JPH04342469A - 繊維強化セラミックスの製造方法 - Google Patents

繊維強化セラミックスの製造方法

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JPH04342469A
JPH04342469A JP3116242A JP11624291A JPH04342469A JP H04342469 A JPH04342469 A JP H04342469A JP 3116242 A JP3116242 A JP 3116242A JP 11624291 A JP11624291 A JP 11624291A JP H04342469 A JPH04342469 A JP H04342469A
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JP
Japan
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polysilazane
impregnation
polymer
fiber
ceramic
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JP3116242A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Sato
清 佐藤
Sunao Suzuki
直 鈴木
Takeshi Isoda
礒田 武志
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温、腐食性等の厳し
い環境下で、構造用材料として好適に使用することので
きる新規な繊維強化セラミックスの製造法に関する。さ
らに詳しくは、窒化珪素系マトリックスを金属繊維又は
無機繊維で強化した新規な繊維強化セラミックスの製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは金属材料に比べて優れた
耐熱性、耐蝕性を有し、さらに断熱性にもすぐれている
ため、高温、腐食性等の厳しい環境下で金属に代る構造
用材料として注目されてきた。しかしながら、セラミッ
クスは金属材料のように変形したり伸びたりすることが
できず、材料内部の欠陥や表面の傷に応力の集中が起こ
り容易に破壊されるので、破壊靱性に劣るという欠点が
ある。このセラミックスの破壊靱性を改善するために、
マトリックス中に粒子および繊維を分散させ、破壊のエ
ネルギーを分散、吸収することが試みられている。
【0003】繊維強化セラミックスの製造法は大別して
、粉末焼結法、CVI法、含浸法に分けられ、■粉末焼
結法では、無機の繊維、ウイスカー等の強化材をマトリ
ックスとなる粉末中に分散、混合し、これを1600℃
以上の高温で焼結させる。粉末焼結で緻密な焼結体を得
るには高温焼結を必要とするため、限られた強化材しか
使用できない等の問題がある。■CVI法は、無機の繊
維、ウイスカー等で作られたプリフォーム内部へセラミ
ックス・マトリックスとなる物質を気相拡散させ、プリ
フォーム内部の空隙を充填する。CVI法では、微細な
気孔の内部へもセラミックス・マトリックスとなる物質
を充填することができるが、製造に長時間を要し、製造
コストが高い、装置上の制約から大型形状品への適用が
難しい等の問題がある。■含浸法は、無機の繊維、ウイ
スカー等で作られたプリフォーム内部へ、熱処理により
セラミックスに転換するポリマーを含浸させ、これを焼
成することによりマトリックスを形成させる。含浸処理
、熱処理の工程を繰り返すことで、より緻密な焼成体を
得ることができ、また複雑な形状の構造体、大型形状品
への適用が可能である。さらに、粉末焼結法に比べて、
低温で焼成するため、強化材が限定されるという問題は
ない。
【0004】セラミック前駆体ポリマーを熱分解してマ
トリックスを得るセラミック複合材は欧州特許第 0,
125,772号、米国特許第 4,117,057号
、同第 4,460,638号に記載されている。この
方法の欠点は、プリフォームへの含浸の際に、ポリマー
を有機溶媒で50%程度に希釈しなければならないこと
である。使用するポリマーが固体、あるいは、高粘度液
体であるため、溶媒で希釈することで、含浸に適する粘
度に調製する必要がある。しかし、含浸後、溶媒を除去
しなければならないため、乾燥工程が必要であり、また
、乾燥後に気孔が残るため、得られる材料は低密度で強
度が低い。
【0005】これを改善する方法として、溶媒で希釈せ
ずに、液状のポリシラザンを含浸させる方法が特開平2
−188471号に記載されている。液状のポリシラザ
ンを用いた場合は、製品形状を保持するために含浸後に
、硬化、不融化する必要がある。同方法では、アンモニ
ア、ウロトロピン、アミン、クロロシランなどの雰囲気
下で、含浸体を処理することで不融化している。ただし
、このように気体を用いて不融化させる場合は、試料の
外層と内部で組成差が生じ、外層がより緻密化する。よ
って、密度向上を目的に再含浸を試みても、目詰まりが
起こり緻密化効率が低く、最終的な試料強度も低い。
【0006】また、特開平1−305869号公報(フ
ランス特許第88 04546号)には、含浸効率を向
上させる工夫として、プリフォームに重合触媒を吸着さ
せてから、マトリックス前駆体を含浸させ、重合させる
方法が記載されている。しかし、同方法はプロセスが複
雑であり、かつ、マトリックスに最終的に必要でなく、
場合によっては有害な元素を重合触媒の形で入れる必要
があるという2つの問題点がある。
【0007】その他、上野和夫、E.Fitzerら、
日本セラミック協会昭和63年年会予稿集、p158〜
159, (1988), B.Walker, R.
Rice, CERAMIC BULLETIN, p
916−923, 62, (1983) などにもセ
ラミック前駆体ポリマーを用いて作製した複合材の例が
あるが、いずれも充分な強度は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】繊維強化セラミックス
の製造法として、含浸法は上記のような利点を有するが
、使用するポリマー、工程に以下の如き問題点があり、
理論密度に近く高強度の焼成体は得られていない。 すなわち、ポリマーは以下の要素を備えるのが望ましい
が、これを充たすポリマーがない。 (i)熱処理後に転化するセラミックス相が、耐熱性、
耐酸化性、耐食性を有すること (ii)繰り返し工程数を少なくできるように、セラミ
ックス化収率が高いこと (iii)良好な含浸性を示すように低粘度かつ、ぬれ
性が良好であること (iv)熱硬化性であることが好ましい。■製品の寸法
安定性、■分解ガス発生によるバブリングと、それによ
り生じる欠陥防止、■長時間を要する不融化工程の省略
のためである。
【0009】また、繰り返し含浸、焼成工程を施しても
含浸されずに残留する空隙が内部に残り、これが製品強
度を低下させる。そこで、本発明は繊維強化セラミック
スを製造するのに適したポリマーを改良するとともに含
浸法の各工程に改善を加え、よって高強度の繊維強化セ
ラミックスの製造法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、金属繊維又はセラミックス繊維のプリフ
ォームに、下記■〜■から選ばれ、数平均分子量 20
0〜3000,含浸温度で粘度100Pa・s 以下の
ポリシラザンの1種以上を混合したものを含浸させ、好
ましくは加圧下で、架橋硬化させ、さらに焼成してセラ
ミックスに転化させることを特徴とする繊維強化セラミ
ックスの製造方法を提供するものである。
【0011】■主たる繰り返し単位が−(SiH2NH
)−であるポリシラザン。■主たる繰り返し単位が−〔
(SiH2) n(NH)r 〕−及び−〔(SiH2
)m O〕−(式中、n,m,rは1,2又は3である
。)であるポリシロキサザン。■組成式(RSiHNH
) x 〔(RSiH)1.5 N〕1−x (式中、
Rはそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキ
ルアミノ基又はアルコキシ基を表わし、そして0.4<
x<1である。)で表わされるポリオルガノ(ヒドロ)
シラザン。
【0012】■主たる繰り返し単位が−〔(SiR′H
) n (NR′) r 〕−(式中、R′は水素原子
又は上記Rと同であり、nは1,2又3である。)で表
わされ、架橋結合−(NH)s −(式中、sは1又は
2である。)を有する改質ポリシラザン。■ポリシラザ
ンと金属アルコキシドとの反応生成物であるポリメタロ
シラザン。
【0013】使用する強化繊維の材質は、セラミック質
としては、炭素、炭化珪素、窒化珪素、炭窒化珪素、酸
窒化珪素、アルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、
窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ボロン、チタン酸カリ
ウムなどを主成分とする耐熱性セラミック。金属質とし
ては、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブな
どの高融点金属、インコネルなどの耐熱ニッケル基合金
、スチール、ステンレスなどの鉄基合金である。セラミ
ック繊維では、特に、炭素、炭化珪素、窒化珪素繊維が
耐熱、耐クリープ性の点から好ましい。金属繊維ではタ
ングステン、モリブデン、タンタル繊維が耐熱性から好
ましい。
【0014】また、繊維形状は、高強度を目的とした場
合は、連続繊維が好ましい。一方、成形性を優先する場
合は、長さ100 cm〜100 mmのチョップド繊
維、長さ102 〜101 μmのミルド繊維、さらに
は、ウイスカーなどの短繊維の使用が好ましい。強化繊
維の集合体であるプリフォームは以下のような方法で作
製する。ミルド繊維、ウイスカーなどの短繊維の場合は
、乾式プレス成形、もしくは、スリップキャストなどの
湿式成形法により作製する。チョップド繊維の場合は、
適当な有機バインダと混練し、プレス成形する。連続繊
維の一方向配向の場合は、繊維をドラムに巻取るフィラ
メントワインディング法などにより作製する。2方向配
向の場合は、織布、あるいは、一方向配向材を積層して
作製する。また、多次元織物を使用することも可能であ
る。
【0015】ここで、主たる繰り返し単位が−〔(Si
H2) n(NH)r 〕−であるポリシラザンは、側
鎖に有機基を有しない無機ポリシラザンである。特に、
ジハロシランと塩基とのアダクツにアンモニアを反応さ
せて合成される無機ポリシラザンが好適である(特公昭
63−16325 号)。この無機ポリシラザンは、上
記繰り返し単位を有する環状及び分岐構造を含むが主と
して線状のポリマーであり、極めて、反応性に富むポリ
マーである。本発明では、さらに、上記の無機ポリシラ
ザンが加熱による重縮合反応等により高重合体化したポ
リシラザンも含む。 このような高重合型無機ポリシラザンでは、重縮合反応
により分枝が進んで1分子中のSiH3基とSiH2基
との比(SiH2基/SiH3基)がもとの2倍以上に
も増大し、溶媒可溶性が改善される(特開平1−138
108号)。
【0016】主たる繰り返し単位が−〔(SiH2) 
n(NH)r 〕−及び−〔(SiH2)m O〕−で
あるポリシロキサザンは、特にジハロシランと塩基のア
ダクトに、アンモニアと水又は酸素とを反応させて生成
したものが好適であり(特開昭62−195024号)
、■のポリシラザンと同様の構造を有する。従って、こ
のポリシロキサザンも主として線状のポリマーが重縮合
した高重合型でもよい。
【0017】組成式(RSiHNH) x 〔(RSi
H)1.5 N〕1−x で表わされるポリオルガノ(
ヒドロ)シラザンは、ケイ素原子に水素原子と共に有機
基が結合した構造を有するものである。このポリオルガ
ノ(ヒドロ)シラザンとしては、無機ポリシラザンの場
合と同様に、オルガノ(ヒドロ)ジハロシランと塩基と
のアダクトにアンモニアを反応させて生成したものが好
適に使用でき、またその重縮合等による高重合型ポリマ
ーも含まれる(特開昭62−156135号)。
【0018】主たる繰り返し単位が−〔(SiR′H)
 n (NR′) r 〕−で表わされ、架橋結合−(
NH)s −を有する改質ポリシラザンは、■〜■のポ
リマーに、アンモニア又はヒドラジンを塩基性条件下で
脱水素重縮合反応させて生成する。架橋結合の形で窒素
原子がポリマー中に取り込まれるため、窒素原子とケイ
素原子との比(N/Si)は、もとのポリマーよりも増
大し、窒化珪素の化学量論比に近づく。(特開平1−1
38107号)。
【0019】最後に、ポリメタロシラザンはポリシラザ
ンと金属アルコキシドとの反応生成物であり、−(Si
R1R2NR3)−(式中、R1 ,R2 ,R3 は
それぞれ独立にR′と同様である。)で表わされる骨格
を有するポリシラザンとM(OR4)3 (式中、Mは
チタン、アルミニウム、ボロン、ジルコニウム等の金属
、R4 は同一でも異なっていてもよく、水素原子、C
1−20のアルキル基又はアリール基であるが、少なく
とも1個はアルキル基又はアリール基である。)を反応
させて得られる。このポリメタロシラザンは金属を含む
ために、セラミック化した際に金属との親和性に優れ、
耐熱性にも優れているという特長がある(特開昭63−
81122 号、同63−191832号、特開平2−
77427 号、特開平2−84437 号)。
【0020】上記■〜■のポリシラザンは下記の如く含
浸法に適する特徴を持つ。 (1)熱処理により耐熱性に優れた窒化珪素系セラミッ
クスに転化する。 (2)セラミックス化収率が極めて高い。特に、無機ポ
リシラザン、無機ポリシロキサザンはセラミックス化収
率が高い。 (3)活性なSiH ,SiH2,SiH3,NH,N
H2 、さらに■の場合はOR基を有するため、低温で
の熱処理により、架橋硬化する。
【0021】■〜■のポリシラザンはこのように基本的
に含浸法に適する特徴を持つが、良好な複合材料を得る
ために、さらに以下の検討、改良を加えた。プリフォー
ムにポリマーを含浸する方法としては、真空含浸法と加
圧含浸法があるが、本発明では真空含浸の後に加圧含浸
する方法を採用した。真空含浸では、プリフォーム空隙
へのポリマーの充填がほとんど終了する条件を設定する
必要がある。硬化、焼成時に、真空脱気しきれずに残っ
たガスによる発泡、割れを防止するためと、加圧含浸の
圧力を高くする必要がなくなるためである。
【0022】適切な時間内で、プリフォーム空隙へのポ
リマーの充填がほぼ完了する真空含浸の条件を決定する
ために、種々の検討を行ない、使用するポリマーの粘度
および分子量が以下の範囲であれば、良好な含浸状態が
得られることを見出した。 粘度: 100Pa・s以下、好ましくは10Pa・s
以下。 数平均分子量:3000〜200 、好ましくは100
0〜200 。
【0023】ポリマーの粘度および分子量がこの範囲内
であれば、含浸温度0〜 200℃で、真空含浸処理1
〜10時間、加圧含浸処理(圧力5kg/cm2G以上
)0.1〜10時間の条件で良好な含浸状態が得られる
。数平均分子量が 200以下のポリシラザンは、常温
付近においても、真空下での蒸発減量が多いので真空含
浸法に適用するのは好ましくない。
【0024】ポリシラザンの架橋硬化は、加熱により進
行し水素、アンモニアなどの発生を伴うため、脱ガスに
よる気泡の発生、試料の割れを抑制しながら架橋硬化を
終了する必要がある。気泡の発生、試料の割れを抑制す
るために、硬化方法を検討し、不活性ガス、窒素ガス、
アンモニアガスもしくは、この混合ガスで5kg/cm
2 G以上で加圧しながら、温度60〜200℃に加熱
することにより気泡のない架橋硬化体を安定して作製で
きることが明らかとなった。
【0025】また、含浸に適する低粘度、低分子量のポ
リシラザンの欠点として、熱分解時に、低分子量成分の
一部が揮散するため、セラミックス化収率が低いことが
あげられる。常圧で加熱焼成した場合、無機ポリシラザ
ンの場合、分子量4000ではセラミックス化収率は約
90%であるが、分子量 600では約70%まで低下
する。加圧条件下で架橋硬化させる方法を採用すること
により、低分子量のポリシラザンを使用しても、揮散す
る低分子量成分が固定されるため、約90%と高分子量
ポリシラザンと同等のセラミックス化収率になるという
効果も得られた。
【0026】本発明で使用するポリシラザンは熱硬化性
で融点、軟化点を持たず、また加圧条件下での硬化処理
を採用したため、■製品の寸法安定性、■分解ガス発生
によるバブリングと、それにより生じる欠陥、■不融化
工程などの含浸法がかかえていた問題が解消された。含
浸、架橋硬化後、焼成してセラミックス化する。
【0027】焼成条件は特に制限はなく、不活性ガス、
窒素、アンモニア、水素、酸素、炭化水素、一酸化炭素
などのいずれか、あるいは、その混合ガス雰囲気下、も
しくは、真空下で 600〜2000℃で行なう。焼成
雰囲気は、使用するポリシラザン、強化繊維によって選
ばれる。Si ,Nのみからなるポリシラザンの場合、
窒素、アンモニア、水素などの混合雰囲気が、ポリシロ
キサザンなど酸素を含有する場合は酸素含有雰囲気が好
ましい。強化材が炭素繊維や、金属繊維の場合、不活性
ガス、窒素雰囲気、あるいは、炭化水素、一酸化炭素な
どを含有した還元雰囲気、さらには真空などが好ましい
。 窒化珪素繊維の場合は、窒素、アンモニア雰囲気などが
、炭化珪素繊維の場合、不活性ガス、真空などが好まし
い。
【0028】本発明の方法で用いるポリマーは1200
〜1350℃程度までの温度による焼成ではセラミック
ス化後も主としてアモルファス状態を保つ特徴を有し、
そのため高温強度に優れたセラミックスマトリックスで
ある。このように含浸、硬化、セラミックス化して得ら
れる複合体は、まだ緻密さが十分でないので、含浸、硬
化、セラミックス化の工程を繰り返して所望の緻密さ及
び強度の複合体にする。
【0029】含浸法には、本方法のように液状ポリマー
を含浸/焼成する方法の他に、固体ポリマーを溶媒に溶
かして含浸/乾燥/焼成する方法がある。そこで、分子
量3000以上の固体ポリシラザンにこの方法の適用を
試みたが、良好な含浸を得るためには、キシレン等の有
機溶媒でポリマーを70wt%程度に希釈する必要があ
り、以下の欠点が生じた。 (i)真空含浸の際にキシレンの蒸気圧(約10mmH
g)以下にできないので、含浸が不完全である。 (ii)焼成前に、有機溶媒を除く必要があり、この乾
燥工程に長時間を要する。 (iii)含浸液に有機溶媒を大量に含むため、結果的
に含浸効率が悪い。
【0030】よって、液状ポリマーを含浸する方法と同
様に緻密な焼成体を得るには、繰り返し工程を2倍近く
行なう必要があった。
【0031】
【実施例】
参考例1(無機ポリシラザンの製造) 内容積10Lの四つ口フラスコにガス吹込み管、メカニ
カルスターラー、ジュワーコンデンサーを装置した。反
応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フ
ラスコに脱気した乾燥ピリジン5Lを入れ、これを氷冷
した。次に、ジクロロシラン 516gを加えると白色
固体状のアダクト(SiH2Cl2・2C5H6N)が
生成した。反応混合物を氷冷し、攪拌しながら、水酸化
ナトリウム管および活性炭管を通して精製したアンモニ
ア510gを吹込んだ。反応終了後、反応混合物を遠心
分離し、乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、さらに窒素
雰囲気下で濾過して、濾液8.5Lを得た。得られた無
機ポリシラザンの数平均分子量はGPCにより測定した
ところ、 700であった。
【0032】参考例2(アルミノシラザンの製造)参考
例1で得られたペルヒドロポリシラザンのo−キシレン
溶液(濃度8.14g/l) 600mlに窒素雰囲気
でアルミニウムトリイソプロポキシド4.47gを加え
て、均一相からなる混合溶液とした。この混合溶液を窒
素雰囲気で80℃で2時間攪拌しながら還流反応を行な
った。反応溶液は無色から淡黄色に変化した。得られた
アルミノシラザンの数平均分子量はGPCにより測定し
たところ 950であった。
【0033】参考例3(高重合ポリシラザンの製造)参
考例1で得られた無機ポリシラザンのピリジン溶液(無
機ポリシラザン濃度:6.2%) 200mLを内容積
 500mLの耐圧反応容器に入れ、窒素雰囲気、密閉
系で125℃で3時間攪拌しながら反応を行った。この
間大量の気体が発生したが、ガスクロマトグラフィー測
定により、この気体は水素であった。室温に冷却後、乾
燥o−キシレン 400mLを加え、圧力3〜5mmH
g、温度50〜70℃で溶媒を除いたところ、白色粉末
が11g得られ、この粉末は有機溶媒に可溶であった。 この重合体粉末の数平均分子量は2200,Si/N比
は1.29であった。
【0034】実施例1(炭化珪素ウイスカー/無機ポリ
シラザン複合材の製造) 参考例1の無機ポリシラザンからエバポレータで溶媒を
除去し、粘度32mPa・s(25℃)の液状ポリマー
を得た。強化繊維プリフォームとして、市販の炭化珪素
ウイスカープリフォーム(東海カーボン製、ウイスカー
体積含有率18%、ウイスカー直径0.3〜0.6μm
、高さ5〜15μm)を40x60x5mmに切りだし
て用いた。
【0035】■含浸工程 金属製圧力容器にいれたポリマー中にプリフォームを浸
積し、10−1torrで5時間真空引きすることで、
ポリマーを真空含浸した。つぎに、圧力容器を窒素ガス
で10kg/cm2 Gで1時間加圧し、ポリマーを加
圧含浸した。 ■架橋硬化工程 10kg/cm2 Gに加圧した圧力容器を 160℃
で40時間保温し、無機ポリシラザンを熱重合させ、硬
化させた。このとき15kg/cm2 Gまで圧力が上
昇した。
【0036】■焼成工程 圧力容器から硬化の終了したプリフォームを取出し、ア
ンモニア雰囲気で 600℃(昇温速度1℃/min 
,1時間保持)、つづけて、窒素雰囲気で1200℃(
昇温速度3℃/min ,1時間保持)まで焼成した。 得られた焼成体の気孔率は43%であった。さらに、含
浸、架橋硬化、焼成工程を7回繰り返し行なうことで、
気孔率8%の焼成体を得た。この焼成体の常温3点曲げ
強度をJIS  R1601により測定したところ、 
15Kgf/mm2 であった。 また、焼成体を粉砕し、粉末X線解析(30kV,30
mA)を行なったところ、原料ウイスカーのβ−SiC
のピークしか認められず、マトリックスはアモルファス
状態であった。
【0037】比較例1(炭化珪素ウイスカー/高重合ポ
リシラザン複合材の製造) 参考例3の高重合ポリシラザンを用いる場合、このポリ
マーは溶媒除去後、固体であるため、有機溶媒で希釈す
る必要がある。エバポレータで溶媒を除去し、これに乾
燥ピリジンを加え、60wt%に調製した。この溶液の
粘度は75mPa・s(25℃)であった。
【0038】強化繊維として実施例1と同じ炭化珪素プ
リフォームを用いた。 ■含浸工程 金属製圧力容器にいれたポリマー中にプリフォームを浸
積した。ピリジンが揮発してポリマーが乾燥しないよう
に、20torrで5時間真空引きし、真空含浸した。
【0039】つぎに、圧力容器を窒素ガスで20kg/
cm2 Gまで加圧し、ポリマーを加圧含浸した。 ■架橋硬化工程 窒素ガスで20kg/cm2 Gに加圧した圧力容器を
 100℃に40時間保温しポリマーを架橋、硬化させ
た。
【0040】■焼成工程 圧力容器から硬化の終了したプリフォームを取出し、窒
素雰囲気80℃で72時間加熱し溶媒を除いた。アンモ
ニア雰囲気で 600℃焼成(昇温速度1℃/min 
,1時間保持)、つづけて、窒素雰囲気で1200℃焼
成(昇温速度3℃/min ,1時間保持)し焼成体を
得た。
【0041】得られた焼成体は気孔率54%であった。 以後、得られた焼成体に含浸、架橋硬化、焼成工程を繰
り返した。繰り返し7回で気孔率は18%の焼成体を得
た。 この焼成体の常温3点曲げ強度をJIS  R1601
により測定したところ、8kgf/mm2 であった。 比較例2(炭化珪素ウイスカー/ポリシラスチレン複合
材の製造) 市販ポリスチレン(日本曹達製PSS −400)も常
温で固体であるため、有機溶媒で希釈する必要がある。 乾燥o−キシレンを加え、60wt%に調製した。この
溶液の粘度は43mPa・s(25℃)であった。強化
繊維として実施例1と同じ炭化珪素プリフォームを用い
た。
【0042】■含浸工程 金属製圧力容器にいれたポリマー中にプリフォームを浸
積した。キシレンが揮発してポリマー溶液が乾燥しない
ように、20torrで5時間真空引きし、真空含浸し
た。つぎに、窒素ガスで20kg/cm2 Gで1時間
加圧し、ポリマー溶液を加圧含浸した。
【0043】■乾燥工程 圧力容器からプリフォームを取出し、窒素中80℃で7
2時間乾燥した。 ■焼成工程 乾燥したプリフォームをアルゴン雰囲気で1200℃焼
成(昇温速度3℃/min ,1時間保持)し焼成体を
得た。
【0044】得られた焼成体は気孔率65%であった。 以後、含浸、乾燥、焼成工程を繰り返した。繰り返し7
回では気孔率28%の焼成体を得た。この焼成体の常温
3点曲げ強度を、JIS  R1601により測定した
ところ、7kgf /mm2 であった。 実施例2(炭素繊維/無機ポリシラザン複合材の製造)
東燃製ピッチ系CF繊維FT500 (引張り強度35
5kgf/mm2 、引張り弾性率57.3tonf/
mm2 ,3K本/ストランド)を、40mm角、厚さ
10mmの金属板に糸方向が一様にそろうように巻取っ
た。
【0045】繊維層を金属板ではさみ、繊維プリフォー
ムの空隙率が50%となる厚さまでプレスした。1回目
の含浸工程は、繊維プリフォームを金属板ではさんだま
まの状態で行なった。含浸液として、参考例1の無機ポ
リシラザンから溶媒を除去したポリマー(粘度32mP
a・s:25℃)を用いた。 ■含浸工程 金属製圧力容器にいれたポリマー中にプリフォームを浸
積し、10−1torrで5時間真空引きすることで、
ポリマーを真空含浸した。つぎに、圧力容器に窒素ガス
で20kg/cm2 Gまで加圧し1時間保持し、ポリ
マーを加圧含浸した。
【0046】■架橋硬化工程 20kg/cm2 Gの窒素で加圧した圧力容器を 1
20℃に20時間保温しポリマーを架橋硬化させた。こ
のとき圧力は27kg/cm2 G上昇までした。 ■焼成工程 圧力容器から硬化の終了したプリフォームを取出し、窒
素雰囲気で1200℃(昇温速度3℃/min ,1時
間保持)まで焼成した。
【0047】得られた焼成体は気孔率27%であった。 以後、含浸、架橋硬化、焼成工程を5回繰り返し行なう
ことで、気孔率9%の焼成体を得た。この焼成体の常温
3点曲げ強度をJIS  R1601により測定したと
ころ、 42kgf/mm2 であった。また、焼成体
の粉末X線回析パターンには炭素繊維に起因する黒鉛の
ピークしか認められず、マトリックスはアモルファス状
態であった。
【0048】実施例3(窒化珪素繊維/アルミノシラザ
ン複合材の製造) 参考例4の窒化珪素繊維を、40mm角、厚さ10mm
のアルミナ板に糸方向が一様にそろうように巻取った。 この繊維束に次のようにして表面処理を行なった。日本
曹達製ポリシラスチレンPPS −400 の5wt%
キシレン溶液中に、繊維束を浸し、窒素80℃で24時
間乾燥した。つぎにこれを、窒素1200℃で0.5時
間焼成することで、窒化珪素繊維表面にSi−C系コー
ティングを得た。
【0049】つぎに、繊維層を金属板ではさみ、繊維プ
リフォームの空隙率が50%となる厚さまでプレスした
。 1回目の含浸工程は、繊維プリフォームを金属板ではさ
んだままの状態で行なった。含浸液として、参考例3の
アルミノシラザンから溶媒を除去したポリマー(粘度5
2mPa・s:25℃)を用いた。 ■含浸工程 金属製圧力容器にいれたポリマー中にプリフォームを浸
積し、10−1torrで5時間真空引きすることで、
ポリマーを真空含浸した。つぎに、圧力容器に窒素ガス
で20kg/cm2 Gで1時間加圧し、ポリマーを加
圧含浸した。
【0050】■架橋硬化工程 20kg/cm2 Gの窒素で加圧した圧力容器を 1
60℃に12時間保温しポリマーを架橋硬化させた。こ
のとき圧力は29kg/cm2 Gまで上昇した。 ■焼成工程 圧力容器から硬化の終了したプリフォームを取出し、窒
素雰囲気で1200℃(昇温速度3℃/min ,1時
間保持)まで焼成した。
【0051】得られた焼成体は気孔率25%であった。 以後、含浸、架橋硬化、焼成工程を5回繰り返し行なう
ことで、気孔率8%の焼成体を得た。この焼成体の常温
3点曲げ強度をJIS  R1601により測定したと
ころ、 45kgf/mm2 であった。また、焼成体
の粉末X線回析パターンにはピークが認められず、マト
リックスはアモルファス状態であった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な形状、大型形状
品へも適用でき、かつ、緻密で空隙の少ない繊維強化セ
ラミックスの製造方法が提供される。本発明で用いるポ
リシラザンは、低粘度で含浸に適し、かつセラミックス
転化率が高く、しかも耐熱性、耐酸化性、機械的強度等
に優れたセラミックスに転化するので、緻密で高強度の
繊維強化セラミックスが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  金属繊維又はセラミックス繊維のプリ
    フォームに、下記■〜■から選ばれ、数平均分子量 2
    00〜3000,含浸温度で粘度 100Pa・s 以
    下のポリシラザンの1種以上を混合したものを含浸させ
    、架橋硬化させ、さらに焼成してセラミックスに転化さ
    せることを特徴とする繊維強化セラミックスの製造方法
    。■主たる繰り返し単位が−〔(SiH2) n(NH
    )r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)で
    あるポリシラザン。■主たる繰り返し単位が−〔(Si
    H2) n(NH)r 〕−及び−〔(SiH2)m 
    O〕−(式中、n,m,rは1,2又は3である。)で
    あるポリシロキサザン。■組成式(RSiHNH) x
     〔(RSiH)1.5N〕1−x (式中、Rはそれ
    ぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
    ル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ
    基又はアルコキシ基を表わし、そして0.4<x<1で
    ある。)で表わされるポリオルガノ(ヒドロ)シラザン
    。■主たる繰り返し単位が−〔(SiR′H) n (
    NR′) r 〕−(式中、R′は水素原子又は上記R
    と同であり、n,rは1,2又は3である。)で表わさ
    れ、架橋結合−(NH)s −(式中、sは1又は2で
    ある。)を有する改質ポリシラザン。■ポリシラザンと
    金属アルコキシドとの反応生成物であるポリメタロシラ
    ザン。
  2. 【請求項2】  前記架橋硬化を加圧下で行なう請求項
    1記載の繊維強化セラミックスの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994012448A1 (en) * 1992-11-26 1994-06-09 Tonen Corporation Process for producing ceramic product

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WO1994012448A1 (en) * 1992-11-26 1994-06-09 Tonen Corporation Process for producing ceramic product

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