JP2898314B2 - 繊維強化サイアロン複合材及びその製法 - Google Patents

繊維強化サイアロン複合材及びその製法

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JP2898314B2
JP2898314B2 JP1281797A JP28179789A JP2898314B2 JP 2898314 B2 JP2898314 B2 JP 2898314B2 JP 1281797 A JP1281797 A JP 1281797A JP 28179789 A JP28179789 A JP 28179789A JP 2898314 B2 JP2898314 B2 JP 2898314B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高破壊靭性の要求される耐熱構造材料例えば
レシプロエンジンのシリンダライナー,ピストンリング
あるいはガスタービンエンジンのタービン動翼等に利用
できる繊維強化サイアロン複合材及びその製造方法に関
するものである。
[従来の技術] セラミックスは金属材料よりも優れた耐熱性,耐酸化
性を有し,さらに断熱性にも優れているので,金属に代
わる耐熱構造材料として注目されてきた。しかしなが
ら,セラミックスは共有結合やイオン結合で構成されて
おり,金属材料のように転移によって変形したり伸びる
ことが出来ず,材料内部の微小な欠陥や表面のきずに応
力の集中が起こり,容易に破壊されるので,非常に脆
く,破壊靭性に劣るという欠点がある。
脆性破壊に対する材料の抵抗性は,一般に破壊靭性値
KICにより示されるが,例えばムライト,窒化珪素材料
のKICは夫々1.5〜1.8MN/m3/2,5〜7MN/m3/2であり,金属
材料の中で比較的脆いといわれるアルミニウム合金の34
MN/m3/2に比べても極めて低い。セラミックをエンジニ
アリングセラミックスとしてレシプロエンジンあるいは
ガスタービンエンジンに応用していくためには,出来る
限り破壊靭性値を高くする必要があり,特に10MN/m3/2
以上とすることが好ましい。
そのために,この構造用セラミックスの脆さを改善す
るために,種々の手法が研究されてきたが,その中でも
セラミックスマトリックス中にいろいろの粒子を混合分
散させる粒子分散強化法および各種繊維をセラミックス
マトリックス中に分散させる繊維強化法が注目されてい
る。
繊維強化セラミックス(以下FRCという。)用繊維は
大きく分けて,短繊維系と長繊維系がある。長繊維には
ガラス繊維,金属繊維,炭素繊維,セラミック繊維など
があり,炭素繊維には強度が高く,弾性率も高いので複
合材に適しているが,酸化に弱いという欠点がある。ま
た,炭化珪素やアルミナなどのセラミック繊維は有機系
原料を紡糸して熱処理したもので,高融点であり最も多
用されている。短繊維は針状の単結晶であるウイスカー
あるいは長繊維のチョップ品を意味する。ウイスカーは
FRC用繊維として理想的な強度を示すが,マトリックス
中に均一に分散させることが難しく,価格が高いという
欠点がある。
マトリックスとなるセラミックについては,Al2O3,ム
ライト,ZrO2,Si3N4,SiC,ガラスなどの酸化物から非酸化
物まで多くのセラミックに対して繊維との複合化が試み
られている。
繊維強化セラミックス材料についての出願としては,
スピネル(MgO・Al2O3)に炭化珪素短繊維を混ぜた焼結
体(特開昭62−119175),アルミナに炭化珪素短繊維を
混ぜた焼結体(特開昭62−119174),炭素連続繊維強化
SiC複合体(特開昭61−247663),金属酸化物または金
属炭化物に炭素繊維を添加して加圧と同時に焼結するセ
ラミックス複合材(特開昭50−136306),炭化珪素繊維
強化セラミックス複合材(特公昭62−35996)及び繊維
強化サイアロン複合材(特開平1−131074)などがあ
る。
粒子分散によるセラミックスの破壊靭性向上の機構
は,クラックの先端がさらに進もうとするエネルギーを
何等かの形で強化用粒子が分散しまたは吸収し,応力緩
和現象が起こるためと考えられる。破壊靭性緩和の例と
して,Si3N4にTiC粒子を分散させた例がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,前記の複合材を作るに際しては,焼結
温度において繊維がマトリックスと反応せずに所望の強
度を保つかどうかという化学的適合性,および膨張係数
の差が繊維を損傷するかどうかの物理的適合性が,複合
材料の破壊靭性等の特性を左右するので,繊維強化ある
いは粒子分散強化のみでは期待通りの破壊靭性値が得ら
れないのが実情である。
[課題の解決手段] そこで本発明では長繊維をマトリックスに均一に分散
し,かつマトリックスも珪素及び窒素を必須成分とする
プレセラミックスポリマー特に無機ポリシラザンとセラ
ミックス原料との相互反応で合成することにより,繊維
強化セラミック複合材の破壊靭性値の飛躍的な向上を図
った。即ち,上記課題を下記手段によって解決した。
(1)(a)ムライト及び/又はアルミナ, (b)珪素及び窒素を必須成分とし,ムライト及
び/又はアルミナとの反応によってサイアロンに熱的に
変換可能なプレセラミックスポリマー,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
(2)(a)ムライト及び/又はアルミナ, (b)主繰返し単位がSiH2NHであり,ムラ
イト及び/又はアルミナとの反応によってサイアロンに
熱的に変換可能なペルヒドロポリシラザン,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
(3)(a)アルミナ, (b)主繰返し単位が (Rは炭素原子数7以下のアルキル基,アルケニル基,
アリール基,シクロアルキル基,アルキルシリル基,ア
ルキルアミノ基又はアルコキシ基を表わす)であり,ア
ルミナとの反応によってサイアロンに熱的に変換可能な
ポリシラザン,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
(4)(a)アルミナ, (b)組成式(R1SiHNH)[(R2SiH)
1.5N1-x] (R1,R2は互いに独立して,炭素原子数7以下のアルキ
ル基,アルケニル基,アリール基,シクロアルキル基,
アルキルシリル基,アルキルアミノ基又はアルコキシ基
を表わし,0.4<x<1である)であり,アルミナとの反
応によってサイアロンに熱的に変換可能なポリオルガノ
ヒドロシラザン,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
(5)珪素及び窒素を必須成分とし,ムライト及び/又
はアルミナとの反応によってサイアロンに変換可能なプ
レセラミックスポリマーからなる溶液にムライト及び/
又はアルミナ粉末を配合した含浸液を調整する工程, 繊維を連続的に前記含浸液中に通過させて繊維に含浸
液を均一に含浸させる工程, 前記含浸処理された繊維集合体を切断,積層して任意
形状に成形する工程, 成形体を不活性ガス又は窒素ガス雰囲気中にて400〜7
00℃で一次熱処理し,その後同雰囲気中にて1500〜1800
℃で常圧又は加圧下二次熱処理する工程,からなること
を特徴とする繊維強化サイアロン複合材の製造方法。
粒子分散の破壊靭性向上の機能としては,クラック・
デフレクションが挙げられている。すなわちマトリック
スと分散相の靭性や熱膨張率など各種の性質の違いや,
両者の界面状態などが原因で,クラックが分散相の回り
をジグザグに折れ曲がって進む。これによりクラック進
行に必要なエネルギーが消費されるので破壊靭性が向上
する。
また,繊維強化による破壊靭性向上の機構は,プルア
ウトが生ずるためであるとされる。すなわち,分散相と
してウイスカーを混在せしめた場合,クラックがウイス
カーのある場所を通過する際に,クラックにより隙間が
生ずる分だけ,ウイスカーがマトリックスから引き抜か
れる。ウイスカーが引き抜かれる仕事分だけ,エネルギ
ーが消費されて靭性が向上する。
本発明では,所定のプレセラミックスポリマーの熱分
解によって生ずる窒化珪素とアルミナ粉末等とを反応さ
せることによりサイアロンを生成させることにより,強
化用繊維の存在と相俟って上記クラック・デフレクショ
ンとプルアウトを同時に効果的に起こし,もって破壊エ
ネルギーを驚異的に増加せしめ,破壊靭性値の著しい増
加にいたるものと推定される。特に,加圧焼結により焼
結することにより,破壊靭性値KIC10MN/m3/2以上のもの
が得られる。
又,本発明の複合材はクラック・デフレクションとプ
ルアウトが効果的に発現するように焼結(反応)を制御
するものであり,焼結をできる限り完全に行ない気孔を
少くして緻密化することにより靭性を高める発想とは全
く異なる。
もっとも,サイアロンの生成によって反応・焼結が充
分に進行していると推定され,この点からも高強度及び
靭性向上に寄与しているものと考えられる。
プレセラミックスポリマーから合成される窒化珪素と
反応をし,サイアロンを合成できる可能性のあるもの
は,アルミナ及びムライトである。耐熱構造材では一般
にβ−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-z:z=1,2,3,4あるい
は,1以下の場合もある。)が有効である。しかし,本発
明で得られるサイアロン相はこのβ−サイアロンの他Si
12Al18O39N8で表わされる低温型サイアロンが生成され
る。又,アルミナ又はムライトを必須成分として使用す
る限り,サイアロン生成に寄与し得る他のセラミックス
材料,例えば窒化珪素,窒化アルミニウム,シリカ及び
これらの固溶体を併用してもよい。但し,その量はアル
ミナ等の必須成分に対して60wt%以下にすることが好ま
しい。
プレセラミックスポリマー特に無機ポリシラザンとし
ては,主たる繰返し単位がSiH2NHで表わされる約
100〜50,000の範囲内の分子量を有するペルヒドロポリ
シラザンが挙げられる。このペルヒドロポリシラザン
は,重合度の程度により,オイル状物質あるいは粉末と
して得ることができる。そして,いずれの場合にも,キ
シレン等の溶剤に容易に可溶である。したがって,この
ような溶剤中に,アルミナ粉末等と無機ポリシラザンと
を添加し,混合することによって,容易に均一に分布さ
せることが可能である。ここで,無機ポリシラザンは,
解こう剤(分散剤)としても作用するため,本スラリー
は造粒用あるいはスラリー成形用に適した均質なスラリ
ーとなる。このスラリーを含浸させた繊維から得られた
成形体を熱処理すると,無機ポリシラザンは,熱分解
し,水素が揮散し,活性度の高いSi及びNとアルミナ粒
子等が反応し,結晶用バインダーとして作用し,粒子間
を強固に結合すると共に,相互に反応してサイアロンを
生成する。ここで,この結合力は,熱分解収率の高いプ
レセラミックスポリマーを用いる程,さらに結合に関与
しない過剰の炭素を残存させないプレセラミックスポリ
マーを用いる程強固であり,しかも有機基が存在すると
サイアロンが生成しにくくなる。従って,本質的に有機
基を有することなく,熱分解後,高純度なSi3N4組成と
なる無機ポリシラザンは,適したプレセラミックスポリ
マーと言える。また,この熱分解後の(中間物質として
の)Si3N4の形態は,通常,非晶質あるいは1000Å以下
という極めて小さな結晶粒子という形でセラミックス粒
子間を充てんするとともに,アルミナ粒子等との反応性
も極めて高い。
以上の反応は,約400℃より始まり,約1500℃で完了
する。本発明によれば1500〜1800℃程度で2次熱処理を
行うためサイアロンが生成し,かつ焼結が進行し,靭性
等の機械的特性に優れたサイアロンセラミックス成形焼
結体が得られる。
また,無機ポリシラザンの添加量は,目的とする複合
材の特性,例えば,強度,密度,加工性などに応じ,制
限なく増減することが可能である。これは,従来のプレ
セラミックスポリマーと異なり,重合度を上昇すること
により,融解の度合いを低減し,多量添加時においても
成形体の軟化を防止することができるためである。然し
ながら,1次成形助剤及びマトリックス反応への寄与を最
大限に引出すためにはセラミック粉末の使用量を85〜50
vol%好ましくは75vol%程度にする必要がある。
本発明で用いる無機ポリシラザンは側鎖に有機基を本
質的に有しないポリシラザンであって,分子量(重合
度)が約100〜50,000(約2〜1000)の範囲内にあるポ
リシラザンである。このような無機ポリシラザンは,例
えば,ジハロシランと塩基を反応させてジハロシランの
アダクツを生成させた後,このアダクツとアンモニアを
反応させて製造することができる(特開昭60−145903号
公報参照)。
本発明で用いる無機ポリシラザンの分子量が100より
小さいと溶剤と一緒に蒸発するためバインダーとしての
効果が薄れ,50,000より大きいと溶剤に不要のため混合
が不均一となり,セラミックス複合材の強度が低下す
る。
このような無機ポリシラザンを用いてセラミックスを
成形するには,前記の如く,溶剤中にセラミックス粉末
と無機ポリシラザンを添加し混合してスラリーを作成し
てスラリーを成形する。
溶剤としては,脂肪族炭化水素,脂環式炭化水素,芳
香族炭化水素の炭化水素溶媒,ハロゲン化メタン,ハロ
ゲン化エタン,ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化
水素,脂肪族エーテル,脂環式エーテル等のエーテル類
などが使用できる。好ましい溶媒は,塩化メチレン,ク
ロロホルム,四塩化炭素,プロモホルム,塩化エチレ
ン,塩化エチリデン,トリクロロエタン,テトラクロロ
エタン等のハロゲン化炭化水素,エチルエーテル,イソ
プロピルエーテル,エチルブチルエーテル,ブチルエー
テル,1,2,−ジオキシエタン,ジオキサン,ジメチルジ
オキサン,テトラヒドロフラン,テトラヒドロピラン等
のエーテル類,ペンタンヘキサン,イソヘキサン,メチ
ルペンタン,ヘプタン,イソヘプタン,オクタン,イソ
オクタン,シクロペンタン,メチルシクロペンタン,シ
クロヘキサン,メチルシクロヘキサン,ベンゼン,トル
エン,キシレン,エチルベンゼン等の炭化水素等であ
る。
更に,無機ポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン)
以外に,ムライト及び/又はアルミナとの反応によって
サイアロンに熱的に変換可能なプレセラミックスポリマ
ーとしては,有機系ポリシラザンとしてのポリシラザン
及びポリオルガノヒドロシラザンがある。
このうち,ポリシラザンとしては,特開昭60−226890
に開示されている主繰返し単位が (Rは炭素原子数7以下のアルキル基等である)である
ものが挙げられる。又,ポリオルガノヒドロシラザンと
しては,例えばポリオルガノヒドロジハロシランとルイ
ス塩との錯体に乾燥アンモニアを反応させ製造されるも
のが挙げられる(特開昭61−89230,同62−156135,米国
特許4,659,850明細書)。又,ポリシラザンと金属アル
コキシド(金属はアルミニウム又はイットリウム等)と
の反応生成物であるポリメタロシラザン(例えば特開昭
63−191832,同63−68221)であっても,サイアロンに熱
的に変換可能である限り,使用できる。
但し,いずれの有機系ポリシラザンであっても「R」
の合計炭素原子数が7以下,より好ましくは炭素原子数
1〜2のアルキル基等であることを必要とする。合計炭
素原子数が増加すると,遊離炭素が生成したりセラミッ
ク(特に窒化珪素)への転化率が極めて低くなるためで
ある。
又,本発明の複合材製造においてはこれら有機系ポリ
シラザンよりもペルヒドロポリシラザン(無機ポリシラ
ザン)の方が好ましい。「R」の存在によって熱分解後
に多少なりとも炭素(C)原子が残存し,しかもその炭
素は非晶質として存在する。そのため,脱炭による気孔
発生等,緻密化に支障をきたす。特に,強度・靭性との
関係についても,常温ではさして影響ないが,高温下
(500〜600℃以上)では非晶質C原子の存在によって強
度・靭性の低下をもたらすおそれがある。
尚、他の珪素含有高分子,例えばシロキサザン,ポリ
シラスチレン及びポリカルボシラン等は好ましくない。
シロキサザンはサイアロンの生成可能性はあるが,バイ
ンダー効果に劣り,又ポリシラスチレン及びポリカルボ
シランは熱分解により主として炭化珪素を生成してしま
うからである。但し,これらの珪素含有高分子であって
も改質して骨格中に窒素原子を入れる等,何らかの改良
を加えれば使用可能性はある。
プレセラミックスポリマーには一次成形助剤及びマト
リックス反応への寄与の2つの役目を持っている。助剤
としての役目あるいはマトリックス化過程での諸挙動の
ためセラミックス粉末の使用量をプレセラミックスポリ
マー及びセラミック粉末(アルミナ又はムライト)の合
計量に対して85vol%〜50vol%に,好ましくは75vol%
(プレセラミックスポリマーを窒化珪素化した場合)程
度にする必要がある。
例として75vol%程度セラミック粉末を使用した場合
プレセラミックスポリマーからの窒化珪素の反応により
生成する結晶相を実測のデータ(X線回折により同定)
を使用し考察すると, (1)アルミナの場合,生成結晶相はSi12Al18O39N8
びAl2O3, (2)ムライトの場合,生成結晶相はSi12Al18O39N8
び3Al2O3・2SiO2
又,ムライトのSiO2については,N2雰囲気中にて窒化
珪素になり,同様な反応に寄与する。即ち,ともにセラ
ミックス粉末が多い系であるので,該粉末に基づく未反
応のセラミック相(Al2O3又は3Al2O3・2SiO2)を含み,
かつプレセラミックスポリマーの熱分解によるSi3N4
セラミック粉末との反応によって低温型サイアロン(Si
12Al18O39N8)相が生成していることを定性できる。但
し,プレセラミックスポリマーの熱分解による窒化珪素
とムライト及び/又はアルミナとの反応によって生成す
るサイアロン(低温型サイアロン,β−サイアロン)が
マトリックス相として存在する限り,他の結晶相例えば
ムライト,アルミナ,窒化珪素等が併存しても差支えな
い。又,ガラス(非晶質)相が存在してもよいことは勿
論である。
又,マトリックスの平均結晶粒径は,後述の通り繊維
の半径に応じて異なり,例えば8μmの繊維を使用した
場合,好ましくは6μm以下(より好ましくは3μm以
下)であり,又10μmの繊維を使用した場合,好ましく
は7.5μm以下(より好ましくは3.5μm以下)である。
又,開気孔率が5%以下であることが望ましい。
窒化珪素とアルミナもしくはムライトとを反応させて
サイアロンを生成させるためには,使用される,又は生
成された個々のセラミック粉末は出来る限り,微細であ
ることが望ましい。このためアルミナもしくはムライト
は1μm以下の原料を使用し,窒化珪素はプレセラミッ
クスポリマーより熱反応で合成する手法をとった。その
ためプレセラミックスポリマーを溶剤(トルエン,キシ
レン等)に溶解させその中にもう一方のマトリックス構
成要素になるセラミック粉末を分散させ,この液を成形
時の含浸液とする。
繊維強化のために,使用する長繊維はカーボン繊維
(パン系,ピッチ系),耐酸化性を向上させるためアル
ミナ,炭化珪素等セラミック薄膜がコーティングされた
カーボン繊維(パン系,ピッチ系),タングステンに代
表される様な耐熱性金属がメッキされたカーボン繊維
(パン系,ピッチ系),タングステン,モリブデン,タ
ンタルに代表される様な超耐熱金属繊維,表面がホウ
素,炭化珪素,炭化ホウ素で処理されたタングステン繊
維,さらにアルミナ繊維,炭化珪素繊維,窒化珪素繊
維,チラノ繊維等で代表される様なセラミック繊維であ
る。特にマトリックスとの反応及び耐熱性のためカーボ
ン繊維が好ましい。マトリックス中に分散される繊維の
量は,含浸液の粘度および繊維の通過速度により調節す
ることができるが,マトリックスに対して容量%で35〜
60%程度が最も好ましい。マトリックス中に均一に繊維
を分布させるため前記含浸液中に通過させ巻き取る湿式
フィラメントワィンディング法採用した(第1図)。第
1図において,10はスプール,12は(長)繊維,14は含浸
液槽,16は含浸液,18は巻取りドラム,20は巻取られた繊
維の集合体である。
フィラメントワィンディング法により巻き取られた生
素材を任意形状に切断し,一方向又はクロス方向に積層
させてWD,2D,3D組織に加工する。その後窒素ガスあるい
はアルゴンガスあるいは窒素ガスとアンモニア混合ガス
気流中400〜700℃で一時熱処理してプレセラミックスポ
リマーを熱分解する。この際プレセラミックスポリマー
は不溶不融化し,窒化珪素組成の非晶物質となる。その
後アルゴンガスあるいは窒素ガス加圧(〜9.8kg/cm2
あるいは常圧(気流)下において1500〜1800℃,より好
ましくは1700℃以下で熱処理して焼結する。
繊維が充填されることによりマトリックスの焼結が進
行しにくくなるため,成形品表面を窒化ホウ素がマスキ
ングした後,カーボン等耐熱素材等型中に入れホットプ
レス(〜350kg/cm2)焼結することが好ましい。
[実施例] 実施例1 (ペルヒドロポリシラザンの製造) 内容積10の四つ口フラスコに,ガス吹き込み管,メ
カニカルスターラー,ジュワーコンデンサーを装置し
た。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後,四
つ口フラスコに脱気した乾燥ピリジン4900mlを入れ,こ
れを氷冷した。次にジクロロシラン744g加えると白色固
体状のアダクト(SiH2Cl2・2C5H5N)が生成した。反応
混合物を氷冷し,撹拌しながら,水酸化ナトリウム管及
び活性炭管を通して生成したアンモニア735gを吹き込ん
だ後,100℃に加熱した。
反応終了後,反応混合物を遠心分離し,乾燥ピリジン
を用いて洗浄した後,更に窒素雰囲気下で濾過して濾液
5100mlを得た。得られた5%ペルヒドロポリシラザン−
ピリジン溶液5000mlをを続いて10ステンレス製オート
クレーブに取り,100gのアンモニアを加えた後,80℃出3
時間撹拌して重縮合反応させた。室温まで静置放冷後,
窒素で気体を放出置換した。得られたペルヒドロポリシ
ラザンは数平均分子量:2400,重量平均分子量:20,000
(ゲル透過クロマトグラフィ法GPC,ポリスチレン標準)
であった。
この溶液に5000mlのO−キシレンを加えてロータリー
エバポレーターで60℃で溶液の体積が1000mlになるまで
減圧留去した。この操作を更に2回繰り返すことによ
り,O−キシレン溶液に置換した。
(複合材の製造) まずマトリックス作成用の含浸液を作成する。前記ペ
ルヒドロポリシラザン溶液(東燃(株)製,キシレン溶
液38.2%含有品)152gを内容積500ccのポリエチレン製
ポットに入れ,次に平均粒径700Åのムライト粉末(秩
父セメント製MP−20)98gを入れる。最後に12.5m/mφ
シリンダー型高アルミナ質玉石を300g入れ,ポットのフ
タを閉じる。ムライト粉末は調合前に70〜80℃で48Hrs
以上乾燥後冷却したものを使用する。
ポットを50rpmにて16時間混合し,ポットより取り出
し含浸液とする。含浸液を含浸槽に流し込み,ついでカ
ーボン繊維(東燃(株)製ピッチ系HM,(株)ペトカ製
ピッチ系HM−50,あるいは東邦レーヨン(株)製パン系I
M−400)をスプール台に取りつける。巻き取り速度を3
〜5cm/secにセットし巻き取り用マンドレルに巻き取る
が,繊維の均一分散のため,ロールにて開繊を行いなが
ら含浸する様に巻き取りテンションをコントロールす
る。
巻き取りスプールに巻き取る前に含浸処理直後のスト
ランドに,40〜50℃の熱風を供給し,溶剤を一部揮発さ
せたポリシラザンに接着性を持たせた状態でマンドレル
に巻き取る。
マンドレルには接着性の有る材料が巻き取られるた
め,シリコンコートされたポリエステルフィルムを使用
したりあるいはフッ素処理等を施しておくと良い。
スプールより取り外された成形体は,任意の形状に切
断後,2軸加圧プレス又は冷間或いは熱間等方圧プレス
(CIP又はWIP)にて,成型加圧後,50℃に保持されてい
るオーブン中に入れ,24時間乾燥させる。
熱処理は3.5℃/Hrの温度勾配のもと,N2ガス加圧下
(〜5kg/cm2G)にて700℃まで処理をし,ペルヒドロポ
リシラザンを完全に熱分解して無機物化する。
焼結に当っては,熱処理された成形品表面に窒化ホウ
素の微粉を付着させマスキングを施す。その物をカーボ
ン製ホットプレス型中に入れアルゴン気流中,600℃/Hr
の温度勾配のもと焼結を行った。
焼結をダイヤモンド切断及び研剤にて繊維軸長手方向
に3×4×40m/mのJIS曲げ試験片に仕上げ測定に供し
た。又,同じ試験片を使用し,幅0.1m/m×1m/m深さのス
トレートスルーノッチ加工を行いSENB法(Single Edse
−Notched Beam法)にて破壊靭性KICを測定した。
その結果を下記第1表に示す。
又,X−線回折によるマトリックスの結晶相はSi12Al18
O39N8,3Al2O3・2SiO2であった。
実施例2 マトリックス作成用の含浸液を作成する。実施例1と
同様のペルヒドロポリシラザン溶液(東燃(株)製,キ
シレン溶液38.2%含有品)152gを内容積500ccのポリエ
チレン製ポットに入れ,次に平均粒径0.2μmのアルミ
ナ粉末(大明化学製タイミクロンTMD)122.5gを入れ
る。最後に12.5m/mφのシリンダー型高アルミナ質玉石
を300g入れ,ポットのフタを閉じる。アルミナ粉末は70
〜80℃で48Hrs以上乾燥後冷却したものを使用する。
以下,実施例1と同様にして繊維強化サイアロン複合
材を製造し,曲げ強度及び靭性試験に供した。その結果
を下記第2表に示す。
又,X−線回折によるマトリックスの結晶相はSi12Al18
O39N8,Al2O3であった。
実施例3 まずマトリックス作成用の含浸液を作成する。トルエ
ン(溶剤)87.4g中にチッソ(株)製ポリシラザン(品
名NCP−200,トルエン溶液65%含有品)64.4gを溶解させ
る。この液を別に用意した内容積500ccのポリエチレン
製ポット中に入れ,平均粒径0.2μmのアルミナ粉末
(大明化学製タイミクロンTMD)122.5gを入れる。最後
に12.5m/mφのシリンダー型高アルミナ質玉石300gを入
れポットのフタを閉じる。アルミナ粉末は70〜80℃で48
Hrs以上乾燥後冷却したものを使用する。
以下,実施例1と同様にして繊維強化サイアロン複合
材を製造し,曲げ強度及び靭性試験に供した。その結果
を下記第3表に示す。
又,X−線回折によるマトリックスの結晶相はSi12Al18
O39N8とAl2O3である。
実施例4 マトリックス作成用の含浸液を作成する。実施例1と
同様のペルヒドロポリシラザン溶液(東燃(株)製,キ
シレン溶液38.2%含有品)152gを内容積500ccのポリエ
チレン製ポットに入れ,次に平均粒径0.3μmの窒化珪
素粉末(宇部興産製E−10)21.5g,及び平均粒径0.2μ
mのアルミナ粉末(大明化学製タイミクロンTMD)93.5g
を入れる。最後に12.5m/mφのシリンダー型高アルミナ
質玉石を300g入れ,ポットのフタを閉じる。個々のセラ
ミック粉末は70〜80℃で48Hrs以上乾燥後冷却したもの
を使用する。
以下は実施例1と同様にして繊維強化サイアロン複合
材を製造し,曲げ強度及び靭性試験に供した。その結果
を下記第4表に示す。
又,X−線回折によるマトリックスの結晶相は,ほぼSi
12Al12O39N8であった。
実施例5 マトリックス作成用の含浸液を作成する。トルエン
(溶剤)87.4g中にチッソ(株)製ポリシラザン(品名N
CP−200,トルエン溶液65%含有品)64.4gを溶解させ
る。この液を別に用意した内容積500ccのポリエチレン
製ポットに入れ,次に,平均粒径0.3μmの窒化珪素粉
末(宇部興産製E−10)21.5g及び平均粒径0.2μmのア
ルミナ粉末(大明化学製タイミクロンTMD)93.3gを入れ
る。最後に12.5m/mφのシリンダー型高アルミナ質玉石
を300g入れ,ポットのフタを閉じる。個々のセラミック
粉末は70〜80℃で48Hrs以上乾燥後,冷却したものを使
用する。
以下は実施例1と同様にして繊維強化サイアロン複合
材を製造し,曲げ強度及び靭性試験に供した。その結果
を下記第5表に示す。
又,X−線回折によるマトリックスの結晶相は,ほぼSi
12Al18O39N8であった。
実施例6 マトリックス作成用の含浸液を作成する。実施例1と
同様のペルヒドロポリシラザン溶液(東燃(株)製,キ
シレン溶液38.2%含有品)152gを内容積500ccのポリエ
チレン製ポットに入れ,次に平均粒径0.3μmの窒化珪
素粉末(宇部興産製E−10)76.5g,及び平均粒径0.2μ
mのアルミナ粉末(大明化学製タイミクロンTMD)24.0g
を入れる。最後に12.5m/mφのシリンダー型高アルミナ
質玉石を300g入れ,ポットのフタを閉じる。個々のセラ
ミック粉末は70〜80℃で48Hrs以上乾燥後冷却したもの
を使用する。
以下は実施例1と同様にして繊維強化サイアロン複合
材を製造し,曲げ強度及び靭性試験に供した。その結果
を下記第6表に示す。
又,1700℃の場合X−線回折によりマトリックスの結
晶相は,β−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-zz=1)及び
α−窒化珪素,アルミナであった。1800℃では,ほぼβ
−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-zz=1)であった。
実施例7 マトリックス作成用の含浸液を作成する。トルエン
(溶剤)87.4g中に,チッソ(株)製ポリシラザン(品
名NCP−200,トルエン溶液65%含有品)64.4gを溶解させ
る。この液を別に用意した内容積500ccのポリエチレン
製ポットに入れ,次に,平均粒径0.3μmの窒化珪素粉
末(宇部興産製E−10)76.5g及び平均粒径0.2μmのア
ルミナ粉末(大明化学製タイミクロンTMD)24.0gを入れ
る。最後に12.5m/mφのシリンダー型高アルミナ質玉石
を300g入れ,ポットのフタを閉じる。個々のセラミック
粉末は70〜80℃で48Hrs以上乾燥後,冷却したものを使
用する。
以下は実施例1と同様にして繊維強化サイアロン複合
材を製造し,曲げ強度及び靭性試験に供した。その結果
を下記第7表に示す。
又,1700℃の場合,X−線回折によりマトリックスの結
晶相はβ−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-zz=1)及びα
−窒化珪素,アルミナである。1800℃では,ほぼβ−サ
イアロン(Si6-zAlzOzN8-zz=1)である。
実施例1〜3は,マトリックスとして,低温型サイア
ロン(Si12Al18O39N8)と原料セラミックス粉末との混
合相,実施例4,5はマトリックスとして低温型サイアロ
ン(Si12Al18O39N8),実施例6,7はマトリックスとして
β−サイアロン(Si6-zAlzOzN8-zz=1)及び一部α−
窒化珪素,アルミナとの混合相であった。
比較例 無機ポリシラザンを使用せずに,かつマトリックス用
としてβ−サイアロン(日本セメント(株)製,APS−CO
5平均粒径0.6μm)を用いること以外,実施例1と同様
にして炭素繊維強化サイアロン複合材を製造し,実施例
1と同様にして曲げ強度及び靭性試験に供した。その結
果を下記第8表に示す。
以上の様に,使用するセラミックス原料の種類と量を
コントロールして,(ポリシラザン及び)ペルヒドロポ
リシラザンと相互反応させることにより曲げる強度及び
靭性に極めて優れた繊維強化サイアロン基複合材を作成
できる。
焼結品の組織 繊維としてパン系(直径8μm),ピッチ系(10μ
m)を用いて繊維の分散密度をスラリー濃度,巻き取り
テンション,巻き取り速度により異ならせて実施例1と
同様にサイアロン複合材を製造し,その組織を観察し
た。
第2図は,繊維に対し直角切断面のSEM観察による図
である。(倍率×2,500) この様な不均一な分散が現実の組織ではあるが,第3
図のように理想的に均一分散した場合次式: (rは繊維半径,xはマトリックスの厚みである。)によ
りVf(繊維の比体積)が計算でき,又,繊維間のマトリ
ックスが厚みが計算できる。当然マトリックスの結晶粒
径は,その厚み以下でなくてはならず,粒径を決定でき
る(第9表)。
このことからマトリックスの厚みを最大のマトリック
スの結晶径と考えられるため,複合材中の結晶相の粒径
は 8μmの繊維(パンチ系)の場合:6.0μm以下,好
ましくは3μm以下であり, 10μmの繊維(ピッチ系)の場合:7.5μm以下,好
ましくは3.5μm以下である。
それ故,Vfが0.3未満では充分な曲げ強度,靭性を得る
ことができなくなり,一方Vfが0.7を越えるとマトリッ
クスが少なくなりすぎ,焼結性が極めて悪くなる。
従って,繊維の割合は好ましくは30〜70%(より好ま
しくは35〜60%)(複合材全量に対して),繊維の直径
は好ましくは8〜10μm,サイアロン等のマトリックスの
平均結晶粒径は好ましくは6〜7.5μm以下,より好ま
しくは3〜3.5μm以下である。
Vf(繊維体積/単位体積)の範囲 複合材の強度,靭性は,相反する事項である。すなわ
ち靭性を向上させるため繊維のプールアウトを発生し易
くするため,マトリックス−繊維の接合を弱めれば強度
が低下し,逆にすれば強度は向上する。
又,繊維のVfを低めればマトリックスの組成が支配的
になり靭性が低下する。又,Vfを上げれば靭性が向上す
るかわりに,マトリックスが減少するため,剥離の危険
性がある。
現在までのテストの結果Vfは0.35〜0.6程度にすべき
であると考えられる。
[発明の効果] セラミック材料の欠点であると言われていた脆性を長
繊維強化し,かつ,マトリックスを所定のプリセラミッ
クスポリマーから生成される窒化珪素とセラミック粉末
との相互反応によりサイアロン基とすることにより著し
く改良できた。即ち,一般に破壊抵抗性の指標とされる
破壊靭性値(KIC)を従来のモノリミックセラミック材
料(β又はβ′サイアロン)の4〜5倍改良できた。現
在,先端セラミック材料のKICの目標値はKIC≧10(MN/m
3/2)とされ,本発明による繊維強化サイアロン複合材
は充分に対応できることが分った。
その応用用途は,レシプロエンジン,ガスタービンエ
ンジン,固体あるいは液体推進ロケットエンジン等への
応用を可能にしたのみならず,従来モノリシック材料で
は不可能とされた耐疲労性の要求される航空宇宙関係へ
の用途を開いた。
なお,このプリセラミックスポリマーを使用した副次
的効果として,使用した繊維表面に珪素が拡散し,例え
ばカーボン繊維の場合表面をSiC化することができ,耐
酸化性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る繊維強化サイアロン複合材の製作
プロセス(フィラメント・ワィンディング法)を模式的
に示した図, 第2図は本発明に係る繊維強化サイアロン複合材のSEM
観察による図(繊維(斜線部)に対して直角切断面,倍
率×2,500), 第3図は第2図に対応した図であって,繊維が理想的に
均一分散したときの状態を示したもの, そして 第4図は本発明における複合材Vf(繊維体積/単位体
積)と複合材の物性との関係を示した図であって,第4
図(イ)は曲げ強度との関係を示したもの,第4図
(ロ)は破壊靭性(KIC)との関係を示したもの,及び
第4図(ハ)は両者を併せてVfとの関係を示したもの, を夫々表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 芳基 愛知県名古屋市瑞穂区牛巻町3番18号 牛巻団地5棟701号 (72)発明者 伊藤 次男 愛知県瀬戸市進陶町5番地 (72)発明者 久田 栄一 愛知県名古屋市名東区社台1―30 (72)発明者 磯田 武志 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 川村 憲明 東京都千代田区一ツ橋1丁目1番1号 東燃株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/584 C04B 35/599

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ムライト及び/又はアルミナ, (b)珪素及び窒素を必須成分とし,ムライト及び/又
    はアルミナとの反応によってサイアロンに熱的に変換可
    能なプレセラミックスポリマー,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
  2. 【請求項2】(a)ムライト及び/又はアルミナ, (b)主繰返し単位がSiH2NHであり,ムライト及
    び/又はアルミナとの反応によってサイアロンに熱的に
    変換可能なペルヒドロポリシラザン,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
  3. 【請求項3】(a)アルミナ, (b)主繰返し単位が (Rは炭素原子数7以下のアルキル基,アルケニル基,
    アリール基,シクロアルキル基,アルキルシリル基,ア
    ルキルアミノ基又はアルコキシ基を表わす)であり,ア
    ルミナとの反応によってサイアロンに熱的に変換可能な
    ポリシラザン,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
  4. 【請求項4】(a)アルミナ, (b)組成式(R1SiHNH)[(R2SiH)1.5N1-x] (R1,R2は互いに独立して,炭素原子数7以下のアルキ
    ル基,アルケニル基,アリール基,シクロアルキル基,
    アルキルシリル基,アルキルアミノ基又はアルコキシ基
    を表し,0.4<x<1である)であり,アルミナとの反応
    によってサイアロンに熱的に変換可能なポリオルガノヒ
    ドロシラザン,及び (c)繊維, からなることを特徴とする繊維強化サイアロン複合材。
  5. 【請求項5】珪素及び窒素を必須成分とし,ムライト及
    び/又はアルミナとの反応によってサイアロンに変換可
    能なプレセラミックスポリマーからなる溶液にムライト
    及び/又はアルミナ粉末を配合した含浸液を調整する工
    程, 繊維を連続的に前記含浸液中に通過させて繊維に含浸液
    を均一に含浸させる工程, 前記含浸処理された繊維集合体を切断,積層して任意形
    状に成形する工程, 成形体を不活性ガス又は窒素ガス雰囲気中にて400〜700
    ℃で一次熱処理し,その後同雰囲気中にて1500〜1800℃
    で常圧又は加圧下二次熱処理する工程,からなることを
    特徴とする繊維強化サイアロン複合材の製造方法。
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