JPH04334480A - ライン型記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マルチヘッドなどのラ
イン型記録手段を用いて画像を形成するライン型記録装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力
機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて
用紙やプラスチック薄板等の被記録材に画像を記録して
いくように構成されている。前記記録装置は、記録方式
により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル
式、レーザービーム式等に分けることができる。

【０００３】また、上記記録装置は、走査方式によって
、シリアル型とライン型に分けることができる。被記録
材の搬送方向（副走査方向）と交叉する方向に主走査す
る記録方式を採るシリアル型記録装置においては、被記
録材を所定の記録位置にセットした後、被記録材に沿っ
て移動するキャリッジ上に搭載した記録手段（記録ヘッ
ド）によって画像を記録（主走査）し、１行分の記録を
終了した後に所定量の紙送り（ピッチ搬送）を行ない、
その後に次の行の画像を記録（主走査）するという動作
を繰り返すことにより、被記録材全体の画像記録が行な
われる。一方、被記録材の搬送方向の副走査のみで記録
するライン型記録装置においては、被記録材を所定の記
録位置にセットし、一括して１行分の記録を行なった後
、所定量の紙送り（ピッチ送り）を行ない、さらに、次
の行の記録を一括して行なうという動作を繰り返すこと
により、被記録材全体の画像記録が行なわれる。 したがって、ライン型記録装置においては、所定方向に
ライン状に配列された多数の記録素子を有するライン型
記録手段が使用される。

【０００４】なお、上記インクジェット式の記録装置（
インクジェット記録装置）は、記録手段（記録ヘッド）
から被記録材にインクを吐出して記録を行なうものであ
り、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画
像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を
必要とせずに記録することができ、ランニングコストが
安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、し
かも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するの
が容易であるなどの利点を有している。中でも、紙幅方
向に多数の吐出口を配列したライン型記録手段を使用す
るライン型インクジェット記録装置は、記録の一層の高
速化が可能である。

【０００５】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段（記録ヘッド）は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置（吐出口配置）を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。一方
、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、近
年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板（ＯＨＰ等
）などの他に、薄紙や加工紙（ファイリング用のパンチ
孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など）など
を使用ことが要求されるようになってきた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記長
尺のライン型記録手段（記録ヘッド）は、記録素子配列
方向（インクジェット記録ヘッドの場合は吐出口配列方
向）に曲がりなく製作することは困難であり、記録ヘッ
ドの長さ（通常、１行分の長さ）分の直線状の記録を行
なう場合でも、記録ヘッドの曲がりのために曲がった状
態で記録される場合がある。特に、カラー記録のように
異なるインク色の複数の記録ヘッドを使用して記録する
場合には、上記曲がり状態が各記録ヘッドごとに異なっ
ていると、ライン（行）の途中のどこか一カ所でレジス
トを合わせても、他の所でずれてしまい、正確なレジス
ト調整ができず、画像品位を保持することが困難である
。

【０００７】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、被記録材の全画像
形成領域にわたってレジストの合った高品位画像を記録
し得るライン型記録装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、所定方向に配
列された複数の画像記録素子を有するライン型記録手段
により画像を形成するライン型記録装置において、記録
手段の曲がり検知テストパターンを記録し、前記検知テ
ストパターンを読み取り、その読取り信号に応じて記録
手段の曲がりを機械的に補正する構成とすることにより
、上記目的を達成するものである。

【０００９】

【実施例】図６は本発明を適用したライン型記録装置の
一実施例の構成を示す模式的縦断面図である。図６にお
いて、用紙やプラスチック薄板（ＯＨＰフイルム等）な
どのシート状の被記録材１は、ピックアップローラ２で
給紙され、レジストローラ対３により記録タイミングを
調整して搬送ベルト４上へ供給される。搬送ベルト４は
ベルト駆動ローラ対５により駆動され、該搬送ベルト４
の搬送面は吸着帯電器６により帯電される。したがって
、供給された被記録材１は、搬送ベルト４に密着した状
態で記録部を通して搬送される。

【００１０】図６の記録装置は、インクジェット記録装
置の場合を示し、前記記録部には、４個のインクジェッ
ト式のライン型記録手段（ライン型記録ヘッド）７Ｃ、
７Ｍ、７Ｙ、７Ｂが搬送方向所定間隔で配置されている
。カラー記録の場合、これらの記録ヘッド７Ｃ、７Ｍ、
７Ｙ、７Ｂは、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、
ブラックのそれぞれ異なる色のインクで記録するように
構成される。また、前記各ライン型記録ヘッド７Ｃ、７
Ｍ、７Ｙ、７Ｂは、それぞれのヘッドホルダー８Ｃ、８
Ｍ、８Ｙ、８Ｂによって保持されている。なお、以下の
説明では、前記記録ヘッド７Ｃ、７Ｍ、７Ｙ、７Ｂの全
体またはいずれか任意の一つを指す場合には、単に記録
手段７または記録ヘッド７で示し、前記ヘッドホルダー
８Ｃ、８Ｍ、８Ｙ、８Ｂについても、それらの全体また
はいずれか任意の一つを指す場合には、単にヘッドホル
ダー８で示すことにする。

【００１１】前記ライン型記録手段（ライン型記録ヘッ
ド）７は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するイ
ンクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生す
るための電気熱変換体を備えたものである。また、これ
らのインクジェット記録手段７は、前記電気熱変換体に
よって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰によ
る気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して
、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行なうものであ
る。

【００１２】図７は、前記記録手段７のインク吐出部の
構造を模式的に示す部分斜視図である。図７において、
記録手段７の基板８１上には、薄膜８３の層を介在させ
て、半導体と同様の製造工程（薄膜成形法等）によって
、複数の電気熱変換体８２およびこれらに対応する配線
が形成されている。各電気熱変換体８２は、図示のよう
に、それぞれの吐出口８９および液路８６に対応する位
置に配列されている。前記基板８１上（該基板８１上の
薄膜８３の上）には、下面に所定間隔で平行に形成され
た複数の液路壁８４Ａを有する液路形成部材８４が接合
されている。さらに、前記液路形成部材８４の上面には
、天板８５が接合されている。前記各液路壁８４Ａの間
に液路８６が形成されるが、前記液路形成部材８４は、
各液路８６の内部の所定位置に前記各電気熱変換体８２
が配置されるような位置関係で位置決め接合されている
。

【００１３】前記各液路壁８４Ａは所定の長さを有し、
各液路８６の後端は、前記液路形成部材８４と前記基板
８１（または薄膜８３）との間に形成される共通液室８
７に連通している。一方、各液路８６の他端（先端）は
記録ヘッド７の吐出口形成面（フェイス面）８８にて開
口しており、それぞれの開口部によって吐出口８９が形
成されている。こうして、発熱抵抗体等の電気熱変換体
８２に通電（パルス電圧の印加）してこれを発熱させる
ことにより、液路８６内のインクを膜沸騰させ、その時
の圧力変化により吐出口８９からインク滴を吐出させる
インクジェット式のライン型記録ヘッド７が構成されて
いる。なお、前記記録手段７は、複数の吐出口８９の配
列方向が被記録材１の搬送方向と交叉する姿勢で取り付
けられる。以上図６および図７の構成を有するライン型
記録装置は、被記録材１が各記録ヘッド７と対向する位
置にきた時に、画像信号に応じてインクを吐出させて画
像記録を行なう。

【００１４】図６において、搬送ベルト４によって紙送
りされる被記録材１にカラー記録する時は、各記録ヘッ
ド７をそれらの位置に応じて一定のタイミングづつずら
して駆動（インク吐出）し、４色によるフルカラーの画
像が形成される。例えば、被記録材１がＡ３サイズであ
り、縦方向に搬送する場合は、１行分を一度に記録する
ライン型記録ヘッドとしては２９７ミリ以上の長さの記
録ヘッド７が必要であり、１６ドッド／ミリの記録密度
で記録する場合には、記録ヘッド７の長さ方向（紙幅方
向）に約４７００個以上の記録素子（インクジェット式
の場合は吐出口）が形成されることになる。このような
記録ヘッド７で記録された被記録材１は、搬送ベルト４
から分離され、排紙ローラ対９により排紙トレイ１０上
へ排出される。

【００１５】そこで、図６のライン型記録装置において
は、記録手段７の曲がり検知テストパターンを記録した
後この検知テストパターンを読み取り、その読取り信号
に応じて記録手段７の曲がりを機械的に補正するように
構成されており、前記搬送ベルト４と前記排紙ローラ対
９との間には、被記録材１をガイドするための読み取り
台１１と前記検知テストパターンを読み取るためのヘッ
ド曲がり読み取りユニット１２が配設されている。

【００１６】図１は図６中の記録ヘッド７およびヘッド
ホルダー８の構成を示す平面図である。図１において、
ライン型記録ヘッド７は、ヘッドホルダー８の中央部と
右保持部材１３と左保持部材１４により３点で保持され
ている。ヘッドホルダー８の前記中央部では記録ヘッド
７は固定されている。また、左右の保持部材１３、１４
は、ステッピングモーター等の曲がり補正モーター１５
、１６でそれぞれのウオームギア１７、１８を回すこと
により、前後方向に移動可能に取り付けられている。 したがって、前記曲がり補正モーター１５、１６を駆動
制御することにより、記録ヘッド７を曲げることができ
る。

【００１７】図２は図６中のヘッド曲がり読み取りユニ
ット１２から成るヘッド曲がり読み取り装置２０の構成
を示す平面図であり、図３は図２中の線３−３に沿った
断面図である。図２および図３において、ヘッド曲がり
読み取り装置２０は、前記ヘッド曲がり読み取りユニッ
ト１２を被記録材１の幅方向（矢印方向）に移動（スキ
ャン）させることにより、予め記録された曲がり検知テ
ストパターン（ヘッド曲がりチェックパターン）２１を
読み取ることができるように構成されている。この読み
取り動作は、被記録材１を停止させた状態で行なう。

【００１８】図２および図３において、ヘッド曲がり読
み取りユニット１２は、ランプ２２、レンズ２３および
ラインＣＣＤ２４から成る光学的読み取り手段で構成さ
れている。このヘッド曲がり読み取りユニット１２は、
読取りユニット駆動モーター２５によりプーリー２７、
２８およびワイヤ２６を介して駆動され、テスト記録さ
れた曲がり検知テストパターン２１をスキャンして読み
取り、その曲がり状態を検知する。

【００１９】以上の構成において、ライン型記録ヘッド
７の曲がりを補正しようとする場合には、図６において
被記録材１を給紙搬送し、補正すべき記録ヘッド７によ
り被記録材１の幅方向に直線となるような曲がり検知テ
ストパターン２１を記録する。曲がり検知テストパター
ン２１を記録された被記録材１は排紙ローラ対９まで搬
送される。

【００２０】排紙ローラ対９で被記録材１を挟んだ（保
持した）時、搬送ベルト４の駆動を止め、排紙ローラ対
９を所定量だけ回転（駆動）させる。こうすることによ
り、被記録材１は直線状に張られた状態となる。記録さ
れた曲がり検知テストパターン２１がヘッド曲がり読み
取りユニット１２の下に搬送された時に排紙ローラ対９
を停止させて、被記録材１をその位置に停止させる。こ
の被記録材１を止めるタイミングは搬送速度と曲がり検
知テストパターン２１の記録時からの時間とによって設
定することができる。

【００２１】図２は被記録材１をヘッド曲がり読み取り
ユニット１２の位置に停止させた状態を示す。この状態
で、読取りユニット駆動モーター２５を駆動してヘッド
曲がり読み取りユニット１２を移動させることにより、
曲がり検知テストパターン２１をスキャンし、曲がり状
態を検知する。そこで、このライン型記録ヘッド７の曲
がり補正は、該記録ヘッド７の中央部を固定した状態で
、図１中の各曲がり補正モーター１５、１６を駆動制御
し、各保持部材１３、１４の位置制御して記録ヘッド７
の両端を移動（位置制御）することによって行なわれる
。

【００２２】図４は上記記録ヘッド７の曲がり補正のた
めの制御系の構成例を示すブロック図である。図４にお
いて、ラインＣＣＤ２４で読み取ったデータは、アンプ
３０で増幅され、ＡＤコンバータ３１によりデジタルデ
ータとなり、メモリコントローラ３２を介してＲＡＭ３
３へ入力される。図５に読み取ったデータの例を示す。 なお、図４において、３４はＣＰＵ（マイクロプロセッ
サユニット）、３５はプログラムＲＯＭ、３６はＩ／Ｏ
コントローラ、３７は読み取りユニット駆動モーター２
５のモータードライバー、３８は曲がり補正モーター１
５、１６のモータードライバーである。

【００２３】図５は、上記ラインＣＣＤ２４で読み取り
、上記ＲＡＭ３３へ入力された読み取りデータをヒスト
グラム化したグラフであり、（ａ）は右端の読み取りデ
ータ、（ｂ）は中央部の読み取りデータ、（ｃ）は左端
の読み取りデータをそれぞれ示している。各グラフの横
軸はＲＡＭ３３のアドレスの下位ビットであり、同じア
ドレスは搬送方向（副走査方向）の同じ位置を示す。 また、各グラフの縦軸は読み取りデータの大きさを示す
。

【００２４】ここで、記録した曲がり検知テストパター
ン２１のパターンの幅は、１６ドット／ミリを１ライン
記録した時の幅、すなわち約６２ミクロンの幅であり、
読み取り精度は３２画素／ミリすなわち約３１ミクロン
の精度に設定することができる。図５の（ａ）と（ｂ）
を比べると（ｂ）に対し（ａ）はピークが５画素、すな
わち３１×５＝１５５ミクロン遅れており、同様に（ｂ
）に対する（ｃ）のピークは３１×６＝１８６ミクロン
遅れている。このようなズレは、ライン型記録ヘッド７
の曲がりによって発生している。

【００２５】そこで、このズレは、記録ヘッド７の両側
の曲がり補正モーター１５、１６を駆動制御して該記録
ヘッド７を曲げることにより、補正される。このまがり
補正モーターとしてはステッピングモーターを使用する
ことができ、１ステップ回すす記録ヘッド７が曲げ方向
に約１０ミクロンずれるものとすると、上記曲がり補正
は、記録ヘッド７の右端側で１５ステップ、左端側で１
９ステップ、それぞれ回転することにより、ヘッド曲が
りを±１０ミクロンの範囲で補正することができる。た
だし、曲がり補正モーター１５、１６の１ステップ当た
りのズレ量は、記録ヘッド７の取り付け状態や記録ヘッ
ド７自体の状態により異なってくるため、以上のような
曲がり補正動作を数回行なうことにより、より精度の高
い補正を行なうことができる。

【００２６】以上、図１〜図５においては、１個の記録
ヘッド７の曲がり補正動作について説明したが、図６の
ように４個の記録ヘッドを使用する記録装置の場合には
、１枚の被記録材１に４つ（４色）の曲がり検知テスト
パターン２１を一定間隔ごとに記録し、それぞれについ
て前述と同様のヘッド曲がり読み取り動作およびヘッド
曲がり補正動作を行なうことにより、４個のライン型記
録ヘッド７の曲がり補正を１枚の被記録材で同時に行な
うことができる。

【００２７】図８は前記ライン型記録ヘッド７およびヘ
ッドホルダー８の他の構成例を示す平面図である。図８
の構成では、ライン型記録ヘッド７の左右両端部がヘッ
ドホルダー８に固定され、該記録ヘッド７の中央部は前
後方向に移動可能な保持部材４１によって保持されてい
る。前記保持部材４１は、ステッピングモーター等の曲
がり補正モータ４２で回転駆動されるウオームギア４３
にギヤ係合している。したがって、曲がり補正モータ４
２を回転制御することにより、両端支持の記録ヘッド７
の中央部を前後方向に移動させて曲げ補正を行なうこと
ができる。すなわち、図１〜図５の実施例の場合と同様
、曲がり検知テストパターン２１によって記録ヘッド７
の曲がりを検知し、曲がり量に応じて記録ヘッド７の中
央部を前後に移動制御することにより、ヘッド曲がりを
補正することができる。この図８の構成によれば、図１
の構成に比べ、曲がり補正モーターを１個で済ませるこ
とができ、簡単かつ安価に構成し得るという利点が得ら
れる。

【００２８】図９は前記ライン型記録ヘッド７およびヘ
ッドホルダー８のさらに他の構成例を示す平面図である
。図９の構成では、ライン型記録ヘッド７は、中央部と
左右両端部の合計３箇所で前後方向移動可能に保持され
ている。すなわち、ライン型記録ヘッド７は、それぞれ
の曲がり補正モーターによりウオームギヤを介して前後
方向移動可能な３個の保持部材によって、その中央部と
左右両端部で前後方向移動可能に保持されている。この
ように３点を変化させてヘッド曲がりを補正できるので
、図１の実施例構造に比べ、さらに高い精度でライン型
記録ヘッド７の曲がりを補正することができる。

【００２９】なお、以上の実施例では、インクジェット
式のライン型記録装置を例示して説明したが、本発明は
、ライン型記録装置であれば、サーマル式など、記録方
式の種類に関係なく広く適用可能であり、同様の効果を
達成し得るものである。また、以上の実施例では、記録
色の異なる複数のライン型記録ヘッド７を用いるカラー
記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は１個のライ
ン型記録ヘッドを用いる記録装置、あるいは、色彩が同
じで濃度が異なる複数個の記録ヘッドを使用する階調記
録用の記録装置など、ライン型記録装置であれば、記録
方式および記録ヘッドの数に関係無く、同様に適用する
ことができ、同様の効果を達成し得るものである。また
、記録手段（記録ヘッド）としては、記録ヘッドとイン
クタンクを一体にした交換可能なカートリッジタイプの
記録手段、あるいは、記録ヘッドとインクタンクを別体
とし、例えば、カプラーおよびチューブを介して結合す
る構造の記録手段など、種々の構造の記録手段を使用す
ることができる。

【００３０】なお、本発明は、ライン型記録装置がイン
クジェット記録装置の場合、例えば、ピエゾ素子等の電
気機械変換体等を用いる記録手段（記録ヘッド）を使用
するものに適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用
してインクを吐出する方式のインクジェット記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式に
よれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからで
ある。

【００３１】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型
、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、
特に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保
持されているシートや液路に対応して配置されている電
気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える
急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印
加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発
生せしめ、記録手段（記録ヘッド）の熱作用面に膜沸騰
させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体（イ
ンク）内の気泡を形成出来るので有効である。

【００３２】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体（インク）を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体（インク）の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第４
４６３３５９号明細書、同第４３４５２６２号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第４３１３１
２４号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。

【００３３】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路又は直角液流路）の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許第４
４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭５９年第１２３６７０号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭５９年第１３８４６１号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば
、記録を確実に効率よく行なうことができるようになる
からである。

【００３４】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのよ
うな記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせ
によってその長さを満たす構成や、一体的に形成された
１個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。加え
て、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体
に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのイ
ンクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録
ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタン
クが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用い
た場合にも本発明は有効である。

【００３５】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。

【００３６】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して１個
のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モードとし
ては、黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、
記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせに
よるか、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又は
、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置
にも本発明は極めて有効である。

【００３７】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式では
、インク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、積
極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から
液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめる
ことで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的と
して放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれ
にしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によっ
てインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記
録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等の
ような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のイ
ンクを使用する場合も本発明は適用可能である。

【００３８】このような場合のインクは、特開昭５４−
５６８４７号公報あるいは特開昭６０−７１２６０号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。

【００３９】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい
。

【００４０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、所定方向に配列された複数の画像記録素子を
有するライン型記録手段により画像を形成するライン型
記録装置において、記録手段の曲がり検知テストパター
ンを記録し、前記検知テストパターンを読み取り、その
読取り信号に応じて記録手段の曲がりを機械的に補正す
る構成としたので、ライン型記録手段に曲がりがある場
合でも、被記録材の全画像形成領域にわたってレジスト
の合った高品位画像を記録し得るライン型記録装置が提
供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したライン型記録装置のヘッド曲
がり補正手段の一実施例を示す平面図である。

【図２】本発明を適用したライン型記録装置のヘッド曲
がり読み取り装置の構成例を示す平面図である。

【図３】図２中の線３−３から見たヘッド曲がり読み取
り装置の断面図である。

【図４】本発明を適用したライン型記録装置におけるヘ
ッド曲がり補正手段の制御系の構成例を示すブロック図
である。

【図５】ライン型記録手段の曲がりを読み取ったデータ
のヒストグラム例を示すグラフである。

【図６】本発明を適用したライン型記録装置の一実施例
を示す模式的縦断面図である。

【図７】図７中のライン型記録手段のインク吐出部の構
成を模式的に示す一部破断部分斜視図である。

【図８】本発明を適用したライン型記録装置のヘッド曲
がり補正手段の別の構成例（第２の実施例）を示す平面
図である。

【図９】本発明を適用したライン型記録装置のヘッド曲
がり補正手段のさらに別の構成例（第３の実施例）を示
す平面図である。

【符号の説明】

１　　　　　　被記録材 ２　　　　　　搬送ベルト ７　　　　　　ライン型記録手段（ライン型記録ヘッド
）８　　　　　　ヘッドホルダー ９　　　　　　排紙ローラ対 １１　　　　読み取り台 １２　　　　ヘッド曲がり読み取りユニット１３　　　
　保持部材 １４　　　　保持部材 １５　　　　曲がり補正モーター １６　　　　曲がり補正モーター １７　　　　ウオームギヤ １８　　　　ウオームギヤ ２０　　　　ヘッド曲がり読み取り装置２１　　　　曲
がり検知テストパターン２４　　　　ラインＣＣＤ ２５　　　　読み取りユニット駆動モーター３３　　　
　ＲＡＭ ３４　　　　ＣＰＵ（マイクロプロセッサユニット）８
２　　　　電気熱変換体 ８８　　　　吐出口形成面 ８９　　　　吐出口

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　　　所定方向に配列された複数の画像
   記録素子を有するライン型記録手段により画像を形成す
   るライン型記録装置において、記録手段の曲がり検知テ
   ストパターンを記録し、前記検知テストパターンを読み
   取り、その読取り信号に応じて記録手段の曲がりを機械
   的に補正することを特徴とするライン型記録装置。
2. 【請求項２】　　　　前記記録手段が、インク吐出用の
   熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えてい
   るインクジェット記録手段であることを特徴とする請求
   項１のライン型記録装置。
3. 【請求項３】　　　　前記記録手段が、前記電気熱変換
   体によって印加される熱エネルギーによりインクに生じ
   る膜沸騰を利用して、吐出口よりインクを吐出させるこ
   とを特徴とする請求項２のライン型記録装置。