JPH0434814A - ガス遮断器 - Google Patents

ガス遮断器

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JPH0434814A
JPH0434814A JP14033390A JP14033390A JPH0434814A JP H0434814 A JPH0434814 A JP H0434814A JP 14033390 A JP14033390 A JP 14033390A JP 14033390 A JP14033390 A JP 14033390A JP H0434814 A JPH0434814 A JP H0434814A
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Naohiro Kaneman
金万 直弘
Osamu Kojima
小嶋 統
Takao Asakura
朝倉 孝夫
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、自刃消弧方式とアーク回転形の消弧方式とを
併用したガス遮断器の改良に関するものである。
[従来の技術] ガス遮断器の消弧方式として、自刃消弧方式とアーク回
転形の消弧方式とが知られている。自刃消弧方式では、
アーク発生空間を囲むように昇圧室を設けてアーク発生
時に該昇圧室内の圧力を上昇させ、該昇圧室内から流出
するガスをアークに吹き付けることにより消弧させる。
アーク回転形の消弧方式では、固定アーク接触子を囲む
ようにアーク駆動コイルを設けて、アーク発生時にアー
ク電流により該駆動コイルを励磁し、該駆動コイルから
生じる磁束をアークと鎖交させる。これによりアークに
回転力を与えてアークをガス空間で高速回転させ、この
アークの回転によりアークに相対的にガスを吹き付けて
消弧させる。
自刃消弧方式とアーク回転形の消弧方式とを併用したガ
ス遮断器として、特開昭64−21839号に示された
ものがある。第7図ないし第9図はこの種のガス遮断器
の構成を概略的に示したもので、同図において1は固定
側の主回路導体、2は可動側の主回路導体、3は昇圧室
、4は環状の固定アーク接触子、5は可動導体6の先端
に設けられた可動アーク接触子、7はアーク駆動コイル
、8は環状のアークランナである。
昇圧室3は、固定アーク接触子4の可動アーク接触子側
の一端及び可動アーク接触子と反対側に位置する他端に
それぞれ対向する第1及び第2の端部壁3a及び3bと
、固定アーク接触子4の周囲を囲む周壁部3cとを有し
、固定アーク接触子4は第2の端部壁3bに間隔をあけ
て設けられたリブ3d(第9図参照)に接続されている
。この昇圧室の第1の端部壁3aは絶縁材料からなって
いるが、第2の端部壁3b及び周壁部3cは導電材料か
らなり、第2の端部壁3bが固定側主回路導体1に接続
されている。第1の端部壁3aの中央には、可動アーク
接触子を貫通させる孔3eが設けられ、可動アーク接触
子5はこの孔3eを通して昇圧室3内に進入して固定ア
ーク接触子4に接触する。
可動接触子5はその内部にガス通路5aを有していて、
このガス通路5aの一端は可動接触子の先端に開口し、
他端は連通孔5bを通して外部に連通している。第7図
に示すように可動接触子が投入位置にあるときには連通
孔5bが昇圧室3内に位置して昇圧室内を密封し、可動
接触子が固定接触子から離れて所定の距離移動したとき
に第8図に示すように連通孔5bが昇圧室3外に出て昇
圧室内を外部に連通させるようになっている。
可動導体6は図示しない絶縁操作棒を介して操作器に連
結され、該可動導体6の変位に伴って、可動アーク接触
子5が第7図に示すように固定アーク接触子4に接触す
る投入位置と、第8図に示したように該固定アーク接触
子4から所定の絶縁距離を隔てた遮断位置との間を変位
させられるようになっている。
アーク駆動コイル7は固定アーク接触子4を囲むように
設けられていて、その一端は固定アーク接触子4の基部
に接続され、他端はアークランナ8に接続されている。
上記の各部はSF6ガスが封入された遮断器容器内に収
納されている。
上記のガス遮断器において、可動アーク接触子5が固定
アーク接触子4から離れると、両アーク接触子間にアー
クAが生じる。アークAが生じると、そのエネルギーに
より昇圧室3内の圧力が急上昇する。アークAがアーク
ランナ8に接触すると、アーク駆動コイル7に電流が流
れるため、該駆動コイルから磁束が生じ、この磁束がア
ークAに鎖交する。これによりアークに回転力が与えら
れ、アークAはアークランナ8に沿って高速回転する。
これによりアークAに相対的にガスが吹き付けられ、ア
ークが冷却される。
可動接触子5が所定の距離移動し、連通孔5bが昇圧室
3外に出ると、昇圧室3内のガスがガス通路5aと連通
孔5bとを通して流出し、このとき生じるガス流がアー
クAに吹きつけられる。アークAはアークの回転による
相対的なガスの吹きつけと、昇圧室3から流出するガス
の吹きつけとの双方により冷却され、電流零点で消弧す
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来のガス遮断器では、昇圧室3の可動アーク接触子側
の第1の端部壁3aが絶縁材料からなっていたため、金
属により構成した場合に比べこの端部壁3aが機械的強
度上弱点になる。昇圧室内の圧力はアーク発生時にその
強大なエネルギーにより爆発的に上昇するが、従来の遮
断器では、上記のように絶縁性の端部壁3aの存在によ
り昇圧室の機械的強度の向上に限界があったため、内圧
の上昇に対する機械的な強度に不安があった。
また従来のガス遮断器では、固定接触子4及びアークラ
ンナ8に対し、径が小さい可動アーク接触子が突き出た
構造を有しているため、可動ア−り接触子4の先端付近
に電界の集中が生じて可動アーク接触子の先端付近の電
位傾度が高くなり、この部分が遮断性能上及び耐電圧性
能上大きな弱点となるという問題があった。
特に昇圧室3の周壁部3Cが導電材料により形成されて
いる場合には、可動アーク接触子の先端付近の電界分布
の影響により遮断性能が大幅に低下することが明らかに
なった。
更に上記のように、遮断時に可動アーク接触子5が昇圧
室3内に残っている構造にした場合には、アーク発生時
に生じた接点金属の蒸気が端部壁3aの表面に付着した
り、アーク熱により端部壁3aを構成する絶縁物の一部
が炭化したりした場合でも、昇圧室3の周壁部3Cと可
動アーク接触子5との間の絶縁が損なわれないようにす
るため、端部壁3aの沿面距離を十分に長くしておく必
要があった。そのため可動アーク接触子5と昇圧室の周
壁部3cとの間の距離を十分に長くしておく必要があり
、可動アーク接触子5と周壁部3Cとの間に無駄な空間
9が生じるのを避けられなかった。
上記のガス遮断器では、昇圧室3、アーク駆動コイル7
、アーク接触子4,5の位置関係と、昇圧室3のガス容
積とが遮断性能に微妙に影響するため、上記のように無
駄なガス空間を要することは設計上大きなネックになり
、このことが遮断性能の向上の妨げになっていた。
また上記のように、遮断時に可動アーク接触子5が昇圧
室3内に残っている構造にした場合には、昇圧室からの
ガスの流出により、アーク消滅直後の接触子間の空間の
ガスの密度が低くなるため、回復電圧に対する接触子間
の空間の耐電圧性能が低くなり、遮断性能が低下すると
いう問題もあった。
更に、この種のガス遮断器では、アークを高速回転させ
るためにできるだけ多くの磁束をアークに直角に鎖交さ
せる必要があるが、アーク駆動コイル及びアーク接触子
間の配置を考慮した上で多くの磁束をアークに直角に鎖
交させるように設計することは容易ではなかった。
本発明の1つの目的は、昇圧室の強度を高くして内圧の
上昇に対する不安を無(したガス遮断器を提供すること
にある。
本発明の他の目的は、アーク消滅直後の接触子間の空間
のガス密度の低下を防いで遮断性能の向上を図ったガス
遮断器を提供することにある。
本発明の他の目的は、昇圧室内に無駄なガス空間を生じ
させないようにしたガス遮断器を提供することにある。
本発明の他の目的は、可動アーク接触子の先端付近の電
界の影響による遮断性能の低下を防止したガス遮断器を
提供することにある。
本発明の更に他の目的は、アーク駆動コイルから発生す
る磁束を有効に利用してアークを高速回転させることが
できるようにしたガス遮断器を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、固定アーク接触子と、固定アーク接触子に接
触する投入位置と該固定アーク接触子から離れた遮断位
置との間を変位自在な可動アーク接触子と、固定アーク
接触子の可動アーク接触子側の一端及び可動アーク接触
子と反対側に位置する他端にそれぞれ対向する第1及び
第2の端部壁と固定アーク接触子の周囲を囲む周壁部と
を有する昇圧室と、昇圧室内に設けられたアーク駆動コ
イルとを備えたガス遮断器に係わるものである。
本発明においては、昇圧室の第1及び第2の端部壁と周
壁部とが良導電性の金属からなっていて固定アーク接触
子に電気的に接続されている。
昇圧室の第1の端部壁には固定アーク接触子に整合する
絶縁ノズルが取り付けられ、可動アーク接触子は絶縁ノ
ズルを通して固定接触子に接触するように設けられてい
る。また昇圧室の第1の端部壁の一部にはアーク駆動コ
イルに対向する短絡環が構成されている。
上記可動アーク接触子は、遮断位置にあるときに絶縁ノ
ズルから離脱して昇圧室の外部に引き出されるように設
けることが好ましい。
可動アーク接触子の先端付近の電界を緩和するため、上
記可動アーク接触子を外側から囲むように電界緩和用の
シールドを設けるのが好ましい。
アーク接触子の他に主接触子を設けて、主回路電流を該
主接触子を通して流す構成をとる場合には、上記昇圧室
の一部に固定主接触子を設けて、該固定主接触子に接触
する投入位置と該固定主接触子から離れた遮断位置との
間を変位する可動主接触子を更に設ける。
電界緩和用シールドを設ける場合、上記可動主接触子は
シールドの内側に配置するのが好ましい。
[作 用コ 上記のように、昇圧室全体を良導電性の金属材料により
形成すると、昇圧室の機械的な強度を高めることができ
るため、昇圧室の内圧を十分高めるように設計すること
ができる。
また上記のように昇圧室の第1の端部壁に短絡環を構成
しておくと、アーク駆動コイルから磁束が生じたときに
該短絡環に循環電流が流れる。この循環電流により生じ
る磁界により、駆動コイルから生じた磁束を有効にアー
クに鎖交するさせるため、アークに鎖交する磁束の量が
多くなり、アークをより高速で回転させて遮断性能を向
上させることができる。
更に上記のように可動アーク接触子を囲むようにシール
ドを配置すると、可動アーク接触子の先端付近の電界を
緩和することができるため、遮断性能の向上を図ること
ができる。
また上記のように、昇圧室を導電材料により形成して、
遮断の際に可動接触子が絶縁ノズルから離脱して昇圧室
の外部に引き出されるようにしておくと、固定アーク接
触子と可動アーク接触子との間に生じる回復電圧の大部
分は、昇圧室外の可動アーク接触子と昇圧室との間の空
間が分担することになり、ガス密度が小さく、絶縁耐力
の回復が遅い昇圧室内の空間はほとんど回復電圧を負担
しない。そして回復電圧の大部分を分担する可動アーク
接触子の先端部付近の空間は、シールドにより電界の緩
和が図られ、しかも電流遮断後新鮮なガスにより速やか
にガスの置換が行われて、速やかにその絶縁耐力の回復
が図られるため、遮断性能が大幅に向上する。
したがって昇圧室内のアーク発生空間の周囲に特に大き
な空間を確保しておく必要がなく、昇圧室内の無駄な空
間が設計のネックになるのを防ぐことができる。
[実施例コ 以下添付図面を参照して本発明の詳細な説明する。
第1図ないし第6図は本発明の実施例を示したもので、
第1図及び第2図はそれぞれ投入状態及び遮断状態を示
す断面図、第3図及び第4図は遮断動作を説明するため
の断面図、第5図及び第6図は遮断動作時の可動アーク
接触子付近の電界分布を示す断面図である。
本実施例において、10は昇圧室、11は昇圧室10内
に配置された固定アーク接触子、12は第1図に示すよ
うに固定アーク接触子11に接触する投入位置と第2図
に示すように固定アーク接触子11から離れた遮断位置
との間を変位自在な可動アーク接触子、13は昇圧室1
0内に設けられたアーク駆動コイル、14はアークラン
ナである。
昇圧室10は、固定アーク接触子11の可動アーク接触
子側の一端及び可動アーク接触子と反対側に位置する他
端にそれぞれ対向する第1及び第2の端部壁10a及び
10bと固定アーク接触子11の周囲を囲む周壁部10
cとを有し、本発明においてはこれらの壁部10aない
し10cが全てアルミニウム等の良導電材料からなって
いる。
第2の端部壁10bは円板状に形成されていて、固定側
主回路導体を兼ねており、この端部壁10bには端子1
5が接続されている。
第1の端部壁10a及び周壁部10cはそれぞれ、カッ
プ状に形成された円筒体の底壁部及び周壁部からなり、
第2の端部壁10bは周壁部10Cの開口端部に気密に
接続されている。
第1の端部壁10aの中央には段部が形成された孔10
dが設けられ、この孔10dにテフロン(商品名)等の
耐アーク性を有する絶縁材料からなるノズル16が取付
けられている。ノズル16には銅等の導電性が極めて良
好な材料からなる環状導体により形成された短絡環10
eが鋳込まれていて、短絡環10eの外周側に形成され
た段部が孔10dの段部に嵌合され、短絡環10eと端
部壁10aとがネジ10fにより接続されている。
このようにノズル16を端部壁10aに接続した状態で
短絡環10eの内面及び外面がそれぞれ端部壁10aの
内面及び外面と同一平面上に位置して、短絡環10eが
端部壁10aの一部を成すようになっている。短絡環1
0eを構成する金属としては端部壁10aを形成する金
属よりも導電性が十分に高いものを用いるのが好ましい
が、端部壁10aの金属と同種の金属(銅またはアルミ
ニウム等)を用いても効果は得られる。
尚短絡環10eを別部材とせずに、端部壁10aの中央
に設けられた孔の周辺部を短絡環として用いるようにし
ても良い。
固定アーク接触子11は円筒体の周壁部にスリットを入
れて弾性を持たせることにより多数の接触子片を形成し
た公知の構造を有し、その基部に設けられた鍔部11a
が端部壁10bに一体に設けられたリブ10gに接続さ
れている。リブ10gの設は方は第8図に示したリブ3
dの設は方と同様である。
アーク駆動コイル13は、固定アーク接触子11を同心
的に囲むように設けられていて、その−端は固定アーク
接触子11の基部11aに接続され、他端はアークラン
ナ14に接続されている。
アークランナ14は環状の導電板からなっていて、その
内周部を固定アーク接触子11の先端部に近接させた状
態で配置されている。
昇圧室10、短絡環10e及び絶縁ノズル16は固定ア
ーク接触子11及びアーク駆動コイル13と中心軸線を
共有するように設けられている。
可動アーク接触子12は絶縁ノズル16に摺動自在に嵌
合し得る棒状の導体からなっていて、その先端は球面状
に形成されている。可動アーク接触子12の後端部外周
にはネジ12aが設けられていて、ネジ12aが管状の
可動導体20の先端に設けられたネジ部20aに螺合さ
れている。可動導体20の先端部には円盤状の導体21
が接合され、この導体21の外周に設けられた溝21a
内に周方向に並べて配置された多数のフィンガ状接触子
片22.22.・・・の一端が嵌合されている。
接触子片22の一端を取り囲むように保持バネ23が設
けられて該保持バネの付勢力により接触子片22,22
.・・・が導体21に保持されている。
また接触子片22.22.・・・の先端部を外側から囲
むように接圧バネ24が設けられ、接触子片22、保持
バネ23及び接圧バネ24により可動主接触子25が構
成されている。
この例では、昇圧室10の第1の端部壁10a側の外周
部が固定主接触子26として用いられ、第1図に示すよ
うに遮断器が投入状態になる際には、可動アーク接触子
12が固定アーク接触子11に接触した後に可動主接触
子25が固定主接触子26に外側から接触し、第2図に
示したように遮断器が開かれる際には、可動主接触子2
5が固定主接触子26から離れた後に可動アーク接触子
12が固定アーク接触子11から離れるように可動主接
触子25及び固定主接触子26と、可動ア−ク接触子1
2及び固定アーク接触子11との位置関係が設定されて
いる。
可動導体20の先端に設けられた導体21の外周部には
また、円筒状の電界緩和用シールド27が取付けられて
いる。シールド27は、その一端の内周を導体21の外
周部にネジ結合することにより取付けられている。シー
ルド27の他端には可動主接触子25の先端を収容する
溝部27aが設けられている。
可動主接触子25を支持している導体21を貫通して複
数の通気孔21bが設けられ、可動主接触子25の内側
のガス空間が通気孔21bを通して可動導体20側のガ
ス空間に連通している。
可動導体20は可動側主回路導体30に設けられたボス
部30aに摺動自在に嵌合され、図示しない絶縁操作棒
を介して操作器に連結されている。
ボス30aには、多数のフィンガ状接触子片31゜31
、・・・と保持バネ32及び接圧バネ33とからなる集
電用の接触子34が支持され、この接触子34を介して
可動導体20と導体30とが電気的に接続されている。
導体30には端子35が接続されている。
上記の各部は図示しない遮断器容器内に収納され、該遮
断器容器内にはSF6ガスが所定の圧力で封入されてい
る。
上記の遮断器が第1図に示すように投入状態にあるとき
には、端子15一端部壁10b−周壁部10c−固定接
触子26−可動主接触子25−導体21−可動導体2〇
−集電接触子34−導体3〇一端子35の経路及び端子
15一端部壁10b−固定アーク接触子11−可動アー
ク接触子12−可動導体2〇−集電接触子34−導体3
〇一端子35の経路で主回路電流が流れる。
遮断器を開くため、可動導体20を第1図において下方
に移動させると、先ず可動主接触子25が固定主接触子
26から離れ、次いで可動゛アーク接触子12が固定ア
ーク接触子11から離れる。
これにより第3図に示すように、両アーク接触子間にア
ークAが発生する。このアークAがアークランナ14に
接触するとアーク駆動コイル13に励磁電流が流れ、駆
動コイル13から磁束φが発生する。この磁束φはアー
クAと鎖交するためアークAに回転力が与えられ、アー
クAはアークランナ14に沿って高速で回転する。これ
によりアークAに相対的にガスが吹き付けられ、アーク
Aが冷却される。
消弧性能を向上させるためにはアークAの回転速度を高
めることが必要であり、そのためにはアークAと直交す
る磁束を多くすることが必要である。
上記の実施例においては、アーク駆動コイル13から磁
束φが発生したときに短絡環10eを通して第3図に示
すような循環電流■が流れる。第3図においてノズル1
6の右側に示されたX印は同図の紙面の表面側から裏面
側に電流Iが流れていることを意味しており、ノズルの
左側に示された黒丸印は紙面の裏面側から表面側に電流
Iが流れていることを示している。この循環電流■によ
′り生じる磁界により、駆動コイル13から生じた磁束
の漏洩が防止され、有効にアークに作用するためアーク
Aに鎖交する磁束の量が増え、アークAに与えられる回
転力が増大する。
また可動アーク接触子12が固定アーク接触子11から
離れることによりアークAが発生すると、その強大なエ
ネルギーにより、昇圧室10内の圧力が上昇する。第4
図に示したように可動アーク接触子12が絶縁ノズル1
6から抜は出ると、矢印Gで示したように昇圧室10内
のガスがノズル16を通して噴出し、このガスがアーク
Aに吹き付けられる。昇圧室から流出するガスの吹き付
けと、アークAの高速回転による相対的なガスの吹き付
けとの相乗効果によりアークAが速やかに冷却され、電
流の零点で消弧する。
また昇圧室10からノズル16を通して流出してアーク
Aを横切ったガスの一部はシールド27の周囲の空間に
流れ、他の一部は矢印G′で示したように可動主接触子
25の内側及び通気孔21bを通して流れる。これらの
ガスの流れにより、可動アーク接触子12と昇圧室10
との間の空間のガスが速やかに新鮮なガスと置換され、
アーク発生空間の絶縁耐力の回復が図られる。
昇圧室から流出するガスの吹き付けによる消弧性能を向
上させるためには、昇圧室からできるだけ大量のガスを
流出させてアークに吹き付けることが必要であり、その
ためにはアーク発生時に昇圧室内の圧力を十分に上昇さ
せることが必要である。本発明においては、昇圧室全体
が金属により構成されるため、その機械的強度を十分高
くすることができ、内圧の上昇に対する強度の不安をな
くすことができる。第5図に電流遮断直後の状況を示し
ている。
上記の実施例においては、昇圧室10が固定側の端子1
5に電気的に接続され、電流遮断時には可動アーク接触
子12がノズル16から抜は出ているため、回復電圧の
大部分は可動アーク接触子12と昇圧室10との間の空
間S1で分担することになり、電流遮断時にガス密度が
薄くなっている昇圧室内の空間S2にはほとんど回復電
圧が加わらない。
したがってノズル16と昇圧室10の周壁部1OCとの
間の沿面距離を特に長くしておく必要がないので、昇圧
室10内に無駄なガス空間が生じるのを防ぐことができ
る。
第5図及び第6図は可動アーク接触子の先端付近の電流
遮断時の電界Eの分布を示したもので、第5図は電流遮
断直後の状態を示し、第6図は可動アーク接触子12が
遮断位置に停止した状態を示している。
これらの電界分布から明らかなように、可動アーク接触
子12を外側から囲むようにシールド27を設けたこと
により、回復電圧の大部分を分担する空間S1の電界分
布を緩和することができ、しかも前述のようにこの空間
のガスの置換を速やかに行うことができるため、電流遮
断時に回復電圧の大部分を分担する空間S1の耐電圧性
を高めることができ、遮断性能を高めることができた。
上記の実施例では、固定アーク接触子及び可動アーク接
触子の他に、固定主接触子及び可動主接触子を設けてい
るが、固定主接触子及び可動主接触子は省略する場合も
ある。
上記の実施例では、絶縁ノズル16に短絡環10eを鋳
込んでいるが、短絡環を別部材とせずに昇圧室10の第
1の端部壁に設けた孔の周辺部を短絡環として用いて、
この孔に絶縁ノズル16を取り付けるようにすることも
できる。
上記の実施例では、固定アーク接触子11を昇圧室11
の第2の端部壁10bに設けたリブ(固定台)に取り付
けたが、昇圧室10の周壁部10Cに設けたリブに固定
アーク接触子11を支持させるようにしても良い。
[発明の効果コ 以上のように、本発明によれば、昇圧室全体を良導電性
の金属材料により形成したので、昇圧室の機械的な強度
を高めることができ、機械的強度上の不安を伴うことな
しに昇圧室の内圧を十分高めるように設計して遮断性能
の向上を図ることができる。
また本発明によれば、昇圧室の第1の端部壁に短絡環を
構成して、アーク駆動コイルから磁束が生じたときにこ
の循環電流により生じる磁界により、駆動コイルから生
じた磁束の漏洩を防止し、有効に磁束をもアークに鎖交
させるようにしたため、アークに鎖交する磁束の量が多
くなりアークをより高速で回転させることができ、これ
により遮断性能の向上を図ることができる利点がある。
また請求項3に記載した発明によれば、可動アーク接触
子を囲むようにシールドを配置したことにより、可動ア
ーク接触子の先端付近の電界を緩和することができるた
め、遮断性能の向上を図ることができる。
更に請求項3に記載した発明によれば、昇圧室を導電材
料により形成し、遮断の際に可動接触子が絶縁ノズルか
ら離脱して昇圧室の外部に引き出されるように構成した
ので、固定アーク接触子と可動アーク接触子との間に生
じる回復電圧の大部分を、絶縁耐力の回復が早い昇圧室
外の可動アーク接触子と昇圧室との間の空間で分担させ
ることができる。そして回復電圧の大部分を分担する可
動アーク接触子の先端部付近の空間は、シールドにより
電界の緩和が図られ、しかも電流遮断後新鮮なガスによ
り速やかにガスの置換が行われて、速やかにその絶縁耐
力の回復が図られるため、遮断性能を大幅に向上させる
ことができる。
したがって請求項3に記載した発明によれば、昇圧室内
のアーク発生空間の周囲に特に大きな空間を確保してお
く必要がなく、昇圧室内の無駄な空間が設計のネックに
なるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本発明の実施例を示したもので、
第1図及び第2図はそれぞれ投入状態及び遮断状態を示
す断面図、第3図及び第4図は遮断動作を説明するため
の断面図、第5図及び第6図は遮断動作時の可動アーク
接触子付近の電界分布を示す断面図である。第7図及び
第8図はそれぞれ従来の遮断器の投入状態及び遮断状態
を示す断面図、第9図は第8図のIX−IX線断面図で
ある。 10・・・昇圧室、10a・・・第1の端部壁、10b
・・・第2の端部壁、10c・・・周壁部、10e・・
・短絡環、11・・・固定アーク接触子、12・・・可
動アーク接触子、13・・・アーク駆動コイル、14・
・・アークランチ、 16・・・絶縁ノズル、 20・・・可動導体。 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)固定アーク接触子と、前記固定アーク接触子に接
    触する投入位置と該固定アーク接触子から離れた遮断位
    置との間を変位自在な可動アーク接触子と、前記固定ア
    ーク接触子の可動アーク接触子側の一端及び可動アーク
    接触子と反対側に位置する他端にそれぞれ対向する第1
    及び第2の端部壁と前記固定アーク接触子の周囲を囲む
    周壁部とを有する昇圧室と、前記昇圧室内に設けられた
    アーク駆動コイルとを備えたガス遮断器において、前記
    昇圧室の第1及び第2の端部壁と周壁部とが良導電性の
    金属からなっていて前記固定アーク接触子に電気的に接
    続され、 前記昇圧室の第1の端部壁には前記固定アーク接触子に
    整合する絶縁ノズルが取り付けられ、前記可動アーク接
    触子は前記絶縁ノズルを通して前記固定接触子に接触す
    るように設けられ、前記昇圧室の第1の端部壁の一部に
    前記アーク駆動コイルに対向する短絡環が構成されてい
    ることを特徴とするガス遮断器。
  2. (2)前記可動アーク接触子は前記遮断位置にあるとき
    に前記絶縁ノズルから離脱して前記昇圧室の外部に引き
    出されるように設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載のガス遮断器。
  3. (3)前記可動アーク接触子を外側から囲むように、可
    動アーク接触子の先端付近の電界を緩和する電界緩和用
    のシールドが設けられていることを特徴とする請求項2
    に記載のガス遮断器。
  4. (4)前記昇圧室の一部に固定主接触子が設けられ、 前記固定主接触子に接触する投入位置と該固定主接触子
    から離れた遮断位置との間を変位する可動主接触子が更
    に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1つに記載のガス遮断器。
  5. (5)前記昇圧室の一部に固定主接触子が設けられ、 前記固定主接触子に接触する投入位置と該固定主接触子
    から離れた遮断位置との間を変位する可動主接触子が前
    記シールドの内側に配置されていることを特徴とする請
    求項3に記載のガス遮断器。
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