JPH04358056A - 金属溶射方法 - Google Patents
金属溶射方法Info
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- JPH04358056A JPH04358056A JP3131558A JP13155891A JPH04358056A JP H04358056 A JPH04358056 A JP H04358056A JP 3131558 A JP3131558 A JP 3131558A JP 13155891 A JP13155891 A JP 13155891A JP H04358056 A JPH04358056 A JP H04358056A
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Landscapes
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- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属溶射方法に関し,詳
しくは反応性プラズマ溶射により、基材の表面に反応生
成物を含む溶射皮膜もしくは溶射成形体を形成する方法
に係るものである。
しくは反応性プラズマ溶射により、基材の表面に反応生
成物を含む溶射皮膜もしくは溶射成形体を形成する方法
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】基材上に表面処理として金属の皮膜をつ
くる、もしくは基材上にディスク、ビレット等の形状を
持った成形体を形成するため、金属溶射が用いられるこ
とがある。ここでいう金属とは、純金属および合金の総
称である。これはエネルギ源により金属を溶解して溶湯
とし、その溶湯を噴霧させて基材上に付着させ、冷却・
凝固させることにより、溶射皮膜もしくは溶射成形体を
形成する方法である。金属溶射の一つであるプラズマ溶
射を、図6を用いて説明する。これはプラズマ電源28
により陰極19と陽極20の間にアーク21を発生させ
、後方から供給される作動ガス22を熱して超高温のプ
ラズマガス23とする。そして、作動ガスのプラズマ化
による急激な体積膨張によってノズルから激しく噴出さ
せる。それをプラズマジェット24と呼んでいる。プラ
ズマガス23中に溶射される金属の粉末25を供給して
溶融・飛散させ、基材26上に付着させて溶射膜27を
形成する方法である。
くる、もしくは基材上にディスク、ビレット等の形状を
持った成形体を形成するため、金属溶射が用いられるこ
とがある。ここでいう金属とは、純金属および合金の総
称である。これはエネルギ源により金属を溶解して溶湯
とし、その溶湯を噴霧させて基材上に付着させ、冷却・
凝固させることにより、溶射皮膜もしくは溶射成形体を
形成する方法である。金属溶射の一つであるプラズマ溶
射を、図6を用いて説明する。これはプラズマ電源28
により陰極19と陽極20の間にアーク21を発生させ
、後方から供給される作動ガス22を熱して超高温のプ
ラズマガス23とする。そして、作動ガスのプラズマ化
による急激な体積膨張によってノズルから激しく噴出さ
せる。それをプラズマジェット24と呼んでいる。プラ
ズマガス23中に溶射される金属の粉末25を供給して
溶融・飛散させ、基材26上に付着させて溶射膜27を
形成する方法である。
【0003】作動ガスは励起されプラズマ状態となって
いるので、反応性に富んだ活性な状態である。この状態
を利用した方法として特開昭58−27971号公報に
示すような反応性プラズマ溶射がある。これは、プラズ
マガスと溶融した溶射材料が飛散する間に反応し、その
結果生じた反応生成物を含んだ溶射皮膜もしくは溶射成
形体を得る方法である。
いるので、反応性に富んだ活性な状態である。この状態
を利用した方法として特開昭58−27971号公報に
示すような反応性プラズマ溶射がある。これは、プラズ
マガスと溶融した溶射材料が飛散する間に反応し、その
結果生じた反応生成物を含んだ溶射皮膜もしくは溶射成
形体を得る方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反応性プラズマ溶射は
、溶射材料を粉末の形でプラズマガス中へ供給するのが
普通である。粉末で供給されると、プラズマガスからの
粉末表面への熱伝導により昇温し、溶解温度に達すると
溶融するが、昇温のための時間すなわち溶融時間が必要
である。そのためプラズマ中に供給されてから基板に付
着するまでの限られた滞在時間(一般に0.1msec
といわれる。)の間で、溶湯状態でプラズマガスと反応
することができる時間(反応時間)が短くなる。そのた
め十分反応しないうちに基材上に付着する。
、溶射材料を粉末の形でプラズマガス中へ供給するのが
普通である。粉末で供給されると、プラズマガスからの
粉末表面への熱伝導により昇温し、溶解温度に達すると
溶融するが、昇温のための時間すなわち溶融時間が必要
である。そのためプラズマ中に供給されてから基板に付
着するまでの限られた滞在時間(一般に0.1msec
といわれる。)の間で、溶湯状態でプラズマガスと反応
することができる時間(反応時間)が短くなる。そのた
め十分反応しないうちに基材上に付着する。
【0005】また、プラズマジェット周辺部は、雰囲気
への熱伝達・熱伝導により温度が低くなっているため、
プラズマジェット周辺部に供給された粉末は、溶融する
のに時間がかかり、さらに甚だしい場合には未溶融のま
ま飛散し、反応生成物が少ない状態で基材上に付着する
。そのため、プラズマジェット中心部の高温の部分によ
り形成された溶射皮膜・成形体と、周辺部の低温の部分
により形成されたものとでは、反応生成物の含まれ方が
異なり均一ではない。
への熱伝達・熱伝導により温度が低くなっているため、
プラズマジェット周辺部に供給された粉末は、溶融する
のに時間がかかり、さらに甚だしい場合には未溶融のま
ま飛散し、反応生成物が少ない状態で基材上に付着する
。そのため、プラズマジェット中心部の高温の部分によ
り形成された溶射皮膜・成形体と、周辺部の低温の部分
により形成されたものとでは、反応生成物の含まれ方が
異なり均一ではない。
【0006】これらの理由から、従来の反応性プラズマ
溶射では、反応生成物を十分含んだ均一な溶射皮膜・成
形体が得難く、強度が十分でなかった。そこで本発明は
、溶射される金属の溶融工程をプラズマガスとの反応工
程と分離することにより、前記問題点を解決することを
課題としている。
溶射では、反応生成物を十分含んだ均一な溶射皮膜・成
形体が得難く、強度が十分でなかった。そこで本発明は
、溶射される金属の溶融工程をプラズマガスとの反応工
程と分離することにより、前記問題点を解決することを
課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、金属の溶射
により、基材の表面に溶射皮膜もしくは溶射成形体を形
成する金属溶射方法において、溶射される金属の内の少
なくとも一種の元素に対して反応性を有する少なくとも
一種の成分を含む気体を加熱してプラズマガス化すると
ともに、前記金属を溶融状態にする工程と、該溶融状態
にある金属を前記プラズマガス中に供給する工程と、前
記プラズマガスと前記金属を反応させる工程と、該反応
によって生ずる反応生成物を含有した前記金属を、基材
の表面に付着させる工程と、を有することを特徴とする
金属溶射方法によって達成される。
により、基材の表面に溶射皮膜もしくは溶射成形体を形
成する金属溶射方法において、溶射される金属の内の少
なくとも一種の元素に対して反応性を有する少なくとも
一種の成分を含む気体を加熱してプラズマガス化すると
ともに、前記金属を溶融状態にする工程と、該溶融状態
にある金属を前記プラズマガス中に供給する工程と、前
記プラズマガスと前記金属を反応させる工程と、該反応
によって生ずる反応生成物を含有した前記金属を、基材
の表面に付着させる工程と、を有することを特徴とする
金属溶射方法によって達成される。
【0008】プラズマ溶射の雰囲気は、大気中で行って
もよいが、皮膜の酸化が問題となる場合には不活性ガス
雰囲気中で行うのが好ましい。さらに、雰囲気ガスの巻
き込みによる気孔の生成が問題となる場合には、減圧プ
ラズマ溶射で行うことがさらに望ましい。これは、排気
システムに接続された真空チャンバ内で減圧した雰囲気
でプラズマ溶射を行う方法であり、前述の皮膜の酸化・
雰囲気ガスの巻き込みという問題が共に避けられる。
もよいが、皮膜の酸化が問題となる場合には不活性ガス
雰囲気中で行うのが好ましい。さらに、雰囲気ガスの巻
き込みによる気孔の生成が問題となる場合には、減圧プ
ラズマ溶射で行うことがさらに望ましい。これは、排気
システムに接続された真空チャンバ内で減圧した雰囲気
でプラズマ溶射を行う方法であり、前述の皮膜の酸化・
雰囲気ガスの巻き込みという問題が共に避けられる。
【0009】
【作用】以上説明したように、本発明は溶射される金属
の溶融工程をプラズマガスとの反応工程と分離すること
により、溶射される金属はプラズマガス中に供給される
以前に既に溶融している。そのため、供給後直ちにプラ
ズマガスとの反応を始める。すなわち、従来技術とは異
なり、プラズマガスは金属と反応する役割のみを持ち、
金属を溶融させる役割は持たない。また、温度の低いプ
ラズマジェット周辺部に供給されても、既に溶融してい
るので未溶融粒子とはならず反応が起こる。これらの反
応によって生じた反応生成物が、基材の表面に付着した
金属中に含まれるので、微細な反応生成物を含んだ溶射
皮膜もしくは溶射成形体が形成される。
の溶融工程をプラズマガスとの反応工程と分離すること
により、溶射される金属はプラズマガス中に供給される
以前に既に溶融している。そのため、供給後直ちにプラ
ズマガスとの反応を始める。すなわち、従来技術とは異
なり、プラズマガスは金属と反応する役割のみを持ち、
金属を溶融させる役割は持たない。また、温度の低いプ
ラズマジェット周辺部に供給されても、既に溶融してい
るので未溶融粒子とはならず反応が起こる。これらの反
応によって生じた反応生成物が、基材の表面に付着した
金属中に含まれるので、微細な反応生成物を含んだ溶射
皮膜もしくは溶射成形体が形成される。
【0010】
【実施例】本発明を、具体的実施例を用いてさらに詳細
に説明する。
に説明する。
【0011】まず、本発明に用いられるプラズマ溶射装
置の一実施例について、その概要を図1に基づき説明す
る。本装置の主要構成は、溶射される金属材料の溶解装
置8と、溶湯6を噴霧するプラズマジェット7の発生用
の溶射ガン1、そして溶射された材料を付着させ成形す
るための基板2、および成形中の溶射成形体10の温度
を調整するための温度コントローラ12と、基板上に成
形される溶射成形体10の形状・大きさに自由度を持た
せるために基板を駆動させる駆動装置3、および溶射成
形中の周囲の雰囲気を保つためのチャンバ4と雰囲気制
御装置5から構成されるものである。
置の一実施例について、その概要を図1に基づき説明す
る。本装置の主要構成は、溶射される金属材料の溶解装
置8と、溶湯6を噴霧するプラズマジェット7の発生用
の溶射ガン1、そして溶射された材料を付着させ成形す
るための基板2、および成形中の溶射成形体10の温度
を調整するための温度コントローラ12と、基板上に成
形される溶射成形体10の形状・大きさに自由度を持た
せるために基板を駆動させる駆動装置3、および溶射成
形中の周囲の雰囲気を保つためのチャンバ4と雰囲気制
御装置5から構成されるものである。
【0012】次にこの装置を用いて本発明を実施した具
体例について説明する。
体例について説明する。
【0013】(実施例1)まず、溶解装置8において所
望の溶湯成分となるように成分調整をして、Al−Ti
合金(Ti15wt%)の溶湯を得た。溶解が終了する
頃に形成したい成形体の形状に適した基板2を所望の位
置に取りつけて、駆動装置3、温度コントローラ12と
接続した。本実施例では平板状の成形体を得るため、平
板状の基板とした。駆動装置3は、成形体を得るために
必要な動きを図示しない制御装置によりプログラム制御
できるようになっている。
望の溶湯成分となるように成分調整をして、Al−Ti
合金(Ti15wt%)の溶湯を得た。溶解が終了する
頃に形成したい成形体の形状に適した基板2を所望の位
置に取りつけて、駆動装置3、温度コントローラ12と
接続した。本実施例では平板状の成形体を得るため、平
板状の基板とした。駆動装置3は、成形体を得るために
必要な動きを図示しない制御装置によりプログラム制御
できるようになっている。
【0014】温度コントローラ12は冷却水16によっ
て基板2の温度をコントロールしており、また、ワーク
冷却ユニット11と連動して成形体10にガスを吹きつ
け、成形体10を冷却している。図2に基板・溶射成形
体とX,Y,Z方向の関係を示したが、本実施例におい
ては、成形体として平板を得るためにX,Y方向および
Z方向への駆動を行い、X方向移動速度4m/min、
Y方向移動ピッチ4mm、X,Y方向移動距離200m
m、Z方向移動速度0.2mm/min、Z方向移動距
離5mm、溶射時間2.5minとした。
て基板2の温度をコントロールしており、また、ワーク
冷却ユニット11と連動して成形体10にガスを吹きつ
け、成形体10を冷却している。図2に基板・溶射成形
体とX,Y,Z方向の関係を示したが、本実施例におい
ては、成形体として平板を得るためにX,Y方向および
Z方向への駆動を行い、X方向移動速度4m/min、
Y方向移動ピッチ4mm、X,Y方向移動距離200m
m、Z方向移動速度0.2mm/min、Z方向移動距
離5mm、溶射時間2.5minとした。
【0015】次に、チャンバ4内を減圧不活性雰囲気と
するために、図示しない排気ポンプにより雰囲気制御装
置5を通して1×10−3kPaまで排気した後に窒素
ガスで置換し、6.67kPaになるように雰囲気制御
装置5を使ってコントロールした。
するために、図示しない排気ポンプにより雰囲気制御装
置5を通して1×10−3kPaまで排気した後に窒素
ガスで置換し、6.67kPaになるように雰囲気制御
装置5を使ってコントロールした。
【0016】この状態で溶射ガン1に窒素およびアルゴ
ンガスからなる混合ガスを作動ガスとして、窒素(N2
)ガス15リットル/min、アルゴン(Ar)ガス
3リットル/minの割合で混合して供給し、電源を作
動させて溶射ガン内部の図示しない電極間にアークを発
生させてプラズマジェット7を形成した。溶射ガン1は
溶射ガン用冷却水18で冷却されている。
ンガスからなる混合ガスを作動ガスとして、窒素(N2
)ガス15リットル/min、アルゴン(Ar)ガス
3リットル/minの割合で混合して供給し、電源を作
動させて溶射ガン内部の図示しない電極間にアークを発
生させてプラズマジェット7を形成した。溶射ガン1は
溶射ガン用冷却水18で冷却されている。
【0017】温度コントローラ12の電源を入れ、ワー
ク冷却ユニット11とともに基板温度を20±5℃の範
囲に保った。この状態でプラズマジェット7の中心に向
けて金属溶湯6を供給した。その方法は、ストッパ14
を開けて溶湯6をArガス14で加圧(3kg/cm2
)することで開口部がφ3mmのノズル部13より供
給される。そして、プラズマジェット7で噴霧されて微
小な液滴となり、プラズマジェット7内をプラズマガス
と反応しながら飛行して行き、基板2上に衝突して瞬時
に冷却・凝固を完了した。
ク冷却ユニット11とともに基板温度を20±5℃の範
囲に保った。この状態でプラズマジェット7の中心に向
けて金属溶湯6を供給した。その方法は、ストッパ14
を開けて溶湯6をArガス14で加圧(3kg/cm2
)することで開口部がφ3mmのノズル部13より供
給される。そして、プラズマジェット7で噴霧されて微
小な液滴となり、プラズマジェット7内をプラズマガス
と反応しながら飛行して行き、基板2上に衝突して瞬時
に冷却・凝固を完了した。
【0018】これを繰り返すことにより、窒化物が微細
に分散した急冷凝固の高密度アルミ基溶射成形体が容易
に得られた。窒化物が形成されるのは、以下の理由によ
る。すなわち、化1(化学反応式1)で示すように、プ
ラズマガス中ではN2 の一部が励起状態となっている
。 Ar等は不活性であって、金属溶湯との間に何らの反応
も生じないが、励起されたN2 は活性であって反応性
に富んでいるため、金属溶湯と反応し窒化物を形成する
。 このとき窒化物の生成自由エネルギの小さいTiの窒化
物のほうがAlの窒化物よりも安定であることから、T
iの窒化物が優先して生成される。
に分散した急冷凝固の高密度アルミ基溶射成形体が容易
に得られた。窒化物が形成されるのは、以下の理由によ
る。すなわち、化1(化学反応式1)で示すように、プ
ラズマガス中ではN2 の一部が励起状態となっている
。 Ar等は不活性であって、金属溶湯との間に何らの反応
も生じないが、励起されたN2 は活性であって反応性
に富んでいるため、金属溶湯と反応し窒化物を形成する
。 このとき窒化物の生成自由エネルギの小さいTiの窒化
物のほうがAlの窒化物よりも安定であることから、T
iの窒化物が優先して生成される。
【0019】
【化1】
【0020】(実施例2)炭化物が析出した溶射成形体
を得るために、プラズマガスとしてメタン(CH4 )
ガスとArガスからなる混合ガスをCH4 ガス1リッ
トル/min,Arガス15リットル/minの割合で
供給し、その他の条件は実施例1と同様として溶射成形
体を作成した。この方法によれば、炭化物(TiC)が
微細に析出した急冷凝固の高密度溶射成形体となる。そ
の金属組織写真(倍率5000倍)を図3に示すが、微
細な粒子が分散した組織となっている。炭化物の生成は
、化2(化学反応式2)の反応が進行したことによるも
のであり、CH4 がプラズマガス中で分解し、炭化物
の生成自由エネルギの小さいTiと反応し炭化物を形成
したと考えられる。
を得るために、プラズマガスとしてメタン(CH4 )
ガスとArガスからなる混合ガスをCH4 ガス1リッ
トル/min,Arガス15リットル/minの割合で
供給し、その他の条件は実施例1と同様として溶射成形
体を作成した。この方法によれば、炭化物(TiC)が
微細に析出した急冷凝固の高密度溶射成形体となる。そ
の金属組織写真(倍率5000倍)を図3に示すが、微
細な粒子が分散した組織となっている。炭化物の生成は
、化2(化学反応式2)の反応が進行したことによるも
のであり、CH4 がプラズマガス中で分解し、炭化物
の生成自由エネルギの小さいTiと反応し炭化物を形成
したと考えられる。
【0021】
【化2】
【0022】本実施例のように、プラズマガスに可燃性
ガスである炭化水素のガスを用いると発熱量が大きく、
プラズマ発生装置の電極の消耗が激しいので混入量が制
限される。本発明者の実験によれば、プラズマガス中へ
のCH4 の混入量は、体積比で10%以下であること
が望ましい。
ガスである炭化水素のガスを用いると発熱量が大きく、
プラズマ発生装置の電極の消耗が激しいので混入量が制
限される。本発明者の実験によれば、プラズマガス中へ
のCH4 の混入量は、体積比で10%以下であること
が望ましい。
【0023】実施例1および実施例2で得られた溶射成
形体の特性を表1に示す。比較例として、平均粒径30
μmの金属Ti粉末をプラズマガス中へ供給し、それ以
外は実施例1と同様の条件で溶射を行って成形した溶射
成形体の特性も合わせて示す。比較例では一部未溶融粒
子が存在するため空孔ができ、理論密度比の向上には限
界があるが、実施例1、2とも比較例より高い理論密度
比が得られた。また、実施例1および実施例2とも、反
応生成物が微細であり、さらに、比較例の方法では反応
が十分起こらないため大きくすることができなかった体
積含有率も大幅に高くなり、機械的強度も高い。また、
Ti粉末表面は酸化膜に覆われているため、比較例の成
形体中のO2 濃度が高いが、実施例1、2では清浄な
溶湯を噴霧するためO2 濃度が低い。また、実施例1
および実施例2の反応生成物のEPMAによる線分析結
果を、それぞれ図4、図5に示す。これらの結果から、
実施例1の反応生成物がTiNであること、また実施例
2の反応生成物がTiCであることを確認できた。
形体の特性を表1に示す。比較例として、平均粒径30
μmの金属Ti粉末をプラズマガス中へ供給し、それ以
外は実施例1と同様の条件で溶射を行って成形した溶射
成形体の特性も合わせて示す。比較例では一部未溶融粒
子が存在するため空孔ができ、理論密度比の向上には限
界があるが、実施例1、2とも比較例より高い理論密度
比が得られた。また、実施例1および実施例2とも、反
応生成物が微細であり、さらに、比較例の方法では反応
が十分起こらないため大きくすることができなかった体
積含有率も大幅に高くなり、機械的強度も高い。また、
Ti粉末表面は酸化膜に覆われているため、比較例の成
形体中のO2 濃度が高いが、実施例1、2では清浄な
溶湯を噴霧するためO2 濃度が低い。また、実施例1
および実施例2の反応生成物のEPMAによる線分析結
果を、それぞれ図4、図5に示す。これらの結果から、
実施例1の反応生成物がTiNであること、また実施例
2の反応生成物がTiCであることを確認できた。
【0024】
【表1】
【0025】プラズマガスは高速であるため、溶湯が微
小な液滴となって飛散する。この液滴はプラズマジェッ
ト中を飛行し、基板上に衝突して成形体を形成していく
が、飛行速度は100〜300m/secと速い。その
ため、基板に対する衝突エネルギが大きく、高密度な成
形体の形成に有利である。さらに減圧雰囲気としている
ことで、一般に欠陥の原因となりやすいガスの巻き込み
が無いことも、高密度成形体を得るのに有利である。
小な液滴となって飛散する。この液滴はプラズマジェッ
ト中を飛行し、基板上に衝突して成形体を形成していく
が、飛行速度は100〜300m/secと速い。その
ため、基板に対する衝突エネルギが大きく、高密度な成
形体の形成に有利である。さらに減圧雰囲気としている
ことで、一般に欠陥の原因となりやすいガスの巻き込み
が無いことも、高密度成形体を得るのに有利である。
【0026】プラズマガスは高温であるため、噴霧され
た微小液滴は飛行中も冷却されることがない。そのため
飛行中においても微小液滴内部で攪拌が起こり、反応し
た生成物は成長する前に直ちに粒子内部に取り込まれる
ので、反応生成物は微細なままであり、均一に分布する
。その結果溶射成形体中に反応生成物が微細に分散した
状態となり、機械的強度が高くなる。
た微小液滴は飛行中も冷却されることがない。そのため
飛行中においても微小液滴内部で攪拌が起こり、反応し
た生成物は成長する前に直ちに粒子内部に取り込まれる
ので、反応生成物は微細なままであり、均一に分布する
。その結果溶射成形体中に反応生成物が微細に分散した
状態となり、機械的強度が高くなる。
【0027】また、形成された溶射成形体をそのまま徐
冷すると結晶粒が成長するが、図1に示したような、基
板2の内部に供給した冷却水16による冷却と、ワーク
冷却ユニット11による冷風(Ar)の吹きつけで冷却
することにより結晶粒が微細な状態で凝固し、機械的強
度の優れた溶射成形体が形成される。
冷すると結晶粒が成長するが、図1に示したような、基
板2の内部に供給した冷却水16による冷却と、ワーク
冷却ユニット11による冷風(Ar)の吹きつけで冷却
することにより結晶粒が微細な状態で凝固し、機械的強
度の優れた溶射成形体が形成される。
【0028】本実施例では、微小液滴となって噴霧され
るため、一粒子あたりの熱容量が小さく、また比表面積
が大きいので急冷しやすい。さらに、高速で基板に衝突
するので、衝突時に粒子の変形が容易で偏平形状になり
やすく、熱拡散が容易に行われるので、急冷に対する効
果が大きい。
るため、一粒子あたりの熱容量が小さく、また比表面積
が大きいので急冷しやすい。さらに、高速で基板に衝突
するので、衝突時に粒子の変形が容易で偏平形状になり
やすく、熱拡散が容易に行われるので、急冷に対する効
果が大きい。
【0029】本実施例の溶射装置では、成形体表面の温
度を赤外線温度計を用いて測温し、温度コントローラと
ワーク冷却ユニットを連動させることで溶射成形体の冷
却速度を総合的にコントロールすることができる。その
ため、冷却速度の異なる成形体を容易に作成でき、要求
特性にあった機械的性質を有する成形体を形成すること
ができる。
度を赤外線温度計を用いて測温し、温度コントローラと
ワーク冷却ユニットを連動させることで溶射成形体の冷
却速度を総合的にコントロールすることができる。その
ため、冷却速度の異なる成形体を容易に作成でき、要求
特性にあった機械的性質を有する成形体を形成すること
ができる。
【0030】また、減圧無酸化雰囲気としているため、
酸化物の生成は起こらず、清浄な成形体を得ることが可
能である。噴霧された微小液滴は、粉末の形で供給され
る場合と異なり、表面の酸化皮膜の影響がないので、反
応を阻害する物質がなく反応が十分進行する。
酸化物の生成は起こらず、清浄な成形体を得ることが可
能である。噴霧された微小液滴は、粉末の形で供給され
る場合と異なり、表面の酸化皮膜の影響がないので、反
応を阻害する物質がなく反応が十分進行する。
【0031】本実施例の装置を用いると、プラズマジェ
ット中に溶射される金属と同時にセラミックの粉末や繊
維等を同時に供給すれば、複合材料の溶射成形体を得る
ことも可能でありる。さらに、供給量を変化させること
で、複合される割合が順次変化した傾斜機能材料とする
ことも可能である。
ット中に溶射される金属と同時にセラミックの粉末や繊
維等を同時に供給すれば、複合材料の溶射成形体を得る
ことも可能でありる。さらに、供給量を変化させること
で、複合される割合が順次変化した傾斜機能材料とする
ことも可能である。
【0032】本実施例は溶射成形体の形成の場合につい
て説明したが、薄膜の作成もできるため、表面処理とし
ての溶射皮膜の生成にも利用できることは、当業者にと
って明らかであろう。
て説明したが、薄膜の作成もできるため、表面処理とし
ての溶射皮膜の生成にも利用できることは、当業者にと
って明らかであろう。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上で詳細に説明したように
、溶射される金属がプラズマ中に供給される前に溶融し
ているので、従来のようにプラズマ中で溶融する必要が
なく、供給後直ちに反応を始めることができる。そのた
め、反応時間が長いので、十分反応することができる。 また、温度の低いプラズマジェット周辺部に供給されて
も、温度の高い部分に供給された場合と同様に、既に溶
融しているので反応が直ちに起こる。また、これらの反
応によって生じた反応生成物がプラズマジェットによっ
て飛散させられ、基材の表面に付着した金属中に含まれ
るので、微細な反応生成物を含んだ機械的強度に優れた
溶射皮膜もしくは溶射成形体が容易に形成される。
、溶射される金属がプラズマ中に供給される前に溶融し
ているので、従来のようにプラズマ中で溶融する必要が
なく、供給後直ちに反応を始めることができる。そのた
め、反応時間が長いので、十分反応することができる。 また、温度の低いプラズマジェット周辺部に供給されて
も、温度の高い部分に供給された場合と同様に、既に溶
融しているので反応が直ちに起こる。また、これらの反
応によって生じた反応生成物がプラズマジェットによっ
て飛散させられ、基材の表面に付着した金属中に含まれ
るので、微細な反応生成物を含んだ機械的強度に優れた
溶射皮膜もしくは溶射成形体が容易に形成される。
【図1】本発明を実施する金属溶射装置の構成の一例を
示す概略図である。
示す概略図である。
【図2】実施例1の基板・溶射成形体とX,Y,Z方向
との関係を示す説明図である。
との関係を示す説明図である。
【図3】実施例2で得られた溶射成形体の金属組織写真
(倍率5000倍)である。
(倍率5000倍)である。
【図4】実施例1で得られた溶射成形体の反応生成物を
、EPMAにより線分析した結果を示すグラフである。
、EPMAにより線分析した結果を示すグラフである。
【図5】実施例2で得られた溶射成形体の反応生成物を
、EPMAにより線分析した結果を示すグラフである。
、EPMAにより線分析した結果を示すグラフである。
【図6】従来のプラズマ溶射方法を示す説明図である。
1・・・溶射ガン
2・・・基板
4・・・チャンバ
6・・・金属溶湯
7・・・プラズマジェット
10・・溶射成形体
12・・温度コントローラ
13・・ノズル
14・・ストッパ
15・・反応生成物
17・・作動ガス
Claims (1)
- 【請求項1】 金属の溶射により、基材の表面に溶射
皮膜もしくは溶射成形体を形成する金属溶射方法におい
て、溶射される金属の内の少なくとも一種の元素に対し
て反応性を有する少なくとも一種の成分を含む気体を加
熱してプラズマガス化するとともに、前記金属を溶融状
態にする工程と、該溶融状態にある金属を前記プラズマ
ガス中に供給する工程と、前記プラズマガスと前記金属
を反応させる工程と、該反応によって生ずる反応生成物
を含有した前記金属を、基材の表面に付着させる工程と
、を有することを特徴とする金属溶射方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3131558A JPH04358056A (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 金属溶射方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3131558A JPH04358056A (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 金属溶射方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04358056A true JPH04358056A (ja) | 1992-12-11 |
Family
ID=15060880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3131558A Pending JPH04358056A (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 金属溶射方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04358056A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0807963A2 (de) * | 1996-05-10 | 1997-11-19 | Itt Manufacturing Enterprises, Inc. | Verfahren zum Bearbeiten von Seitenflächen elektronischer Elemente |
US6634179B2 (en) | 1999-02-19 | 2003-10-21 | Volkswagen Ag | Process and configuration for producing wear-resistant surfaces |
-
1991
- 1991-06-04 JP JP3131558A patent/JPH04358056A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0807963A2 (de) * | 1996-05-10 | 1997-11-19 | Itt Manufacturing Enterprises, Inc. | Verfahren zum Bearbeiten von Seitenflächen elektronischer Elemente |
EP0807963A3 (de) * | 1996-05-10 | 1999-01-07 | General Semiconductor Ireland | Verfahren zum Bearbeiten von Seitenflächen elektronischer Elemente |
US6634179B2 (en) | 1999-02-19 | 2003-10-21 | Volkswagen Ag | Process and configuration for producing wear-resistant surfaces |
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