JPH04361666A - 繊維の加工法 - Google Patents

繊維の加工法

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JPH04361666A
JPH04361666A JP23532691A JP23532691A JPH04361666A JP H04361666 A JPH04361666 A JP H04361666A JP 23532691 A JP23532691 A JP 23532691A JP 23532691 A JP23532691 A JP 23532691A JP H04361666 A JPH04361666 A JP H04361666A
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fibers
graft polymerization
polymerization
graft
microwave irradiation
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Isao Isomatsu
磯松 勲
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Toyo Bussan Co Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種繊維のグラフト重
合加工を行う繊維の加工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、絹繊維の増量又は改質のため、絹
繊維を高分子モノマー、酸、重合触媒を含有する薬液で
グラフト重合加工を行うことが行われているが、そのグ
ラフト重合加工法は、一般に、繊維に対し水が10倍以
上の大きい浴比で緩慢且つ段階的に昇温させグラフト重
合反応を行っている。例えば、繊維にメタクリル酸アミ
ドなどビニルモノマーをグラフト重合する場合、絹繊維
の重量の15〜25倍量の薬液中に浸漬後、50〜60
分間で90℃付近まで徐々に昇温させ、更に90℃付近
に30分前後保持することによりグラフト重合加工を完
了するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、この方法は
、浴比が極めて多いため、高分子モノマーの被処理物へ
の接触を均一ならしめるには、緩徐に昇温することが必
要で、早急に昇温するとグラフト効率にむらができ、均
一なグラフト重合加工ができない欠点がある。更には、
繊維と薬液とを均一に接触させるためには、薬液の循環
が必要である上、被処理物の形状によっては、反応液と
の均一な接触ができないなどの不便がある。従って又、
コントロールし難く作業管理に難点が多いばかりでなく
、相当の設備を要し、作業時間が長く、作業労力並に又
エネルギーコストが著しく大きいなどの問題があった。 これを改善した絹繊維のグラフト重合加工法として、浴
比を低くし、且つ蒸熱により該絹繊維のビニルモノマー
によるグラフト重合加工を行う方法が公知であるが、こ
の方法は、絹繊維を外部から蒸気加熱する方式であるた
め、蒸気をボイラーでつくり圧送する設備とコストの増
大をもたらす上、均一に被処理物を昇温させることが困
難であり、繊維の表面と内部との間に温度勾配を生じ易
く、均一なグラフト重合が困難であり、特に、繊維の処
理量が多量の場合や厚みがある場合には、内部に充分な
蒸熱作用が行き亘らず、グラフト重合が充分に行われな
いため、ホモポリマーの生成が増大し、又絹繊維の一部
が艷消状となり触感が悪くなり、又一方、グラフト効率
の著しい低下をもたらすなど実用的でない。
【0004】本発明は、かゝる上記従来の不都合を解消
し、絹繊維ばかりでなく、羊毛などの天然繊維、或いは
合成繊維を、繊維状、綿状、布状の他、更には敷物など
の厚手の繊維製品など、その形状や厚さを問わず、各種
の繊維の増量、改質のためのグラフト重合を均一に行う
ことができると共に、グラフト効率を向上したグラフト
重合加工品を、容易に且つ高能率に得ることができ、更
にグラフト重合加工と同時にグラフト重合による増量以
上の嵩高加工、或いは必要に応じグラフト重合後、引続
き乾燥などの加工を簡単に行うことができる繊維の加工
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解消し、上記の目的を達成した繊維の加工法は、繊
維を、グラフト重合用薬液に適当な浴比で含浸させた後
、これにマイクロ波照射を施すことを特徴とする。
【0006】
【作用】マイクロ波を適当な浴比で薬液の付着している
繊維に照射したときは、繊維内部より自己発熱し、繊維
全体に亘りグラフト重合に必要且つ充分な所要の温度に
加熱され、グラフト効率の向上した加工繊維が得られ、
同時に嵩高性の向上した加工ができる。この場合、マイ
クロ波照射は間歇的に行うことにより、グラフト重合反
応を全体に亘り円滑、良好に行うことを一層確実に行う
ことができる。又、この場合、浴比は約0.5〜4の範
囲とするときは、マイクロ波照射が厚手の繊維であって
も、内部まで均一且つ全体に良好にグラフト重合を行う
ことができる。又、マイクロ波照射により、グラフト重
合量以上の嵩高性が得られることも特徴であり、例えば
、繊維にテンションをかけた状態でマイクロ波照射する
ときは、繊維の三次元的な組織構造を変化させて嵩高性
のある製品が得られる。又、酸として熱分解性又は熱揮
散性の酸を使用して繊維をグラフト重合加工した後に引
続いて、これにマイクロ波照射するときは、一気に、乾
燥したグラフト重合加工品を乾燥まで一貫して行うこと
ができる。
【0007】
【実施例】次に本発明の繊維の加工法の実施例を詳述す
る。本発明の繊維の加工法、主としてグラフト重合加工
法の対象となる繊維は、絹、羊毛、アンゴラ、木綿など
の天然繊維、又はポリエステル、ナイロンなどの各種の
合成繊維であり、その形態は単繊維、長繊維、綿状、糸
状、撚糸、フィラメント、織布、不織布、網布、毛布、
敷物などの厚手の繊維製品、その他の形態の各種の繊維
製品など任意のものである。かゝる繊維をグラフト重合
加工を行うに当たり、先ず初めに、グラフト重合用薬液
として、例えば、これに高分子モノマー、酸、重合触媒
を含む薬液を適当な浴比で浸漬処理を行う。高分子モノ
マーとしては、例えば、2‐ヒドロキシエチルメタクリ
レート(2HEMA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル(HPMA)、アクリル酸アミド(AM)、メタクリ
ル酸アミド(MAM)、メタクリル酸(MAA)などか
ら選択し、その少なくとも1種を用いる。酸としては、
硫酸の他、熱分解性の蟻酸や酢酸など任意の酸が用いら
れる。その酸水溶液のpHは、1.8〜3.0の範囲が
一般である。重合触媒は、H2O2、過硫安、過酸化ベ
ンゾイルなどの過酸化物が使用される。一般に、硫酸水
溶液に高分子モノマーと過酸化物を添加して、所定のp
Hを有する酸性の薬液を調製する。浴槽内にグラフト重
合すべき繊維材を入れ、これに薬液を含浸させるが、こ
の場合の浴比は、繊維の嵩高成や改質などの加工の目的
によって適当に設定されるが、繊維材の重量1に対し薬
液の重量は約0.5〜4(含水率として約30〜80%
)の範囲が好ましい。該含水率は、これ以上であっても
よいことは勿論である。かゝる低い浴比においては、マ
イクロ波照射を行ったとき、各部の昇温効率が高く温度
勾配が小さいので、短時間に良好なグラフト重合を終了
することができ、その繊維材の量が多くても、又、綿や
毛布などのように厚手のものであっても、マイクロ波照
射によりそのグラフト効率は著しく向上する。又、この
マイクロ波照射により、繊維材は内部の自己発熱を生ず
るので、重合反応、脱水反応、酸化反応等が促進される
一方、組織構造を変化させて嵩高となり、グラフト重合
加工と同時に嵩高加工ができる。更に必要に応じ、マイ
クロ波照射を続けることにより、グラフト重合加工製品
を乾燥させることもできる。又、マイクロ波照射は、マ
イクロ波照射装置により電波の浸透距離の深いマイクロ
波2450MHz又は915MHzを用いて行う。その
照射は、連続照射又は間歇照射のいずれでも良い。その
繊維材の種類、形状、処理量の多寡、バッチ方式又は流
れ作業方式などを考慮し、連続照射又は間歇照射のいず
れかを採用し、いずれの場合でも、被処理物の過加熱な
しに昇温させ、且つグラフト重合反応を行うようにする
。この場合、マイクロ波照射で浴比が低い状態で繊維材
を照射するときは、所定の反応温度のまでの昇温が早く
、而もグラフト重合反応時間を短時間で行うことができ
、単に照射だけであるので、蒸熱法のように、蒸気の生
成を必要とするボイラーや、反応容器への圧送供給手段
や装置を必要とせず、而も内部からの自己発熱であるの
で、全体に亘り均一なグラフト重合反応をもたらし、蒸
熱法の場合のように熱が均一に行き亘らずに不均一なグ
ラフト重合を生ずる不都合が解消される。尚、本法によ
るグラフト重合反応の温度は100〜110℃程度で1
0〜30分間が一般である。上記の低い浴比においては
、マイクロ波の誘電損失係数が低下して電波の浸透距離
が増大するので、マイクロ波照射は、熱伝導率の低下す
る空気層や空気間隙の多い繊維やチーズ状、かせ状の繊
維糸、更には厚手の繊維製品のグラフト重合に有利であ
る。因みに、上記の含水率約30〜80%では、その照
射において、繊維材の厚さが例えば50cmの厚さを有
していても、その中心部まで瞬時に発熱し昇温させるこ
とができ、グラフト重合を迅速且つ容易に行うことがで
きる。更に、本発明のマイクロ波による誘電加熱法では
、グラフト重合加工の他、嵩高加工、乾燥加工、その他
の繊維の改質加工に寄与する。これは、おそらく、マイ
クロ波照射により、水、高分子モノマー、繊維、重合触
媒は夫々分子の形状に応じた振動回転をし、自己発熱す
るので、重合反応、脱水反応等が促進される。これは、
マスクロ波を照射すると、繊維内部の水分子が高温とな
って繊維の膨脹や水分子の移動脱水が速やかに進行し、
繊維内部への薬液の拡散が促進され、繊維の末端基と高
分子モノマーとの反応が促進されると解される。マイク
ロ波照射により確認された嵩高効果の具体例としては、
繊維が羊毛の場合は、低含水率の繊維が効率良く捲縮し
て含気率が約1.5倍に向上した例や、強撚した絹糸に
ニット風のウェーブが出現した例をあげることができる
。羊毛繊維にマイクロ波を照射すると、低含有率の羊毛
繊維が効率よく捲縮して含気率が約1.5倍に向上し、
強撚した絹糸にニット風のウェーブが出現する。 又、羊毛繊維はマイクロ波照射によりクリンブ状となり
、又、二層構造をもつ合成繊維、もしくは絹糸では、撚
りをかけた状態でマイクロ波照射することにより規則的
なウェーブを生じ、繊維の撚りトルクが効果的に解撚し
て伸縮性と嵩高性をもつストレッチ状ヤーンを得ること
ができた。これは、おそらく、マイクロ波照射により繊
維が内部から高温になり、脱水と吸湿とを同時に進行せ
しめ、繊維のバイラテラル構造を動かして捲縮を促進し
たり、撚り歪を加撚方向に旋回させて屈曲させ、その形
態を固定するのに著しく効果的であると解されるからで
あると考えられる。而して、マイクロ波照射により、グ
ラフト重合終了時には、含水率が1/3〜2/3に低下
し、pHは2からpH4〜5に上昇し、重合触媒、例え
ばH2O2濃度は2ppm以下に低下する。これは、恐
らくマイクロ波照射時に水と薬液成分が選択的に加熱さ
れて昇温し、脱水とグラフト重合反応が行われた結果で
あると考えられる。pH調製剤として硫酸を使用した場
合、羊毛繊維の場合は、その中のOH基と反応し、硫酸
エステル(−OSO3H)を生成し、SH基と反応し、
チオ硫酸エステル(−S2O3H)を生成し、又、NH
2基と反応しNHSO3Hを生成し、硫酸エステルは更
に加水分解される等により上記のpHの低下が生ずると
考えられる。羊毛繊維、絹繊維、合成繊維などは、酸に
対して比較的抵抗力があるので、目的とする加工品の用
途によっては、グラフト重合加工後、更にマイクロ波照
射を行い乾燥することができ、これによりエネルギーコ
スト、作業労力も大幅に削減できる。尚、必要に応じ、
グラフト重合加工後、繊維に付着している硫酸は、水洗
いやアルカリ水溶液での中和により除去してもよいが、
酸として熱分解性や熱揮発性の蟻酸や酢酸を使用すると
きは、マイクロ波照射により加熱分解又は揮散除去でき
、グラフト重合加工品の乾燥までを一気に行うことがで
きる。尚、必要に応じ、グラフト重合加工した後に、熱
分解性のアルカリを噴霧した後、マイクロ波照射して乾
燥するようにしてもよいこうしたグラフト重合による効
果として、繊維に適度のはりやシャリ感を付与したり、
硬さを変化させることなく風合を改良でき、又、繊維に
耐久性、耐摩耗性、耐フェルティング収縮性、耐洗濯性
、防虫防カビ性、ピリングや回転乾燥収縮に対する抵抗
性を付与することができる。
【0008】次に、本発明の更に具体的な実施例につき
説明する。
【0009】実施例1〜3繊維体として市販の無染色毛
糸を玉状に巻き、重量を異にした3個の玉状毛糸を用意
し、その夫々と2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(
2HEMA)、pH2の硫酸水溶液、重合触媒としてH
2O2を配合割合を異にした3種類の薬液とを浴比を夫
々異にさせて夫々の塩化ビニリデン製の2重の包装袋に
収容密封し、薬液が玉状毛糸に均一に分散含浸するよう
に袋の上から揉みほぐして該繊維に該薬液を充分均一に
含浸させた後、2450MHzの電子レンジ内でマイク
ロ波を照射して加熱した。そのマイクロ波照射は、出力
500Wで断続的に2回、2分間照射を行った後、20
0Wで断続的に3回、2分間照射を行い、合計10分間
の照射時間と前後15分の照射休止時間とを合わせて2
5分間加熱して、グラフト重合加工処埋を行った。次で
、電子レンジから取り出し、開封してグラフト重合加工
処理を終えた夫々の玉状毛糸を界面活性剤と温水を用い
て洗浄した後、天日又は低温で加熱乾燥した。かくして
、乾燥後の夫々の重量、即ち、加工仕上り量を測定し、
重量増加量をグラフト量として次式によりグラフト率と
グラフト効率とを求めた。 グラフト率%=[グラフト量/繊維の元重量]×100
グラフト効率%=[グラフト量/原料モノマー量]×1
00 その結果は、下記表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】上記実施例1〜3は、マイクロ波照射法に
よるグラフト重合加工が浴比を変えることにより如何に
影響するかを試験したものであるが、その結果は、表1
から明らかなように、そのいずれの場合も浴比の変化に
影響されず、常に高いグラフト効率が得られることが判
った。而も、単にマイクロ波照射を用いた極めて簡単な
方法で、優れたグラフト重合加工が達成できることが判
る。又、毛糸が玉状で厚みがあっても、その外部と内部
の毛糸のグラフト重量が均一に行われて居り、嵩高で風
合のよい状態で得られることが判った。尚、グラフト率
を20%程度におさえた場合には従来の毛糸の触感に類
似するが、モノマーを増大させ約50%とすると、麻の
ような触感に変化する等、グラフト率の調節により、各
種の触感のある毛糸を得ることができることが判った。
【0012】実施例4〜6 繊維の形状がマイクロ波照射法によるグラフト重合に与
える影響を試験するため、繊維材料として、羊毛梳毛、
綿状(実施例4)と、かせ状毛糸(実施例5)と、玉状
毛糸(実施例6)の3種類を使用し、浴比を同じ2.0
とし、実施例1で行ったとほゞ同じマイクロ波照射法に
よりグラフト重合加工処理を行った。その結果は、下記
表2に示した通りであった。
【0013】
【表2】
【0014】表2から明らかなように、繊維材の形状の
如何を問わず、グラフト率は全て60%前後の高い増量
を示し、而もグラフト効率は89〜97%と極めて高い
結果を得た。グラフト率67%の羊毛綿は、梳毛後の綿
繊維が太く、良く捲縮し、元の容積率の1.8倍以上と
高い容積増加率を示すのみでなく、羽根のような柔らか
さと適度の弾性があり、色が白い優れた羊毛綿が得られ
た。
【0015】実施例7〜11高分子モノマーの種類を色
々に変えた場合についてマイクロ波照射法による繊維の
グラフト重合加工に及ぼす影響を試験するため、高分子
モノマーの種類を変え、且つ浴比は2.0とした以外は
、実施例1とほゞ同じマイクロ波照射法により試験した
。その結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】表3から明らかなように、2‐HEMA、
HPMA及び2‐HEMA+MAAを使用した場合は、
極めて高いグラフト効率を示した。AMとMAMを使用
した場合のグラフト効率は夫々54及び46であるが、
従来法では、殆どグラフト重合しないと報告されている
。蒸煮法によりグラフト効率を試みたところ、0〜30
%の低い値であったことに比し、マイクロ波照射法によ
れば、グラフト効率の向上をもたらすことが認められた
。尚、特に、2‐HEMA+MAAの混合物によるグラ
フト重合加工品は、毛糸の触感が元毛糸のそれに極めて
近いことが注目された。即ち、このことは、元の繊維の
触感を残して増量する目的には、この混合物を適宜使用
することによって達成されることを意味する。
【0018】実施例12〜14高分子モノマーとして、
上記の2‐HEMA:MAA(85:15)混合物を、
糸状の羊毛繊維、糸状の絹繊維、綿状のアンゴラ繊維の
種類の異なる繊維材に、下記表4に示すように、高濃度
で含浸させ、これを実施例1とほゞ同じマイクロ波照射
法によりグラフト重合加工させた。その結果を下記表4
に示す。
【0019】
【表4】
【0020】表4から明らかなように、高分子モノマー
の濃度を高くすることにより、繊維材の種類に関係なく
、グラフト効率を極めて向上せしめることができること
が判明した。この混合高分子モノマーに代え、その他の
単独の高分子モノマーの濃度を増大して使用した場合も
、同様にグラフト効率の向上がみられた。尚、絹繊維と
アンゴラ繊維の質感は、元の繊維の質感に近いので、こ
れらの高価な繊維の増量法として優れている。尚、この
場合、アンゴラ繊維それ自体を捲縮させるには、これに
、予め亜硫酸ソーダ又は重亜硫酸ソーダの弱還元性の薬
液を含浸させて本法のグラフト重合を行うことにより達
成されるが、絹繊維やアンゴラ繊維を仮撚りし、この状
態でマイクロ波照射によりクリンプを発現させることも
できる。
【0021】実施例15洗剤で予め洗浄した絹布約30
gをじぐざぐ状に折り畳んだものを、実施例1と同様の
薬液を使用し、浴比2.0、反応時間25分でグラフト
重合加工を行った。その結果を下記表5に示す。
【0022】
【表5】
【0023】該表5から明らかなように、絹布において
も従来法による以上のグラフト重合率が達成されること
が分る。尚、前記の高分子モノマーに代えて2‐HEM
AとMAAの混合物を使用した場合は、更に良好な結果
を得られた。
【0024】実施例16〜18 グラフト重合時のpH調製剤としての酸の種類を変えて
そのグラフト重合の効果を調べた。即ち、酸として硫酸
(実施例16)、蟻酸(実施例17)、酢酸(実施例1
8)を使用し、夫々の薬液のpHを夫々2,2,5,3
に調製した。繊維材として羊毛綿を使用し、夫々の浴比
は2.0の一定とし、マイクロ波照射により25分間反
応させた。その結果を該表5に示す。
【0025】
【表6】
【0026】該表6から明らかなように、酸の種類を変
えても、夫々の酸によるそのグラフト重合効率は極めて
高い優れたグラフト重合加工品が得られた。グラフト重
合後の夫々の酸のpHは4〜5の範囲であった。
【0027】実施例19,20 前記の実施例17及び18で使用した蟻酸と酢酸は、熱
分解性又は熱揮発性であることを利用し、そのグラフト
重合加工後、その夫々の羊毛綿を乾燥を行うに当たり、
引き続きマイクロ波照射して加熱して乾燥すると共に、
付着している蟻酸と酢酸を熱分解又は熱揮発により除去
した。この場合、ピリジンを少量薬液に添加しておけば
、共沸効果により酸の熱分解を促進することも可能であ
る。尚、必要に応じ、アンモニウム水などの熱分解性の
アルカリ水溶液を、重合加工処理後の羊毛綿に噴霧した
後、マイクロ波照射により加熱し、酸を中和除去するこ
ともできる。かくして、繊維材のグラフト重合加工から
乾燥までを一気に行うことができる。
【0028】実施例21 繊維としてポリエステル綿30gを使用し、2HEMA
  10〜20g、硫酸水溶液80g、H2O2  0
.4〜0.8gから成る薬液に浸漬し、これにマイクロ
波照射を行った。その結果、グラフト率25〜35%、
グラフト効率40〜60%のグラフト重合加工品が得ら
れた。これによりポリエステル綿は、その吸水性と帯電
性が増大し、合成繊維特有の光沢が減少して天然繊維に
近い風合いを有するものに改質された。
【0029】又、本発明の繊維の加工法を流れ作業で行
うには、例えば、加工すべき繊維を収容した多孔容器を
一方ヘ移行させ乍ら薬液槽内の薬液内に所定時間浸漬し
た後、コンベヤーベルトに載せ、所定の出力の長手のマ
イクロ波照射装置の下面を通過させ所要時間マイクロ波
を照射させて連続的にグラフト重合加工された繊維加工
品を得るようにする。
【0030】以上のように、本法により極めて簡便な方
法で高能率に所望の繊維のグラフト重合加工、増量、改
質などを行うことができるが、上記の実施例に限定され
ることなく、本発明の技術的範囲内で、高分子モノマー
の種類、浴比、マイクロ波の出力、照射時間などを適宜
撰択して、種々の増量、所望の改質ができ、グラフト重
合の結果、耐久性、耐摩耗性、耐フェルティング収縮性
、耐ピリング性などの改良も可能であり、又合成樹脂繊
維の場合は、親水性、染色性なども付与することにも本
発明は利用できる。
【0031】
【発明の効果】このように本発明によるときは、増量、
改質のための繊維のグラフト重合をマイクロ波照射によ
り行うので、極めて容易且つ簡単な操作で高能率にグラ
フト重合を行うことができ、実用的である。厚手の繊維
でも、全体に亘り均一なグラフト重合を行うことができ
、特に、浴比を小さくした場合は、極めて嵩高のグラフ
ト重合加工製品が得られ、更にそのグラフト重合後、引
続きマイクロ波照射を行うときは、一気に乾燥せしめる
ことができ便利であり、この場合、熱分解性又は熱揮発
性酸を使用すれば、マイクロ波照射により熱分解又は熱
揮散し、乾燥製品を得ることができる等の効果を有する

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  繊維を、グラフト重合用薬液に適当な
    浴比で浸漬させた後、これにマイクロ波照射を施すこと
    を特徴とする繊維の加工法。
  2. 【請求項2】  該マイクロ波照射を連続的に又は間歇
    的に行う請求項1記載の繊維の加工法。
  3. 【請求項3】  繊維に対する薬液の浴比は約0.5〜
    4である請求項1又は2記載の繊維の加工法。
  4. 【請求項4】  繊維に撚りなどのテンションをかけた
    状態でマイクロ波照射を施すことを特徴とする請求項1
    ,2又は3記載の繊維の加工法。
  5. 【請求項5】  熱分解性又は熱揮発性の酸を使用し、
    請求項1乃至4のいずれか1つに記載の繊維の加工法を
    行った後、これにマイクロ波照射して乾燥することを特
    徴とする繊維の加工法。
JP23532691A 1991-06-10 1991-06-10 繊維の加工法 Pending JPH04361666A (ja)

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