JPH04334510A - 油煙除去回収用セラミックフィルタ - Google Patents

油煙除去回収用セラミックフィルタ

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JPH04334510A
JPH04334510A JP13593391A JP13593391A JPH04334510A JP H04334510 A JPH04334510 A JP H04334510A JP 13593391 A JP13593391 A JP 13593391A JP 13593391 A JP13593391 A JP 13593391A JP H04334510 A JPH04334510 A JP H04334510A
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JP
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filter
skeleton
ceramic
oil
loop
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JP13593391A
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Fumikazu Toda
文和 戸田
Tomohiko Matsunaga
松永 智彦
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大型厨房のダクト等に設
けられ、ダクトを介して排出されるガス中から調理によ
り発生した油煙を除去し、油分を回収する油煙除去回収
用セラミックフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】都市の大型ビルの低層階には、一般的に
、レストラン及び喫茶店等の飲食店が多く入居しており
、この飲食店の厨房から発生する油煙はその一部が油煙
除去回収用フィルタにより除去される。そして、フィル
タにより除去しきれなかった油煙を含むガスはビル内に
張り巡らされたダクトを介して野外に排出される。
【0003】従って、フィルタの除去効率が不十分であ
ると、長期に亘って使用した場合に、ダクト内が油で汚
染され、一旦火災が発生すると、火炎がこのダクト内を
伝播して大火災を引き起す虞れがある。このため、フィ
ルタの油分除去効率が高いことが必要である。
【0004】また、調理の過程でフライパン等から火炎
が一時的に上がることはよくあることである。この場合
に、フィルタに油分が大量に付着しこの油分が着火し易
いものであると、火炎がフィルタ自体に伝播し、同様に
火災を引き起こす虞れがある。従って、このような火災
を引き起こさないためには、フィルタは先ず燃える物質
である油が堆積しにくいものであることが必要である。
【0005】更にまた、フィルタは、発生した火炎が確
実にフィルタ面にて阻止され、ダクト内に侵入しないよ
うな構造であることも必要である。
【0006】以上のことから、厨房用フィルタとして具
備すべき条件として、■厨房から発生する油煙を高効率
で捕集すること、■捕集した油分はフィルタ表面に付着
堆積させずにできるだけ早く高効率でドレーンに回収す
ること、■厨房内で火炎が発生しても、その火炎がフィ
ルタを通り抜けてダクトへ伝播してしまわないように、
火炎をフィルタ部で阻止する機能があること、の3点が
考えられる。
【0007】また、一般的に、前述の捕集効率は60%
以上、回収効率は80%以上であることが必要とされて
いる。
【0008】図5はバッフル型の油煙回収フィルタを示
す模式的平面図、図6は同じくその下部を示す模式的斜
視図である。バッフルプレート1,2はその横断面がコ
字形に屈曲し、縦方向に長く延長した棒状の部材であり
、ステンレス等の錆びにくい材料で成形されている。 複数個のバッフルプレート1は一次側バッフルプレート
として厨房側に配設され、相互間にガス導入間隔をおい
て配置されている。一方、複数個のバッフルプレート2
は二次側バッフルプレートとしてダクト側に配設され、
相互間にガス排出間隔をおいて配置されている。そして
、コ字形のバッフルプレート1とバッフルプレート2と
は、その内側面同士を相互に対向させ、隣接する1対の
バッフルプレート1(又は2)を1個のバッフルプレー
ト2(又は1)が係合するように組み合わされている。 バッフルプレート1,2の下端にはトイ形の油分回収部
材3が配置されており、この油分回収部材3には、バッ
フルプレート1,2の表面を伝って流れた油が集められ
、油分は油分回収部材3に設けられた油分排出口4を介
して排出され、適宜の槽に回収される。
【0009】このように構成されたバッフル型油煙除去
回収フィルタは、厨房のダクトの入口に、バッフルプレ
ートの長手方向を下向にし、上方から俯瞰した姿勢で取
付けられる。そして、ダクト内に配設された吸引ブロア
により吸引された厨房内のガスは、矢印にて示すように
、先ず一次側バッフルプレート1間のガス導入口を通っ
てフィルタ内に入り、二次側バッフルプレート2に衝突
してその進路を変更し、次いで、二次側バッフルプレー
ト2間のガス排出口を通ってフィルタから排出される。 この間に、ガス中の油分はバッフルプレート1,2によ
り捕集され、油分回収部材3に集められる。この従来の
フィルタの前述した捕集率及び回収率は、夫々略々60
%及び80%であり、一応、目標値(捕集率60%以上
、回収率80%以上)を満足する。
【0010】しかしながら、捕集率が約60%というこ
とは、発生する油煙の約40%は常にダクト内に持ち込
まれていることを意味する。このダクト内に侵入した油
煙は、ダクトの内面に付着し、ダクト内面を汚染してし
まい、結局、ダクト内面に油分が比較的短い期間で堆積
する。このため、ダクト内を定期的に清掃する必要があ
るが、このダクト内の清掃は極めて困難で煩雑な作業で
ある。
【0011】また、上述のバッフルプレート1,2を組
み合わせた構造はプレート間隔をあまり狭くとることが
できず、また、圧損の防止から、火炎が比較的通り抜け
易いという欠点も有する。
【0012】このような問題点を解決する手段として、
本願出願人は油分の捕集率及び回収率をいずれも高めた
と共に、火炎が通過しにくい構造にした油煙除去回収用
セラミックフィルタを既に提案した(特開平2−160
013号公報)。
【0013】図1はこの油煙除去回収用セラミックフィ
ルタを示す。このフィルタはセラミックの線状体10を
平面上でループ状に成形しつつこのループ中心を相互に
ずらせてループ列11を形成し、このループ列11を前
記平面に沿う方向及びそれに直交する方向に配置して構
成された骨格を有する。そして、この骨格の吸水率は骨
格の単位体積当たり5%以下に規制されている。
【0014】このように構成することにより、セラミッ
ク製骨材から形成される骨格が、ループ列11をその成
形平面に沿う方向及びそれに直交する方向に略々規則正
しく配置して構成されるから、この骨格構造のフィルタ
は火炎が通り抜けにくいと共に、ガス流路が複雑で油煙
微粒子が骨格に衝突し易く、捕集率が高いという利点が
ある。
【0015】また、骨格の吸水率が骨格の単位体積当り
5%以下になるように、骨格のループ構造及びセラミッ
ク線状体の材質を規制するから、骨格に付着した油分の
堆積は少なく、油分は高回収率で骨格から離脱する。
【0016】従って、捕集率が著しく向上すると共に、
回収率も高く、火炎が通り抜けにくいフィルタが得られ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たセラミックフィルタは捕集率及び回収率といったフィ
ルタ性能の面では従前のフィルタに比較して著しい改善
が達成されたものの、以下に示すような問題点がある。
【0018】即ち、油煙除去回収用フィルタは、通常、
2週間乃至1カ月程度使用した後、付着した汚れを洗剤
等で洗浄することにより再生し、多数回再使用される。
【0019】このため、フィルタの取付、取り外し、輸
送及び洗浄等のために、フィルタのハンドリングの機会
が多く、フィルタには軽量であることが要求される。
【0020】しかしながら、前記フィルタは性能面の改
善に重点をおいたために、その取扱いのしやすさといっ
た点には必ずしも十分な配慮がなされていなかった。
【0021】このように、取り扱う機会が多い割にはフ
ィルタが重いため、作業者の負担が大きく、商品性が劣
るという欠点がある。このため、老若男女を問わず、取
扱い易い軽量のセラミックフィルタの開発が要望されて
いた。
【0022】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、油煙の捕集効率及び油分の回収効率が高く
、且つ軽量で取扱いが容易な油煙除去回収用セラミック
フィルタを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガス中の油
煙を除去して油分を回収する油煙除去回収用セラミック
フィルタにおいて、セラミックの線状体を平面上でルー
プ状に成形しつつこのループ中心を相互にずらせてルー
プ列を形成し、このループ列を前記平面に沿う方向及び
それに直交する方向に配置して構成された骨格を有し、
この骨格の吸水率を骨格の単位体積当たり5%以下に規
制し、且つ骨格のカサ密度を1.7g/cc以下に規制
したことを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明においては、フィルタをループ構造とし
、このループ構造の骨格の吸水率を単位体積当たり5%
以下に規制したので、油煙の捕集率及び回収率が高く、
火炎が通り抜けにくいというループ構造のセラミックフ
ィルタの特徴が生かされていると共に、更に、骨格のカ
サ密度を1.7g/cc以下に規制したため、軽量で取
扱い易いフィルタが得られ、作業者の負担を著しく改善
することができる。
【0025】この場合に、吸水率とは、図1に示すルー
プ列11から構成されるフィルタ骨格の単位体積(cc
)当りに含まれる吸水量(cc)である。即ち、焼成後
のフィルタ素材の骨格構造としての体積(即ち、空孔を
含む体積)と重量(吸水前フィルタ重量)を測定した後
、このフィルタ素材を水中に浸漬する。そして、所定時
間経過した後、フィルタ素材を水中から取り出し、圧縮
空気を吹き付けてフィルタ素材の表面の付着水及び溜り
水を除去する。その後、フィルタ素材の重量を測定して
吸水後フィルタ重量とする。吸水率はこれらの測定結果
に基いて下記数式1により算出する。
【0026】
【数1】   吸水量(cc)≒吸水重量(g)        
     = (吸水後フィルタ重量、g)−(吸水前
フィルタ重量、g)                
        吸水量(cc)          
  吸水率(%) =(吸水量(cc))/(フィルタ
骨格構造全体の体積(cc))×100
【0027】な
お、実際上、フィルタに付着するのは水ではなく油であ
るが、セラミック材自体に対して、天ぷら用植物油と水
とを夫々吸油及び吸水させた場合に、その吸油量と吸水
量との間には実質的な差が存在しない。 また、吸油量と吸水量との間には一定の相関関係が存在
する。このため、試験の容易さ等を勘案して水を使用し
た吸水率により特性を評価し、限定するものである。
【0028】また、本発明においては、セラミックフィ
ルタの軽量化のために、骨格のカサ密度を1.7g/c
c以下とする。本願発明者等は、セラミックフィルタの
フィルタ性能を左右するのが、骨格の重量ではなく、骨
格の体積及び吸水率であることを知見した。従って、骨
格の体積はフィルタ性能を確保するために必要な大きさ
にし、フィルタの軽量化のために、骨格のカサ密度を1
.7g/cc以下にして重量をフィルタの取扱い性が良
いものに設定する。
【0029】なお、骨格のカサ密度を1.7g/cc以
下とし、吸水率を骨格の単位体積当たり5%以下にする
ことは、その一例として、セラミック骨材の組成を調整
することにより、達成することができる。本願発明の請
求項2及び3に記載の組成は、このカサ密度を1.7g
/cc以下にするための組成である。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して具体的に説明する。
【0031】図1は本発明の実施例に係る油煙除去回収
用セラミックフィルタの骨格構造を示す。この骨格構造
は、以下のようにして製造される。先ず、混練されたセ
ラミック材料を押出機のノズルから線状に押出し、この
線状体10をノズルを旋回させつつ平面上に載置すると
共に、ノズルを図1の矢印で示す方向に直線的に移動さ
せる。これにより、そのループ中心が矢印方向に相互に
ずれた複数個のループが連鎖した形状のループ列11が
得られる。このようにして、一平面上に沿って複数個の
ループ列11をその列方向を相互に平行にして配置した
後、その上に別の複数個のループ列11を同様にして積
層配置する。この場合に、上層のループ列は、下層のル
ープ列に対して、その各ループ中心が列方向に直交する
方向にループの半径分だけずれた位置になるように下層
のループ列上に載置していく。このようにして、ループ
列11がその配置平面に沿う方向及びそれに直交する方
向(積層方向)に配置されて所定の骨格形状が成形され
る。その後、このセラミック構造体を所定の形状に裁断
し、乾燥した後焼成することによって、フィルタが得ら
れる。
【0032】このフィルタはループ列11の積層数から
決まる厚さを有すると共に、適宜の形状例えば矩形又は
長方形に成形される。
【0033】ループ状の骨格構造を有するフィルタはガ
ス中の油分の捕集率が高い。即ち、図1の紙面に垂直の
方向にガスが通過しようとすると、ガスは複雑な流路を
経てフィルタを通過する必要があり、しかもその骨格の
表面積は骨格が細径の骨材の線状物の塊りであるため、
極めて大きい。このため、ガス中の油分微粒子はループ
状の骨格に衝突しやすく、従って油分が骨格に付着して
ガス中から高効率で除去される。
【0034】図2は横軸にフィルタとしての稼働時間を
とり、縦軸に捕集率をとってフィルタの捕集特性を示す
グラフ図である。この捕集率は図3に示す油煙発生装置
を使用して求めた。即ち、この油煙発生装置においては
、通気部が1辺500〓の正方形であるフィルタ20を
上方に配置し、下部にステンレス製ビーカであるオイル
パン21を配置してある。そして、水を貯留した水タン
ク23及び天ぷら用植物油を貯留した油タンク24から
、夫々水を1秒間に3滴及び油を1秒間に1滴の割合で
オイルパン21内に滴下する。なお、水は油分の蒸発を
促進するために滴下するものである。オイルパン21は
電熱ヒータ22(220W,2KW)上に載置されてい
て、この電熱ヒータ22により約350℃に加熱されて
いる。また、フィルタ20の背面は、排気ブロア(図示
せず)により、1.1m/秒の風速で吸引されるように
なっている。
【0035】このような試験装置及び試験条件で、フィ
ルタ20により捕集された油分の捕集率を下記数式2か
ら算出した。
【0036】
【数2】   (捕集率、%)={(回収容器回収量、g)+ (
フィルタ付着量、g)}/             
       ( 油脂の使用量、g)×100
【00
37】このようにして算出した捕集率を図2に示す。図
中、実線は本発明の実施例に係るフィルタ(吸水率2.
5%)であり、一点鎖線はその骨格構造は図1と同じル
ープ状であるがその吸水率が7.5%と本発明の特許請
求の範囲から外れる比較例に係るフィルタである。また
、破線はステンレスバッフル型のフィルタである。
【0038】図2に示すように、図1のループ状骨格を
有するフィルタの捕集率は従来のバッフル型フィルタの
捕集率が約60%であるのに対し、約90%と極めて高
い捕集率を有する。また、このループ状フィルタにおい
ては、吸水率の差による捕集率の相異は極めて少ない。
【0039】次に、油分の回収率について説明する。図
4は横軸にフィルタとしての稼働時間をとり、縦軸に回
収率をとってフィルタの回収特性を示すグラフ図である
。なお、回収率は捕集率と同様に図3に示す装置を使用
して油分の付着量及び回収量を測定し、下記数式3式に
基いて算出した。
【0040】
【数3】回収率(%)=(回収容器回収量、g)/{(
回収容器回収量、g)+(フィルタ付着量、g)}×1
00
【0041】その結果、求められた回収率を、図2
と同様に、吸水率が2.5%及び7.5%のループ状フ
ィルタ並びにステンレスバッフル型フィルタについて図
4に比較して示す。
【0042】この図4から明らかなように、ステンレス
バッフル型フィルタは回収率が約80%と高い。また、
本実施例の吸水率が2.5%であるループ状骨格のフィ
ルタも初期時間経過後はバッフル型フィルタと同様に約
80%の高い回収率を示す。一方、吸水率が7.5%の
ループ状セラミックフィルタは12時間経過後も回収率
が60%と低い。フィルタ素材をセラミックにすること
により、所望の耐火性を得ることができるが、通常、セ
ラミック素材自体、微細な気孔を含んでおり、付着した
油分がこの気孔内に取り込まれ易い。また、ループ状骨
格のフィルタはその構造自体、油分との接触面積が大き
くて捕集率が高い反面、付着した油分が骨材の表面から
離脱しにくく残留しやすい。
【0043】このように、ループ状骨格のセラミックフ
ィルタは、付着油分が残留しやすく、基本的には平板状
のフィルタであるバッフル型のフィルタに比して回収率
が低い。
【0044】しかしながら、ループ状骨格のセラミック
フィルタでも、吸水率が2.5%の場合は、吸水率が7
.5%の場合よりも回収率が高く、しかも稼働後比較的
速やかに従来のバッフル型のフィルタの回収率と略々同
程度にまで回収率が上昇する。そこで、本発明において
は、油煙除去用のフィルタとして必要な回収率を得るた
めに、ループ状セラミック骨格の吸水率を5%以下に規
制する。このように、吸水率が5%以下のループ状セラ
ミックフィルタは捕集率がバッフル型フィルタよりも著
しく向上すると共に、バッフル型フィルタと同様の十分
に高い回収率を有している。なお、吸水率が5%以下と
は、吸水率が実質的に0%の場合も含む。
【0045】吸水率を5%以下に規制し、且つ骨格のカ
サ密度を1.7g/cc以下に規制するために、セラミ
ック骨材の組成は、SiO2;50乃至90重量%、A
l2O3;1乃至35重量%、K2O;0.5乃至4.
0重量%、Na2O;3.0乃至7.0重量%、B2O
3;0.5乃至5.0重量%及び残部不可避的不純物に
するのが好ましい。更に、吸水率及びカサ密度を確実に
所定の値以下にするために、MgOの含有量を0乃至1
0重量%にすることが好ましい。この組成のセラミック
素材は気孔が少ないと共に、カサ密度が小さい。
【0046】次に、セラミック骨材の組成と、骨格単位
体積当りの吸水率及び骨格のカサ密度との関係について
説明する。下記表1に示すセラミック質A,B,C,D
のフィルタは夫々表1のフィルタ主成分欄に示す組成を
有し、図1に示すように、ループ状の骨格を有する。各
フィルタについて、骨格の単位体積当りの吸水率と骨格
のカサ密度及びフィルタ重量を表1に示す。また、これ
らの特性に基づいて決定される評価として、フィルタ使
用後の洗浄時における洗浄性及び重量に起因する作業性
を表1に併せて示す。
【0047】なお、セラミック骨材の線径は1.5mm
、フィルタ全体の空隙率は70%と各フィルタについて
均一である。また、フィルタの大きさは500mm×5
00mm×25mmである。  また、フィルタ使用後
にフィルタを洗浄する際の洗浄性は、使用後のフィルタ
を一般家庭で使用される洗剤液中に浸漬し、次いで水洗
する方法により評価した。
【0048】比較例のセラミック質AはNa2O及びB
2O3の含有量がいずれも低いため、骨格のカサ密度が
2.1と大きい。このため、前述の大きさの場合には、
フィルタ重量が約4Kgと重くなり、作業性が悪い。
【0049】また、比較例のセラミック質Bは成分及び
骨格のカサ密度は本発明の範囲内であるが、骨格の単位
体積当たりの吸水率が5%を上回っている。このため、
フィルタ骨材の微細空孔に取り込まれた油脂分が洗浄さ
れずに残留し易く、簡便に洗浄するということができな
い。このため、洗浄性が悪い。
【0050】これに対して、セラミック質C,Dは本発
明の実施例であり、骨格の吸水率が5%以下であるため
、洗浄性が良好であり、骨格のカサ密度が1.7g/c
c以下であるため、フィルタ重量が約3Kgと極めて軽
量であり、重量に起因する作業性も良好である。
【0051】
【表1】
【0052】なお、従来例のステンレスバッフル型の場
合には、洗浄性も良好であり、且つ軽量であるが、油煙
の捕集性能が低い。
【0053】上述の試験結果は、骨材が各組成のセラミ
ック線状体単体からなるフィルタについてのものである
が、例えば、セラミック質Bの焼成済フィルタ骨材に、
吸水率が小さいガラス質のセラミック質Dをコーティン
グして再度焼成し、骨材表面のみの吸水率を低減するこ
とにより骨格全体の吸水率を5%以下に規制しても、同
様に良好な効果が得られる。また、コーティング材とし
てセラミック質Dの替りに釉薬を使用し、この釉薬によ
り骨材表面の吸水率を低減して骨格全体の吸水率を5%
以下に規制しても同様に良好な効果が得られる。
【0054】以上の如く、ループ状の骨格構造を有する
フィルタ骨材の組成を吸水率が低いものにするか、又は
骨材の表面に吸水率が低いガラス質のセラミックをコー
ティングすることにより、骨材の材質的検討から骨格全
体における吸水率を5%以下に規制することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、セラミック線状体をル
ープ状に成形した骨格構造を有し、その吸水率を骨格単
位体積当り5%以下に規制し、且つそのカサ密度を1.
7g/cc以下に規制したから、高い捕集率及び回収率
を確保しつつ著しく軽量化することができる。これによ
り、作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るフィルタの骨格構造を示
す平面図である。
【図2】各フィルタの捕集特性を示すグラフ図である。
【図3】油煙除去回収試験用の油煙発生装置を示す模式
図である。
【図4】各フィルタの回収特性を示すグラフ図である。
【図5】従来のバッフル型油煙除去回収フィルタを示す
模式的平面図である。
【図6】同じくその下部の模式的斜視図である。
【符号の説明】
1,2;バッフルプレート、10;セラミック線状体、
11;ループ列、20;フィルタ、21;オイルパン、
22;電熱フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ガス中の油煙を除去して油分を回収す
    る油煙除去回収用セラミックフィルタにおいて、セラミ
    ックの線状体を平面上でループ状に成形しつつこのルー
    プ中心を相互にずらせてループ列を形成し、このループ
    列を前記平面に沿う方向及びそれに直交する方向に配置
    して構成された骨格を有し、この骨格の吸水率を骨格の
    単位体積当たり5%以下に規制し、且つ骨格のカサ密度
    を1.7g/cc以下に規制したことを特徴とする油煙
    除去回収用セラミックフィルタ。
  2. 【請求項2】  前記骨格を構成するセラミック骨材は
    、50乃至90重量%のSiO2 、1乃至35重量%
    のAl2O3、0.5乃至4.0重量%のK2O、3.
    0乃至7.0重量%のNa2O及び0.5乃至5.0重
    量%のB2O3を含有し、残部が不可避的不純物からな
    る組成を有することを特徴とする請求項1に記載の油煙
    除去回収用セラミックフィルタ。
  3. 【請求項3】  前記セラミック骨材は、更に10重量
    %以下のMgOを含有することを特徴とする請求項2に
    記載の油煙除去回収用セラミックフィルタ。
  4. 【請求項4】  前記骨格を構成する骨材の表面にガラ
    ス質のコーティングを施してあることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載の油煙除去回収用セラ
    ミックフィルタ。
JP13593391A 1991-05-10 1991-05-10 油煙除去回収用セラミックフィルタ Pending JPH04334510A (ja)

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JP (1) JPH04334510A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0751525A (ja) * 1993-08-18 1995-02-28 Andoriyuusu Prod:Kk グリス除去装置
JP2011247590A (ja) * 2010-05-21 2011-12-08 Central Res Inst Of Electric Power Ind 調理排気の測定方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0751525A (ja) * 1993-08-18 1995-02-28 Andoriyuusu Prod:Kk グリス除去装置
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