JPH0435974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワンマンバス等に設置される運賃箱
における確認ベルトの振動装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 確認ベルトを備えた運賃箱においては、乗客の
投入した金額と乗客に払い出した金額の双方を金
庫に記憶させ、金庫内の金額を常に把握するよう
になつている。従つて確認ベルト上に投入された
種々の硬貨や整理券、回数券等の券類が一緒にな
つて直接金庫に収納されることなく、硬貨選別機
に収納されるように硬貨類と券類とを確実に分離
する必要があり、この目的を達成するため従来装
置では、確認ベルトの表面に突起を設け等種々の
試みがされている。

（考案が解決しようとする問題点） 然しながら前記従来装置においては、投入され
た各硬貨と券類とを能率よく確実に分離し、所定
の場所に収納する目的を満足し得ないものがあ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記した従来装置の問題点を解決する
ためになされたもので、硬貨類と券類とを投入す
る投入口、垂直面に対し所定角度傾斜した状態で
両端のプーリに巻回され、投入口から投入された
硬貨類と券類とを前面で受けて搬送する無端状の
確認ベルトと、確認ベルト上の硬貨の金額、券類
の番号等の読み取り窓を備えた運賃箱において、 確認ベルトの脈動を防止するために、確認ベル
トの前面裏側に設けられた窓を有する確認ベルト
ガイド板と 前記確認ベルトの両端のプーリ間に配置された
支点軸により支持板が揺動自在に支承され、支持
板先端の叩き部材が前記確認ベルトガイド板の窓
を介し、確認ベルトの裏面を略直角に叩くように
した叩き具と、 前記支持板を連続的に揺動させ、叩き具に叩き
動作を行わせる駆動装置とからなる構成を採用し
たものである。

（作用） 本考案は前記の構成を採用したことにより、確
認ベルトガイド板が確認ベルトの脈動を防ぎ、脈
動がなく滑らかな回転を行なつている確認ベルト
の裏面側から瞬間的にかつ一定の周期で連続し、
しかも確認ベルトに略直角方向の振動を与えるの
で、重なり合つている硬貨、又硬貨と券類とは互
いに分離されて搬送されるとともに、重い硬貨類
は振動作用と重力作用が相俟つて確認ベルトの下
端に滑り落ちるが、軽い券類は突起体によつてそ
のままベルト面上に残り、硬貨と券類とは二者に
大別され確実に分離される。

（実施例） 第１図ないし第８図に本考案の第１実施例が示
されている。

第１図に示される運賃箱本体１は、両替機、釣
銭機等の種々の装置を備えており、上部に硬貨、
整理券等の投入口２が設けられ、上端側部に後述
の確認ベルト５により搬送される硬貨の金額、整
理券番号等を読み取るためののぞき窓３が設けら
れている。

第２図ないし第６図に於いて、所定の間隔をお
いた一対のプーリ４の間に確認ベルト５が垂直面
に対して傾斜して掛けられている。この確認ベル
ト５には多数本の突起体６が一定の配列で設けら
れている。この突起体６は、投入された硬貨が直
ちに滑り落ちるのを防止して金額の確認をし易く
すると共に、各種の券類を引つ掛けておくための
ものである。又確認ベルト５の前面裏側には、窓
２８を有する確認ベルトガイド板２７が配接さ
れ、確認ベルト５はこのガイド板２７に摺接しな
がら回転する。

確認ベルト５の前面には透明のガイド板７が上
部ではほぼ垂直に、また確認ベルト５のほぼ下半
部ではベルト５との間に所定の間隔をおいて断面
屈曲状に設けられている。このガイド板７の屈曲
部近傍の内側にはブラシ９が一定の間隔をおいて
設けられ、このブラシ９の先端は確認ベルト５の
ベルト面に押し当てられている。確認ベルト５の
下方には硬貨受け板１０が設けられ、この硬貨受
け板１０における確認ベルト５の終端部位置には
硬貨落下口１１が設けられ、硬貨落下口１１の下
方には硬貨Ｃを硬貨選別機（図示せず）に導くた
めのシユート１２が設けられている。尚、第２図
および第４図において、１３は確認ベルト５を駆
動するためのモータを示す。

また、第５図、第７図および第８図にベルト振
動装置Ａが示されている。

確認ベルト５の終端部のローラ４にゴムローラ
１４が接触して設けられて従動回転を行ないゴム
ローラ軸１５に取り付けた歯車１６と、第１の中
間軸１７に取り付けた歯車１８とが噛み合い、こ
の歯車１８と第２の中間軸１９に取り付けた歯車
２０とが噛み合い、これ等の歯車列によりプーリ
４の回転が第２の中間軸１９に伝達され、この中
間軸１９には角形カム２６が取付けられている。
そして、前記ゴムローラ１４と歯車１６，１８，
２０と角形カム２６とにより駆動装置が構成され
ている。

次に叩き具Ｂについて説明する。そして、前記
ゴムローラ１４と歯車列１６，１８，２０と角形
カム２６とにより駆動装置が構成されている。叩
き具Ｂは、確認ベルト５のプーリ４間に配設され
た支点軸２１に支承された一対の支持板２２の先
端に取り付けた軸２３の両端に、叩き部材として
のローラ２４を回転自在に取付け、このローラ２
４が前記した確認ベルトガイド板２７の窓２８か
ら確認ベルト５の前側裏面に接している。又支持
板２２の基端部には作動軸２５が取付けられ、こ
の作動軸２５が前記角形カム２６により一定の周
期で連続的に押圧され、ローラ２４が確認ベルト
５の裏面を略直角に叩いて振動させる。

前記の構成においてモータ１３を起動させる
と、確認ベルト５の前面側は確認ベルトガイド板
２７に案内され脈動することなく円滑な走行を行
なう、そしてプーリ４の回転がゴムローラ１４お
よび前記歯車列１６，１８，２０を介し中間軸１
９に伝達される。この中間軸１９の回転により角
形カム２６が作動軸２５を間欠的に押し、支持板
２２が支転軸２１を中心として一定の周期で揺動
し、ローラ２４が略直角に確認ベルト５を叩いて
振動させ、そしてこの振動には確認ベルト５を叩
いて振動させ、そしてこの振動には確認ベルト５
の脈動が加わらないので、常に一定の強さで安定
した振動を行なう。

この状態で、投入口２から硬貨Ｃと、整理券、
回数券等の券類Ｔとが同時に投入されると、両者
は一緒になつて振動しつつ走行している確認ベル
ト５上に落下する。確認ベルト５の振動作用によ
り重なり合つている硬貨どうし、或いは硬貨と券
類は互いに分離されると共に、重力作用により硬
貨Ｃは確認ベルト５の下端まで滑り落ち、硬貨受
け板１０で支持されつつ搬送される。

一方、券類Ｔは軽いので、確認ベルト５の振動
によつても、突起体６或いはブラシ９に引掛か
り、確認ベルト５の下端まで滑り落ちない。

従つて、重なり合つている硬貨どうし、或いは
硬貨と整理券等の券類は互いに分離されるので、
金額、整理券番号等の確認が容易となる。

そして、券類Ｔと分離された硬貨Ｃは確認ベル
ト５の終端部まで搬送され、硬貨落下口１１およ
びシユート１２を通つて硬貨選別機（図示せず）
に収容されると共に、確認ベルト５の突起体６或
いはガイド板７のブラシ９に引掛つている券類Ｔ
はそのまま確認ベルト５の終端まで搬送されてそ
の走行方向に放出され、金庫（図示せず）に収容
される。従つて、硬貨Ｃと券類Ｔとが二者に大別
され、それぞれ所定の場所に収容される。

また、第９図および第１０図に本考案の第２実
施例が示されている。

本実施例のベルト振動装置A′における叩き具
B′は前記した支持板２２が一対のベルクランク
２９からなりその中央部が支点軸３０で支承さ
れ、ベルクランク２９先端に取付けた軸３１の両
端に叩き部材としてのローラ３２を取り付けたも
のである。ベルクランク２９の他端の連結軸３３
に駆動装置としてのソレノイド３４のロツド３５
が連結されている。

従つて、ソレノイド３４を繰り返し作動させる
と、ローラ３２が略直角に確認ベルト５を叩き前
記同様確認ベルト５が振動する。

また、ベルト振動装置は、叩き具の繰り返し運
動により確認ベルトを内側から叩き付ける構成で
あればよく、上記実施例のものに限定されない。

尚、第１実施例は、確認ベルト５のモータ１３
の駆動力を利用しているので、専用の駆動源を必
要としない利点がある。

（効果） 本考案は前記の構成を採用し、確認ベルトの脈
動を防ぐとともに、このベルトを略直角に叩くよ
うにしたので、一定の強さ安定した振動が瞬間的
にかつ一定の周期で連続して作用するので、硬貨
どうし及び券類と硬貨とを重なり合うことなく能
率よく分離する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、運賃箱本体１の透視図、第２図は、
運賃箱の確認ベルト部の斜視図、第３図は、確認
ベルト５上における硬貨と券類とが分離される状
態を示す図、第４図は、運賃箱の本考案に係わる
部分の側面図、第５図は、要部の斜視図、第６図
は、ガイド板７の部分斜視図、第７図は、ベルト
振動装置Ａの平面図、第８図は、確認ベルト５が
振動させられる状態を示す図、第９図は、別のベ
ルト振動装置A′の平面図、第１０図は、同じく
その要部斜視図である。 主要部分の符号の説明、５……確認ベルト、１
４……ゴムローラ、１６，１８，２０……歯車、
２６……角形カム、２７……確認ベルトガイド
板、２４，３２……ローラ、３４……ソレノイ
ド、Ａ，A′……ベルト振動装置、Ｂ，B′……叩
き具、Ｃ……硬貨、Ｔ……券類。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 硬貨Ｃ類と券類Ｔとを投入する投入口２、垂
   直面に対し所定角度傾斜した状態で両端のプー
   リ４に巻回され、投入口２から投入された硬貨
   Ｃ類と券類Ｔとを前面で受けて搬送する無端状
   の確認ベルト５と、確認ベルト５上の硬貨Ｃの
   金額、券類Ｔの番号等の読み取り窓３を備えた
   運賃箱において、 確認ベルト５の脈動を防止するために、確認
   ベルト５の前面裏側に設けられた窓２８を有す
   る確認ベルトガイド板２７と 前記確認ベルト５の両端のプーリ４間に配置
   された支点軸２１により支持板２２，２９が揺
   動自在に支承され、支持板２２，２９先端の叩
   き部材２４，３２が前記確認ベルトガイド板２
   ７の窓２８を介し、確認ベルト５の裏面を略直
   角に叩くようにした叩き具Ｂ，B′と、 前記支持板２２，２９を連続的に揺動させ、
   叩き具Ｂ，B′に叩き動作を行わせる駆動装置
   とからなることを特徴とする運賃箱における確
   認ベルトの振動装置。 ２ 駆動装置は、プーリ４に当接して従動回転す
   るゴムローラ１４と、このゴムローラ１４の回
   転を伝える歯車列１６，１８，２０と、歯車列
   １６，１８，２０によつて伝えられた回転を、
   間欠的に支持板２２に伝える角型カム２６とか
   らなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の運
   賃箱における確認ベルトの振動装置。 ３ 駆動装置は、ソレノイド３４である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の運賃箱における確
   認ベルトの振動装置。