JPH0435981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はデータ処理またはデータ記憶を行うこ
とができるコインに関する。

（従来技術） 近年、半導体集積回路（IC，LSI）とくにメモ
リおよび／またはCPUを持つカード（所謂ICカ
ード）が開発され、コンピユータの外部記憶装
置、或いはクレジツトシステム等に応用すること
が考えられる。

（考案が解決しようとする課題） ところが、現在までに提案されているICカー
ドは、現行のクレジツトカードと同様の形状及び
寸法を有するものであり、このため使用上次のよ
うな諸問題が起こり得る。

即ち、特定の使用形態の場合、上記ICカード
では大きすぎ、従つて取り扱い上不便なことがあ
り、また形状が薄肉偏平であるため折り曲げた場
合、ICが破壊されるおそれがあり、さらにリー
ダライタもICカードの大きさに対応させる必要
があるためその小型化についても限界がある。

さらにICカードをゲームセンターコインの如
く用いた場合、これらは任意の状態でゲーム機の
投入口に投入されるため、接続する端子がICカ
ードの特定の位置に設けられているもので、所定
の端子位置で読み取り装置等の端子との接続が不
可能である。

そこで、本考案は機能的に優れ、小型で取り扱
いの便利な電子コインを提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべくなされた本考案は、円形
状あるいは多角形状のコインにメモリ及び／また
はCPU等の半導体集積回路を取り付け、さらに
外部機器と接続をとるための端子をコイン表面に
形成し、端子が同心円状に形成されてなる電子コ
イン。

（作用） 上述の如く、本考案によれば、コインに半導体
集積回路を取り付け、外部機器との接続をとるた
めの端子コイン表面に設けるとともに、同心円状
形成するため、小型で取り扱い上の利便性及び折
り曲げ等に対する耐久性に優れ、さらにコイン読
取器、或いは書込器に電子コインを投入しても、
電子コインの端子とコイン読取器、或いは書込器
の端子の位置関係が常に一定であるため、データ
の読み取り、或いは書き込みが投入時の電子コイ
ンの回転位置状態によらず、常に可能である。

（実施例） 以下に本考案を図面に示す一実施例に基づき詳
細に説明する。

第１図は本考案の電子コインの平面図であり、
第２図は第１図に−線における断面図であ
る。各種合成樹脂、或いは金属等を素材とするコ
イン本体１にICモジユール１１を嵌め込むため
の穴２が形成され、コイン本体１の表面とICモ
ジユール１１の表面（端子形成面）がほぼ同一平
面となるよう前記穴２にICモジユール１１が嵌
め込まれ、両者は適当な接着剤にて接着固定され
る。

ICモジユール１１はプリント基板Ａ１２、プ
リント基板Ｂ１３、プリント基板Ｃ１４の三層構
成のプリント基板からなり、プリント基板Ａ１２
に穴１６が形成され、この穴１６にICチツプ１
５が取り付けられている。ICチツプ１５とプリ
ント基板Ａ１２の配線パターンとはワイヤーボン
デイング１７により接続されており、さらに前記
配線パターンはプリント基板Ａ１２、プリント基
板Ｂ１３、プリント基板Ｃ１４のスルーホール１
９を介してプリント基板Ｃ１４の表面に形成され
ている端子１８に接続され、従つて端子１８を介
して外部機器とICモジユールとのデータの交信
が可能となつている。

また、２０はボツテイング枠であり、その枠内
にICチツプを固定・保護し、かつワイヤーボン
デイング１７を保護するためにエポキシ樹脂等の
充填剤２１が充填されている。

取り付けられているICチツプ１５としては、
メモリーICのみ、或いはメモリーICとCPUの組
み合わせ等目的に応じて任意に選択できる。

端子１８は同心円状、すなわち回転対称に形成
されており、投入された電子コインの端子１８
は、投入された電子コインがいかなる回転位置状
態にあつてもコイン読取器、或いは書込器の端子
に対し、常に位置関係が一定に保たれる。

よつて、このような電子コインを使用する場合
には、電子コイン投入口からコイン読取器、或い
は書込器に当該コインを投入することにより、コ
インは読取器、或いは書込器に達し、そのときコ
インがいかなる回転位置状態にあつても、コイン
読取器側の端子と電子コインの端子とが、或いは
書込器側の端子と電子コインの端子とが所定の端
子どうし接触し、コイン読取器、或いは書込器と
電子コイン間でのデータの交信が可能となる。

使用形態としては、ゲームセンターコイン、遊
園地の回数券等に適用可能であり、例えば遊園地
の回数券に使用した場合には、入口で電子コイン
を受け取り、遊園地内の施設を利用する毎にその
施設に備えつけられているコイン書込器に電子コ
インを投入し、コイン書込器では電子コインのメ
モリーにその施設を利用するために必要な度数を
書き込み、遊園地の出口で電子コインを読取器に
かけ、累積使用度数を読み出して精算し、料金を
支払うシステムとすることができる。

電子コインの形状は円形以外の多角形であつて
もよく、コイン本体の穴を貫通孔とし、端子をコ
インの両面に形成するようにすれば、コインの表
裏に関係なく使用することが可能となる。

さらに上記実施例ではICチツプ１５が位置す
る表面にも端子１８を形成するものであるために
ICモジユール１１はプリント基板を三層にする
必要性があつたが、ICチツプ位置に端子１８を
形成しないならば二層のプリント基板で対応する
ことができる。

（効果） 以上述べたように本考案によれば、コインに半
導体集積回路を取り付けるとともに、その端子が
同心円状に形成されるため、従来のICカードに
比べ、小型化が図れ、利便性の向上と折り曲げに
対する耐久性に優れ、さらにコイン読取器、或い
は書込器にコインを投入した場合に、コインの回
転位置状態よらず、電子コインおよびコイン読取
器、或いは書込器間で所定の端子どうしが接触
し、データの交信が可能であり、従来のコインに
比較し、機能的に格段に優れるものである。

また、コイン読取器、或いは書込器をコンパク
トな形とすることも可能である等の優れた効果を
奏する物である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す説明図であり、
第１図は電子コインの平面図、第２図は第１図の
−線における断面図である。 １……コイン本体、１１……ICモジユール、
１８……端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円形状或いは多角形状のコインに半導体集積回
   路を取り付け、さらに外部機器と接続するための
   端子をコイン表面に形成し、該端子が同心円状に
   形成されてなることを特徴とする電子コイン。