JPH04346043A - 磁歪式トルクセンサ用磁歪検出体及びその製造方法 - Google Patents

磁歪式トルクセンサ用磁歪検出体及びその製造方法

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JPH04346043A
JPH04346043A JP12028891A JP12028891A JPH04346043A JP H04346043 A JPH04346043 A JP H04346043A JP 12028891 A JP12028891 A JP 12028891A JP 12028891 A JP12028891 A JP 12028891A JP H04346043 A JPH04346043 A JP H04346043A
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孝夫 中西
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非接触でトルクを検出で
きる磁歪式トルクセンサの磁歪検出体及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルク伝達軸の表面に磁気歪み効果をも
つ磁歪検出層を設け、その外周にソレノイドコイルを配
した磁歪式トルクセンサが特開昭60−206421号
公報などで述べられている。
【0003】このトルクセンサの検出原理であるが、磁
歪層を設けた軸に回転トルクが加わると、磁歪層にも回
転方向に対して45°の方向に主応力がかかり歪みが発
生する。それが磁気的な異方性となって透磁率の変化を
生じる。このトルクに依存した透磁率の変化をソレノイ
ドコイルのインダクタンスの変化として電気信号で出力
することによりトルクの大きさおよび方向を検出してい
る。
【0004】この種の磁歪検出方法は古くから知られて
いる。このセンサの信頼性及び耐久性は磁歪検出層の形
成方法によって決まることになる。現在までに発表され
ている磁歪検出層の形成方法は、軸の表面に非晶質合金
などの磁歪材料を接着剤で接着する方法やパーマロイ等
の磁歪合金をスパッタリングまたは湿式めっき等で形成
したもの等がある。
【0005】すなわち、非晶質合金を接着した例は特開
昭59−166827号公報がある。この場合の接着に
は樹脂系又はセラミック系の接着剤あるいはろう材等が
使用されているが、接着剤では樹脂系、セラミック系と
もに非晶質合金との物性値に大きな差があること等で繰
返し応力下での耐久性の上で改善すべき点がある。また
ろう材の場合はろう材を薄くした状態でもろう材部のク
リープ等長期間の耐久性の点で改善を要している。
【0006】次に、スパッタリングを用いたものは特開
昭60−42628号公報がある。スパッタリング法は
密着性が高く耐久性の上では優れているが、合金材をス
パッタする場合、検出素子材を構成する各元素によりス
パッタ率が異なること、ターゲットと被処理物の角度と
距離、ターゲットの結晶方位と結晶粒の大きさ等によっ
て膜の組成が大きく変化することが多いのでセンサとし
ての特性の再現性の上で改善すべき課題が多い。また、
成膜速度が遅いため被膜を形成するのに長時間を要し、
生産性及び成膜価格の上で課題がある。
【0007】湿式めっきにより軸表面にパーマロイ膜を
形成したのち熱処理して残留応力を除去したもの(特開
昭62−206421号公報)も発表されている。
【0008】この方法は密着力、膜組成の制御の上では
優れた方法であるが、トルクセンサ用磁歪検出膜として
、めっきのままでは膜に残留応力があるためトルク検出
の直線性、感度等の特性にばらつきが多い。これを改善
するために熱処理を要し生産性の上で必ずしも十分では
ない。また、めっき膜が数〜数10μmと薄い場合は基
材の磁気特性がトルク検出特性に影響を及ぼすため基材
に非磁性材を用いなければならない。
【0009】次に軸面に磁性材料をプラズマ溶射法で設
けたトルクセンサが特開昭63−297545号公報に
発表されている。この方式は検出素子部の成分の再現性
、被膜厚さ制御性、生産性の上では優れている。
【0010】しかし、このトルクセンサはFe−Al合
金を用い被膜中の不規則相と規則相の比率に関し検討し
特性の向上を図っている。溶射層の場合は粉末或いは線
材を原料として用いるが溶射の際はいずれも数μm〜数
100μmの粒子となって基材面に吹き付けられて成膜
する。従って、溶射層はこの粒子の積層構造となり、繰
り返し応力が加わる条件下では粒子間の結合が重要にな
る。その被膜に関してはあまり検討されておらず耐久性
に関して十分に配慮されていない。
【0011】また溶射法では溶製材等とは異なり被膜内
に酸素が多量に混入することになり、この酸素が物性の
ばらつきと耐久性に影響を及ぼすが、この点についても
十分に配慮されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な問題点に鑑みなされたもので、トルク伝達軸との密着
性が良く、繰り返し応力に対しても安定した出力特性を
示し、検出感度及び再現性に優れた磁歪検出体を高い生
産性で得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記のよう
な目的を達成するため、金属系の円筒状または円柱状の
トルク伝達軸の外周面に磁気歪み効果を有する物質の1
層以上の層を設けてなるトルクセンサ用磁歪検出体にお
いて、最表層の磁性体層の厚さが0.03〜1.0mm
で、層内が結晶質で、その結晶化率が90%以上で、平
均結晶粒径が200μm以下である磁性体層を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0014】またこの発明は、金属系の円筒状または円
柱状のトルク伝達軸の外周面に磁気歪み効果を有する物
質の1層以上の層を設けてなるトルクセンサ用磁歪検出
体において、少くとも最表面のNi−Fe層をプラズマ
溶射法で設けることを特徴とするものである。
【0015】すなわち、発明者らは回転トルクにより回
転軸最表面に発生する歪量と、これに起因する透磁率の
変化を再現性よく検出するためのコイルに印加する高周
波の周波数と有効深さ、及びこれを具現化するための膜
組成と膜構造及び膜形成法による特性の安定化に関して
鋭意研究を行った。
【0016】ここでは、φ25、肉厚2tのSUS30
4基材に磁歪膜を形成した。この回転軸に約10N・m
のトルクが加わった場合の表面層での変位を算出すると
数μmのオーダである。一方、この歪を検出するための
高周波の検出有効深さは周波数を50KHzとすると3
0μm程度である。
【0017】次にトルクを正確に安定して再現性よく高
い耐久性で検出するための膜構造に関して検討した。そ
の結果膜組成は軸上に設ける膜の円周方向、長手方向及
び厚さ方向ともに組成のばらつきが少ないことがトルク
検出の安定性、再現性の上で極めて重要で、同一軸内で
は有効検出部内で±1%以内で形成する必要がある知見
を得た。
【0018】また膜の構造は検出用素子の有効深さ範囲
内で発生する歪を緩和するような膜内での構造欠陥が極
めて少なく、均一な多結晶の連続した構造が望ましい。
【0019】一方耐久性の上からは軸に対し膜が金属拡
散により結合していることが重要であることが知られた
。この場合軸の材質と膜の材質との物性値が大きく異な
る場合は、最表面の感応素子成分と軸材との間に中間層
を設けることも効果がある。以上の条件を達成するプロ
セスと組成について検討した結果、プラズマ溶射法を用
い合金組成を限定して被膜を形成し、その後の工程によ
り溶射で発生する構造欠陥を除去することが適切である
ことが分った。
【0020】プラズマ溶射法は各種の機能性被膜の形成
法として広く用いられている。一般にはAr,He,N
2 ,H2 等のガスでプラズマを発生させ、そのプラ
ズマ中に被膜形成用の粉末を投入し溶融させて基材の表
面に吹き付けて被膜を形成する。従って被膜は個々の粉
末粒子が偏平して堆積した特有の積層構造を有する。一
方、用いる粉末粒子は数μm〜数10μmの大きさであ
る。 基材に吹き付けられた密着粒子は、急速冷却されるので
合金材では非晶相を含む残留歪の大きい金属組織的に不
連続な膜構造となる。また粉末はアトマイズ法で製造す
るため被膜には0、1%オーダの酸素を含むことになる
【0021】従ってこの種の膜は耐摩耗、耐熱、耐食性
、強度を目的とする用途に多用されており、トルクセン
サの感応素子のような金属組織に敏感な特性を利用する
分野では信頼性、耐久性、特性の再現性など多くの課題
がありほとんど利用されていないのが現状である。
【0022】発明者らは溶射膜の金属組成、酸素量、軸
材との界面構造とトルク検出特性である出力の直線性、
ヒステリシス、感度、ダイナミックレンジ及び耐久性に
ついて検討した結果、これらの因子に対してプラズマ溶
射用合金粉末の組成、溶射後の後熱処理の雰囲気と温度
により被膜中に発生する構造欠陥、層状組織及び酸素の
含有量を改善し、被膜内の結晶構造と結晶粒度の分布状
態、酸素量の低減及び基材との拡散状態を制御すること
でトルクセンサ用感応素子としての特性が得られること
を見い出した。
【0023】本発明の磁歪検出体は円筒状または円柱状
のトルク伝達軸基材外周面に感応素子としてプラズマ溶
射によりNi−Fe合金層を形成し、次いで熱処理を行
い粒子間に凝固収縮により形成される構造欠陥を無くす
とともに溶射後に形成される密着時の粒子間界面である
層状組織を粉末の相互拡散により連続組織とし、その結
晶化率を90%以上とし、さらに平均結晶粒の大きさ2
00μm以下に制御し、酸素量を減少させ、さらに基材
と溶射層との間に拡散層を形成させることで従来の欠点
を解決したものである。
【0024】まずNi−Fe合金層の厚さは検出磁束の
侵入深さと熱処理後の被膜の欠陥の少ない厚さ範囲から
決まる。被膜が薄すぎると基材の影響が表れることにな
り出力特性の変動をきたすことになる。一方、被膜が厚
すぎると溶射の厚さとともに残留応力が発生し仕上げ後
の最表面に欠陥が出易くなり歩留りの低下となる。また
被膜形成に時間がかかりコスト上昇にもつながる。
【0025】以上の理由から被膜の厚さは0.03〜1
.0mm、望ましくは0.05〜0.5mmである。
【0026】次にNi−Fe合金の組成である。Ni−
Feの成分としては溶射後の熱処理の影響も強いがNi
−20Feが最も高感度である。しかしその範囲は10
〜50%Feでも十分に使用できる。3元以上の系でも
同様の成分範囲であるが特に約4%Mo系が20%Fe
の感度の点で最も望ましい。トルクセンサの回路等の改
善によっては60%Feの成分まで使用できる。
【0027】トルク伝達軸材には非磁性であるオーステ
ナイト系ステンレス鋼や、強磁性体のSCM材等の構造
用合金鋼等いずれも用いることができる。但しNi−F
e合金の熱膨脹系数差に関してある程度考慮する必要が
ある。
【0028】トルク伝達軸は棒状または管状が使用でき
、トルクの大きさ及び取り付け部の形状に応じて直径ま
たは肉厚を設定することにより、検出感度、ダイナミッ
クレンジ、直線性などが決まる。
【0029】熱処理はトルク伝達軸と溶射被膜との密着
を強固にし、溶射粉末の密着時の個々の粒子間の相互拡
散を促進し、溶射被膜固有の欠陥を改善し、層状組織を
連続組織とし、Ni−Feの格子を正常にし、トルク変
換特性である出力の直線性、ヒステリシス、感度、ダイ
ナミックレンジ及び耐久性を改善させる。
【0030】熱処理温度は900℃より低いと拡散と再
結晶粒の成長が不十分で溶射被膜の最表面部の粒子間の
結合が得られず被膜内に欠陥が残り良好な検出感度が得
られない。一方熱処理温度が1100℃より高いと溶射
被膜の再結晶粒が粗大化するため透磁率変化にヒステリ
シスを生じる。その結果、トルク変換特性にヒステリシ
スが現われてくる。以上のように900〜1100℃の
範囲、望ましくは1000℃で拡散処理を行った場合の
み、トルク伝達軸と溶射被膜との間に適当な拡散層が得
られるとともに溶射被膜を結晶化率が90%以上の連続
組織とし、Ni−Feの格子が正常となりさらに平均結
晶粒径を200μm以下とすることができる。従ってト
ルクセンサとしての出力の直線性、ヒステリシス、感度
、ダイナミックレンジ及び耐久性に優れた磁歪検出体が
得られる。
【0031】また熱処理の雰囲気も重要である。雰囲気
は水素中或いは高真空中が用いられるが水素中が最も望
ましい。中性及び不活性雰囲気中では酸素の還元が不十
分となり特性にばらつきが多くなる。従って上述の雰囲
気中で熱処理を行い被膜中の酸素量を500ppm以下
に低減させる必要がある。
【0032】特に酸素量の増加はヒステリシスを大きく
する。図5はトルクセンサのヒステリシスと被膜中の酸
素量について検討した一例である。酸素が少くなる程ヒ
ステリシスも小さくなる。実用範囲である±3%の値は
500ppmである。
【0033】次に熱処理後の冷却速度も影響がある。特
にNi−20Feの成分付近での影響が極めて大きくこ
の成分では冷却速度が早い程感度が高くなる。
【0034】
【作用】この発明によれば、トルク伝達軸の外周面にプ
ラズマ溶射法により磁性体層,特にNi−Fe合金被膜
を0.03〜1.0mmを設け、次いで900〜110
0℃の間の温度で、かつ無酸化雰囲気中で拡散処理を施
すことにより、トルクセンサとしての出力直線性,ヒス
テリシス、感度、ダイナミックレンジ及び耐久性が向上
する。
【0035】
【実施例】
[実施例1]以下、実施例を説明する。トルク伝達軸は
外径25mm、肉厚2mm、長さ100mmのステンレ
ス鋼管(材質JIS規格SUS304)を機械加工で採
取後、外径面をブラスト処理を行ったものを使用した。 トルク伝達軸の外周面にNi−50Fe組成合金粉末を
用いて200TorrAr中で減圧プラズマ溶射を行い
、厚さ0.1mmのNi−Fe合金層を形成させた。
【0036】次いで表1に示すように溶射のままの磁歪
検出体及び熱処理温度を800℃、900℃、1000
℃、1100℃及び1200℃と変化させ水素ガス中で
1時間の熱処理を行った磁歪検出体を準備した。
【0037】次に前記Ni−Fe合金層を図1のように
スリット状に選択除去した。除去された部分は幅が1m
m、長さ40mmで軸の長手方向の右部分は角度+45
°、左部分は角度−45°に傾き、円周に各10本ずつ
である。選択除去は機械加工で行った。
【0038】このようにして作製した各磁歪検出体を片
持ち治具に固定し、図1に示すコイル配置、図2に示す
電気回路で、試料の一端に捩じりトルクを加え、トルク
と出力電圧の関係を測定した。すなわち、図1中1、2
はコイル、3はトルク伝達軸,4はNi−Fe合金層,
5はこのNi−Fe層をスリット状に選択除去した溝で
ある。また、図2中、1、2はコイル、6はトランジス
タ、7は入力端子、8は出力端子である。
【0039】使用したコイル1及び2は同一のもので、
巻数はそれぞれ40ターンとした。測定周波数は50K
Hz、励磁電流は100mAである。
【0040】その結果を表1に示す。表1は熱処理温度
の違いによるトルク変換特性の変化を示したものである
。これから熱処理温度900〜1100℃で処理した試
料がヒステリシス3.2〜4.0%、直線性2.1〜2
.5%を示し、溶射のままの試料のヒステリシス14.
3%,直線性9.8%、及び1200℃で処理した試料
のヒステリシス9.4%、直線性6.7%と比較して、
優れた結果が得られた。
【0041】
【表1】
【0042】次に、トルクセンサ用磁歪検出体の耐久性
を調べた。1000℃で熱処理した試料及び800℃で
処理した試料を片持ち治具にそれぞれ固定し、試料の他
端に±10N.mの捩りトルクを10Hzの周期で10
8 回加えた。その後トルク変換特性を測定し、耐久試
験前との特性の違いを調べた。
【0043】その結果、800℃で処理した試料はクリ
ープが発生し、感度が初期値より30%低下したのに対
し、1000℃で処理した試料は特性の劣化はほとんど
認められなかった。
【0044】[実施例2]この実施例ではNi−Fe合
金粉末のFe含有率を10,15,20,30,36,
50と変化させ、プラズマ溶射を行い、水素ガス中で1
000℃で1時間加熱処理を行った後、実施例1と同様
にNi−Fe合金層にスリット状の選択被膜除去処理を
行った。
【0045】表2はこれらの試料を用いトルク変換特性
を測定し、Ni−Fe合金組成が出力特性に及ぼす影響
を調べた結果を示すものである。
【0046】
【表2】
【0047】その結果、ヒステリシス、直線性にはあま
り差はみられないが感度は大きな差がみられる。感度は
Ni−50FeとNi−20Feの成分が高い値を示し
ている。
【0048】次にNi−20Feで2つの値があるが感
度が900mv/Nmを示した素子は1000℃からの
冷却速度を20℃/S以上と速くして作製したものであ
る。
【0049】[実施例3]トルク伝達軸基材にSCM4
35を選び、溶射粉末にNi−50Fe組成を用いプラ
ズマ溶射を行い、被膜厚さを表3に示す様に0.02〜
1.5mmと変化させNi−Fe合金層を作製した。
【0050】次に、実施例2と同様に水素ガス中で10
00℃で1時間の熱処理及び選択被膜除去処理を行い、
トルク変換特性を測定し、溶射被膜の厚さが出力特性に
及ぼす影響を調べた。次に被膜厚さ0.1mmで熱処理
雰囲気を水素、窒素、アルゴン及び1×10−3Tor
rの真空中で行い、同様に選択被膜除去処理を行い、熱
処理雰囲気が出力特性に及ぼす影響を調べた。これらの
結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】この表3から被膜の厚さ0.03〜1.0
mmの間で優れたトルク検出特性を示すことが分かる。
【0053】また、熱処理雰囲気は水素又は1×10−
3Torrの真空中で被膜中の酸素量が500ppm以
下となりヒステリシス、感度の点で優れた特性を示すこ
とが分かった。
【0054】
【発明の効果】この発明に係る磁歪検出体は上記のよう
にトルク伝達軸の外周面に厚みが0.01〜1.0mm
,層内が結晶質で、その結晶化率が90%以上で、平均
結晶粒径が200μm以下の磁性体層,特にNi−Fe
合金被膜を設けたものであるから出力の直線性,ヒステ
リシス,感度,ダイナミックレンジに優れたトルクセン
サ用磁歪検出体を低コストに提供することができる。
【0055】また、この発明に係る製造方法によればト
ルク伝達軸の外周面にNi−Fe合金被膜をプラズマ溶
射法により溶射したものであるから、トルク伝達軸と磁
性体層との密着力は強固で耐久性に優れたトルクセンサ
用磁歪検出体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクセンサの構成図、
【図2】
トルク検出回路図、
【図3】トルクセンサの出力特性図、
【図4】感度およびヒステリシスの概念図、
【図5】ヒ
ステリシスと被膜中の酸素量の一例の図である。
【符号の説明】
1、2  コイル 3  トルク伝達軸 4  Ni−FE合金層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属系の円筒状または円柱状のトルク伝達
    軸の外周面に磁気歪み効果を有する物質の1層以上の層
    を設けてなるトルクセンサ用磁歪検出体において、最表
    層の磁性体層の厚さが0.03〜1.0mmで、層内が
    結晶質で、その結晶化率が90%以上で、平均結晶粒径
    が200μm以下である磁性体層を設けたことを特徴と
    するトルクセンサ用磁歪検出体。
  2. 【請求項2】軸の金属と中間層あるいは最表面層が相互
    拡散によって拡散層を形成して結合していることを特徴
    とする請求項1記載のトルクセンサ用磁歪検出体。
  3. 【請求項3】最表面層がNi−Fe合金で組成がNi−
    Fe−X成分から成りFe含有率10〜60wt%で、
    XがMo,Cu,Crの少なくとも一種以上を10%以
    下含み、酸素量が500ppm以下、残りがNiである
    ことを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ用磁歪検
    出体。
  4. 【請求項4】金属系の円筒状または円柱状のトルク伝達
    軸の外周面に磁気歪み効果を有する物質の1層以上の層
    を設けてなるトルクセンサ用磁歪検出体において、少く
    とも最表面のNi−Fe層をプラズマ溶射法で設けるこ
    とを特徴とするトルクセンサ用磁歪検出体の製造方法。
  5. 【請求項5】プラズマ溶射を無酸化雰囲気中で行うこと
    を特徴とする請求項4記載のトルクセンサ用磁歪検出体
    の製造方法、
  6. 【請求項6】少なくとも最表面のNi−Fe層をプラズ
    マ溶射により設けた後、無酸化雰囲気中で900〜11
    00℃に加熱したことを特徴とする請求項5記載のトル
    クセンサ用磁歪検出体の製造方法。
  7. 【請求項7】加熱処理を行った後に最表面層に選択除去
    処理を行い、形状異方性を付与することを特徴とする請
    求項5記載のトルクセンサ用磁歪検出体の製造方法。
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