JPH0435509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は複層グラスにおいて、ガラス板間の
間隔を保持するためのスペーサに関するものであ
る。

（従来の技術） 複層グラスの互いに隣接するガラス板には、間
の間隔を一定に保持して、ガラス板同士の接触を
防止するためのスペーサが設けられている。

上記のスペーサは両ガラス板の各側縁部間に配
置され、両ガラス板を全体的に離間させているも
のの、硬質材料にて形成されているため、折り曲
げができず、円形等曲線を有するガラス板間のス
ペーサとして使用することができない。従つて、
円形状等のガラス板においては、ガラス板の曲率
に合わせてスペーサを円弧状に形成する必要があ
り、製造が面倒である。

また、四角形状等のガラス板間において使用す
るときにも、角部で折り曲げができないため、各
辺ごとに別のスペーサを使用する必要がある。従
つて、コスト高となる。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上記したように、製造が煩雑であつ
たり、スペーサを幾つも使用したりしてコスト高
になるという問題点を解決しようとするものであ
り、その目的は製造簡単にして、コストを低く抑
えることができ、併せて乾燥剤のスペースを備え
た複層グラスのスペーサを提供することにある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は上記したように、互いに隣接するガ
ラス板間に介装され、かつこれらガラス板間の間
隔を保持するためのスペーサ部材を可撓性材料に
て長尺板状に形成するとともに、このスペーサ部
材に乾燥パイプを保持するための装着孔を設けた
ものである。

（作用） この考案は上記した手段を採用したことによ
り、スペーサ部材を任意の形状に折り曲げること
ができるとともに、装着孔を通して乾燥パイプが
乾燥効果を発揮し、さらに乾燥パイプはスペーサ
部材と共にガラス板の外周に沿つて配置されるこ
とになるので乾燥パイプが容易に交換可能とな
る。

（実施例） 以下、この考案を二層ガラスのスペーサに具体
化した一実施例を図面に沿つて詳述する。

第１図に示すように、上下に接近して配設した
四角形状をなす一対のガラス板１間にはスペーサ
部材２が介装され、両ガラス板１が離間した状態
に保持されている。第２図に示すよう、このスペ
ーサ部材２は軟質の薄アルミ製長尺板をコルゲー
ト状に折り曲げて形成したものであり、両ガラス
板１の互いに対向する面の外側縁部全体に当接し
ている。

前記スペーサ部材２は第１図に示すように、一
側方向に湾曲した多数個の山部３と、これら山部
３に対応して他側方向に湾曲する谷部４とを有
し、山部３には第２図に示すように、２つの円を
連結した形状をなす装着孔５が透設されている。
これら装着孔５内にはスペーサ部材２とほぼ同長
の乾燥パイプ６が装着され、スペーサ部材２に沿
つて延びている。この乾燥パイプ６には多数個の
透孔７が形成され、さらに乾燥パイプ６内には乾
燥剤が封入されている。

また、第２図に示すように、両ガラス板１の外
縁部全体は断面チヤンネル状をなす連結枠８の保
持溝９内に係入されることにより、両ガラス板１
は自然の状態では離脱しないように係止されてい
る。

さて、上記のスペーサを複層ガラスに取付ける
方法について述べる。

まず、スペーサ部材２の装着孔５内に乾燥パイ
プ６を装着し、スペーサ部材２の長さ方向全体に
延びるように通す。この後、水平に配置した１枚
のガラス板１上において、その外周縁部全体に沿
つてスペーサ部材２を配設載置する。同スペーサ
部材２は可撓性を有する薄アルミ板にて形成され
ているため、一方のガラス板１の角部に沿つて折
り曲げることができる。

一方のガラス板１上にスペーサ部材２を載置し
たら、さらに他方のガラス板１をスペーサ部材２
上に載置する。このあと、両ガラス板１の外側縁
部全体を連結枠８の保持溝９内に係入して、両す
ガラス板１の端縁を閉塞するとともに、これらガ
ラス板１が自然な状態では互いに離脱しないよう
に保持する。

上記したスペーサ部材２は、手にて自由に曲げ
ることができるため、ガラス板１の直線部分及び
角部に使用することができ、１本のスペーサ部材
２にて両ガラス板１の間隔保持を行うことができ
る。

また、乾燥パイプ６内の乾燥剤が透孔を通して
乾燥効果を発揮するため、両ガラス板１間は常に
乾燥した状態に保持される。従つて、室内と室外
との温度差等の理由により、ガラス板１内面上に
結露が生ずることはない。

なお、この考案は上記した実施例に拘束される
ものではなく、例えばガラス板１の形状を円形、
楕円形、三角形等、任意の形状にするなど考案の
趣旨から逸脱しない限りにおいて変更は無論可能
である。

考案の効果 以上詳述したように、この考案は互いに隣接す
るガラス板間に介装され、かつこれらガラス板間
の間隔を保持するためのスペーサ部材を可撓性材
料にて長尺板状に形成するとともに、このスペー
サ部材に乾燥パイプを保持するための装着孔を設
けたことにより、スペーサ部材を任意の形状に折
り曲げて各種のガラス板形状に適用することがで
き、また装着孔を通して乾燥パイプが乾燥効果を
発揮し、さらに乾燥パイプはスペーサ部材と共に
ガラス板の外周に沿つて配置されることになるの
で乾燥パイプが容易に交換できるという優れた効
果を発揮するため、実用上好ましい考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化して示す分解斜視
図、第２図はその断面図である。 ガラス板……１、スペーサ部材……２、装着孔
……５、乾燥パイプ……６。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 複数枚のガラス板１を配設してなる複層グラ
   スにおいて、互いに隣接するガラス板１間に介
   装され、かつこれらガラス板１間の間隔を保持
   するためのスペーサ部材２を可撓性材料にて長
   尺板状に形成するとともに、このスペーサ部材
   ２に乾燥パイプ６を保持するための装着孔５を
   設けたことを特徴とする複層グラスのスペー
   サ。 ２ 前記スペーサ部材２は多数個の山部３とこれ
   ら山部３に対応する谷部４とを有するコルゲー
   ト形状に形成したものであることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の複層グ
   ラスのスペーサ。