JPH0433437Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の産業上の利用分野） 本考案は軸方向空隙型偏平ブラシレスモータを
用いた軸流フアンに関する。

（従来技術の問題点） 超軽量、超小型及び長寿命を期待して、コアレ
ス偏平ブラシレスモータを用いた軸流フアンが採
用され、その有用価値が認められるに至つてい
る。

ここに従来の軸流フアン１は第１図に示すよう
にその軸流フアン本体２の内部にカツプ型モータ
ケーシング３を設け、その内部に図示しない固定
側電機子を形成している。モータケーシング３と
本体２とはステー４を形成して連結しており、ま
たモータケーシング３と本体２間の下部には軸方
向の下方に送風するための透孔５を形成してい
る。符号６−１，６−２は図示しない固定側電機
子に電気的に接続されたリード線である。

このような従来の軸流フアン１の軸流フアン本
体２は、ダイキヤストあるいは樹脂成型により形
成しているため、非常に高価になつていた。ま
た、かかる軸流フアン１の構造によるとモータケ
ーシング３があるため、電機子コイル等の固定側
電機子が冷却されず、何らかの原因で極度の負荷
がかかつたり、あるいは高速回転したり、周囲の
温度によつて熱を持つため、その特性が大きく変
わる惧れや破損の惧れがある。また、モータケー
シング３があるために、電機子コイル群等からな
る固定側電機子を組立するのにやつかいで、また
重量も重くなる欠点があつた。

（考案の課題） 本考案は、極めて安価に軸流フアン本体を形成
すること、電機子コイル等の固定側電機子を冷却
できるようにして電機子コイル等の発熱を防ぐこ
と、組立を容易にし量産性に優れたものにするこ
と、重量を更に軽くし、超偏平な軸流フアンを得
ることを課題になされたものである。

（本考案の課題達成手段） 本考案の課題は、軸流フアン本体を従来のよう
にダイキヤストあるいは樹脂で形成するような方
法を採用せず、非常に安価な鉄板等の磁性体板を
プレス等の手段で、この磁性体板を適宜形状とな
るように折曲及び打抜きすることで達成される。

（実施例） 第２図及び第３図を参照して、本考案の一実施
例を示す。第２図は本考案の軸流フアン１′縦断
面図、第３図は同分解斜視図である。

本考案の軸流フアン１′の軸流フアン本体２′
は、鉄板等の磁性体板をプレス等の打ち抜き、折
曲手段により第４図及び第５図に示すように縦断
面カツプ型に形成されると共に後記する中央部に
コイル配設部３′（上記モータケーシング３に該
当する），該コイル配設部３′の外周に一体形成し
たステー４′及び軸方向に送孔するための送風用
の透孔５′、その外周部に直角方向に延長折曲し
て形成した当該軸流フアン本体２′のコーナーに
形成したコーナーフランジ（第４図では描かず）
７′，リード線引出し部８及び中心部に軸受を形
成するための軸受ホルダ装着用透孔１０を一体形
成している。更には、上記コーナーフランジ７に
軸流フアン固定用透孔９をも一体形成している。
尚、透孔５′，リード線引出し部８′，軸流フアン
固定用透孔９または／及び透孔１０は上記本体
２′の主要部を形成した後に形成してもよい。し
かし、プレス等の手段で、これらは一体して同時
形成するのが容易なので、この実施例では、一体
形成するものとする。磁性体板をプレス等の手段
で押圧，折曲または／及び打抜きすることで、上
記のように第４図及び第５図に示すように開口端
の四隅にコーナーフランジ７を有するカツプ型の
軸流フアン本体２′が形成される。それぞれのコ
ーナーフランジ７には、軸流フアン１′を螺子に
よつて固定側に固定するための透孔９を形成して
いる。この透孔９は従来の軸流フアン１の本体２
のコーナーフランジに形成した固定用透孔に比較
して簡単な形状であり、また材質も鉄板等の磁性
体であるから、螺子を用いて強く締め付けしたと
しても破損しない。上記本体２′の凹部１１の底
部には、中央部に円板状のコイル配設部３′及び
該配設部３′と上記本体２′とを連結するためのス
テー４′を形成するために後記する回転フアン１
２の羽根２２によつて軸方向の底部方向に送風さ
れる風をその下面に通すための透孔５′を形成し
ている。従来の軸流フアン本体２によると、コイ
ル配設部３′を形成するために第１図に示すよう
にカツプ型のモータケーシング３を形成しなけれ
ばならず、このための金型が非常に高いことか
ら、当該軸流フアン１も非常にコストの高いもの
となつていた。またカツプ型モータケーシング３
を用いていることから、空心型の電機子コイル１
３群からなる固定側電機子２４及び図示しない駆
動回路用電気部品を冷却することができず、電機
子コイル１３及び電気部品を焼損して、軸流フア
ン１の寿命を縮まる惧れがあつたが、この軸流フ
アン１′によると、平板状コイル配設部３′となつ
ているので、この面上に電機子コイル１３群から
なる固定側電機子２４及び該電機子コイル１３を
配設した残りのスペース位置に上記電気部品を配
設しておけば、電機子コイル１３群からなる固定
側電機子２４及び電気部品は効率良く冷却される
ので焼損する惧れがない。またカツプ型のモータ
ケーシング３を用いた従来の場合では、この軸流
フアン１を極めて偏平にするために、このケーシ
ング３の底部に電機子コイル１３を配設する必要
があるが、このケーシング３の側壁が邪魔になつ
て、その作業性の阻害になり、組立効率が悪い
が、本考案の場合は、コイル配折部３′は平面状
なので、電機子コイル１３群からなる固定側電機
子２４の配設作業性が良く、安価に軸流フアン
１′を製作できるものとなる。また従来の軸流フ
アン１によると、そのステー４のうち１つを空洞
にしたり、あるいは係合部を有する凹溝に形成
し、これにリード線６−１，６−２を通さねばな
らないため、その作業に多くの時間を費やす必要
があつた。しかし、この軸流フアン１′のステー
４′によると平板状となつているので、その必要
がなく、ステー４′にリード線６−１，６−２を
つくるための印刷配線パターンを形成して、その
端部延長辺８ａで半田付けし、リード線６−１，
６−２を上記パターンに半田付けし、このリード
線６−１，６−２をリード線取出し孔８ｂに通す
だけで良い。

尚、上記印刷配線パターンを形成しない場合に
は、直接、リード線６−１，６−２を用いて、こ
れをステー４′の上に通し、このステー４′位置に
折曲容易な止子や弾力性ある係止部材を用いて固
定し、このリード線６−１，６−２を取出し孔８
ｂに通すようにすれば良い。この場合、モータケ
ーシング３がないため、リード線６−１，６−２
を取出し孔８ｂに通すのが非常に容易である。
尚、上記リード線取り出し部８は、上記ステー
４′の一つ延長部の軸流フアン本体２′の側面部を
切り開いて、半径外側方向に折曲形成し、これに
よつて上記端部延長辺８ａ及びリード線取出し孔
８ｂを形成している。上記コイル配設部３′の上
面には、中心部に透孔を形成した円板状のプリン
ト基板１４が配設されている。この基板１４の表
面には、図示しないプリント配電パターンが形成
され、２個の空心型の電機子コイル１３を配設し
て固定側電機子２４を形成している。この電機子
コイル１３の端子は、上記プリント配電パターン
に電気的に接続され、この基板１４の上に配設さ
れた駆動回路を形成する図示しない電気部品と電
気的に接続されている。この実施例では、上記基
板１４の上に２個の電機子コイル１３を配設して
固定側電機子２４を形成しているが、所要の目的
を達成できるならば固定側電機子２４は１個で
も、あるいは２個以上の電機子コイル１３を設け
て形成してもよく、他の形状のものを選択しても
よいことはいうまでもない。

更にはまた、空心型の電機子コイル１３群から
なるコアレス構造の固定側電機子を用いる変わり
に有鉄心形電機子を固設してもよい。尚、直流タ
イプの軸流フアン１′では、これを安価に形成す
るためには、この軸流フアン１′に用いるブラシ
レスモータとしては、単相ブラシレスモータとす
ることが望ましい。この理由は、単相ブラシレス
モータの場合には、ホール素子，ホールIC等の
位置検知素子としての磁電変換素子が１個で済
み、しかも、駆動回路も１相分で足りるため、ト
ランンジスタ等の電気部品の数が少なくなり、安
価に形成できて望ましい。このように通常の単相
ブラシレスモータの場合では、固定側電機子２４
を形成するには、複数の電機子コイル１３を用い
た場合、複数の電機子コイル１３は同相位置に配
置しなければならない。このため、第３図におい
ては、互いに２個の電機子コイル１３を180度対
称なプリント基板１４面位置に配設している。こ
のような条件位置は、回転フアン１２に設けたマ
グネツトローラ１５の極数によつて異なることは
言うまでもない。上記１個の磁電変換素子１６は
プリント基板１４面に配設され、マグネツトロー
タ１５の磁極位置を検出している。この磁電変換
素子１６は、マグネツトロータ１５の磁極位置に
よつて、すなわち、Ｎ極，Ｓ極を検出した場合、
当該マグネツトロータ１５が所定方向に回転する
ように上記電機子コイル１３に所定方向の通電を
なす。尚、磁電変換素子１６は、電気角で180度
通電の場合、電機子コイル１３の有効導体部１３
ａと同相位置に配設するのが一般的である。尚、
かかる単相ブラシレスモータの場合、通常では自
起動できないため、何らかの自起動処理手段を設
ける必要がある。この場合、種々の手段が考えら
れるが、当該単相ブラシレスモータが、デイスク
型ブラシレスモータを構成するので、最も容易な
方法としては、磁性体でできた螺子１７−１，１
７−２によつてプリント基板１４をコイル配設部
３′に螺子止めするのが容易である。この場合に
は、上記コイル配設部３′に上記螺子１７−１，
１７−２を螺子止めするための螺子孔を形成して
おくことが望ましい。かかる螺子１７−１，１７
−２が磁性体であること、この磁性体でできた螺
子によつてコギングトルクが発生し、当該モータ
の停止時に当該螺子１７−１，１７−２とマグネ
ツトロータ１５のＮ極またはＳ極の中央部と対向
する。このため、当該単相コアレスブラシレスモ
ータは、必ずマグネツトロータ１５のＮ極又はＳ
極を検出しているので電機子コイル１３に所定方
向の通電をすることができるため、当該単相コア
レスブラシレスモータは、所定方向に自起動回転
し得る。上記透孔１０に軸受ハウジング１８を図
示しない手段によつて、挿入固定している。回転
軸１９は、軸受ハウジング１８に挿着された軸受
２０によつて回動自在に軸支されている。回転軸
１０の頂部には、回転フアン１２が固定されてい
る。回転フアン１２はカツプ型本体２１の側面に
羽根２２が一体形成され、本体２１の内面底にロ
ータヨーク２３を固定し、このロータヨーク２２
の下面には、円環状のマグネツトロータ（界磁マ
グネツト）１５が固定されている。マグネツトロ
ータ１５は第３図に示すように、Ｎ極，Ｓ極の磁
極が交互い形成された６極のものを用いている。
尚、マグネツトロータ１５は一体的なものでな
く、各磁極をセグメントで形成したものを用いて
もよい。マグネツトロータ１５に面対向するプリ
ント基板１４面に２個の空心型電機子コイル１３
−１，１３−２からなる固定側電機子２４及び磁
電変換素子１６を配設して単相コアレス偏平ブラ
シレスモータを構成している。

第４図は、本考案の第２実施例を示すもので、
直接、コイル配設部３′に電機子コイル１３−１，
１３−２を配設して固定側電機子２４を形成する
例を示すもので、プリント基板１４を省略してい
る。この場合には、コイル配設部３′をプリント
基板１４と同様の機能を持たせる必要がある。従
つて、磁性体板のコイル配設部３′に図示しない
絶縁層を施こした後、配線用導電パターンを形成
しておき、その後プレス等の手段によつて、第４
図に示す如くの形状の軸流フアン本体２′を形成
すればよい。

（考案の効果） 本考案の軸流フアンは、極めて簡素で部品点数
が少なく極めて容易且つ安価に形成でき、また超
軽量、超偏平にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の軸流フアンの軸流フアン本体の
斜視図、第２図は第１実施例としての本考案の軸
流フアンの縦断面図、第３図は同分解斜視図、第
４図は本考案の第２実施例の分解斜視図である。 １，１′……軸流フアン、２，２′……軸流フア
ン本体、３……モータケーシング、３′……コイ
ル配設部、４，４′……ステー、５，５′……透
孔、６−１，６−２……リード線、７……コーナ
ーフランジ、８……リード線引出し部、８ａ……
端部延長辺、８ｂ……リード線取出し孔、９……
軸流フアン固定用透孔、１０……軸受ホルダ装着
用透孔、１１……凹部、１２……回転フアン、１
３−１，１３−２……電機子コイル、１４……プ
リント基板、１５……マグネツトロータ（界磁マ
グネツト）、１６……磁電変換素子、１７−１，
１７−２……磁性体螺子、１８……軸受ハウジン
グ、１９……回転軸、２０……軸受、２１……カ
ツプ型本体、２２……羽根、２３……ロータヨー
ク、２４……固定側電機子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 鉄板等の磁性体をプレスの打ち抜き手段等に
   よつて、中央部にコイル配設部、該コイル配設
   部の外周に軸方向に走風するための走風用の透
   孔部及びステーを形成し、その外周部に直角方
   向に延長折曲して形成した軸流フアン本体、該
   本体に形成されたフランジ部及びこのフランジ
   部に当該軸流フアンを固定するための止子用透
   孔一体形成し、上記コイル配設部に軸受を設
   け、該軸受に回動軸を回動自在に軸支し、該回
   転軸に界磁マグネツトを有する回転フアンを固
   定し、該界磁マグネツトに面対向して上記コイ
   ル配設部に固定側電機子を配設した、軸流フア
   ン。 (2) 上記軸流フアンは、ステーの延長部の上記軸
   流フアン本体部を半径外側方向に切欠折曲形成
   して、リード線取り出し部を形成してなる、実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の軸流フア
   ン。