JPH0582344B2 - - Google Patents

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JPH0582344B2
JPH0582344B2 JP63165353A JP16535388A JPH0582344B2 JP H0582344 B2 JPH0582344 B2 JP H0582344B2 JP 63165353 A JP63165353 A JP 63165353A JP 16535388 A JP16535388 A JP 16535388A JP H0582344 B2 JPH0582344 B2 JP H0582344B2
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JP
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fibers
mullite
matrix
fiber
fracture toughness
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Kikuo Nakano
Kenji Oshima
Misao Iwata
Takao Yamada
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Noritake Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Noritake Co Ltd
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Publication date
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Priority to US07/761,657 priority patent/US5294387A/en
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、繊維強化ムライト複合材を粒子分散
によりさらに強化した繊維強化ムライト複合材お
よびその製造方法に関し、特に破壊靭性値を驚異
的に向上させることができるので、レシプロエン
ジンのシリンダライナー、ピストンリングあるい
はガスタービンエンジンのタービン動翼等への応
用が期待されるムライト複合材を製造することの
できる製造方法に関する。 [従来の技術] セラミツクスは金属材料よりも優れた耐熱性、
耐酸化性を有し、さらに断熱性にも優れているの
で、金属に代わる耐熱構造材料として注目されて
きた。しかしながら、セラミツクスは共有結合や
イオン結合で構成されており、金属材料のように
転位によつて変形したり伸びることが出来ず、材
料内部の微少な欠陥や表面のきずに応力の集中が
起こり、容易に破壊されるので、非常に脆く、破
壊靭性に劣るという欠点がある。 ムライト(3Al2O3・2SiO2)も耐熱性があり、
熱衝撃抵抗も優れており、均一な熱膨張を示し、
機械的性質の温度による変化が少なく、1350℃で
は炭化珪素とほぼ同じ強度を持つが、他のセラミ
ツクスと同様に破壊靭性に劣る。 脆性破壊に対する材料の抵抗性は、一般に破壊
靭性値KICにより示されるが、例えば窒化珪素材
料のKICは5〜7MN/m3/2であり、金属材料の中
で比較的脆いと言われるアルミニウム合金の
34MN/m3/2に比べても極めて低い。セラミツク
スをエンジニアリングセラミツクスとしてレシプ
ロエンジンあるいはガスタービンエンジンに応用
していくためには、少なくとも破壊靭性値を
10MN/m3/2以上にする必要がある。 そのために、この構造用セラミツクスの脆さを
改善するために、種々の手法が研究されてきた
が、その中でもセラミツクスマトリツクス中にい
ろいろの粒子を混合分散させる粒子分散強化法お
よび各種繊維をセラミツクスマトリツクス中に分
散させる繊維強化法が注目されている。 繊維強化セラミツクス(以下FRCという。)用
繊維は大きく分けて、短繊維系と長繊維系があ
る。長繊維にはガラス繊維、金属繊維、炭素繊
維、セラミツク繊維などがあり、炭素繊維は強度
が高く、弾性率も高いので複合材に適している
が、酸化に弱いという欠点がある。また、炭化珪
素やアルミナなどのセラミツク繊維は有機系原料
を紡糸して熱処理したもので、高融点であり最も
多用されている。短繊維は針状の単結晶であるウ
イスカーあるいは長繊維のチヨツプ品を意味する
が、ウイスカーはFRC用繊維として理想的な強
度を示すが、マトリツクス中に均一に分散させる
ことが難しく、価格が高いという欠点があるので
本発明の適用範囲からは除外される。 マトリツクスとなるセラミツクスについては、
Al2O3、ムライト、ZrO2、Si3N4、SiC、ガラス
等の酸化物から非酸化物まで多くのセラミツクス
に対して繊維との複合化が試みられている。 繊維強化セラミツクス材料についての特許につ
いては、スピネル(MgO・Al2O3)に炭化珪素短
繊維を混ぜた焼結体(特開昭62−119175)、アル
ミナに炭化珪素短繊維を混ぜた焼結体(特開昭62
−119174)、炭素連続繊維強化SiC複合体(特開
昭61−247663)、金属酸化物または金属炭化物に
炭素繊維を添加して加圧と同時に焼結するセラミ
ツクス複合材(特開昭50−136306)、炭化珪素繊
維強化セラミツクス複合材(特公昭62−35996)
などがある。 粒子分散によるセラミツクスの破壊靭性向上の
機構は、クラツクの先端がさらに進もうとするエ
ネルギーを何等かの形で強化用粒子が分散しまた
は吸収し、応力緩和現象が起こるためと考えられ
る。破壊靭性緩和の例として、Si3N4にTiC粒子
を分散させた例がある。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記の複合材を作るに際して
は、焼結温度において繊維がマトリツクスと反応
せずに所望の強度を保つかどうかという化学的適
合性、および膨張係数の差が繊維を損傷するがど
うかの物理的適合性が、複合材料の破壊靭性等の
特性を左右するので、繊維強化あるいは粒子分散
強化のみでは期待通りの破壊靭性値が得られない
のが実情である。ムライトについても他のセラミ
ツクスと同様にマトリツクス中に繊維を分散させ
る繊維強化が試みられているが、満足すべき結果
は得られていない。 本発明は繊維強化ムライト複合材の前記のごと
き問題点に鑑みてなされたもので、破壊靭性値の
優れた繊維強化ムライト複合材およびその製造方
法を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 発明者は前記課題を解決するため鋭意研究を重
ねた結果、繊維強化と粒子分散強化を兼ね備えた
強化材料を想到するに至つた。 粒子分散の破壊靭性向上の機構としては、クラ
ツク・デフレクシヨンが挙げられている。すなわ
ちマトリツクスと分散相の靭性や熱膨張率など各
種の性質の違いや、両者の界面状態などが原因
で、クラツクが分散相の回りをジグザグに折れ曲
がつて進む。これによりクラツク進行に必要なエ
ネルギーが消費されるので破壊靭性が向上する。 また、繊維強化による破壊靭性向上の機構は、
プルアウトとデイフレクシヨンが生ずるためであ
るとされる。すなわち、分散相としてウイスカー
を混合した場合、クラツクがウイスカーのある場
所を通過する際に、クラツクにより〓間が生ずる
分だけ、ウイスカーがマトリツクスから引き抜か
れる。ウイスカーが引き抜かれる仕事分だけ、エ
ネルギーが消費されて靭性が向上する。 ここの述べたクラツク・デイフレクシヨンとプ
ルアウトが同時に効果的に起こるようにすれば、
破壊エネルギーは驚異的に増加して、破壊靭性値
が著しく増加に至ることに想到し、本発明を完成
するに至つた。 すなわち、本発明の粒子分散強化した繊維強化
ムライト複合材は、ムライトマトリツクスと、ム
ライトマトリツクス粒界に均一に分散された繊維
と、ムライトマトリツクス中に分散された同種ま
たは異種のセラミツクマトリツクス微粒子とから
なり、加圧焼結により焼結され、破壊靭性値KIC
が10MN/m3/2以上であることを要旨とする。 また、本発明の製造方法は、有機金属高分子を
溶解した溶液中にマトリツクスとなるムライト粒
子を分散させ含浸液を調製する工程と、繊維を連
続的に前記含浸液の中を通過させて繊維に前記含
浸液を均一に含浸させる工程と、前記繊維を積層
して積層体とする工程と、前記積層体中の有機金
属高分子を不融化する工程と、前記積層体をアル
ゴンガスまたは窒素ガス中で加圧焼結する工程と
からなることを要旨とする。 ムライトマトリツクス中に分散される強化繊維
は、長繊維であることが好ましい。長繊維にはガ
ラス繊維、金属繊維、炭素戦域、セラミツク繊維
を用いることができる。これら繊維の耐酸化性を
改善しあるいはマトリツクスとの界面接合を制御
するため、繊維表面にセラミツクス等をCVDコ
ーテイングをして用いると良い。 強化繊維をムライトマトリツクス中に分散させ
る方法は公知の方法によつて行う。例えば長繊維
の場合、スラリー状にしたセラミツク粉末中へ繊
維を浸漬し、順次ドラムに巻き取る方法(フイラ
メント・ワインデイング法)、あるいは繊維をシ
ート状にし、マトリクス粉末を交互に積層する方
法(積層法)により、未焼成積層体を作り、この
積層体を押し型に合わせて成形してホツトプレス
する方法などがとられる。 第1図はフイラメント・ワインデイング法を模
式的に示した図である。スプール10から巻き戻
された長繊維12は含浸液層14に収容したマト
リツクス粉末を混合したスラリー状の含浸液16
の中に浸漬して通過させ、長繊維12の表面に含
浸液16を付着させ巻き取りドラム18に巻き取
る。ドラムに巻き取られた積層体20は適当な箇
所を切り開いてドラム18から取り外し、所望の
大きさに裁断し、適宜の厚さに積層する。積層し
た積層体20は必要に応じて脱脂した後、押し型
に合わせて成形してホツトプレスする。 また、いわゆる化学蒸着法により、繊維のプリ
フオームの間〓にセラミツクマトリツクス相を生
成させるCVD法、あるいは金属アルコキシドの
ゲル状高分子を繊維に含浸させた後熱分解して金
属酸化物を得るゾルーゲルなども利用できる。短
繊維の場合は、ムライト粉末スラリー中へ繊維を
分散させ、石膏型に流し込み、型通りの雌型を取
り出して焼成するスリツプキヤスト法が効果的で
ある。繊維の複合量は容量%で30〜40%が適当で
ある。 本発明において、セラミツクマトリツクス粒子
とは、ムライトマトリツクス粒界界面に均一に分
散される微粒子をいう。 ムライトマトリツクス粒界に均一に分散される
微粒子は、ムライトマトリツクスと異種の粒子で
も同種の粒子でも良い。粒子分散によりマトリツ
クスの強化は、Si3N4−TiCの知見から予測され
るように、20〜25容量%において最大の効果が得
られる。 分散される粒子の粒径はクラツク・デフレクシ
ヨンの考え方からすれば、マトリツクスの粒界に
均一に微細な状態で存在することが有効である。
粒子分散の手法は、粉末混合法では均一分散が困
難であり、微細な粒子の作成が困難であるため、
有機金属高分子の熱分解を利用する方法が最も適
切である。すなわち、珪素などセラミツクを形作
る金属元素を含む有機金属高分子を不活性雰囲気
中で熱分解すると、有機成分が離脱し、炭化物あ
るいは窒化物が得られる。有機金属高分子には、
例えばポリシロキサン、ポリシラザン、ポリカル
ボシラン、ポリシラスチレンなどがあり、ポリカ
ルボシランは(1)式のように炭化珪素を生成し、ポ
リシラザンからは(2)式のように窒化珪素が得られ
る。 (SiH(CH3)・CH2o→SiC (1) (SiRR′NH2o→Si3N4 (2) 有機金属高分子はマトリツクスとなるセラミツ
クス粒子表面にコーテイングし、ついで熱化学反
応によりセラミツクス化し微粒子を分散させる手
法をとる。そのため、有機金属高分子を溶剤(ト
ルエン、キシレン等)に溶解させ、その中にマト
リツクスとなるムライト粒子を混合しムライト粒
子表面に有機金属高分子をコーテイングする。 ムライトマトリツクス中に均一に繊維を分散さ
せるには、この有機金属高分子を溶解した溶液中
にムライト粒子を混合した液を含浸液とし、その
中に繊維を連続的に通過させ繊維表面に含浸液を
均一に付着させるフイラメント・ワインデイング
法による。ムライトマトリツクス中に分散される
繊維の量は、含浸液の粘度および繊維の通過速度
により調節することができるが、含有繊維は容量
%で30〜40%程度が最も好ましい。 フイラメント・ワインデイング法で巻き取られ
た素材は、本焼結を行う前に、窒素ガスあるいは
アルゴンガス、あるいは窒素ガスとアンモニアガ
スの混合ガス気流中700〜800℃にて、有機金属高
分子を不融化し、マトリツクスとなるムライト粒
子表面に微細粒子の前段階となるガラス化された
セラミツク層を生成させる。 有機金属高分子を不融化した後、成形品はアル
ゴンガスあるいは窒素ガス中で、加圧焼結する。
加圧焼結は成形体を窒化硼素でマスキングした後
カーボン等の耐熱素材型に入れ加熱焼結(ホツト
プレス)する。 [作用] 本発明方法により製造される粒子分散強化した
繊維強化ムライト複合体は、マトリツクスセラミ
ツクスと同種または異種の微細粒子が粒界に分散
しているのでクラツク・デイフレクシヨンが起こ
り、破壊靭性が向上する。すなわちマトリツクス
と微粒子の分散相の靭性や熱膨張率など各種の性
質の違いや、両者の界面状態などが原因で、クラ
ツクが分散相の回りをジグザグに折れ曲がつて進
む。これによりクラツク進行に必要なエネルギー
が消費されて破壊エネルギーが増加し破壊靭性が
向上する。 また、本発明により製造されたセラミツクス複
合体は、繊維が分散されて強化されているので、
繊維強化により破壊靭性が向上する。すなわち、
分散相として繊維を混合した場合、クラツクが繊
維のある場所を通過する際に、クラツクにより〓
間が生ずる分だけ、繊維がマトリツクスから引き
抜かれる。繊維が引き抜かれる仕事分だけ、エネ
ルギーが消費されて破壊エネルギーが増加し破壊
靭性が向上する。 本発明の粒子分散強化された繊維強化ムライト
複合体の最も特徴とするところは、前記の粒子分
散による破壊靭性の向上と、繊維強化による破壊
靭性の向上が、同時に効果的に起こり、破壊靭性
が著しく増加することである。 本発明の製造方法では、有機金属高分子を溶解
した溶液にマトリツクスとなるムライト粒子を混
合して含浸液とし、この含浸液を繊維に含浸させ
る手法をとつたので、有機金属高分子を不融化し
た後、繊維の積層体を不活性雰囲気中で焼結する
と、有機金属高分子の熱分解により、有機成分が
離脱し、微細な炭化物あるいは窒化物がムライト
粒界に析出し、粒子分散強化された繊維強化ムラ
イト複合体を得ることができる。また、加圧焼結
によりムライトマトリツクス中に繊維が充分に充
填されるので、内部欠陥が減少し破壊靭性が著し
く向上する。 [実施例] 本発明の好適な実施例を以下に説明し、本発明
をさらに具体的に明からにするが、本発明が以下
に述べる実施例の記載によつて何等限定解釈され
るものではない。 実施例 1 溶剤としてトルエン110g中に日本曹達(株)製の
ポリシラスチレン(商品名;PSS−400)42gを
溶解させた。この溶液を別に用意した内容積500
c.c.のポリエチレン製ポツトに入れ、ムライト粉末
(共立窯業原料(株)製 商品名;KMムライト)98
gを添加した。次いでこれに12.5mmφの高アルミ
ナ質シリンダ型玉石を300g入れ、ポツト蓋を閉
じ、ポツトを50rpmにて回転し、16時間混合して
含浸液を調製した。 この含浸液を含浸層に流し込み、カーボン繊維
((株)ペトカ製HM−60、2K品、ピツチ系、あるい
は東邦レーヨン製IM40、6K品、パン系)をスプ
ール台に取り付け、3cm/秒の巻き取り速度にて
含浸層の含浸液の中を通し、カーボン繊維に含浸
液を均一に含浸させ、巻き取りドラムに含浸液を
保持したカーボン繊維を巻き取つた。 なお、カーボン繊維は巻き取りドラムに巻き取
る前に40〜50℃に加熱した熱風を供給し、トルエ
ンをカーボン繊維より揮発させて、ポリシラスチ
レンに接着性を持たせた状態にして巻き取つた。
また、巻き取りドラムには、密着性の有るカーボ
ン繊維が巻き取られるため、カーボン繊維の積層
体を容易に取り外すことができるように、積層体
と接する箇所には弗素処理等を施しておくと良
い。 巻き取りドラムより取り外されたカーボン繊維
の積層体は任意の形状に切断後、二軸加圧プレ
ス、あるいは冷間若しくは温間等方圧プレス
(C・I・PまたはW・I・P)にて成形加圧し
て成形体とし、然る後50℃に保持されているオー
ブン中に入れ、24時間放置し、完全にトルエンを
揮発させた。 続いてこの成形体に含まれるポリシラスチレン
の不融化処理を行つた。不融化処理は成形体を
3.5℃/時間の温度勾配のもとN2ガス加圧下(〜
5Kg/cm2G)にて、600℃まで処理し、完全にガ
ラス化させた。 この成形体の焼結に当たつては、脱脂処理され
た成形体の表面に窒化硼素の微粉を付着させ、マ
スキングを施した。この成形体をカーボン型中に
入れ、アルゴン気流中600℃/時間の温度勾配に
て1650℃に昇温し、350Kg/cm2G加圧下1時間焼
結を行つた。 なお、比較のために同じ不融化処理を行つた後
の成形体をアルゴンガス加圧下(2Kg/cm2G)
で、200℃/時間の温度勾配にて、1650℃まで加
熱し1時間保持して比較例の焼結体を焼成した。
また、従来例として有機金属高分子を使用しない
含浸液を調製し、前記と同じ方法でピツチ系とパ
ン系のカーボン繊維を含浸させた積層体を作成
し、前記と同様に切断し加圧成形して、成形体と
し前記と同じ条件で不融化した後アルゴンガス加
圧下焼結して焼結体を得た。 得られた本発明例と比較例および従来例の焼結
体について曲げ強度および破壊靭性値KICを測定
し結果を第1表に示した。なお、破壊靭性値KIC
については、サンプルにストレートスルーノツチ
(0.1mm幅×1mm深さ)を加工し、SENB法により
算出した。
【表】
【表】 第1表から明らかなように、本発明例はピツチ
系において曲げ強度は従来例の約6.8倍、比較例
の約4.7倍、破壊靭性値は従来例の約6.5倍、比較
例の約4.5倍に向上している。またパン系におい
て曲げ強度は従来例の約6.4倍、比較例の約4.5
倍、破壊靭性値は従来例の約6.8倍、比較例の約
4.6倍に向上しており、これにより本発明の効果
が確認された。 実施例 2 実施例1で用いたと同じカーボン繊維(ピツチ
系およびパン系)に表面酸化を防止するため、繊
維表面に化学的蒸着(CVD)により炭化珪素を
蒸着した。このカーボン繊維を用い、含浸液組
成、巻き取り条件、脱脂および焼結条件は実施例
1と全く同じにして焼結体を得た。 なお、比較のために同じ不融化処理を行つた後
の成形体をアルゴンガス加圧下(2Kg/cm2G)
で、200℃/時間の温度勾配にて、1650℃まで加
熱し1時間保持して比較例の焼結体を焼成した。
また、従来例として有機金属高分子を使用しない
含浸液を調製し、前記と同じ方法でピツチ系とパ
ン系のカーボン繊維を含浸させた積層体を作成
し、前記と同様に切断し加圧成形して、成形体と
し前記と同じ条件で不融化した後アルゴンガス加
圧下焼結して焼結体を得た。 得られた本発明例と比較例および従来例の焼結
体について曲げ強度および破壊靭性値を測定して
第2表に示した。
【表】
【表】 第2表から明らかなように、本発明例はピツチ
系において曲げ強度は従来例の約6.8倍、比較例
の約4.7倍、破壊靭性値は従来例の約7.5倍、比較
例の約5.4倍に向上している。またパン系におい
て曲げ強度は従来例の約6.4倍、比較例の約4.5
倍、破壊靭性値は従来例の約6.3倍、比較例の約
4.4倍に向上しており、本発明の効果が確認され
た。 実施例 3 溶剤としてトルエン87.4g中に、チツソ(株)製の
ポリシラザン(商品名;NCP−200、トルエン溶
液65%含有品)64.6gを溶解させた。この溶液を
別に用意した内容積500c.c.のポリエチレン製ポツ
トに入れ、ムライト粉末(共立窯業原料(株)製、商
品名;KMムライト)98gを添加した。次いでこ
れに12.5mmφの高アルミナ質シリンダ型玉石を
300g入れ、ポツト蓋を閉じ、ポツトを50rpmに
て16時間混合して含浸液を調製した。 この含浸液を含浸層に流し込み、カーボン繊維
((株)ペトカ製HM−60、2K品、ピツチ系、あるい
は東邦レーヨン製IM40、6K品、パン系)をスプ
ール台に取り付け、3cm/秒の巻き取り速度にて
含浸層の含浸液の中を通し、カーボン繊維に含浸
液を均一に含浸させ、巻き取りドラムに含浸液を
保持したカーボン繊維を巻き取つた。以下実施例
1と同様の条件で積層、脱脂、焼結して本発明例
の焼結体を得た。 なお、比較のために同じ不融化処理を行つた後
の成形体をアルゴンガス加圧下(2Kg/cm2G)
で、200℃/時間の温度勾配にて、1650℃まで加
熱し1時間保持して比較例の焼結体を焼成した。
また、従来例として有機金属高分子を使用しない
含浸液を調製し、前記と同じ方法でピツチ系とパ
ン系のカーボン繊維を含浸させた積層体を作成
し、前記と同様に切断し加圧成形して、成形体と
し前記と同じ条件で不融化した後アルゴンガス加
圧下焼結して焼結体を得た。 得られた本発明例と比較例および従来例の焼結
体について曲げ強度および破壊靭性値を測定して
第3表に示した。
【表】 第3表から明らかなように、本発明例はピツチ
系において曲げ強度は従来例の約6.8倍、比較例
の約4.8倍、破壊靭性値は従来例の約6.5倍、比較
例の約4.5倍に向上している。またパン系におい
て曲げ強度は従来例の約6.4倍、比較例の約4.5
倍、破壊靭性値は従来例の約6.8倍、比較例の約
4.6倍に向上しており、本発明の効果が確認され
た。 実施例 4 実施例1で用いたと同じカーボン繊維(ピツチ
系およびパン系)に表面酸化を防止するため、繊
維表面に化学的蒸着(CVD)により炭化珪素を
蒸着した。このカーボン繊維を用い、実施例3と
同じ含浸液組成、実施例1と同じ巻き取り条件、
脱脂および焼結条件にして焼結体を得た。 なお、比較のために同じ不融化処理を行つた後
の成形体をアルゴンガス加圧下(2Kg/cm2G)
で、200℃/時間の温度勾配にて、1650℃まで加
熱し1時間保持して比較例の焼結体を焼成した。
また、従来例として有機金属高分子を使用しない
含浸液を調製し、前記と同じ方法でピツチ系とパ
ン系のカーボン繊維を含浸させた積層体を作成
し、前記と同様に切断し加圧成形して、成形体と
し前記と同じ条件で不融化した後アルゴンガス加
圧下焼結して焼結体を得た。 得られた本発明例と比較例および従来例の焼結
体について曲げ強度および破壊靭性値を測定して
第4表に示した。
【表】 第4表から明らかなように、本発明例はピツチ
系において曲げ強度は従来例の約6.8倍、比較例
の約4.8倍、破壊靭性値は従来例の約6.5倍、比較
例の約4.4倍に向上している。またパン系におい
て曲げ強度は従来例の約6.5倍、比較例の約4.5
倍、破壊靭性値は従来例の約6.5倍、比較例の約
4.4倍に向上しており、本発明の効果が確認され
た。 実施例 5 実施例1〜4においてはカーボン繊維を使用し
た複合材についての試験結果を示したが、本実施
例では強度、弾性率、融点あるいは分解点がカー
ボン繊維より優秀なタングステン繊維を使用し
た。タングステン繊維は1300℃以上に加熱すると
粒成長を起こし切断し易くなるので、トリア
(ThO2)を2.5%ドーピングして、加熱により粒
成長を起こさない繊維を使用した。 使用したタングステン繊維は日本タングステン
(株)製のもので繊維径50μmであつて、繊維を一本
一本フイラメント・ワインデイング法で巻き取る
と時間を要するため、50本を集束して含浸液の入
つた含浸層を通過させて巻き取りドラムに巻き取
つた。 含浸液には実施例1のポリシラスチレンにムラ
イトを混合した系および実施例3のポリシラザン
にムライトを混合した系の2調合を使用した。巻
き取り条件、脱脂、焼結条件は実施例1あるいは
実施例3と同一にして焼結体を得た。 なお、比較のために同じ不融化処理を行つた後
の成形体をアルゴンガス加圧下(2Kg/cm2G)
で、200℃/時間の温度勾配にて、1650℃まで加
熱し1時間保持して比較例の焼結体を焼成した。
また、従来例として有機金属高分子を使用しない
含浸液を調製し、前記と同じ方法でピツチ系とパ
ン系のカーボン繊維を含浸させた積層体を作成
し、前記と同様に切断し加圧成形して、成形体と
し前記と同じ条件で不融化した後アルゴンガス加
圧下焼結して焼結体を得た。 得られた本発明例と比較例および従来例の焼結
体について曲げ強度および破壊靭性値を測定して
第4表に示した。
【表】 第5表から明らかなように、本発明例は実施例
1のポリシラスチレン系において曲げ強度は従来
例の約7.2倍、比較例の約4.9倍、破壊靭性値は従
来例の約6.6倍、比較例の約4.6倍に向上してい
る。また実施例3のポリシラザン系において曲げ
強度は従来例の約6.8倍、比較例の約4.7倍、破壊
靭性値は従来例の約6.3倍、比較例の約4.5倍に向
上しており、本発明の効果が確認された。 [発明の効果] 本発明方法により製造された粒子分散強化した
繊維強化ムライト複合材は以上説明したように、
ムライトマトリツクスと、ムライトマトリツクス
中に分散された繊維と、ムライトマトリツクス粒
界に均一に分散された同種または異種のセラミツ
クス微粒子とからなることを特徴とするものであ
り、マトリツクス粒界に分散している微粒子によ
つてクラツク・デフレクシヨンが起こり破壊靭性
が向上すると共に、マトリツクス中に分散された
繊維が引き抜かれるプルアウトにより破壊エネル
ギーを増加するので、曲げ強度と共に破壊靭性値
を著しく改善することが出来た。 従来のセラミツクスでは各種の優れた特性を有
しているが、衝撃等急激な強度変化に弱く脆性材
料とされその用途に制限が有つたが、本発明方法
によるムライト複合材では脆さの指標である破壊
靭性値KICが著しく改善され、いずれも10MN/
3/2以上のものが得られるので、レシプロエンジ
ンではシリンダライナ、ピストンリング等への応
用、ガスタービンエンジンではタービン動翼への
応用が充分可能となる。 本発明の製造方法では、有機金属高分子を溶解
した溶液にマトリツクスとなるムライト粒子を混
合して含浸液とし、この含浸液を繊維に含浸させ
る手法をとつたので、有機金属高分子の不融化の
後、繊維の積層体を不活性雰囲気中で焼結する
と、有機金属高分子の熱分解により、有機成分が
離脱し、微細な炭化物あるいは窒化物がムライト
粒界に析出し、粒子分散強化された繊維強化ムラ
イト複合体を得ることができる。また、加圧焼結
によりムライトマトリツクス中に繊維が充分に充
填されるので、内部欠陥が減少し破壊靭性が著し
く向上する。さらに、カーボン繊維を使用した場
合、有機金属高分子がコーテイングされ、熱化学
反応で炭化珪素、窒化珪素の薄膜コート処理が行
なわれるので、カーボン繊維の耐酸化性を向上さ
せるといつた副次的な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はフイラメント・ワインデイング法を模
式的に示した図である。 10……スプール、12……長繊維、14……
含浸層、16……含浸液、18……巻き取りドラ
ム、20……積層体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ムライトマトリツクスと、ムライトマトリツ
    クス中に分散された繊維と、ムライトマトリツク
    ス粒界に均一に分散された同種または異種のセラ
    ミツクマトリツクス微粒子とからなり、加圧焼結
    により焼結され、破壊靭性値KICが10MN/m2/3
    以上であることを特徴とする粒子分散強化した繊
    維強化セラミツクス複合材。 2 有機金属高分子を溶解した溶液中にマトリツ
    クスとなるムライト粒子を分散させ含浸液を調製
    する工程と、繊維を連続的に前記含浸液の中を通
    過させて繊維に前記含浸液を均一に含浸させる工
    程と、前記繊維を堆積して積層体とする工程と、
    前記積層体中の有機金属高分子を不融化する工程
    と、前記積層体をアルゴンガスまたは窒素ガス中
    で加圧焼結する工程とからなることを特徴とする
    粒子分散強化した繊維強化ムライト複合材の製造
    方法。
JP63165353A 1988-07-02 1988-07-02 粒子分散強化した繊維強化ムライト複合材及びその製造方法 Granted JPH0218364A (ja)

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