JPH07196374A - 繊維強化セラミックス用プリプレグとその応用 - Google Patents

繊維強化セラミックス用プリプレグとその応用

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JPH07196374A
JPH07196374A JP5352319A JP35231993A JPH07196374A JP H07196374 A JPH07196374 A JP H07196374A JP 5352319 A JP5352319 A JP 5352319A JP 35231993 A JP35231993 A JP 35231993A JP H07196374 A JPH07196374 A JP H07196374A
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polysilazane
fiber
prepreg
sih
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JP5352319A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Sato
清 佐藤
Hiroki Morozumi
宏喜 両角
Atsushi Tezuka
厚 手塚
Hiroshi Kaya
博司 茅
Takeshi Isoda
武志 礒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Tonen General Sekiyu KK
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な形状、大型形状へも容易に適用可能な
セラミックス複合材用プリプレグ、及びこれにもとづく
複合材を提供する。 【構成】 熱硬化性ポリシラザンをマトリックスとし、
耐熱性繊維を強化繊維とし、かつマトリックス中に耐熱
性フィラーを含有する繊維強化セラミックス用プリプレ
グ。フィラーの最大粒径は、クロスの場合繊維最大径の
5倍以下、チョップドファイバーシートの場合3倍以下
とするのがよい。ポリシラザンの粘度は102 〜108
Pa・sがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温、腐食性などの環境
下で構造用材料として使用することのできるセラミック
ス複合材料を作製するのに好適なプリプレグ、さらに詳
しくは、熱硬化性のセラミックス前駆体ポリマーとフィ
ラーをマトリックスとし、セラミックス繊維、炭素繊
維、あるいは、金属繊維を強化材とするプリプレグと、
その応用に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは金属材料に比べて優れた
耐熱性、耐蝕性を有し、さらに断熱性にも優れているた
め、高温、腐食性の厳しい環境下で金属に代わる構造用
材料として注目されてきた。しかしながら、セラミック
スは金属材料のように変形したり伸びたりすることがで
きず、材料内部の欠陥や表面傷に応力の集中が起こり容
易に破壊されるので靱性に劣るという欠点がある。この
セラミックスの靱性を改善するために、長繊維をセラミ
ックス中に強化材として分散させ、破壊に際してのエネ
ルギーを分散、吸収する手法が試みられている。
【0003】この繊維強化セラミックスの製造法として
は粉末焼結法、ガラス熔融法、反応焼結法、CVI法な
どが鋭意研究されているが、その一つにセラミックス前
駆体ポリマー含浸法がある。これは繊維集合体の空隙部
分に液状のセラミックス前駆体ポリマーを含浸させ、こ
れを焼成することでセラミックスマトリックス形成する
方法である。通常は1回の含浸/焼成では、ポリマーか
らセラミックスに転換する際の体積収縮のため、マトリ
ックス密度が充分緻密にならないため複数回の含浸/焼
成が行なわれる。セラミックス前駆体ポリマー焼結法
は、粉末焼結法のようにマトリックス緻密化のために、
強化繊維集合体を収縮させる必要がないため、本質的に
ニアネットシェイププロセスであるという特徴を持って
いる。
【0004】ただし、セラミックス前駆耐ポリマー法で
緻密で機械的特性に優れる複合材を得るためには、含浸
性に富み、焼成の際のセラミックス化収率の高いポリマ
ーを使用する必要がある。これに関して、本発明者ら
は、特定のポリシラザン類の使用が極めて有効であるこ
とを見いだしている(特開平4−342649号、特願
平4−317510号)。セラミックス前駆体法のニア
ネットシェイププロセスである特徴を活かすためには、
成形プロセスが重要である。プラスチックマトリックス
複合材に用いられる成形プロセスが採用可能であるが大
きく分類すると、(i)プリプレグ法と(ii)プリフォ
ーム法に分けられる。
【0005】プリフォーム法は多次元織りなどによっ
て、あらかじめ製品形状のプリフォームを作製し、これ
にポリマーを含浸、硬化、焼成するプロセスである。プ
リプレグ法は一方向配向繊維、織布、面内配向チョップ
ドファイバーなどシート状の繊維集合体の繊維間にポリ
マーを含浸したシート−プリプレグ−を作製し、このシ
ートの粘着性を利用して積層、成形する方法である。ウ
エットレイアップ法と呼ばれる方法もあるが、これは一
方向配向繊維、織布、面内配向チョップドファイバーシ
ートにポリマーを浸積しながら積層、成形していく方法
で、積層直前にプリプレグ化を行なうプリプレグ法と分
類できる。プリフォーム法は多次元織りなどの特殊な手
法を用いるために作製できる形状が比較的単純な形状に
限定され、なおかつ成形コストも高い。一方、プリプレ
グ法はプリプレグの積層成形方法として、プラスチック
複合材で広く用いられるハンドレイアップ法、テープワ
インディング法、バキュームバッギング法、金型成形法
などを、目的の形状、機械的物性に従って選ぶことが可
能である。
【0006】プリプレグ法に関する明確な記述のあるも
のとして米国特許第4,460,638号や欧州特許出
願公開第0549224号などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス前駆体ポ
リマー含浸法とプリプレグ法を組み合わせると上記のよ
うに、成形性の点において著しい利点が期待される。し
かしながら、実際には、成形体を焼成すると、プリプレ
グ層間および層自身の剥離などの膨張変形と強度低下が
生じ、(i)製品寸法安定性の欠如と、(ii)緻密化工
程でのハンドリング困難という二つの問題が生じた。プ
リプレグを成形/硬化した中間製品を焼成すると、ポリ
マーが焼成収縮することによりマトリックスに多数のク
ラックが入る。焼成体の形状保持は、(i)マトリック
ス自体の結合力、(ii)繊維/マトリックス間の接着力
によるが、クラック発生によりマトリックスの結合力が
大きく低下する。それでも繊維/マトリックスの接着強
度が充分である場合は焼成後も形状保持可能で、剥離な
どは発生しない。しかし、最終製品であるセラミックス
複合材の強度と靱性を向上させるためには、界面接着強
度を適切な値まで下げる必要があることが広く知られて
いる。特にセラミックス繊維を用いたケースでは、繊維
とマトリックスの弾性率がほぼ同じであるために、高弾
性炭素繊維を使った場合のような、繊維の応力分担によ
る強度向上が期待できない。そのためよりいっそう、繊
維/マトリックス界面強度を最適化する必要がある。そ
の結果、界面接着強度をかなり低いレベルに抑えること
になり、焼成体を結合する力がなくなり、膨張変形と強
度低下といった問題が顕在化する。この現象は繊維の絡
まりあいの少ない強化形態ほど顕著で、織布積層、チョ
ップドファイバー積層、UDプリプレグ直交/斜交積
層、UD配向の順に悪化する傾向にあった。
【0008】すなわち、プリプレグ法では製品の(a)
機械的特性(強度、靱性)と、(b)寸法安定性および
中間製品の取り扱い性のふたつを両立させることが不可
能であった。前述の米国特許明細書や欧州特許出願公開
公報、特に後者では本発明と同様に界面接着強度を低下
させるような処理をした繊維を用いたセラミックス複合
材とプリプレグの製造方法について述べており、本発明
のようにプリプレグマトリックスにフィラーを添加する
記述もある。しかし、低界面接着強度繊維使用による、
複合材の機械的性質(強度、靱性)の向上と、これと引
き替えに発生する弊害である、寸法安定性の悪化と中間
製品の取り扱い性の低下については触れていない。また
この問題を解決するような具体的な方法も提供していな
かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決するために鋭意研究を進めた結果、特定の熱硬化
性ポリシラザンがこの目的のプリプレグマトリックスポ
リマーとして有効であること、そしてプリプレグのマト
リックス中に適切な粒径を持つフィラーを適当量添加す
ることが極めて有効であることを見いだした。さらに、
上記の問題点を解決すると同時にプリプレグの良好な成
形性を確保するためには、プリプレグマトリックス用ポ
リマーのレオロジー特性について最適化をはかる必要が
あることも見いだした。
【0010】こうして、本発明によれば、後記A〜Pか
ら選ばれる熱硬化性ポリシラザンをマトリックスとし、
耐熱性繊維を強化繊維とし、かつマトリックス中に耐熱
性フィラーを含有することを特徴とする繊維強化セラミ
ックス用プリプレグと、このプリプレグを用いて積層成
形した後、硬化、焼成し、さらに上記熱硬化性ポリシラ
ザンを再含浸し、再焼成することを特徴とする繊維強化
セラミックスの製造方法とこうして得られる繊維強化セ
ラミックスが提供される。マトリックスポリマー プリプレグのマトリックスに用いるセラミックス前駆体
ポリマーとしては、熱硬化性を有しセラミックス化収率
が高いうえに様々な粘度のポリマーを調製できるため、
下記A〜Pから選択されるポリシラザンが好適である。
【0011】A)主たる繰り返し単位が−〔(Si
2 n (NH)r 〕−(式中、n,rは1,2又は3
である。)であるポリシラザン。このポリシラザンは、
側鎖に有機基を有しない無機ポリシラザンである。特
に、ジハロシランと塩基とのアダクツにアンモニアを反
応させて合成される無機ポリシラザンが好適である(特
公昭63−16325号、特開平3−170533号公
報)。この無機ポリシラザンは、上記繰り返し単位を有
する環状及び分岐構造を含むが主として線状のポリマー
であり、極めて、反応性に富むポリマーである。
【0012】B)主たる繰り返し単位が−〔(Si
2 n (NH)r 〕−及び−〔(SiH2 m O〕−
(式中、n,m,rは1,2又は3である。)であるポ
リシロキサザン。このポリシロキサザンは、特にジハロ
シランと塩基のアダクトに、アンモニアと水又は酸素と
を反応させて生成したものが好適であり(特開昭62−
195024号)、無機ポリシラザンと同様の構造を有
する。従って、このポリシロキサザンも主として線状の
ポリマーが重縮合した高重合型でもよい。
【0013】C)組成式(RSiHNH)x 〔(RSi
H)1.5 N〕1-x (式中、Rはそれぞれ独立してアルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、
アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルキルヒドラ
ジン基又はアルコキシ基を表わし、そして0.4<x<
1である。)で表わされるポリオルガノ(ヒドロ)シラ
ザン。
【0014】このポリオルガノ(ヒドロ)シラザンは、
ケイ素原子に水素原子と共に有機基が結合した構造を有
するものである。このポリオルガノ(ヒドロ)シラザン
としては、無機ポリシラザンの場合と同様に、オルガノ
(ヒドロ)ジハロシランと塩基とのアダクトにアンモニ
アを反応させて生成したものが好適に使用でき、またそ
の重縮合等による高重合型ポリマーも含まれる(特公平
4−9169号及び特公平4−46974号)。
【0015】D)主たる繰り返し単位が−〔(Si
2 n (NH)r 〕−及び−〔(SiR′H)n (N
R′)r 〕−(式中、R′は同じでも異なってもよく、
水素原子又は上記Rと同であり、n,rは1,2又は3
である。)であるポリシラザン。このポリシラザンは、
無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの1種の共重合
体であるが、繰り返し単位は不規則に分布することがで
きる(特開平3−170533号公報)。
【0016】E)主たる繰り返し単位が−SiH(N
<)2 −及び−〔(SiR′H)n (NR′)r 〕−
(式中、R′は同じでも異なってもよく、水素原子又は
上記Rと同であり、n,rは1,2又は3である。)で
あるポリシラザン。このポリシラザンは上記D)と同様
な共重合により製造することができる(特開平3−31
326号公報)。
【0017】F)上記Aのポリシラザンを(R1 2
H〔式中、R1 はそれぞれ独立してアルキル基、又は
(R2 3 N−(式中、R2 はそれぞれ独立してアルキ
ル基又は水素であるが、少なくとも1個は水素でない)
である。〕で表されるアルキルアミン又はアルキルシラ
ザン又はアルキルアミノシランと反応して得られる改質
ポリシラザン。
【0018】この改質ポリシラザンは、無機ポリシラザ
ンにアンモニア又はヒドラジン又はそれらの水素をR′
(有機基)で置換した化合物を塩基性条件下で脱水素重
縮合反応させて生成する。架橋結合の形で窒素原子がポ
リマー中に取り込まれるため、窒素原子とケイ素原子と
の比(N/Si)は、もとのポリマーよりも増大し、窒
化珪素の化学量論比に近づく(特開平1−138107
号、特開平1−203429号、特開平1−20343
0号、特開平4−63833号)。
【0019】G)上記Aのポリシラザンをアルコール、
有機酸、エステル、ケトン、アルデヒド、イソシアネー
ト、アミド、又はメルカプタンと反応して得られる改質
ポリシラザン(特願平3−320167号明細書)。 H)上記Aのポリシラザンをさらに架橋、分岐させて得
られる、1分子中の−SiH2 基と−SiH3 基の比が
2.5〜8.4であるシラザン高重合体。
【0020】これは無機ポリシラザンが加熱による重縮
合反応等により高重合体化したポリシラザンである。こ
のような高重合型無機ポリシラザンでは、重縮合反応に
より分枝が進んで1分子中のSiH3 基とSiH2 基と
の比(SiH3 基/SiH2基)がもとの2倍以上にも
増大し2.5〜8.4となり、溶媒可溶性が改善され
る。このポリマーは一般的にSi:50〜70重量%、
N:20〜34重量%、H:5〜9重量%である(特開
平1−138108号)。
【0021】I)主たる繰り返し単位が−Si(R3
2 NR3 −(式中、R3 はそれぞれ独立して水素原子又
は上記Rと同であるが、R3 のうち少なくとも1個は水
素原子である)で表されるポリシラザンと、M(O
4 m (式中、Mは元素周期律表の第2A族から第5
A族及び第2B族から第5B族までの元素から選ばれる
元素であり、R4 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1
〜20個のアルキル基、又はアリール基を表すが、少な
くとも1個のR4 は水素原子でなく、mはMの原子値で
ある。)で表されるメタルアルコキシドを反応させて得
られるポリメタロシラザン。
【0022】このポリメタロシラザンは金属を含むため
に、セラミック化した際に金属との親和性に優れ、耐熱
性にも優れているという特長がある(特開昭63−81
122号、同63−191832号、特開平2−774
27号、特開平2−84437号)。 J)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)と−B
(N<)2 であるポリボロシラザン。
【0023】このポリシラザンは硼素を含むことにより
セラミックス化したときの耐熱性が向上する。 K)主たる繰り返し単位が−Si(R3 2 NR3
(式中、R3 は上記と同である。)で表わされ、架橋結
【0024】
【化3】
【0025】(式中、R5 はそれぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アルキルアミノ基、水酸基、又はアミノ基
であり、R6 はR5 のうち窒素原子を有する基の窒素原
子に結合している残基であり、最後の化学式では各3個
の窒素原子及び硼素原子からなる合計6個のうち少なく
とも2個が架橋に使われ、残りの原子にはR5 が結合す
ることができる。)を有するポリボロシラザン。
【0026】このポリボロシラザンはポリシラザンと下
記の如き硼素化合物との反応生成物である(特開平2−
84437号公報)。ポリボロシラザンは硼素を含むこ
とによりセラミックス化したときの耐熱性が向上する。
【0027】
【化4】
【0028】(式中、R5 は前記と同じであり、LはB
(R5 3 と錯体を形成する化合物である。)また、ポ
リボロシラザンは主たる繰り返し単位が−〔(Si
2 n (NH)r 〕−(式中、n,rは1,2又は3
である。)と−B(N<)2 であるポリボロシラザンで
あることもでき、このポリボロシラザンはジハロシラン
とトリハロボランをルイス塩基と反応させて得られた錯
体混合物をアンモニアと反応させて合成することができ
る特願平2−412270号)。
【0029】L)主たる繰り返し単位が−Si(R3
2 NR3 −(式中、R3 は上記と同である。)で表わさ
れ、架橋結合
【0030】
【化5】
【0031】(式中、R5 は上記と同じであり、R6
5 のうち窒素原子を有する基の窒素原子に結合してい
る残基であり、最後の化学式では結合手のうち少なくと
も2個が架橋に使われ、残りの原子にはR5 が結合する
ことができる。)を有するポリホスホシラザン。このポ
リホスホシラザンは上記K)のポリボロシラザンの硼素
を燐に変えたもので、ポリシラザンと下記の如きリン化
合物との反応生成物であり、ポリボロシラザンと同様に
有効である(特開平4−164923号公報)。
【0032】
【化6】
【0033】(式中、R5 は前記と同じである。) M)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)である
ポリシラザンと熱可塑性珪素含有ポリマーとを共重合し
て成る熱硬化性共重合体。 N)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)である
ポリシラザンと金属化合物の反応生成物と、熱可塑性珪
素含有ポリマーとを共重合して成る熱硬化性共重合体。
【0034】M),N)の共重合体は、焼成すると炭化
珪素質のセラミックスを提供する(特開平5−8620
0号公報)。 O)上記I,J,Kに記載したポリボロシラザンと熱可
塑性珪素含有ポリマーとを共重合して成る熱硬化性共重
合体。この共重合体は、焼成すると硼素を含有する炭化
珪素質のセラミックスを提供する(特願平4−1388
85号明細書)。
【0035】P)上記各種ポリマーの共重合体。 以上の各ポリマーのいろいろな共重合体には、繰り返し
単位が不規則に配置したもののほか、ブロック共重合
体、分岐共重合体などいろいろな共重合体が含まれる。
上記A〜Pのポリシラザンを混合したポリマーは下記の
如くプリプレグのマトリックスポリマーとして適する基
本的な特徴を持つ。 (1)熱処理により耐熱性に優れた窒化珪素系セラミッ
クスに転化する。 (2)セラミックス化収率が極めて高い。特に、無機ポ
リシラザン、無機ポリシロキサザンはセラミックス化収
率が高い。 (3)活性なSiH,SiH2 ,SiH3 ,NH,NH
2 ,OR基等を有するため、低温での熱処理により、架
橋硬化する。
【0036】しかし、製品の機械的特性と、寸法安定
性、取扱い性を両立させるためにプリプレグ用ポリマー
に要求されるレオロジー特性は、採用するプリプレグ製
造プロセスにより若干異なってくる。先ず、プリプレグ
製造プロセスについて説明すると、これは使用するポリ
マーの性状に注目すると次の2に分けられる。(i)ホ
ットメルト型、(ii)ソルベント型。ホットメルト型は
室温で固体または高粘度のポリマーに熱を加えて流動性
を持たせ、繊維にポリマーを含浸させる方法である。ソ
ルベント型は同じく室温で固体または高粘度のポリマー
を溶媒に溶かし、これを繊維に含浸させたのち乾燥する
方法である。
【0037】また強化繊維形態の違いによっても製造プ
ロセスは分類される。強化繊維形態が一方向配向である
場合は、ポリマーを含浸した繊維束をドラムの軸方向に
少しづつずらしながら巻き取りシート状にするドラムワ
ンディング法、あるいは、多数の繊維束にポリマーを含
浸してロールでプレスしながら連続的にシート状に巻き
取るプリプレグマシン法が用いられる。チョップドファ
イバーの場合は、加熱または溶媒を添加することで適当
な粘度に調整したポリマーを離型フィルムに塗布し、こ
のシートの上にチョップドファイバーを堆積させ、さら
にロールでプレスしながらシート状にする方法が主に用
いられる。織布の場合も、前記と同様に離型フィルムに
ポリマーをコートし、さらに織布をのせ、ロールでプレ
スしながら巻き取る方法が用いられる。
【0038】いずれの強化繊維形態においても、ホット
メルト型の場合はシートをプレスするのに使うロールを
加熱することで繊維束内にポリマーを含浸させ、繊維束
どうしを接着する。ソルベント型の場合はプレス前に繊
維束から溶媒を乾燥除去しておき、加熱したロールによ
る加圧で繊維束どうしを接着する。繊維集合体および繊
維束への含浸性を重視した結果、使用ポリマーの室温粘
度が低く、プリプレグとして用いるには柔らかすぎる場
合は、巻き取ったシートを加熱して架橋を部分的に進
め、適度な硬さに調製すること(Bステージ化)も可能
である。
【0039】また、マトリックスへのフィラーの添加
は、ホットメルト型の場合はポリマー中にフィラーを混
練しておき、ソルベント型の場合は溶剤に溶かしたポリ
マーにフィラーを加えて混合し、スラリー状にして繊維
に含浸する。ただし、本発明のプリプレグ製造方法は上
記方法に限定されるものではない。以上のプロセスを経
てプリプレグを作製するには、ポリマーのレオロジー特
性を適切なものに調整する必要がある。
【0040】この点で上記A〜Pのポリシラザンは、反
応条件を制御することにより、常温で液体、半固体、固
体とすることができるため、プリプレグ製造に適した粘
度特性のものを容易に作製できる特徴を持ち、加えて自
己架橋性を持つため、硬化剤などの添加剤を加えること
なく、Bステージ化することも可能であるという基本的
に好適な性質を有している。
【0041】しかし、巻き取ったシートのBステージ化
を行わない場合は、ポリマーのレオロジー特性としては
下記が必要である。 (i)室温で柔軟性を持つ固体、もしくは、高粘性液体
であること (ii)適当な温度に加熱することで流動性を持ち、繊維
間空隙への含浸が可能であること (iii)適切な温度で熱硬化すること この様な特性を満たすために、ポリマー単体の粘度とし
ては、添加フィラーの粒度分布、添加量によって最適粘
度は変化するが、室温でのポリマー性状として、プリプ
レグの形状保持の点から102 Pa・s以上の粘度を有す
ることが必要である。また、成形型になじむだけの柔軟
性が必要であるから108 Pa・s以下の粘度が好まし
い。この102 Pa・s未満ではプリプレグをシートとし
て取り扱うことができず、逆に108 Pa・s超ではプリ
プレグが硬い板状になり、成形に適さなくなる。また、
繊維間空隙に含浸するためには、室温+10℃から30
0℃の範囲内で、102 Pa・s以下の粘度になる必要が
ある。
【0042】なお、熱硬化温度については、硬化時にバ
ッギングシート、離型シートとして用いる高分子フィル
ム(テフロンなどのフッ素系樹脂)の耐熱限界から、3
40℃以下が好ましい。340〜400℃の領域でもイ
ミド系ポリマー、あるいは、アルミ箔などを用いること
もできるが、両者ともにテフロン系シートに比較すると
延び量が少ないため、複雑形状の成形/硬化には適さな
い。次に、巻き取ったシートをBステージ化処理する場
合は、ポリマーに要求されるレオロジー特性は下記であ
る。 (i)室温で高粘性液体であること (ii)適当な温度に加熱することで流動性を持ち、繊維
間空隙への含浸が可能であること (iii)適当な温度で架橋が部分的に進行し、室温で柔軟
性を持つ固体、もしくは高粘性液体であること (iv)適切な温度で熱硬化すること この様な特性を満たすために、ポリマー単位の粘度は、
Bステージ化を行わない場合と同様に、添加フィラーの
粒度分布、添加量によって最適粘度は変化するものの、
室温でのポリマー性状として、柔軟性のために108 Pa
・s以下の粘度が好ましく、また繊維間空隙に含浸する
ためには、室温+10℃から300℃の範囲内で102
Pa・s以下の粘度になる必要がある。Bステージ化が可
能である条件は、室温から400℃以下の温度で熱処理
することで、室温での粘度が102 Pa・s以上108 Pa
・s以下になることである。
【0043】一方熱硬化温度については、Bステージ化
を行わない場合と同じく、400℃以下、より好ましく
は340℃以下である。この様な性状を持つポリシラザ
ンを製造するには、A〜Pのポリシラザンの反応条件を
制御して、適切な分子量のポリシラザンを調製すればよ
い。また低分子量と高分子量のポリシラザンを混合する
ことでも同様に、適切なポリシラザンを調製可能であ
る。強化繊維 使用する耐熱性強化繊維の材質は、炭素を含むセラミッ
ク質又は金属が用いられる。セラミック質としては、炭
素、炭化珪素、窒化珪素、炭窒化珪素、酸窒化珪素、ア
ルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、窒化ホウ素、
窒化アルミニウム、ボロンなど、金属質としては、タン
グステン、モリブデン、タンタル、ニオブなどの高融点
金属、インコネルなどの耐熱ニッケル基合金、スチー
ル、ステンレスなどの鉄基合金である。セラミック繊維
では、特に、炭素、炭化珪素、窒化珪素、炭窒化珪素繊
維が耐熱、耐クリープ性の点から好ましい。金属繊維で
はタングステン、モリブデン、タンタル繊維が耐熱性か
ら好ましい。
【0044】使用する繊維径は100 〜102 μmのオ
ーダである。これ以下では繊維としての取扱いが難し
く、それ以上では繊維の屈曲性が不足して形状付与が難
しくなる。使用する繊維の形状は連続繊維もしくはアス
ペクト比50以上の不連続繊維である。不連続繊維の場
合はこれよりアスペクト比が小さいと繊維どうしの絡み
合いが少なくなり、プリプレグとしたときの形状保持が
難しくなる。
【0045】連続繊維の場合の集合形態は一方向配向も
しくは織布である。一方向配向は前述のプリプレグ作製
時にドラムワインディング、プリプレグマシン法などで
作製され、織布は織布機により平織、朱子織などの形態
に織られて用いられる。不連続繊維は連続繊維を切断し
て作製してもよいし(チョップド繊維)、気相または液
相成長により作製した短繊維を分級して用いてもよい。
繊維の集合形態は面内配向で、プリプレグ作製時に離型
フィルム上に繊維を散布することで作製される。面内の
配向は完全にランダムとしてもよいし、静電気、磁気、
ブラシによる機械的力によって配向に偏りを持たせても
よい。
【0046】これらの繊維形態、配向は複合材に必要な
強度特性や、形状の複雑さの度合いによって選定され
る。フィラー マトリックス中に添加されたフィラーは、(i)焼成収
縮により発生するクラックの進展をフィラー/マトリッ
クス界面で止め、(ii)ブリッジングを形成するなど作
用で、マトリックス自体の崩壊や強度低下を抑制する。
【0047】またフィラーの添加は、1次焼成体中の空
隙を減少させる効果があるため、緻密化のための再含
浸、再焼成の回数を減らすことができるという副次的な
効果をもたらす。本発明においてプリプレグに添加する
耐熱性フィラーの材質としては(i)B,Al,Si,
IIIA−VIII族、Be,Mg,Caの炭化物、窒化物、
硼化物、珪化物および複合化合物などのセラミックス、
(ii) IIIA−VIII族の金属およびこれを主成分とする
合金、 (iii)炭素を用いることができる。その中でも、
窒化珪素、炭化珪素、炭窒化珪素、酸窒化珪素、酸化珪
素、アルミナ、ムライト、炭化硼素、窒化硼素、マグネ
シア、炭素、Mo,W,Taなどがより好ましい。また
ここで言うフィラーにはwhiskerなどの短繊維も
含まれる。フィラーの添加量は、マトリックスに対して
1〜60 vol%、より好ましくは1〜50 vol%であ
る。これ以下ではフィラー添加の効果が認められず、焼
成体の層間剥離などが生じた。逆にフィラー添加量を多
くすると、1次焼成体の強度は向上するが、マトリック
スの流動性がなくなるために、(i)繊維を最密配列す
ることが難しくなりプリプレグVfを高くできなくなっ
た。さらには、(ii)プリプレグの柔軟性が欠如し成形
性が低下する、また接着剤として作用するポリマー量が
相対的に少なくなるため、 (iii)プリプレグどうしの接
着力が不足するなどの弊害が発生し、結果として成形性
が大幅に低下した。これらの弊害は、フィラー含有率6
0 vol%以上で極めて顕著となった。
【0048】フィラーの寸法(粒径)の最適条件は、強
化繊維集合体の形態に依存する。繊維空間サイズが異な
るためである。ただし、最大粒径は100μm以下がよ
い。これ以上大きいとスラリー中に均一に分散すること
が困難になる。 (a)繊維集合体が織布である場合 繊維束の交差によるポケット、目開き部を充填すること
が好ましい。これらの空隙はミリメートルオーダ、すな
わち繊維直径の100倍のオーダーである。その結果、
最大粒径が繊維直径の5倍以下の粉末が有効であった。
それ以上ではこれらの空隙を充填する効果よりも、プリ
プレグシートの積層を阻害する弊害の方が上回り、Vf
が充分に上がらなくなった。 (b)チョップドファイバーである場合 繊維間隙は繊維直径の10倍のオーダであり、その結
果、織布の場合より最大粒径をより小さくする必要があ
った。すなわちフィラー最大粒径は繊維直径の3倍以下
が効果的であった。 (c)一方向配向繊維である場合 繊維間隙は繊維直径のオーダーであるため、最大粒径は
繊維直径以下であることが効果的であった。
【0049】さらに、粒径分布は、小粒径側へ裾野を持
つ方がフィラーの最大充填可能量が増大し、かつ、流動
性が向上するためより好適であった。プリプレグの作成法 プリプレグの製造は下記の手順で行う。 <スラリー調整>ポリマーとフィラーを混合攪拌器にて
混練する。ソルベント型のプリプレグ製造プロセスを取
る場合はこれに適当量の有機溶媒を加える。
【0050】<シート化>強化繊維のシート化は、強化
繊維の集合形態とソルベント型/ホットメルト型のどち
らをとるかによって異なる。一方向配向の場合は以下の
手順をとる。 (i)繊維束にスラリーを一定量塗布しながら離型シー
ト上に一方向に揃えて巻き取る (ii)離型シート上に一定量のスラリーを塗布しておき
このシート上に繊維を巻き取る チョップドファイバーの場合は以下の手順をとる。
【0051】シート化の方法は一方向配向の場合と同様
に2通りの方法がある。 (i)チョップドファイバーにスラリーを一定量塗布し
ておき、離型シート上に散布する (ii)離型シート上に一定量のスラリーを塗布してお
き、チョップドファイバーを散布する (i)の場合は連続繊維にスラリーを一定量塗布してお
き、この連続繊維を切断する方法をとることもできる。
【0052】織布の場合は以下の手順をとる。織布機で
連続繊維を織り、平織、朱子織などの織布にする。シー
ト化の手順は上記と同様に2通りの方法がある。 (i)一定量のスラリーを塗布しながら、離型シート上
に巻き取る (ii)離型シート上に一定量のスラリーを塗布してお
き、このうえに織布をのせて巻き取る いずれの場合も繊維、繊維集合体へのスラリー塗布方法
が、ホットメルト型とソルベント型で異なる。すなわち
ホットメルト型の場合、室温+10℃から300℃に加
熱することで適当に粘度を下げ塗布をしやすくする。ソ
ルベント型の場合は適切な量の溶媒を添加することで塗
布しやすい粘度に調整し、シート化後に添加された溶媒
は乾燥除去される。
【0053】こうして作製されたシートはそのままプレ
スしてプリプレグとすることもできるが、繊維へのスラ
リーの含慢性を重視して、やや低粘度のポリマーを選択
した場合は熱処理によりポリマーの粘度を適度な値まで
増加させるBステージ化処理が行われる。具体的には室
温から400℃の温度を与える。 <プレス>このシートをホットロールなど加熱のできる
プレス装置で、室温+10℃から300℃の温度に加熱
しながらプレスする。加熱によりポリマーの粘度が低下
することで繊維束が圧着され厚さの均質なプリプレグと
なる。
【0054】こうして得られたプリプレグは、プリプレ
グ同士の接着性(タック性)を有し、かつ、成形用型に
なじむ柔軟性(ドレープ性)を持つために、積層成形に
よる自由な賦形化が可能である。プリフォーム法では中
間製品であるプリプレグを経ないで、(1)織布を積層
し縫製などにより形状を固定化する、(2)3D織りな
どの多次元織りで直接賦形化するなどの方法で、(2)
成形型に繊維、織布を詰め込みプレスするなどの方法で
プリフォームを作製し、これにポリマーを含浸/焼成す
る方法である。これに対してプリプレグ法は自己接着性
のある柔軟なシートを接着積層していく方法であるの
で、成形が容易である。また、プリプレグ法による複合
材の方が下記の理由で欠陥が少ない。
【0055】プリフォーム法に用いるプリフォームには
大小様々な空隙が存在する。具体的には織布積層、多次
元織りの場合は繊維束の交差部には1mm程度の空隙がで
きるが、繊維束内の繊維間隙は数μmである。そのた
め、ポリマーの繰り返し含浸/焼成による緻密化処理を
行うと、先に繊維間隙が充填され、繊維束の交差部はポ
アとして残りやすい。それに対してプリプレグ法では、
フィラーを添加したポリマーを薄い繊維集合体に含浸す
るので、織布の繊維束交差部や目開き部にもポリマー/
フィラーが均等に充填しやすく、最終製品に未含浸の欠
陥として残留しにくい。
【0056】プリプレグを用いたセラミック複合材の製
プリプレグの成形は一般のプリプレグ成形法に従うこと
ができ、例えば、バキュームバッキング法、金型成形法
などで成形する。次いで、ポリマーを架橋硬化させる
が、一般的には、50〜400℃、減圧、大気圧又は加
圧下で適宜選択した条件下で行なう。
【0057】焼成条件は特に制限はなく、不活性ガス、
窒素、アンモニア、水素、酸素、炭化水素、一酸化炭素
などのいずれか、あるいは、その混合ガス雰囲気下、も
しくは、真空下で600〜2000℃で行なう。焼成時
の昇温速度は500℃/分以下が好ましい。焼成雰囲気
は、使用するポリシラザン、強化繊維によって選ばれ
る。Si,Nのみからなるポリシラザンの場合、窒素、
アンモニア、水素などの混合雰囲気が、ポリシロキサザ
ンなど酸素を含有する場合は酸素含有雰囲気が好まし
い。
【0058】得られた焼成体は必ずしも緻密性が充分で
ないため、室温で液体のA〜Pのポリシラザンを含浸さ
せ、硬化、焼成する緻密化工程を1回以上施して最終製
品とする。こうして得られる繊維強化セラミックス成形
体は、プリプレグ法によることによって複雑、大型の形
状でも容易に製造される。また、本発明の特定の熱硬化
性ポリシラザンはそれ自身セラミックス転化率が高く、
かつ耐熱性、耐酸化性、機械的強度等に優れたセラミッ
クスに転化する。しかも、この熱硬化性ポリシラザンの
特に粘度と、耐熱性フィラーの特に粒径の選択により、
繊維強化セラミックス成形体の機械的特性の向上と、プ
リプレグを用いた製造工程における取扱い性と寸法安定
性とが両立され、優れた複合材が得られる。
【0059】
【実施例】参考例1(ランダム共重合シラザンの製造方法) 温度が0℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥窒素で
置換した後、乾燥ピリジン900mlを入れ温度が一定と
なるまで保持した後、攪拌しながらメチルジクロロシラ
ン(CH3 SiH2 Cl2 )57.5g、ジクロロシラ
ン(SiH2 Cl2 )50.5gをそれぞれ加え錯体混
合物を形成させ、白色固体状のアダクトを得た。反応混
合物を0℃に冷却し、攪拌しながら、乾燥アンモニア7
2gを吹き込んだ。
【0060】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み、未反応
のアンモニアを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過
し、濾液850mlを得た。この濾液に乾燥o−キシレン
1000mlを加え減圧下で溶媒を除去したところ、3
9.2gの無色の粘性液体が得られた。この粘性液体の
数平均分子量は、GPCにより測定したところ630で
あった。
【0061】また、前記重合体の元素組成(重量%)は
Si:54.4,N:23.8,O:3.0,C:1
2.9であった。参考例2(高分子量タイプ ランダム共重合シラザンの
製造方法) 温度が60℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥窒素
で置換したのち、乾燥ピリジン900mlを入れ温度が一
定となるまで保持したあと、攪拌しながらメチルジクロ
ロシラン(CH3 SiH2 Cl2 )57.5g、ジクロ
ロシラン(SiH3 12)50.5gをそれぞれ加え錯
体混合物を形成させ、白色固体状のアダクトを得た。反
応混合物を60℃に保温し、攪拌しながら、乾燥アンモ
ニア72gを吹き込んだ。
【0062】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み、未反応
のアンモニアを除去したのち、窒素雰囲気下で加圧濾過
し、濾液850mlを得た。この濾液に乾燥o−キシレン
100mlを加え減圧下で溶媒を除去したところ、37.
2gの白色固体粉末が得られた。この白色固体の数平均
分子量は、GPCにより測定したところ3300であっ
た。
【0063】またこの重合体の元素組成(重量%)はS
i:55.4,N:23.0,O:3.5,C:13.
1であった。参考例3(中分子量タイプ ランダム共重合シラザンの
製造方法) 温度が30℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥窒素
で置換したのち、乾燥ピリジン900mlを入れ温度が一
定となるまで保持したあと、攪拌しながらメチルジクロ
ロシラン(CH3 SiH2 Cl2 )57.5g、ジクロ
ロシラン(SiH3 12)50.5gをそれぞれ加え錯
体混合物を形成させ、白色固体状のアダクトを得た。反
応混合物を30℃に保温し、攪拌しながら、乾燥アンモ
ニア72gを吹き込んだ。
【0064】反応終了後、乾燥窒素を吹き込み、未反応
のアンモニアを除去したのち、窒素雰囲気下で加圧濾過
し、濾液850mlを得た。この濾液に乾燥o−キシレン
100mlを加え減圧下で溶媒を除去したところ、37.
3gの粘性液体が得られた。この粘性液体の数平均分子
量は、GPCにより測定したところ1400であった。
【0065】またこの重合体の元素組成(重量%)はS
i:56.5,N:22.0,O:3.2,C:14.
1であった。実施例1(窒化珪素繊維/窒化珪素フィラー/ランダム
共重合シラザン UDプリプレグの製造方法) 「UDプリプレグの製造」前記Dのポリマーである参考
例1のポリシラザンと、その高分子量タイプである参考
例2のポリシラザンのo−キシレン溶液をポリシラザン
の重量比が3:7になるように混合した。さらにo−キ
シレンを添加して、濃度40wt%に調製した。
【0066】このポリシラザン溶液から溶媒をエパボレ
ータにて取り除き、室温付近(30℃)での粘度測定を
行ったところ、5×103 Pa・sであった。さらに60
℃での粘度を測定したところ、8×101 Pa・sであっ
た。この溶液に窒化珪素粉末(電気化学工業製、SN−
9FW、最大粒径5μm以下)を5wt%の濃度になるよ
うに添加し、ボールミルにより混合しスラリーとした。
【0067】表面に炭素コーティングを施した窒化珪素
繊維(東燃製、引張強度250 kgf/mm2 、引張弾性率
23tonf/mm2 、1000フィラメント/ストランド)
にスラリーを含浸させながら、0.7mmの間隔でドラム
に1層巻き取った。これをドラムごと60℃、真空にて
1時間乾燥してから切り開き、繊維が一方向に引き揃え
られたシートを得た。このプリプレグのマトリックスに
はスラリー組成から計算して、1.9 vol%のフィラー
を含有している。
【0068】このシートをTEFPフィルムの間にはさ
み、ロール間隙を調整したホットロール装置にて60℃
にてプレスした。その結果、厚さ0.2mm、繊維体積含
有率Vf51 vol%のプリプレグを得た。このプリプレ
グは柔軟で型なじみがよく、プリプレグどうしの接着製
も積層成形するのに充分であった。 「バキュームバッギング法による成形と焼成」このプリ
プレグ80mm角に切り出し、〔0/90/90/0〕2
の8層構成になるように積層し、窒素ガスオートクレー
ブを用いたバキュームバッギング法にて、320℃,5
kgf/cm2 G加圧にて硬化処理を行った。得られた硬化
体はVf55%、厚さ1.55mm、嵩密度1.8g/cm
3 の強固な板状であった。
【0069】硬化体を窒素雰囲気下、1250℃で焼成
したところ厚さ1.60mm、嵩密度1.6g/cm3 の板
が得られた。この板はポリマー含浸などのハンドリング
が充分可能であった。また、プリプレグの成形性を評価
するために、同じプリプレグ1を曲率半径10mmの凹凸
部を持つ、図1の治具2に〔0/90/90/0〕3
積層構成で12層積層した。これをバキュームバッギン
グ法で硬化した。プリプレグに柔軟性と接着性があるた
めに型への積層は容易で、厚さ2.3mm,Vf55 vol
%の良好な成形体を得た。「緻密化工程」平板には以下
の緻密化処理を行った。再含浸は、真空容器に試料を入
れて80℃,10-1torrで1時間真空引きしたのち、参
考例1のポリシラザンを導入することで行った。ポリマ
ーを真空含浸した試料を取り出して窒素ガスオートクレ
ーブに移し、5 kgf/cm2 G,320℃で硬化処理を行
った。
【0070】硬化体は再び、窒素雰囲気下で1250℃
にて焼成した。含浸、焼成を6回繰り返すことで、厚さ
1.62mm、嵩密度2.3g/cm2 の複合材を得た。こ
の板を幅4mmに切り出し、30mmスパンの3点曲げ試験
にて室温強度試験を行ったところ、450MPa を得た。比較例1(窒化珪素繊維/ランダム共重合シラザン U
Dプリプレグの製造方法) 窒化珪素フィラーを加えないこと以外は実施例1と同じ
条件でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは厚
さ0.2mm、繊維体積含有率Vf53 vol%であった。
このプリプレグはフィラーを含有しないため実施例2の
プリプレグより柔軟であったが、作業性に支障がでるほ
ど柔らかくはなかった。
【0071】実施例1と同条件でプリプレグを積層し、
硬化処理を行ったところ、Vf57vol%、厚さ1.5
2mm、嵩密度1.7g/cm3 の強固な板を得た。さらに
実施例1と同条件で焼成を行ったところ、試料の厚さは
約2mmに膨張した。プリプレグ層間の剥離とプリプレグ
層自体のバラケが発生しており、ハンドリング不可能で
あり複合材を作製できなかった。
【0072】比較例2(窒化珪素繊維/窒化珪素フィラ
ー/ランダム共重合シラザン UDプリプレグの製造方
法) フィラーとして最大粒径44μmの窒化珪素粉末(電気
化学工業製、SN−9)を使用する以外は実施例1と同
じ条件でプリプレグを製造した。0.24mm厚以下には
プレスできず、Vfは41 vol%であった。また、柔軟
性も実施例1より少なく、繊維と垂直な方向に曲げると
簡単に折れてしまった。
【0073】また、プリプレグの成形性を評価するため
に、同じプリプレグを曲率半径10mmの凹凸部を持つ、
図1の治具に積層しようとしたところ、プリプレグが折
損し、また、接着性が少ないため積層不可能であった。
平板状であれば、積層などの操作が可能であったので、
実施例1と同条件で8枚積層し、硬化処理を行った。得
られた硬化体は厚さ1.9mmで、Vfは42 vol%であ
った。
【0074】さらに焼成を行い、緻密化工程を施した。
得られた複合材は厚さ2.0mm、嵩密度は2.4g/cm
2 であった。この板を実施例1と同条件で曲げ試験を行
ったところ、310MPa であった。フィラー粒径が大き
いためにVfが上がらず、低強度になった。参考例1(無機ポリシラザンの製造方法) 温度が0℃の恒温槽内に設置した反応器内を乾燥窒素で
置換した後、乾燥ピリジン4.5リットルを入れ温度が
一定となるまで保持した後、攪拌しながらジクロロシラ
ン(SiH2 Cl2 )505.0gを加え、白色固体状
のアダクトを得た。反応混合物を0℃に冷却し、攪拌し
ながら、乾燥アンモニア360gを吹きこんだ。
【0075】反応終了後、乾燥窒素を吹きこみ、未反応
のアンモニアを除去した後、窒素雰囲気下で加圧濾過
し、濾液4.5リットルを得た。この濾液に乾燥o−キ
シレン5.0リットルを加え、約4.5リットルになる
まで減圧下で溶媒を除去し、さらに乾燥o−キシレン
5.0リットルを加え再び減圧蒸留して3.5リットル
の溶媒を得た。溶液の一部を分取し、さらに溶媒を減圧
除去すると無色の粘性液体が得られた。
【0076】この粘性液体を、GPCにより分子量を測
定したところ数平均分子量(Mn)は902であった。
また粘度は75 mPa・s:25℃であった。また、前記
重合体の元素組成(重量%)はSi:64.3,N:2
6.8,O:1.9,C:2.6であった。実施例2(炭化珪素繊維/窒化珪素フィラー/無機ポリ
シラザン 平織プリプレグの製造方法) 「平織プリプレグの作製」前記Aのポリマーである参考
例4のポリシラザン(室温粘度75 mPa・s)にフィラ
ー含有量が20 vol%になるよう窒化珪素粉末(電気化
学工業製、SN−9FW、最大粒径5μm以下)を加え
た。これを混合攪拌器にて攪拌混合して均質な高粘度ス
ラリーを得た。
【0077】ドクターブレード装置にて材質TEFPの
フィルムの上にこのスラリーを厚さ約150μmになる
ようにコートした。このフィルム上に炭素コートされた
炭化珪素繊維平織クロス(日本カーボン製NL607)
を置き、さらにこの上にTEFPフィルムを載せ、60
℃にてホットロール装置にてプレスし、繊維間隙にスラ
リーを含浸させた。さらにこのシートを金属平板に挟ん
で窒素オーブンに入れ、160℃にて3時間処理し、ポ
リマーの粘度を上昇させた。使用したポリマー単体を窒
素中160℃,3時間の同条件で熱処理するとポリマー
はゼリー状となり動的粘弾性測定装置にて計測した粘度
は2×103 Pa・sであった。
【0078】これをさらに80℃のホットロール装置に
てプレスした。得られたプリプレグは厚さ0.22mm,
Vf51 vol%であった。充分な柔軟性と接着性を有し
ていた。 「バキュームバッギング法による成形と焼成」このプリ
プレグ80mm角に切り出し、16層積層し、窒素ガスオ
ートクレーブを用いたバキュームバッギング法にて、2
80℃,5 kgf/cm2 G加圧にて硬化処理を行った。得
られた硬化体はVf51%、厚さ3.5mm、嵩密度1.
6g/cm3 の強固な板状であった。
【0079】硬化体を窒素雰囲気下、1100℃で焼成
したところ厚さ3.6mm、嵩密度1.4g/cm3 の板が
得られた。この板にはプリプレグの層間剥離は認められ
ず、ポリマー含浸などのハンドリングが充分可能であっ
た。また、プリプレグの成形性を評価するために、同じ
プリプレグを曲率半径10mmの凹凸部を持つ、図1の治
具に12層積層した。これをバキュームバッギング法で
硬化した。プリプレグに柔軟性と接着性があるために型
への積層は容易で、厚さ2.8mm,Vf49 vol%の良
好な成形体を得た。 「緻密化工程」平板には以下の緻密化処理を行った。再
含浸は、真空容器に試料を入れて80℃,10-1torrで
1時間真空引きしたのち、参考例1のポリシラザンを導
入することで行った。ポリマーを真空含浸した試料を取
り出して窒素ガスオートクレーブに移し、5 kgf/cm2
G,280℃で硬化処理を行った。
【0080】硬化体は再び、窒素雰囲気下で1100℃
にて焼成した。含浸、焼成を6回繰り返すことで、厚さ
3.7mm、嵩密度2.4g/cm2 の複合材を得た。この
板を幅8mm、厚さ3mmに切り出し、30mmスパンの3点
曲げ試験にて室温強度試験を行ったところ、420MPa
を得た。比較例3(炭化珪素繊維/ランダム共重合シラザン 平
織プリプレグの製造方法) 窒化珪素フィラーを加えないこと以外は実施例3と同じ
条件でプリプレグを製造した。得られたプリプレグは厚
さ0.22mm、繊維体積含有率Vf50 vol%であっ
た。このプリプレグはフィラーを含有しないため実施例
2のプリプレグより柔軟であったが、作業性に支障がで
るほど柔らかくはなかった。
【0081】実施例2と同条件でプリプレグを積層し、
硬化処理を行ったところ、Vf51vol%、厚さ3.5m
m、嵩密度1.7g/cm3 の強固な板を得た。さらに実
施例1と同条件で焼成を行ったところ、試料の厚さは
4.0mmに膨張した。平織クロスであるために、比較例
3のようなプリプレグ層自体のバラケは生じないもの
の、プリプレグ層間の剥離が発生しており、ハンドリン
グには充分な注意を要した。
【0082】焼成体のハンドリングに充分注意しなが
ら、実施例2と同条件の緻密化工程を施した。緻密化工
程を繰り返すうちに焼成体の強度は向上し、緻密化工程
2回目以降はハンドリングの際に特別な注意は必要なく
なった。含浸、焼成を6回繰り返すことで、厚さ3.9
mm、嵩密度2.4g/cm2 ,Vf46 vol%の複合材を
得た。この板を幅8mm、厚さ3mmに切り出し、30mmス
パンの3点曲げ試験を行ったところ、340MPa であっ
た。プリプレグ層間剥離の発生のため中間製品の厚さが
増したため、結果として最終製品の厚さは初回成形体に
比較して11%厚くなった。同時にVfも低下したた
め、強度特性も低下した。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な形状、大型形状
へも容易に適用可能なセラミックス複合材用プリプレグ
が提供される。本発明で用いるポリシラザンはセラミッ
クス化収率が高いうえに様々な粘度のポリマーを調製で
きるためプリプレグ製造に適しており、さらに、強化繊
維形態にあわせて適切な粒径のフィラーが添加されたこ
とで、中間製品の寸法精度、取り扱い性が大幅に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリプレグの成形テスト用硬化治具を示す。
【符号の説明】
1…プリプレグ 2…治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手塚 厚 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 茅 博司 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 礒田 武志 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記A〜Pから選ばれる熱硬化性ポリシ
    ラザンをマトリックスとし、耐熱性繊維を強化繊維と
    し、かつマトリックス中に耐熱性フィラーを含有するこ
    とを特徴とする繊維強化セラミックス用プリプレグ。 A)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
    r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)である
    ポリシラザン。 B)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
    r 〕−及び−〔(SiH2 m O〕−(式中、n,m,
    rは1,2又は3である。)であるポリシロキサザン。 C)組成式(RSiHNH)x 〔(RSiH)1.5 N〕
    1-x (式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリ
    ル基、アルキルアミノ基、アルキルヒドラジン基又はア
    ルコキシ基を表わし、そして0.4<x<1である。)
    で表わされるポリオルガノ(ヒドロ)シラザン。 D)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
    r 〕−及び−〔(SiR′H)n (NR′)r 〕−(式
    中、R′は同じでも異なってもよく、水素原子又は上記
    Rと同であり、n,rは1,2又は3である。)である
    ポリシラザン。 E)主たる繰り返し単位が−SiH(N<)2 −及び−
    〔(SiR′H)n (NR′)r 〕−(式中、R′は同
    じでも異なってもよく、水素原子又は上記Rと同であ
    り、n,rは1,2又は3である。)であるポリシラザ
    ン。 F)上記Aのポリシラザンを(R1 2 NH〔式中、R
    1 はそれぞれ独立してアルキル基、又は(R2 3 N−
    (式中、R2 はそれぞれ独立してアルキル基又は水素で
    あるが、少なくとも1個は水素でない)である。〕で表
    されるアルキルアミン又はアルキルシラザン又はアルキ
    ルアミノシランと反応して得られる改質ポリシラザン。 G)上記Aのポリシラザンをアルコール、有機酸、エス
    テル、ケトン、アルデヒド、イソシアネート、アミド、
    又はメルカプタンと反応して得られる改質ポリシラザ
    ン。 H)上記Aのポリシラザンをさらに架橋、分岐させて得
    られる、1分子中の−SiH2 基と−SiH3 基の比が
    2.5〜8.4であるシラザン高重合体。 I)主たる繰り返し単位が−Si(R3 2 NR3
    (式中、R3 はそれぞれ独立して水素原子又は上記Rと
    同であるが、R3 のうち少なくとも1個は水素原子であ
    る)で表されるポリシラザンと、M(OR4 m (式
    中、Mは元素周期律表の第2A族から第5A族及び第2
    B族から第5B族までの元素から選ばれる元素であり、
    4 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20個のア
    ルキル基、又はアリール基を表すが、少なくとも1個の
    4 は水素原子でなく、mはMの原子値である。)で表
    されるメタルアルコキシドを反応させて得られるポリメ
    タロシラザン。 J)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
    r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)と−B
    (N<)2 であるポリボロシラザン。 K)主たる繰り返し単位が−Si(R3 2 NR3
    (式中、R3 は上記と同である。)で表わされ、架橋結
    合 【化1】 (式中、R5 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ
    基、アルキルアミノ基、水酸基、又はアミノ基であり、
    6 はR5 のうち窒素原子を有する基の窒素原子に結合
    している残基であり、最後の化学式では各3個の窒素原
    子及び硼素原子からなる合計6個のうち少なくとも2個
    が架橋に使われ、残りの原子にはR5 が結合することが
    できる。)を有するポリボロシラザン。 L)主たる繰り返し単位が−Si(R3 2 NR3
    (式中、R3 は上記と同である。)で表わされ、架橋結
    合 【化2】 (式中、R5 は上記と同じであり、R6 はR5 のうち窒
    素原子を有する基の窒素原子に結合している残基であ
    り、最後の化学式では結合手のうち少なくとも2個が架
    橋に使われ、残りの原子にはR5 が結合することができ
    る。)を有するポリホスホシラザン。 M)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
    r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)である
    ポリシラザンと熱可塑性珪素含有ポリマーとを共重合し
    て成る熱硬化性共重合体。 N)主たる繰り返し単位が−〔(SiH2 n (NH)
    r 〕−(式中、n,rは1,2又は3である。)である
    ポリシラザンと金属化合物の反応生成物と、熱可塑性珪
    素含有ポリマーとを共重合して成る熱硬化性共重合体。 O)上記I,J,Kに記載したポリボロシラザンと熱可
    塑性珪素含有ポリマーとを共重合して成る熱硬化性共重
    合体。 P)上記ポリマーの共重合体。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性フィラーの最大粒径が、強化
    繊維の形態がクロスである場合は繊維最大直径の5倍以
    下、チョップドファイバーシートである場合は繊維最大
    直径の3倍以下、一方向配向長繊維である場合は繊維最
    大直径以下である請求項1記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 前記熱硬化性ポリシラザンが室温で10
    2 〜108 Pa・sの粘度を有する請求項1又は2記載の
    プリプレグ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のプリプレグを
    積層成形した後、硬化、焼成し、さらに前記硬化性ポリ
    シラザンを再含浸し、再焼成することを特徴とする繊維
    強化セラミックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法で得られる繊維強化
    セラミックス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017031396A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ Cmc材料における繊維間隔の改善された均一性
CN107987329A (zh) * 2017-12-26 2018-05-04 和田恭 高强度耐热橡胶组合物及用其制得橡胶制品的方法
CN113321483A (zh) * 2021-06-03 2021-08-31 哈尔滨工程大学 一种免加热碎块状石英纤维布块增强磷酸盐复合材料的制备方法

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