JPH04356729A - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体へ情報の記録
／再生を行うことができる光学的情報記録再生装置のト
ラックエラー信号の生成の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、情報産業の発展に伴い、大容量記
憶装置として光学的情報記録再生装置が注目されてきた
。この光学的情報記録再生装置には、記録媒体として光
カードを用いて情報の記録及び／または再生を行う光カ
ード装置がある。前記光カードは、磁気カードと比較し
て数千倍ないし一万倍の記憶容量を有し、光ディスクと
同様に書換えはできないが、その記憶容量が１〜２Ｍバ
イトと大きいところから銀行用の預金通帳や携帯用の地
図あるいは買物等に用いるプリペイドカード等としての
広い応用範囲が考えられている。また、書換えができな
いということで、個人の健康管理カード等、データの改
ざんを許さないアプリケーションへの応用も考えられて
いる。また、記録媒体として、円盤状の光ディスクを用
い、記録／再生を行う光学的情報記録再生装置も各種提
案されている。

【０００３】ところで、光カードなどの光学的情報記録
再生装置においては、情報の読み取りを行うための光学
ヘッドと記録媒体との相対速度によって読み出し速度が
決定されるため、単一のトラックを照明してそのトラッ
クだけを読み出すようにすると、読み出しする速度をあ
まり速くすることができない。

【０００４】そこで、１９８９年電子通信学会秋季全国
大会予稿集Ｃ−３２５において、「二光源式光源ヘッド
による光カードリード／ライタの高速化」に記載の様に
、複数のトラックへレーザ光を照射し、複数のトラック
を同時にリードする方式が発表されている。

【０００５】また、トラックのデータをリードする際に
は、正確にトラックを追従する為に、トラッキングサー
ボが不可欠になるが、カード上のゴミ、傷などの欠陥、
あるいは外部からの振動などによりトラッキングサーボ
が外れることがない、安定なトラッキングサーボが必要
となる。

【０００６】図１５に示すように、このような光カード
１００は、該光カード１００に関する情報が記録されて
いるＩＤ部１００ｅと、情報を記録するデータ部１００
ｆとからなる光記録部１００ｇを備えていて、この光記
録部１００ｇは、光スポットをトラック方向に案内する
ための複数のガイドトラック１００ａと、この各ガイド
トラック１００ａの間に情報トラック１００ｃとを有し
ている。

【０００７】図１６は、前記予稿集Ｃ−３２５に記載し
たトラックエラー信号を検出する構成を示している。

【０００８】図１６は光カード１００の一部を示し、こ
の光カード１００は、前記ガイドトラック１００ａと、
各ガイドトラック１００ａの間に、記録ピット１００ｂ
が形成される前記情報トラック１００ｃとを有している
。光学ヘッドは、対物レンズ１０１を介して、図示しな
いレーザ光源から出射されたレーザ光を光カード１００
へ照射して、その反射光からフォトディテクタ（ＰＤ）
１０２でトラックエラー信号（ＴＥＳ）を検出する。こ
のとき、対物レンズ１０１は、ほぼ長楕円の光スポット
１０３を光カード１００へ照射している。

【０００９】この光スポット１０３は、３本のガイドト
ラック１００ａ上に照射され、その反射光は、対物レン
ズ１０１を介して、フォトディテクタ１０２へ結像され
る。フォトディテクタ１０２は、光カード１００からの
反射光が結像する位置に、上から順に、図下側に示す情
報トラック１００ｃの記録ピット１００ｂの有無を検出
する情報検出ディテクタ部１０２ａと、トラックエラー
信号を検出するためのＴＥＳ検出用ディテクタ上部１０
２ｂと、トラックエラー信号を検出するためのＴＥＳ検
出用ディテクタ下部１０２ｃと、図上側に示す情報トラ
ック１００ｃの記録ピット１００ｂの有無を検出する情
報検出ディテクタ部１０２ｄとを備えている。

【００１０】逆三角形をした前記ＴＥＳ検出用ディテク
タ上部１０２ｂと、三角形をした前記ＴＥＳ検出用ディ
テクタ下部１０２ｃとは、互いの一つの頂点が一致する
ように配設され、一対になってトラックエラー信号を検
出している。ＴＥＳ検出用ディテクタ上部１０２ｂ、及
びＴＥＳ検出用ディテクタ下部１０２ｃは、それぞれに
結像されたガイドトラック１００ａの濃淡を検出し、そ
の差をとることによってトラックエラー信号を検出する
ようになっている。このトラックエラー信号は、トラッ
キングサーボを行うための信号として用いられる。また
、情報検出ディテクタ部１０２ａ，１０２ｄによって、
二つの情報トラック１００ｃ，１００ｃの情報を同時に
検出できるようになっている。

【００１１】従来の光カード装置では、外れにくく安定
したトラッキングサーボを行うために、ＴＥＳ検出用デ
ィテクタ上部１０２ｂ，ＴＥＳ検出用ディテクタ下部１
０２ｃの形状をそれぞれ逆三角形と三角形とすることで
、トラックエラー信号の検出範囲を広げている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光カード装置は、トラックエラー信号の検出範囲をある
程度広げることはできるが、それでもトラックピッチ（
通常は１２〜２０μｍ）の約半分が限界である。その理
由は、それ以上検出範囲を広げようとすると、ＴＥＳ検
出用ディテクタ上部１０２ｂと情報検出用ディテクタ１
０２ａと、またＴＥＳ検出用ディテクタ下部１０２ｃと
情報検出用ディテクタ１０２ｄとが互いに重なりあって
しまうためである。

【００１３】また、振動等により、トラッキングサーボ
が振られ、トラックエラー信号が大きく振られている期
間は、情報ピット１００ｂが情報検出用ディテクタ１０
２ａからはずれてしまう。図１７（Ａ）はトラッキング
サーボが振られていない状態を示し、図１７（Ｂ）はト
ラッキングサーボが振られている状態を示している。図
１８に示すように、トラックエラー信号が大きく振られ
ている期間は、リード信号を得ることができなくなる。

【００１４】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、トラッキングサーボを外れにくくすると共に、トラ
ックエラー信号の検出範囲を広げるられる光学的情報記
録再生装置を提供することを目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の光学的情報記録
再生装置は、複数のガイドトラック及び複数の情報トラ
ックを有する記録媒体上に光スポットを照射して、情報
の記録、再生の少なくとも一方を行う光学的情報記録再
生装置において、記録媒体からの反射光の結像スポット
が照射される位置に配設され、かつ反射光を検出して信
号を出力する複数の光検出手段と、この複数の光検出手
段のアドレス位置を指定するアドレス位置指定手段と、
このアドレス位置指定手段の出力に応じて前記複数の光
検出手段の出力を選択する出力選択手段と、少なくとも
１つのガイドトラックの位置に対応した前記光検出手段
のアドレス位置を検出する検出手段と、この検出手段に
より検出された当該ガイドトラックの位置に対応した前
記アドレス位置指定手段のアドレス位置を保持する保持
手段と、この保持手段の出力よりトラックエラー信号を
生成するトラックエラー生成手段と、この出力選択手段
により選択された光検出手段の出力を２値化する２値化
手段と、所定の幅を有するガイドトラック検出領域を示
す信号を設定する設定手段とを備えている。

【００１６】

【作用】本発明の光学的情報記録再生装置は、複数の光
検出手段を選択して出力信号を得る一方、検出手段によ
り少なくとも１つのガイドトラックの位置に対応した前
記光検出手段のアドレス位置を検出し、このアドレス位
置を保持手段により保持し、検出手段の検出動作は、前
記出力選択手段と前記設定手段の出力に基づいて行われ
、前記設定手段によりガイドトラック検出領域を設定す
るとともに、トラックエラー生成手段により前記保持手
段の出力からトラックエラー信号を生成する。

【００１７】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１ないし図７は本発明の第１実施例に係り、図
１は光学的情報記録再生装置の概略的な構成図、図２は
光カード、対物レンズ、及びラインセンサの関係を示す
説明図、図３は光学ヘッドの概略的な構成図、図４は図
１の装置で得られるトラックエラー信号を示す説明図、
図５はサーボ引き込み時におけるウィンド範囲とガイド
トラックの関係を示す説明図、図６はトラッキング時に
おけるウィンド範囲とガイドトラックの関係を示す説明
図、図７は図１の装置のタイミングチャートである。

【００１８】図２に示す記録媒体としての光カード１は
、カードの長辺方向にガイドトラック２を延在し、この
ガイドトラック２の間に複数の情報トラック３が介在し
ている。ガイドトラック２は、後述する光学ヘッドから
の光スポットを追従させるための案内となる。また、情
報トラック３には、変調された記録情報に応じた記録ピ
ット４が記録されるようになっている。

【００１９】図１ないし図３に示す光学的情報記録再生
装置としての光カード装置５は、光カード１へ記録／再
生光を照射する光学ヘッド６を有している。図３に示す
ように、光学ヘッド６は、レーザ光を出射するレーザ光
源７、コリメ−タレンズ８、第１の反射ミラー９、及び
対物レンズ１０を介して光カード１上に光スポットを投
射する構成となっている。また、光学ヘッド６は、前記
対物レンズ１０、前記第１の反射ミラー９、第２の反射
ミラー１１、結像レンズ１２、第３の反射ミラー１３、
及び反射光を二つに分離するビームスプリッタ１４を介
して、トラックエラー信号を検出するためのラインセン
サ１５へ、光カード１からの反射光が分離された一方の
光を結像する構成となっている。さらに、光学ヘッド６
は、前記ビームスプリッタ１４で分離される他方の反射
光を入射して、フォーカスエラー信号を生成するための
フォーカスエラー用ディテクタ１７を有している。光カ
ード装置５は、フォーカスエラー信号を基に、常に光ス
ポットが合焦となるようにフォーカスサーボをかけてい
る。さらにまた、光学ヘッド６は、前記対物レンズ１０
の近傍にアクチュエータ１８を配設している。このアク
チュエータ１８は、光カード１のガイドトラック２とほ
ぼ直交する方向に対物レンズ１０を移動させるようにな
っている。また、ラインセンサ１５の検出信号は、サー
ボ信号検出器５ａに入力され、サーボ信号が生成され、
このサーボ信号に基づいて前記アクチュエータ１８を制
御するために位相補償回路５ｂ、パワーアンプ５ｃを介
して制御信号がアクチュエータ１８に入力されるように
なっている。

【００２０】図１に示すように、ラインセンサ１５は、
複数、例えば７０個の光ディテクタとしてのセル１９を
連設し、この複数のセル１９は、一つ一つがそれぞれ、
光カードからの反射光を入射して電気信号に変換して出
力するようになっている。この複数のセル１９は、図２
に示すように、対物レンズ１０（他のレンズ系などは省
略して示している）を介して複数、例えば三本のガイド
トラック２と、各ガイドトラック２に介在する情報トラ
ック３とを結像するようになっている。そして、このラ
インセンサ１５は、ガイドトラック２の位置を検出でき
るようになっていると共に、二つの情報トラック３上の
情報を同時に検出できるようになっている。

【００２１】図１に示す光カード装置５は、装置全体を
制御するタイミングコントローラ２０と、タイミングコ
ントローラ２０が出力するカウントクロックが入力され
る毎に、ラインセンサ１５のセル１９を順に選択するた
めのセレクト・アドレスを出力するセレクトアドレス発
生回路２１と、前記ラインセンサ１５のセル１９それぞ
れを各入力端へ接続していると共に、セレクトアドレス
発生回路２１が出力するセレクト・アドレスに対応する
セル１９の信号を選択して出力する第１のセレクタ２２
と、第１のセレクタ２２が選択して出力した信号を２値
化する２値化回路２３と、後述するゲート信号が入力さ
れている間に、前記カウントクロックのタイミングでセ
レクトアドレス発生回路２１が出力するセレクト・アド
レスを入力し、平均値を算出して出力する平均値回路２
４とを備えている。

【００２２】第１のセレクタ２２は、セレクトアドレス
発生回路２１が出力するアドレスを受けて、セル１９を
例えば１番から７０番まで順次走査し、つまり一走査分
の各出力信号を順次選択して、出力するようになってい
る。２値化回路２３は、選択されたセル１９が出力する
信号が、比較レベルｒ以上のときにアクティブとなる。 尚、本実施例の媒体では、ガイドトラック部とトラック
部では反射率が違うので、比較レベルｒは、ガイドトラ
ック部の反射信号のみを取り出せるように設定されてい
る。

【００２３】また、光カード装置５は、セル１９のうち
、複数の所定の位置、例えば２２番ないし２５番のセル
１９が出力する信号をそれぞれ入力して加算する加算器
２５ａと、４６番ないし４９番のセル１９が出力する信
号をそれぞれ入力して加算する加算器２５ｂとを備えて
いる。加算器２５ａ，２５ｂは、それぞれ光スポットが
照射された二つの情報トラック３の記録ピット４の有無
を情報信号として出力するようになっている。

【００２４】また、光カード装置５は、タイミング・コ
ントローラ２０が出力する保持信号によって一走査の間
、平均値回路２４が出力するアドレス平均値信号を保持
すると共に出力する保持回路２６と、保持回路２６が出
力する平均値保持信号をデジタル／アナログ変換するデ
ジタル／アナログ（Ｄ／Ａ）回路２７と、タイミング・
コントローラ２０が出力するモードセクレクト信号に応
じて、保持回路２６が出力する平均値保持信号、または
所定の値に設定された中央アドレスＶのいずれか一方を
選択して中央（基準）アドレスを出力する第２のセレク
タ２８とを備えている。ここで、タイミング・コントロ
ーラ２０は、セレクトアドレス発生回路２１が出力する
アドレスにより一走査期間を認識し、前記保持信号を制
御するようになっている。

【００２５】さらに、光カード装置５は、タイミングコ
ントローラ２０によって設定されたウィンド幅設定信号
と、セレクトアドレス発生回路２１が出力するセレクト
・アドレス、及び第２のセレクタ２８が選択した中央ア
ドレス信号を用い、この中央アドレスを基準に、例えば
中心にタイミングコントローラ２０が出力する所定のウ
ィンド幅になったときに出力するウィンド信号をアクテ
ィブとするウィンド発生回路２９とを備えている。

【００２６】さらに、光カード装置５は、ウィンド発生
回路２９が出力する所定の幅を有するウィンド信号と、
前記２値化回路２３が出力する２値化信号との論理積を
取るＡＮＤゲート３０を有し、このＡＮＤゲート３０は
、前記平均値回路２４へゲート信号を出力し、平均値回
路２４は、ゲート信号がアクティブの間だけ、セレクト
・アドレスを入力して平均値を求めるようになっている
。

【００２７】前記第２のセレクタ２８は、トラッキング
サーボ引き込み時において、固定した中心アドレスＶ、
例えばラインセンサ１５のセル１９の中心に相当するア
ドレス値を選択し、中心アドレス信号として出力するよ
うになっている。

【００２８】また、平均値回路２４は、対物レンズ１０
とガイドトラック２との相対的な位置関係に応じて、平
均値が一走査毎に更新され、例えば、対物レンズ１０と
ガイドトラック２との相対的な位置関係がずれれば、保
持回路２６が出力する信号もそれに応じて変動する。こ
のため、第２のセレクタ２８は、通常のトラッキングサ
ーボ動作時において、図２に示すように、対物レンズ１
０とガイドトラック２との相対的な位置の変動に応じて
、前回の一走査によって得られた中央アドレスを出力す
るようになっている。

【００２９】従って、ウィンド発生回路２９は、通常の
トラッキングサーボ動作時において、図２に示すように
、対物レンズ１０とガイドトラック２との相対的な位置
の変動に応じて、前回の一走査によって得られた中央ア
ドレスを中心としたウィンド幅のウィンド信号を出力し
、常に対物レンズ１０とガイドトラック２との相対的な
位置の変動に対応して、ガイドトラック２がウィンド幅
の中心となるように追従するようになっている。そして
、ＡＮＤゲート３０は、２値化回路２３を介して、ガイ
ドトラック２を結像しているセル１９の出力信号を入力
していると共に、ウィンド発生回路２９の出力がアクテ
ィブのときにゲート信号をアクティブにするようになっ
ている。

【００３０】図を参照し、トラックエラー信号を検出す
るための本発明の作用について説明する。トラックエラ
ー信号の検出には、トラッキングサーボ引き込み時、及
び引き込み終了後の通常のトラッキングサーボ動作時の
二通りが考えられるので、以下順に説明する。

【００３１】トラッキングサーボ引き込み時、すなわち
、本発明においては初期動作であり、このときのトラッ
クエラー信号の検出について説明する。なお、この場合
、ラインセンサ１５上のガイドトラック２の初期位置は
不安定である。

【００３２】ラインセンサ１５の各セル１９（１番から
７０番）から出力された信号は、第１のセレクタ２２が
指示したアドレスに相当するセル１９の出力を選択し、
２値化回路２３へ入力される。セレクトアドレス発生回
路２１は、タイミングコントローラ２０が出力する図７
（ｂ）のカウントクロックをカウントアップし、ライン
センサ１５のセル１９を順次選択するための図７（ａ）
に示すセレクト・アドレス（１番から７０番）を発生す
る。タイミングコントローラ２０は、ラインセンサ１５
の全てのセル１９が走査されると、セレクトアドレス発
生回路２１が出力するアドレスにより一走査期間を認識
し、図７（ｃ）に示すクリア信号を出力し、セレクトア
ドレス発生回路２１は、クリア信号を受けてアドレスを
クリアして一走査が終了し、再びアドレス“１”からカ
ウントアップする。従って、ラインセンサ１５のセル１
９は、順次走査され、２値化回路２３は、選択されるセ
ル１９の出力信号を比較レベルｒで比較し２値化して、
ＡＮＤゲート３０へ出力する。

【００３３】第２のセレクタ２８は、タイミングコント
ローラ２０が出力するモードセレクト信号により、中央
アドレス信号Ｖを選択してウィンド発生回路２９へ出力
する。ウィンド発生回路２９は、タイミングコントロー
ラ２０により設定されたウィンド幅設定信号と、セレク
トアドレス発生回路２１が出力するセレクト・アドレス
、及び第２のセレクタ２８が出力する中央アドレス信号
Ｖを用いて、中央アドレスＶを中心にタイミングコント
ローラ２０で設定されるウィンド幅の範囲になったとき
にのみウィンド信号をアクティブにする。中央アドレス
Ｖは、ラインセンサ１５の中心アドレスに設定され、ウ
ィンド幅は、サーボ引き込み時用の値となっている。 そして、サーボ引き込み時におけるウィンド範囲は、例
えばセル１９が“１８”個分、図５に示す点々のハッチ
ングを施した範囲となっている。

【００３４】２値化回路２３が出力する信号は、ウィン
ド発生回路２９が出力するウィンド信号と、ＡＮＤゲー
ト３０によってＡＮＤが取られ、ゲート信号となって平
均値回路２４へ入力される。そして、２値化回路２３が
出力する信号が、ガイドトラック２を結像しているセル
１９が出力した信号のとき、かつウィンド発生回路２９
が出力するウィンド信号がアクティブの時にのみ、ＡＮ
Ｄゲート３０が出力するゲート信号はアクティブとなる
。

【００３５】平均値回路２４は、ゲート信号がアクティ
ブの間だけ、セレクトアドレス発生回路２１が出力する
セレクト・アドレス値の平均を計算し、平均値信号を保
持回路２６へ出力する。タイミングコントローラ２０は
、ラインセンサ１５の一走査終了毎に保持信号を出力し
、この保持信号を受けて保持回路２６は、一走査の間、
平均値回路２４が出力するアドレス平均値信号を保持す
ると共にＤ／Ａ回路２７へ出力している。Ｄ／Ａ回路２
７は、平均値保持信号をアナログ化して、トラックエラ
ー信号として出力する。

【００３６】図５は、サーボ引き込み時におけるライン
センサ１５と、ガイドトラック２の関係を示したもので
ある。トラッキングサーボ引き込みは、記録ピット４の
無い部分で行う。例えば、未記録の情報トラック３、あ
るいはＩＤ部の外側の領域などである。図５（ａ），（
ｂ），（ｃ）の順にトラッキングサーボは引き込まれ、
図５（ｃ）では完全に引き込まれて、ウィンド範囲のほ
ぼ中央に目的のガイドトラック２が位置している状態を
示している。図４は、サーボ引き込み時において、ライ
ンセンサ１５上をガイドトラック２の像が移動したとき
、トラックエラー信号の変化を示す。図中、矢印ａ，ｂ
，ｃは、図５の（ａ），（ｂ），（ｃ）にそれぞれ対応
している。図５の（ａ）に示すように、サーボ引き込み
の対象となる目的のガイドトラック２は、ウィンド範囲
の右はじに位置しており、Ｄ／Ａ回路２７の出力信号は
、図４の矢印ａに示すピーク値となる。図５（ｂ）に示
すように、ガイドトラック２が右にやや移動した状態で
、図４の矢印ｂに示す値、そしてウィンド範囲の中央に
ガイドトラック２が位置した場合、図４の矢印ｃに示す
ように、基準レベルとなり、つまりオントラックとなる
。この様に、ラインセンサ１５上のガイドトラック２の
像は、初期位置がどこであろうと引き込みができる。

【００３７】次に、引き込み後の通常のトラッキング状
態におけるトラックエラー信号の検出について説明する
。ここで、サーボ引き込み状態から引き込み後の通常の
トラッキング状態への移行のタイミングは、タイミング
コントローラ２０が保持回路２６の出力である平均値保
持信号を読み込むことにより、この平均値保持信号が図
４のＣに対応する値を取ったとき、すなわち、目的のガ
イドトラックに位置したときから、サーボが安定するま
でに必要な所定時間を経過させてから、引き込み後の通
常のトラッキング状態へ移行したと判断し、モードセレ
クト信号を切り替えるようになっている。

【００３８】サーボ引き込み時と同様に、第１のセレク
タ２２は、順次走査されるラインセンサ１５のセル１９
からの出力信号を２値化回路２３へ出力し、図７（ｅ）
に示すように、２値化回路２３は順次走査されるセル１
９からの出力信号を２値化して、ＡＮＤゲート３０へ出
力する。

【００３９】トラッキング時において、第２のセレクタ
２８は、タイミングコントローラ２０が出力するモード
セレクト信号により、保持回路２６が出力する平均値保
持信号を中央アドレスとして選択し、ウィンド発生回路
２９へ出力する。ウィンド発生回路２９は、タイミング
コントローラ２０により設定されたウィンド幅設定信号
と、セレクトアドレス発生回路２１が出力するセレクト
・アドレス、及び第２のセレクタ２８により選択された
保持回路２６が出力する中央アドレスを用い、この中央
アドレスを中心にタイミングコントローラ２０で設定さ
れるウィンド幅の範囲になったときにのみ、図７（ｄ）
に示すようにウィンド信号をアクティブにする。このと
き、中央アドレスは平均値保持信号であり、一走査前の
ガイドトラックの中心位置を示している。

【００４０】また、ウィンド幅は、トラッキング時用の
値となっている。そして、トラッキング時におけるウィ
ンド範囲は、例えばセル１９が“１４”個分、図６に示
す点々のハッチングを施した範囲となる。尚、トラッキ
ング時に、複数のセルからなるリード用セル１９ａ，１
９ｂは、記録ピット４を読むことができる位置にあり、
加算器２５ａ，２５ｂが各出力信号を加算してそれぞれ
リード信号を出力し、情報の再生を行っている。

【００４１】２値化回路２３が出力する信号は、ウィン
ド発生回路２９が出力するウィンド信号と、ＡＮＤゲー
ト３０によってＡＮＤが取られ、図７（ｆ）に示すよう
に、ゲート信号となって平均値回路２４へ入力される。 従って、ＡＮＤゲート３０は、２値化回路２３を介して
、セル１９がガイドトラック２を結像した状態での出力
信号を入力し、かつウィンド発生回路２９が出力するウ
ィンド信号がアクティブの時にのみ、出力するゲート信
号がアクティブとなる。

【００４２】平均値回路２４は、ゲート信号がアクティ
ブの間だけ、セレクトアドレス発生回路２１が出力する
セレクト・アドレス値の平均を計算し、図７（ｇ）に示
すように平均値信号を保持回路２６及び第２のセレクタ
２８へ出力する。タイミングコントローラ２０はライン
センサ１５の一走査終了毎に出力される図７（ｈ）に示
す保持信号を出力し、この保持信号により保持回路２６
は、一走査の間、平均値回路２４が出力するアドレス平
均値信号を保持して、図７（ｉ）に示す平均値保持信号
をＤ／Ａ回路２７及び第２のセレクタ２８へ出力する。 Ｄ／Ａ回路２７は、平均値保持信号をアナログ化して、
トラックエラー信号として出力する。図６は、トラッキ
ング時におけるラインセンサ１５と、ガイドトラック２
との関係を示している。ウィンド範囲は、トラッキング
時において、ガイドトラック２を検出する範囲であり、
記録ピット４を避けた位置に設定されており、記録ピッ
ト４の影響が無い様になっている。

【００４３】ここで、図６に示すガイドトラック２の位
置が、例えばセル１９の１個分左にずれた場合、次の走
査によって第２のセレクタ２８は、前回より一つ左にず
れた中央アドレスを出力し、ウィンド発生回路２９は、
この中央アドレスを中心にしたウィンド幅のウィンド信
号をアクティブにして出力する。そして、ＡＮＤゲート
３０は、アクティブな２値化信号と、アクティブなウィ
ンド信号とによってゲート信号をアクティブとするので
、常に一走査前のウィンド範囲によってガイドトラック
２の位置を検出し、トラックエラー信号としている。

【００４４】本第１実施例では、常に一走査前のウィン
ド範囲を基にゲートを開き、セレクト・アドレスの平均
値を求めているので、光カード１上の欠陥、ゴミ、ある
いは振動等により、目的のガイドトラック２がサーボ引
き込みの中心位置よりずれても、追従するようにウィン
ド範囲もずれていく。このため、光カード１上の欠陥、
ゴミ、あるいは振動等の影響を受けず、また前述した様
に、記録ピット４や隣のガイドトラック２の影響もうけ
ず、結像スポットとラインセンサ１５の大きさの許す範
囲で、トラックエラー信号は検出できる。また、ライン
センサ１５を走査する時間は、トラッキングサーボの追
従速度より十分早い時間（例えば１００μｓｅｃ程度）
に設定されているので、光カード１上の欠陥、ゴミ、あ
るいは振動等によるガイドトラックの変化（ずれ）はほ
とんど無視でき、ウィンド範囲はこうしたずれに対して
確実に追従でき、トラックエラー信号の検出範囲を広げ
ることができる。

【００４５】尚、本第１実施例では、ラインセンサ１５
を各複数のセル１９から、それぞれ信号が出力されるも
のを用いたが、これに限らず、例えば、ＣＣＤラインセ
ンサのように、自己転送型のラインセンサを用いても良
い。

【００４６】図８ないし図１０は第２実施例に関わり、
図８は光学的情報記録再生装置の概略的な構成図、図９
はウィンド範囲とガイドトラックとの関係を示す説明図
、図１０は図８の装置のタイミングチャートである。

【００４７】第２実施例は第１実施例とほとんど同じな
ので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は第１実施例と
同じ符号をつけ、説明は省略する。

【００４８】第２実施例の光学的情報記録再生装置は、
図８に示すように、保持回路２６の出力である平均値保
持信号と後述するオフセットＦとを加算する加算器３１
と、ラインセンサ１５のすべてのセル１９に接続され前
記加算器３１の出力であるリードセルセレクトアドレス
により連続する４つのセルを選択する第３のセレクタ３
２と、この第３のセレクタ３２の出力である選択された
４つのセル出力の和を取る加算器３２とを備えている。

【００４９】ここで、図９（Ａ）に示すように、オフセ
ットＦは、ウィンド範囲でガイドトラック２の中心より
記録ピット４の中心までのセル１９の個数である。

【００５０】その他の構成は、第１実施例と同じである
。

【００５１】このように構成された第２実施例の光学的
情報記録再生装置は、保持回路２６の出力である平均値
保持信号にオフセットＦを加算器３１で加算する。この
加算器３１の出力であるリードセルセレクトアドレスを
第３のセレクタ３２に出力することにより、この第３の
セレクタ３２は、トラッキングしているガイドトラック
に対応した情報ピットの位置にある連続した４つのセル
１９を選択する。この第３のセレクタ３２により選択さ
れた連続した４つのセル１９の出力が、加算器３３で加
算されリード信号として取り出される。尚、図１０に示
すように、リードセルセレクト（ｊ）は、平均値保持信
号（ｉ）と同じタイミングで出力される。

【００５２】すなわち、図９に示すように、トラッキン
グサーボの通常時に於けるラインセンサ１５とガイドト
ラック２の関係は、トラッキングサーボが振られていな
い状態（図９（Ａ））と、欠陥等によりトラッキングサ
ーボが振られている状態（図９（Ｂ））とがあるが、ト
ラッキングサーボが振られている状態であっても、第１
実施例と同様に、ラインセンサ１５のウィンド範囲は情
報ピット４を避けて移動し情報ピット４の影響を受けな
いようにすると共に、リード用セル１９ａをウィンド範
囲の移動にともないオフセットＦだけずれた位置に移動
する。従って、トラッキングサーボが振られている状態
であっても、ラインセンサ１５の大きさの許す範囲で、
正確にトラッキングが行えると共に、情報ピット４を正
確に読み出すことができる。

【００５３】尚、リード信号は１度に１本のトラックし
かリードしないが、複数のトラックを同時にリードする
ようにしても良い。また、トラックエラー信号の検出と
リード信号の検出を同一のセンサで行っているが、これ
に限らず、別個のセンサで行っても良い。

【００５４】その他の作用、効果は第１実施例と同じで
ある。

【００５５】図１１ないし図１４は第３実施例に関わり
、図１１は光学的情報記録再生装置の概略的な構成図、
図１２は図８の装置のタイミングチャート、図１３は光
カードの欠陥に対するウィンド範囲の移動を説明する説
明図、図１４はトラッキングエラー信号を説明する説明
図である。

【００５６】第３実施例は第１実施例とほとんど同じな
ので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は第１実施例と
同じ符号をつけ、説明は省略する。

【００５７】第３実施例の光学的情報記録再生装置は、
図１１に示すように、ＡＮＤゲートの出力であるゲート
信号により、このゲート信号がアクティブである期間を
カウントクロックにより計測することでガイドトラック
２の幅を検出し、検出した幅が所定の範囲外（大きすぎ
る、あるいは、小さすぎる）のときは、ガイドトラック
２上にゴミ、傷等の欠陥がある、あるいは、ガイドトラ
ック２が切れていると判断し、欠陥検出信号を出力する
欠陥検出回路３５を備えている。尚、この欠陥検出信号
は、ラインセンサ１５の一走査が終了したときに、タイ
ミングコントローラ２０からの欠陥検出クリア信号によ
りクリアされるようになっている。

【００５８】また、この欠陥検出信号により、欠陥検出
信号がアクティブなときは、セレクトアドレス発生回路
の出力であるセレクトアドレスより後述する所定の値Ｏ
Ｆを引いたアドレスをタイミングコントローラ２０、平
均値回路２４、ウィンド発生回路２９に出力し、欠陥検
出信号がアクティブでないときは、セレクトアドレスを
出力するオフセット回路３４を備えている。

【００５９】ここで、所定の値ＯＦは、ガイドトラック
間のピッチの整数倍（例えば、ｎ倍）で、ラインセンサ
１５からはみでない範囲で設定されている。このように
所定の値ＯＦを設定することにより、ｎ本隣のガイドト
ラックでウィンド信号が発生しトラッキング信号が得ら
れるようになっている。

【００６０】その他の構成は第１実施例と同じである。

【００６１】このように構成された第３実施例の光学的
情報記録再生装置は、図１２に示すように、ラインセン
サ１５の一走査期間でウィンド信号（ｄ）がアクティブ
のときに、ゲート信号（ｆ）が所定の期間以上に出力さ
れ欠陥検出信号（ｈ）が出力されると、同一走査期間の
後半で、再びウィンド信号（ｄ）をアクティブにし、ウ
ィンド範囲を移動することにより、正常なガイドトラッ
ク部でトラックエラー信号を検出する。

【００６２】すなわち、図１３に示すように、ガイドト
ラック上に欠陥が存在したときに、ウィンド範囲が、例
えば、１本隣のガイドトラックに移動（ここではｎ＝１
にした）し、正常なガイドトラック部でトラックエラー
信号を検出する。このときのトラックエラー信号は、図
１４に示す実線のようになり、従来、点線で示すように
欠陥等により大きく振られたトラックエラー信号により
トラッキングサーボが不安定となっていたが、欠陥等の
影響を受けることなくトラッキングサーボを安定させる
ことができる。

【００６３】このように、第３実施例の光学的情報記録
再生装置は、ガイドトラックの幅を検出することで欠陥
等を検出し、欠陥を検出すると離れたガイドトラックで
トラックエラー信号を得ることで、常に安定したトラッ
クエラー信号を検出することができる。

【００６４】その他の作用、効果は第１実施例と同じで
ある。

【００６５】

【発明の効果】前述したように本発明の光学的情報記録
再生装置によれば、トラックエラー信号の検出範囲を拡
張でき、外部からの振動、記録媒体上のゴミ、傷などの
欠陥に強く、安定なトラッキングサーボを可能にするこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　第１実施例に係る光学的情報記録再生装置
の概略的な構成図である。

【図２】　　第１実施例に係る光カード、対物レンズ、
及びラインセンサの関係を示す説明図である。

【図３】　　第１実施例に係る光学ヘッドの概略的な構
成図である。

【図４】　　第１実施例に係る図１の装置で得られるト
ラックエラー信号を示す説明図である。

【図５】　　第１実施例に係るサーボ引き込み時におけ
るウィンド範囲とガイドトラックとの関係を示す説明図
である。

【図６】　　第１実施例に係るトラッキング時における
ウィンド範囲とガイドトラックとの関係を示す説明図で
ある。

【図７】　　第１実施例に係る図１の装置のタイミング
チャートである。

【図８】　　第２実施例に係る光学的情報記録再生装置
の概略的な構成図である。

【図９】　　第２実施例に係るウィンド範囲とガイドト
ラックとの関係を示す説明図である。

【図１０】第２実施例に係る図８の装置のタイミングチ
ャートである。

【図１１】第３実施例に係る光学的情報記録再生装置の
概略的な構成図である。

【図１２】第３実施例に係る図１１の装置のタイミング
チャートである。。

【図１３】第３実施例に係る光カードの欠陥に対するウ
ィンド範囲の移動を説明する説明図である。

【図１４】第３実施例に係るトラッキングエラー信号を
説明する説明図である。

【図１５】従来例に係る光カードの構成を示す構成図で
ある。

【図１６】従来例に係る光カード、対物レンズ、及び光
センサの関係を示す説明図である。

【図１７】従来例に係るトラッキングサーボの振動によ
る影響を説明する説明図である。

【図１８】従来例に係る図１７に於けるトラッキングエ
ラー信号とリード信号を説明する説明図である。

【符号の説明】

１…光カード ５…光カード装置 １５…ラインセンサ １９…セル ２０…タイミングコントローラ ２１…セレクトアドレス発生回路 ２４…平均値回路 ２６…保持回路 ２７…Ｄ／Ａ回路 ２８…第２のセレクタ ２９…ウィンド発生回路 ３０…ＡＮＤゲート

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数のガイドトラック及び複数の情報
   トラックを有する記録媒体上に光スポットを照射して、
   情報の記録、再生の少なくとも一方を行う光学的情報記
   録再生装置において、記録媒体からの反射光の結像スポ
   ットが照射される位置に配設され、かつ反射光を検出し
   て信号を出力する複数の光検出手段と、この複数の光検
   出手段のアドレス位置を指定するアドレス位置指定手段
   と、このアドレス位置指定手段の出力に応じて前記複数
   の光検出手段の出力を選択する出力選択手段と、少なく
   とも１つのガイドトラックの位置に対応した前記光検出
   手段のアドレス位置を検出する検出手段と、この検出手
   段により検出された当該ガイドトラックの位置に対応し
   た前記アドレス位置指定手段のアドレス位置を保持する
   保持手段と、この保持手段の出力よりトラックエラー信
   号を生成するトラックエラー生成手段と、この出力選択
   手段により選択された光検出手段の出力を２値化する２
   値化手段と、所定の幅を有するガイドトラック検出領域
   を示す信号を設定する設定手段とを備え、前記検出手段
   の検出動作は、前記出力選択手段と前記設定手段の出力
   に基づいて行われることを特徴とする光学的情報記録再
   生装置。
2. 【請求項２】　　前記検出手段により得られた当該ガイ
   ドトラックの位置に対応した前記光検出手段のアドレス
   位置に応じて、記録媒体上の情報トラックに記録された
   記録情報を、前記複数の光検出手段より選択して検出す
   る情報検出手段を備えたことを特徴とする請求項１に記
   載の光学的情報記録再生装置。
3. 【請求項３】　　前記検出手段により当該ガイドトラッ
   クの幅を検出する幅検出手段を備え、この幅検出手段に
   よりガイドトラックの幅が所定の範囲外の場合に、前記
   トラック検出手段は、該ガイドトラック以外のガイドト
   ラックの位置を検出することを特徴とする請求項１に記
   載の光学的情報記録再生装置。
4. 【請求項４】　　前記アドレス位置指定手段の出力によ
   り前記複数の光検出手段が順次走査されると共に、トラ
   ッキング引き込み時に所定のアドレス位置を選択し、ト
   ラッキング引き込み終了後は前記保持手段により保持さ
   れた一走査前のガイドトラックの位置に対応した前記光
   検出手段のアドレス位置を選択し、前記設定手段に切り
   換えて出力する切り換え手段を有し、前記ガイドトラッ
   ク検出領域が、この切り換え手段から出力された前記光
   検出手段のアドレス位置を中心にした所定の幅を有する
   ことを特徴とする請求項１に記載の光学的情報記録再生
   装置。