JPH04341824A - 極薄銅張積層板の連続製造方法 - Google Patents

極薄銅張積層板の連続製造方法

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JPH04341824A
JPH04341824A JP11355291A JP11355291A JPH04341824A JP H04341824 A JPH04341824 A JP H04341824A JP 11355291 A JP11355291 A JP 11355291A JP 11355291 A JP11355291 A JP 11355291A JP H04341824 A JPH04341824 A JP H04341824A
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JP
Japan
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copper foil
ultra
thin copper
metal sheet
heat
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Pending
Application number
JP11355291A
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English (en)
Inventor
Hisao Takai
高井 久雄
Yoichi Haruta
要一 春田
Toshiro Miki
三木 利郎
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MEIKOO KK
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
MEIKOO KK
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極薄銅張積層板の連続製
造方法に関し、更に詳しくは、耐熱性合成樹脂フィルム
に極薄銅箔を接着して成り、ファインパターンのフレキ
シブルプリント配線板の素材である極薄銅張積層板を、
高速めっき法と転写法を組合わせることにより高い生産
性の下で連続的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器のうち、例えばカメラの
ように狭い空間の中に多くの電子回路を収納する場合に
は、そのプリント回路板として、可撓性を有するフレキ
シブルプリント配線板が使用されている。このフレキシ
ブルプリント配線板は、ポリイミドフィルムやポリエス
テルフィルムのような耐熱性合成樹脂フィルムに銅箔を
接着して銅張積層板とし、その銅箔に所望パターンの導
体回路を刻設することによって製造されている。
【0003】このときに、銅張積層板を製造する方法と
しては、巻出ロールから銅箔を連続供給し、別置の系か
らは耐熱性合成樹脂フィルムを連続供給しながらこの耐
熱性合成樹脂フィルム片面に接着剤を塗布し、前記銅箔
と前記耐熱性合成樹脂フィルムを重ね合わせて接着して
一体化したのち、その銅張積層板を連続的に巻取るとい
う方法が一般に採用されている。
【0004】このように、従来の製造方法においては、
供給される銅箔は、予め別系統の銅箔製造装置で製造し
た銅箔をロール状に巻取って備蓄しておいたものが使用
されていて、銅箔を製造すると同時にそれに耐熱性合成
樹脂フィルムへの接着を同一装置内でかつ連続して行う
という形式ではない。また、従来方法で用いられている
銅箔は極薄ではないので、ファインパターンを形成する
ことが困難であるという問題がある。
【0005】ところで、プリント配線板の素材である銅
張積層板を製造する方法の1つに転写法がある。この転
写法で銅張積層板を製造する際には、まず、導電性の金
属シートや金属単板のような導電基材の表面に、例えば
、電解銅めっき処理を施して前記導電基材の表面に銅を
電着することにより、所定厚みの銅箔を形成する。つい
で、この銅箔の表面に、例えばプリプレグ薄帯のような
絶縁基材を熱圧着して、銅箔とプリプレグ薄帯を一体に
積層する。その後、この一体積層体から前記した導電基
材のみを分離して、プリプレグ薄帯側に銅箔を残置せし
める。かくして、絶縁基材の表面には、銅箔が転写され
た銅張積層板が得られる。
【0006】ところで、最近は、プリント配線板の高機
能化ということから、このプリント配線板に搭載する各
種素子の高密度実装が要求され、それに伴い微細な回路
パターンを形成できる高密度プリント配線板の研究が進
められている。このような高密度プリント配線板を得る
ためには、その厚みが極めて薄い銅箔、例えば厚みが3
〜12μmの極薄銅箔を備えた極薄銅張積層板を素材と
することが有利である。
【0007】その理由は、この極薄銅張積層板の場合、
銅箔が極薄であるためクイックエッチングが可能となっ
て、ファインな回路パターンであっても、エッチングの
過程でアンダーカットやオーバーハングなどを発生する
ことがなく、安定した品質のプリント配線板を製造する
ことができるからである。このような極薄銅張積層板を
製造する方法に関しては、例えば、米国特許第3,98
4,598号明細書や特表昭61−500840号公報
に記載されている方法、更には特開昭62−27575
0号公報に記載されている方法などが知られている。
【0008】これらの方法は、いずれも、前記した転写
法で極薄銅張積層板を製造する方法である。そして、こ
れら方法のうち、特開昭62−275750号公報に記
載の方法は、極薄銅箔の形成を高速めっき法で行うため
、高い生産性を備えた方法であるということができる。 しかしながら、上記した方法はいずれも連続的に極薄銅
張積層板を製造する方法とはいえず、いわゆるステンレ
ス板のような単板の表面に銅箔を形成するバッチ方法で
ある。
【0009】そのため、これらの方法による極薄銅張積
層板の生産性は高いとはいえず、需要増とも相俟って、
より一層高い生産性の下で連続的に製造することの開発
が要求されはじめている。また、従来の方法は、用いる
絶縁基材が通常プリプレグであり、単一の合成樹脂フィ
ルムに極薄銅箔を接着剤を介して接着するという適用は
なされていない。これは、導電基材に電解めっきで形成
される極薄銅箔の性能が必ずしも良質とはいえないとい
うことにも起因する問題である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絶縁基材と
して耐熱性合成樹脂フィルムを用い、これに極薄銅箔を
接着して成るフレキシブルな極薄銅張積層板を製造する
際に、前記した高速めっき法と転写法を組合わせること
によって、極薄銅箔の製造とその耐熱性合成樹脂フィル
ムへの接着を同一装置内で連続的に行うことができ、そ
のため高い生産性の下でフレキシブルな極薄銅張積層板
を連続製造する方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、フィルム巻出手段から製品
巻取手段まで一方向に連続走行する耐熱性合成樹脂フィ
ルムの片面に、前記フィルム巻出手段の下流側に配置さ
れた塗布手段で接着剤を塗布し、更に、前記塗布手段の
下流側に配置された乾燥手段で前記塗布接着剤を乾燥し
て耐熱性合成樹脂フィルムの接着面を形成する工程;循
環して走行する金属シートの片面に厚み3〜12μmの
極薄銅箔を高速めっき手段で形成する極薄銅箔の形成工
程;ならびに、前記耐熱性合成樹脂フィルム接着面の形
成工程と前記製品巻取手段による巻取工程との中間にお
いて、耐熱性合成樹脂フィルム接着面の形成工程と極薄
銅箔の形成工程とを結合し、前記耐熱性合成樹脂フィル
ム接着面の形成工程から連続供給される耐熱性合成樹脂
フィルムの前記接着面と、前記極薄銅箔の形成工程から
連続供給される金属シートの前記極薄銅箔側表面とを圧
着して前記極薄銅箔を前記耐熱性合成樹脂フィルム側に
転写したのち得られた極薄銅張板と金属シートとを分離
する転写・分離工程;を備えていることを特徴とする極
薄銅張積層板の連続製造方法が提供される。
【0012】
【作用】フィルム巻出手段から連続供給される耐熱性合
成樹脂フィルムは塗布手段を通過する過程でその片面に
接着剤が連続的に塗布され、更に乾燥手段を通過する過
程でその塗布接着剤が乾燥されて、製品巻取手段まで走
行していく。一方、極薄銅箔の形成工程においては、そ
れに用いる装置内を循環走行する金属シートは高速めっ
き手段を通過する過程でその片面に厚み3〜12μmの
極薄銅箔が形成される。
【0013】そして、前記した耐熱性合成樹脂フィルム
と前記した金属シートは、転写・分離工程において、耐
熱性合成樹脂フィルムの接着面と金属シートの極薄銅箔
側の面とが重ね合わされて圧着される。その結果、金属
シートの極薄銅箔は耐熱性合成樹脂フィルムの接着面と
強固に接着して一体化し、金属シートからその表面の極
薄銅箔が耐熱性合成樹脂フィルム側へ転写する。
【0014】金属シートは極薄銅箔の形成工程内へ回帰
していき再びその表面に極薄銅箔が形成され、また、極
薄銅箔が転写された耐熱性合成樹脂フィルムはそのまま
製品巻取手段に巻取られて目的とするフレキシブルな極
薄銅張積層板となる。
【0015】
【発明の実施例】以下に、本発明方法を行う好適な装置
例を示す添付図面に基づいて本発明方法を詳細に説明す
る。図1は、本発明で用いる連続製造装置を構成する各
要素手段の配置状態を示す概略構成図である。
【0016】図において、点線で囲んだ領域Aが耐熱性
合成樹脂フィルム接着面を形成する装置であり、領域B
が極薄銅箔の形成装置である。そして、前記耐熱性合成
樹脂フィルム接着面の形成装置Aと極薄銅箔の形成装置
Bとを転写・分離装置Cで互いに結合することにより、
本発明の連続製造方法が構成されている。まず、耐熱性
合成樹脂フィルム接着面の形成装置Aにおいて、巻出ロ
ールのような巻出手段1から連続供給される耐熱性合成
樹脂フィルム2は後述する接着剤の塗布手段3、塗布接
着剤の乾燥手段4を順次経由し、更に転写・分離装置C
を通って巻取ロールのような製品巻取手段5に連続的に
巻取られる。
【0017】用いる耐熱性合成樹脂フィルムとしては、
フレキシブルな銅張積層板の絶縁基材として使用されて
いるものであれば何であってもよく、例えば、カプトン
(東レ(株)製の商品名)、ユーピレックス(宇部興産
(株)製の商品名)、アピカル(鐘淵化学(株)製の商
品名)のようなポリイミドフィルム,ポリエステル樹脂
,ポリアミドイミド樹脂,ポリパランバン樹脂,アラミ
ド樹脂のような耐熱性樹脂のフィルムをあげることがで
きる。これらのうち、耐熱性が優れ、銅箔との熱膨張係
数が近似していて、しかも屈曲性が優れているという点
で、ポリイミドフィルムは好適である。なお、ポリイミ
ドフィルムを用いる場合は、巻出手段1から連続供給す
るに先だち、全体を予めアニールすることが好ましい。
【0018】巻出手段1から連続供給される耐熱性合成
樹脂フィルム2は、巻出手段1の下流側に配置されてい
る塗布手段3を通過し、その過程で、片面に接着剤が連
続的に塗布される。この塗布手段3は、塗布槽3aの中
に接着剤3bを収容し、その接着剤3bの中に塗布ロー
ル3cを一部浸漬し、この塗布ロール3cと適宜な力で
圧接する圧接ロール3dとから構成されている(図2)
。塗布ロール3cと圧接ロール3dのロール面に耐熱性
合成樹脂フィルム2が連続供給されると、各ロールは図
の矢印のように回転して接着剤3bは塗布ロール3cに
よって耐熱性合成樹脂フィルム2の片面(図では下面)
に連続的に塗布される。
【0019】ここで、接着剤3bとしては、エポキシ樹
脂、ポリエステルのイソシアネート架橋体、アクリルエ
ラストマーのイソシアネート架橋体を用いることができ
るが、優れた可撓性を有し、また後述する極薄銅箔との
接着強度も大きく優れた転写性を実現できるという点で
、後述の樹脂組成物は好適なものである。すなわち、そ
の樹脂組成物は、アルコール可溶性ナイロン,臭素化エ
ポキシ樹脂,ポリパラフェノール樹脂,シランカップリ
ング剤およびレゾール樹脂を必須成分とし、前記アルコ
ール可溶性ナイロンの割合が前記臭素化エポキシ樹脂に
対し、重量で3倍以上のものである。
【0020】具体的には、アルコール可溶性ナイロン6
0〜90重量部、臭素化エポキシ樹脂5〜20重量部、
ポリパラビニルフェノール樹脂5〜20重量部、シラン
カップリング剤0.5〜3重量部、レゾール樹脂2〜1
0重量部を主成分とするものが好ましい。これらの成分
のうち、アルコール可溶性ナイロンとしては、例えばデ
ュポン社のエルバミド8061やBASF社のウルトラ
アミド1Cなどの市販品、臭素化エポキシ樹脂としては
、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロン
1120−80M(ビスフェノールA型臭素化エポキシ
樹脂)や日本化薬(株)製のBREN−S(ノボラック
型臭素化エポキシ樹脂)などの市販品、ポリパラビニル
フェノール樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)
製のマルカリンカ−Mやマルカリンカ−MB(臭素化ポ
リパラビニルフェノール樹脂)などの市販品、シランカ
ップリング剤としては、例えば、日本ユニカー(株)製
のA−187(r−グリシトキシプロピルトリメトキシ
シラン)などの市販品、レゾール樹脂としては、例えば
、アルカリ性物質またはアミン類を触媒として合成した
レゾール型フェノール樹脂などを用いることができる。
【0021】これら成分の配合量において、アルコール
可溶性ナイロンが60重量部より少ない場合は得られた
樹脂組成物の接着力が充分ではなく、また90重量部よ
り多くすると、臭素化エポキン樹脂やポリパラビニルフ
ェノール樹脂の相対量が少なくなるため、樹脂組成物の
耐熱性が低下する。臭素化エポキシ樹脂の配合量が5重
量部未満の場合は、ポリパラビニルフェノール樹脂を更
に配合したとしても充分な耐熱性が得られず、また20
重量部より多くすると相対的にアルコール可溶性ナイロ
ンやポリパラビニルフェノール樹脂の配合割合が少なく
なり、接着性、耐熱性、耐熱劣化性が低下する。
【0022】ポリパラビニルフェノール樹脂は、樹脂組
成物の耐湿性や耐熱性を高めるための成分である。その
配合量が5重量部より少ない場合は、樹脂組成物の耐熱
性が充分に向上せず、また20重量部より多い場合は、
前記したアルカリ可溶性ナイロンや臭素化エポキシ樹脂
の相対量が少なくなるため、樹脂組成物の接着力が低下
するようになる。なお、難燃性を高めたい場合には、こ
のポリパラビニルフェノール樹脂として、前記したマル
カリンカ−MBなどを用いることが好ましい。
【0023】シランカップリング剤は、後述の極薄銅箔
のポリイミドフィルムへの転写性を高めるために有効な
成分である。この配合量が0.5重量部より少ない場合
は、極薄銅箔と耐熱性合成樹脂フィルムとの接着力は充
分に大きいとはいえず、また3重量部より多くなると樹
脂組成物の耐熱性が低下する。レゾール樹脂は、アルカ
リ可溶性ナイロンと架橋して樹脂組成物の接着性や可撓
性を損なうことなく耐熱性を向上させる成分である。こ
の配合量が2重量部より少ない場合は上記効果が充分に
得られず、また10重量部より多くなると樹脂組成物の
接着性や可撓性が低下してフレキシビリティーを失うよ
うになる。
【0024】本発明方法の場合、塗布手段3においては
、例えば、前記エルバミド806175重量部をメタノ
ール200重量部とトリクロロエチレン200重量部の
混合液に溶解し、ここに、メチルエチルケトン30重量
部に前記エピクロン1120−80M  10重量部と
マルカリンカ−MB10重量部とを溶解させた溶液を加
え、また、レゾール樹脂をメチルエチルケトンに溶解し
て濃度50重量%に調製した溶液を加え、更に前記A−
187を1.5重量部加えて接着剤3bを調製し、これ
を耐熱性合成樹脂フィルム2の片面に約30μm(ドラ
イベース)の厚みとなるように塗布することが好ましい
【0025】なお、耐熱性合成樹脂フィルム2に前記接
着剤3bを塗布するに先立ち、必要であれば、耐熱性合
成樹脂フィルム2の表面にプラズマ処理、コロナ放電処
理、サンドブラスト処理などを施して、適当に表面粗化
を行なってもよい。このようにして、片面に接着剤が塗
布された耐熱性合成樹脂フィルム2は、次に、塗布手段
3の下流側に配置された乾燥手段4を通過し、ここで塗
布接着剤が乾燥される。
【0026】この乾燥手段4は、図示したように、全体
が馬蹄形に湾曲する管状炉4aであって、その入口4b
は前記塗布手段3の上方に位置している。塗布手段3か
ら連続供給される耐熱性合成樹脂フィルム2は、その接
着面を上面にした状態で管状炉4aの入口4bから炉内
に供給され、その背面(接着剤が塗布されていない方の
面)を複数個のローラ4cで適当な力で押されながら、
出口4dへと走行していく。そして、この炉内走行過程
では、最初、接着面が上面になっているときに塗布接着
剤の溶媒成分が散逸し、途中でその接着面に下向きにな
って塗布接着剤の硬化が進む。この硬化の過程では、接
着面が下向きになっているので塗布接着面に塵埃などは
付着しない。
【0027】このときの乾燥条件は、耐熱性合成樹脂フ
ィルム2が乾燥手段4の出口4dから導出した時点で、
前記塗布手段3で塗布した接着剤が完全に硬化すること
なくBステージ状態(半硬化状態)に止まっているよう
な条件であることが好ましい。例えば、前記した樹脂組
成物を接着剤として用いた場合、まず炉4aの前半部に
おいて80℃で2〜3分間程度乾燥して溶媒をとばし、
ついで後半部において130℃の温度域に5分間程度滞
留させるように、乾燥手段4を設計することが好ましい
【0028】かくして、乾燥手段4の出口4cから導出
した耐熱性合成樹脂フィルムは、その接着面を後述の極
薄銅箔形成装置B側に向けた状態で転写・分離装置Cを
通過したのち、製品巻取手段5に連続して巻取られてい
く。つぎに、極薄銅箔の形成工程について説明する。ま
ず、この工程で用いる装置Bにおいては、高速めっき手
段6が配置され、この高速めっき手段6と前記した転写
・分離装置Cとの間を金属シート7が矢印p方向に循環
走行している。
【0029】この金属シート7は、ロール8a,8b,
8c,8dを介してループを描いて循環走行するが、そ
のとき、図示しない張力付加手段によって常時走行方向
への張力が付加されるようになっていて、矢印p方向へ
の循環走行時には常時緊張した状態にあり走行方向で弛
緩しないようになっている。金属シート7としては、高
速めっき手段6や後述の各要素手段で使用する各種薬品
に対して耐薬品性,耐食性を有し、また適宜な剛性を有
する材料のシートであることが好ましく、例えば、ハー
ドニング処理が施されたSUS630のようなステンレ
ス鋼のシートや、チタンまたはチタン合金のシートが好
適である。なお、ステンレス鋼のシートとしては、更に
、SUS301,SUS631,SUS316などのシ
ートであっても使用することができる。
【0030】循環走行する金属シート7は、高速めっき
手段6でその片面に厚み3〜12μmの極薄銅箔が形成
される。この高速めっき手段6においては、走行する金
属シート7の片面を陰極面とし、この陰極面から離隔し
て鉛合金,チタンまたはチタン合金のような不溶性材料
から成る陽極をその面が前記陰極面と平行になるように
対向配置し、この陰極面と陽極面との間隙に所定の銅め
っき浴を強制的に供給することにより、前記陰極面、す
なわち金属シート7の片面に連続的に極薄銅箔が形成さ
れる。
【0031】このときの金属シート7の面と陽極面との
面間隔は3〜30mmに設定されることが好ましい。こ
の面間隙が3mm未満の場合は、両面がわずかでも相互
に平行になっていないときには、形成される極薄銅箔の
厚みが不均一になりやすく、均一な厚みの極薄銅箔を連
続的に形成することが困難となる。また面間隔が30m
mを超える場合は、めっき時に電流効率が低下してしま
うからである。
【0032】この高速めっき手段6で用いる銅めっき浴
としては、金属銅濃度が0.20〜2.0モル/l,好
ましくは0.35〜0.98モル/l,最も好ましくは
1.4〜1.6モル/lであり、硫酸濃度が50〜22
0g/lである硫酸銅めっき浴が好適なものである。ま
た、ピロリン酸銅めっき浴等の通常のめっき浴を使用す
ることもできる。
【0033】この銅めっき浴は、金属シート7に対する
接液スピードが2.6〜20m/secとなるように、
図示しない供給手段を用いて金属シートと陽極との間隙
に強制的に供給され、また電流密度は15〜400A/
dm2 が好適である。この接液スピードが2.6m/
sec より遅い場合は、金属シートに形成される極薄
銅箔にめっき焼けが生じ、極薄銅箔の物性が低下する虞
れがあり、また20m/sec より速くすることは、
設備的に困難であり、工業的とはいえない。そして、電
流密度が15A/dm2 より低い場合は、金属シート
3の走行速度を遅くしなければ均一な厚みの極薄銅箔を
形成できないので経済的に不利となり、また400A/
dm2 より高い場合は、金属銅がコブ状に析出する虞
れがあり平滑な極薄銅箔を形成できなくなる。
【0034】なお、金属シート7の表面近傍においては
、供給される銅めっき浴はレイノルズ数(Re)が約2
300以上の乱流となっていることが好ましい。その理
由は、一般に、高電流密度を適用して電解銅めっきを行
うと堆積めっき銅層の銅結晶は粗くなるが、この問題が
前記乱流の形成によって解消され、金属シートの表面に
は、極めて緻密な結晶構造の銅が堆積して、形成された
極薄銅箔にはピンホールがほとんど発生しなくなるから
である。
【0035】また、めっき浴温は45〜70℃であるこ
とが好ましく、より好ましくは60〜65℃となるよう
に設定される。めっき浴温が45℃より低い場合には、
銅イオンの移動速度が低下するため、電極表面に分極層
が生じやすくなってめっき堆積速度が低下し、また浴温
が70℃を超えると、めっき浴の蒸発が激しく進んでめ
っき浴の銅濃度が不安定になるとともに、浴温の高温化
に伴う設備的制限が加わるからである。
【0036】本発明で用いる高速めっき手段は、例えば
図3の概略図で示したような構造の装置である。図にお
いて、めっき槽6aの内部中央位置には横幅方向(紙面
と垂直の方向)に延びて陽極6b,6bが配置され、め
っき槽6aの上方開口部の両側には横幅方向に延びる回
転ロール6c,6cが配置され、このめっき槽6aには
自由回転する金属製のドラムが陰極ドラム6dとして載
置され、この陰極ドラム6dの外周面が前記回転ロール
6c,6cで圧接されることにより、めっき槽6aの上
方開口部が上記陰極ドラム6dと回転ロール6c,6c
で液封されている。また、必要に応じ、陰極ドラム6d
の両端付近を例えばテフロン製の板で液封することもで
きる。
【0037】陽極6b,6bの中央には横幅方向に延び
るスリット孔6eが形成されていて、このスリット孔6
eはめっき浴供給管6fと接続している。そして、陽極
6b,6bの上面6g,6gは、陰極ドラム6dの外周
面と同一曲率の曲面になっていて、これら上面6g,6
gと陰極ドラム6dの外周面との間には一定間隔を有す
る間隙6hが形成されている。
【0038】矢印p方向で走行してきた金属シート7は
、回転ロール6iで方向転換して陰極ドラム6dの外周
面と密着し、これと接触した状態でめっき槽6aの中に
入り、更に回転ロール6jを通ってめっき槽6aから次
の装置へと走行していく。ここで、めっき浴供給管6f
から銅めっき浴を強制的に供給すると、めっき浴は陽極
6b,6b間のスリット孔6eから間隙6g,6gに均
等に2分された状体で噴流して陰極ドラム6dの外周面
に密着している金属シート7の片面に吹き当り、金属シ
ート7の片面には極薄銅箔が形成される。その後、銅め
っき浴は排出管6k,6kを通ってめっき槽6aから排
出され、またこの高速めっき時に発生するガスは、排ガ
ス管6lから系外に排出される。
【0039】この手段6の場合、高速めっきが進行する
過程で、金属シート7は陰極ドラム6dと密着した状態
で走行していくので、たるみなどの弛緩を起こすことが
なく、しかも間隙6g,6gは一定間隔になっているた
め、その片面には厚みが均一な極薄銅箔が安定した状態
で連続的に形成される。また、金属シートと陰極とが摺
動することによって起こる陰極の摩耗や、金属シートと
陰極との密着性の悪さに起因するスパーク,加熱,金属
シートの損傷などの問題も生じなくなる。
【0040】このようにして、片面に極薄銅箔が形成さ
れている金属シート7’は、後述する転写・分離装置C
に走行していき、ここでその極薄銅箔側の面と前記耐熱
性合成樹脂フィルムの接着面とが重ね合わされ、両者が
圧着されて、極薄銅箔は耐熱性合成樹脂フィルムに転写
される。さて、高速めっき手段6で形成された極薄銅箔
の耐熱性合成樹脂フィルム2の接着面への転写性を高め
るためには、高速めっき手段6で形成した極薄銅箔の表
面を粗化して、耐熱性合成樹脂フィルム2の接着面との
密着性を高めることが好ましい。
【0041】そのために、高速めっき手段6と転写・分
離装置Cとの中間に、粗面化手段9を配置することが好
ましい。この粗面化手段9においては、高速めっき手段
6から走行してきた金属シート7’のその極薄銅箔の表
面に樹枝状銅結晶の突起状析出物を電解めっき法で析出
させることにより、極薄銅箔の表面を粗面化する。この
突起状析出物はその平均粒径で1〜5μm程度に調整さ
れる。
【0042】具体的には、めっき槽の中で、高速めっき
手段6で製造された金属シート7’の極薄銅箔側を陰極
面として走行させ、かつそれと平行するようにチタン極
のような陽極を両極間の距離が10〜50mmとなるよ
うに配置し、この両極間に銅めっき浴を供給して電解め
っき処理を施せばよい。両極間の間隔が10mmより狭
い場合は、析出する銅結晶が粗くなりすぎるため、これ
を用いた極薄銅張積層板は回路パターンの形成時におけ
るエッチングの際に銅残りを起こしやすくなる。また間
隔が50mmを超える場合は、電流効率が低下するので
好ましくない。
【0043】この粗面化時におけるめっき条件は、電流
密度が25〜85A/dm2 、金属シート7’の極薄
銅箔に対するめっき浴の接液スピードが0.1〜0.8
m/sec となるようにそれぞれ設定することが好ま
しい。電流密度が25A/dm2 より低い場合は、銅
析出物が細かくなりすぎるため、前記した耐熱性合成樹
脂フィルム2の接着面への圧着時に、極薄銅箔と耐熱性
合成樹脂フィルム2との間では充分に強固な密着強度が
得られず、また85A/dm2 より高い場合は、銅析
出物が粗くなりすぎるため、前記したようにエッチング
時の銅残りが起こりやすくなる。
【0044】接液スピードが0.1m/sec より遅
い場合は、銅析出物が粗くなりすぎ、また0.8m/s
ec より速いときは逆に細かくなりすぎて、前記した
ような好ましくない問題が起る。この粗面化手段9で用
いるめっき浴としては、銅イオンと硝酸イオンを含有す
るものが好ましい。この硝酸イオンは、析出する銅結晶
を極薄銅箔の上に凹凸状に堆積させるという作用を示す
【0045】すなわち、用いるめっき浴は、例えば、硫
酸銅(CuSO4 ・5H2 O):80〜150g/
l,硫酸(H2 SO4 ):40〜80g/l、およ
び硝酸カリウム(KNO3 ):25〜50g/lの組
成を有するめっき浴が好適である。この粗面化装置9と
しては、例えば図4と図5の概略図で示したような装置
をあげることができる。
【0046】すなわち、上部が開口するめっき槽9aの
内部中央位置に、図5で示したような、陽極9bが配置
される。陽極9bは、装置9の横幅方向に延びるスリッ
ト孔9cが上面9dに形成されている箱状体であって、
その上面9dを取り囲んで一対の側壁9e,9eと他の
一対の側壁9f,9fが立設され、しかも、矢印pで示
した金属シートの走行方向に位置する一対の側壁9e,
9eの高さは他の一対の側壁9e,9eよりも低くなっ
ている。その結果、陽極9dの上面には液だまり9gが
形成されることになる。
【0047】めっき槽9aの上部開口の上に、金属シー
ト7’をその極薄銅箔側を下面にしかつ極薄銅箔を陰極
面にした状態で走行させる。そして、めっき浴供給管9
hから所定のめっき浴を供給すると、めっき浴はスリッ
ト孔9cから流れ出て液だまり9gを満たし、この上を
矢印p方向に走行する金属シート7’の片面に接触した
のち側壁9f,9fの縁部から溢流していく。その結果
、極薄銅箔の表面には前記した樹枝状の銅結晶が析出し
てその粗面化が達成される。使用後のめっき浴は配管7
iから系外に除去される。
【0048】この手段によれば、金属シート7’の極薄
銅箔の表面は、常時、新鮮で定常流をなすめっき浴に接
触するので、極薄銅箔の表面粗度は全面に亘って均一と
なり、しかもめっき時に発生するガスが極薄銅箔の表面
に滞留することがないので表面にガスピットが発生する
という問題も解消する。つぎに、本発明装置においては
、前記した粗面化手段9と前記転写・分離装置Cの中間
に、金属シート7’の走行方向に向かって、熱劣化防止
層形成手段10と防錆処理手段11をこの順序で配置す
ることが好ましい。
【0049】一般にプリント配線板は、そこに形成され
ている所定パターンの導体回路に各種のICチップなど
が半田付けによって実装される。そのため、この半田付
け時に、導体回路やそれと絶縁基材との接着界面におけ
る半田付け個所が部分的に加熱され、銅箔における粗化
面の銅は熱劣化を起こして、その部分が絶縁基材の表面
から剥離するという事態の起こることがある。
【0050】熱劣化防止層はこのような事態の発生を防
止して銅箔と絶縁基材との密着性を確保するために形成
される層である。この熱劣化防止層としては、Zn−S
b合金、Zn−Cu合金(黄銅)のようなZn合金系の
めっき層や、Ni−P合金,Ni−Cu合金のようなN
i合金系のめっき層であることが好ましい。
【0051】この熱劣化防止層を金属シート7’の極薄
銅箔表面に形成するための手段10としては、走行する
金属シート7’の極薄銅箔側を陰極面として上記した合
金めっきを行うための電解めっき装置が用いられる。そ
れに、接着性能などの表面特性を改善することを目的と
して、銅箔の表面には防錆処理を施すことが好ましい。 その処理を行う手段は、具体的にはめっき装置であって
走行する金属シート7’の極薄銅箔側を陰極面とし、こ
こに公知の陰極クロメート処理を施してZn−Cr合金
を電解めっきする装置である。
【0052】更に、前記した高速めっき手段6の上流側
で、前記転写・分離装置Cの下流側には、研磨手段12
を配置して、転写・分離装置Cから回帰してくる金属シ
ート7の表面を研磨することにより、表面に付着してい
る汚れや酸化皮膜を除去したのち、前記高速めっき手段
6に回帰させることが好ましい。この研磨手段12とし
ては、バフ研磨装置が好適である。
【0053】また、この研磨手段12の直前には、例え
ば、#320〜#800のアランダムを研磨材としスラ
リー濃度が10〜30%のスラリーを2〜5Kg/cm
2の空気圧で1個または複数個のジェットノズルから噴
射する液体ホーニング手段13を配置して、転写・分離
装置Cから回帰してきた金属シート7の表面を処理する
ことが好ましい。この場合、スラリーの噴射は上方から
行なう。
【0054】この液体ホーニング処理を施すと、金属シ
ート7の表面が適切な表面粗度になり、転写・分離装置
Cにおける耐熱性合成樹脂フィルム2の接着面と極薄銅
箔との密着力よりも小さい範囲で、ここに形成される極
薄銅箔と金属シート7の表面との密着力を高めることが
できる。その結果、極薄銅箔の金属シート7からの剥離
、すなわち極薄銅箔の耐熱性合成樹脂フィルム2への転
写を非常に円滑に行うことができるようになる。
【0055】この場合、金属シート7の表面粗度は0.
08〜0.23μm程度にすることが好ましい。更に、
この液体ホーニング手段13の上流側には、残銅除去手
段14を配置することが好ましい。通常、金属シート7
の片面に形成される極薄銅箔の幅は転写・分離装置Cで
一体化される耐熱性合成樹脂フィルム2の幅よりも若干
広めに設定される。その理由は、耐熱性合成樹脂フィル
ム2と金属シート7が直接接着してしまうと両者の分離
は極めて困難であり、そのため極薄銅箔の耐熱性合成樹
脂フィルム2への転写が不可能になるからである。
【0056】したがって、本発明においても金属シート
7に形成される極薄銅箔の幅は連続供給される耐熱性合
成樹脂フィルム2の幅よりも若干広めに設定されるので
、転写・分離装置Cから回帰してくる金属シート7には
、その表面の両側に若干極薄銅箔の一部が残留すること
になる。残銅除去手段14は上記した残銅を除去するた
めに配置されるものであって、具体的には、硫酸・過酸
化水素から成る銅エッチャントを転写・分離装置Cから
走行してきた金属シート7の表面に噴射するエッチング
装置である。
【0057】金属シート7はその表面の残銅をエッチン
グ除去され、適切な表面粗度でかつ清浄な表面状態にな
って、前記高速めっき手段6に回帰し、ここで極薄銅箔
が形成される。このとき、高速めっき手段6と研磨手段
12の中間に、後述する触媒浴槽15を配置し、金属シ
ート7を一旦この触媒浴槽15に通してから高速めっき
手段6に移送すると、ピンホールがほとんど存在しない
極薄銅箔を形成することができるので好適である。
【0058】金属シートは通常金属材料のインゴットを
シート状に圧延して製造されているが、この圧延加工時
に表面にオイルピットのような気孔が発生する。また金
属材料の溶製時には非金属介在物や金属間化合物などの
組織欠陥が不可避的に発生してこれが金属シートの表面
に露出する。このような組織欠陥は、マトリックスであ
る金属と導電性が相違しているので、結局、この組織欠
陥が露出している金属シートの表面の導電性はばらつく
ことになり、そのため銅の電着状態が均一でなくなり、
形成された極薄銅箔にはピンホールが発生するようにな
る。
【0059】これらの表面欠陥のうち、オイルピットな
どは前記した研磨手段12によって除去することも可能
であるが、しかし後者の組織欠陥は金属シート7の組織
そのものに係る欠陥であるため、単なる研磨等の物理的
手段で除去することはできない。触媒浴槽15は、後述
する触媒浴で上記金属シート7の表面を処理することに
より、金属シート7の表面を後述の貴金属成分で被覆し
、もって露出している非金属介在物や金属間化合物を隠
蔽するために配置される。
【0060】用いる触媒浴は、Pd,Pt,Ru,Rh
,Au,Agの群から選ばれる少なくとも1種の貴金属
を必須成分として含有し、プラスチックスのような非導
電性材料の表面に無電解めっきを施すときに使用される
ものでよい。この触媒浴には、コロイド型,溶液型,塩
添加型の3つのタイプがある。本発明においては、これ
ら3つのタイプのいずれをも使用することができるが、
とくにコロイド型のものが取扱やすいので好適である。 また、触媒浴に含有される貴金属としては、Pdが比較
的安価で、かつ入手しやすいので好ましい。上記貴金属
の濃度は100〜150ppmであることが好ましい。
【0061】例えば、Pd−Sn系触媒浴のコロイドタ
イプのものはPdCl2 とSnCl2 と多量のHC
lとからなるもので、Sn2+の還元力により生成する
金属Pdがα−Sn酸の保護コロイドとしてコロイド状
に浴内に分散しているものである。例えば、コロイド型
の触媒浴で金属シートの表面を処理すると、前記した貴
金属のコロイド粒子が金属シート7の表面に均一に吸着
される。その結果、金属シート7の表面に露出していた
非金属介在物や金属間化合物はこれらコロイド粒子によ
って被覆される。そして、その後、貴金属を取巻く保護
コロイドを例えば塩酸洗浄,水洗などの処理により除去
すれば、金属シート7の全面は微細な貴金属粒子で被覆
された状態になる。その結果、金属シート7の表面にお
いては、導電性のばらつきが解消されて、吸着する貴金
属微粒子の作用で均質な導電性が付与されることになる
【0062】そして、高速めっき手段6においては、こ
の吸着している貴金属粒子が電着銅結晶の成長核として
作用するが、この貴金属粒子は極めて微細であるため、
電着銅は大きな結晶として成長しずらくなる。すなわち
、金属シート7の表面に形成される極薄銅箔は、微細結
晶の集合体となるため、ピンホールの発生は有効に阻止
されるようになる。
【0063】このようにして、耐熱性合成樹脂フィルム
の接着面の形成工程から得られた耐熱性合成樹脂フィル
ム2と、極薄銅箔の形成工程で極薄銅箔が形成されてい
る金属シート7’とは、後述の転写・分離工程に連続的
に供給される。すなわち、この工程で用いる転写・分離
装置Cは互いにそのロール面が圧接しあう一対の回転ロ
ール16a,16bで構成されている。
【0064】この回転ロール16aは耐熱性合成樹脂フ
ィルム2の背面(接着面でない方の面)に圧接し、また
回転ロール16bは金属シート7’の背面(極薄銅箔が
形成されていない方の面)を圧接する。その結果、金属
シート7’の極薄銅箔は耐熱性合成樹脂フィルムの接着
面と接着・一体化する。このときの圧着の条件は、接着
剤の半硬化の状態や、金属シート7と極薄銅箔との密着
力などによって適宜に選定すればよく、例えば、回転ロ
ール16a,16bを120〜200℃に加熱して圧着
すると、極薄銅箔と耐熱性合成樹脂フィルムの接着面の
接着性が向上して金属シート7からの極薄銅箔の剥離が
円滑に進んで好適である。
【0065】この転写・分離装置Cの通過後、金属シー
ト7は再び極薄銅箔形成装置Bの方へ回帰して循環走行
し、極薄銅箔が転写された耐熱性合成樹脂フィルムは、
巻取工程に走行していき、そこの製品巻取手段5に巻取
られて目的とするフレキシブル極薄銅張積層板として製
品化される。上記した方法においては、転写・分離工程
から回帰してきた金属シート7は、残銅除去手段14に
よってその表面に残留している銅成分がエッチング除去
され、ついで、液体ホーニング手段13によってその表
面が適切な表面粗度に研磨されたのち、研磨手段12に
よって表面が清浄に研磨される。
【0066】研磨後の金属シート7は、触媒浴槽15を
通過し、この過程で金属シート7の表面に露出している
非金属介在物などの組織欠陥は触媒浴の作用で隠蔽され
て均一な導電性を備えた表面となり、高速めっき手段6
に走行していく。この高速めっき手段6を通過する過程
で、金属シート7の片面には厚みが3〜12μmでかつ
厚みのばらつきもないピンホールフリーの極薄銅箔が形
成される。この極薄銅箔を有する金属シート7’は、粗
面化手段9,熱劣化防止層形成手段10,防錆処理手段
11を順次通過し、この過程で、前記金属シート7’の
極薄銅箔の表面は粗面化され、そこに熱劣化防止層と防
錆層が順次形成され、転写・分離工程に走行していく。
【0067】一方、フィルム巻出手段1から連続供給さ
れる耐熱性合成樹脂フィルム2は、塗布手段3でその片
面に接着剤が塗布されたのち乾燥手段4でその塗布接着
剤が乾燥されて、片面に接着面が形成され、転写・分離
工程に供給されていく。転写・分離工程では、耐熱性合
成樹脂フィルムの接着面と金属シート7’の極薄銅箔が
重なり合った状態で回転ロール16a,16bのロール
面に入り、両ロールのロール圧で極薄銅箔は耐熱性合成
樹脂フィルムの接着面に接着・一体化し、金属シート7
が図1の右方に位置する極薄銅箔の形成工程へと強制的
に分離されていくことにより、極薄銅箔は耐熱性合成樹
脂フィルムに転写され、得られた極薄銅張積層板は連続
的に製品巻取手段5に巻取られていく。
【0068】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
方法は、耐熱性合成樹脂フィルムの片面を連続的に接着
面として形成し、また、循環走行する金属シートの片面
には高速めっき法で極薄銅箔を連続に形成し、この極薄
銅箔を転写・分離工程で耐熱性合成樹脂フィルムに連続
的に転写することができるので、高速めっき法の採用と
いうことと相俟って、極めて高い生産性の下で、安定し
た品質のフレキシブルな極薄銅張積層板を製造すること
ができ、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で用いる好適な装置の概略構成図で
ある。
【図2】本発明方法で用いる塗布手段の1例を示す概略
構成図である。
【図3】本発明方法で用いる高速めっき手段の1例を示
す概略構成図である。
【図4】本発明方法で用いる粗面化手段の1例を示す概
略構成図である。
【図5】図4の粗面化手段に組込む陽極の1例を示す概
略斜視図である。
【符号の説明】
1  巻出ロール(フィルム巻出手段)2  耐熱性合
成樹脂 3  塗布手段 3a  塗布槽 3b  接着剤 3c  塗布ロール 3d  圧接ロール 4  乾燥手段 4a  管状炉 4b  管状炉4aの入口 4c  ローラ 4d  管状炉4aの出口 5  巻取ロール(製品巻取手段) 6  高速めっき手段 6a  めっき槽 6b  陰極 6c  ロール 6d  陰極ドラム 6e  スリット孔 6f  銅めっき浴供給管 6g  陽極2bの上面 6h  陰極ドラム2dの外周面と陽極上面2gとの間
隙6i  ロール 6j  ロール 6k  めっき浴排出管 6l  排ガス管 7  金属シート 7’  極薄銅箔が形成された金属シート8a,8b,
8c,8d  ロール 9  粗面化手段 9a  めっき槽 9b  陽極 9c  スリット孔 9d  陽極の上面 9e  側壁 9f  側壁 9g  液だまり 9h  めっき浴供給管 9i  側壁7eの縁部 10  熱劣化防止槽形成手段 11  防錆処理手段 12  研磨手段 13  液体ホーニング手段 14  残銅除去手段 15  触媒浴槽 16a,16b  回転ロール A    耐熱性合成樹脂フィルムの接着面形成装置B
  極薄銅箔形成装置 C  転写・分離装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  フィルム巻出手段から製品巻取手段ま
    で一方向に連続走行する耐熱性合成樹脂フィルムの片面
    に、前記フィルム巻出手段の下流側に配置された塗布手
    段で接着剤を塗布し、更に、前記塗布手段の下流側に配
    置された乾燥手段で前記塗布接着剤を乾燥して耐熱性合
    成樹脂フィルムの接着面を形成する工程;循環して走行
    する金属シートの片面に厚み3〜12μmの極薄銅箔を
    高速めっき手段で形成する極薄銅箔の形成工程;ならび
    に、前記耐熱性合成樹脂フィルム接着面の形成工程と前
    記製品巻取手段による巻取工程との中間において、耐熱
    性合成樹脂フィルム接着面の形成工程と極薄銅箔の形成
    工程とを結合し、前記耐熱性合成樹脂フィルム接着面の
    形成工程から連続供給される耐熱性合成樹脂フィルムの
    前記接着面と、前記極薄銅箔の形成工程から連続供給さ
    れる金属シートの前記極薄銅箔側表面とを圧着して前記
    極薄銅箔を前記耐熱性合成樹脂フィルム側に転写したの
    ち得られた極薄銅張板と金属シートとを分離する転写・
    分離工程;を備えていることを特徴とする極薄銅張積層
    板の連続製造方法。
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