JPH04335069A - カチオン電着塗料組成物及びカチオン電着塗装方法 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物及びカチオン電着塗装方法

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JPH04335069A
JPH04335069A JP13575291A JP13575291A JPH04335069A JP H04335069 A JPH04335069 A JP H04335069A JP 13575291 A JP13575291 A JP 13575291A JP 13575291 A JP13575291 A JP 13575291A JP H04335069 A JPH04335069 A JP H04335069A
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JP
Japan
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group
resin
parts
chelate
electrodeposition coating
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Pending
Application number
JP13575291A
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English (en)
Inventor
Masato Yamamoto
真人 山本
Masafumi Kume
久米 政文
Hidehiko Haishi
羽石 秀彦
Hideo Kogure
英雄 木暮
Heihachi Murase
村瀬 平八
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の腐食防止能を優
れたカチオン電着塗料組成物および優れた腐食防止能を
有する被膜を形成できるカチオン電着塗装方法に関する
【0002】
【従来の技術よびその課題】従来、金属の腐食を防止す
るために、(1)リン酸塩やクロム酸塩等の無機質被膜
を金属素材表面に形成する金属表面処理方法、(2)エ
ポキシ樹脂やフェノール樹脂等の有機質被膜を金属表面
に形成する塗膜形成方法等が利用されてきた。しかしな
がら、(1)の方法においては、重金属や毒劇物の使用
による公害の問題があり、また、(2)の方法だけでは
金属の腐食防止能が不十分であるという問題がある。
【0003】自動車車体や電気機器などの塗装において
は、生産性、品質、使用効率などの点から、金属の塗装
前処理としてリン酸塩処理、プライマーとして電着塗料
を用いる組み合せが幅広く採用されている。
【0004】この組み合せにおいて、電着塗料は、水性
塗料の一つとして低公害塗料の代表として挙げられるも
のであり、環境保全や省資源の面で一役を担うものであ
る。一方、リン酸塩処理には上記公害の問題および将来
、予想されているリンの供給不足の問題がある。
【0005】そこで本発明者らは、リン酸塩処理などの
金属表面処理を行なわなくても電着塗装によって優れた
金属の腐食防止を達成できる電着塗料および電着塗装方
法を得るべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、カチオン電着塗料組成
物において、該組成物の全樹脂固形分100重量部のう
ち、下記式[1],[2],[3]又は[4]で表わさ
れるキレート形成基を分子中に少なくとも1個有し、か
つ中和前のアミン価が30〜150であるキレート形成
性樹脂を0.5〜20重量部含有することを特徴とする
カチオン電着塗料組成物を提供するものである。
【0007】
【化2】 (各式中、R1 およびR2 は同一または異なって、
水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シア
ノ基、炭素原子数18以下の炭化水素基、炭素原子数1
2以下のアルコキシアルキル基を示す。)
【0008】
さらに本発明は、上記電着塗料組成物の浴中に被塗物を
浸漬し、浸漬時間が10秒以上経過した後に、被塗物を
陰極として通電を開始することを特徴とするカチオン電
着塗装方法を提供するものである。
【0009】本発明組成物は樹脂成分の一部として、上
記式[1],[2],[3]又は[4]で表わされるキ
レート形成基をもつキレート形成性樹脂を含有するもの
であって、上記キレート形成基のR1 およびR2 に
おける炭化水素基は、炭素数18以下であり、好ましく
は炭素数5以下であって、アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アリール基などが包含される。また
、R1 およびR2 におけるアルコキシアルキル基は
、炭素数12以下であり、好ましくは炭素数5以下であ
る。
【0010】上記キレート形成基のR1 およびR2 
における、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロ
アルキル基、アラルキル基、アリール基の具体例を以下
に示す。アルキル基としては、直鎖でも枝分れ鎖でもよ
く、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オ
クチル基、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル基およ
びn−オクタデシル基など;アルコキシアルキル基とし
ては、例えば、2−メトキシエチル基および3−メトキ
シプロピル基など;シクロアルキル基としては、例えば
、シクロペンチル基、シクロヘキシル基および3−メチ
ルシクロヘキシル基など;アラルキル基としては、例え
ば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−イソプロ
ピルベンジル基、フェネチル基など;アリール基として
は、例えば、フェニル基、ジフェニル基、ナフチル基、
4−メチルフェニル基などが挙げられる。
【0011】上記[1],[2],[3]又は[4]式
で示されるキレート形成基の代表例としては、
【001
2】
【化3】
【0013】などが挙げられる。
【0014】上記キレート形成性樹脂において、上記キ
レート形成基は+2価又は+3価の金属イオンと分子内
錯塩型の安定な5員環のキレート錯体を形成する部分で
ある。
【0015】上記キレート形成基を
【0016】
【化4】
【0017】と略記して、形成されるキレート錯体をモ
デル的に示すと下記の通りである。
【0018】
【化5】
【0019】上記のように+3価の金属イオンに対して
は3組のキレート形成基が結合し、また+2価の金属イ
オンに対しては2組のキレート形成基が結合して、金属
イオンの電荷がフェノキシドイオンによって中和された
5員環の分子内錯塩型のキレート錯体を形成する。形成
されたキレート錯体は電荷が中和されているため金属の
腐食に対して腐食電流が流れにくくなり、また5員環を
形成しているため構造的に安定である。
【0020】上記キレート形成性樹脂は、上記キレート
形成基を1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以
上、より好ましくは3〜700個有することが必要であ
る。キレート形成基を1分子中に複数個有すると、キレ
ート形成した際に樹脂被膜の3次元化が進行し、強固な
キレート結合が形成されるとともに樹脂被膜の架橋密度
が増大するため防食性の点でより有利である。
【0021】本発明において、キレート形成性樹脂中に
キレート形成基を導入する方法としては、例えば下記の
(a)〜(d)の方法等を挙げることができる。
【0022】(a)基体部分を形成する樹脂の末端又は
側鎖に重合性二重結合を有せしめ、この二重結合に下記
式[5],[6],[7]又は[8]で表わされる化合
物(以下、「o−アミノフェノール類]と略称すること
がある。)を付加反応させる方法。
【0023】
【化6】
【0024】(式中、R1 およびR2 は、前記と同
じ意味を有する。) (b)水酸基等の官能基及び重合性二重結合を有する化
合物とo−アミノフェノール類との付加反応生成物と、
該反応生成物中の水酸基等の官能基と反応性を有するイ
ソシアネート基等の官能基を有するポリマーとを反応さ
せる方法。
【0025】(c)前記式[1],[2],[3]又は
[4]のキレート形成基と重合性二重結合とを有する化
合物を該化合物と共重合可能な他の重合性不飽和モノマ
ーと共重合させる方法。
【0026】(d)o−アミノフェノール類と、エーテ
ル化されたシラノール基及び重合性二重結合を有するシ
ラン化合物又は樹脂とを付加させる方法。またこの方法
によって得られる前記式[1],[2],[3]又は[
4]の構造部分とエーテル化されたシラノール基とを有
する化合物又は樹脂を部分縮合させるか、又はエーテル
化されたシラノール基を有する他のシラン化合物と部分
共縮合させる方法。
【0027】(a)の方法において、末端又は側鎖に重
合性二重結合を有する樹脂としては、特に限定されるも
のではなく公知の方法によって得られる多種の樹脂が使
用できる。例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3
,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重
合性不飽和モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体
、ビスフェノール型等各種エポキシ樹脂等の末端又は側
鎖にエポキシ基を有する樹脂に(メタ)アクリル酸等の
カルボキシル基含有重合性不飽和化合物を付加させてエ
ポキシ基を開環し、樹脂中に重合性不飽和基を導入する
ことによって得られる。この付加反応は、両者を例えば
第4級アンモニウム塩などの反応触媒やハイドロキノン
などの重合禁止剤の存在下に例えば約50〜115℃で
30分〜8時間程度加熱することによって行なうことが
できる。
【0028】また、水酸基を有するアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂中
の水酸基にイソシアナトエチル(メタ)アクリレート、
m−イソプロペニルフェニルイソシアネート、m−イソ
プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート
等の重合性不飽和基含有イソシアネート化合物を付加さ
せて重合性不飽和基を導入することによっても得られる
。この付加反応は例えば両者をジブチル錫オクチレート
等の錫系触媒の存在下で20〜100℃で約1〜10時
間反応させることによって行なうことができる。
【0029】上記のようにして得られる末端又は側鎖に
重合性二重結合を有する樹脂は、上記o−アミノフェノ
ール類との反応によって、樹脂中に前記式[1],[2
],[3]又は[4]で示されるキレート形成基が導入
される。上記式[5],[6],[7]又は[8]で示
される化合物の代表例としては、o−アミノフェノール
、4−クロロ−2−アミノフェノール、4−ブロモ−2
−アミノフェノール、5−ニトロ−2−アミノフェノー
ル、4−メチル−2−アミノフェノール、5−メチル−
2−アミノフェノール、4−エチル−2−アミノフェノ
ール、2−アミノ−3−ナフトール、1−アミノ−2−
ナフトール、2−アミノ−1−ナフトールなどが挙げら
れ、これらのうち、特にo−アミノフェノールが好まし
い。これらの化合物は単独で、もしくは2種以上混合し
て使用できる。
【0030】樹脂中の重合性二重結合へのo−アミノフ
ェノール類の付加反応は、両者を例えば酸触媒の存在下
に通常約20〜100℃で約1〜24時間反応させるこ
とによって行なうことができる。
【0031】前記(b)の方法は、(a)の方法におけ
る反応順序を変えたものであって、前記式[1],[2
],[3]又は[4]で示されるキレート形成基と水酸
基等の官能基とを有する反応生成物を先ず作製し、この
ものの官能基をポリマー中の官能基を反応させて高分子
量化する方法である。
【0032】前記(c)の方法において、前記式[1]
,[2],[3]又は[4]のキレート形成基と重合性
二重結合とを有する化合物は、例えば、o−アミノフェ
ノール類と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
等の水酸基含有不飽和モノマーとの付加生成物中の水酸
基を、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−
イソプロペニルフェニルイソシアネート、m−イソプロ
ペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等の
重合性二重結合含有モノイソシアネート化合物に付加さ
せる方法によって得ることができる。o−アミノフェノ
ール類と水酸基含有不飽和モノマーとの反応は、例えば
酸触媒の存在下に両者を等モルにて約20〜100℃で
約1〜24時間反応させることによって行なうことがで
きる。これによって得られる付加生成物は水酸基を有し
、このものと重合性二重結合含有モノイソシアネート化
合物との付加反応は、例えば錫系触媒の存在下に両者を
等モルにて約20〜100℃で約1〜10時間反応させ
ることによって行なうことができる。
【0033】前記式[1],[2],[3]又は[4]
のキレート形成基と重合性二重結合とを有する化合物は
、上記以外の方法によって得たものであってもよい。
【0034】(c)の方法において、上記式[1],[
2],[3]又は[4]のキレート形成基と重合性二重
結合とを有する化合物と共重合させるために用いる他の
重合性不飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸のC1 〜C18アルキル
エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き(メ
タ)アクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエ
ステル及びアリルアルコール等の水酸基含有不飽和単量
体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど
の第2級もしくは第3級アミノ基を有する重合性不飽和
モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸などの酸基含有不飽和
単量体;酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ
)アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリル
アミドブチルエーテル等のモノマーを挙げることができ
、これらはそれぞれ単独で又は2種以上併用することが
できる。
【0035】上記重合性二重結合含有付加物と上記他の
重合性不飽和モノマーとの共重合は、公知の共重合方法
によって行なうことができ、例えば上記の成分を重合触
媒及び好ましくは有機溶剤の存在下で加熱反応させるこ
とによって行なうことができる。
【0036】前記(d)の方法において、重合性二重結
合とエーテル化されたシラノール基とを有するシラン化
合物又は樹脂の望ましいものとして、下記一般式[9]
で示されるシラン化合物、これらのシラン化合物の一種
又は二種以上を部分縮合した樹脂、及びこれらのシラン
化合物とエーテル化されたシラノール基を有する他のシ
ランとの部分共縮合物が挙げられる。
【0037】
【化7】
【0038】(式中、Aは不飽和炭化水素基又は不飽和
カルボニルオキシアルキル基を示し、Xは水素原子、炭
素数1〜18個の炭化水素基、炭素数1〜18個のアル
コキシル基、炭素数6〜8個のアリールオキシ基又は炭
素数5〜8個の脂環式炭化水素オキシ基を示す。Y及び
Zはそれぞれ同一又は異なって炭素数1〜18個のアル
コキシル基、炭素数6〜8個のアリールオキシ基又は炭
素数5〜8個の脂環式炭化水素オキシ基を示し、Xと同
一であってもよい。)上記Aの好ましい例としては、ビ
ニル基、アリル基、メタクリロイルオキシエチル基、ア
クリロイルオキシエチル基、メタクリロイルオキシプロ
ピル基、アクリロイルオキシプロピル基等が挙げられる
【0039】上記一般式[9]で示されるシラン化合物
の代表例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(n−プロポキシ)
シラン、アリルトリメトキシシラン、β−アクリロイル
オキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピル(メチルジエトキシ)シラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−
メタクリロイルオキシプロピルトリス(n−ブトキシ)
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス(イ
ソプロポキシ)シラン等が挙げられる。
【0040】上記式[9]で示されるシラン化合物と部
分共縮合させることができるエーテル化されたシラノー
ル基を有する他のシラン化合物としては、2個以上のエ
ーテル化されたシラノール基を有するシラン化合物が使
用でき、例えばテトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン等のシラン化合物、及びこれらのシラン化合物の部分
共縮合物等が挙げられる。
【0041】上記式[9]で示されるシラン化合物の部
分縮合及び上記式[9]で示されるシラン化合物とエー
テル化されたシラノール基を有する他のシラン化合物と
の部分共縮合は、従来公知のエーテル化シラン化合物の
縮合方法に従って行なうことができ、一般に、酢酸等の
有機酸、塩酸等の無機酸等の酸、及び水の存在下に常温
乃至沸点以下の温度、好ましくは50〜90℃に加熱す
ることによって行うことができる。水の量は縮合させる
程度に応じて適宜増減させればよい。
【0042】上記重合性二重結合とエーテル化されたシ
ラノール基とを有するシラン化合物又は樹脂をo−アミ
ノフェノール類と付加させることによって前記式[1]
,[2],[3]又は[4]のキレート形成基とエーテ
ル化されたシラノール基とを有するシラン化合物又は樹
脂が得られる。上記付加反応は、両者を、例えば酸触媒
の存在下に通常約20〜100℃で約1〜24時間反応
させることによって行うことができる。
【0043】上記付加反応によって得られたシラン化合
物又は樹脂を部分縮合させるか又はエーテル化されたシ
ラノール基を有する前記他のシラン化合物と部分共縮合
させることによっても上記キレート形成性樹脂が得られ
る。部分縮合及び部分共縮合は、前記部分(共)縮合方
法と同様に行うことができる。
【0044】本発明において、上記キレート形成性樹脂
は、中和されることによって水溶化ないしは水分散化さ
れることが必要であり、樹脂中にアミノ基を中和前の樹
脂のアミン価が30〜150、好ましくは40〜110
の範囲内となる量有するものである。中和前のキレート
形成性樹脂のアミン価が30未満では水性化が困難とな
り、アミン価が150を超えると耐水性、防食性に悪影
響をおよぼす。
【0045】上記キレート形成性樹脂中へ導入するアミ
ノ基はキレート形成基のアミノ基のみによるものであっ
てもよいし、キレート形成基とこのもの以外のアミノ基
との両者によるものであってもよい。
【0046】上記キレート形成基以外のアミノ基を導入
するためのアミノ基含有化合物としては、脂肪族、脂環
族もしくは芳香−脂肪族系の第1級もしくは第2級アミ
ン(これらはエポキシ基と反応してアミノ基を形成しう
る)、第3級アミノアルコールとジイソシアネートとの
反応によって得られる第3級アミノモノイソシアネート
(これは樹脂中の水酸基と反応して該樹脂にアミノ基を
導入しうる)および第2級もしくは第3級アミノ基を有
する重合性不飽和モノマー(例えば前記(c)の方法に
おいて共重合により樹脂中にアミノ基を導入しうる)等
が挙げられる。
【0047】上記の第1級もしくは第2級アミンの例と
しては例えば次のものを挙げることができる:(イ)メ
チルアミン、エチルアミン、n−もしくはiso−プロ
ピルアミン、モノエタノールアミン、n−もしくはis
o−プロパノールアミンなどの第1級モノアミン; (ロ)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−
またはジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエ
タノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第
2級モノアミン; (ハ)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどの第
1級もしくは第2級のポリアミン等が挙げられる。
【0048】これらの第1級もしくは第2級アミンは、
樹脂中にエポキシ基がある場合、このエポキシ基とその
まま反応させてもよいが、一般には上記のアミンのうち
第1級アミンやN−ヒドロキシアルキル第2級アミンを
使用する場合には、このものを予めケトン、アルデヒド
もしくはカルボン酸と例えば、100〜230℃程度で
加熱反応させてアルジミン、ケチミン、オキサゾリンも
しくはイミダゾリンに変性し、このものを使用すること
が好ましい。これらの第1級アミン、第2級アミン、変
性したアミンと樹脂中のエポキシ基との反応は、例えば
、約80〜約200℃の温度で、約2〜約5時間加熱す
ることによって行なうことができる。
【0049】また樹脂中に重合性不飽和基がある場合に
は、第1級アミンを該重合性不飽和基に付加させること
によってもアミノ基を導入することができる。この付加
反応は、両者を例えば酸触媒の存在下に約20〜100
℃で約1〜24時間反応させることによって行なうこと
ができる。
【0050】また、アミノ基含有化合物として第3級ア
ミノモノイソシアネートを用いる場合、例えば、30〜
120℃程度の温度において樹脂中のアルコール性水酸
基と反応させ赤外吸収スペクトル測定によりイソシアネ
ート基の吸収が完全になくなるまで反応を行なえばよい
。また、第2級もしくは第3級アミノ基を有する重合性
不飽和モノマーを用いてアミノ基を導入するには、例え
ば前記(c)の方法において、式[1]で示されるキレ
ート形成基と重合性二重結合とを有する化合物と共重合
させる、他の重合性不飽和モノマーの一部又は全部とし
て第2級もしくは第3級アミノ基を有する重合性不飽和
モノマーを使用すればよい。
【0051】本発明において上記キレート形成性樹脂は
、被膜形成能を有していることが必要であり、数平均分
子量が約500〜500000の範囲が好ましく、更に
好ましくは約1000〜200000の範囲内にあるこ
とが適当である。また上記キレート形成性樹脂は分子中
に上記したキレート形成基を少なくとも1個有すること
が必要であり、この樹脂1000g中に該キレート形成
基を0.2〜3.5モル更には0.3〜3.0モル有す
ることが好ましい。
【0052】上記キレート形成性樹脂の基体樹脂として
は、上記した様に各種のものを用いることができるが、
被膜形成性の点からアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ケイ素含有樹脂
が好ましい。
【0053】本発明のカチオン電着塗料組成物は、樹脂
成分として上記キレート形成性樹脂以外に被膜形成性の
カチオン電着可能な樹脂を含有するものである。
【0054】上記カチオン電着可能な樹脂としては、特
に限定されるものではなく、代表例としては、例えばア
ミン付加エポキシ樹脂に代表されるポリアミン樹脂、例
えば(i)ポリエポキシド化合物と1級モノ−及びポリ
アミン、2級モノ−及びポリアミン又は1,2級混合ポ
リアミンとの付加物(例えば米国特許第3,984,2
99号明細書参照);(ii)ポリエポキシド化合物と
ケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−及び
ポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4,017,
438号明細書参照);(iii)ポリエポキシド化合
物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ
化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば特
開昭59−43013号公報参照)などを含有しうる。
【0055】上記ポリアミン樹脂の製造に使用されるポ
リエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2個以
上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好ま
しくは400〜4000、更に好ましくは800〜20
00の範囲内の数平均分子量を有するものが適しており
、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの
反応によって得られるものが好ましい。
【0056】該ポリエポキシド化合物の形成のために用
いうるポリフェノール化合物としては、例えばビス(4
−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4′
−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ
−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、
ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1
,1,2,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボ
ラック等が挙げられる。
【0057】該ポリエポキシド化合物はポリオール、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
アミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化
合物などと一部反応させたものであってもよく、更にま
た、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラ
フト重合させたものであってもよい。
【0058】また、電着塗膜に対して良好な耐候性が要
求される場合には、カチオン電着可能な樹脂として、耐
候性の優れたアミン基含有アクリル系樹脂又は非イオン
性のアクリル系樹脂を単独で用いるか、或は前記アミン
付加エポキシ樹脂と併用するのが好都合である。
【0059】カチオン電着可能な樹脂は、自己架橋型で
あってもよく、硬化剤と併用して硬化する硬化剤併用型
であってもよい。自己架橋型樹脂としては、樹脂中の水
酸基に、2つのイソシアネート基のうちの1つをブロッ
ク化したモノブロックジイソシアネートを反応させて樹
脂中にモノブロックイソシアネート基を導入した樹脂;
ポリエポキシド物質にβ−ヒドロキシアルキルカルバメ
ート基を導入した樹脂(例えば特開昭59−15547
0号公報参照)などを挙げることができる。
【0060】硬化剤併用型の樹脂における硬化剤は樹脂
中の反応性基と反応して架橋していくものであり、例え
ば、アルコール、オキシム、フェノール、カプロラクタ
ムなどでブロックされたブロック化ポリイソシアネート
化合物やアミノプラスト樹脂、即ち尿素、メラミン、ベ
ンゾグアナミン等の含窒素化合物のホルムアルデヒド縮
合物や、この縮合物の低級アルキルエーテル化物等が挙
げられる。その他、カチオン電着可能な樹脂としては、
エステル交換反応によって硬化しうる樹脂(例えば特開
昭55−80436号公報参照)なども挙げられる。
【0061】本発明組成物において、前記キレート形成
性樹脂は、該組成物中の全樹脂固形分(硬化剤を使用す
る場合には硬化剤も含む。)100重量部中に0.5〜
20重量部、好ましくは2〜12重量部の範囲内である
。キレート形成性樹脂が0.5重量部未満では、キレー
ト形成能が不足するため、腐食防止能の向上が十分でな
くなり、一方、20重量部を超えると、得られる電着塗
膜の塗面外観が悪くなる。
【0062】本発明組成物において、樹脂成分は、カチ
オン化することによって水中に溶解ないし分散可能であ
ることが必要であり、前記キレート形成性樹脂以外の樹
脂においては、中和前のアミン価が15〜100の範囲
内にあることが適している。樹脂成分のカチオン系水性
溶液ないし分散液の調整は通常、樹脂成分をギ酸、酢酸
、乳酸などの有機酸などの酸で中和し、水中に水溶化な
いしは水分散化することによって行なうことができる。 本発明組成物において、キレート形成性樹脂とそれ以外
の樹脂とが互いに反応性を有する基を有していることが
防食性向上の面からより好ましい。
【0063】本発明電着塗料は、上記樹脂の水溶液ない
し水分散液に、さらに必要に応じて通常の塗料添加物、
例えば、着色顔料、例えばチタン白、カーボンブラック
、ベンガラ、黄鉛など;体質顔料例えばタルク、炭酸カ
ルシウム、マイカ、クレー、シリカなど;防錆顔料、例
えばストロンチウムクロメート、ジンククロメートなど
のクロム顔料、塩基性ケイ酸鉛などの鉛顔料等;さらに
他の添加剤を配合することができる。他の添加剤として
は例えば、分散助剤(非イオン系界面活性剤等);塗面
のハジキ防止剤(アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコン
樹脂など);硬化促進剤(例えば鉛、ビスマス、スズな
どの金属の塩);素材の端面への被覆性向上の目的など
のための粒径0.01〜0.5μm程度の有機重合体粒
子(アクリル樹脂系等);キレート形成性樹脂の被塗物
表面への自動析出性を促進するための、塩素酸ナトリウ
ム、亜硝酸などの酸化剤やエチレンジアミンテトラアセ
テートなどのエッチング助剤等が挙げられる。
【0064】本発明電着塗料組成物は、被塗物上にカチ
オン電着塗装を行なうに際し、一般には、カチオン電着
塗料組成物の固形分濃度が約5〜40重量%となるよう
に脱イオン水などで希釈し、さらにpHを5.5〜8.
0の範囲内に調製した電着浴を用いて行なうことができ
る。カチオン電着塗装を行なう装置としては、従来から
カチオン電着塗装において使用されているそれ自体既知
の装置を使用することができる。
【0065】また、カチオン電着塗装を行なうに際し、
従来一般に行なわれているように、被塗物が電着浴に浸
漬されると同時に通電を行なって電着塗膜を形成しても
よいが、本発明においては、被塗物を電着浴中に浸漬し
、浸漬時間が好ましくは10秒以上、さらに好ましくは
、30秒〜180秒となった時点で通電を開始すること
が望ましい。被塗物を浴中に浸漬して通電するまでの間
に、電着塗料中のキレート形成性樹脂が被塗物表面に自
動析出し、被塗物表面の金属イオンとキレートを形成し
、防食性に優れた表面処理層を形成し、ついで通電され
ることによって、この層の上にカチオン電着塗膜が形成
され優れた防食性を発揮する。
【0066】カチオン電着塗装条件は、特に制限される
ものではないが、一般的には、浴温:15〜35℃(好
ましくは20〜30℃)で、通電時においては被塗物を
陰極として、電圧:100〜400V(好ましくは20
0〜300V)で、電流密度:0.01〜3A/dm2
 、通電時間:30秒〜10分、極面積比(A/C):
6/1〜1/6、極間距離:10〜100cm、撹拌状
態で電着することが望ましい。また形成される電着塗膜
の膜厚(乾燥状態)は5〜70μm、好ましくは10〜
50μmの範囲であるのが好都合である。形成された電
着塗膜は、水洗処理を省略するか、又は限外濾液、脱イ
オン水もしくは逆浸透膜濾液などで水洗した後、電着塗
料の硬化開始温度以上で、好ましくは100〜250℃
、さらに好ましくは150〜200℃に加熱して硬化さ
せることができる。
【0067】本発明方法において使用される被塗物とし
ては、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅などの金属、これら
の金属の合金などの素材、およびこれらの素材にリン酸
塩処理やクロム酸塩処理などの表面処理を施したものな
どが挙げられる。
【0068】本発明方法によって得られる電着塗装材は
、このまま使用することもできるし、またこの上に塗料
を塗装してもよい。この塗装系は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、電着塗装材−上塗、またこの間に中
塗、チッピングプライマー、ストーンガードプライマー
などのプライマーを塗装したものなどが挙げられる。
【0069】
【発明の効果】本発明カチオン電着塗料組成物は、樹脂
成分の一部としてo−アミノフェノール類から誘導され
る特定のキレート形成基を有するキレート形成性樹脂を
含有するものであり、このキレート形成性樹脂中のキレ
ート形成基が+2価又は+3価の金属イオンと分子内錯
塩型の安定なキレート錯体を形成でき、錯体形成によっ
て腐食電流が流れにくくなるため、+2価又は+3価の
金属イオンを発生する鉄、亜鉛、銅、アルミニウム等の
金属表面に対して優れた腐食性を付与することができる
【0070】さらに本発明組成物を本発明方法によって
電着塗装すると、通電前の浸漬中に被塗物表面にキレー
ト形成性樹脂が自動析出し、被塗物表面にキレートによ
る表面処理が効果的になされ、ついで通電することによ
ってカチオン電着膜が形成される。この電着塗装物は焼
付けによって表面処理層と電着塗膜層が流動、硬化され
優れた防食性を示す。また本発明方法によって被塗物表
面の表面処理とカチオン電着塗膜形成を同一工程の中で
行なうことができるため、従来の表面処理工程を省略可
能であり、工程の簡略化に寄与することができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、以下、「部」および「%」は特に断らない
限り、重量基準によるものとする。 (製造例1)フラスコ中に、イソプロピルアルコール2
0部および酢酸ブチル25部を配合し、85℃に加熱し
、同温度に保持した。この中に下記のモノマー混合物を
2時間かけて滴下した。グリシジルメタクリレート25
部、ヒドロキシエチルメタクリレート30部、スチレン
20部、n−ブチルメタクリレート25部およびアゾビ
スバレロニトリル2部の混合物。滴下終了後、85℃で
更に2時間保持した後、ハイドロキノン0.1部を加え
脱溶剤を行ない20部の溶剤を留去し、固形分80%の
樹脂溶液(A)を得た。
【0072】別のフラスコにn−ブチルアルコール28
部、臭化テトラエチルアンモニウム1部およびアクリル
酸12.6部を配合し、空気吹込み下にて110℃に加
熱、保持し、この中に上記で得た固形分80%の樹脂溶
液125部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温
度にて3時間保持し、重合性不飽和基を有する付加物溶
液(B)を得た。この付加物溶液(B)を50℃に冷却
し、この中に5−メチル−2−アミノフェノール21.
7部、ジメチルホルムアミド22部および酢酸10.6
部を配合し、50℃で8時間反応させた後、メチルイソ
ブチルケトン47.7部を加え固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液を得た。得られた樹脂の中和前のアミン
価は73であった。
【0073】(製造例2)フラスコ中に製造例1で得た
付加物溶液(B)166.6部、2−アミノ−3−ナフ
トール28.0部、ジメチルホルムアミド22部および
ギ酸8.1部を配合し50℃で8時間反応させた後、メ
チルイソブチルケトン56.5部加え、固形分50%の
キレート形成性樹脂溶液を得た。得られた樹脂の中和前
のアミン価は70であった。
【0074】(製造例3)フラスコ中に、メチルイソブ
チルケトン439.7部、アクリル酸512部、臭化テ
トラエチルアンモニウム19.8部およびN−ニトロソ
ジフェニルアミン2.0部を配合し108℃に加熱保持
した。この中に、メチルイソブチルケトン55.5部と
デナコールEX521(長瀬化成(株)製、ポリオール
ポリグリシジルエーテル、平均分子量約1200、エポ
キシ当量約200)1469部との均一混合溶液を2時
間かけて滴下し、滴下終了後、同温度でさらに3時間保
持して、固形分80%の重合性不飽和基を有する付加物
溶液を得た。この溶液の樹脂酸価は0.1以下であった
【0075】得られた付加物溶液66.1部に、4−ク
ロロ−2−アミノフェノール17.2部、ギ酸8.7部
、ジメチルホルムアミド19.1部、ジエタノールアミ
ン7.2部、ハイドロキノン0.1部およびエチレング
リコールモノプロピルエーテル4.4部を加え、70℃
で2時間反応させた後、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル52.6部を加えて固形分約40%のキレー
ト形成性樹脂溶液を得た。得られた樹脂の中和前のアミ
ン価は96であった。
【0076】(製造例4)フラスコ中に、メチルイソブ
チルケトン67部およびイソホロンジイソシアネート1
11部を配合し、反応温度を30〜35℃に保ちながら
、メチルエチルケトオキシム46部とメチルイソブチル
ケトン25部との混合物を徐々に滴下し部分ブロックポ
リイソシアネート溶液を得た。別のフラスコにアクリル
酸72部、臭化テトラエチルアンモニウム2部、ハイド
ロキノン0.3部およびメチルイソブチルケトン31.
7部を配合し、110℃に加熱、保持した。この中にエ
ピコート180S90(油化シェルエポキシ(株)製、
ノボラック型エポキシ樹脂)220部とメチルエチルケ
トン314.3部との均一溶液を1時間かけて滴下し、
滴下終了後さらに2時間同温度に保持した。
【0077】次いで、このものを70℃に冷却した後、
この中に上記で得た部分ブロックポリイソシアネート溶
液199部を配合し70℃で3時間反応を行ない樹脂中
にブロックイソシアネート基を導入した。このものに更
に、1−アミノ−2−ナフトール127部、ジブチルア
ミン26部および酢酸60部を配合し、70℃で3時間
反応を行なった後、エチレングリコールモノエチルエー
テル88.5部を配合して固形分50%のキレート形成
性樹脂溶液を得た。得られた樹脂の中和前のアミン価は
98であった。
【0078】(製造例5)フラスコ中に、デナコールE
X521(長瀬化成(株)、ポリオールポリグリシジル
エーテル、平均分子量約1200、エポキシ当量約20
0)200部、メチルイソブチルケトン118部、アク
リル酸72部、テトラエチルアンモニウムブロマイド2
.5部およびハイドロキノン0.3部を配合し、110
℃で3時間反応を行なった。次いで、この中に製造例4
で得た部分ブロックポリイソシアネート溶液249部を
配合し、70℃で3時間反応を行ない樹脂中にブロック
イソシアネート基を導入した。このものに更に、o−ア
ミノフェノール91部、酢酸60部、ジエタノールアミ
ン17.3部、イソプロパノール43部およびエチレン
グリコールモノエチルエーテル221.5部を配合し、
70℃で3時間反応を行ない、固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液を得た。得られた樹脂の中和前のアミン
価は104であった。
【0079】(製造例6)フラスコ中に脱イオン水47
8.3部、2−アミノナフトール159.2部およびギ
酸46部を配合し、室温にて溶解させた。この中に塩化
亜鉛136.2部を脱イオン水317.8部に予め溶解
させた水溶液を加え、室温で1時間混合して亜鉛錯体水
溶液を形成させた。次いで、このものに10%水酸化ナ
トリウム水溶液を400部配合し、室温で30分間撹拌
を行ない、沈殿物を形成させた。
【0080】形成された沈殿物を濾過、水洗、乾燥させ
、この沈殿物383.8部、メチルエチルケトン103
5.5部、パラホルムアルデヒド65部および硫酸0.
5部を別のフラスコ中に配合し、60℃で5時間反応さ
せてナフタリン環へのメチロール化を行なった。次いで
、この中に亜鉛粉末1部を加え、系中の硫酸と反応させ
硫酸亜鉛として沈殿させた。得られた反応物溶液を濾過
して亜鉛粉末および硫酸亜鉛を除去した後、濾液を脱溶
剤、水洗、乾燥させて2−アミノナフトール亜鉛錯体の
メチロール化物の粉末Cを得た。
【0081】別のフラスコ中にテトラヒドロフラン66
5.7部に上記で得た粉末C443.8部を溶解させ、
この中にイソシアナトエチルメタクリレート310部、
オクチル酸錫2部を配合して50℃にて2時間反応させ
て亜鉛錯体に重合性二重結合を導入した後、ギ酸150
部を加え、50℃で1時間反応させて亜鉛錯体中の亜鉛
イオンをギ酸亜鉛として沈殿させるとともにアミノ基の
中和を行なった後、濾過を行ない、ついで濾液を脱溶剤
して粘稠な液体である重合性二重結合を有するモノマー
Dを得た。
【0082】別のフラスコ中にメチルイソブチルケトン
50部を配合し、80℃に保持した。この中にモノマー
D34.5部、メトキシプロパノール28.4部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート20部、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート10部、スチレン20
部、n−ブチルメタクリレート20部およびアゾビスバ
レロニトリル2部の均一混合物を3時間かけて滴下し、
滴下終了後、80℃に1時間保持した。ついでアゾビス
バレロニトリル0.5部とメチルイソブチルケトン10
部との混合物を80℃に保持したフラスコ中に1時間か
けて滴下し、滴下終了後さらに同温度に1時間保持した
。ついで、さらに、80℃に保持した中に、アゾビスバ
レロニトリル0.5部とイソブチルケトン10部との混
合物を1時間かけて滴下し、滴下終了後、100℃に1
時間保持した後、冷却し、さらにこのものにギ酸2.9
部を加え30分間室温で撹拌して中和を行ない、固形分
50%のキレート形成性樹脂溶液を得た。得られた樹脂
の中和前のアミン価は82であった。
【0083】上記製造例で得たキレート樹脂溶液を水中
に溶解ないしは分散して樹脂固形分20%のキレート樹
脂水性液とし、使用に供した。
【0084】カチオン電着塗料組成物の作成実施例1〜
8および比較例1 ポリアミド変性エポキシ樹脂及びブロックしたジイソシ
アネートからなる固形分35%のカチオン電着用クリヤ
エマルジョン(関西ペイント社製商品名、エレクロン9
450)572部に、下記表1に示す配合にて、上記樹
脂固形分20%のキレート樹脂水性液のそれぞれおよび
固形分43%の下記配合の顔料ペースト139.4部を
撹拌しながら加え、脱イオン水588.5部で希釈して
カチオン電着塗料組成物を得た。顔料ペーストの配合は
、固形分50%の顔料分散用中和第4級アンモニウムエ
ポキシ樹脂10部、酸化チタン14部、精製クレー10
部、カーボンブラック1部および脱イオン水34.7部
の計69.7部である。
【0085】電着塗装方法 実施例9〜18および比較例2,3 下記表2に示すように上記で得た、各々のカチオン電着
塗料組成物を用い、下記の各種素材上に電着塗装を行な
った。 素材種 ・0.8m/m  冷延ダル鋼板 ・0.8m/m  鉄−亜鉛合金化メッキ鋼板・0.8
m/m  アルミニウム板 ・0.8m/m  リン酸亜鉛処理冷延鋼板[パルボン
ド3020(日本パーカライジング(株)製、リン酸亜
鉛処理剤による処理]
【0086】電着塗装条件 電着塗装浴の温度を28°±2℃とし、上記素材を浴中
に浸漬し、浸漬してから通電開始までの間、表2の時間
だけ放置し、ついで素材を陰極として印加電圧250V
で、膜厚20μmとなるように通電を行なった。電着塗
装後、水洗を行ない、ついで170℃で30分間焼付け
て電着塗装板を得た。
【0087】実施例9〜18および比較例2,3で得た
電着塗装板について、仕上り外観、耐塩水噴霧性、耐温
塩水浸漬性および耐衝撃性について試験を行なった。そ
の試験結果を表2に示す。
【0088】なお、表2における試験は下記試験方法に
従って行なった。 試験方法 仕上り外観:電着塗装板の表面を目視観察し、ブツ、ヘ
コミ、平滑性について評価する。良好なものを◎、実用
上問題ないが、ユズ肌がわずかに発生したものを○、不
良なものを×とした。耐塩水噴霧性:電着塗装板にクロ
スカットを入れ、JIS  Z  2371に準じて試
験を行なった。塩水噴霧時間は240時間とした。試験
後の塗板のクロスカット部にセロハン粘着テープを密着
させ急激に剥離し、クロスカット部の片側のハクリ幅、
発錆幅の最大長さを求める。
【0089】耐温塩水浸漬性:電着塗装板にクロスカッ
トを入れ、50℃の5%食塩水中に240時間浸漬した
後、塗板を引上げ風乾後、クロスカット部にセロハン粘
着テープを密着させ急激に剥離し、クロスカット部の片
側のハクリ幅、発錆幅の最大長さを求める。 耐衝撃性:JIS  K  5400  8.3.2(
1990)に準じて、20℃の雰囲気下においてデュポ
ン式耐衝撃性試験を行なう。重さ500g、撃心の尖端
直径1/2インチの条件で行ない、塗膜に損傷を生じな
い最大の落錘高さを示す。なお、50cmを最大値とす
る。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  カチオン電着塗料組成物において、該
    組成物の樹脂固形分100重量部のうち、下記式[1]
    ,[2],[3]又は[4]で表わされるキレート形成
    基を分子中に少なくとも1個有し、かつ中和前のアミン
    価が30〜150であるキレート形成性樹脂を0.5〜
    20重量部含有することを特徴とするカチオン電着塗料
    組成物。 【化1】 (各式中、R1 およびR2 は同一または異なって、
    水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シア
    ノ基、炭素原子数18以下の炭化水素基、炭素原子数1
    2以下のアルコキシアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】
      キレート形成性樹脂が、分子中に該キレート形成基
    を3〜700個有する請求項1記載のカチオン電着塗料
    組成物。
  3. 【請求項3】  請求項1又は2記載のカチオン電着塗
    料組成物の浴中に被塗物を浸漬し、浸漬時間が10秒以
    上経過した後に、被塗物を陰極として通電を開始するこ
    とを特徴とするカチオン電着塗装方法。
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