JPH0435673Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はエンジンのタイミングベルトカバーに
関する。

（従来の技術） タイミングベルトカバーはクランク軸に取付け
たクランクプーリと、カム軸に取付けたカムプー
リとにわたつて掛装されたタイミングベルトを覆
うもので、従来、第４図に示すようにヘツドカバ
ー５１、シリンダヘツド５２側に取着される裏カ
バー５３と、この裏カバー５３に取着されカムプ
ーリ５４、タイミングベルト５５等を覆う表カバ
ー５６で構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） そのため、バルブクリアランス調整等の動弁系
の点検時には、ヘツドカバー５１と表カバー５６
を夫々個別に取外さなければならず、斯かるカバ
ー５１，５６の取付け、取外し作業は面倒で、動
弁系の点検作業を簡易迅速に行うことができなか
つた。

また実公昭59−22400号公報には、ヘツドカバ
ーとタイミングベルトカバーの上部を一体にした
ものが記載されているが、タイミングベルト点検
の際にもヘツドカバーまで外さなければならず、
作業が大がかりになる上に、ヘツド内のオイルに
よりタイミングベルトまわりを汚す虞れがあり、
耐油性に劣るタイミングベルトの耐久性が低下す
る。

更に例えば実開昭57−119160号公報及び特開昭
58−72620号公報には、タイミングベルトカバー
の上部カバーとヘツドカバーを別体に形成する点
が開示されているが、これらはいずれも上部カバ
ーをエンジン側方からボルトで固定しているた
め、車両の狭いエンジンルームでは他の周辺の部
品も一緒に外さなければ上部カバーを取外すこと
ができず、作業性が悪い。

本考案は前記事情に鑑み案出されたものであつ
て、本考案の目的とする処は、動弁系点検時にお
けるヘツドカバー、タイミングベルトカバーの取
付け、取外し作業を簡易化し、動弁系の点検作業
を簡易迅速に行うことができるエンジンのタイミ
ングベルトカバーを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、エンジンの
タイミングベルトカバーをカムプーリを含む部分
を覆う上部カバーと、その他の部分を覆うカバー
とに分割し、前記上部カバーは、ヘツドカバー上
面にヘツド上方からボルトで締着し、上部カバー
とヘツドカバーの当接面には相互に係合可能な係
合部を設けたことを特徴とする。

（実施例） 以下、本考案の好適一実施例を添付図面に説明
する。

第１図はタイミングベルトカバー部分の平面
図、第２図は同・側面図、第３図は同・断面側面
図を示す。

１はシリンダヘツド、２はヘツドカバー、３は
カムプーリ、４はタイミングベルトで、タイミン
グベルトカバー５はカムプーリ３、タイミングベ
ルト４、不図示のクランクプーリを覆う如く設け
る。

前記タイミングベルトカバー５はカムプーリ３
の略上半部部分を覆う上部カバー１１と、その他
のカムプーリ３の略下半部部分をからクランクプ
ーリ側を覆うカバー１２とで構成する。

前記上部カバー１１は上面部２１と、側面部２
２とを備え、ヘツド上方から上面部２１の端部を
ボルト２３，２３を介してヘツドカバー２に取着
する。

尚、図面中２４は、ヘツドカバー２と上部カバ
ー１１の当接面に設けられたヘツドカバー２への
取付時にシール部を構成するとともに位置決めを
簡易化するための溝で、この溝２４はヘツドカバ
ー２に形成した突部２５と係合する。この溝２４
と突部２５は、第１図に示されるようにヘツドカ
バー２上面部のカム軸方向と垂直な方向にヘツド
カバー２のサイド部まで延出されている。このた
め上部カバー１１は、エンジンの軸方向と横方向
に対して位置決めでき、ボルト締着も簡単に行な
える。

前記カバー１２はシリンダヘツド１、シリンダ
ブロツク等のヘツドカバー２以外の箇所に取付
け、ヘツドカバー側分割体１１の下縁と、分割体
１２の上縁には夫々合せ部２６，２７を形成す
る。

本実施例は前記のように構成するので、タイミ
ングベルト４を点検するには、エンジンのヘツド
１１上方からヘツドカバー２上面に締着されたボ
ルト２３を外すだけで良い。又、バルブクリアラ
ンス調整等の動弁系の点検時、ヘツドカバー２の
取付ボルト３１……を取外すことより、ヘツドカ
バー２と上部カバー１１とを同時に脱着自在に取
外すことができ、カムプーリ３の略上半部とカム
軸等の動弁系部材は露出し、動弁系の点検作業を
行うことができる。

従つて、従来の如くヘツドカバー２とタイミン
グベルトカバー５とを個別に取外す必要はなく、
動弁系点検時における斯かるカバー２，５の取付
け、取外し作業を簡易に行なえ、動弁系の点検作
業を簡易迅速に行うことができる。

尚実施例においてはタイミングベルトカバーを
５を二つのカバー１１，１２で構成した場合につ
いて説明したが、タイミングベルトカバー５を分
割する個数は任意ある。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
動弁系点検時におけるヘツドカバー、タイミング
ベルトカバーの取付け、取外し作業を簡易化し、
動弁系の点検作業を簡易迅速に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はタイミングベルトカバー部分の平面
図、第２図は同側面図、第３図は同断面図、第４
図は従来のタイミングベルトカバー部分の断面側
面図である。 尚、図面中１はシリンダヘツド、２はヘツドカ
バー、３はカムプーリ、４はタイミングベルト、
５はタイミングベルトカバー、１１，１２はカバ
ーである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダヘツド上にヘツドカバーを取付ボルト
   で脱着自在に締着するとともに、エンジンのタイ
   ミングベルトカバーを、カムプーリを含む部分を
   覆う上部カバーと、その他の部分を覆うカバーと
   分割したものにおいて、 前記上部カバーは、前記ヘツドカバー上面に、
   ヘツドカバー上方からのみボルトで脱着自在に締
   着し、前記上部カバーと、ヘツドカバーとの当接
   面には、相互に係合可能な位置決め用の係合部を
   設けたことを特徴とするエンジンのタイミングベ
   ルトカバー。