度値を適時に読み出し
て、プリンタ等の記録装置18に機械的に書き出したり
、あるいはCRT20上に映像として写し出す。書き出
し等の方法は種々考えられるが、一般的には、図4に示
すようなX線強度曲線のように表わされる。
【0024】(分解能選択処理)図4に示すX線強度曲
線において、分解能が高い場合には、接近したピークP
1及びP2が明確に分離されて表わされる。また、1つ
のピーク、例えばピークP3のピーク幅Wが狭く表わさ
れる。これに対して分解能が低い場合には、ピークP1
及びP2が明確に分離されないで1つのピークとして表
わされ、また、ピークP3のピーク幅Wが広くなる。こ
れから説明する分解能選択処理とは、測定者の希望に応
じて分解能の高低を自由に選択できるという機能である
。
線において、分解能が高い場合には、接近したピークP
1及びP2が明確に分離されて表わされる。また、1つ
のピーク、例えばピークP3のピーク幅Wが狭く表わさ
れる。これに対して分解能が低い場合には、ピークP1
及びP2が明確に分離されないで1つのピークとして表
わされ、また、ピークP3のピーク幅Wが広くなる。こ
れから説明する分解能選択処理とは、測定者の希望に応
じて分解能の高低を自由に選択できるという機能である
。
【0025】この機能を達成するにあたっては、まず、
分解能、対陰極2上における電子焦点サイズ、そして受
光スリット4のスリット幅Hの3要素の関係をメモリ2
1上の所定記憶場所に制御テーブルとして記憶しておく
。すなわちこの制御テーブル上には、ある希望する分解
能を得ようとする場合に、電子焦点サイズをどのように
設定し、受光スリット幅Hをどのように設定すれば良い
かが記憶されている。これら3要素の関係は、予め、実
験によって求めておく。
分解能、対陰極2上における電子焦点サイズ、そして受
光スリット4のスリット幅Hの3要素の関係をメモリ2
1上の所定記憶場所に制御テーブルとして記憶しておく
。すなわちこの制御テーブル上には、ある希望する分解
能を得ようとする場合に、電子焦点サイズをどのように
設定し、受光スリット幅Hをどのように設定すれば良い
かが記憶されている。これら3要素の関係は、予め、実
験によって求めておく。
【0026】測定者は、キーボード17上のキーを操作
して、目標とする分解能の値をCPU9に伝える。目標
分解値情報を与えられたCPU9は、メモリ21上の制
御テーブルにアクセスして、目標分解値情報に対応した
電子焦点サイズ及び受光スリット幅の各値を読み出す。 電子焦点サイズが読み出されるとCPU9は、そのサイ
ズ情報に基づいてウエネルト電圧回路16を制御し、ウ
エネルト14と陰極1との間に印加される電圧を変化さ
せる。これにより、対陰極2上に照射される熱電子の焦
点サイズが分解能との関連において最適な大きさに設定
される。またそれと同時にCPU9は、スリットドライ
バ12を制御して、受光スリット4のスリット幅Hを分
解能との関連において最適な大きさに設定する。
して、目標とする分解能の値をCPU9に伝える。目標
分解値情報を与えられたCPU9は、メモリ21上の制
御テーブルにアクセスして、目標分解値情報に対応した
電子焦点サイズ及び受光スリット幅の各値を読み出す。 電子焦点サイズが読み出されるとCPU9は、そのサイ
ズ情報に基づいてウエネルト電圧回路16を制御し、ウ
エネルト14と陰極1との間に印加される電圧を変化さ
せる。これにより、対陰極2上に照射される熱電子の焦
点サイズが分解能との関連において最適な大きさに設定
される。またそれと同時にCPU9は、スリットドライ
バ12を制御して、受光スリット4のスリット幅Hを分
解能との関連において最適な大きさに設定する。
【0027】以上により、対陰極2上における電子焦点
サイズ及び受光スリット4のスリット幅Hが、共に、希
望の大きさに設定され、その結果、測定の結果として得
られるX線強度曲線(図4)における分解能を希望する
状態に設定できる。このようにして、キーボード17上
でキー操作を行なうというきわめて簡単な操作により、
X線強度曲線の分解能を測定者の希望する任意の状態に
設定することができる。
サイズ及び受光スリット4のスリット幅Hが、共に、希
望の大きさに設定され、その結果、測定の結果として得
られるX線強度曲線(図4)における分解能を希望する
状態に設定できる。このようにして、キーボード17上
でキー操作を行なうというきわめて簡単な操作により、
X線強度曲線の分解能を測定者の希望する任意の状態に
設定することができる。
【0028】従来は、分解能を変更するに際して、ゴニ
オ半径L1又はL2の距離を変化させていた。しかしな
がらこの方法では、変更作業のためにきわめて長時間を
要し、しかもゴニオ半径の変更後、改めてX線光軸調節
をしなければならないという問題もあった。これに対し
て、本実施例に係るX線回折装置によれば、キーボード
操作だけで簡単に、しかも正確に分解能の変更を行なう
ことができるようになった。
オ半径L1又はL2の距離を変化させていた。しかしな
がらこの方法では、変更作業のためにきわめて長時間を
要し、しかもゴニオ半径の変更後、改めてX線光軸調節
をしなければならないという問題もあった。これに対し
て、本実施例に係るX線回折装置によれば、キーボード
操作だけで簡単に、しかも正確に分解能の変更を行なう
ことができるようになった。
【0029】実験例
対陰極2上における電子焦点サイズと分解能との関係を
知るために次のような実験を行なった。 条件: 試料: シリコン(Si)粉末の(111)面ゴニオ
半径(L1,L2):185mm一定受光スリット4の
スリット幅H:0.05mm一定陰極1への供給電流:
30mA一定陰極1・対陰極2間の印加電圧:
40Kv一定X線検出器5の2θ回転のステップ角度:
0.002度 以上の条件の下、ウエネルト14に印加する電圧を変化
させて対陰極2上における電子焦点サイズを変化させ、
その各々についてのX線回折曲線を求めた。
知るために次のような実験を行なった。 条件: 試料: シリコン(Si)粉末の(111)面ゴニオ
半径(L1,L2):185mm一定受光スリット4の
スリット幅H:0.05mm一定陰極1への供給電流:
30mA一定陰極1・対陰極2間の印加電圧:
40Kv一定X線検出器5の2θ回転のステップ角度:
0.002度 以上の条件の下、ウエネルト14に印加する電圧を変化
させて対陰極2上における電子焦点サイズを変化させ、
その各々についてのX線回折曲線を求めた。
【0030】図2は実験結果を示している。ウエネルト
14に 80,60,40,20,0 (単位V)の各
電圧を印加したところ、対陰極2上における電子焦点サ
イズは、それぞれ 0.2×10, 0.4×10,
0.6×10, 0.8×10, 1×10 (単位:
mm)となった、またそれぞれの場合に得られた回折X
線強度曲線は、W1,W2,W3,W4,W5の通りで
あった。
14に 80,60,40,20,0 (単位V)の各
電圧を印加したところ、対陰極2上における電子焦点サ
イズは、それぞれ 0.2×10, 0.4×10,
0.6×10, 0.8×10, 1×10 (単位:
mm)となった、またそれぞれの場合に得られた回折X
線強度曲線は、W1,W2,W3,W4,W5の通りで
あった。
【0031】図2の結果からわかるように、Kα1線と
Kα2線の分離度合い、すなわち分解能が電子焦点サイ
ズによって変化しており、特に電子焦点サイズが小さく
なるに従って分解能が高くなる。従って、電子焦点サイ
ズを変化させることにより、希望する任意の分解能が得
られることがわかる。図2の実験では、受光スリット幅
Hは一定に設定したが、これを狭くすればする程、分解
能を高めることができる。
Kα2線の分離度合い、すなわち分解能が電子焦点サイ
ズによって変化しており、特に電子焦点サイズが小さく
なるに従って分解能が高くなる。従って、電子焦点サイ
ズを変化させることにより、希望する任意の分解能が得
られることがわかる。図2の実験では、受光スリット幅
Hは一定に設定したが、これを狭くすればする程、分解
能を高めることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、アーム台、試料台等を
含む重量の大きいゴニオメータ本体を移動させることな
く、単に対陰極上の電子焦点サイズを変化させるという
簡単な操作だけで、X線回折測定における分解能を測定
者の希望する任意の値に設定できる。この結果、希望す
る分解能を簡単な作業で正確に得ることができるように
なった。
含む重量の大きいゴニオメータ本体を移動させることな
く、単に対陰極上の電子焦点サイズを変化させるという
簡単な操作だけで、X線回折測定における分解能を測定
者の希望する任意の値に設定できる。この結果、希望す
る分解能を簡単な作業で正確に得ることができるように
なった。
【図1】本発明に係るX線回折測定方法を実施するため
のX線回折装置の一実施例を示す概略平面図である。
のX線回折装置の一実施例を示す概略平面図である。
【図2】実験結果の一例を示すグラフである。
【図3】従来のX線回折測定方法を実施するための一般
的なX線回折装置を示す図式図である。
的なX線回折装置を示す図式図である。
【図4】X線回折測定によって得られるX線強度曲線の
一例を示すグラフである。
一例を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 X線検出器を試料を中心として回転さ
せながら、陰極から発生した電子を対陰極に衝突させて
該部にX線を発生させ、発生したX線を試料に照射し、
試料で回折したX線を受光スリットで制限してX線検出
器へ導いてそのX線の強度を測定するX線回折測定方法
において、X線検出器による測定結果における分解能に
対応させて、陰極から発生して対陰極に衝突する電子の
対陰極上における焦点の大きさを変化させることを特徴
とするX線回折測定方法。 - 【請求項2】 X線検出器を試料を中心として回転さ
せながら、陰極から発生した電子を対陰極に衝突させて
該部にX線を発生させ、発生したX線を試料に照射し、
試料で回折したX線を受光スリットで制限してX線検出
器へ導いてそのX線の強度を測定するX線回折装置にお
いて、X線検出器による測定結果における分解能に対応
させて、陰極から発生して対陰極に衝突する電子の対陰
極上における焦点の大きさを変化させることを特徴とす
るX線回折装置。 - 【請求項3】 分解能に対応させて受光スリットのス
リット幅も同時に変化させることを特徴とする請求項1
又は2記載のX線回折測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16865791A JPH04366757A (ja) | 1991-06-13 | 1991-06-13 | X線回折測定方法及びx線回折装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16865791A JPH04366757A (ja) | 1991-06-13 | 1991-06-13 | X線回折測定方法及びx線回折装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04366757A true JPH04366757A (ja) | 1992-12-18 |
Family
ID=15872088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16865791A Pending JPH04366757A (ja) | 1991-06-13 | 1991-06-13 | X線回折測定方法及びx線回折装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04366757A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103383363A (zh) * | 2012-02-28 | 2013-11-06 | 帕纳科有限公司 | 微衍射 |
-
1991
- 1991-06-13 JP JP16865791A patent/JPH04366757A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103383363A (zh) * | 2012-02-28 | 2013-11-06 | 帕纳科有限公司 | 微衍射 |
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