JPH04333368A - Magアーク溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

Magアーク溶接方法及び溶接装置

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JPH04333368A
JPH04333368A JP10884091A JP10884091A JPH04333368A JP H04333368 A JPH04333368 A JP H04333368A JP 10884091 A JP10884091 A JP 10884091A JP 10884091 A JP10884091 A JP 10884091A JP H04333368 A JPH04333368 A JP H04333368A
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Tomoyuki Kamiyama
智之 上山
Shoji Harada
原田 章二
Toshiaki Nakamata
利昭 中俣
Masuo Shibata
柴田 益男
Toshimitsu Doi
敏光 土井
Shunichi Ogawa
俊一 小川
Ichiro Matsumoto
一朗 松本
Hiroshi Nakai
宏 中井
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、規則正しい波形状のビ
−ド外観又は適切な溶接ビ−ド断面形状を得るためのパ
ルスMAGア−ク溶接方法及び溶接装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウム及びアルミニウム合
金(以下、アルミニウムという)が、建築構造物の内装
、車輌、運輸機器等に広く使われるようになってきてい
る。これらの溶接継手が、そのままこれらの構造物の外
面を形成するために、溶接継手において溶接強度が要求
されることはもちろんであるが、最近、溶接ビ−ドの外
観が良好であることが要求されるようになっている。 そこで、溶接ビ−ド外観が良好であるア−ク溶接方法と
して、フィラワイヤを添加するTIGア−ク溶接方法が
広く採用されている。このフィラワイヤ添加TIGア−
ク溶接方法(以下、TIGフィラア−ク溶接方法という
)で溶接すると、図1に示すように、規則正しい波形状
のビ−ド外観(以下、「うろこ状ビ−ド」という)が得
られ、この溶接ビ−ドの外観がMIGア−ク溶接方法の
溶接ビ−ドよりも美観性がある。
【0003】このTIGア−ク溶接方法は、消耗電極を
溶融するMIGア−ク溶接方法にくらべて溶接速度が遅
いために、生産効率が悪いので、溶接速度の速いMIG
ア−ク溶接方法によって、フィラワイヤ添加TIGア−
ク溶接方法における「うろこ状ビ−ド」に近い溶接ビ−
ド外観を得ようとする提案がされている。
【0004】(従来技術1)従来技術1は、特公昭46
−650公報に開示されたMIGア−ク溶接方法であっ
て、ア−クスプレ−量を高い値と低い値との間で交互に
変える溶接方法であって、その溶接方法を実施するため
に、ア−クに供給される電力を比較的高い値と比較的低
い値(例えば、3:2)との範囲に周期的に切り換えて
いる。
【0005】図2は、その溶接方法に使用する溶接電源
のブロック図であり、図3はその溶接電源の出力電流(
横軸)と出力電圧(縦軸)との外部出力特性(以下、外
部出力特性という)及びア−ク特性を示す図である。 図2において、101は、溶接電源出力回路であり、1
02は溶接電源出力回路101の外部特性を切り換える
ための抵抗器であり、103は抵抗器101を短絡及び
開放する接点であり、104は接点103を周期的に切
り換えるタイマである。また、1はワイヤ送給モ−タW
Mによって予め定めた略一定速度で給電チップ4を経て
被溶接物2側に送給される消耗性電極ワイヤ(以下、消
耗電極という)であって、消耗電極1と被溶接物2間に
ア−ク3を発生させて溶接をする。
【0006】図3は、図2の抵抗器102が出力回路に
接続されたときの消耗電極1と被溶接物2とに供給され
る外部特性AAと、抵抗器102が短絡されたときの同
じく外部特性BBと、点線L1 乃至L3 で示すア−
ク長L1 乃至L3 のときのア−ク特性とを示す。今
、消耗電極1を予め定めた一定のワイヤ送給速度WF1
 で送給したときの動作点が図3の実線AAと点線L1
 との交点Aであるとする。このときの溶接電流値はI
1 でありア−ク電圧値はV1 である。
【0007】上記の電力を切り換える方法として次の3
つがある。 ■まず第1は、消耗電極1と被溶接物2との間に供給さ
れる出力電圧Vを切り換える方法である。例えば、図3
において、外部特性をAAからBBに切り換えると、ワ
イヤ送給速度WF1 を変化させていないので、溶接電
流値I1 は変化しないが、ワイヤ送給速度と溶接電流
値とが完全に比例しないために、定常的には外部特性曲
線BB上のB点に移動する。しかし、過渡的には、外部
特性曲線が急激にBBに切り換わってもア−ク長L1 
は急激に変わらないので、動作点は同一のア−ク特性曲
線L1 上のA点からD点に向って移動し、その移動に
よって溶接電流値が増加するので、ワイヤ溶融速度が増
加してア−ク長が長くなり、ア−ク長が曲線L1 から
ア−ク長の長いア−ク特性曲線L2 の方向に向い、最
終的にB点に移動する。したがって、溶接電流値は過渡
的にI1 からI3 に大きく変化し、定常的にはI1
 からI2 に変化する。
【0008】■第2は、ワイヤ送給速度を切り換える方
法である。例えば、図3において、ワイヤ送給速度を切
り換えると、外部特性AA上でア−ク長が変化する方向
に切り換わるので、動作点はBからCに切り換わる。し
たがって、溶接電流値はI2 からI4 まで大きく切
り換わり、ア−ク長はア−ク特性曲線L2 からL3 
上の動作点に移動する。
【0009】■第3は、上記■の外部特性と上記■のワ
イヤ送給速度とを同時に切り換える方法である。例えば
、図3において、動作点はAからCに切り換わる。した
がって、溶接電流値はI1 からI4 まで大きく切り
換わる。
【0010】(従来技術2)従来技術2は、特公昭49
−48057公報に開示されたMAG溶接方法であって
、定電圧特性の溶接電源を使用して、消耗電極を予め定
めた略一定速度で送給している。この従来技術2の溶接
方法は、「溶接電流を周期的に変化させると共に、溶接
ワイヤ送給速度を溶接電流の増減」に変化させている。 すなわち、高速のワイヤ送給速度による大電流(高出力
電圧)と低速のワイヤ送給速度による小電流(低出力電
圧)とを周期的に切り換えて入熱制御する方法である。 図4(A)乃至(C)は、従来技術1の図3と同様に、
溶接電源の出力電流(横軸)と出力電圧(縦軸)との外
部特性曲線AA及びBBとア−ク特性曲線L1 及びL
2を示す図である。
【0011】上記の入熱制御する具体的な方法として次
の3つがある。 ■まず第1の方法は、大電流時及び小電流時ともア−ク
長が変化しないようにする。例えば、図4(A)に示す
ように、溶接電源の外部特性とワイヤ送給速度との両方
を切り換えると、外部特性曲線AAとア−ク特性曲線L
1 との交点の動作点Aから、外部特性曲線BBとア−
ク特性曲線L1 との交点の動作点Bに移動する。この
とき、溶接電流値はI1 からI2 に大きく変化する
がア−ク長は同じ曲線上のL1 で変化しない。
【0012】■第2の方法は、ワイヤ送給速度を上記■
のア−ク長が変化しないときよりも大きく増減させて、
大電流時にワイヤ送給速度を高速にしてア−ク長を短く
し、小電流時にワイヤ送給速度を低速にしてア−ク長を
長くする。例えば、図4(B)に示すように、ワイヤ送
給速度を切り換えると、外部特性曲線AAとア−ク特性
曲線L2 との交点の動作点Aから同曲線AAとア−ク
特性曲線L1 との交点Bに移動する。このとき、溶接
電流値はI1 からI2 に大きく変化するとともにア
−ク長はL2 からL1 に変化する。
【0013】■第3の方法は、ワイヤ送給速度を上記■
のア−ク長が変化しないときよりも小さく増減させて大
電流時にワイヤ送給速度を低速にしてア−ク長を長くし
、小電流時にワイヤ送給速度を高速にしてア−ク長を短
くする。例えば、図4(C)に示すように、溶接電源の
外部特性とワイヤ送給速度との両方を切り換えると、定
常的には外部特性曲線AAとア−ク特性曲線L1 との
交点の動作点Aから、外部特性曲線BBとア−ク特性曲
線L2 との交点の動作点Bに移動する。しかし、過度
的には、外部特性曲線が急激にBBに切り換わってもア
−ク長L1 は急激に変わらないので、同一ア−ク長L
1 上をA点からD点に向って移動すると溶接電流値が
増大するので、ワイヤ溶融速度が増大してア−ク長が長
くなり、ア−ク長が曲線L1 からア−ク長が長い曲線
L2 の方向に向い、最終的にB点に移動する。したが
って、溶接電流値は過渡的にI1 からI3 に大きく
変化し、定常的にはI1 からI2 に変化する。
【0014】(従来技術3)従来技術3は、特開62−
279087に開示されたパルスMIG溶接方法であっ
て、ベ−ス電流又はベ−ス電圧をスプレ−移行と短絡移
行とに切り換えることによって、アルミニウム薄板を溶
け落ちを生じさせることなく「うろこ状ビ−ド」を形成
しようとするものである。 ■例えば、図5(A)の溶接電流の波形図に示すように
、パルス電流値及パルス幅及びパルス周波数のいずれも
が一定値のパルス電流と可変値のベ−ス電流とから成る
溶接電流を出力するパルス溶接電源を使用して、ベ−ス
電流値を大きく周期的に変化させることによって、スプ
レ−移行と短絡移行とが交互に行われる。 ■また、図5(B)の溶接電圧の波形図に示すように、
パルス電圧値及パルス幅及びパルス周波数のいずれもが
一定値のパルス電圧と可変値のベ−ス電圧とから成る溶
接電圧を出力するパルス溶接電源を使用して、ベ−ス電
圧値を大きく周期的に変化させることによって、スプレ
−移行と短絡移行とが交互に行われる。
【0015】したがって、この従来技術3は、図5(A
)に示すように、ワイヤ送給速度を切り換えることによ
り、高電流期間T8 の溶接電流の平均値H1 と低電
流期間T9 の溶接電流の平均値N1 とに変化させて
、溶接電流の平均値を大幅に周期的に変化させて、スプ
レ−移行と短絡移行とに変化させている。またこの従来
技術3は、図5(B)に示すように、ベ−ス電源の出力
電圧を大幅に切り換えている。この図5(B)の方法は
、定常的には溶接電流値の変化は少ないが、従来技術1
と同様に過渡的には溶接電流値が大きく変化する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術1に対する
課題)従来技術1の溶接方法は、スプレ−移行をする臨
界電流値Ic 以上でア−クスプレ−量を高い値と低い
値との間で交互に切り換えなければならないので、ワイ
ヤ送給速度も同時に切り換えるために、高い値のア−ク
スプレ−量を得るための溶接電流値I2 が、臨界電流
値Ic にくらべてかなり大きな値になる。したがって
、従来技術1の溶接方法では、薄板の溶接ができない。 さらに、従来技術1の溶接方法では、溶接電流値を比較
的大きく変化(例えば2:3)させているので、ア−ク
力が大きく変化したり、溶け込み深さをかえたり、溶着
金属量を増減させて余盛りの量及びその形状をかえたり
する用途には適している。しかし、従来技術1の溶接方
法は、後述する本発明の溶接方法が目的とする溶け込み
深さ及び余盛り量を略一定にしたままで、溶融池表面の
形状、例えば、「うろこ状ビ−ド」を得る用途には適し
ていない。したがって、従来技術1の溶接方法において
は、図6に示すような溶接ビ−ドの外観であって、前述
した図1に示しTIGフィラア−ク溶接方法の「うろこ
状ビ−ド」のような波目のはっきりした規則正しい美観
が得られていない。
【0021】(従来技術2に対する課題)従来技術2の
溶接方法は、定電圧特性の溶接電源の出力電圧及びワイ
ヤ送給速度を周期的に切り換えることによって、溶接電
流値を大きく変化(実施例では260[A]と100又
は90又は60[A])させて入熱制御している。した
がって、この従来技術2の溶接方法は、従来技術1と同
様に、溶接電流値を大きく変化させるので、ア−ク力を
変化させて、溶け込み深さを変えたり、溶着金属量を変
化させたり、ビ−ドの垂れ下がりを防止したり、余盛り
量及びその形状をかえたりする用途には適している。し
かし、従来技術2の溶接方法は、従来技術1と同様に本
発明の溶接方法が目的としている用途には適していない
【0022】(従来技術3に対する課題)従来技術3の
溶接方法は、パルス電流値又はパルス電圧値及びパルス
幅及びパルス周波数を一定値にしておき、ベ−ス電流又
はベ−ス電圧をスプレ−移行と短絡移行となるように大
幅に周期的に変化させることによって、アルミニウムの
薄板を溶け落ちを生じさせることなく「うろこ状ビ−ド
」を形成しようとするものである。しかし、従来技術3
の溶接方法は、スプレ−移行と短絡移行とが周期的に繰
り返されているために、短絡移行時にワイヤ先端が溶融
池に接触して溶滴が移行するので、従来技術1と同様に
図6に示すような溶接ビ−ド外観であって、前述した図
1に示すような「うろこ状ビ−ド」が得られていない。
【0023】上記の従来技術を本発明に採用するときに
は、下記のいずれか一つ以上の問題点がある。 (1)短絡移行させると、溶滴が大粒化して不規則移行
をする。 従来のワイヤ送給速度を切換えることによって溶接電流
の平均値を比較的大幅に変化させてワイヤ溶融量を変化
させるMIGア−ク溶接方法では、例えば、板厚4[m
m]のアルミニウム合金A5052の被溶接物を、直径
 1.2[mm]のアルミニウム合金の消耗電極A51
83を使用して、溶接電流90[A]及び溶接電圧19
[V]の第1溶接条件設定値と、溶接電流 180[A
]及び溶接電圧21[V]の第2溶接条件設定値とを、
2[Hz]の周期で切換えて、溶接速度40[cm/m
in]においてスプレ−移行と短絡移行とによるMIG
ア−ク溶接をしたところ、図6に示すような溶接ビ−ド
外観であって、前述した図1に示すTIGフィラア−ク
溶接方法の「うろこ状ビ−ド」のような波目のはっきり
した規則正しい美観が得られていない。特に、薄板の高
速度溶接では、パルス切換周波数を、3[Hz]を超え
る周波数にしなければならない他に、溶接電流値を小に
しなければならないために、第2溶接条件はスプレ−移
行する溶接電流値に設定することができても、第1溶接
条件では小電流の設定になるために、スプレ−移行をさ
せることができず短絡移行になり、ワイヤ先端の大粒の
溶融粒が溶融池に接触するために、溶接ビ−ドがTIG
フィラア−ク溶接のような「うろこ状ビ−ド」を得るこ
とが困難であった。
【0024】(2)ワイヤ送給速度を切り換えると、機
械的慣性のために応答性が低い。 他方、薄板の高速度溶接になると、第1溶接条件設定値
と第2溶接条件設定値との切換周波数を、溶接速度に対
応させて高くしなければ、溶滴移行する部分としない部
分との溶接ビ−ドの高さ、幅等が均一でなくなってくる
。しかし、従来の溶接電流の平均値を比較的大幅に変化
させるMIGア−ク溶接方法においては、どうしても、
ワイヤ送給速度を大幅に切換えなければならないために
、ワイヤ送給モ−タ及び送給機構の機械的な慣性によっ
て応答性が低く、切換周波数は、3[Hz]程度までで
あり、しかも、機械的慣性のために、切換えの境界が明
確でなく、TIGフィラア−ク溶接のような波目のはっ
きりした「うろこ状ビ−ド」を得ることが困難であった
【0025】(3)溶接電流の変化値が大きい。 従来の溶接電源は、第1溶接条件及び第2溶接条件の両
者とも、定電圧特性であるために、ワイヤ送給速度を切
り換えると溶接電流値が大きく変動する。また、上記の
溶接電源の出力電圧値を切り換えたときも、定電圧特性
であるために過渡的に溶接電流が大きく変動する。この
ように溶接電流値が大きく変動すると、ア−ク力が大き
く変化したり、溶け込み深さが大きく変化したり、溶着
金属量の大きな変化により余盛りの高さ又は形状が大き
く変化してしまって、溶融金属の表面状態だけを変化さ
せることができない。
【0026】(4)ワイヤ送給速度を切り換えると、ア
−ク長の変化値が小さい。 MIG又はMAGア−ク溶接方法において、ア−ク長が
一定値に維持されて溶接を継続させるためには、原理的
に次の(1)式の関係が成立する。 ワイヤ送給速度=ワイヤ溶融速度  …(1)(ワイヤ
溶融速度は溶接電流値の関数である。)定電圧特性の溶
接電源においては、前述したように、ワイヤ送給速度を
変化させると、溶接電流値が変化する。 ワイヤ送給速度と溶接電流値とは、消耗電極の材質(抵
抗値)、ア−ク長その他によって変化するが、概略溶接
電流値Iはワイヤ送給速度の1.05乃至1.5乗に比
例する。
【0027】上記の(1)式において、ア−ク長を変化
させようとすれば、ワイヤ送給速度又はワイヤ溶融速度
すなわち溶接電流値を変化させればよい。しかし、定電
圧特性の溶接電源では、溶接電流値はワイヤ送給速度で
定まるために、ワイヤ送給速度を一定にしておいて溶接
電流値だけを予め設定することができない。したがって
、定電圧特性の溶接電源においては、まず第1に、ワイ
ヤ送給速度を変化させる方法が採用されるが、ワイヤ送
給速度を増減させると溶接電流値も増減してワイヤ溶融
速度も増減してしまうので、ア−ク長の変化値が小さい
。また、定電圧特性の電源において外部特性曲線を変化
させて出力電圧を変化させる方法は、その出力電圧と一
定速度でワイヤ送給速度で送給しているときの溶接電流
値とによってア−ク長が定まる。したがって、この方法
においても、溶接電流値を直接的に制御することによっ
てア−ク長を変化させることができない。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明のMAGア−ク溶
接方法及び溶接装置は、従来技術のいずれの問題点をも
解決して■短絡移行をさせないで、■原理的にはワイヤ
送給速度を切り換えないで、■溶接電流値を大きく変化
させないで、■(ワイヤ送給速度)=(ワイヤ溶融速度
)の関係式において、右辺のワイヤ溶融速度すなわち溶
接電流値のみを直接若干量周期的に切り換えることによ
って、ア−ク長を大きく変化させるMAGア−ク溶接方
法及び溶接装置を提供したものである。
【0031】(溶接電源の出力電流を切換)本発明の基
本原理は、ワイヤ送給速度を増減させないで、溶接電源
の出力電流を切り換えてア−ク長を大きく変化させてい
る。この切り換える出力電流値を設定又は制御すること
によって、過度的にも出力電流値の変動幅を10%以内
に抑えることによって、移行溶滴粒を過度的にも均一な
大きさにし、ア−ク長を短くしても溶滴の大粒化による
短絡を防止することができる。また、本発明においては
、ワイヤ送給速度切り換えていないので、切換周波数F
を25[Hz]まで高くすることができる。これに対し
て、従来技術においては、溶接電源は、溶接出力電圧を
切り換えるだけで、溶接電流そのものを切り換えること
ができないので、定電圧特性の溶接電源を使用してワイ
ヤ送給速度を切り換えることによって、溶接電源の外部
特性の自己制御作用によって出力電流が変動する。した
がって、従来技術の定電圧特性の溶接電源においては、
溶接電源の出力電流値を設定したり、制御することはで
きない。したがって、従来技術においては、出力電流の
変化値を、本発明のように、設定又は制御することによ
って制限することができない。
【0032】次に、本発明は、ワイヤ送給速度を増減さ
せないで溶接出力電流を切り換えてア−ク長を変化させ
る溶接方法(以下、基本溶接方法という。)に加えて、
例えば、後述する突合せ溶接又は重ね隅肉溶接において
、基本溶接方法を採用すると、大きな隙間があっても溶
接が可能となるが、隙間を埋める溶融金属が不足するの
で、ワイヤ送給速度を5〜20%増加させてワイヤ溶融
速度を増加させて余盛りを得る溶接方法(以下、追加溶
接方法という。)をも提案している。
【0041】(請求項1)請求項1に記載の溶接方法は
、溶接電源の出力電流を、第1溶接電流値I1 と、第
1溶接電流値I1 よりも大の第2溶接電流値I2 と
に、切換周波数F=0.5乃至25[Hz]で切り換え
てワイヤ溶融速度を変化させて、ア−ク長2[mm]以
上の第1ア−ク長Ltとこの第1ア−ク長よりも大の第
2ア−ク長Lrとに周期的に変化させ、さらに第2溶接
電流値I2 と第1溶接電流値I1 との比が1.03
乃至1.20であるMAGアーク溶接方法(以下、MA
G溶接方法という)である。
【0042】(請求項2)請求項2の溶接方法は、請求
項1の構成要件に加えて、第1溶接電流値I1 と第2
溶接電流値I2 とを切換周波数Fで切り換え、第1ア
−ク長Ltのときの第1ア−ク電圧値Va1 と第2ア
−ク長Lrのときの第2ア−ク電圧値Va2 との差の
ア−ク電圧の変化値Leが0.3乃至4.0[V]であ
るMAG溶接方法である。
【0043】(請求項7)請求項7の溶接方法は、請求
項1の構成要件に加えて、定電流特性の直流電流を出力
する溶接出力制御回路から、第1ア−ク長で微小短絡を
発生するスプレイ移行をする第1溶接電流を供給し、定
電流特性の直流電流又はパルス電流群を出力する溶接出
力制御回路から、第2ア−ク長で微小短絡を発生しない
スプレイ移行をする第2溶接電流を供給するMAG溶接
方法である。
【0044】(請求項8)請求項8の溶接方法は、請求
項1の構成要件に加えて、パルス電流群を出力する溶接
出力制御回路から、第1ア−ク長で微小短絡を発生する
スプレイ移行をする第1溶接電流を供給し、定電流特性
の直流電流を出力するの溶接出力制御回路から、第2ア
−ク長で微小短絡を発生しないスプレイ移行をする第2
溶接電流を供給するMAG溶接方法である。
【0045】(請求項10)請求項10の溶接方法は、
請求項1の構成要件に加えて、第1ア−ク長を得る第1
溶接電流が第1パルス電流群であり、第2ア−ク長を得
る第2溶接電流が第2パルス電流群であるMAG溶接方
法である。
【0046】(請求項23)請求項23の溶接方法は、
請求項1の構成要件に加えて、第1ア−ク長Ltと第2
ア−ク長Lrとのア−ク長の変化値Le[mm]を縦軸
とし、切換周波数F=0.5乃至25[Hz]を横軸と
し、切換周波数F=0.5[Hz]のときのア−ク長の
変化値Le=2.5[mm]の第1位置と、切換周波数
F=12[Hz]のときのア−ク長の変化値Le=1.
0[mm]の第2位置と、切換周波数F=25[Hz]
のときのア−ク長の変化値Le=0.5[mm]の第3
位置とを結ぶ曲線よりも上方の範囲のア−ク長の変化値
Leと切換周波数F[Hz]とで溶接するMAG溶接方
法である。
【0050】(請求項30)請求項30の溶接装置は、
第1ア−ク長Ltを得る第1パルス電流群と第2ア−ク
長Lrを得る第2パルス電流群とを切換信号によって周
期的に切り換えるパルスMAG溶接装置において、アー
ク電圧値を検出してアーク電圧検出信号Vdを出力する
アーク電圧検出回路VDと、アーク電圧設定信号Vs1
 又は第1ア−ク電圧設定信号Vs1 と第2アーク電
圧設定信号Vs2 とを切り換えた切換ア−ク電圧信号
S6 とアーク電圧検出信号Vdとを比較して差のアー
ク電圧制御信号Cm2 を出力する比較回路CM2とを
備えたア−ク電圧制御回路と、アーク電圧制御信号Cm
2 に対応したパルス周波数f3 又はパルス幅TP3
 又はベース電流値IB3 又はパルス電流値TP3 
を制御するパルスベース電流制御信号を出力するパルス
ベース電流制御回路と、第1パルス電流群のパルス電流
値及びパルス幅及びパルス周波数及びベース電流値の4
つの条件のうちパルスベース電流制御信号で制御する条
件を除いた3つの条件を設定して第1パルスベース電流
設定信号を出力する第1パルスベース電流設定回路と、
第2パルス電流群のパルス電流値及びパルス幅及びパル
ス周波数及びベース電流値の4つの条件のうちパルスベ
ース電流制御信号で制御する条件を除いた3つの条件を
設定して第2パルスベース電流設定信号を出力する第2
パルスベース電流設定回路と、切換周波数F=0.5乃
至25[Hz]で切り換えて切換信号Hlを出力する切
換回路HLと、第1ア−ク電圧設定信号Vs1 と第2
アーク電圧設定信号Vs2 とを切換信号Hlによって
切り換えて切換ア−ク電圧信号S6 を出力するか又は
第1パルスベース電流設定信号と第2パルスベース電流
設定信号とを切換信号Hlによって切り換えて切換設定
信号を出力するか又はその両方の信号を出力する1以上
の切換設定回路と、パルスベース電流制御信号と切換設
定信号とを入力して第1パルス制御信号Pf1 及び第
2パルス制御信号Pf2 を出力するパルス制御信号発
生回路と、第1パルス制御信号Pf1 が入力されたと
き第1パルス電流群を出力し第2パルス制御信号Pf2
 が入力されたとき第2パルス制御信号Pf2 を出力
する溶接出力制御回路とを備えたパルスMAG溶接装置
である。
【0051】(請求項31)請求項31の溶接装置は、
請求項30の構成要件において、パルスベ−ス電流制御
信号を出力するパルスベ−ス電流制御回路が、パルス周
波数f3 を制御するパルス周波数制御信号Vf3 を
出力するパルス周波数制御信号発生回路VF3であり、
第1パルスベ−ス電流設定信号を出力する第1パルスベ
−ス電流設定回路が、パルス電流値設定信号Ip1 を
設定するパルス電流値設定回路IP1と、パルス幅設定
信号Tp1 を設定するパルス幅設定回路TP1と、ベ
−ス電流設定信号Ib1 を設定するベ−ス電流値設定
回路IB1とを備えたパルスMAG溶接装置である。
【0052】(請求項34)請求項34の溶接装置は、
請求項30の構成要件において、パルスベ−ス電流制御
信号を出力するパルスベ−ス電流制御回路が、パルス幅
を制御するア−ク電圧制御信号Cm2 を出力する比較
回路CM2であり、第1パルスベ−ス電流設定信号を出
力する第1パルスベ−ス電流設定回路が、パルス電流値
設定信号Ip1 を設定するパルス電流値設定回路IP
1と、パルス周波数設定信号Fp1 を設定するパルス
周波数設定回路FP1と、ベ−ス電流設定信号Ib1 
を設定するベ−ス電流設定回路IB1とを備えたパルス
MAG溶接装置である。
【0053】(請求項37)請求項37の溶接装置は、
請求項30の構成要件において、パルスベ−ス電流制御
信号を出力するパルスベ−ス電流制御回路が、ア−ク電
圧制御信号Cm2 を入力としてベ−ス電流制御信号I
b3 を出力するベ−ス電流制御回路IB3であり、第
1パルスベ−ス電流設定信号を出力する第1パルスベ−
ス電流設定回路が、パルス電流値設定信号Ip1 を設
定するパルス電流値設定回路IP1と、パルス幅設定信
号Tp1 を設定するパルス幅設定回路TP1と、パル
ス周波数設定信号Fp1 を設定するパルス周波数設定
回路FP1とを備えたパルスMAG溶接装置である。
【0054】(請求項40)請求項40の溶接装置は、
請求項30の構成要件において、パルスベ−ス電流制御
信号を出力するパルスベ−ス電流制御回路が、ア−ク電
圧制御信号Cm2 を入力としてパルス電流値制御信号
Ip3 を出力するパルス電流値制御回路IP3であり
、第1パルスベ−ス電流設定信号を出力する第1パルス
ベ−ス電流設定回路が、パルス幅設定信号Tp1 を設
定するパルス幅設定回路TP1と、パルス周波数設定信
号Fp1 を設定するパルス周波数設定回路FP1と、
ベ−ス電流設定信号Ib1 を設定するベ−ス電流設定
回路IB1とを備えたパルスMAG溶接装置である。
【0055】(請求項43)請求項43の溶接装置は、
請求項30の構成要件に加えて、第1ワイヤ送給速度設
定信号Im1 を出力する第1ワイヤ送給速度設定回路
IM1と、第2ワイヤ送給速度設定信号Im2 を出力
する第2ワイヤ送給速度設定回路IM2と、第1ワイヤ
送給速度設定信号Im1 と前記第2ワイヤ送給速度設
定信号Im2 とを切換周波数F=0.5乃至5[Hz
]で切り換えて、切換ワイヤ送給速度信号S7をワイヤ
送給速度制御回路WCに出力するワイヤ送給速度切換回
路SW7を備えたMAG溶接装置である。
【0060】
【作用】(図7の説明)図7は、本発明の溶接方法にお
いて、ア−ク長Lr 又はLt を変化させたときのア
−ク3の広がりの変化を示す説明図である。同図におい
て、ア−ク3は給電チップ4の給電チップ先端4a か
ら送給される消耗電極1のワイヤ先端1a 又は1b 
と被溶接物2との間に広がっている。アルミニウムのア
−ク溶接においては、被溶接物2が陰極になる極性のと
きに、ア−クは消耗電極の先端付近から被溶接物2のア
ルミニウム材の酸化皮膜のある部分に飛びやすいために
、実際のア−ク長L11又はL21は、ワイヤ先端1a
 と被溶接物2の表面との最短距離である見かけのア−
ク長Lt 又はLr よりも大になる。ワイヤの突き出
し長がLn のとき、見かけのア−ク長はLr である
が、実際のア−ク長は最大L21まで長くなり、次に、
ワイヤ突き出し長がLm と長くなると、見かけのア−
ク長(以下、アーク長という)はLt であって、実際
のア−ク長はL11になる。このように、アルミニウム
においては、酸化皮膜にア−クが飛びやすいことと、ア
ルミニウムが低融点で冷却速度が極めて速いこととによ
って、ア−ク長をLt とLr との間で周期的に変化
させることにより、実際のア−ク長を第1ア−ク長L1
1と第2ア−ク長L21とに変化させ、その実際のア−
ク長の変化にともなって溶融池の大きさを直接的に、(
従来技術のように、ワイヤの溶融量及びア−ク力の変化
によって間接的に溶融池の大きさを変化させようとする
のではなく、)変化させることができるので、本発明の
MAGア−ク溶接方法においては、TIGフィラア−ク
溶接方法と同様の波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド
」が得られる。なお、図7において、第1溶接条件設定
値と第2溶接条件設定値とのワイヤ突き出し長の変化値
又はア−ク長の変化値Le は、Le =Lr −Lt
 =Lm−Lnとなる。また、図7のア−ク長Lt 及
びLr は、それぞれ後述する図8のア−ク特性曲線L
1 及びL2 上にある。
【0061】(図8の説明)本発明の基本溶接方法は、
ワイヤ送給速度を一定にしておいて溶接電源の出力電流
値を切り換えてワイヤ溶融速度を変化させることにより
ア−ク長を変化させる溶接方法である、この基本溶接方
法について説明する。
【0062】図8は、ア−ク長小の第1ア−ク長を得る
第1溶接電流を定電流特性の直流電流を出力する溶接電
源から供給し、ア−ク長大の第2ア−ク長を得る第2溶
接電流を定電流特性の直流電流を出力する第2溶接電源
から供給する場合を示す。同図は、定電流特性の溶接電
源の出力電流I(横軸)と出力電圧V(縦軸)との外部
特性曲線CC1及びCC2とア−ク特性曲線L1 及び
L2とを示す図である。同図において、ワイヤ送給速度
を一定値にしておいて、第1溶接電流値I1 から第2
溶接電流値I2 に切り換えると、動作点はア−ク長小
の第1ア−ク長L1 上のA点からア−ク長大の第2ア
−ク長L2 上のB点に移動し、ア−ク電圧はV1から
V2 に変化する。このときの溶接電流の変化値△Ia
=I2 −I1 であり、ア−ク電圧の変化値△Va=
V2 −V1 であり、ア−ク長の変化値Le=L2 
−L1 である。
【0063】本発明の図8と従来技術の図3又は図4と
比較すると、図8の動作点AとBとの移動においては、
溶接電流の変化値△Ia=I2 −I1 は、I2 及
びI1 が定電流特性の溶接電源で予め設定された値に
制限することができ、例えば、基本溶接方法では、I2
 /I1 =1.03乃至1.10とし、追加溶接方法
ではI2 /I1 =1.05乃至1.20と制限する
ことができる。これに対して図3又は図4の動作点Aと
B又はBとC又はAとCとの移動においては、溶接電流
の変化値を予め設定又は制限することができないので、
過度的変化も加わり、I1 とI2又はI3 又はI1
 とI4 又はI2 とI4 まで大きく変化してしま
う。次に、図8の動作点AとBとの移動においては、ア
−ク長の変化値Le=L2 −L1 は、溶接電源が定
電流特性であるので、従来の定電圧特性の溶接電源のよ
うに出力電圧の切り換え範囲に制限されることなく、I
2 /I1 を大にすることによって、大きく変化させ
ることができる。なお、図8におけるC点、後述する実
施例5において説明する。
【0064】(図9(A)及び図9(B)の説明)図9
(A)及び図9(B)は、ア−ク長小の第1ア−ク長を
得る第1溶接電流が定電流特性の直流電流を出力する溶
接電源から供給し、ア−ク長大の第2ア−ク長を得る第
2溶接電流が定電流特性のパルス電流を出力する溶接電
源から供給する場合を示す。図9(A)は、パルスなし
の定電流特性の直流電流CC1の第1溶接電流とパルス
電流PC2の第2溶接電流との繰り返しの溶接電流を示
す図である。同図において、I1 は第1溶接電流値、
IP2 はパルス電流値、TP2 はパルス幅、D2 
はパルス周期でパルス周波数f2 の逆数、IB2 は
ベ−ス電流値、M2 はパルス電流群の溶接電流平均値
である。なお、上記の各値は、D2 =1/f2 及び
I2 =M2 =[IP2 ・TP2 +IB2 (D
2 −TP2 )]/D2 の関係がある。図9(B)
は、パルスなしの直流電流CC1の第1溶接電流及びパ
ルス電流PC2の第2溶接電流を出力する溶接電源の出
力電流I(横軸)と出力電圧V(縦軸)との外部特性曲
線とア−ク特性曲線L1 及びL2 とを示す図である
。同図において、ワイヤ送給速度を一定値にしておいて
、直流電流CC1からパルス電流PC2に切り換えると
、以下、前述した図8と同様になる。
【0065】(図10(A)及び図10(B)の説明)
図10(A)及び図10(B)は、ア−ク長小の第1ア
−ク長を得る第1溶接電流が定電流特性のパルス電流を
出力する溶接電源から供給し、ア−ク長大の第2ア−ク
長を得る第2溶接電流がパルス電流を通電しない図8と
同じ定電流特性の直流電流を出力する溶接電源から供給
する場合を示す。図10(A)は、パルス電流PC1の
第1溶接電流とパルスなしの定電流CC2の第2溶接電
流との繰り返しの溶接電流を示す図である。同図におい
て、IP1 はパルス電流値、TP1 はパルス幅、D
1 はパルス周期でパルス周波数f1 の逆数、IB1
 はベ−ス電流値、I2 は第2溶接電流値、M1 は
パルス電流群の溶接電流平均値である。なお、上記の各
値は、D1 =1/f1 及びI1=M1 =[IP1
 ・TP1 +IB1 (D1 −TP1 )]/D1
の関係がある。図10(B)は、パルス電流PC1の第
1溶接電流及びパルスなし定電流CC2の第2溶接電流
を出力する溶接電源の出力電流I(横軸)と出力電圧V
(縦軸)との外部特性曲線とア−ク特性曲線L1 及び
L2 とを示す図である。同図において、ワイヤ送給速
度を一定値にしておいて、パルス電流PC1からパルス
なし定電流CC2に切り換えると、以下、前述した図8
と同様になる。
【0066】本発明の図10と従来技術の図3又は図4
との相違は、前述した図8の説明と同様であるが、第1
溶接電流値I1 が臨界電流値Ic付近のとき、本発明
においては、パルス電流によって移行する溶滴が大粒に
ならないので、第1ア−ク長L1 を短くしても短絡を
防止することができる。
【0067】(図11及び図12の説明)図11及び図
12は、ア−ク長小の第1ア−ク長を得る第1溶接電流
及びア−ク長大の第2ア−ク長を得る第2溶接電流がと
もにパルス電流PC1及びPC2を、溶接電源から供給
する場合を示す。図11(A)は、第1パルス電流群P
C1と第2パルス電流群PC2との繰り返しの溶接電流
Iの時間的経過を示す図であり、図11(B)は、第1
パルス電流群PC1を通電する第1パルス通電期間T1
 と第2パルス電流群PC2を通電する第2パルス通電
期間T2 とを周期的に切り換える切換信号Hlの時間
的経過を示す図である。図11(A)において、IP1
 は第1パルス電流値、TP1 は第1パルス幅、D1
 は第1パルス周期で第1パルス周波数f1 の逆数、
IB1 は第1ベ−ス電流値、T1 は第1パルス通電
期間及びM1 は第1パルス通電期間の溶接電流の平均
値であって、D1 =1/f1 及びM1 =[IP1
 ・TP1+IB1 (D1 −TP1 )]/D1の
関係がある。
【0068】次に、IP2 は第2パルス電流値、TP
2 は第2パルス幅、D2 は第2パルス周期で第2パ
ルス周波数f2 の逆数、IB2 は第2ベ−ス電流値
、T2 は第2パルス通電期間及びM2 は第2パルス
通電期間の溶接電流の平均値であって、D2=1/f1
 及びM2 =[IP2 ・TP2 +IB2 (D2
 −TP2 )]/D2 の関係がある。
【0069】図12は、第1パルス電流群PC1及び第
2パルス電流群PC2を出力する溶接電源の出力電流値
I(横軸)と出力電圧値V(縦軸)との外部特性曲線と
ア−ク特性曲線L1 及びL2 とを示す図である。同
図において、ワイヤ送給速度を一定値にしておいて、第
1パルス電流群PC1から第2パルス電流群PC2に切
り換えると、以下、前述した図8と同様になる。
【0070】本発明の図12と従来技術の図3又は図4
との相違は、前述した図8の説明と同様であるが、本発
明においては、第1及び第2パルス通電期間の溶接電流
平均値M1 及びM2 が臨界電流値Ic以下になって
も、移行する溶滴が大粒にならないので、第1ア−ク長
L1 を短くしても短絡を防止することができる。
【0075】
【実施例】
(実施例1  図13の説明)図13は、直径1.2[
mm]のアルミニウムワイヤを用いてアルミニウム材を
、溶接電流の平均値Ia=100[A]でベ−ス電流値
Ib=30[A]で、パルスMIGア−ク溶接をしたと
き、パルス通電時間(以下、パルス幅という)TP[m
s](横軸)及びパルス電流値IP[A](縦軸)に対
する各溶滴移行形態の領域を示した図である。同図にお
いて、領域BBは、ア−ク長が大のスプレ−移行域であ
り、領域DDは、ア−クが消滅する短絡移行域であり、
領域CCは、ア−ク長がスプレ−移行域BBと短絡移行
域DDとの中間であって、微小短絡が発生するが、溶滴
移行はスプレ−移行で行われている、いわゆる、メソス
プレ−移行域である。上記のスプレ−移行域BBのうち
、斜線内の領域は、パルス電流と溶滴移行とが同期する
1パルス1溶滴の領域であり、この領域は、さらに、ア
−ク長が6[mm]以上のBBA領域、ア−ク長が4乃
至6[mm]のBBB領域及びア−ク長が2乃至4[m
m]のBBC領域に分かれる。
【0080】(実施例2  図14の説明)図14(A
)は、アルミニウム合金を、定電流特性の溶接電源を用
いて直径1.6[mm]のアルミニウム合金の消耗電極
によってMIGア−ク溶接したときの溶接電流の平均値
Ia [A](横軸)とア−ク電圧の平均値Va [V
](縦軸)との関係を示す図である。即ち、同図(A)
において、ワイヤ送給速度WF1 からWF3 を予め
一定値に設定しておいて、給電チップ先端4aと被溶接
物の表面2aとの距離を機械的に変化させて、溶接電流
の平均値Ia [A]とア−ク電圧値の平均値Va [
V]及び同図(B)に示すア−ク長L[mm]との関係
を測定した結果、臨界電流値Icよりも小電流域AAで
はドロップ移行域となり、臨界電流値Icよりも大電流
域BBではスプレ−移行域となり、斜線で示された範囲
CCでは後述するア−ク固有の自己制御作用の存在する
範囲、いわゆるメソスプレ−移行域となり、この斜線よ
りも下方の範囲DDでは短絡移行域となる。図14(A
)のメソスプレ−移行域CCでは、ワイヤ送給速度WF
を一定にしておいて、前述したように、ア−ク長Lを短
くしていくと溶接電流の平均値Iaが減少している。こ
のことは、溶接電流を定電流制御して溶接電流値を一定
にしておいてア−ク長を短くするとワイヤ送給量すなわ
ち送給されたワイヤの溶融速度が増大したことに相当す
るので、ア−ク電圧の低下とともにワイヤ溶融量が増大
してア−ク長Lが長くなる方向に自動的にア−ク長が制
御される、いわゆるア−ク固有の自己制御作用が存在す
る。アルミニウムの溶接においてはこの作用が特に顕著
に現われる。
【0081】上記の同図(A)のメソスプレ−移行域C
Cでは、ワイヤ送給速度、例えばWF1 において、白
丸印及び点線は、第1パルス電流群を1パルス1溶滴に
なるように制御した場合を示し、黒丸印及び実線は、第
1パルス電流群又はパルスなしの第1溶接電流値を微小
な短絡が発生する値に設定したメソスプレ−方式を示す
。 同図(A)のメソスプレ−移行域のア−ク長Lが2乃至
9[mm]の範囲内では、実線で示すメソスプレ−方式
が、点線で示す1パルス1溶滴移行方式よりも、曲線の
曲がりの程度が大になっている。したがって、第1パル
ス電流群又は第1溶接電流をメソスプレ−方式に設定し
た方が、同一ワイヤ送給速度及び同一溶接電流値におい
て、ワイヤ溶融量が大きく変化して、微小短絡時間が短
くなり、また微小短絡回数が減少するので、ア−ク長を
より短く設定することが可能になる。
【0082】以上の理由によって、スプレ−移行域BB
においては、1パルス1溶滴移行方式に設定し、メソス
プレ−移行域CCにおいては、微小短絡を発生させるメ
ソスプレ−方式に設定して、この両者を周期的に切換え
ることによって、ア−クの広がりによる溶融池の拡大と
ア−クの集中による溶融金属の充填とが交互に繰り返さ
れるので、溶融金属の制御の効果が、短絡を発生しない
スプレ−移行域BBだけで制御する場合よりも大きい。 なお、本発明の溶接方法においては、第1パルス電流群
又は第1溶接電流によって発生する微小短絡は、短絡回
数が2乃至8[回/秒]であり、1回の短絡時間が1.
5[ms]以下であるので、短絡溶滴移行は行われない
。 通常の短絡溶滴移行(ショ−トア−ク)溶接の短絡は、
短絡回数が20乃至100[回/秒]で、微小短絡以外
に、1回の短絡時間が2[ms]以上であるので、本発
明の溶接方法における上記の微小短絡とは、明らかな差
異が認められる。したがって、公知技術のスプレ−溶滴
移行と短絡溶滴移行とを周期的に繰り返す方式に比較し
て、本発明の溶接方法は、TIGフィラア−ク溶接と同
様の規則正しい波形状ビ−ド外観が得られる。
【0085】溶接電流の平均値Ia又は溶接電流の変化
値△Ia[A]とア−ク電圧の変化値△Va[V]とア
−ク長の変化値Le[mm]との関係について、図15
及び図16を参照して説明する。 (実施例3…図15の説明)図15は、前述した本発明
の基本溶接方法の実施例であって、ワイヤ送給速度の設
定値が一定になるように設定しておいて、ア−ク電圧の
変化値△Va[V](横軸)に対するア−ク長の変化値
Le[mm](縦軸)を示す図である。同図の溶接条件
は、直径1.2[mm]のアルミニウムワイヤA518
3に、パルス電流値IP=280[A]、パルス幅TP
=1.2[ms]のパルス電流を通電して、曲線A10
0に示すように溶接電流の平均値Ia=100[A]で
ア−ク電圧値の平均値Va=19[V]又は曲線A20
0に示すように溶接電流の平均値Ia=200[A]で
ア−ク電圧値の平均値Va=20[V]に設定している
。同図において、溶接電流の平均値Iaを例えば、10
0[A]の設定値から200[A]の大きい設定値にす
ると、ア−ク長の変化値Leを同一の6[mm]を得る
ためには、Ia=100[A]のときは、曲線A100
上の点Q1 で示すようにア−ク電圧の変化値△Va=
1.5[V]であるのに対して、Ia=200[A]の
ときは、曲線A200上のQ2 点で示すようにア−ク
電圧の変化値△Va=2.0[V]と大きくなっている
。すなわち、溶接電流の平均値Iaが大になるほど、ア
−ク電圧の変化値△Vaを大きくしないと、同じア−ク
長の変化値Leを得ることができない。
【0086】(実施例4…図16の説明)図16は、従
来のワイヤ送給速度を大きく切換えて溶接電流を大きく
変化させて溶接した場合及び前述した本発明の追加溶接
方法において、溶接電流値及びア−ク電圧値を変化させ
たときのア−ク長の変化値Leを示す図である。同図の
溶接条件は、直径1.2[mm]のアルミニウムワイヤ
A5183に溶接電流の平均値Ia=90[A]でア−
ク電圧値Va=19[V]に設定している。同図におい
て、曲線Le=1、Le=3及びLe=6は、溶接電流
の変化値△Ia[A](横軸)及びア−ク電圧の変化値
△Va[V]に対するア−ク長の変化値Leがそれぞれ
1、3及び6[mm]の等しい測定点を接続している。   同図の縦軸は、溶接電流の変化値△Ia=0すなわ
ちワイヤ送給速度を変化させないで溶接電流の平均値I
aを一定とした基本溶接方法と同様の場合であって、L
e=1、Le=3及びLe=6[mm]を得るためのア
−ク電圧の変化値△Vaはそれぞれ0.3[V]、1.
1[V]及び2.0[V]になっている。
【0087】同図の横軸上の△Ia=50[A]は、従
来のワイヤ送給速度を大きく切換えて溶接電流の変化値
△Iaを大きく変化させた場合であって、点Q51、点
Q53及び点Q56に示すように、ア−ク長の変化値L
e=1、Le=3及びLe=6[mm]を得るためには
、それぞれア−ク電圧の変化値△Va=1、△Va=3
.1[V]及び△Va=6[V]が必要となる。
【0088】これに対して、本発明の追加の溶接方法に
おいて、溶接電流の変化値△Iaを、溶接電流の平均値
Ia例えば100[A]の10〜20[%]の範囲内の
15[A]としたときは、点Q11、Q13及び点Q1
6に示すように、ア−ク長の変化値Le=1、Le=3
及びLe=6[mm]を得るためには、それぞれア−ク
電圧の変化値△Va=0.3、△Va=1.5及び△V
a=2.5[V]であって、従来の溶接方法よりも小さ
な値でよいことがわかる。
【0089】従来の溶接電流を大きく変化させる溶接方
法において、ア−ク長を大きく変化させるためには、ア
−ク電圧の変化値△Vaを大きくしなければならないの
で、そのためには、第1パルス電流群のパルス電流値、
パルス幅、パルス周波数及びベ−ス電流値に対して第2
パルス電流群のパルス電流値又はパルス幅又はパルス周
波数又はベ−ス電流値又はこれらの2以上を大きく変化
させる必要がある。ベ−ス電流値を大きくしすぎると、
溶滴移行をパルスに同期させることができなくなり、又
パルス電流値を大きくしすぎると、ア−ク力が強くなり
すぎて、溶込み深さが大きくなって溶け落ちを生じる。 したがって、従来の溶接電流値を大きく変化させる溶接
方法においては、ア−ク長を大きく変化させることがで
きなかった。
【0090】溶接電流の平均値Ia又は溶接電流平均値
の変化値△Ia[A]とア−ク電圧の変化値△Va[V
]とア−ク長の変化値Le[mm]との関係について、
図17及び図18を参照して説明する。 (実施例5…図17の説明)図17は、前述した本発明
の基本溶接方法であって、ワイヤ送給速度の設定値を溶
接電流の平均値Iaが一定になるように設定しておいて
、ア−ク電圧の変化値△Va[V](横軸)に対するア
−ク長の変化値Le[mm](縦軸)を示す図である。 同図の溶接条件は、直径1.2[mm]のステンレス鋼
ワイヤSUS308に、パルス電流値IP=380[A
]、パルス幅TP=1.2[ms]のパルス電流を通電
して、曲線S100に示すように溶接電流の平均値Ia
=100[A]でア−ク電圧値Va=20[V]又は曲
線S200に示すように溶接電流の平均値Ia=200
[A]でア−ク電圧の平均値Va=22[V]に設定し
ている。同図において、溶接電流の平均値Iaを例えば
、100[A]の設定値から200[A]の大きい設定
値にすると、ア−ク長の変化値Leを同一の6[mm]
を得るためには、Ia=100[A]のときは、曲線S
100上の点Q3 で示すようにア−ク電圧の変化値△
Va=3.0[V]であるのに対して、Ia=200[
A]のときは、曲線S200上のQ4 点で示すように
ア−ク電圧の変化値△Va=3.5[V]と大きくなっ
ている。すなわち、溶接電流の平均値Iaが大になるほ
ど、ア−ク電圧の変化値△Vaを大きくしないと、同じ
ア−ク長の変化値Leを得ることができない。
【0091】(実施例6…図18の説明)図18は、従
来のワイヤ送給速度を大きく切換えて溶接電流を大きく
変化させて溶接する方法及び前述した本発明の追加の溶
接方法において、溶接電流及びア−ク電圧を変化させた
ときのア−ク長の変化値Leを示す図である。同図の溶
接条件は、直径1.2[mm]のステンレス鋼ワイヤS
US308に溶接電流の平均値Ia=90[A]でア−
ク電圧の平均値Va=19[V]に設定している。同図
において、曲線Le=1、Le=3及びLe=6は、溶
接電流の変化値△Ia[A](横軸)及びア−ク電圧の
変化値△Va[V]に対するア−ク長の変化値Leがそ
れぞれ1、3及び6[mm]の等しい測定点を接続して
いる。同図の縦軸は、溶接電流の変化値△Ia=0すな
わちワイヤ送給速度を変化させないで溶接電流の平均値
Iaを一定とした基本溶接方法と同様の場合であって、
Le=1、Le=3及びLe=6[mm]を得るための
ア−ク電圧の変化値△Vaはそれぞれ0.7[V]、1
.5[V]及び3.0[V]になっている。
【0092】同図の横軸上の△Ia=50[A]は、従
来のワイヤ送給速度を大きく切換えて溶接電流の変化値
△Iaを大きく変化させた場合であって、点Q61、点
Q63及び点Q66に示すように、ア−ク長の変化値L
e=1、Le=3及びLe=6[mm]を得るためには
、それぞれア−ク電圧の変化値△Va=2、△Va=4
[V]及び△Va=6[V]が必要となる。
【0093】これに対して、本発明の基本溶接方法にお
いて、溶接電流の変化値△Iaを、溶接電流の平均値I
a例えば90[A]の10〜20[%]の範囲内の20
[A]としたときは、点Q21、Q23及び点Q26に
示すように、ア−ク長の変化値Le=1、Le=3及び
Le=6[mm]を得るためには、それぞれア−ク電圧
の変化値△Va=1.0、△Va=2.2及び△Va=
4.0[V]であって、従来の溶接方法よりも小さな値
でよいことがわかる。以下、図16と同じ説明であるの
で省略する。
【0094】(請求項4…電流切換の説明)図11(A
)において、第1パルス電流群と第2パルス電流群とを
、同図(B)に示す切換信号によって、第2パルス通電
期間T2 と第1パルス通電期間T1との通電比率Ds
=T2/(T1 +T2 )で切換える。この切換周波
数F=1/(T1 +T2 )は、目的とする溶接結果
を得るために、例えば0.5〜25Hzの適正値が選定
される。またこのパルス切換周波数は、溶接速度と関係
が大であって、安定したア−クにより、良好な溶接結果
を得るために、例えば、溶接速度[cm/ min]と
切換周波数とは、
【表1】のように選定するとよい。
【0095】表1のように、溶接速度と適正な溶接結果
を得るための切換周波数とは関係が大であるので、溶接
速度の設定信号に対応した周波数の切換信号を発生させ
て第1パルス通電期間T1 と第2パルス通電期間T2
 とを切換えることができる。次に、通電比率Dsの選
定について考えると、第2パルス通電期間T2 が第1
パルス通電期間T1 よりも大になると、ア−ク長が大
で小さなスパッタが発生しやすいので、この第2パルス
通電期間T2 は、第1パルス通電期間T1 よりも短
くし、通電比率Ds=T2 /(T1 +T2 )は0
.5以下が適切である。さらに、前述した図11に示す
ように、第1パルス電流IP1 から第2パルス電流I
P2 へのパルス電流変化値が大きいときに、一度に切
換えるとスパッタが発生しやすいので、パルス電流値は
、複数回のステップ状又はスロ−プ状に漸増又は漸減又
はその両方で、切換えることが望ましい。
【0096】(図19の説明)図19は、請求項7及び
図14において説明した微小短絡を発生するメソスプレ
−移行域CCにおいてMIGア−ク溶接を実施する溶接
装置の実施例のブロック図である。通常、メソスプレ−
移行域で溶接するときは、溶接出力制御回路は定電流特
性であり、ワイヤ送給速度は、予め設定された一定値で
あり、ア−ク長は前述したア−ク固有の自己制御作用に
より略一定値に制御されている。短絡が発生したときは
、短絡を判別して通常の溶接電流よりも大きい短絡時電
流を通電してア−クを再点弧させている。本実施例の溶
接装置において、このメソスプレ−移行域CCでMIG
ア−ク溶接をする場合、溶接出力が定電流特性であるの
で、ア−ク長を周期的に切換えるためには、溶接電流の
設定値を切換えるか又はワイヤ送給速度の設定値を切換
えるかの2つの方法がある。溶接電流設定値を切換える
とワイヤ送給速度も同時に変更しなければならないので
、本実施例においては、ワイヤ送給速度を周期的に切換
えることによって、ア−ク長を周期的に変化させる方式
を採用した。図19において、第1ワイヤ送給速度設定
回路WH及び第2ワイヤ送給速度設定回路WLは、それ
ぞれ第1及び第2溶接条件におけるア−ク長を設定する
回路であって、第1ワイヤ送給速度設定信号Wh及び第
2ワイヤ送給速度設定信号Wlを出力する。切換回路H
Lは、第1溶接条件と第2溶接条件とを切換える切換信
号Hlを出力する。ワイヤ送給速度切換回路SW7は、
切換信号Hlによって信号WhとWlとを切換えて切換
ワイヤ送給速度信号S7 を出力する。ワイヤ送給速度
比較回路CM1は、信号S7 と速度検出信号Wdを入
力としてその差のワイヤ送給速度制御信号Cm1 を出
力する。第1定電流設定回路IS1は、ア−ク長小の第
1定電流I1 を通電する第1定電流設定信号Is1 
を出力する。第2定電流設定回路IS2は、ア−ク長大
の第2定電流I2 を通電する第2定電流設定信号Is
2 を出力する。定電流切換回路SW8は切換定電流信
号S8 を出力し、短絡時電流設定回路ITは、ア−ク
発生中の溶接電流よりも大きい電流を通電するための短
絡時電流設定信号Itを出力する。短絡判別回路SDは
、ア−ク電圧検出回路VDが出力するア−ク電圧検出信
号Vdを入力として短絡が発生したときに短絡判別信号
Sdを出力する。短絡時電流切換回路SW9は、短絡判
別信号Sdが入力されたときに、切換定電流信号S8 
を短絡時電流設定信号Itに切換えて短絡切換信号S9
 を出力する。溶接電流比較回路CM6は、短絡切換信
号S9 と溶接電流検出回路IDが出力する溶接電流検
出信号Idとを入力して、その差の溶接電流制御信号C
m6 を、溶接出力制御回路PSへ出力して、溶接電流
を制御する。このように、メソスプレ−移行域CCにお
けるアルミニウムのMIG溶接においては、ア−クが酸
化皮膜のある遠方まで飛ぶために実際のア−ク長の変動
が大でア−ク電圧の変動も大になるので、ア−ク電圧を
検出してア−ク長を制御することが困難であるために、
本実施例のように、ワイヤ送給速度を周期的に切換える
ことによって、消耗電極先端1aと被溶接物の溶融池表
面との最短距離であるア−ク長を変化させることによっ
て、溶け込み形状を制御する。図19において、第1定
電流設定回路IS1と第2定電流設定回路IS2とを切
換信号Hlで切り換えたときは、前述した図8の動作点
AとBとを移動する。 また、図19において、第1ワイヤ送給速度設定回路W
Hと第2ワイヤ送給速度設定回路WLとを切り換えたと
きは、前述した図8の動作点AとCとを移動し、溶接電
流値I1 は変化しないでア−ク長がLtからLr に
変化し、ア−ク電圧値もV1 からV3に変化する。
【0097】(請求項8の溶接方法)請求項8のパルス
MAGア−ク溶接方法は、ワイヤ送給速度を略一定にし
ておいて、パルス電流群の第1溶接電流を微小短絡のと
もなうスプレ−移行を形成する値に設定しておき、パル
スなしの第2溶接電流値を微小な短絡が発生しないでス
プレ−移行のみの範囲内で、周期的に切換えることによ
って図7に示すように、ワイヤの給電チップ先端4aと
ワイヤ先端1a又は1bとのワイヤ突き出し長Ln又は
Lmを周期的に変化させて、ワイヤ先端4aと被溶接物
2の表面との最短距離のア−ク長(ア−ク長)LrとL
tを周期的に変化させるパルスMAGア−ク溶接方法で
ある。さらに、具体的に説明すると、請求項8のパルス
MAGア−ク溶接方法は、パルス電流群の第1溶接電流
とパルスなしの第2溶接電流とを周期的に切換えた溶接
電流を通電して溶接するパルスMAGア−ク溶接方法に
おいて、ワイヤを予め設定した一定のワイヤ送給速度で
送給し、第1溶接電流の各パルスのパルス電流値、パル
ス通電時間及びパルス周期並びにベ−ス電流値を、微小
短絡をわずかにともなって各パルス電流と同期してワイ
ヤから被溶接物に溶滴が移行する値に設定しておき、第
2溶接電流値を、微小な短絡が発生しないでスプレ−移
行のみの範囲内で通電して、ワイヤの給電チップ先端と
ワイヤ先端とのワイヤ突き出し長を変化させて、ア−ク
長を周期的に変化させて溶接するパルスMAGア−ク溶
接方法である。
【0098】(実施例7  図20の説明)実施例7は
、アルミニウムのパルスMIGア−ク溶接において、直
径1.2[mm]のアルミニウム合金A5183を使用
して板厚6[mm]のアルミニウム合金A5052を、
本発明の溶接方法で溶接した場合である。図20(A)
は、下記の溶接条件で溶接した場合の溶接ビ−ドの外観
を示し、図1に示すTIGフィラア−ク溶接と同様の規
則正しい波形状ビ−ド外観が得られている。
【0099】第1溶接電流が定電流特性の直流電流で、
第2溶接電流が定電流特性のパルス電流であり、溶接電
流平均値    Ia=150[A]である。 第1ア−ク電圧    Va1 =21.0[V](微
小短絡スプレー溶滴移行  ア−ク長Lt=3[mm]
) 第2ア−ク電圧    Va2 =22.5[V](1
パルス1溶滴移行  ア−ク長Lr=8[mm])切換
周波数        F=2[Hz]溶接速度   
 WS=40[cm/min]1パルス1溶滴移行のパ
ルス条件 パルス電流値      IP=320[A]パルス通
電時間    TP=1.2[ms]ベ−ス電流値  
    IB=30[A]
【0100】第1溶接電流が
定電流特性のパルス電流で、第2溶接電流が定電流特性
の直流電流であり、溶接電流平均値    Ia=15
0[A]である。 第1ア−ク電圧    Va1 =19.5[V](微
小短絡スプレー溶滴移行  ア−ク長Lt=3[mm]
) 第2ア−ク電圧    Va2 =22.5[V](ス
プレ−移行  ア−ク長Lr=8[mm])切換周波数
        F=2[Hz]溶接速度    WS
=40[cm/min]微小短絡複数パルス1溶滴移行
のパルス条件パルス電流値      IP=320[
A]パルス通電時間    TP=1.2[ms]ベ−
ス電流値      IB=30[A]また、上記と同
一条件で溶接したときの溶接進行方向の溶込み深さは、
公知技術においては同図(C)に示すように、溶接進行
方向にしたがって次第に増加していたが、本発明の溶接
方法においては、同図(B)に示すように、溶接進行方
向に対して、切換周波数Fに同期して、一定値を繰り返
し、安定した溶込み深さが得られている。
【0101】(実施例8  図21の説明)図21(A
)は、請求項8の溶接方法を実施する波形図であって、
各図において、第1溶接電流は、パルス電流群から成り
、ア−ク長が2〜4mm程度の短いア−ク長であって、
スプレ−移行中に時々微小短絡を生じるメソスプレ−移
行をさせるパルス電流でその溶接電流の平均値はM1 
である。第2の溶接電流はア−ク長が6mmをこえる微
小短絡の発生がなくスプレ−移行をさせる直流電流でそ
の平均値はI2 である。図21(B)は、第1溶接電
流と第2溶接電流との切換信号Hlである。
【0102】(図22乃至図24の説明)図22乃至図
24は、請求項9の説明図である。図22(A)は、1
パルス1溶滴移行させるときのワイヤ先端から溶滴が離
脱する現象の時間的経過を示す図であり、同図(B)は
、パルス電流の時間的経過を示す図である。同図(B)
において、P1 は各パルス電流、IP1 はパルス電
流値、TP1 はパルス幅、D1 はパルス周期であっ
て、各パルス電流P1 の時間的経過の各位置R1 点
からR5点にまで対応して、同図(A)に示すようにワ
イヤ先端1eが溶融し、溶融球1c が形成され、溶融
球1cがワイヤ先端1aから離脱して溶滴1dが被溶接
物2に移行する。このように、1パルス1溶滴移行1P
1Dは、各パルスごとに溶滴移行が行われる。
【0103】(図23の説明)図23(A)は、複数パ
ルス1溶滴移行させるときのワイヤ先端から溶滴が離脱
する現象の時間的経過を示す図であり、同図(B)は、
パルス電流の時間的経過を示す図である。前述した 1
P1Dの範囲よりもパルス電流値Ip又はパルス幅TP
又はその両者を減少させてア−ク長を短くすると、図2
3(A)の時刻t3 において、ワイヤ先端1aから溶
滴1dが離脱直後となる状態が発生し、そのときのパル
ス電流は、第1パルス電流群の第1番目のパルス電流P
11と同期する。その後、第2番目乃至第4番目のパル
ス電流P12乃至P14においては溶滴が移行していな
い。すなわち、第1パルス電流群においては、複数のパ
ルス電流のうちの1つのパルス電流と溶滴移行とが同期
する複数パルス1溶滴移行の状態が発生している。この
複数パルス1溶滴移行範囲 nP1Dにおいてはスパッ
タの発生がなく、1パルス1溶滴移行範囲 1P1Dと
同様に実用になる。
【0108】しかし、パルス電流値IP又はパルス通電
時間TP又はその両者を、複数パルス1溶滴移行範囲 
nP1Dよりも減少させると、短絡が発生し始めパルス
電流値と溶滴移行とが同期しなくなり、短絡によってス
パッタが発生する。したがって、この短絡移行範囲DR
Pは、本発明の溶接方法の他の応用であるアルミニウム
のMIGア−ク溶接におけるTIGフィラア−ク溶接の
ような「うろこ状ビ−ド」を得ることができないために
本発明の溶接方法の適用範囲から除外される。
【0109】(図24及び図25の説明)図24は、直
径1.2[mm]のアルミニウムワイヤA5183を使
用して溶接電流の平均値Ia=100[A]のパルス電
流を通電した時のパルス幅TP[ms](横軸)とパル
ス電流値IP[A](縦軸)との関係に対する溶滴移行
形態を示す説明図である。同図において、符号DRP、
 nP1D及び 1P1Dは、図22及び図23におい
て説明したように、それぞれ短絡移行範囲、複数パルス
1溶滴移行範囲及び1パルス1溶滴移行範囲である。符
号CCは微小短絡が発生する範囲で、1パルス複数溶滴
移行範囲 nP1Dの範囲の全部と1パルス1溶滴移行
範囲1P1Dの下限に近い一部分と短絡移行範囲DRP
の上限の一部分とから成り、図14において説明したメ
ソスプレ−移行域CCと略同一である。図25は、直径
1.6[mm]のアルミニウムワイヤA5183を使用
して溶接電流の平均値Ia=120[A]のパルス電流
を通電したときのパルス幅TP[ms](横軸)とパル
ス電流値IP[A](縦軸)との関係に対する溶滴移行
形態を示す説明図である。以下、図24の説明と同一な
ので省略する。
【0110】(図26の説明)図26は、直径1.2[
mm]のアルミニウムワイヤA5183を用いて実線C
Cに示す微小短絡がある複数パルス1溶滴移行の溶接方
法と点線 1P1Dに示す1パルス1溶滴移行の溶接方
法とについて、溶接電流の平均値Ia[A](横軸)と
ア−ク長の変化値Le[mm]の最大値との関係を示す
図である。同図において、溶接電流の平均値Ia=60
[A]では、点線 1P1Dの溶接方法ではア−ク長の
変化値の最大値Le=2[mm]であるのに対して、実
線CCの溶接方法ではア−ク長の変化値の最大値Le=
4[mm]であって、2倍まで拡大されている。それに
よって、実線CCの溶接方法においては、薄板の小電流
の溶接において、点線 1P1Dの溶接方法における各
種用途の範囲を、さらに拡大することができる。
【0111】(実施例9  図27の説明)図27は、
請求項8及び9のパルスMAGア−ク溶接方法を実施す
る溶接装置の実施例のブロック図である。図19の第1
定電流設定回路IS1及び定電流切換回路SW8の代り
に、パルス電流を通電する制御回路が設けられている。 図19と同一の構成の説明は省略する。図27において
、パルス電流値設定回路IPはパルス電流値設定信号I
pを出力し、ベ−ス電流設定回路IBはベ−ス電流値設
定信号Ibを出力する。パルス幅設定回路TPはパルス
幅設定信号Tpを出力する。パルス周波数制御信号発生
回路VF3は、ア−ク電圧制御信号Cm2 に対応して
、パルス周波数制御信号Vf3 を出力する。パルス幅
周波数制御信号発生回路DF3は、パルス幅設定信号T
pとパルス周波数制御信号Vf3 とから成るパルス幅
周波数制御信号Df3 を出力する。パルスベ−ス電流
切換回路SW5は、第1溶接電流においては、パルス電
流設定信号Ipとベ−ス電流設定信号Ibとを、第1パ
ルス幅周波数制御信号Df3 で定まる周波数fで繰り
返す切換パルスベ−ス電流信号S5 を出力し、次に第
2溶接電流においては、定電流設定回路IS2に設定さ
れた定電流設定信号Is2 を出力する。なお、短絡時
電流切換回路SW9は、定電流設定信号Is2 と短絡
時電流設定信号Itとを切り換えて短絡切換信号S9 
を出力し、パルス定電流切換回路SW10は、溶接電流
制御信号Cm6 と切換パルスベ−ス電流信号S5 と
を切り換えて、パルス定電流切換信号S10を溶接出力
制御回路PSへ出力する。
【0120】請求項10乃至14の溶接方法は、第1ア
−ク長を得る第1溶接電流が第1パルス電流群であり、
第2ア−ク長を得る第2溶接電流も第2パルス電流群を
通電する。請求項11及び12の溶接方法において、第
1パルス電流群の電流値が小でア−ク長が短いときは、
請求項8の溶接方法において説明した微小短絡を発生す
るスプレ−移行となる。請求項13及び14の溶接方法
においては、第1パルス電流値が比較的大きいかア−ク
長が比較的に長いときに微小短絡を発生しないスプレ−
移行となる。
【0121】本発明の溶接方法において、短絡移行をさ
せないで、第1パルス電流群及び第2パルス電流群を通
電することができるパルス電流値IPとパルス幅TPと
の適正範囲と移行形態との関係について説明する。
【0122】(実施例10…図28の説明)図28は、
直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤ(JISのYGW−1
2)及びシ−ルドガスとしてアルゴン80%と炭酸ガス
20%の混合ガスを用いて、溶接電流平均値100[A
]でア−ク長を3[mm]にしてパルスMAGア−ク溶
接をして、パルス通電時間TP[ms](横軸)とパル
ス電流値IP[A](縦軸)との関係において、1パル
ス1溶滴移行が得られる範囲は図面内の斜線で示した 
1P1Dで示す範囲内である。図29は、直径1.2[
mm]のステンレス鋼ワイヤ及びシ−ルドガスとしてア
ルゴン98[%]と酸素2[%]との混合ガスを用いて
、溶接電流平均値100[A]でア−ク長を3[mm]
にして溶接して、パルス通電時間TP[ms](横軸)
とパルス電流値IP[A](縦軸)との関係において、
1パルス1溶滴移行が得られる範囲は図面内の斜線に示
した 1P1Dの範囲内である。この図28及び図29
の斜線 1P1Dの範囲は、狭い範囲であって、1パル
ス1溶滴移行の溶接方法において、適正なパルス電流値
又はパルス又はその両者を周期的に切換えることが困難
である。
【0123】そこで、1パルス1溶滴移行が得られる範
囲よりも、さらに短絡移行を生じない範囲で適用範囲の
拡大を図るための溶接方法について説明する。 (図30の説明)図28及び図29の斜線の1パルス1
溶滴移行の範囲 1P1Dよりもパルス電流値IP又は
パルス幅TP又はその両者を減少させてア−ク長を短く
すると、図30(A)の時刻t3 において、ワイヤ先
端1aから溶滴1dが離脱直後となる状態が発生し、そ
のときのパルス電流は、第1パルス電流群の第1番目の
パルス電流P11と同期する。その後、第2番目乃至第
4番目のパルス電流P12乃至P14においては溶滴が
移行していない。すなわち、第1パルス電流群において
は、複数のパルス電流のうちの1つのパルス電流と溶滴
移行とが同期する複数パルス1溶滴移行の状態が発生し
ている。この複数パルス1溶滴移行範囲 nP1Dにお
いてはスパッタの発生がなく、1パルス1溶滴移行範囲
 1P1Dと同様に実用になる。
【0124】しかし、パルス電流値IP又はパルス通電
時間TP又はその両者を、複数パルス1溶滴移行範囲 
nP1Dよりも減少させると、短絡が発生し始めパルス
電流値と溶滴移行とが同期しなくなり、図28及び図2
9に示す短絡移行範囲DRPとなって短絡によってスパ
ッタが発生する。したがって、この短絡移行範囲DRP
は、本発明の溶接方法の他の応用であるアルミニウムの
MIGア−ク溶接におけるTIGフィラア−ク溶接のよ
うな「うろこ状ビ−ド」を得ることができないために本
発明の溶接方法の適用範囲から除外される。
【0125】次に、図28において示した斜線の1パル
ス1溶滴移行 1P1Dの範囲のパルス電流値IP及び
パルス幅TPよりも増加させてア−ク長を長くすると、
図30(A)の時刻t8 及びt9 において、ワイヤ
先端1aから溶滴1dが2回離脱する状態が発生し、そ
のときのパルス電流は、第2パルス電流群の第1番目の
パルス電流P21と同期する。その後、第2番目のパル
ス電流P22においても溶滴1dが2回離脱する状態が
発生している。すなわち、パルス電流と次のパルス電流
とのパルス周期間に、複数の溶滴移行が行われ、その溶
滴移行の少なくとも1つがパルス電流に同期する1パル
ス複数溶滴移行範囲 1PnDとなる。
【0126】この範囲よりもさらに、パルス電流値及び
パルス幅が大になると、ワイヤ先端の溶融金属が糸状に
細く伸びて溶滴移行がパルス電流の通電とは無関係すな
わち全く同期しないストリ−ミング移行範囲STRとな
る。この範囲STRにおいては、ワイヤ突き出し長の変
動、ワイヤ送給速度の変動等に対してア−ク長が即時に
追従することができなく、短絡が発生してスパッタが発
生する。
【0127】上述した1パルス複数溶滴移行範囲 1P
nDと1パルス1溶滴移行範囲 1P1Dと複数パルス
1溶滴範囲 nP1Dとの3つの範囲を含めたパルス電
流の通電と溶滴移行とが同期する範囲をプロジェクト移
行範囲と呼んでいる。
【0128】したがって、請求項11及び13の溶接方
法は、第1パルス電流群は、複数パルス1溶滴移行範囲
 nP1Dのア−ク長の短い範囲に設定し、第2パルス
電流群は、1パルス複数溶滴移行範囲 1PnDのア−
ク長の長い範囲に設定して、この両者を周期的に切換え
るようにした溶接方法である。また請求項11乃至14
の溶接方法は、1パルス1溶滴移行範囲 1P1Dの外
側の複数パルス1溶滴移行範囲 nP1D及び1パルス
複数溶滴移行範囲 1PnDをも対象としているので、
パルス電流値及びパルス幅の選定範囲を大幅に拡大させ
ることができるので、ア−ク長の変化値Leを大にする
ことができ、各種用途の適用範囲を拡大することができ
る。
【0129】(実施例11…図29の説明)図29は、
前述したように、ステンレス鋼のパルスMIGア−ク溶
接において、パルス通電時間TP[ms](横軸)とパ
ルス電流値IP[A](縦軸)との関係に対する溶滴移
行形態を示す説明図である。同図において、符号STR
、 1PnD、 1P1D、 nP1D及びDRPは、
図28と同様であるので、説明を省略する。
【0130】(請求項11及び請求項13の溶接方法)
請求項11及び13の第1の溶接方法は、第1パルス電
流群と第2パルス電流群とを周期的に切換えたパルス溶
接電流を通電して溶接するパルスMAGア−ク溶接方法
において、ワイヤを予め設定した一定のワイヤ送給速度
で送給し、第1パルス電流群の各パルスのパルス電流値
、パルス周期、パルス通電時間(パルス幅)及びベ−ス
電流値を、消耗電極から被溶接物に移行する溶滴移行が
複数のパルス電流のいずれかに同期して複数パルス1溶
滴移行を形成する値に設定しておき、第2パルス電流群
のパルス電流値及びパルス通電時間及びパルス周波数及
びベ−ス電流値を、1パルス1溶滴移行を形成する範囲
内で第1パルス電流群と異なる値に設定したパルス溶接
電流を通電して、給電チップ先端とワイヤ先端とのワイ
ヤ突き出し長を変化させて、ワイヤ先端と被溶接物表面
との最短距離のア−ク長を周期的に切換え、ワイヤ送給
速度とワイヤ溶融速度とがアンバランスになってア−ク
長が変動したとき、検出したア−ク電圧によってパルス
周期又はパルス通電時間又はベ−ス電流値又はパルス電
流値を増減させてア−ク長を復帰させ、スプレ−移行の
みで溶接するパルスMAGア−ク溶接方法である。
【0131】請求項11及び13の第2の溶接方法は、
上記第1の溶接方法の第2パルス電流群の1パルス1溶
滴移行のかわりに、1パルス複数溶滴移行にした溶接方
法である。
【0132】請求項11の溶接方法は、第1パルス電流
群のパルス電流値が比較的小さいか、ア−ク長が短いと
きは、前述した図24又は図25の微小短絡発生範囲C
Cの範囲内で溶接する場合である。請求項13の溶接方
法は、図24又は図25の微小短絡発生範囲を除く1パ
ルス1溶滴移行範囲 1P1Dの範囲内で溶接する場合
である。
【0133】(実施例12…図31の説明)実施例12
は、請求項11及び請求項13の実施例である。図31
は、直径1.2[mm]のアルミニウムワイヤA518
3を使用して溶接電流の平均値Ia=100[A]で第
1パルス電流群と第2パルス電流群とを周期的に切換え
て、パルス幅TP[ms](横軸)とパルス電流値IP
[A](縦軸)との関係に対する溶滴移行形態を示す説
明図である。同図において、移行形態とパルス電流値及
びパルス幅とは、高速度カメラによって溶滴移行を撮影
するとともに波形解析によって求めたものである。同図
において、符号STR、 1PnD、 1P1D、 n
P1D及びDRPは、図28において説明したように、
それぞれストリ−ミング移行範囲、1パルス複数溶滴移
行範囲、1パルス1溶滴範囲、複数パルス1溶滴移行範
囲及び短絡移行範囲である。請求項11の溶接方法にお
いては、第1パルス電流群の設定条件の実施例は、ア−
ク長が短い2[mm]で、複数パルス1溶滴移行範囲 
nP1D内のパルス電流値とパルス幅とが図31のb又
はe又はfで示す点、すなわち、それぞれが260[A
]と1.0[ms]、280[A]と0.8[ms]及
び250[A]と1.6[ms]である。次に、第2パ
ルス電流群の設定条件の実施例は、ア−ク長が長く、1
パルス1溶滴移行範囲 1P1D内のa点に示すパルス
電流値が300[A]でパルス幅が2.0[ms]であ
る。これらの第1パルス電流群と第2パルス電流群とを
周期的に切換えて本発明の溶接を実施したとき、図31
に示すように、第1パルス電流群の設定条件b、e及び
fに対して、ワイヤ送給速度を変化させて、ア−ク長L
t又はLr[mm]を変化させたとき、短絡回数Nst
[回/秒]について測定した結果、ア−ク長が2[mm
]未満になると短絡回数が急増するので、本発明の溶接
方法の応用には適切でない。そこで、本発明の溶接方法
においては、ア−ク長を短くする第1パルス電流群の設
定条件として、ア−ク長を2[mm]以上にする必要が
ある。
【0134】(実施例13…図32の説明)図32は、
直径1.6[mm]のアルミニウムワイヤA5183を
使用して溶接電流の平均値Ia=120[A]で第1パ
ルス電流群と第2パルス電流群とを周期的に切換えて、
パルス幅TP[ms](横軸)とパルス電流値IP[A
](縦軸)との関係に対する溶滴移行形態を示す説明図
である。同図において、符号STR、 1PnD、 1
P1D、 nP1D及びDRPは、図28と同じである
。本発明の溶接方法においては、第1パルス電流群の設
定条件の実施例は、ア−ク長が短い3[mm]で、複数
パルス1溶滴移行範囲 nP1Dのパルス電流値とパル
ス幅とが図31のd点に示すパルス電流値が330[A
]でパルス幅が1.2[ms]である。次に、第2パル
ス電流群の設定条件の実施例は、ア−ク長が長く、1パ
ルス1溶滴移行範囲 1P1D内のc点に示すパルス電
流値が370[A]でパルス幅が2.0[ms]である
。これらの第1パルス電流群と第2パルス電流群とを周
期的に切換えて本発明の溶接方法を実施するとき、図3
1の場合と同様に、ア−ク長を短くする第1パルス電流
群の設定条件として、ア−ク長を2[mm]以上にする
必要がある。
【0135】(実施例14…図33の説明)実施例14
は、請求項12及び請求項14の実施例である。図33
は、図31と同じ溶滴移行形態を示す説明図である。請
求項11の溶接方法においては、第1パルス電流群の設
定条件の実施例は、ア−ク長が短い2[mm]で、複数
パルス1溶滴移行範囲 nP1D内のパルス電流値とパ
ルス幅とが図33のmで示す点、すなわち、260[A
]と1.0[ms]である。次に、第2パルス電流群の
設定条件の実施例は、ア−ク長が長く、1パルス複数溶
滴移行範囲 1PnD内のn点に示すパルス電流値が3
50[A]でパルス幅が1.8[ms]である。ア−ク
長が2[mm]未満、特に1.5[mm]以下になると
短絡回数が急増するので、本発明の溶接方法の応用には
適切でない。そこで、本発明の溶接方法においては、ア
−ク長を短くする第1パルス電流群の設定条件として、
ア−ク長を2[mm]以上にする必要がある。
【0136】(実施例15…図34の説明)図34は、
図32と同じ溶滴移行形態を示す説明図である。本発明
の溶接方法においては、第1パルス電流群の設定条件の
実施例は、ア−ク長が短い3[mm]で、複数パルス1
溶滴移行範囲 nP1Dのパルス電流値とパルス幅とが
図34のp点に示すパルス電流値が360[A]でパル
ス幅が1.0[ms]である。次に、第2パルス電流群
の設定条件の実施例は、ア−ク長が長く、1パルス複数
溶滴移行範囲 nP1D内のq点に示すパルス電流値が
400[A]でパルス幅が2.0[ms]である。これ
らの第1パルス電流群と第2パルス電流群とを周期的に
切換えて本発明の溶接方法を実施するとき、図33の場
合と同様に、ア−ク長を短くする第1パルス電流群の設
定条件として、ア−ク長を2[mm]以上にする必要が
ある。
【0137】(図35の説明)図35は、直径1.2[
mm]のアルミニウムワイヤA5183を用いて実線C
に示す複数パルス1溶滴移行範囲 nP1Dの範囲内と
1パルス複数溶滴移行範囲1PnDの範囲内との切り換
え範囲(以下、プロジェクト範囲内という)の溶接方法
と点線Zに示す1パルス1溶滴移行範囲 1P1Dの範
囲内(以下、 1P1Dという)の溶接方法とについて
、溶接電流の平均値Ia[A](横軸)とア−ク長の変
化値Le[mm]の最大値との関係を示す図である。同
図において、溶接電流の平均値Ia=60[A]では、
 1P1Dの溶接方法ではア−ク長の変化値の最大値L
e=3[mm]であるのに対して、プロジェクト範囲内
の溶接方法ではア−ク長の変化値の最大値Le=4[m
m]であり、さらに、溶接電流の平均値Ia=200[
A]では、 1P1Dの溶接方法のア−ク長の変化値の
最大値Le=6[mm]であるのに対して、プロジェク
ト範囲内の溶接方法ではア−ク長の変化値の最大値Le
=8[mm]まで拡大されている。それによって、プロ
ジェクト範囲内の溶接方法においては、薄板の小電流の
溶接において、前述した 1P1Dの溶接方法における
各種用途の範囲を、さらに拡大することができる。
【0138】(図36の説明)図36は、直径1.2[
mm]のステンレス鋼ワイヤSUS308を用いて実線
Dに示すプロジェクト範囲内の溶接方法と点線Zに示す
 1P1Dの溶接方法とについて、溶接電流の平均値I
a[A](横軸)とア−ク長の変化値Le[mm]の最
大値との関係を示す図である。同図において、溶接電流
の平均値Ia=60[A]では、 1P1Dの溶接方法
ではア−ク長の変化値の最大値Le=1.0[mm]で
あるのに対して、プロジェクト範囲内の溶接方法ではア
−ク長の変化値の最大値Le=3[mm]であり、さら
に、溶接電流の平均値Ia=200[A]では、 1P
1D範囲内の溶接方法のア−ク長の変化値の最大値Le
=4[mm]であるのに対して、プロジェクト範囲内の
溶接方法ではア−ク長の変化値の最大値Le=8[mm
]であって、2倍まで拡大されている。それによって、
プロジェクト範囲内の溶接方法においては、薄板の小電
流の溶接において、 1P1D範囲内の溶接方法におけ
る各種用途の範囲を、さらに拡大することができる。
【0140】(請求項12及び請求項14の溶接方法)
請求項12及び14の溶接方法は、第1パルス電流群と
第2パルス電流群とを周期的に切換えたパルス溶接電流
を通電して溶接するパルスMAGア−ク溶接方法におい
て、ワイヤを予め設定した一定のワイヤ送給速度で送給
し、第1パルス電流群の各パルスのパルス電流値、パル
ス通電時間(パルス幅)、パルス周波数及びベ−ス電流
値を、各パルス電流と同期してワイヤから被溶接物に溶
滴が移行する1パルス1溶滴移行を形成する値に設定し
ておき、前記第2パルス電流群のパルス電流値及びパル
ス通電時間及びパルス周波数及びベ−ス電流値を、1パ
ルス1溶滴移行を形成する範囲内で第1パルス電流群と
異なる値に設定したパルス溶接電流を通電して、給電チ
ップ先端とワイヤ先端とのワイヤ突き出し長を変化させ
て、ワイヤ先端と被溶接物表面との最短距離のア−ク長
を周期的に切換え、ワイヤ送給速度とワイヤ溶融速度と
がアンバランスになってア−ク長が変動したとき、検出
したア−ク電圧によってパルス周期又はパルス通電時間
又はベ−ス電流値又はパルス電流値を増減させてア−ク
長を復帰させ、スプレ−移行のみで溶接するパルスMA
Gア−ク溶接方法である。
【0141】請求項12及び14の第2の溶接方法は、
上記第1の溶接方法の第2パルス電流群の1パルス1溶
滴移行のかわりに、1パルス複数溶滴移行にした溶接方
法である。
【0142】請求項12の溶接方法は、第1パルス電流
群のパルス電流値が小さいか、ア−ク長が短いときは、
前述した図24又は図25の微小短絡発生範囲CCの範
囲内で溶接する場合である。請求項14の溶接方法は、
図24又は図25の微小短絡発生範囲を除く1パルス1
溶滴移行範囲 1P1Dの範囲内で溶接する場合である
【0143】(実施例16…図37及び図39の説明)
図37は、図31と同じ溶滴移行形態を示す説明図であ
る。請求項14の溶接方法においては、第1パルス電流
群の設定条件の実施例は、ア−ク長が短い3[mm]で
、1パルス1溶滴移行範囲 1P1D内のパルス電流値
とパルス幅とが図37のgで示す点、すなわち、280
[A]と1.2[ms]である。次に、第2パルス電流
群の設定条件の実施例は、ア−ク長が長く、1パルス複
数溶滴移行範囲1PnD内のh点に示すパルス電流値が
350[A]でパルス幅が1.8[ms]である。
【0144】これらの第1パルス電流群と第2パルス電
流群とを周期的に切換えて本発明の溶接を実施したとき
、図39に示すように、ワイヤ送給速度WF=500[
cm/min ]の一定値にしておいて、第1及び第2
パルス電流群の設定条件をgとhとに変化させることに
よって、ア−ク長をLtとLr[mm]とに変化させた
とき、第1及び第2パルス通電期間のそれぞれの溶接電
流平均値M1 及びM2 [A](横軸)とそれぞれの
溶接電流の平均値のときのア−ク電圧値Va1 及びV
a2 [V](縦軸)との関係を示す。この図39にお
いて、第1パルス電流値IP1=280[A]及び第1
パルス幅TP1=1.2[ms]の動作点gにおいては
、ア−ク長Lt=3[mm]、第1ア−ク電圧値Va1
 =18.5[V]、第1パルス通電期間の溶接電流平
均値M1=97.5[A]であり、第2パルス電流値I
P2=350[A]及び第2パルス幅TP2=1.8[
ms]の動作点hにおいては、ア−ク長Lr=9[mm
]、第2ア−ク電圧値Va2 =20.0[V]、第2
パルス通電期間の溶接電流平均値M2 =101.5[
A]である。なお第1パルス電流値IP1及び第1パル
ス幅TP1を一定にしておいて、後述する溶接装置の第
1ア−ク電圧設定回路VS1の第1ア−ク電圧設定値V
s1をア−ク長が9[mm]になるように設定すると、
パルス周波数又はベース電流値が増加して、曲線ga上
の動作点g1に移動し、このときのア−ク電圧値Va3
 =21.5[V]で溶接電流値は98.5[A]であ
る。この点gに対する点g1と点hとを比較すると、パ
ルス電流値及びパルス幅を変化させないで、パルス周波
数又はベース電流値を変化させて、点gから点g1に変
化させるには、ア−ク電圧の変化値が3[V]必要であ
るのに対して、パルス電流値及びパルス幅を変化させて
点gから点hに変化させると、溶接電流の平均値の変化
率が(101.5−97.5)/97.5 ×100=
4.1 [%]に対してア−ク電圧値はVa2 −Va
1 =1.5[V]の変化ですむ。すなわち、ア−ク長
を同じ3[mm]から9[mm]に変化させるときに、
点gから点g1に変化させるには、ア−ク電圧の変化値
を3[V]も変化させなければならないのに、点gから
点hに変化させるには、溶接電流の平均値は若干(4%
)増加しているが、ア−ク電圧の変化値が半分の1.5
[V]でよいことになる。このことは、点gから点hへ
のア−ク長がア−ク電圧値の変化だけでなく、ワイヤの
溶融速度が増加していることを意味する。したがって、
点gでは、このワイヤの溶融速度の増加によって、複数
パルス1溶滴移行が実現され、短絡を生じることなく安
定にア−クを維持することができる。なお、図39にお
いて、直線Vg、Vh及びViは、それぞれ動作点g、
h及びg1と同じパルス電流値及びパルス幅にしておい
て溶接電源のパルス周波数又はベース電流値を変化させ
たときのアーク電圧値を示す。また、同図の曲線又は直
線上の1.5、3、6、9及び12は、出力電流値とア
ーク電圧値との各動作点におけるア−ク長[mm]を示
す。
【0145】(実施例17…図38の説明)図38は、
図32と同じ溶滴移行形態を示す説明図である。請求項
14の溶接方法においては、第1パルス電流群の設定条
件の実施例は、ア−ク長が短い3[mm]で、1パルス
1溶滴移行範囲 1P1Dのパルス電流値とパルス幅と
が図38のj点に示すパルス電流値が360[A]でパ
ルス幅が1.4[ms]である。次に、第2パルス電流
群の設定条件の実施例は、ア−ク長が長く、1パルス複
数溶滴移行範囲 1PnD内のk点に示すパルス電流値
が400[A]でパルス幅が2.0[ms]である。こ
れらの第1パルス電流群と第2パルス電流群とを周期的
に切換えて請求項14の溶接方法を実施する。
【0146】(図40の説明)図40は、直径1.2[
mm]のアルミニウムワイヤA5183を用いて実線B
に示す1パルス1溶滴移行 nP1Dの範囲内と1パル
ス複数溶滴移行 1PnDの範囲内との切り換え範囲(
以下、 nP1D− 1P1Dという)の溶接方法と点
線Zに示す1パルス1溶滴移行範囲内(以下、 1P1
Dという)の溶接方法とについて、溶接電流の平均値I
a[A](横軸)とア−ク長の変化値Le[mm]の最
大値との関係を示す図である。同図において、溶接電流
の平均値Ia=200[A]では、1P1Dの溶接方法
ではア−ク長の変化値の最大値Le=6[mm]である
のに対して、 nP1D− 1P1Dの溶接方法ではア
−ク長の変化値の最大値Le=8[mm]まで拡大され
ている。それによって、 nP1D− 1P1Dの溶接
方法においては、 1P1Dの溶接方法における各種用
途の範囲を、拡大することができる。
【0150】(請求項15の説明)請求項15の溶接方
法は、溶接電流値を周期的に切り換えることによって第
1ア−ク長Ltと第2ア−ク長Lrとに変化させている
。パルス電流における溶接電流の平均値Iaは、図11
を参照して次式で表わされる。 Ia=[IP・TP+IB(D−TP)]/Dただし、
IP…パルス電流値 TP…パルス幅 IB…ベ−ス電流値 D  …パルス周期(D=1/fでfはパルス周波数)
したがって、溶接電流の平均値Iaを切り換えるには、
上記のIP、TP、IB及びfの1以上を切換周波数F
で切り換えればよい。他方、ワイヤ送給速度の変動、被
溶接物表面と給電チップとの距離の変動等による外乱に
対して、第1ア−ク長Lt及び第2ア−ク長Lrをそれ
ぞれ予め設定した範囲内に維持して短絡又はア−ク長の
過大を防止しなければならない。そのためには、ア−ク
電圧設定信号Vs1 とア−ク電圧検出信号Vdとを比
較して差のア−ク電圧制御信号Cm2 によって溶接電
流の平均値Iaを増減させる必要がある。溶接電流の平
均値Iaを制御するには、上記のf又はTP又はIB又
はIPがあるので、上記のア−ク電圧制御信号Cm2 
によってパルス周波数f3 又はパルス幅TP3 又は
ベ−ス電流値IB3 又はパルス電流値IP3 を増減
させてワイヤ溶融速度を制御して第1及び第2ア−ク長
を維持する。
【0151】請求項15の実施方法としてはつぎの4種
類がある。 ■ア−ク電圧制御信号Cm2 によってパルス周波数f
3 を制御する場合。 第1溶接電流値I1 と第2溶接電流値I2 とを、パ
ルス電流値IP又はパルス幅TP又はベ−ス電流値IB
又はこれら2つ又は3つの設定信号によって切り換える
。 ■ア−ク電圧制御信号Cm2 によってパルス幅TP3
 を制御する場合。 第1溶接電流値I1 と第2溶接電流値I2 とを、パ
ルス電流値IP又はパルス周波数f又はベ−ス電流値I
B又はこれら2つ又は3つの設定信号によって切り換え
る。 ■ア−ク電圧制御信号Cm2 によってベ−ス電流値I
B3 を制御する場合。 第1溶接電流値I1 と第2溶接電流値I2 とを、パ
ルス電流値IP又はパルス幅TP又はパルス周波数f又
はこれら2つ又は3つの設定信号によって切り換える。 ■ア−ク電圧制御信号Cm2 によってパルス電流値I
P3 を制御する場合。 第1溶接電流値I1 と第2溶接電流値I2 とを、パ
ルス幅TP又はパルス周波数f又はベ−ス電流値IB又
はこれら2つ又は3つの設定信号によって切り換える。
【0155】(請求項16の説明)請求項16と請求項
15との相違はつぎのとおりである。請求項15におい
てはア−ク電圧設定信号Vs1 が第1ア−ク長Lt及
び第2ア−ク長Lrとに対して共通に使用されていた。 これに対して、請求項16は、第1ア−ク長Ltの設定
は第1ア−ク電圧設定信号Vs1 で行い、第2ア−ク
長Lrの設定は第2ア−ク電圧設定信号Vs2 で行う
。請求項15においては、第1ア−ク長Ltと第2ア−
ク長Lrとを切り換えるために、パルス周波数f又はパ
ルス幅TP又はベ−ス電流値IB又はパルス電流値IP
の少なくとも1つの設定値を切り換える必要があった。 これに対して請求項16においては、第1ア−ク電圧設
定信号Vs1 と第2ア−ク電圧設定信号Vs2 とを
切り換えるので、第1溶接電流値I1 は、第1ア−ク
電圧設定信号Vs1 とア−ク電圧検出信号Vdとの差
の第1のア−ク電圧制御信号Cm2 によって制御され
、第2溶接電流値I2 は第2ア−ク電圧設定信号Vs
2 とア−ク電圧検出信号Vdとの差の第2のア−ク電
圧制御信号Cm2 によって制御される。したがって、
第1のア−ク電圧制御信号Cm2 は、パルス周波数f
31又はパルス幅TP31又はベ−ス電流値IB31又
はパルス電流値IP31を制御し、第2のア−ク電圧制
御信号Cm2 は、パルス周波数f32又はパルス幅T
P32又はベ−ス電流値IB32又はパルス電流値IP
32を制御する。その結果、請求項16においては、第
1ア−ク電圧設定信号Vs1 と第2ア−ク電圧設定信
号Vs2 との切り換えを必要とするが、請求項15の
パルス電流値IP又はパルス幅TP又はパルス周波数f
又はベ−ス電流値IBの設定信号の切り換えは必ずしも
必要ではない。請求項16において、用途拡大のために
、パルス電流値IP又はパルス幅TP又はパルス周波数
f又はベ−ス電流値IB又はこれら2つ又はこれら3つ
の設定信号を切り換えるときは、実施方法は、請求項1
5の場合と同様である。
【0160】(請求項17の説明)請求項17の溶接方
法において、第1ア−ク電圧値Va1 と第2ア−ク電
圧値Va2 とは0.3乃至4[V]程度で調整範囲が
狭く、このア−ク電圧の変化値ΔVaがア−ク長の変化
値Leに大きく影響する。したがって、第1ア−ク電圧
設定値Vs1 と第2ア−ク電圧設定値Vs2 とは、
一元調整する必要がある。そこで、請求項17の溶接方
法は、第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応した第2ア
−ク電圧設定値Vs2 を、記憶させておき、予め設定
した第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応した第2ア−
ク電圧設定値Vs2 を読み出して、第1パルス電流群
と第2パルス電流群とを通電する。
【0161】(請求項18の説明)請求項18の溶接方
法において、第1ア−ク電圧値Va1 及び第2ア−ク
電圧値Va2 の適正な設定値はワイヤ送給速度との関
係において定まる。そこで、請求項18の溶接方法は、
各ワイヤ送給速度設定値Wfに対応した各第1ア−ク電
圧設定値Vs1 を予め記憶させ、前記第1ア−ク電圧
設定値Vs1に対応した第2ア−ク電圧設定値Vs2 
を記憶させておき、予め設定したワイヤ送給速度設定値
Wfに対応した前記第1ア−ク電圧設定値Vs1 と前
記第1ア−ク電圧設定値Vs1に対応した前記第2ア−
ク電圧設定値Vs2 とを読み出して、第1パルス電流
群及び第2パルス電流群を通電する。
【0162】(図41及び図42の説明)図41は、直
径1.2[mm]のアルミニウム合金A5183のワイ
ヤを使用して、板厚5[mm]のアルミニウム合金A5
052を予め設定したワイヤ送給速度をWF5 =50
0[cm/min]及びWF7 =700[cm/mi
n]で、パルスMAGア−ク溶接したときの溶接電流値
I[A](横軸)とア−ク電圧値V[V](縦軸)との
関係を示す図である。
【0163】図42は、請求項17及び18のワイヤを
予め設定したワイヤ送給速度で送給して、MAGア−ク
溶接をするときの各ワイヤ送給速度設定値Wn=W1,
W2…,Wnに対応した各第1ア−ク電圧設定値Un=
U1,U2…,Unを予め定めたデ−タテ−ブル及び第
1ア−ク電圧設定値Unに対応した各第2ア−ク電圧設
定値Vn=V1,V2…,Vnを予め定めたデ−タテ−
ブルである。
【0164】まず、図41及び図42を参照して、請求
項17及び18の構成のうち記憶するデ−タテ−ブルの
作成方法について、ワイヤ送給速度が500[cm/m
in]のWF5 =500の曲線をデ−タ作成の基準と
して説明する。この曲線上で動作点を定めるには、ア−
ク長に対応したア−ク電圧を定める必要がある。ここで
、予め第1ア−ク電圧値Va1 =17[V]に定める
と、動作点はQ11となる。この第1ア−ク電圧値Va
1 又は各ワイヤ送給速度に対応した第1ア−ク電圧値
Va1を得るための各第1ア−ク電圧設定値Un=U1
,U2…,Unを、各ワイヤ送給速度設定値Wn=W1
,W2…,Wn毎に、図42の上段に示すとおり決定し
て、そのデ−タを記憶する。 次に、予めア−ク電圧の変化値ΔVaを例えば2.5[
V]と定めると、第2ア−ク電圧値Va2 =Va1 
+ΔVa=17+2.5=19.5[V]が定まり、動
作点はQ12となる。さらに、先に記憶した第1ア−ク
電圧設定値Un=U1,U2…,Unに対応して、上記
第2ア−ク電圧値Va2 =V1又は各ワイヤ送給速度
に対応した第2ア−ク電圧値Va2 を得るための第2
ア−ク電圧設定値Vn=V1,V2…,Vnを、図42
の下段に示すとおり決定して、そのデ−タテ−ブルを記
憶する。上記のWn及びUn及びVnの各設定値は、例
えば、 W5 はワイヤ送給速度が500[cm/mi
n]でU5はア−ク電圧が17[V](動作点Q11)
で、V5はア−ク電圧が19.5[V](動作点Q12
)になるように予め関係ずけられており同様にして、W
7はワイヤ送給速度が700[cm/min]で、U7
はア−ク電圧が19.3[V](動作点Q21)で、V
7はア−ク電圧が19.3+2.5=21.8[V](
動作点Q22)になるように予め関係ずけられている。
【0165】次に、図42で記憶したデ−タを読み出し
て第1及び第2のア−ク電圧値Va1 及びVa2 を
制御する方法について説明する。同図の各ワイヤ送給速
度設定値Wn=W1,W2…,Wnの中からWn=W5
を選択すると、ワイヤ送給速度は500[cm/min
]となる。この設定値W5に対応した第1ア−ク電圧設
定値Un=U1,U2…,Unの中から第1ア−ク電圧
設定値U5が読み出され、動作点Q11で示す第1ア−
ク電圧が17[V]になるように制御される。また設定
値U5に対応した第2ア−ク電圧設定値V5が読み出さ
れ動作点Q12で示す第2ア−ク電圧値が19.5[V
]になるように制御される。さらに、他の設定値Wn=
W7を選択すると、ワイヤ送給速度は、700[cm/
min]で、この設定値W7に対応した第1ア−ク電圧
設定値U7が読み出され、動作点Q21で示す第1ア−
ク電圧が19.3[V]になるように制御される。また
設定値U7に対応した設定値V7が読み出され動作点Q
22で示す第2ア−ク電圧値が21.8[V]になるよ
うに制御される。
【0170】(請求項19の説明)本発明の基本溶接方
法は、ワイヤ送給速度を一定値にしておいて、請求項3
に記載のとおり、溶接電源の出力電流を第1溶接電流値
I1 と第2溶接電流値I2とに切り換えるとともに、
溶接電流値I2 とI1 との比を1.03乃至1.1
0の小さい値の範囲で変化させる方法である。さらに、
本発明の追加溶接方法は、請求項19及び20で後述す
るように、本発明の基本溶接方法に加えて、ワイヤ溶融
量を増加させて余盛り形状の改善を図る溶接方法である
。したがって、この追加の溶接方法においては、ワイヤ
送給速度を切換周波数F=0.5乃至5[Hz]で第1
ワイヤ送給速度と第2ワイヤ送給速度とに切り換えて第
2溶接電流値I2 と第1溶接電流値I1 との比を1
.05乃至1.20の小さい値の範囲で変化させる方法
である。ここで、ワイヤ送給速度の切り換えは、従来技
術においては、ワイヤ送給速度の変化値が大きいので、
機械的慣性のために通常3[Hz]程度までしか実用さ
れていない。この追加の溶接方法においては、ワイヤ送
給速度の変化値が小さいために、切換周波数Fは5[H
z]程度まで実用になる。また、第2溶接電流値I2 
と第1溶接電流値I1 との比が大きくなると、本発明
の基本溶接方法による効果が小さくなるために、その比
は1.05乃至1.20の範囲がよい。
【0171】(請求項20の説明)請求項20の溶接方
法は、第1ワイヤ送給速度設定信号Im1 と第2ワイ
ヤ送給速度設定信号Im2 及び第1ア−ク電圧設定信
号Vs1 と第2ア−ク電圧設定信号Vs2 とを切換
周波数Fで切り換えて、ア−ク電圧検出信号Vdと比較
し、第1ア−ク電圧設定信号Vs1 とア−ク電圧検出
信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 によって
、パルス周波数f31又はパルス幅TP31又はベ−ス
電流値IB31又はパルス電流値IP31を制御して第
1パルス電流群を通電し、第2ア−ク電圧値設定信号V
s2 とア−ク電圧検出信号Vdとの差のア−ク電圧制
御信号Cm2 によって、パルス周波数f32又はパル
ス幅TP32又はベ−ス電流値IB32又はパルス電流
値IP32を制御して第2パルス電流群を通電する請求
項19のMAGア−ク溶接方法。
【0172】(請求項21の説明)請求項21の溶接方
法は、各第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応させて各
第2ア−ク電圧設定値Vs2 を各第2ワイヤ送給速度
設定値Im2 毎に記憶させておき、予め設定した第1
ア−ク電圧設定値Vs1 に対応した第2ア−ク電圧設
定値Vs2 を読み出して、第1パルス電流群と第2パ
ルス電流群とを通電する請求項19のMAGア−ク溶接
方法。
【0173】(請求項22の説明)請求項22の溶接方
法は、各第1ワイヤ送給速度設定値Im1 に対応した
各第1ア−ク電圧設定値Vs1 を予め記憶させておき
、次に、各第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応させて
各第2ア−ク電圧設定値Vs2 を、各第2ワイヤ送給
速度設定値Im2 毎に記憶させておき、予め設定した
第1ワイヤ送給速度設定値Im1 に対応した第1ア−
ク電圧設定値Vs1 と第2ワイヤ送給速度設定値Im
2に対応した第2ア−ク電圧設定値Vs2 とを読み出
して、第1パルス電流群と第2パルス電流群とを通電す
る請求項19のMAGア−ク溶接方法。
【0174】(図43の説明)図43は、請求項21及
び22のワイヤを予め設定した第1及び第2のワイヤ送
給速度を周期的に切換えて送給して、MAGア−ク溶接
をするときの第1ワイヤ送給速度設定値Wn=W1,W
2…,Wnに対応した各第1ア−ク電圧設定値Un=U
1,U2…,Unを予め定めたデ−タテ−ブル及び第1
ア−ク電圧設定値Unに対応した各第2ア−ク電圧設定
値Vn=V1,V2…,Vnを、各第2ワイヤ送給速度
設定値Xn=X1 ,X2…,Xn毎に予め定めたデ−
タテ−ブルである。
【0175】まず、図41及び図43を参照して、請求
項21及び22の構成のうち記憶するデ−タテ−ブルの
作成方法について、ワイヤ送給速度が500[cm/m
in]のWF5 =500の曲線をデ−タ作成の基準と
して説明する。この曲線上で動作点を定めるには、ア−
ク長に対応したア−ク電圧を定める必要がある。ここで
、予め第1ア−ク電圧値Va1 =17[V]に定める
と、動作点はQ11となる。この第1ア−ク電圧値Va
1 又は各ワイヤ送給速度に対応した第1ア−ク電圧値
Va1を得るための各第1ア−ク電圧設定値Un=U1
,U2…,Unを、各ワイヤ送給速度設定値Wn=W1
,W2…,Wn毎に、図43の上段に示すとおり決定し
て、そのデ−タを記憶する。 次に、予めア−ク電圧の変化値ΔVaを例えば2.5[
V]と定めると、第2ア−ク電圧値Va2 =Va1 
+ΔVa=17+2.5=19.5[V]となる。この
第2ア−ク電圧値Va2 は、第1ア−ク電圧値Va1
 の動作点Q12のある曲線WF5 =500上の動作
点Q12に対するものであるので、請求項22の溶接方
法のように第2ワイヤ送給速度に切換える場合は異なっ
た値になる。 例えば、第2ワイヤ送給速度が第2ワイヤ送給速度が7
00[cm/min]であって、WF7 =700の曲
線になるとすれば、WF5 =500曲線上の動作点Q
12は、VF7 =700の曲線上の動作点Q22とな
る。したがって、第2ワイヤ送給速度における第2ア−
ク電圧値の動作点を決定するには、第1ア−ク電圧値と
第2ワイヤ送給速度との両者が必要となる。すなわち、
各第2ア−ク電圧設定値Vn=V1,V2,…,Vnは
、各第1ア−ク電圧設定値Un=U1,U2,…,Un
と各第2ワイヤ送給速度設定値Xn=X1 ,X2,…
,Xnとから定めなければならない。したがって、各第
1ア−ク電圧設定値Un=U1,U2,…,Unに対応
して、第2ア−ク電圧設定値Vn=V1,V2,…,V
nを各第2ワイヤ送給速度設定値Xn=X1,X2,…
,Xn毎に図43の下段に示すとおり、Xn=X1のと
きVn=V11 ,V12,…,V1n、Xn=X2の
ときVn=V21 ,V22 ,…,V2n及びXn=
Xn のときVn=Vn1 ,Vn2 ,…,Vnn 
を決定して、そのデ−タを記憶する。上記のWnとUn
及びXnとVnの各設定値は、例えば、W5はワイヤ送
給速度が500[cm/min]で、U5はア−ク電圧
が17[V](動作点Q11)であり、W7はワイヤ送
給速度が700[cm/min]で、U7はア−ク電圧
が21.8[V](動作点Q22)になるように予め関
係ずけられている。
【0176】次に、図43で記憶したデ−タを読み出し
て第1及び第2のア−ク電圧値Va1 及びVa2 を
制御する方法について説明する。同図の各第1ワイヤ送
給速度設定値Wn=W1,W2…,Wnの中からWn=
W5を選択すると、ワイヤ送給速度は500[cm/m
in]となる。この設定値W5に対応した第1ア−ク電
圧設定値Un=U1,U2…,Unの中から第1ア−ク
電圧設定値U5が読み出され、動作点Q11で示す第1
ア−ク電圧が17[V]になるように制御される。次に
、各第2ワイヤ送給速度設定値Xn=X1,X2…,X
nの中からXn=X7を選択すると、第2ワイヤ送給速
度は700[cm/min]となる。この設定値X7と
先に読み出された設定値U5とから第2ア−ク電圧設定
値Vn=V75 が読み出され、動作点Q22で示す第
2ア−ク電圧値が21.8[V]になるように制御され
る。
【0180】(請求項23…図44の説明)図44は、
本発明の溶接方法において、第1ア−ク長Ltと第2ア
−ク長Lrとのア−ク長の変化値Leを縦軸とし、切換
周波数F=0.5乃至25[Hz]を横軸として、アル
ニミウムALのMIG溶接をして、後述する本発明の効
果が得られる溶融池の振動を生じさせるために必要な切
換周波数Fとア−ク長の変化値Leとの関係を求めた図
である。
【0181】同図において、実線は、アルミニウムのM
IG溶接において本発明の効果を得ることができる溶融
池の振動を生じさせるア−ク長の変化値Leの下限を示
す曲線であって、F=0.5[Hz]のときはLe=2
.5[mm]、F=12[Hz]ではLe=1[mm]
及びF=25[Hz]ではLe=0.5[mm]以上が
必要である。アルミニウムの溶接においては、溶融池の
固有振動数Frが20乃至25[Hz]であるので、切
換周波数Fが15[Hz]以上になると、ア−ク長の変
化値Leが0.5[mm]程度の小さい値になっても共
振によって、溶融池は充分に振動する。
【0183】(請求項24の説明) (実施例18)実施例18は、アルミニウムのパルスM
IGア−ク溶接方法の実施例である。 (図45の説明)図45は、溶接電流の平均値Ia(以
下、溶接電流Iという)[A](横軸)とア−ク電圧の
平均値Va(以下、ア−ク電圧Vという)[V](縦軸
)とを種々に変化させて、パルスMIGア−ク溶接をし
たときの溶接ビ−ドの断面形状及び(  )内にア−ク
長を示す図である。この図における他の溶接条件として
は、被溶接物が板厚12[mm]のアルミニウム合金A
5052であり、消耗電極が直径1.2[mm]のアル
ミニウム合金A5183であり、溶接速度は25[cm
/min ]である。同図において、例えば、符号Aで
示す位置の溶接電流100[A]でア−ク電圧19[V
]でア−ク長3.5[mm]の第1溶接条件から、符号
Bで示す位置のように溶接電流を50%も増加させた1
50[A]にし、ア−ク電圧が19.5[V]の第2溶
接条件に切換えたときに、見かけのア−ク長が第1溶接
条件同じ3.5[mm]であると、符号Aの位置の溶接
ビ−ドの断面形状と符号Bの位置の断面形状とはほとん
ど変化がない。このことは、TIGフィラア−ク溶接の
ような波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド」が得られ
ないことを意味する。これに対して、上記の符号Aで示
す位置の第1溶接条件から、符号Cに示す位置のように
溶接電流は同じ100[A]のままで、ア−ク電圧を1
[V]増加させた20[V]の第2溶接条件に切換える
だけで、ア−ク長が2.5[mm]増加して6[mm]
になり、符号Aの位置の溶接ビ−ドの断面形状と符号C
の位置の断面形状とは明らかに変化している。このこと
は、TIGフィラア−ク溶接のような波目のはっきりし
た「うろこ状ビ−ド」が得られることを意味する。この
ように、第1溶接条件と第2溶接条件とにおいて、見か
けのア−ク長を約2.5[mm]以上かえることにより
、波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド」が得られる。
【0184】(図46の説明)図46は、溶接電流I[
A](横軸)とア−ク長の変化値Le[mm](縦軸)
とを種々に変化させて、パルスMIGア−ク溶接をした
とき、波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド」の形成の
有無を示す図である。同図において、×印は「うろこ状
ビ−ド」が形成されないア−ク長の変化値が1乃至2[
mm]の範囲を示し、また、Δ印は、波目のあまりはっ
きりしない「うろこ状ビ−ド」でア−ク長の変化値が2
[mm]の位置を示し、さらに○印はTIGフィラア−
ク溶接と同様な波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド」
が得られる範囲を示しており、これらの範囲では、ア−
ク長の変化値が2.5[mm]以上となっている。アル
ミニウムを、本請求項のア−ク長を変化させるパルスM
IGア−ク溶接方法により溶接したとき、図47に示す
ような「うろこ状ビ−ド」の外観が得られ、このときの
溶接条件としては、被溶接物が板厚12[mm]のアル
ミニウム合金A5052であり、消耗電極が直径1.2
[mm]のアルミニウム合金A5183であり、溶接電
流140[A]、ア−ク電圧20.0[V]の第1溶接
条件と、溶接電流170[A]ア−ク電圧23.0[V
]の第2溶接条件とに、切換周波数2[Hz]で切換え
、溶接速度40[cm]で溶接している。直径1.2[
mm]のアルミニウム消耗電極を使用したアルミニウム
材のMIGア−ク溶接方法においては、臨界電流が15
0[A]であるので、本請求項のMIGア−ク溶接方法
では、短絡移行をさせないでスプレ−移行だけをさせる
ために、パルスMIGア−ク溶接方法を採用している。 以上の説明では、溶接条件の一方又は両方の溶接電流値
がワイヤの直径に対応した臨界電流値以下であるので、
スプレ−移行させるために、パルスMIGア−ク溶接方
法によって溶接したが、溶接条件の両方が臨界電流値以
上の溶接電流値のときはパルス溶接によらないで、略平
滑な直流電流によっても、TIGフィラア−ク溶接と同
様の波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド」が得られた
。その実施例として、被溶接物が板厚4[mm]のアル
ミニウム合金A5052であり、消耗電極が直径1.0
[mm]のアルミニウム合金A5183であり、溶接電
流値を臨界電流値以上の180[A]の一定値とし、ア
−ク電圧を22[V]と24[V]とに、切換周波数2
[Hz]で切換えて、溶接速度を40[cm/min 
]で溶接したとき、ア−ク長の変化値は4[mm]であ
って、前述した図47に示すような波目のはっきりした
「うろこ状ビ−ド」と略同様の溶接ビ−ドが得られた。
【0185】(実施例19)実施例19は、銅のパルス
MIGア−ク溶接方法の実施例である。銅のMIGア−
ク溶接方法においては、銅材の融点が1085[℃]で
アルミニウム材よりも高温であるが、その熱伝導度は、
アルミニウムの0.53[cal/cm・sec ・℃
]よりも大きく0.95[cal/cm・sec ・℃
]であるので、熱拡散しやすいために、ア−クの移動後
、溶融した銅は直ちに凝固する。したがって、ア−ク長
の変化によって溶融池の拡大した跡が、ア−クの移動後
にそのまま凝固して「うろこ状ビ−ド」が形成される。 板厚6[mm]の純銅を400[℃]で予熱して、直径
1.2[mm]の純銅の消耗電極によって、溶接電流2
00[A]、溶接速度を35[cm/min ]で、ア
−ク電圧を22[V]と25[V]との間で切換周波数
2[Hz]で周期的に切換えてMIGア−ク溶接すると
、図47と同様の「うろこ状ビ−ド」が形成された。
【0186】(図48の説明)図48は、溶接電流の平
均値Ia [A](横軸)とア−ク電圧の平均値Va 
[V](縦軸)とを種々に変化させて、パルスMIGア
−ク溶接をしたときの溶接ビ−ドの断面形状及び(  
)内にアーク長を示す図である。この図における他の溶
接条件としては、被溶接物が板厚10[mm]の400
[℃]で予熱された銅であり、消耗電極が直径1.2[
mm]の銅であり、溶接速度は25[cm/min ]
である。
【0187】同図において、例えば、符号Aで示す位置
の溶接電流200[A]でア−ク電圧22[V]でア−
ク長3[mm]の第1溶接条件から、符号Bで示す位置
のように溶接電流を50%も増加させた300[A]に
し、ア−ク電圧が23[V]の第2溶接条件に切換えた
ときに、ア−ク長が第1溶接条件と同じ3[mm]であ
ると、符号Aの位置の溶接ビ−ドの断面形状と符号Bの
位置の断面形状とは相似形状でほとんど変化がない。こ
のことは、TIGフィラア−ク溶接のような波目のはっ
きりした「うろこ状ビ−ド」が得られないことを意味す
る。これに対して、上記の符号Aで示す位置の第1溶接
条件から、符号Cに示す位置のように溶接電流は同じ2
00[A]のままで、ア−ク電圧を1.5[V]増加さ
せた23.5[V]の第2溶接条件に切換えるだけで、
ア−ク長が3[mm]増加して6[mm]になり、符号
Aの位置の溶接ビ−ドの断面形状と符号Cの位置の断面
形状とは明らかに変化している。このことは、TIGフ
ィラア−ク溶接のような波目のはっきりした「うろこ状
ビ−ド」が得られることを意味する。このように、第1
溶接条件と第2溶接条件とにおいて、ア−ク長を約3[
mm]以上かえることにより、溶接ビ−ドの断面形状を
交互に変化させて溶け込み形状を制御することができる
【0188】「うろこ状ビ−ド」の外観は、表1におい
て説明した溶接速度WS[cm/min]と切換周波数
F[Hz]との関係において定まる。一般に、図47に
示す「うろこ状ビ−ド」のピッチPt[mm]は次式に
より定まる。 Pt=WS/60F 従来のTIGフィラア−ク溶接方法によって得られる規
則正しい波形状の「うろこ状ビ−ド」のピッチPtは1
乃至5[mm]であるので、上記の式と表1との関係か
ら、本請求項のMAG溶接方法においても、TIGフィ
ラア−ク溶接方法よりも相当に高速の溶接速度であって
も、TIGフィラア−ク溶接方法と同様の規則正しい波
形状の「うろこ状ビ−ド」を得ることができる。例えば
、溶接速度WS=180[cm/ 分]で切換周波数F
=15[Hz]のときは、ピッチPt=2[mm]であ
り、WS=300[cm/min]で切換周波数F=1
5[Hz]のときは、ピッチPt=3.3[mm]であ
る。
【0189】(実施例20…図49の説明)実施例20
は、ステンレス鋼のパルスMIGア−ク溶接方法の実施
例である。図49は、溶接電流の平均値Ia [A](
横軸)とア−ク電圧の平均値Va [V](縦軸)とを
種々に変化させて、パルスMIGア−ク溶接をしたとき
の溶接ビ−ドの断面形状及び(  )内にア−ク長を示
す図である。この図における他の溶接条件としては、被
溶接物が板厚8[mm]のステンレス鋼SUS304L
であり、消耗電極が直径1.2[mm]のステンレス鋼
SUS308であり、溶接速度は25[cm/min 
]である。
【0190】同図において、例えば、符号Aで示す位置
の溶接電流100[A]でア−ク電圧18[V]でア−
ク長3[mm]の第1溶接条件から、符号Bで示す位置
のように溶接電流を70%も増加させた170[A]に
し、ア−ク電圧が18.3[V]の第2の溶接条件に切
換えたときに、ア−ク長が第1溶接条件と同じ3[mm
]であると、符号Aの位置の溶接ビ−ドの断面形状と符
号Bの位置の断面形状とは相似形状でほとんど変化がな
い。これに対して、上記の符号Aで示す位置の第1溶接
条件から、符号Cに示す位置のように溶接電流は同じ1
00[A]のままで、ア−ク電圧を1.5[V]増加さ
せた19.5[V]の第2溶接条件に切換えるだけで、
ア−ク長が3[mm]増加して6[mm]になり、符号
Aの位置の溶接ビ−ドの断面形状と符号Cの位置の断面
形状とは明らかに変化している。このように、第1溶接
条件と第2溶接条件とにおいて、ア−ク長を約3[mm
]以上変化させたことにより、溶接ビ−ドの断面形状を
交互に変化させて溶け込み形状を制御することができる
【0191】ステンレス鋼、合金鋼などの鉄鋼材料の熱
伝導度は、例えば鉄で0.14[cal/cm・sec
 ・℃]であって、アルミニウム、銅等にくらべて極め
て小さいために、アルミニウム、銅等のような「うろこ
状ビ−ド」形成が困難である。しかし、鉄鋼材料は、酸
化皮膜がアルミニウムのように強力でなく、ア−クが酸
化皮膜の存在する遠方まで飛ぶような現象はなく、実際
のア−ク長とア−ク長は略等しい。したがって、鉄鋼材
料では、ア−ク電圧を調整することによって、(見かけ
の)ア−ク長を制御することができるので、ア−ク電圧
を周期的に切換えることによって、複数の溶接ビ−ド断
面形状、余盛り等を融合させて、従来の単一形状と異な
る溶け込み形状を得ることができる。
【0200】(請求項25の説明)請求項25の溶接方
法は、切換周波数を0.5乃至15[Hz]とし、ア−
ク長の変化値Leを3[mm]以上として、溶接速度3
0[cm/min ]のときは隙間の最大値3.0[m
m]まで、溶接速度100[cm/min ]のときは
隙間の最大値1.5[mm]までの突合せ溶接をする方
法である。
【0201】(実施例21…図50及び図51の説明)
図50は、板厚1.5[mm]のアルミニウム合金板A
5052の突合せ溶接において、溶接線の突合せ部分に
隙間があり、その隙間を0.5乃至3[mm]変化させ
るとともに、溶接速度を30乃至100[m/min 
]に変化させたとき、溶け落ちがなく溶接が可能な範囲
(斜線部分)を示すグラフであって、縦軸が溶接線の突
合せ部分の隙間G[mm]を示し、横軸が溶接速度WS
[cm/min]を示す。図50において、×印及び一
点鎖線は、溶接電流の平均値を60乃至100[A]と
し、公知のユニットパルス方式(1パルス1溶滴移行方
式)でパルスを切換えないで、パルス電流値280[A
]でパルス幅1.2[ms]で溶接速度を変化させて溶
接した場合の溶接可能な隙間の上限値を示し、溶接速度
が30[cm/min]の低速度のときは隙間2.0[
mm]が溶接可能な限界であり、それ以上の溶接速度で
は、溶接可能な上限値が低下し、溶接速度が80[cm
/min]になると溶接可能な隙間の上限値は0.5[
mm]まで低下する。これに対して、請求項25の溶接
方法においては、Δ印及び点線示すように、図51に示
すパルス電流値280[A]及びパルス幅1.2[ms
]の第1パルス電流を用いて1パルス1溶滴移行でア−
ク電圧を16.5乃至18.5[V]まで低下させ第1
パルス電流群を通電した後、パルス電流値を380[A
]に増加させるとともに、1パルス1溶滴移行を維持す
るパルス周期に制御された第2パルス電流群を通電させ
てパルスア−ク溶接をすると、溶接速度が30[cm/
min]では隙間が3[mm]あっても、溶け落ちがな
く溶接が可能であり、溶接速度が100[cm/min
]になっても、隙間が1.5[mm]までは、溶接が可
能となった。このように、隙間があっても高速溶接が可
能な理由として、1パルス1溶滴移行によりア−ク長を
短くして高速度溶接をした場合、突合せの隙間がある場
合でも、パルス電流値又はパルス幅又は両者を大にして
ア−ク長を大にしたとき、隙間以上のア−クの広がりに
より隙間周辺を溶融させ、次にア−ク長を小にして隙間
部分に肉盛りすることにより溶け落ちを防ぎ高速度溶接
の限界を上昇させることができる。
【0205】(請求項26の説明)請求項26の溶接方
法は、切換周波数を0.5乃至15[Hz]とし、ア−
ク長の変化値Leを3[mm]以上として、溶接速度3
0[cm/min ]のときは隙間の最大値3[mm]
まで、溶接速度100[cm/min ]のときは隙間
の最大値2[mm]までの重ね隅肉溶接をする方法であ
る。
【0206】(実施例22…図52及び図53の説明)
図52は、板厚1.5[mm]のアルミニウム合金板A
5052の重ね隅肉溶接において、図53で示すように
、溶接線の重ね部分に隙間があり、その隙間を1乃至3
[mm]変化させるとともに、溶接速度を30乃至90
[cm/min]に変化させたとき、溶け落ちがなく溶
接が可能な範囲(斜線部分)を示すグラフであって、縦
軸が溶接線の重ね部分の隙間G[mm]を示し、横軸が
溶接速度WS[cm/min]を示す。同図(A)にお
いて、×印及び一点鎖線は、溶接電流の平均値を60乃
至100[A]とし、公知のユニットパルス方式(1パ
ルス1溶滴移行方式)でパルスを切換えないで、パルス
電流値280[A]でパルス幅1.2[ms]で溶接速
度を変化させて溶接した場合の溶接可能な隙間の上限値
を示し、溶接速度が30乃至60[cm/min]の低
速度のときは隙間2[mm]が溶接可能な限界であり、
それ以上の溶接速度では、溶接可能な上限値が低下し、
溶接速度が90[cm/min]になると溶接可能な隙
間の上限値は1[mm]まで低下する。これに対して、
本請求項の溶接方法においては、Δ印及び点線に示すよ
うに、前述した図51に示すパルス電流値280[A]
及びパルス幅1.2[ms]の第1パルス電流を用いて
1パルス1溶滴移行でア−ク電圧を16.5乃至18.
5[V]まで低下させ第1パルス電流群を通電した後、
パルス電流値を380[A]に増加させるとともに、1
パルス1溶滴移行を維持するパルス周期に制御された第
2パルス電流群を通電させてパルスア−ク溶接をすると
、溶接速度が20乃至45[cm/min]では隙間が
3[mm]あっても、上側の板の片溶けがなく溶接が可
能であり、溶接速度が60乃至90[cm/min]に
なっても、隙間が2[mm]までは、溶接が可能となっ
た。このように、隙間があっても溶接が可能な理由とし
て、第2パルス通電期間T2 のア−ク長が第1パルス
通電期間T1のア−ク長よりも大になり、しかもこのパ
ルス電流変化値では、パルス周期を多少増加させること
により1パルス1溶滴移行を維持することができ、ア−
ク長が過大となることがないので、ア−ク長の長い第2
パルス電流群によって上側の板と下側の板とを溶融し、
ア−ク長が短くなった第1パルスの電流群によってア−
ク力を弱めて隙間Gの間に溶融金属を肉盛させて上側の
板の片溶けを防ぎ溶接可能な隙間を増加させることがで
きる。したがって、溶接中の熱歪によって上側の板が波
形に変形しても上側の板の片溶けを防止することができ
る。
【0210】(請求項5及び6の説明)請求項5の溶接
方法は、第1溶接電流通電時間T1 と第2溶接電流通
電時間T2 との通電比率Ds=T1/(T1 +T2
 )を切り換える方法である。請求項6の溶接方法は、
通電比率Dsをア−ク電圧検出値Vdに対応させて増減
させる方法である。以下、請求項6の溶接方法を、前述
した請求項25の突合せ溶接及び請求項26の重ね隅肉
溶接に適用した場合について説明する。
【0211】請求項25又は26の溶接方法は、外乱に
よってア−ク長が変動したときは、請求項15において
前述したように、ア−ク長を復帰させるように作用する
が、突合せ溶接における突合せ面に隙間がある場合の溶
け落ちの防止、重ね隅肉溶接における重ね部分に隙間が
ある場合又は熱変形により隙間が発生した場合の上側の
板の溶け落ちの防止に対して、従来技術にくらべて隙間
の裕度がかなり大きく、改良されている。しかし、この
ような隙間が変化したときア−ク長の変動が生じるが請
求項25及び26の溶接方法においては、隙間が変化し
たときのア−ク長の変動を補正する回路が設けられてい
ないので、つぎのような現象が発生する。
【0212】(突合せ溶接の隙間変化時の問題点…図5
4及び図55の説明)図54(A)乃至(E)を参照し
て突合せ面の隙間が大きくなったときの現象について説
明する。図54(D)に示すように第1パルス電流群の
パルス電流P1を周波数f1で定まる周期D1 で通電
しているとき、同図(A)に示すように、突合せ面の隙
間がG1 であるとき、給電チップ先端4aとワイヤ先
端1aとのワイヤ突き出し長さがLaで実際のア−ク長
がL0 、溶融幅がW1 、ア−クの外周の直径がA1
 であるとする。次に同図(E)に示すように第1パル
ス電流群のパルス電流P1 を周波数f1で定まる周期
D1 で通電しているとき、同図(B)に示すように、
突合せ面の隙間がG2 に増加し、増加した直後のワイ
ヤ突き出し長さがLaであるが、隙間G2 が増加した
ために溶融幅がW2 に増加し、ア−クが溶融幅W2 
の外側に飛ぶようになるためにア−クの外周の直径がA
2 に増加する。したがって、実際のア−ク長がL0 
からL1 に増加し、ア−ク電圧が増加する。このア−
ク電圧の増加をア−ク電圧検出回路VDが検出して、パ
ルス周波数をf1からf2に減少させるので、パルス電
流P1 の周期が同図(E)のD2 に示すように大に
なるために、ワイヤの溶融速度が低下してワイヤ突き出
し長さが増加する。ワイヤ突き出し長さが同図(C)に
示すように、La+ΔLに増加しているために、実際の
ア−ク長はL0 からL3 に減少し、したがってア−
ク電圧が減少する。この同図(C)の状態は、ワイヤ先
端1aと溶融池の表面2aとは非常に接近した状態すな
わち、ア−ク長は非常に短くなっているので、この同図
(C)の状態が継続するとワイヤ先端が溶融池に突込み
ア−ク切れが発生したり、片方の被溶接物だけを溶融し
て溶け落ちを生じたりする。なお、同図(B)において
、ア−クは酸化皮膜上に飛びやすく、特にアルミニウム
は酸化皮膜の発生が顕著であるので、ア−クは酸化皮膜
のない溶融幅の内側よりも酸化皮膜のあるその外側に飛
びやすく実際のア−ク長がア−ク長よりも大になり、ア
−ク電圧が増加する。
【0213】逆に、図55(A)乃至(D)を参照して
突合せ面の隙間が小になったときの現象について説明す
る。図55(A)に示すように、ワイヤ突き出し長さが
Laで実際のア−ク長がL0、溶融幅がW1 、ア−ク
の外周の直径がA1 であるとする。次に同図(B)に
示すように、突合せ面の隙間がG3 に減少し、減少し
た直後のワイヤ突き出し長さがLaであるが、同図(C
)に示すように隙間が減少したために溶融幅及び余盛り
が次第に増加し、余盛りが増加すると、ア−クが余盛り
の溶融幅W3 の外側に飛ぶので、実際のア−ク長L5
 がL0 よりも大になりア−ク電圧が増加する。ここ
で、同図(B)において、ア−クの外周直径A1 が溶
融幅W1 よりも大であり、また同図(C)において、
ア−クの外周直径A3 が溶融幅W3 よりも大であり
、さらに同図(B)と(C)とからW1 <W3 であ
るので、結局A3 >A1 となり、同図(C)の実際
のア−ク長L5 が同図(A)のア−ク長L0 よりも
大となり、ア−ク電圧が増加する。この状態が続くと、
ア−ク電圧の増加を検出してア−ク長を短くする方向に
さらに制御されるので、ワイヤ突き出し長さは同図(D
)に示すように同図(A)のLaよりもさらに大きいL
a+ΔLとなり、ついにはワイヤ先端1aと余盛りの表
面2aとが接触してア−ク切れが発生したり、スパッタ
が多く発生したりする。
【0214】(重ね隅肉溶接の隙間変化時の問題点…図
56及び図57の説明)図56(A)乃至(C)は、重
ね隅肉継手の隙間が大きくなったときの現象を説明する
図であり、同図(D)及び(E)は、同図(A)及び(
B)に対応したパルス電流の周期の時間的経過を示す図
である。図57(A)乃至(D)は、重ね隅肉継手の隙
間が小さくなったときの現象を説明する図である。図5
6(A)乃至(E)及び図57(A)乃至(D)に示す
重ね隅肉継手の隙間が変化したときの現象の説明は、前
述した図54(A)乃至(E)及び図55(A)乃至(
D)に示す突合せ面の隙間が変化したときの現象の説明
において、「突合せ面」を「重ね合せ面」に読み替える
と、同様の説明になるので、説明を省略する。
【0215】(隙間変化時の補正方法)請求項5又は6
の溶接方法は、前述した請求項25又は26の溶接方法
において、外乱によってワイヤ送給速度とワイヤ溶融速
度とがアンバランスになって、ア−ク長の変動が生じた
ときにア−ク電圧の増減を検出して、まず第1に、応答
性のすぐれた回路によって、パルス周波数を増減させる
ことにより、ワイヤの溶融速度を増減させて、速にア−
ク長を復帰させる作用の他に、第2に、突合せ溶接又は
重ね隅肉溶接において隙間が変動したときに、時間の経
過後に現れる応答性の遅いア−ク電圧の増減を検出して
、隙間の変化に対応させたア−ク長に補正して溶接する
パルスMAGア−ク溶接方法である。
【0215】すなわち、請求項5又は6の溶接方法は、
第1パルス電流群と第1パルス電流群と異なる第2パル
ス電流群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を使用し
て溶接するパルスMAGア−ク溶接方法において、消耗
電極を予め設定した一定のワイヤ送給速度で送給し、第
1パルス電流群の各パルスのパルス電流値、パルス通電
時間、パルス周波数及びベ−ス電流値を、各パルス電流
と同期して消耗電極から被溶接物に溶滴が移行するプロ
ジェクト移行を形成する値に設定しておき、第2パルス
電流群の各パルスのパルス電流値及びパルス通電時間及
びパルス周波数及びベ−ス電流値を、プロジェクト移行
を維持する範囲内で第1パルス電流群と異なる値に設定
又は制御したパルス溶接電流を通電してア−ク長を周期
的に切換え、ワイヤ送給速度とワイヤ溶融速度とがアン
バランスになってア−ク長が変動したとき、検出したア
−ク電圧によってパルス周波数又はパルス幅又はベ−ス
電流値又はパルス電流値を速に増減させてア−ク長を復
帰させるとともに、継手の隙間が変化したときは隙間の
変化に応じて変化したときのア−ク電圧を検出して、こ
の遅れて変化したア−ク電圧によって第1パルス通電期
間Tと第2パルス通電期間Tとの通電比率Dsを制御す
ることによって隙間に対応したア−ク長に補正して溶接
するパルスMAGア−ク溶接方法である。
【0217】請求項6の溶接方法について説明する前に
、まず第1に、請求項15及び16の外乱によりア−ク
長が変動した場合のア−ク長を復帰させる溶接方法につ
いて説明する。第2に、請求項6の溶接方法を採用した
突合せ溶接又は重ね隅肉溶接において被溶接物の隙間が
変化した場合のその隙間の変化に対応させてア−ク長を
補正する溶接方法について説明する。
【0218】(ア−ク長変動の復帰の説明)まず第1に
、請求項15及び16のア−ク長変動を復帰させる作用
について説明する。第1パルス電流群と第2パルス電流
群とを周期的に切換えてパルスア−ク溶接する方法にお
いて、ワイヤ送給速度とワイヤ溶融速度とがアンバラン
スになってア−ク長に変動が生じたとき、速に、ア−ク
電圧を検出してそのア−ク電圧検出信号Vdと第1及び
第2ア−ク電圧設定信号Vs1 及びVs2 とをそれ
ぞれ比較してその差の信号Cm2 に対応させてパルス
周波数制御信号Vf3 を変化させ、溶接電源制御回路
PSから出力されるパルス電流のパルス周波数を増減さ
せてワイヤ溶融速度を増減させてア−ク長を復帰させる
ことによって達成できる。すなわち、ア−ク長が長くな
ってア−ク電圧が増加したとき、パルス周波数を減少さ
せるとパルスの周期が長くなってワイヤの溶融速度が低
下してア−ク長が減少してア−ク長が復帰する。逆にア
−ク長が短くなってア−ク電圧が減少したとき、パルス
周波数を増加させるとパルスの周期が短くなってワイヤ
の溶融速度が上昇してア−ク長が増加してア−ク長が復
帰する。
【0220】(突合せ継手の隙間変化に対応したア−ク
長補正の説明)請求項6の溶接方法の第2の作用につい
て、突合せ面の隙間が変化したときのア−ク長及びア−
ク電圧の変化を説明した図54及び図55に加えて、図
58(A)及び(B)を参照して説明する。
【0221】まず、突合せ面の隙間が大きくなったとき
の現象及びア−ク電圧の変化は、前述した図54(C)
に示すように、ワイヤ突き出し長さがLa+ΔLに増加
しているために、実際のア−ク長はL0 からL3 に
減少し、したがってア−ク電圧が減少する。このア−ク
電圧の減少が現れるまでは、時間遅れがあるが、この時
間遅れが、第1パルス通電期間T1 と第2パルス通電
期間T2 との切換周波数(1〜15Hz)に対応する
。すなわち、この切換周期は、前述したワイヤ送給速度
とワイヤ溶融速度のアンバランスによるア−ク長の変動
のように変動速度が大きいア−ク電圧の変化には応答し
ないで、隙間が大きくなって、パルス周波数が低下して
ワイヤの溶融速度が低下してア−ク長が短くなったこと
により発生するア−ク電圧の変化には応答する。
【0222】次に、隙間の変化によりア−ク電圧が減少
したときのア−ク長補正の作用について述べる。図54
(C)に示すように、隙間が大きくなってア−ク電圧が
低下したときは、このア−ク電圧の低下を検出して、そ
の検出信号によって、第1パルス電流群と第2パルス電
流群とのうち、例えば、パルス電流平均値の大きい第2
パルス通電期間T2 を長くするか、パルス電流平均値
の小さい第1パルス通電期間T1 を短くするか、両者
の周期(T1 +T2 )を一定にしておいて、T1 
を短くしてT2を長くすることによって、ワイヤの溶融
速度を増加させてア−ク長を図58(A)に示すように
増加させ、ワイヤ突き出し長さを、隙間変化前のLaよ
りも短いLbにすることによって、実際のア−ク長はL
4 (L4 >L0 )となり、ア−ク外周の直径A4
 (A4 >A2 )も増加するので、溶融幅W4 (
W4 >W2 )も大となり、被溶接物2の隙間両側を
十分に溶融させることができるので、余盛り形状が平坦
になり、溶接欠陥が発生しない。また、このア−ク長の
補正及び余盛りの平坦化によって、ワイヤ先端1aと溶
融池表面2aとのア−ク長も増加するので、ワイヤ先端
1aと溶融池表面2aとの接触も発生しなくなり、接触
によるア−ク切れも発生しない。
【0223】逆に、突合せ面の隙間が小さくなったとき
の現象及びア−ク電圧の変化は、前述した図55(C)
に示すように、実際のア−ク長L5 がのア−ク長L0
 よりも大となり、ア−ク電圧が増加する。このア−ク
電圧の増加が現れるまで、すなわち、隙間が減少したに
もかかわらず、同じア−ク長でワイヤが溶融して余盛り
が形成されてア−クが余盛りの外部まで飛ぶことにより
ア−ク電圧が増加するまでは、時間遅れがあり、この時
間遅れが、前述したように第1パルス通電期間T1 と
第2パルス通電期間T2 との切換周波数(0.5〜1
5Hz)に対応し、隙間の変化によって生じたア−ク電
圧の変化に応答する。
【0224】次に、隙間の変動により、ア−ク電圧が増
加したときのア−ク長の補正作用について述べる。図5
5(C)に示すように、隙間が小さくなって実際のア−
ク長が余盛り幅の外側まで伸びることによってア−ク電
圧が増加したときは、このア−ク電圧の増加を検出して
、その検出信号によって、第1パルス電流群と第2パル
ス電流群とのうち、例えば、パルス電流平均値の大きい
第2パルス通電期間T2 を短くするか、パルス電流平
均値の小さい第1パルス通電期間T1 を長くするか、
両者の周期(T1 +T2 )を一定にしておき、T1
 を長くしてT2 を短くすることによって、ワイヤの
溶融速度を減少させてア−ク長を図58(B)に示すよ
うに減少させ、ワイヤ突き出し長さを隙間変化前のLa
よりも長いLcにすることによって、実際のア−ク長は
L7 (L7 <L0 )となり、ア−ク外周の直径は
A5 (A5 <A1 )となり、溶融幅もW5 (W
5 <W1 )となってア−ク長が隙間の減少に対応し
て短く補正され、安定したア−ク長が得られワイヤ先端
1aと溶融池表面2aとが接触してア−ク切れが発生す
ることもない。
【0225】(重ね隅肉継手の隙間変化に対応したア−
ク長補正の説明)図59(A)及び(B)は、請求項6
の溶接方法において、重ね隅肉継手の重ね合せ面の隙間
が変化したときのア−ク長の補正を説明する図である。   図59(A)及び(B)に示す重ね隅肉継手の隙間
が変化したときのア−ク長を補正する説明は、前述した
図58(A)及び(B)に示す突合せ面の隙間が変化し
たときのア−ク長の補正の説明において、「突合せ面」
を「重ね合せ面」に読み替えると同様の説明になるので
、説明を省略する。
【0230】(実施例23…図50の突合せ溶接の説明
)図50は、前述した板厚1.5[mm]のアルミニウ
ム合金板A5052の突合せ溶接において、突合せ面に
隙間Gがあり、その隙間を1.5乃至6.5[mm]に
変化させるとともに、溶接速度を30乃至100[cm
/min ]に変化させたとき、溶け落ちがなく溶接が
可能な範囲(斜線部分)を示すグラフであって、縦軸が
突合せ面の隙間G[mm]を示し、横軸が溶接速度WS
[cm/min ]を示す。図50において、溶接条件
は、溶接電流の平均値を100乃至175[A]でア−
ク電圧を17.5乃至21[V]とし、前述した図51
に示すように、パルス電流値280[A]でパルス幅1
.2[ms]の第1パルス電流群と、パルス電流値38
0[A]でパルス幅1.2[ms]の第2パルス電流群
とを、切換周波数2.5[Hz]である。
【0231】図50において、Δ印及び点線は、前述し
た請求項25の溶接方法、すなわち、上記の溶接条件で
通電比率Dsを0.5に固定して溶接した場合の溶接可
能な隙間の上限値を示し、溶接速度が30[cm/mi
n ]の低速度のときは隙間3[mm]が溶接可能な限
界であり、それ以上の溶接速度では、溶接可能な上限値
が低下し、溶接速度が70[cm/min ]以上にな
ると溶接可能な隙間の上限値は1.5[mm]まで低下
する。
【0232】これに対して、請求項6の溶接方法におい
ては、通電比率Dsを0.3乃至0.7まで、ア−ク電
圧検出信号によって可変にし、他の条件を同一にしてパ
ルスア−ク溶接すると、○印及び実線に示すように、溶
接速度30[cm/min ]の低速度のときは、溶接
可能な隙間の限界が、通電比率Dsを固定したときの3
[mm]から6.5[mm]まで拡大させることができ
、溶接速度が70[cm/min ]では、溶接可能な
隙間の限界を、通電比率Dsを固定したときの1.5[
mm]から3.5[mm]まで拡大させることができた
【0233】このように、溶接可能な隙間の限界を、通
電比率Dsを固定したときよりも大幅に拡大させること
ができた理由は、前述した図54(C)及び図55(D
)において説明した問題点を図58(A)及び(B)に
おいて説明したように、ア−ク電圧検出信号によって通
電比率Dsを制御してア−ク長を補正したことによるも
のである。
【0235】(実施例24…図52の重ね隅肉溶接の説
明)図52は、前述した板厚1.5[mm]のアルミニ
ウム合金板A5052の重ね隅肉溶接において、図53
で示すように、溶接線の重ね部分に隙間Gがあり、その
隙間を2乃至5[mm]に変化させるとともに、溶接速
度を30乃至100[cm/min ]に変化させたと
き、溶け落ちがなく溶接が可能な範囲(斜線部分)を示
すグラフであって、縦軸が溶接線の重ね部分の隙間G[
mm]を示し、横軸が溶接速度WS[cm/min ]
を示す。図52において、溶接条件は、溶接電流の平均
値を60乃至120[A]でア−ク電圧を16.5乃至
19[V]とし、前述した図51に示すように、パルス
電流値280[A]でパルス幅1.2[ms]の第1パ
ルス電流群と、パルス電流値380[A]でパルス幅1
.2[ms]の第2パルス電流群とを、切換周波数2.
5[Hz]である。
【0236】図52において、Δ印及び点線は、前述し
た請求項26の溶接方法、すなわち、上記の溶接条件で
通電比率Dsを0.5に固定して溶接した場合の溶接可
能な隙間の上限値を示し、溶接速度が30乃至50[c
m/min]の低速度のときは隙間3[mm]が溶接可
能な限界であり、それ以上の溶接速度では、溶接可能な
上限値が低下し、溶接速度が60[cm/min ]以
上になると溶接可能な隙間の上限値は2[mm]まで低
下する。
【0237】これに対して、請求項6の溶接方法におい
ては、通電比率Dsを0.3乃至0.7まで、ア−ク電
圧検出信号によって可変にし、他の条件を同一にしてパ
ルスア−ク溶接すると、○印及び実線に示すように、溶
接速度30乃至60[cm/min ]の低速度のとき
は、溶接可能な隙間の限界が、通電比率Dsを固定した
ときの3[mm]から5[mm]まで拡大させても、上
側の板の片溶けがなく溶接可能であり、溶接速度が10
0[cm/min ]になっても、溶接可能な隙間の限
界を、通電比率Dsを固定したときの2[mm]から3
[mm]まで拡大させることができた。
【0238】このように、溶接可能な隙間の限界を通電
比率Dsを固定したときよりも大幅に拡大させることが
できた理由は、前述した図56(C)及び図57(D)
において説明した問題点を図59(A)及び(B)にお
いて説明したように、ア−ク電圧検出信号によって通電
比率を制御してア−ク長を補正したことによるものであ
る。
【0240】(請求項19の説明)請求項19の溶接方
法は、ワイヤ送給速度WFを切換周波数F=0.5乃至
5[Hz]で第1ワイヤ送給速度と第2ワイヤ送給速度
とに切り換え、第2溶接電流値I2 と第1溶接電流値
I1 との比が1.05乃至1.20とする溶接方法で
ある。  以下、請求項19の方法を前述した請求項2
5の突合せ溶接及び請求項26の重ね隅肉溶接に適用し
た場合について説明する。
【0241】請求項19の溶接方法は、請求項25又は
26及び請求項6の通電比率Dsを制御することによっ
て隙間に対応したア−ク長に補正する作用に加えて、ワ
イヤ送給速度を制御された通電比率Dsで切換えること
によって余盛形状を補正して溶接するMAGア−ク溶接
方法である。
【0242】前述した請求項6の溶接方法においては、
隙間が大きくなったとき、ア−ク電圧の低下を検出して
、その検出信号によって通電比率Dsを、ア−ク長を増
加させるように制御することによってア−ク長を補正し
、前述した実施例23に示すように、溶接可能な隙間の
限界を、通電比率Dsが固定のときよりも大幅に拡大さ
せることができた。しかし、請求項25又は請求項26
に請求項6を適用した溶接方法は、この隙間が大きくな
ったときに、ア−ク長を大に補正することによって溶け
落ちのない溶接のできる範囲を大幅に拡大させることが
できるが、隙間が大きくなってくると、溶融金属が不足
して余盛り高さが不足し、平坦な外観のビ−ドになって
くる。
【0244】請求項19の溶接方法においては、隙間が
大に変化したことによってア−ク電圧が低下し、これを
検出して通電比率Dsを制御してア−ク長が長くなるよ
うに補正するとともに、ワイヤ送給速度を、通電比率D
sに対応させて増加するように切換えることによって、
溶接電流を増加させて溶融金属量を増加させて、大きく
なった隙間に充填させることによって、隙間が大きくな
るにしたがって不足になる余盛りを補い外観の良好なビ
−ド形状を得ることができる。
【0245】逆に、請求項6の溶接方法において、隙間
が小さくなったとき、ア−ク電圧の増加を検出して、そ
の検出信号によって通電比率Dsを、ア−ク長を減少さ
せるように制御することによってア−ク長を補正し、前
述した実施例23に示すように、溶接可能な隙間の限界
を通電比率Dsが固定のときよりも拡大させることがで
きた。しかし、請求項25又は請求項26に請求項6を
適用した溶接方法は、この隙間が小さくなったときに、
ア−ク長を短くするように補正することによって溶接の
できる範囲を拡大することができるが、隙間が小さくな
ると、溶融金属が余分になって余盛り高さが高くなりす
ぎる。
【0246】請求項19の溶接方法においては、隙間が
小に変化したことによってア−ク電圧が増加し、これを
検出して通電比率Dsを制御してア−ク長が短くなるよ
うに補正するとともに、ワイヤ送給速度を、通電比率D
sの切り換えに対応させて減少するように切換えること
によって、溶接電流を減少させて溶融金属量を減少させ
て、余盛り高さを減少させることにより、ア−ク長を短
く設定した場合でもワイヤ先端と溶融金属表面との接触
によるア−ク切れを防ぐことができる。
【0250】(突合せ溶接のワイヤ送給速度一定と切換
との比較)
【表2】は、図50に示す溶接方法において、ワイヤ送
給速度一定のときの溶接方法を実施したときの実線の曲
線上のa点乃至d点における溶接電流の平均値Ia並び
にワイヤ送給速度を切り換えたときの溶接方法を実施し
たときの実線の曲線上のa点乃至d点における第1パル
ス通電期間T1 の溶接電流平均値M1 及び第2パル
ス通電期間T2 の溶接電流平均値M2 である。図6
0は、図50に示す溶接方法において、ワイヤ送給速度
を一定にして溶接したときの実線の曲線上のa点乃至d
点における溶接ビ−ドの断面形状と、ワイヤ送給速度を
切り換えて溶接したときの実線の曲線上のa点乃至d点
における溶接ビ−ドの断面形状とを示す。両者の溶接ビ
−ド断面形状を比較すると、ワイヤ送給速度一定のとき
の断面形状は、余盛が不足しているのに対して、ワイヤ
送給速度を切り換えたときの断面形状は、溶接電流の平
均値を10乃至20%増加させてワイヤ溶融量を増加さ
せることによって、充分な余盛が得られている。
【0255】(重ね隅肉溶接のワイヤ送給速度一定と切
換との比較)
【表3】は、図52に示す本請求項の溶接方法において
、ワイヤ送給速度一定の溶接方法を実施したときの実線
の曲線上のa点乃至d点における溶接電流の平均値Ia
並びにワイヤ送給速度を切り換えたときの溶接方法を実
施したときの実線の曲線上のa点乃至d点における第1
パルス通電期間の溶接電流平均値M1 及び第2パルス
通電期間の溶接電流平均値M2 である。図61は、図
52に示す本請求項の溶接方法において、ワイヤ送給速
度を一定にして溶接したときの実線の曲線上のa点乃至
d点における溶接ビ−ドの断面形状と、ワイヤ送給速度
を切り換えて溶接したときの実線の曲線上のa点乃至d
点における溶接ビ−ドの断面形状とを示す。両者の溶接
ビ−ド断面形状を比較すると、ワイヤ送給速度一定のと
きの断面形状は、余盛が不足しているのに対して、ワイ
ヤ送給速度を切り換えたときの断面形状は、溶接電流の
平均値を10乃至20%増加させてワイヤ溶融量を増加
させることによって、充分な余盛が得られている。
【0260】(請求項27)請求項27の溶接方法は、
切換周波数Fを0.5乃至15[Hz]とし、ア−ク長
の変化値Leを1[mm]以上として、アルミニウムの
溶融池を撹拌させて結晶粒を微細化して凝固割れ感受性
を低下させる溶接方法である。
【0261】(図62乃至図64の説明)図62は、図
64で説明する試験片を使用して、パルス電流を切換周
波数F[Hz](横軸)を通電して割れ率(LC/LW
)×100[%](縦軸)を算出した図である。ただし
LCは割れの長さ[mm]であり、LWは溶接長さ[m
m]である。同図に示すように、切換周波数Fが4[H
z]付近で割れ感受性が最小となっている。図63は、
図62と同一溶接条件で溶接したときの切換周波数F[
Hz](横軸)と平均結晶粒径SD[μm](縦軸)と
の関係を示す図である。同図に示すように、図62の割
れ率が最小となった切換周波数4[Hz]付近で、平均
結晶粒径SDも最小となっており、平均結晶粒径が小さ
くなると割れが発生しにいくいことを関連ずけている。
【0262】図64は、従来のパルスMIGア−ク溶接
方法により溶接した結果とア−ク長を変化させるパルス
MIGア−ク溶接方法により結晶粒を微細化した本請求
項の溶接方法の結果を比較するために、従来のパルスM
IGア−ク溶接方法で溶接長の約1/2を溶接した後に
、本請求項の溶接方法を実施するパルスMIGア−ク溶
接方法の条件に切換えて溶接を続行したときの割れに対
する効果を示した図である。従来のパルスMIGア−ク
溶接方法においては、溶接長の全域に割れが発生したの
に対して、図64においては、従来のパルスMIGア−
ク溶接方法で溶接した後に、本請求項の溶接方法に溶接
条件を切換えると、多少の時間遅れ後に、割れがなくな
っており、本請求項の溶接方法の効果の確認をすること
ができた。
【0263】(図65乃至図67の説明)図65は、ア
−ク長の変化値Le[mm](横軸)と溶融池振幅PW
[mm](縦軸)との関係を示す図である。同図の溶接
条件は、パルス電流を切換周波数4[Hz]で切換えて
いる。この図に示すように、変化値Leが大になるほど
、溶融池振幅PWが増加している。
【0264】図66は、ア−ク長の変化値Le[mm]
(横軸)と平均結晶粒径SD[μm]との関係を示す図
である。同図の溶接条件は、パルス電流を切換周波数4
[Hz]で切換えている。この図に示すように、ア−ク
長の変化値Leが1[mm]未満になると、平均結晶粒
径SDが200[μm]以上となることを示し、200
[μm]以上になると割れが発生しやすくなるので、ア
−ク長の変化値Leは、1[mm]以上が必要である。
【0265】図67は、切換周波数F[Hz](横軸)
とア−ク長の変化値Le[mm](縦軸)との関係を示
す図である。前述した図66から、平均結晶粒径SDが
200[μm]以下となるためには、ア−ク長の変化値
Leが1[mm]以上が必要であるが、そのためには、
この図67において、切換周波数Fが15[Hz]以下
であることが必要である。このように切換周波数Fが1
5[Hz]を超えると、ワイヤ先端の突き出し長の溶融
長さの変化が、切換周波数Fに追従することが困難にな
ってくるためである。他方、前述した図63から、平均
結晶粒径SDを200[μm]以下にするには、切換周
波数Fが0.5[Hz]以上であることが必要であるの
で、結局、本請求項の溶接方法においては、切換周波数
Fを0.5乃至15[Hz]とし、又ア−ク長の変化値
Leを1[mm]以上とすることが必要である。
【0270】(請求項28)請求項28の溶接方法は、
切換周波数Fを1.0乃至15[Hz]とし、ア−ク長
の変化値Leを1[mm]以上として、ステンレス鋼の
溶融池を撹拌させて結晶粒を微細化して割れの発生を防
止又は非破壊検査の精度を向上させる溶接方法である。
【0271】(図68の説明)図68(A)は、ア−ク
長の変化値Leを生じさせる本請求項の溶接方法を実施
する溶接電流の平均値100[A]でア−ク電圧の平均
値19[V]のパルス電流を、板厚4[mm]のステン
レス鋼及び直径1.0[mm]のステンレス鋼に通電し
て、溶接速度30[cm/min]で、パルスMIGア
−ク溶接をしたときの溶接ビ−ド外観を示す図であり、
同図(B)および(C)は、溶融池高さPN及び溶融池
振幅PWの時間tに対する経過を示す図である。上記の
パルス電流を通電して溶接したときの図68(A)に示
す溶接ビ−ド外観の溶着金属の波形状凝固跡が見受けら
れる。また、本請求項の溶接方法において、溶接中の溶
融池の振動を、通常のMIG溶接の場合と同様に、高速
度ビデオで撮影し、画像解析装置によって測定すると、
溶融池振動の振幅PWは、同図(B)に示すように1.
0[mm]である。そのために、本請求項の溶接方法に
おいては、同図(C)に示すように、溶着金属の対流は
、表面層から内部まで行われ、溶融池の撹拌作用によっ
て成長してきた柱状晶を結晶粒に微細化して粒界を細か
く分岐する。したがって、凝固割れが粒界に沿って伝播
するので、粒界が細かく分岐されていると、割れは伝播
しにくい。また溶融池の揺動が大きいときは、割れが発
生しても、亀裂に揺動した溶融金属が充填される現象(
溶接凝固冶金学ではヒ−リングhealing と呼ば
れている。)が役立つので、この理由からも、割れの防
止効果が大きい。
【0272】(実施例…図69の説明)図69(A)は
、18Cr8Niステンレス鋼を、通常のMIG溶接を
した後、放射線透過試験をしたときの状態を説明する図
であって、粗大結晶粒の粒界にそったと見られる符号d
f1 ,df2 及びdf3 で示す黒い影が、溶接ビ
−ドに現れており、このような黒い影は、溶接金属に割
れが発生したときにも生じるために、本当に割れが発生
しているのかどうか判定がまぎらわしい。これに対して
、同図(B)は、本請求項のパルスMIGア−ク溶接方
法を実施するパルス電流を通電して、同図(A)と同じ
放射線透過試験をしたときの状態を示す図であって、ア
−ク長の周期的変化による溶融池が攪拌されて結晶粒を
微細化させたことによって、上述した同図(A)に示し
たdf1 ,df2 及びdf3 のような黒い影が現
れなかった。したがって、本請求項のパルスMIGア−
ク溶接方法によってステンレス鋼を溶接すると、結晶粒
を微細化するので、割れが発生しにくく、また、放射線
透過試験においても、割れと判定すべきかどうかの黒い
影が現れなくなっている。
【0273】(図70の説明)図70(A)は、18−
8ステンレス鋼を通常のMIG溶接をした後に、超音波
深傷試験をしたときのエコ−を示す図である。同図(A
)のA1で示す波形においては、欠陥がないにもかかわ
らず符号nf11に示す多くのエコ−が発生している。 同図(A)のA2波形では、予め欠陥をつくっておいて
試験をしたとき、この予めつくった欠陥に対応した位置
で符号df11に示すエコ−が発生して欠陥の可能性を
表示しているが、さらに、この符号df11に示すエコ
−の他に、実際には欠陥がないにもかかわらず符号nf
12に示すエコ−が発生し、欠陥の判別を不確実にし、
欠陥の検出精度を低下させている。
【0274】これに対して、同図(B)は、本請求項の
パルスMIGア−ク溶接方法を実施するパルス電流を通
電して、図70(A)と同じ超音波深傷試験をしたとき
のエコ−を示す図である。同図(B)のB1で示す波形
では、欠陥がない位置で符号nf21に示す若干のエコ
−が発生しているが、前述したA1の波形にくらべて非
常に小さい。同図(B)のB2の波形では、A2と同様
に予め欠陥をつくっておいて試験をしたとき、この予め
つくった欠陥に対応した位置で符号df21に示すエコ
−が発生して欠陥が発生していることを表示し、また、
欠陥がない位置で、符号nf22で示す若干のエコ−が
発生している。本請求項のパルスMIGア−ク溶接方法
では、波形B1及びB2に現われた欠陥でない位置のエ
コ−nf21及びnf22のピ−ク値は、結晶粒の微細
化によって、実際に欠陥のある位置のエコ−df21の
ピ−ク値にくらべて、相当に低いために、df21のエ
コ−が欠陥であり、nf21及びnf22が欠陥でない
ことを確実に判別することができるので、欠陥の検出精
度を向上させることができる。
【0275】(図71の説明)図71は、JIS Z3
060 に基づいて検出されるエコ−高さEHのM検出
レベルにおける領域I乃至V(縦軸)と平均結晶粒径S
D[μm](横軸)との関係を示す図である。同図にお
いて、JIS Z3060 において等級の判定基準と
なるエコ−高さの領域III を超えるパルス状の異常
を検出するエコ−は、平均結晶粒径300[μm]を超
えると発生していることを示している。この平均結晶粒
径250[μm]を超えると、溶接ビ−ドの中央に溶接
線方向に細長いストレイ晶が発生しており、放射線透過
試験をすると、前述した図69(A)に示すように、こ
のストレイ晶に沿った黒い影df1 乃至df3 が検
出され、欠陥の判別を不確実にしている。
【0276】(図72の説明)図72は、図71と同一
溶接条件で溶接したときの切換周波数F[Hz](横軸
)と平均結晶粒径SD[μm](縦軸)との関係を示す
図である。同図に示すように、切換周波数4[Hz]付
近で、平均結晶粒径SDが最小となっており、切換周波
数F[Hz]が1[Hz]未満及び15[Hz]をこえ
ると、平均結晶粒径SDが300[μm]をこえる。 平均結晶粒径SDが300[μm]をこえると、放射線
透過試験、超音波深傷試験等の非破壊検査における欠陥
の判別を不確実にしている。
【0277】(図73の説明)図73は、ア−ク長の変
化値Le[mm](横軸)と図68(B)に示す溶融池
振幅PW[mm](縦軸)との関係を示す図である。図
73の溶接条件は、パルス電流を切換周波数4[Hz]
で切換えている。図73に示すように、ア−ク長の変化
値Leが大になるほど、溶融池振幅PWが増加している
【0278】(図74の説明)図74は、ア−ク長の変
化値Le[mm](横軸)と平均結晶粒径SD[μm]
(縦軸)との関係を示す図である。同図の溶接条件は、
パルス電流を切換周波数4[Hz]で切換えている。同
図に示すように、ア−ク長の変化値Leが大になるほど
、溶融池の攪拌によって、平均結晶粒径が小さくなり、
ア−ク長の変化値Leが1[mm]未満になると、平均
結晶粒径SDが250[μm]以上となることを示し、
300[μm]以上になると、非破壊検査における欠陥
の判別を不確実にしたり、割れが発生しやすくなるので
、ア−ク長の変化値Leは、1[mm]以上が必要であ
る。
【0279】(図75の説明)図75は、切換周波数F
[Hz](横軸)とア−ク長の変化値Le[mm](縦
軸)との関係を示す図である。前述した図74から、平
均結晶粒径SDが250[μm]以下となるためには、
ア−ク長の変化値Leが1[mm]以上必要であるが、
そのためには、この図75において、切換周波数Fが1
5[Hz]以下であることが必要である。このように切
換周波数Fが15[Hz]を超えると、消耗電極先端の
突き出し長の溶融長さの変化が、切換周波数Fに追従す
ることが困難になってくるためである。このように平均
結晶粒径SDを250[μm]以下にするには、図72
において前述したように、切換周波数Fが1[Hz]以
上であることが必要であるので、結局、請求項28の溶
接方法においては、切換周波数Fを1乃至15[Hz]
とし、又ア−ク長の変化値Leを1[mm]以上とする
ことが必要である。
【0280】(図76の説明)図76は、パルスなしM
IGア−ク溶接方法において、ア−ク電圧の変化値ΔV
a[V](横軸)とア−ク長の変化値Le[mm]との
関係を示す図である。同図の溶接条件は、直径1.0[
mm]のステンレス鋼ワイヤSUS308を、ワイヤ送
給速度略一定で送給し、第1溶接条件における溶接電流
値が200[A]、第1ア−ク電圧値23[V]でア−
ク長が3[mm]であり、第2溶接条件のア−ク電圧の
変化値ΔVa[V]とア−ク長の変化値Le[mm]と
の関係をΔ印と点線とで示す。また、直径1.2[mm
]のステンレス鋼ワイヤSUS308を、ワイヤ送給速
度略一定で送給し、第1溶接条件における溶接電流値が
250[A]、第1ア−ク電圧値25[V]でア−ク長
が3[mm]であり、第2溶接条件のア−ク電圧の変化
値ΔVa[V]とア−ク長の変化値Le[mm]との関
係を○印と実線とで示す。上記の第1溶接条件及び第2
溶接条件ともに臨界電流値Ic以上の溶接電流を通電し
ているので、スプレイ移行の範囲内でア−ク長を変化さ
せている。
【0281】(図77の説明)図77は、パルスなしM
IGア−ク溶接方法において、切換周波数F[Hz](
横軸)と平均結晶粒径SD[μm](縦軸)との関係を
示す図である。図77の溶接条件は、直径1.0[mm
]のステンレス鋼ワイヤSUS308を、ワイヤ送給速
度略一定で送給し、第1溶接条件における溶接電流値が
200[A]、第1ア−ク電圧値が23[V]で、第2
溶接条件のア−ク電圧値は26[V]である。同図にお
いては、図72の場合と同様に、切換周波数4[Hz]
付近で、平均結晶粒径SDが最小となっており、切換周
波数F[Hz]が1[Hz]未満及び15[Hz]をこ
えると、平均結晶粒径SDが300[μm]をこえる。 平均結晶粒径SDが300[μm]をこえると、放射線
透過試験、超音波深傷試験等の非破壊検査における欠陥
の判別を不確実にしている。
【0290】(請求項29)請求項29の溶接方法は、
切換周波数Fを0.5乃至25[Hz]とし、ア−ク長
の変化値Leを1[mm]以上として、アルミニウムの
溶融池を撹拌させてブロ−ホ−ルを防止する溶接方法で
ある。
【0291】(図78の説明)図78は、パルス電流を
通電して溶接したときの溶融池振幅PW[mm](横軸
)と溶接長50[mm]の間に発生したブロ−ホ−ル数
BN[個/50mm](縦軸)との関係を示す図である
。同図において、溶融池振幅PWが0.5[mm]以下
になると、ブロ−ホ−ル数が急激に増加しているので、
溶融池振幅PWは0.5[mm]以上であることが必要
である。 この図78の関係を測定したときの溶接条件は直径1.
6[mm]のアルミニウムワイヤを使用し、ブロ−ホ−
ルの発生個数の変化を調べるために、純アルゴンガスに
故意に0.1[%]の水素ガスを混入させたシ−ルドガ
ス中で、本請求項の溶接方法により溶接している。
【0292】このときのパルス電流は、第1パルス電流
値IP1 =280[A]、第1パルス幅TP1 =1
.2[ms]、第1ベ−ス電流値IB1 =30[A]
、パルス周波数は約100[Hz]の第1パルス電流群
P1 ,P1 …と第2パルス電流値IP2 =300
[A]、第2パルス幅TP2 =2.0[ms]、第2
ベ−ス電流値IB2 =30[A]、パルス周波数は約
70[Hz]の第2パルス電流群P2 ,P2…とを切
換周波数4[Hz]で周期的に切換えており、溶接電流
の平均値Iaは100[A]である。また、このパルス
電流を通電したときの第1ア−ク電圧値Va1 は17
.5[V]で第2ア−ク電圧値Va2 は20[V]で
あり、ア−ク長の変化値Leは3.5[mm]である。
【0293】(図79乃至図81の説明)図79は、パ
ルス電流を通電して溶接したときの切換周波数F[Hz
](横軸)と溶融池振幅PW[mm](縦軸)との関係
を示す図である。同図に示すように、溶融池振幅PWを
0.5[mm]以上にするためには、切換周波数Fが2
5[Hz]以下であることが必要である。図80は、図
79と同一溶接条件で溶接したときの切換周波数F[H
z](横軸)と溶接長50[mm]の間に発生したブロ
−ホ−ル数BN[個/50mm](縦軸)との関係を示
す図である。同図に示すように、切換周波数0.5[H
z]未満及び25[Hz]をこえると、ブロ−ホ−ル数
が急激に増加するので、切換周波数Fが0.5乃至25
[Hz]であること必要である。この切換周波数が0.
5[Hz]未満になると溶融池を振動させることができ
ないためであり、逆に切換周波数F[Hz]が25[H
z]を超えると、ワイヤ先端の突き出し長の溶融長さの
変化が、切換周波数Fに追従することができなくなって
くるためである。
【0294】図81は、板厚3[mm]のアルミニウム
材A5052の平板上に、直径1.2[mm]のアルミ
ニウム合金ワイヤで溶接したとき、溶接長10[cm]
の間に発生したブロ−ホ−ルの個数BN[個/10cm
](縦軸)とア−ク長の変化値Le[mm](横軸)と
の関係を示す。このときの溶接電流の平均値Ia=10
0[A]で、ア−ク電圧値の平均値Va=19[V]で
、切換周波数F=0.5乃至2[Hz]である。同図か
ら、ア−ク長の変化値Leが5[mm]を超えると、ブ
ロ−ホ−ル数が急激に増加する。その理由は、市販の溶
接用ガスシ−ルドノズル5を用いた場合、短絡が生じな
いように、ア−ク長を短い3[mm]に設定したとき、
ア−ク長の変化値が5[mm]を超えると、ア−ク長が
8[mm]を超える。このとき、ア−クが発生している
ワイヤ先端1aがガスシ−ルドノズル5の付近まで達す
るために、シ−ルドガス雰囲気を乱すことになり、ガス
シ−ルドが充分に行われなくなり、ブロ−ホ−ルが発生
する。したがって、ア−ク長の変化値Leは5[mm]
以下にすることが適正である。
【0295】図82は、溶融池の振幅が0.5[mm]
以上得られる切換周波数F[Hz](横軸)とア−ク長
の変化値Le[mm](縦軸)との関係を示す。同図に
示すように、請求項29の溶接方法において、溶融池振
幅PWを0.5[mm]以上を得るためには、曲線より
も上方の範囲内であることが必要である。同図において
、切換周波数F=0.5[Hz]からF=12[Hz]
までのときはア−ク長の変化値Le=1[mm]以上が
必要であり、F=25[Hz]のときはLe=0.5[
mm]以上が必要である。したがって、ア−ク長の変化
値Leは少なくとも0.5[mm]以上必要であり、ま
た前述した図81からLe=5[mm]以下であること
が必要であるので、本請求項のア−ク溶接方法において
は、切換周波数が0.5乃至25[Hz]であって、こ
の切換周波数の増大に対応させて、ア−ク長の変化値L
eを少なくとも0.5乃至1[mm]以上とし、かつ5
[mm]以下の値とすることが必要である。
【0296】ここで、図82において、切換周波数F=
12[Hz]までのとき、溶融池振幅PWを0.5[m
m]以上得るためのア−ク長の変化値Leが1[mm]
を最大として、それ以上の切換周波数になるとア−ク長
の変化値Leが小さくなるが、Le=0.5[mm]以
上のPWが得られる理由として、図81における溶接電
流の平均値Ia=100[A]、溶接電圧の平均値Va
=19[V]、溶接速度WS=40[cm/ 分]では
、溶融池の直径が約1[cm]程度となる。ここで、溶
融金属の固有振動数Frは、溶融池の直径に依存し、

式1】で示される。 アルミニウムの場合 表面張力:900[dyn/cm] 密  度:2.5[g/cm3 ] であるので、溶融池直径[cm]、例えば1[cm]を
式1に代入すれば、 Fr=19[Hz] となり、これがアルミニウム溶融池の固有振動数となり
、切換周波数Fがこの周波数に相当すれば、わずかなア
−ク長変化値Leでも溶融池はかなり共振する。
【0297】以上より、実施上、通常のMIG溶接方法
で得られる溶融池の固有振動数Frは、10乃至25[
Hz]であるので、切換周波数Fを10乃至25[Hz
]にすると溶融池は容易に振動する。しかし、切換周波
数Fが10乃至25[Hz]以外の周波数で溶融池を振
動させるためには、強制的にア−ク長を大きく変化させ
る必要がある。切換周波数Fが10[Hz]以下のとき
は、ア−ク長を大きく変化させることは容易であるがF
=25[Hz]を越えると、溶融池を振動させるために
はとくに大きなア−ク長の変化値Leを必要とするため
に、現実には、ワイヤ突き出し長の溶融長さの変化が切
換周波数Fに追従することができないので、切換周波数
Fは0.5乃至25[Hz]が適正である。
【0300】(本発明の溶接装置)請求項30は、本発
明の溶接装置の総括的な構成を示し、第1アーク長Lt
を得る第1パルス電流群と第2アーク長Lrを得る第2
パルス電流群とを切換信号によって周期的に切り換える
パルスMAG溶接装置において、アーク電圧値を検出し
てアーク電圧検出信号Vdを出力するアーク電圧検出回
路VDと、アーク電圧設定信号Vs1 又は第1ア−ク
電圧設定信号Vs1 と第2ア−ク電圧設定信号Vs2
 とを切り換えた切換ア−ク電圧信号S6 とアーク電
圧検出信号Vdとを比較して差のアーク電圧制御信号C
m2 を出力する比較回路CM2とを備えたア−ク電圧
制御回路と、アーク電圧制御信号Cm2 対応したパル
ス周波数f3 又はパルス幅TP3又はベース電流値I
B3又はパルス電流値IP3を制御するパルスベース電
流制御信号を出力するパルスベース電流制御回路と、第
1パルス電流群のパルス電流値及びパルス幅及びパルス
周波数及びベース電流値の4つの条件のうちパルスベー
ス電流制御信号で制御する条件を除いた3つの条件を設
定して第1パルスベース電流設定信号を出力する第1パ
ルスベース電流設定回路と、第2パルス電流群のパルス
電流値及びパルス幅及びパルス周波数及びベース電流値
の4つの条件のうちパルスベース電流制御信号で制御す
る条件を除いた3つの条件を設定して第2パルスベース
電流設定信号を出力する第2パルスベース電流設定回路
と、切換周波数F=0.5乃至25[Hz]で切り換え
て切換信号Hlを出力する切換回路HLと、第1ア−ク
電圧設定信号Vs1 と第2ア−ク電圧設定信号Vs2
 とを切換信号Hlによって切り換えて切換ア−ク電圧
信号S6 を出力するか又は第1パルスベース電流設定
信号と第2パルスベース電流設定信号とを切換信号Hl
によって切り換えて切換設定信号を出力するか又はその
両方の信号を出力する1以上の切換設定回路と、パルス
ベース電流制御信号と切換設定信号とを入力して第1パ
ルス制御信号Pf1 及び第2パルス制御信号Pf2 
を出力するパルス制御信号発生回路と、第1パルス制御
信号Pf1 が入力されたとき第1パルス電流群を出力
し第2パルス制御信号Pf2 が入力されたとき第2パ
ルス制御信号Pf2 を出力する溶接出力制御回路とを
備えたパルスMAG溶接装置である。
【0301】(パルス周波数制御…請求項31乃至33
の説明)請求項31乃至33は、請求項30の構成にお
いて、ア−ク電圧をパルス周波数によって制御する場合
を示し、請求項30のパルスベース電流制御信号を出力
するパルスベース電流制御回路が、パルス周波数f3 
を制御するパルス周波数制御信号Vf3 を出力するパ
ルス周波数制御信号発生回路VF3であり、第1パルス
ベース電流設定信号を出力する第1パルスベース電流設
定回路が、パルス電流値設定信号Ip1 を設定するパ
ルス電流値設定回路IP1と、パルス幅設定信号Tp1
 を設定するパルス幅設定回路TP1と、ベース電流設
定信号Ib1を設定するベース電流値設定回路IB1で
ある。
【0305】(請求項31の第1の実施例)請求項31
の第1の実施例は、第2パルスベース電流設定信号を出
力する第2パルスベース電流設定回路が、第2パルス電
流値設定信号Ip2 を設定する第2パルス電流値設定
回路IP2と、パルス幅設定信号Tp1 を設定するパ
ルス幅設定回路TP1と、ベース電流設定信号Ib1 
を設定するベース電流設定回路IB1であり、切換設定
信号を出力する切換設定回路が、パルス電流値設定信号
Ip1 と第2パルス電流値設定信号Ip2 とを切り
換えて切換パルス電流値設号S1 を出力するパルス電
流値切換回路SW1であり、パルスベース電流制御信号
と切換設定信号とを入力とするパルス制御信号発生回路
が、アーク電圧制御信号Cm2 を入力としてパルス周
波数制御信号Vf3 を出力するパルス周波数制御信号
発生回路VF3と、パルス周波数制御信号Vf3 とパ
ルス幅設定信号Tp1 とから成るパルス幅周波数制御
信号Df3 を出力するパルス幅周波数制御信号発生回
路DF3と、切換パルス電流値信号S1 とベース電流
設定信号Ib1 とをパルス幅周波数制御信号Df3 
によって切り換えるベースパルス電流切換回路SW5と
から構成されるパルスMAG溶接装置である。
【0306】(図83の説明)図83は、請求項31の
溶接方法を実施する装置の第1の実施例のブロック図で
あって、図92に示す溶接電流の波形を出力する。図8
3において、商用電源ACを入力として溶接出力制御回
路PSから消耗電極1の給電チップ4と被溶接物2との
間に出力を供給してア−ク3を発生させる。消耗電極1
はワイヤ送給モ−タWMにより回転するワイヤ送給ロ−
ラWRより供給される。ワイヤ送給速度制御回路WCは
、後述する信号Imとワイヤ送給モ−タWMの回転速度
を検出するワイヤ送給速度検出回路WDの送給速度検出
信号Wdを比較するワイヤ送給速度比較回路(以下、第
1比較回路という)CM1のワイヤ送給速度制御信号C
m1を入力として、ワイヤ送給モ−タWMにワイヤ送給
速度制御信号Wcを出力する。ア−ク電圧設定回路VS
1は、ア−ク電圧を設定する回路であって、ア−ク電圧
設定信号Vs1 を出力する。第2比較回路CM2は、
ア−ク電圧設定信号Vs1 とア−ク電圧検出回路VD
のア−ク電圧検出信号Vdとを入力としてその差のア−
ク電圧制御信号Cm2 を出力する。通電周波数設定回
路FTは、第1パルス通電期間T1 と第2パルス通電
期間T2 とを切換える切換信号Hlの切換周波数Fを
設定する回路であって、例えば、0.5乃至25Hz程
度の設定が適切であり、通電周波数信号Ftを出力する
。溶接速度WSと適切な溶接結果を得るための切換周波
数Fとは関係が大であるので、溶接速度設定回路WSの
溶接速度設定信号Wsを、通電周波数設定回路FTに入
力して、溶接速度に対応した通電周波数信号Ftを切換
回路HLに入力する。通電比率設定回路DTは、第2溶
接条件の第2パルス通電期間T2 と第1溶接条件の第
1パルス通電期間T1 との比率を設定する回路で、通
電比率信号Dtを出力する。切換信号発生回路HLは信
号Ftと信号Dtとを入力して、第1パルス通電期間T
1 と第2パルス通電期間T2 とを周期的に切換える
ための切換信号Hlを出力する。第1パルス電流値設定
回路IP1及び第2パルス電流値設定回路IP2は、そ
れぞれ第1パルス電流値設定信号Ip1 及び第2パル
ス電流設定信号Ip2を出力する。SW1は、切換信号
Hlによって信号Ip1 とIp2 とを切り換えて切
換パルス電流値信号S1 を出力する。
【0307】パルス周波数信号発生回路VF3は、ア−
ク電圧制御信号Cm2に対応して、パルス周波数制御信
号Vf3 を出力する。パルス幅周波数制御信号発生回
路DF3は、パルス幅設定信号Tp1 とパルス周波数
制御信号Vf3 とから成るパルス幅周波数制御信号D
f3 を出力する。パルスベ−ス電流切換回路SW5は
、第1溶接条件においては、第1溶接条件の切換パルス
電流値信号Ip1 とベ−ス電流設定信号Ib1 とを
、パルス幅周波数制御信号Df3 によって切り換えて
パルス制御信号Pf1を出力し、次に第2溶接条件にお
いては、第2溶接条件の信号Ip2 と信号Ib1 と
を、パルス幅周波数制御信号Df3 によって切り換え
てパルス制御信号Pf2 を出力して、溶接出力制御回
路PSに入力する。
【0308】(図92の説明)図92において、P1 
,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP1 、第
1パルス幅TP1 、第1パルス周波数f3 及び第1
ベ−ス電流IB1 から成る第1パルス電流群であり、
P2 ,P2 ,…P2 は、第2パルス電流値IP2
 、第1パルス幅と同じ第2パルス幅TP1 、第1パ
ルス周波数と同じ第2パルス周波数f3 及び第1ベ−
ス電流と同じ第2ベ−ス電流IB1から成る第2パルス
電流群であって、第1パルス通電期間T1 と第2パル
ス通電期間T2 とを、切換信号Hlによって切換周期
T1 +T2 、例えば、0.5乃至25Hzの低周波
の周期で切換える。M1 及びM2 は、それぞれの第
1及び第2パルス電流通電期間の溶接電流平均値であり
、Iaは溶接電流の平均値である。
【0310】(請求項31の第2の実施例)請求項31
の第2の実施例は、第2パルスベース電流設定信号を出
力する第2パルスベース電流設定回路が、パルス電流値
設定信号Ip1 を設定するパルス電流値設定回路IP
1と、第2パルス幅設定信号Tp2 を設定する第2パ
ルス幅設定回路TP2と、ベース電流設定信号Ib1 
を設定するベース電流設定回路IB1であり、切換設定
信号を出力する切換設定回路が、パルス幅設定信号Tp
1 と第2パルス幅設定信号Tp2 とを切り換えて切
換パルス幅信号S2 を出力するパルス幅切換回路SW
2であり、パルスベース電流制御信号と切換設定信号と
を入力とするパルス制御信号発生回路が、アーク電圧制
御信号Cm2 を入力としてパルス周波数制御信号Vf
3 を出力するパルス周波数制御信号発生回路VF3と
、パルス周波数制御信号Vf3 とパルス幅設定信号T
p1とから成る第1パルス幅周波数制御信号Df31及
びパルス周波数制御信号Vf3 と第2パルス幅設定信
号Tp2 とから成る第2パルス幅周波数制御信号Df
32を出力するパルス幅周波数制御信号発生回路DF3
と、パルス電流値設定信号Ip1 とベース電流設定信
号Ib1 とを、第1パルス幅周波数制御信号Df31
及び第2パルス幅周波数制御信号Df32によって切り
換えるベースパルス電流切換回路SW5とから構成され
るパルスMAG溶接装置である。
【0311】(図84の説明)図84は、請求項31の
溶接方法を実施する第2の実施例のブロック図であって
、図93に示す溶接電流の波形を出力する。図84にお
いて、図83と同一の構成は説明を省略し、異なる構成
について説明する。第1パルス幅設定回路TP1及び第
2パルス幅設定回路TP2は、それぞれ第1パルス幅設
定信号Tp1 及び第2パルス幅設定信号Tp2 を出
力する。SW2は、切換信号Hlによって信号Tp1 
とTp2 とを切換えて切換パルス幅信号S2 を出力
する。パルス周波数制御信号発生回路VF3は、ア−ク
電圧制御信号Cm2 に対応して、パルス周波数制御信
号Vf3 を出力する。パルス幅周波数制御信号発生回
路DF3は、第1パルス幅設定信号Tp1 とパルス周
波数制御信号Vf3 とから成る第1溶接条件に対応す
る第1パルス幅周波数制御信号Df31と、第2パルス
幅設定信号Tp2 とパルス周波数制御信号Vf3 と
から成る第2溶接条件に対応する第2パルス幅周波数制
御信号Df32とを出力する。パルスベ−ス電流切換回
路SW5は、第1溶接条件においては、パルス電流値設
定信号Ip1 とベ−ス電流設定信号Ib1 とを、第
1パルス幅周波数制御信号Df31によって切り換えて
パルス制御信号Pf1 を出力し、次に第2溶接条件に
おいては、信号Ip1 と信号Ib1 とを、第2パル
ス周波数制御信号Df32によって切り換えてパルス制
御信号Pf2 を出力して、溶接出力制御回路PSに入
力する。
【0312】(図93の説明)図93において、P2 
,P2 ,…P2 は、第1パルス電流値と同じ第2パ
ルス電流値IP1 、第2パルス幅TP2 、第1パル
ス周波数と同じ第2パルス周波数f3 及び第1ベ−ス
電流値と同じ第2ベ−ス電流値IB1 から成る第2パ
ルス電流群である。その他は、図92と同じであるので
説明を省略する。
【0315】(請求項31の第3の実施例)請求項31
の第3の実施例は、第2パルスベース電流設定信号を出
力する第2パルスベース電流設定回路が、パルス電流値
設定信号Ip1 設定するパルス電流値設定回路IP1
と、パルス幅設定信号Tp1 を設定するパルス幅設定
回路TP1と、第2ベース電流設定信号Ib2 を設定
する第2ベース電流設定回路IB2であり、切換設定信
号を出力する切換設定回路が、ベース電流設定信号Ib
1 と第2ベース電流設定信号Ib2 とを切り換えて
切換ベース電流信号S3 を出力するベース電流切換回
路SW3であり、パルスベース電流制御信号と切換設定
信号とを入力とするパルス制御信号発生回路が、アーク
電圧制御信号Cm2 を入力としてパルス周波数制御信
号Vf3 を出力するパルス周波数制御信号発生回路V
F3と、パルス周波数制御信号Vf3 とパルス幅設定
信号Tp1 とから成るパルス幅周波数制御信号Df3
 を出力するパルス幅周波数制御信号発生回路DF3と
、パルス電流値設定信号Ip1 と切換ベース電流信号
S3 とをパルス幅周波数制御信号Df3 によって切
り換えるベースパルス電流切換回路SW5とから構成さ
れるパルスMAG溶接装置である。
【0316】(図85の説明)図85は、請求項31の
溶接方法を実施する第3の実施例のブロック図であって
、図94に示す溶接電流の波形を出力する。図85にお
いて、図83と同一の構成は説明を省略し、異なる構成
について説明する。第1ベ−ス電流値設定回路IB1及
び第2ベ−ス電流設定回路IB2はそれぞれ第1ベ−ス
電流設定信号Ib1 及び第2ベ−ス電流設定回路Ib
2 を出力する。SW3は、切換信号Hlによって信号
Ib1 と信号Ib2 とを切換えて切換ベ−ス電流信
号S3 を出力する。パルス周波数制御信号発生回路V
F3は、ア−ク電圧制御信号Cm2 に対応して、パル
ス周波数制御信号Vf3 を出力する。パルス幅周波数
制御信号発生回路DF3は、パルス幅設定信号Tp1 
とパルス周波数制御信号Vf3 とから成るパルス幅周
波数制御信号Df3 を出力する。パルスベ−ス電流切
換回路SW5は、パルス電流値設定信号Ip1 と切換
ベ−ス電流信号S3 の第1溶接条件の信号Ib1 と
を、第1パルス幅周波数制御信号Df3 によって切り
換えてパルス制御信号Pf1 を出力し、次に信号Ip
1 と信号S3 の第2溶接条件の信号Ib2 とを、
パルス幅周波数制御信号Df3 によって切り換えてパ
ルス制御信号Pf2 を出力して、溶接出力制御回路P
Sに入力する。
【0317】(図94の説明)図94において、P2 
,P2 ,…P2 は、第1パルス電流値と同じ第2パ
ルス電流値IP1 、第1パルス幅と同じ第2パルス幅
TP1 、第1パルス周波数と同じ第2パルス周波数f
3 及び第2ベ−ス電流値IB2 から成る第2パルス
電流群である。 その他は、図92と同じであるので説明を省略する。
【0320】(請求項31の第4の実施例)請求項31
の第4の実施例は、第2パルスベース電流設定信号を出
力する第2パルスベース電流設定回路が、第2パルス電
流値設定信号Ip2 を設定する第2パルス電流値設定
回路IP2と、第2パルス幅設定信号Tp2 を設定す
る第2パルス幅設定回路TP2と、ベース電流設定信号
Ib1 を設定するベース電流設定回路IB1とであり
、切換設定信号を出力する切換設定回路が、パルス電流
値設定信号Ip1 と第2パルス電流値設定信号Ip2
 とを切り換えて切換パルス電流値信号S1 を出力す
るパルス電流値切換回路SW1と、パルス幅設定信号T
p1 と第2パルス幅設定信号Tp2 とを切り換えて
切換パルス幅信号S2 を出力するパルス幅切換回路S
W2とであり、パルスベース電流制御信号と切換設定信
号とを入力とするパルス制御信号発生回路が、アーク電
圧制御信号Cm2 を入力としてパルス周波数制御信号
Vf3 を出力するパルス周波数制御信号発生回路VF
3と、パルス周波数制御信号Vf3 とパルス幅設定信
号Tp1 とから成る第1パルス幅周波数制御信号Df
31及びパルス周波数制御信号Vf3 と第2パルス幅
設定信号Tp2 とから成る第2パルス幅周波数制御信
号Df32を出力するパルス幅周波数制御信号発生回路
DF3と、切換パルス電流値信号S1 とベース電流設
定信号Ib1 とを、第1パルス幅周波数制御信号Df
31と第2パルス幅周波数制御信号Df32とによって
切り換えるベースパルス電流切換回路SW5とから構成
されるパルスMAG溶接装置である。
【0321】(図86の説明)図86は、請求項31の
溶接方法を実施する第4の実施例のブロック図であって
、図95に示す溶接電流の波形を出力する。図86にお
いて、図83と同一の構成は説明を省略し、異なる構成
について説明する。第1パルス電流値設定回路IP1及
び第2パルス電流値設定回路IP2は、それぞれ第1パ
ルス電流値設定信号Ip1 及び第2パルス電流設定信
号Ip2 を出力する。第1パルス幅設定回路TP1及
び第2パルス幅設定回路TP2は、それぞれ第1パルス
幅設定信号Tp1 及び第2パルス幅設定信号Tp2 
を出力する。SW1は、切換信号Hlによって信号Ip
1 とIp2 とを切換えて切換パルス電流値信号S1
 を出力する。SW2は、切換信号Hlによって信号T
p1 とTp2 とを切換えて切換パルス幅信号S2 
を出力する。パルス周波数制御信号発生回路VF3は、
ア−ク電圧制御信号Cm2 に対応して、パルス周波数
制御信号Vf3 を出力する。パルス幅周波数制御信号
発生回路DF3は、第1パルス幅設定信号Tp1 とパ
ルス周波数制御信号Vf3 とから成る第1溶接条件に
対応するパルス幅周波数制御信号Df31と、第2パル
ス幅設定信号Tp2とパルス周波数制御信号Vf3 と
から成る第2溶接条件に対応する第2パルス幅周波数制
御信号Df32とを出力する。パルスベ−ス電流切換回
路SW5は、第1溶接条件においては、信号S1 の第
1溶接条件のパルス電流値設定信号Ip1 とベ−ス電
流設定信号Ib1 とを、第1パルス幅周波数制御信号
Df31によって切り換えてパルス制御信号Pf1 を
出力し、次に第2溶接条件においては、信号S1 の第
2溶接条件の信号Ip2 と信号Ib1 とを、第2パ
ルス幅周波数制御信号Df32によって切り換えてパル
ス制御信号Pf2 を出力して、溶接出力制御回路PS
に入力する。
【0322】(図95の説明)図95において、P2 
,P2 ,…P2 は、第2パルス電流値IP2 、第
2パルス幅TP2 、第1パルス周波数と同じ第2パル
ス周波数f3 及び第1ベ−ス電流値と同じ第2ベ−ス
電流値IB1 から成る第2パルス電流群である。その
他は、図92と同じであるので説明を省略する。
【0325】(請求項31の第5の実施例)請求項31
の第5の実施例は、第2パルスベース電流設定信号を出
力する第2パルスベース電流設定回路が、第2パルス電
流値設定信号Ip2 を設定する第2パルス電流値設定
回路IP2と、第2パルス幅設定信号Tp2 を設定す
る第2パルス幅設定回路TP2と、第2ベース電流設定
信号Ib2 を設定する第2ベース電流設定回路IB2
とであり、切換設定信号を出力する切換設定回路が、パ
ルス電流値設定信号Ip1 と第2パルス電流値設定信
号Ip2 とを切り換えて切換パルス電流値信号S1 
を出力するパルス電流値切換回路SW1と、パルス幅設
定信号Tp1 と第2パルス幅設定信号Tp2 とを切
り換えて切換パルス幅信号S2 を出力するパルス幅切
換回路SW2と、ベ−ス電流設定信号Ib1 と第2ベ
−ス電流設定信号Ib2 とを切り換えて切換ベ−ス電
流信号S3 を出力するベ−ス電流切換回路SW3とで
あり、パルスベース電流制御信号と切換設定信号とを入
力とするパルス制御信号発生回路が、アーク電圧制御信
号Cm2 を入力としてパルス周波数制御信号Vf3 
を出力するパルス周波数信号発生回路VF3と、パルス
周波数制御信号Vf3 とパルス幅設定信号Tp1 と
から成る第1パルス幅周波数制御信号Df31及びパル
ス周波数制御信号Vf3 と第2パルス幅設定信号Tp
2 とから成る第2パルス幅周波数制御信号Df32を
出力するパルス幅周波数制御信号発生回路DF3と、切
換パルス電流値信号S1 と切換ベース電流信号S3 
とを、第1パルス幅周波数制御信号Df31と第2パル
ス幅周波数制御信号Df32とによって切り換えるベー
スパルス電流切換回路SW5とから成るクレームS1の
パルスMAG溶接装置である。
【0326】(図87の説明)図87は、請求項31の
溶接方法を実施する第5の実施例のブロック図であって
、図96に示す溶接電流の波形を出力する。図87にお
いて、図83と同一の構成は説明を省略し、異なる構成
について説明する。第1パルス電流値設定回路IP1及
び第2パルス電流値設定回路IP2は、それぞれ第1パ
ルス電流値設定信号Ip1 及び第2パルス電流設定信
号Ip2 を出力し、第1パルス幅設定回路TP1及び
第2パルス幅設定回路TP2は、それぞれ第1パルス幅
設定信号Tp1 及び第2パルス幅設定信号Tp2 を
出力する。第1ベ−ス電流値設定回路IB1及び第2ベ
−ス電流設定回路IB2はそれぞれ第1ベ−ス電流値設
定信号Ib1 及び第2ベ−ス電流設定回路Ib2 を
出力する。 SW1は、切換信号Hlによって信号Ip1 とIp2
 とを切換えて切換パルス電流値信号S1 を出力する
。SW2は、切換信号Hlによって信号Tp1 とTp
2 とを切換えて切換パルス幅信号S2 を出力する。 SW3は、切換信号Hlによって信号Ib1 と信号I
b2 とを切換えて切換ベ−ス電流信号S3を出力する
。パルス周波数制御信号発生回路VF3は、ア−ク電圧
制御信号Cm2 に対応して、パルス周波数制御信号V
f3 を出力する。パルス幅周波数制御信号発生回路D
F3は、第1パルス幅設定信号Tp1 とパルス周波数
制御信号Vf3 とから成る第1溶接条件に対応するパ
ルス幅周波数制御信号Df31と、第2パルス幅設定信
号Tp2 とパルス周波数制御信号Vf3 とから成る
第2溶接条件に対応するパルス幅周波数制御信号Df3
2とを出力する。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、
信号S1 及び信号S3 の第1溶接条件のパルス電流
値設定信号Ip1 とベ−ス電流設定信号Ib1 とを
、第1パルス幅周波数制御信号Df31によって切り換
えてパルス制御信号Pf1 を出力し、次に信号S1 
及び信号S3 の第2溶接条件の信号Ip2 と信号I
b2 とを、第2パルス幅周波数制御信号Df32によ
って切り換えてパルス制御信号Pf2 を出力して、溶
接出力制御回路PSに入力する。
【0327】(図96の説明)図96において、P2 
,P2 ,…P2 は、第2パルス電流値IP2 、第
2パルス幅TP2 、第1パルス周波数と同じ第2パル
ス周波数f3 及び第2ベ−ス電流値IB2から成る第
2パルス電流群である。図92乃至図95においては、
第2溶接条件の値が第1溶接条件の値よりも大、すなわ
ちIP1 <IP2 又はTP1 <TP2 又はIB
1 <IB2 について説明したが、M1 <M2 で
ある限り、例えば、IP1 <IP2 及びTP1 <
TP2 のときにIB1 >IB2 のように、第2溶
接条件の値が第1溶接条件の値よりも小であってもよい
。その他は、図92と同じであるので説明を省略する。
【0330】(請求項32の説明)請求項32は、第2
パルスべ−ス電流設定信号を出力する第2パルスベ−ス
電流設定回路が、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出
力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と、パルス電流値
設定信号Ip1 を設定するパルス電流値設定回路IP
1と、パルス幅設定信号Tp1を設定するパルス幅設定
回路TP1 と、ベ−ス電流設定信号Ib1 を設定す
るベ−ス電流設定回路IB1とであり、切換設定信号を
出力する切換設定回路が、第1ア−ク長に対応したア−
ク電圧設定信号Vs1 と第2ア−ク長に対応したア−
ク電圧設定信号Vs2 とを切り換えて切換ア−ク電圧
信号S6 を出力するア−ク電圧切換回路SW6であり
、パルスベ−ス電流制御信号と切換設定信号とを入力と
するパルス制御信号発生回路が、ア−ク電圧設定信号V
s1 に対応した第1パルス周波数制御信号Vf31及
び第2ア−ク電圧設定信号Vs2 に対応した第2パル
ス周波数制御信号Vf32を出力するパルス周波数信号
発生回路VF3と、第1パルス周波数制御信号Vf31
とパルス幅設定信号Tp1 とから成る第1パルス幅周
波数制御信号Df31及び第2パルス周波数制御信号V
f32とパルス幅設定信号Tp1 とから成る第2パル
ス幅周波数制御信号Df32を出力するパルス幅周波数
制御信号発生回路DF3と、パルス電流値設定信号Ip
1 とベ−ス電流設定信号Ib1 とを、第1パルス幅
周波数制御信号Df31と第2パルス幅周波数制御信号
Df32とによって切り換えるベ−スパルス電流切換回
路SW5とから構成されるパルスMAG溶接装置である
【0331】(図88の説明)図88は、請求項32の
溶接方法を実施するブロック図であって、図97に示す
溶接電流の波形を出力する。図88において、図83と
同一の構成は説明を省略し、異なる構成について説明す
る。第1ア−ク電圧設定回路VS1及び第2ア−ク電圧
設定回路VS2は、それぞれ第1の溶接条件におけるア
−ク電圧及び第2の溶接条件におけるア−ク電圧を設定
する回路であって、第1ア−ク電圧設定信号Vs1 及
び第2のア−ク電圧設定信号Vs2 を出力する。ア−
ク電圧切換回路SW6は切換信号Hlによって信号Vs
1 とVs2 とを切換えて切換ア−ク電圧切換信号S
6 を出力する。第2比較回路CM2は、信号S6 と
ア−ク電圧検出回路VDのア−ク電圧検出信号Vdとを
入力としてその差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出力
する。パルス周波数制御信号発生回路VF3は、ア−ク
電圧制御信号Cm2 に対応して、第1の溶接条件にお
ける第1パルス周波数制御信号Vf31と第2の溶接条
件における第2パルス周波数制御信号Vf32とを、切
換信号Hlの切換周波数Fで切換えて出力する。パルス
幅周波数制御信号発生回路DF3は、第1パルス幅設定
信号Tp1 と第1パルス周波数制御信号Vf31とか
ら成る第1の溶接条件に対応する第1パルス幅周波数制
御信号Df31と、同様に第2の溶接条件に対応する第
2パルス幅周波数制御信号Df32とを出力する。パル
スベ−ス電流切換回路SW5は、第1の溶接条件におい
ては、パルス電流値設定信号Ip1 とベ−ス電流設定
信号Ib1 とを、第1パルス幅周波数制御信号Df3
1によって切り換えてパルス制御信号Pf1 を出力し
、次に第2の溶接条件においては、第2の溶接条件の信
号Ip1 と信号Ib1 とを、第2パルス幅周波数制
御信号Df32によって切り換えてパルス制御信号Pf
2 を出力して、溶接出力制御回路PSに入力する。
【0332】(図97の説明)図97において、P1 
,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP1 、第
1パルス幅TP1 、第1パルス周波数f31、第1ベ
−ス電流値IB1 の第1パルス電流群であり、P2 
,P2 ,…P2 は、第1パルス電流値と同じ第2パ
ルス電流値IP1 、第1パルス幅と同じ第2パルス幅
TP1 、第2パルス周波数f32及び第1ベ−ス電流
値と同じ第2ベ−ス電流値IB1 から成る第2パルス
電流群である。以下、図92と同じであるので説明を省
略する。
【0335】(請求項33の説明)請求項33は、第2
パルスべ−ス電流設定信号を出力する第2パルスベ−ス
電流設定回路が、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出
力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と、第2パルス電
流値設定信号Ip2 を設定する第2パルス電流値設定
回路IP2と、第2パルス幅設定信号Tp2 を設定す
る第2パルス幅設定回路TP2と、第2ベ−ス電流設定
信号Ib2 を設定する第2ベ−ス電流設定回路IB2
とであり、切換設定信号を出力する切換設定回路が、第
1ア−ク長に対応したア−ク電圧設定信号Vs1 と第
2ア−ク長に対応したア−ク電圧設定信号Vs2 とを
切り換えて切換ア−ク電圧信号S6 を出力するア−ク
電圧切換回路SW6と、パルス電流値設定信号Ip1 
と第2パルス電流値設定信号Ip2 とを切り換えて切
換パルス電流値信号S1 を出力するパルス電流値切換
回路SW1と、パルス幅設定信号Tp1 と第2パルス
幅設定信号Tp2 とを切り換えて切換パルス幅信号S
2 を出力するパルス幅切換回路SW2と、ベ−ス電流
設定信号Ib1 と第2ベ−ス電流設定信号Ib2 と
を切り換えて切換ベ−ス電流信号S3 を出力するベ−
ス電流切換回路SW3とであり、パルスベ−ス電流制御
信号と切換設定信号とを入力とするパルス制御信号発生
回路が、ア−ク電圧設定信号Vs1 に対応した第1パ
ルス周波数制御信号Vf31及び第2ア−ク電圧設定信
号Vs2 に対応した第2パルス周波数制御信号Vf3
2を出力するパルス周波数制御信号発生回路VF3と、
第1パルス周波数制御信号Vf31とパルス幅設定信号
Tp1 とから成る第1パルス幅周波数制御信号Df3
1及び第2パルス周波数制御信号Vf32と第2パルス
幅設定信号Tp2 とから成る第2パルス幅周波数制御
信号Df32を出力するパルス幅周波数制御信号発生回
路DF3と、切換パルス電流値信号S1 と切換ベ−ス
電流信号S3 とを、第1パルス幅周波数制御信号Df
31と第2パルス幅周波数制御信号Df32とによって
切り換えるベ−スパルス電流切換回路SW5とから構成
されるパルスMAG溶接装置である。
【0336】(図89の説明)図89は、請求項33の
溶接方法を実施するブロック図であって、前述した図9
6に示す溶接電流の波形を出力する。図89において、
図87と同一の構成は説明を省略し、異なる構成につい
て説明する。図89において、図87と異なる第1の構
成は、ア−ク電圧設定回路VS1のかわりに、第1ア−
ク電圧設定回路VS1及び第2ア−ク電圧設定回路VS
2を備え、それぞれ、第1パルス通電期間T1 及び第
2パルス通電期間T2 における各ア−ク電圧の平均値
を設定する回路であって、第1ア−ク電圧設定信号Vs
1及び第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出力する。ア
−ク電圧切換回路SW6は、切換信号Hlにより、信号
Vs1 と信号Vs2 とを切換えて切換ア−ク電圧信
号S6 を出力する。第2比較回路CM2は、信号S1
 とア−ク電圧検出回路VDのア−ク電圧検出信号Vd
とを入力としてその差のア−ク電圧制御信号Cm2 を
出力する。パルス周波数制御信号発生回路VF3は、ア
−ク電圧制御信号Cm2 に対応して、第1溶接条件に
おける第1パルス周波数制御信号Vf31と第2溶接条
件における第2パルス周波数制御信号Vf32とを、切
換信号Hlの切換周波数Fで切換えて出力する。パルス
幅周波数制御信号発生回路DF3は、第1パルス幅設定
信号Tp1 とパルス周波数制御信号Vf31とから成
る第1溶接条件に対応する第1パルス幅周波数制御信号
Df31と、第2パルス幅設定信号Tp2 とパルス周
波数制御信号Vf32とから成る第2の溶接条件に対応
する第2パルス幅周波数制御信号Df32とを出力する
。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、信号S1 及び
信号S3 の第1溶接条件のパルス電流値設定信号Ip
1 とベ−ス電流設定信号Ib1 とを、第1パルス幅
周波数制御信号Df31によって切り換えてパルス制御
信号Pf1 を出力し、次に信号S1 及び信号S3 
の第2溶接条件の信号Ip2 と信号Ib2 とを、第
2パルス幅周波数制御信号Df32によって切り換えて
パルス制御信号Pf2 を出力して、溶接出力制御回路
PSに入力する。
【0338】図87及び89においては、第2パルス電
流値設定回路IP2及び第2パルス幅設定回路TP2及
び第2ベ−ス電流設定回路IB2を備えた場合について
説明したが、例えば請求項31の実施例1乃至5におい
て示したように、これらの設定回路の1つ又は2つを備
えている場合も、請求項31又は33に包含される。ま
た、図89において、第1溶接電流設定回路IM1から
出力される第1溶接電流設定信号Im1 と第2溶接電
流設定回路IM2とから出力される第2溶接電流設定信
号Im2 とを切り換えて、切換ワイヤ送給速度信号S
7 を出力するワイヤ送給速度切換回路SW7を設けた
が、これらの構成は、後述する請求項43の実施例をも
包含させた場合であって、請求項33の必須の構成要件
ではない。
【0339】(図90及び図91の説明)図90は、請
求項31乃至33の溶接装置の実施例のブロック図の構
成のうち、ア−ク電圧検出信号Vdを入力してパルス幅
周波数制御信号Df3 を出力するまでの回路の実施例
を示す図である。図91は、図90の各回路の入力信号
及び出力信号の時間的経過を示す図である。図90に示
す各回路の入力信号及び出力信号はつぎのとおりである
。 VEは、ア−ク電圧検出信号Vdを入力として、図91
(A)に示す平滑信号Veを出力する平滑回路である。 CM2は、平滑信号Veと図91(B)に示すア−ク電
圧設定信号Vs1 又は切換ア−ク電圧信号S6 を入
力として図91(C)に示すア−ク電圧制御信号Cm2
 を出力する第2比較回路である。VFCは、ア−ク電
圧制御信号Cm2 に対応した周波数の図91(D)に
示すパルス周波数99Vfcを出力するVFコンバ−タ
である。 TRGは、パルス周波数信号Vfcに同期して図91(
E)に示す一定パルス幅のトリガ信号Trgを出力する
トリガ回路である。TP1又はSW2はパルス幅設定信
号Tp1 又は切換パルス幅信号S2 を出力する(第
1)パルス幅設定回路TP1又はパルス幅切換回路SW
2である。DF3は、トリガ信号Trgとパルス幅設定
信号Tp1 又は切換パルス幅信号S2 とを入力して
、図91(F)に示すパルス幅周波数制御信号Df3を
出力するモノマルチバイブレ−タ回路から構成されるパ
ルス幅周波数制御回路である。なお図90の符号と図8
3乃至図89の符号とが同一である信号又は回路は、同
一機能の信号又は回路である。
【0340】(パルス幅制御…請求項34乃至36の説
明)請求項34乃至36は、請求項30の構成において
、ア−ク電圧をパルス幅によって制御する場合を示し、
請求項30のパルスベース電流制御信号を出力するパル
スベース電流制御回路が、パルス幅を制御するアーク電
圧制御信号Cm2 を出力する比較回路CM2であり、
第1パルスベース電流設定信号を出力する第1パルスベ
ース電流設定回路が、パルス電流値設定信号Ip1 を
設定するパルス電流値設定回路IP1と、パルス周波数
設定信号Fp1 を設定するパルス周波数設定回路FP
1と、ベース電流設定信号Ib1 を設定するベース電
流設定回路IB1である。
【0341】(請求項34の実施例)請求項34は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2パルス電流値設定信号Ip2 
を設定する第2パルス電流値設定回路IP2と、第2パ
ルス周波数設定信号Fp2 を設定する第2パルス周波
数設定回路FP2と、第2ベース電流設定信号Ib2 
を設定する第2ベース電流設定回路IB2であり、切換
設定信号を出力する切換設定回路が、パルス電流値設定
信号Ip1 と第2パルス電流値設定信号Ip2 とを
切り換えて切換パルス電流値設定信号S1 を出力する
パルス電流値切換回路SW1と、ベース電流設定信号I
b1 と第2ベース電流設定信号Ib2 とを切り換え
て切換ベース電流信号S3 を出力するベース電流切換
回路SW3と、パルス周波数設定信号Fp1 と第2パ
ルス周波数設定信号Fp2 とを切り換えて切換パルス
周波数信号S4 を出力するパルス周波数切換回路SW
4とであり、パルスベース電流制御信号と切換設定信号
とを入力とするパルス制御信号発生回路が、切換パルス
周波数信号S4 を入力として第1パルス周波数信号V
f1及び第2パルス周波数信号Vf2 を出力するパル
ス周波数信号発生回路VFと、パルス周波数信号Vf1
 とアーク電圧制御信号Cm2 に対応したパルス幅制
御信号Tp3 とから成る第1パルス幅周波数制御信号
Df31及び第2パルス周波数信号Vf2 と信号Tp
3 とから成る第2パルス幅周波数制御信号Df32を
出力するパルス幅周波数制御信号発生回路DF3と、切
換パルス電流値信号S1 と切換ベース電流信号S3 
とを第1パルス幅周波数制御信号Df31及び第2パル
ス幅周波数制御信号Df32によって切り換えるベース
パルス電流切換回路SW5とから構成されるパルスMA
G溶接装置である。
【0342】(図98の説明)図98は、請求項34の
溶接方法を実施するブロック図であって、図102に示
す溶接電流の波形を出力する。図98において、図83
と同一の構成は説明を省略し、異なる構成について説明
する。第1パルス電流値設定回路IP1及び第2パルス
電流値設定回路IP2は、それぞれ、第1パルス電流値
IP1 及び第2パルス電流値IP2 を設定する回路
であって、第1パルス電流値設定信号Ip1 及び第2
パルス電流値設定信号Ip2を出力する。パルス電流値
切換回路SW1は、切換信号Hlにより、信号Ip1と
信号Ip2 とを切換えて切換パルス電流値信号S1 
を出力する。第1パルス周波数設定回路FP1及び第2
パルス周波数設定回路FP2は、それぞれ、第1パルス
周波数f1 及び第2パルス周波数f2を設定する回路
であって、第1パルス周波数設定信号Fp1 及び第2
パルス周波数設定信号Fp2 を出力する。パルス周波
数切換回路SW4は、切換信号Hlにより、信号Fp1
 と信号Fp2 とを切換えて切換パルス周波数信号S
4 を出力する。パルス周波数信号発生回路VFは、切
換パルス周波数信号S4 を入力して第1パルス周波数
信号Vf1 及び第2パルス周波数信号Vf2 を出力
する。パルス幅周波数制御信号発生回路DF3は、第1
パルス幅制御信号と第1パルス周波数信号Vf1 とに
対応する第1パルス幅周波数制御信号Df31と、第2
パルス幅制御信号と第2パルス周波数信号Vf2とに対
応する第2パルス幅周波数制御信号Df32とを出力す
る。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、第1パルス通
電期間においては、第1パルス幅周波数制御信号Df3
1に合成されたパルス幅制御信号で定まるパルス幅に相
当する期間だけ第1パルス電流値設定信号Ip1を通電
する信号と第1ベ−ス電流設定信号Ib1 とを、第1
パルス幅周波数制御信号Df31によって切り換えてパ
ルス制御信号Pf1 を出力し、次に、第2パルス通電
期間においては、第2パルス幅周波数制御信号Df32
に合成された第2パルス幅制御信号で定まる第2パルス
幅に相当する期間だけ第2パルス電流値設定信号Ip2
 を通電する信号と第2ベ−ス電流設定信号Ib2 と
を、第2パルス幅周波数制御信号Df32によって切り
換えてパルス制御信号Pf2 を溶接電源制御回路PS
に出力する。
【0343】(図102の説明)図102において、P
1 ,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP1 
、第1パルス幅TP3 、第1パルス周波数f1 及び
第1ベ−ス電流値IB1 から成る第1パルス電流群で
あり、P2 ,P2 ,…P2 は、第2パルス電流値
IP2 、第2パルス幅TP3 、第2パルス周波数f
2 、第2ベ−ス電流値IB2 から成る第2パルス電
流群である。M1 及びM2 は、それぞれ第1及び第
2パルス電流通電期間の溶接電流平均値であり、Iaは
溶接電流の平均値である。図102においては、第2溶
接条件の値が第1溶接条件の値よりも大、すなわち、I
P1 <IP2 又はFP1 <FP2 又はIB1 
<IB2 について説明したが、M1 <M2 である
限り、例えばIP1 <IP2 及びFP1 <FP2
 のときにIB1 >IB2 のように、第2溶接条件
の値が第1溶接条件の値よりも小であってもよい。
【0345】(請求項35の実施例)請求項35は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2アーク電圧設定信号Vs2 を
出力する第2アーク電圧設定回路VS2と、パルス電流
値設定信号Ip1 を設定するパルス電流値設定回路I
P1と、パルス周波数設定信号Fp1 を設定するパル
ス周波数設定回路FP1と、ベース電流設定信号Ib1
 を設定するベース電流設定回路IB1であり、切換設
定信号を出力する切換設定回路が、第1アーク長に対応
したアーク電圧設定信号Vs1 と第2アーク長に対応
した第2アーク電圧設定信号Vs2 とを切り換えて切
換アーク電圧信号S6 を出力するアーク電圧切換回路
SW6であり、パルスベース電流制御信号と切換設定信
号とを入力とするパルス制御信号発生回路が、パルス周
波数設定信号Fp1 を入力としてパルス周波数信号V
f1 を出力するパルス周波数信号発生回路VFと、ア
ーク電圧設定信号Vs1 に対応したパルス幅制御信号
Tp31とパルス周波数信号Vf1 とから成る第1パ
ルス幅周波数制御信号Df31及び第2アーク電圧設定
信号Vs2 に対応したパルス幅制御信号Tp32とパ
ルス周波数信号Vf1 とから成る第2パルス幅周波数
制御信号Df32を出力するパルス幅周波数制御信号発
生回路DF3と、パルス電流値設定信号Ip1 とベー
ス電流設定信号Ib1 とを、第1パルス幅周波数制御
信号Df31と第2パルス幅周波数制御信号Df32と
によって切り換えるベースパルス電流切換回路SW5と
から構成されたパルスMAG溶接装置である。
【0346】(図99の説明)図99は、請求項35の
溶接方法を実施するブロック図であって、図103に示
す溶接電流の波形を出力する。図99において、図98
と同一の構成は説明を省略し、異なる構成について説明
する。第1ア−ク電圧設定回路VS1及び第2ア−ク電
圧設定回路VS2は、それぞれ、第1パルス通電期間T
1 及び第2パルス通電期間T2 におけるア−ク電圧
の平均値を設定する回路であって、第1ア−ク電圧設定
信号Vs1 及び第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出
力する。 ア−ク電圧切換回路SW6は、切換信号Hlにより、信
号Vs1 と信号Vs2 とを切換えて切換ア−ク電圧
信号S6 を出力する。第2比較回路CM2は、信号S
6 とア−ク電圧検出回路VDのア−ク電圧検出信号V
dとを入力としてその差のア−ク電圧制御信号Cm2 
を出力する。パルス周波数設定回路FP1は、パルス周
期(D1 =D2 )に相当するパルス周波数設定信号
Fp1 を出力する。パルス周波数信号発生回路VFは
、パルス周波数設定信号Fp1 を入力としてパルス周
波数信号Vf1 を発生する。パルス幅周波数制御信号
発生回路DF3は、例えば、比較回路で構成され、第1
ア−ク電圧設定信号Vs1 に対応したパルス幅を制御
する第1のア−ク電圧制御信号Cm2 とパルス周波数
信号Vf1 とから成る第1パルス幅周波数制御信号D
f31と、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 に対応した
パルス幅を制御する第2のア−ク電圧制御信号Cm2 
とパルス周波数信号Vf1 とから成る第2パルス幅周
波数制御信号Df32とを出力する。 パルスベ−ス電流切換回路SW5は、第1パルス通電期
間T1 においては、第1パルス幅周波数制御信号Df
31に合成されたパルス幅制御信号で定まるパルス幅に
相当する期間だけパルス電流値設定信号Ip1 を通電
する信号と第1ベ−ス電流設定信号Ib1 とを、第1
パルス幅周波数制御信号Df31によって切り換えてパ
ルス制御信号Pf1 を出力し、次に、第2パルス通電
期間T2においては、第2パルス幅周波数制御信号Df
32に合成されたパルス幅制御信号で定まるパルス幅に
相当する期間だけパルス電流値設定信号Ip1 を通電
する信号と第2ベ−ス電流設定信号Ib2 とを、第2
パルス幅周波数制御信号Df32によって切り換えてパ
ルス制御信号Pf2 を溶接電源制御回路PSに出力す
る。
【0347】(図103の説明)図103において、P
1 ,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP1 
、第1パルス幅TP31、第1パルス周波数f1 及び
第1ベ−ス電流値IB1 から成る第1パルス電流群で
あり、P2 ,P2 ,…P2 は、第1パルス電流値
と同じ第2パルス電流値IP1 、第2パルス幅TP3
2、第1パルス周波数と同じ第2パルス周波数f1 及
び第1ベ−ス電流値と同じ第2ベ−ス電流値IB1 か
ら成る第2パルス電流群である。以下、図92と同じで
あるので説明を省略する。
【0350】(請求項36の実施例)請求項36は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2アーク電圧設定信号Vs2 を
出力する第2アーク電圧設定回路VS2と、第2パルス
電流値設定信号Ip2 を設定する第2パルス電流値設
定回路IP2と、第2パルス周波数設定信号Fp2 を
設定する第2パルス周波数設定回路FP2と、第2ベー
ス電流設定信号Ib2 を設定する第2ベース電流設定
回路IB2とであり、切換設定信号を出力する切換設定
回路が、第1アーク長に対応したアーク電圧設定信号V
s1 と第2アーク長に対応した第2アーク電圧設定信
号Vs2 とを切り換えて切換アーク電圧信号S6 を
出力するアーク電圧切換回路SW6と、パルス電流値設
定信号Ip1 と第2パルス電流値設定信号Ip2 と
を切り換えて切換パルス電流値設号S1 を出力するパ
ルス電流値切換回路SW1と、パルス周波数設定信号F
p1 と第2パルス周波数設定信号Fp2 とを切り換
えて切換パルス周波数信号S4 を出力するパルス周波
数切換回路SW4と、ベース電流設定信号Ib1 と第
2ベース電流設定信号Ib2 とを切り換えて切換ベー
ス電流信号S3 を出力するベース電流切換回路SW3
とであり、パルスベース電流制御信号と切換設定信号と
を入力とするパルス制御信号発生回路が、切換パルス周
波数信号S4 を入力としてパルス周波数信号Vf1 
及び第2パルス周波数信号Vf2 を出力するパルス周
波数信号発生回路VFと、アーク電圧設定信号Vs1 
に対応したパルス幅制御信号Tp31とパルス周波数信
号Vf1とから成る第1パルス幅周波数制御信号Df3
1及び第2アーク電圧設定信号Vs2 に対応したパル
ス幅制御信号Tp32と第2パルス周波数信号Vf2 
とから成る第2パルス幅周波数制御信号Df32を出力
するパルス幅周波数制御信号発生回路DF3と、切換パ
ルス電流値信号S1と切換ベース電流信号S3 とを、
第1パルス幅周波数制御信号Df31と第2パルス幅周
波数制御信号Df32とによって切り換えるベースパル
ス電流切換回路SW5とから構成されるパルスMAG溶
接装置である。
【0351】(図100の説明)図100は、請求項3
6の溶接方法を実施するブロック図であって、前述した
図102に示す溶接電流の波形を出力する。図100に
おいて、図98と同一の構成は説明を省略し、異なる構
成について説明する。図100において、図98と異な
る第1の構成は、ア−ク電圧設定回路VS1のかわりに
、第1ア−ク電圧設定回路VS1及び第2ア−ク電圧設
定回路VS2を備え、それぞれ、第1パルス通電期間T
1 及び第2パルス通電期間T2 における各ア−ク電
圧の平均値を設定する回路であって、第1ア−ク電圧設
定信号Vs1 及び第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を
出力する。ア−ク電圧切換回路SW6は、切換信号Hl
により、信号Vs1 と信号Vs2 とを切換えて切換
ア−ク電圧信号S6 を出力する。第2比較回路CM2
は、信号S1 とア−ク電圧検出回路VDのア−ク電圧
検出信号Vdとを入力としてその差のア−ク電圧制御信
号Cm2 を出力する。パルス周波数信号発生回路VF
は、切換パルス周波数信号S4 を入力して第1パルス
周波数信号Vf1 及び第2パルス周波数信号Vf2 
を出力する。パルス幅周波数制御信号発生回路DF3は
、第1パルス幅制御信号と第1パルス周波数設定信号F
p1 とに対応する第1パルス幅周波数制御信号Df3
1と、第2パルス幅制御信号と第2パルス周波数設定信
号Fp2 とに対応する第2パルス幅周波数制御信号D
f32とを出力する。パルスベ−ス電流切換回路SW5
は、第1パルス通電期間においては、第1パルス幅周波
数制御信号Df31に合成された第1パルス幅制御信号
で定まるパルス幅に相当する期間だけ第1パルス電流値
設定信号Ip1 を通電する信号と第1ベ−ス電流設定
信号Ib1 とを、第1パルス幅周波数制御信号Df3
1によって切り換えてパルス制御信号Pf1 を出力し
、次に、第2パルス通電期間においては、第2パルス幅
周波数制御信号Df32に合成された第2パルス幅制御
信号で定まる第2パルス幅に相当する期間だけ第2パル
ス電流値設定信号Ip2 を通電する信号と第2ベ−ス
電流設定信号Ib2 とを、第2パルス幅周波数制御信
号Df32によって切り換えてパルス制御信号Pf2 
を溶接電源制御回路PSに出力する。
【0352】図100において図98と異なる第2の構
成は、図99の平均電流設定回路IMのかわりに、第1
溶接電流設定信号Im1 を出力する第1溶接電流設定
回路IM1と、第2溶接電流設定信号Im2 を出力す
る第2溶接電流設定回路IM2と、第1溶接電流設定信
号Im1 と第2溶接電流設定信号Im2 とを切換信
号Hlによって切換えて切換ワイヤ送給速度信号S7 
を第1比較回路CM1に出力するワイヤ送給速度切換回
路SW7を備えている。これらの追加の回路構成により
、ワイヤ送給速度を第1溶接電流設定回路IM1と第2
溶接電流設定回路IM2とを周期的に切換えて、第1パ
ルス通電期間T1 の溶接電流平均値M1 と第2パル
ス通電期間T2 の溶接電流平均値M2 とを、いずれ
の通電期間もスプレ−移行を維持する範囲内で周期的に
変化させることによって、ア−ク長の切り換えによる前
述した種々の効果がより一層大になる。特に、前述した
ように、継手の隙間が大になったとき、ワイヤ送給速度
を増加させることにより溶接電流を増加させて溶融金属
量を増加させて、大きくなった隙間に充填させることに
よって、隙間が大きくなるにしたがって不足になる余盛
りを補い外観の良好なビ−ド形状を得ることができる。 逆に、継手の隙間が小になったとき、溶接電流を減少さ
せて溶融金属量を減少させて、小さくなった隙間から余
分の溶着金属を減少させて、外観の良好なビ−ド形状を
得ることができる。
【0353】図98及び図100においては、第2パル
ス電流値設定回路IP2及び第2パルス周波数設定回路
FP2及び第2ベ−ス電流設定回路IB2を備えた場合
について説明したが、これらの設定回路の1つ又は2つ
を備えている場合も、請求項34又は36に包含される
。また、図100において、第1溶接電流設定回路IM
1から出力される第1溶接電流設定信号Im1 と第2
溶接電流設定回路IM2とから出力される第2溶接電流
設定信号Im2 とを切り換えて、切換ワイヤ送給速度
信号S7 を出力するワイヤ送給速度切換回路SW7を
設けたが、これらの構成は、後述する請求項43の実施
例をも包含させた場合であって、請求項36の必須の構
成要件ではない。
【0354】(図101の説明)図101(A)乃至(
E)は、図98乃至100のブロック図のパルス幅制御
部分の各回路の出力信号の波形図を示す。同図(A)は
、ア−ク電圧検出信号Vdの波形で、時間の経過tとと
もに、次第に減少した場合を示す。同図(B)は、第1
及び第2ア−ク電圧設定信号Vs1 及びVs2 を示
す。同図(C)は、ア−ク電圧制御信号Cm2 を示し
、同図(A)のア−ク電圧検出信号Vdに対応して、時
間の経過とともに次第に増加している。同図(D)は、
パルス周波数信号Vf1 を示す。同図(E)は、信号
Cm2 と信号Vf1 とを比較して、パルス幅周波数
制御信号発生回路DF3から出力されるパルス幅周波数
制御信号Df3 であって、ア−ク電圧制御信号Cm2
 の増加に対応して、パルス幅(TP1乃至TPn)が
次第に増加している。
【0360】(ベ−ス電流制御…請求項37乃至39の
説明)請求項37乃至39は、請求項30の構成におい
て、ア−ク電圧をベ−ス電流値において制御する場合を
示し、請求項30のパルスベース電流制御信号を出力す
るパルスベース電流制御回路が、アーク電圧制御信号C
m2 を入力としてベース電流制御信号Ib3 を出力
するベース電流制御回路IB3であり、第1パルスベー
ス電流設定信号を出力する第1パルスベース電流設定回
路が、パルス電流値設定信号Ip1 を設定するパルス
電流値設定回路IP1と、パルス幅設定信号Tp1 を
設定するパルス幅設定回路TP1と、パルス周波数設定
信号Fp1 を設定するパルス周波数設定回路FP1と
である。
【0361】(請求項37の実施例)請求項37は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2パルス電流値設定信号Ip2 
を設定する第2パルス電流値設定回路IP2と、第2パ
ルス幅設定信号Tp2 を設定する第2パルス幅設定回
路TP2と、第2パルス周波数設定信号Fp2 を設定
する第2パルス周波数設定回路FP2とであり、切換設
定信号を出力する切換設定回路が、パルス電流値設定信
号Ip1 と第2パルス電流値設定信号Ip2 とを切
り換えて切換パルス電流値信号S1を出力するパルス電
流値切換回路SW1と、パルス幅設定信号Tp1 と第
2パルス幅設定信号Tp2 とを切り換えて切換パルス
幅信号S2 を出力するパルス幅切換回路SW2と、パ
ルス周波数設定信号Fp1 と第2パルス周波数設定信
号Fp2 とを切り換えて切換パルス周波数信号S4 
を出力するパルス周波数切換回路SW4であり、パルス
ベース電流制御信号と切換設定信号とを入力とするパル
ス制御信号発生回路が、切換パルス周波数信号S4 を
入力として第1パルス周波数信号Vf1 及び第2パル
ス周波数信号Vf2 を出力するパルス周波数信号発生
回路VFと、パルス周波数信号Vf1 とパルス幅設定
信号Tp1 とから成る第1パルス幅周波数信号Df1
 及び第2パルス周波数信号Vf2 と第2パルス幅設
定信号Tp2 とから成る第2パルス幅周波数信号Df
2 を出力するパルス幅周波数信号発生回路DFと、切
換パルス電流値信号S1 と切換アーク電圧信号S6 
に対応したベース電流制御信号Ib3 とを、第1パル
ス幅周波数信号Df1 と第2パルス幅周波数信号Df
2 とによって切り換えるベースパルス電流切換回路S
W5とから構成されるMAG溶接装置である。
【0362】(図104の説明)図104は、請求項3
7の溶接方法を実施するブロック図であって、図107
に示す溶接電流の波形を出力する。図104において、
図83と同一の構成は説明を省略し、異なる構成につい
て説明する。本実施例の装置は、ベ−ス電流制御回路I
B3を備えて、第1パルス通電期間T1 と第2パルス
通電期間T2 とを切換える切換信号発生回路HLの切
換信号Hlによって、第1パルス通電期間T1 におい
ては、予め設定されたパルス電流値及びパルス幅及びパ
ルス周期とア−ク長小のときの第1のア−ク電圧制御信
号Cm2 によって制御される第1ベ−ス電流値とで定
まる第1パルス電流群を通電し、第2パルス通電期間T
2 においては、予め定められたパルス電流値及びパル
ス幅及びパルス周期とア−ク長大のときの第2のア−ク
電圧制御信号Cm2 によって制御される第2ベ−ス電
流値とで定まる第2パルス電流群とを通電する。さらに
、第1パルス電流群と第2パルス電流群との各設定値は
、第1パルス通電期間T1 の第1ベ−ス電流値IB3
1を、ア−ク長が短い複数パルス1溶滴移行又は1パル
ス1溶滴移行を形成する値とし、かつ第2パルス通電期
間T2 の第2ベ−ス電流値IB32を、ア−ク長が長
い1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行を形成
する範囲内で変化させて、第1パルス通電期間T1 の
ア−ク長と第2パルス通電期間T2 のア−ク長とを変
化させるように構成されている。
【0363】第1パルス電流値設定回路IP1及び第2
パルス電流値設定回路IP2は、それぞれ、第1パルス
電流値IP1 及び第2パルス電流値IP2 を設定す
る回路であって、第1パルス電流値設定信号Ip1 及
び第2パルス電流値設定信号Ip2を出力する。パルス
電流値切換回路SW1は、切換信号Hlにより、信号I
p1と信号Ip2 とを切換えて切換パルス電流値信号
S1 を出力する。第1パルス幅設定回路TP1及び第
2パルス幅設定回路TP2は、それぞれ、第1パルス幅
TP1 及び第2パルス幅TP2 を設定する回路であ
って、第1パルス幅設定信号Tp1 及び第2パルス幅
設定信号Tp2 を出力する。パルス幅切換回路SW2
は切換信号Hlにより、信号Tp1 と信号Tp2 と
を切換えて切換パルス幅信号S2 を出力する。第1パ
ルス周波数設定回路FP1及び第2パルス周波数設定回
路FP2は、それぞれ、第1パルス周波数f1 及び第
2パルス周波数f2 を設定する回路であって、第1パ
ルス周波数設定信号Fp1 及び第2パルス周波数設定
信号Fp2 を出力する。パルス周波数切換回路SW4
は、切換信号Hlにより、信号Fp1 と信号Fp2 
とを切換えて切換パルス周波数信号S4 を出力する。
【0364】パルス周波数信号発生回路VFは、切換パ
ルス周波数信号S4 を入力して第1パルス周波数信号
Vf1 及び第2パルス周波数信号Vf2 を出力する
。パルス幅周波数信号発生回路DFは、第1パルス幅設
定信号Tp1 と第1パルス周波数設定信号Fp1 と
に対応する第1パルス幅周波数信号Df1 と、第2パ
ルス幅設定信号Tp2 と第2パルス周波数設定信号F
p2 とに対応する第2パルス幅周波数信号Df2 と
を出力する。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、第1
パルス通電期間においては、第1パルス幅周波数信号D
f1 に合成されたパルス幅設定信号Tp1 で定まる
パルス幅に相当する期間だけ第1パルス電流値設定信号
Ip1 を通電する信号と第1ベ−ス電流制御信号Ib
31とを、第1パルス幅周波数信号Df1 によって切
り換えてパルス制御信号Pf1 を出力し、次に、第2
パルス通電期間においては、第2パルス幅周波数信号D
f2 に合成された第2パルス幅設定信号Tp2 で定
まる第2パルス幅に相当する期間だけ第2パルス電流値
設定信号Ip2 を通電する信号と第2ベ−ス電流制御
信号Ib32とを、第2パルス幅周波数信号Df2 に
よって切り換えてパルス制御信号Pf2 を溶接電源制
御回路PSに出力する。
【0365】本実施例の装置は、第1パルス電流値設定
回路IP1と第1パルス周波数設定回路FP1と第1パ
ルス幅設定回路TP1との他に、第2パルス電流値設定
回路IP2及び第2パルス周波数設定回路FP2及び第
2パルス幅設定回路TP2のいずれか一つ以上を備えて
、第1パルス通電期間T1 と第2パルス通電期間T2
とを切換える切換信号発生回路HLの切換信号Hlによ
って、第1パルス通電期間T1 は、制御された第1ベ
−ス電流値IB31と第1パルス電流値IP1 と第1
パルス幅TP1 と第1パルス周期D1 とで定まる第
1パルス電流群を通電し、第2パルス通電期間T2は、
制御された第2ベ−ス電流値IB32と第2パルス電流
値IP2 と第2パルス幅TP2 と第2パルス周期D
2 とで定まる第2パルス電流群を通電する。
【0366】(図107の説明)図107において、P
1 ,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP1 
、第1パルス幅TP1 、第1パルス周波数f1 及び
第1ベ−ス電流値IB3 から成る第1パルス電流群で
あり、P2 ,P2 ,…P2 は、第2パルス電流値
IP2 、第2パルス幅TP2 、第2パルス周波数f
2 及び第2ベ−ス電流値IB3 から成る第2パルス
電流群である。M1 及びM2 は、それぞれ第1及び
第2パルス電流通電期間の溶接電流平均値であり、Ia
は溶接電流の平均値である。図107においては、第2
溶接条件の値が第1溶接条件の値よりも大、すなわちI
P1 <IP2 又はTP1 <TP2 又はFP1 
<FP2 について説明したが、M1 <M2 である
限り、例えばIP1 <IP2 及びTP1 <TP2
 のときにFP1 >FP2 のように、第2溶接条件
の値が第1溶接条件の値よりも小であってもよい。
【0380】(請求項38の実施例)請求項38は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2アーク電圧設定信号Vs2 を
出力する第2アーク電圧設定回路VS2と、パルス電流
値設定信号Ip1 を設定するパルス電流値設定回路I
P1と、パルス幅設定信号Tp1 を設定するパルス幅
設定回路IP1と、パルス周波数設定信号Fp1 を設
定するパルス周波数設定回路FP1と、であり、切換設
定信号を出力する切換設定回路が、第1アーク長に対応
したアーク電圧設定信号Vs1 と第2アーク長に対応
した第2アーク電圧設定信号Vs2 とを切り換えて切
換アーク電圧信号S6 を出力するアーク電圧切換回路
SW6であり、パルスベース電流制御信号と切換設定信
号とを入力とするパルス制御信号発生回路が、パルス周
波数設定信号Fp1 を入力としてパルス周波数信号V
f1 を出力するパルス周波数信号発生回路VFと、パ
ルス幅設定信号Tp1 とパルス周波数信号Vf1 と
から成るパルス幅周波数信号Df1 を出力するパルス
幅周波数信号発生回路DFと、パルス電流値信号Ip1
 と切換アーク電圧信号S6 に対応したベース電流制
御信号Ib3 とを、パルス幅周波数信号Df1 によ
って切り換えるベースパルス電流切換回路SW5とから
構成されるパルスMAG溶接装置である。
【0381】(図105の説明)図105は、請求項3
8の溶接方法を実施するブロック図であって、図108
に示す溶接電流の波形を出力する。図105において、
図104と同一の構成は説明を省略し、異なる構成につ
いて説明する。図105において、第1ア−ク電圧設定
回路VS1及び第2ア−ク電圧設定回路VS2は、それ
ぞれ、第1パルス通電期間T1 及び第2パルス通電期
間T2 における各ア−ク電圧の平均値を設定する回路
であって、第1ア−ク電圧設定信号Vs1 及び第2ア
−ク電圧設定信号Vs2 を出力する。ア−ク電圧切換
回路SW6は、切換信号Hlにより、信号Vs1 と信
号Vs2 とを切換えて切換ア−ク電圧信号S6 を出
力する。第2比較回路CM2は、信号S6 とア−ク電
圧検出回路VDのア−ク電圧検出信号Vdとを入力とし
てその差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出力する。ベ
−ス電流制御回路IB3は、第1パルス通電期間T1 
における第1のア−ク電圧制御信号Cm2 及び第2パ
ルス通電期間T2 における第2のア−ク電圧制御信号
Cm2 を入力として、それぞれ第1ベ−ス電流値IB
31及び第2ベ−ス電流値IB32に対応する第1ベ−
ス電流制御信号Ib31及び第2ベ−ス電流制御信号I
b32を出力する。
【0382】パルス電流値設定回路IP1は、パルス電
流値を設定する回路であって、パルス電流値設定信号I
p1 を出力する。パルス周波数設定回路FP1は、パ
ルス周期(D1 =D2 )に相当するパルス周波数設
定信号Fp1 を出力する。パルス幅設定回路TP1は
、パルス幅を設定する回路であって、パルス幅設定信号
Tp1を出力する。パルス周波数信号発生回路VFは、
パルス周波数設定信号Fp1 を入力としてパルス周波
数信号Vf1 を発生する。パルス幅周波数信号発生回
路DFは、パルス幅設定信号Tp1 とパルス周波数信
号Vf1 とから成るパルス幅周波数信号Df1 を出
力する。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、第1パル
ス通電期間T1 においては、パルス幅周波数信号Df
1 に合成されたパルス幅設定信号で定まるパルス幅に
相当する期間だけパルス電流値設定信号Ip1を通電す
る信号と第1ベ−ス電流制御信号Ib31とを、パルス
幅周波数信号Df1 によって切り換えてパルス制御信
号Pf1 を出力し、次に、第2パルス通電期間T2 
においては、パルス幅周波数信号Df1 に合成された
パルス幅設定信号で定まるパルス幅に相当する期間だけ
パルス電流値設定信号Ip1 を通電する信号と第2ベ
−ス電流制御信号Ib32とを、パルス幅周波数信号D
f1 によって切り換えてパルス制御信号Pf2 を溶
接電源制御回路PSに出力する。
【0383】このように、図105の溶接装置は、平均
電流設定回路IMで設定された平均電流設定信号Imを
ワイヤ送給モ−タWMに供給する。このワイヤ送給速度
及びア−ク電圧設定値に対応した平均電流値Iaになる
ように、パルス電流群が設定及び制御される。本請求項
の装置は、従来の装置のようにワイヤ送給速度を切換え
て溶接電流の平均値を切換えることをしないので、ワイ
ヤ送給モ−タWMの応答遅れの影響を受けない。次に、
本実施例の装置は、ベ−ス電流制御回路IB3を備えて
、第1パルス通電期間T1 と第2パルス通電期間T2
 とを切換える切換信号発生回路HLの切換信号Hlに
よって、第1パルス通電期間T1 においては、予め設
定されたパルス電流値及びパルス幅及びパルス周期とア
−ク長小のときの第1のア−ク電圧制御信号Cm2 に
よって制御される第1ベ−ス電流値とで定まる第1パル
ス電流群を通電し、第2パルス通電期間T2 において
は、予め定められたパルス電流値及びパルス幅及びパル
ス周期とア−ク長大のときの第2のア−ク電圧制御信号
Cm2 によって制御される第2ベ−ス電流値とで定ま
る第2パルス電流群とを通電する。さらに、第1パルス
電流群と第2パルス電流群との各設定値は、第1パルス
通電期間T1 において、ア−ク長が短い複数パルス1
溶滴移行又は1パルス1溶滴移行を形成する値とし、か
つ第2パルス通電期間T2 において、ア−ク長が長い
1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行を形成す
る範囲内で変化させて、第1パルス通電期間T1 のア
−ク長と第2パルス通電期間T2のア−ク長とを変化さ
せるように構成されている。
【0384】(図108の説明)図108において、P
1 ,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP1 
、第1パルス幅TP1 、第1パルス周波数f1 及び
第1ベ−ス電流値IB31とから成る第1パルス電流群
であり、P2 ,P2 ,…P2 は、第1パルス電流
値と同じ第2パルス電流値IP1 、第1パルス幅と同
じ第2パルス幅TP1 、第1パルス周波数と同じ第2
パルス周波数f1 及び第2ベ−ス電流値IB32から
成る第2パルス電流群である。 M1 及びM2は、それぞれ第1及び第2パルス電流通
電期間の溶接電流平均値であり、Iaは溶接電流の平均
値である。
【0390】(請求項39の実施例)請求項39は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2アーク電圧設定信号Vs2 を
出力する第2アーク電圧設定回路VS2と、第2パルス
電流値設定信号Ip2 を設定する第2パルス電流値設
定回路IP2と、第2パルス幅設定信号Tp2 を設定
する第2パルス幅設定回路TP2と、第2パルス周波数
設定信号Fp2 を設定する第2パルス周波数設定回路
FP2とであり、切換設定信号を出力する切換設定回路
が、第1アーク長に対応したアーク電圧設定信号Vs1
 と第2アーク長に対応した第2アーク電圧設定信号V
s2とを切り換えて切換アーク電圧信号S6 を出力す
るアーク電圧切換回路SW6と、パルス電流値設定信号
Ip1 と第2パルス電流値設定信号Ip2 とを切り
換えて切換パルス電流値信号S1 を出力するパルス電
流値切換回路SW1と、パルス幅設定信号Tp1 と第
2パルス幅設定信号Tp2 とを切り換えて切換パルス
幅信号S2 を出力するパルス幅切換回路SW2と、パ
ルス周波数設定信号Fp1 と第2パルス周波数設定信
号Fp2 とを切り換えて切換パルス周波数信号S4 
を出力するパルス周波数切換回路SW4とであり、パル
スベース電流制御信号と切換設定信号とを入力とするパ
ルス制御信号発生回路が、切換パルス周波数信号S4 
を入力としてパルス周波数信号Vf1 及び第2パルス
周波数信号Vf2 を出力するパルス周波数信号発生回
路VFと、パルス周波数信号Vf1 とパルス幅設定信
号Tp1 とから成る第1パルス幅周波数信号Df1 
及び第2パルス周波数信号Vf2 と第2パルス幅設定
信号Tp2 とから成る第2パルス幅周波数信号Df2
 を出力するパルス幅周波数信号発生回路DFと、切換
パルス電流値信号S1 と切換アーク電圧信号S6 に
対応したベース電流制御信号Ib3 とを、第1パルス
幅周波数信号Df1 と第2パルス幅周波数信号Df2
 とによって切り換えるパルスベース電流切換回路SW
5とから構成されるパルスMAG溶接装置である。
【0391】(図106の説明)図106は、請求項3
9の溶接方法を実施するブロック図であって、前述した
図107に示す溶接電流の波形を出力する。図106に
おいて、図104と同一の構成は説明を省略し、異なる
構成について説明する。図106において、図104と
異なる第1の構成は、図104のア−ク電圧設定回路V
S1のかわりに、第1ア−ク電圧設定回路VS1及び第
2ア−ク電圧設定回路VS2を備えており、それぞれ、
第1パルス通電期間T1 及び第2パルス通電期間T2
 における各ア−ク電圧の平均値を設定する回路であっ
て、第1ア−ク電圧設定信号Vs1 及び第2ア−ク電
圧設定信号Vs2 を出力する。ア−ク電圧切換回路S
W6は、切換信号Hlにより、信号Vs1 と信号Vs
2 とを切換えて切換ア−ク電圧信号S6 を出力する
。第2比較回路CM2は、信号S1 とア−ク電圧検出
回路VDのア−ク電圧検出信号Vdとを入力としてその
差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出力する。ベ−ス電
流制御回路IB3は、第1パルス通電期間T1 におけ
る第1のア−ク電圧制御信号Cm2 及び第2パルス通
電期間T2 における第2のア−ク電圧制御信号Cm2
 を入力として、それぞれ第1ベ−ス電流値IB31及
び第2ベ−ス電流値IB32に対応する第1ベ−ス電流
制御信号Ib31及び第2ベ−ス電流制御信号Ib32
を出力する。
【0392】図106において図104と異なる第2の
構成は、図104の平均電流設定回路IMのかわりに、
第1溶接電流設定信号Im1 を出力する第1溶接電流
設定回路IM1と、第2溶接電流設定信号Im2 を出
力する第2溶接電流設定回路IM2と、第1溶接電流設
定信号Im1 と第2溶接電流設定信号Im2 とを切
換信号Hlによって切換えて切換ワイヤ送給速度信号S
7 を第1比較回路CM1に出力するワイヤ送給速度切
換回路SW7を備えている。上記以外は、図105の構
成と同じなので説明を省略する。
【0393】図104及び図106においては、第2パ
ルス電流値設定回路IP2及び第2パルス幅設定回路T
P2及び第2パルス周波数設定回路FP2を備えた場合
について説明したが、これらの設定回路の1つ又は2つ
を備えている場合も、請求項37又は39に包含される
。また、図106において、第1溶接電流設定回路IM
1から出力される第1溶接電流設定信号Im1 と第2
溶接電流設定回路IM2とから出力される第2溶接電流
設定信号Im2 とを切り換えて、切換ワイヤ送給速度
信号S7 を出力するワイヤ送給速度切換回路SW7を
設けたが、これらの構成は、後述する請求項43の実施
例をも包含させた場合であって、請求項39の必須の構
成要件ではない。
【0400】(パルス電流値制御…請求項40乃至42
の説明)請求項40乃至42は、請求項30の構成にお
いて、ア−ク電圧をパルス電流値によって制御する場合
を示し、請求項30のパルスベース電流制御信号を出力
するパルスベース電流制御回路が、アーク電圧制御信号
Cm2 を入力としてパルス電流値制御信号Ip3 を
出力するパルス電流値制御回路IP3であり、第1パル
スベース電流設定信号を出力する第1パルスベース電流
設定回路が、パルス幅設定信号Tp1 を設定するパル
ス幅設定回路TP1と、パルス周波数設定信号Fp1 
を設定するパルス周波数設定回路FP1と、ベース電流
設定信号Ib1 を設定するベース電流設定回路IB1
である。
【0401】(請求項40の実施例)請求項40は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2パルス幅設定信号Tp2 を設
定する第2パルス幅設定回路TP2と、第2パルス周波
数設定信号Fp2 を設定する第2パルス周波数設定回
路FP2と、第2ベース電流設定信号Ib2 を設定す
る第2ベース電流設定回路IB2とであり、切換設定信
号を出力する切換設定回路が、パルス幅設定信号Tp1
 と第2パルス幅設定信号Tp2 とを切り換えて切換
パルス幅設定信号S2 を出力するパルス幅切換回路S
W2と、パルス周波数設定信号Fp1 と第2パルス周
波数設定信号Fp2 とを切り換えて切換パルス周波数
信号S4 を出力するパルス周波数切換回路SW4と、
ベース電流設定信号Ib1 と第2ベース電流設定信号
Ib2 とを切り換えて切換ベース電流信号S3 を出
力するベース電流切換回路SW3とであり、パルスベー
ス電流制御信号と切換設定信号とを入力とするパルス制
御信号発生回路が、切換パルス周波数信号S4 を入力
としてパルス周波数信号Vf1 及び第2パルス周波数
信号Vf2 を出力するパルス周波数信号発生回路VF
と、パルス周波数信号Vf1 とパルス幅設定信号Tp
1 とから成る第1パルス幅周波数信号Df1 及び第
2パルス周波数信号Vf2 と第2パルス幅設定信号T
p2 とから成る第2パルス幅周波数信号Df2 を出
力するパルス幅周波数信号発生回路DFと、切換アーク
電圧信号S6 に対応したパルス電流値制御信号Ip3
 と切換ベース電流信号S3 とを、第1パルス幅周波
数信号Df1 及び第2パルス幅周波数信号Df2 に
よって切り換えるベースパルス電流切換回路SW5とか
ら構成されるパルスMAG溶接装置である。
【0402】(図109の説明)図109は、請求項4
0の溶接方法を実施するブロック図であって、図112
に示す溶接電流の波形を出力する。図109において、
図83と同一の構成は説明を省略し、異なる構成につい
て説明する。図109は、請求項40の溶接装置の実施
例のブロック図を示す。同図において図83と異なる構
成は、次のとおりである。第1パルス幅設定回路TP1
及び第2パルス幅設定回路TP2は、それぞれ、第1パ
ルス幅TP1 及び第2パルス幅TP2 を設定する回
路であって、第1パルス幅設定信号Tp1 及び第2パ
ルス幅設定信号Tp2 を出力する。パルス幅切換回路
SW2は切換信号Hlにより、信号Tp1 と信号Tp
2 とを切換えて切換パルス幅信号S2 を出力する。 第1パルス周波数設定回路FP1及び第2パルス周波数
設定回路FP2は、それぞれ、第1パルス周波数f1 
及び第2パルス周波数f2 を設定する回路であって、
第1パルス周波数設定信号Fp1 及び第2パルス周波
数設定信号Fp2 を出力する。パルス周波数切換回路
SW4は、切換信号Hlにより、信号Fp1 と信号F
p2 とを切換えて切換パルス周波数信号S4 を出力
する。第1ベ−ス電流設定回路IB1及び第2ベ−ス電
流設定回路IB2は、それぞれ、第1ベ−ス電流IB1
 及び第2ベ−ス電流IB2 を設定する回路であって
、第1ベ−ス電流設定信号Ib1 及び第2ベ−ス電流
設定信号Ib2 を出力する。ベ−ス電流切換回路SW
5は、切換信号Hlにより、信号Ib1 と信号Ib2
 とを切換えて切換ベ−ス電流信号S3 を出力する。
【0403】パルス周波数信号発生回路VFは、切換パ
ルス周波数信号S4 を入力して第1パルス周波数信号
Vf1 及び第2パルス周波数信号Vf2 を出力する
。パルス幅周波数信号発生回路DFは、第1パルス幅設
定信号Tp1 と第1パルス周波数信号Vf1 とに対
応する第1パルス幅周波数信号Df1 と、第2パルス
幅設定信号Tp2 と第2パルス周波数信号Vf2 と
に対応する第2パルス幅周波数信号Df2 とを出力す
る。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、第1パルス通
電期間においては、第1パルス幅周波数信号Df1 に
合成されたパルス幅設定信号Tp1 で定まるパルス幅
に相当する期間だけ第1パルス電流値制御信号Ip31
を通電する信号と第1ベ−ス電流設定信号Ib1 とを
、第1パルス幅周波数信号Df1 によって切り換えて
パルス制御信号Pf1 を出力し、次に、第2パルス通
電期間においては、第2パルス幅周波数信号Df2 に
合成された第2パルス幅設定信号Tp2 で定まる第2
パルス幅に相当する期間だけ、第2パルス電流値制御信
号Ip32を通電する信号と第2ベ−ス電流設定信号I
b2 とを、第2パルス幅周波数信号Df2 によって
切り換えてパルス制御信号Pf2 を溶接電源制御回路
PSに出力する。
【0404】本実施例の装置は、第1パルス幅設定回路
TP1と第1パルス周波数設定回路FP1と第1ベ−ス
電流設定回路IB1との他に、第2パルス幅設定回路T
P2及び第2パルス周波数設定回路FP2及び第2ベ−
ス電流設定回路IB2のいずれか一つ以上を備えて、第
1パルス通電期間T1 と第2パルス通電期間T2 と
を切換える切換信号発生回路HLの切換信号Hlによっ
て、第1パルス通電期間T1 は、制御された第1パル
ス電流値IP31と第1パルス幅TP1 と第1パルス
周波数f1 と第1ベ−ス電流値IB1 とで定まる第
1パルス電流群を通電し、第2パルス通電期間T2は、
制御された第2パルス電流値IP32と第2パルス幅T
P2 と第2パルス周波数f2 と第2ベ−ス電流値I
B2 とで定まる第2パルス電流群を通電する。さらに
、第1パルス電流P1 と第2パルス電流P2 との各
設定値は、第1パルス通電期間T1 において、各第1
パルス電流P1 が複数パルス1溶滴移行又は1パルス
1溶滴移行を形成する値とし、かつ第2パルス通電期間
T2において、各第2パルス電流P2 は、第1パルス
電流よりもパルス幅又はパルス周波数又はベ−ス電流値
又は2以上を、1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶
滴移行を形成する範囲内で変化させて、第1パルス通電
期間T1 のア−ク長と第2パルス通電期間T2 のア
−ク長とを変化させるように構成されている。
【0405】このように、請求項40の溶接装置は、平
均電流設定回路IMで設定された平均電流設定信号Im
をワイヤ送給モ−タWMに供給する。このワイヤ送給速
度及びア−ク電圧設定値に対応した溶接電流の平均値I
aになるように、パルス電流群が設定及び制御される。 本請求項の装置は、従来の装置のようにワイヤ送給速度
を切換えて溶接電流の平均値を切換えることをしないの
で、ワイヤ送給モ−タWMの応答遅れの影響を受けない
。次に、本実施例の装置は、パルス電流値制御回路IP
3を備えて、第1パルス通電期間T1 と第2パルス通
電期間T2 とを切換える切換信号発生回路HLの切換
信号Hlによって、第1パルス通電期間T1においては
、ア−ク長小のときの第1のア−ク電圧制御信号Cm2
 によって定まるパルス電流値と予め設定されたパルス
幅及びパルス周期及びベ−ス電流値とで定まる第1パル
ス電流群を通電し、第2パルス通電期間T2 において
は、ア−ク長大のときの第2のア−ク電圧制御信号Cm
2 によって制御される第1パルス電流値と予め設定さ
れたパルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値とで定
まる第2パルス電流群とを通電する。さらに、第1パル
ス電流群と第2パルス電流群との各設定値は、第1パル
ス通電期間T1 において、ア−ク長が短い複数パルス
1溶滴移行又は1パルス1溶滴移行を形成する値とし、
かつ第2パルス通電期間T2 において、ア−ク長が長
い1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行を形成
する範囲内で変化させて、第1パルス通電期間T1 の
ア−ク長と第2パルス通電期間T2 のア−ク長とを変
化させるように構成されている。
【0406】(図112の説明)図112において、P
1 ,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP3 
、第1パルス幅TP1 、第1パルス周波数f1 及び
第1ベ−ス電流値IB1 とから成る第1パルス電流群
であり、P2 ,P2 ,…P2 は、第2パルス電流
値IP3 、第2パルス幅TP2 、第2パルス周波数
f2 及び第2ベ−ス電流値IB2 から成る第2パル
ス電流群である。M1 及びM2 は、それぞれ第1及
び第2パルス電流通電期間の溶接電流平均値であり、I
aは溶接電流の平均値である。図112においては、第
2溶接条件の値が第1溶接条件の値よりも大、すなわち
、TP1 <TP2 又はFP1 <FP2 又はIB
1 <IB2 について説明したが、M1 <M2 で
ある限り、例えばTP1 <TP2 及びFP1 <F
P2 のときにIB1 >IB2 のように、第2溶接
条件の値が第1溶接条件の値よりも小であってもよい。
【0410】(請求項41の実施例)請求項41は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2アーク電圧設定信号Vs2 を
出力する第2アーク電圧設定回路VS2と、パルス幅設
定信号Tp1 を設定するパルス幅設定回路TP1と、
パルス周波数設定信号Fp1 を設定するパルス周波数
設定回路FP1と、ベース電流設定信号Ib1 を設定
するベース電流設定回路IB1とであり、切換設定信号
を出力する切換設定回路が、第1アーク長に対応したア
ーク電圧設定信号Vs1 と第2アーク長に対応した第
2アーク電圧設定信号Vs2 とを切り換えて切換アー
ク電圧信号S6 を出力するアーク電圧切換回路SW6
であり、パルスベース電流制御信号と切換設定信号とを
入力とするパルス制御信号発生回路が、パルス周波数設
定信号Fp1 を入力としてパルス周波数信号Vf1 
を出力するパルス周波数信号発生回路VFと、パルス幅
設定信号Tp1 とパルス周波数信号Vf1 とから成
るパルス幅周波数信号Df1 を出力するパルス幅周波
数信号発生回路DFと、切換アーク電圧信号S6 に対
応したパルス電流値制御信号Ip3 とベース電流設定
信号Ib1 とを、パルス幅周波数信号Df1 によっ
て切り換えるベースパルス電流切換回路SW5とから構
成されるパルスMAG溶接装置である。
【0411】(図110の説明)図110は、請求項4
1の溶接方法を実施するブロック図であって、図113
に示す溶接電流の波形を出力する。図110において、
図109と同一の構成は説明を省略し、異なる構成につ
いて説明する。第1ア−ク電圧設定回路VS1及び第2
ア−ク電圧設定回路VS2は、それぞれ、第1パルス通
電期間T1 及び第2パルス通電期間T2 における各
ア−ク電圧の平均値を設定する回路であって、第1ア−
ク電圧設定信号Vs1 及び第2ア−ク電圧設定信号V
s2 を出力する。ア−ク電圧切換回路SW6は、切換
信号Hlにより、信号Vs1 と信号Vs2 とを切換
えて切換ア−ク電圧信号S6 を出力する。第2比較回
路CM2は、信号S1 とア−ク電圧検出回路VDのア
−ク電圧検出信号Vdとを入力としてその差のア−ク電
圧制御信号Cm2 を出力する。パルス電流値制御回路
IP3は、第1パルス通電期間T1 における第1のア
−ク電圧制御信号Cm2及び第2パルス通電期間T2 
における第2のア−ク電圧制御信号Cm2 を入力とし
て、それぞれ第1パルス電流値IP31及び第2パルス
電流値IP32に対応する第1パルス電流値制御信号I
p31及び第2パルス電流値制御信号Ip32を出力す
る。
【0412】パルス周波数設定回路FP1は、パルス周
期(D1 =D2)に相当するパルス周波数設定信号F
p1 を出力する。パルス幅設定回路TP1は、パルス
幅を設定する回路であって、パルス幅設定信号Tp1 
を出力する。ベ−ス電流設定回路IB1は、ベ−ス電流
値を設定する回路であって、ベ−ス電流設定信号Ib1
 を出力する。パルス周波数信号発生回路VFは、パル
ス周波数設定信号Fp1 を入力としてパルス周波数信
号Vf1 を発生する。パルス幅周波数信号発生回路D
Fは、パルス幅設定信号Tp1 とパルス周波数信号V
f1 とから成るパルス幅周波数信号Df1 を出力す
る。パルスベ−ス電流切換回路SW5は、第1パルス通
電期間T1 においては、パルス幅周波数信号Df1 
に合成されたパルス幅設定信号で定まるパルス幅に相当
する期間だけパルス電流値制御信号Ip3 を通電する
信号とベ−ス電流設定信号Ib1 とを、パルス幅周波
数信号Df1 によって切り換えてパルス制御信号Pf
1 を出力し、次に、第2パルス通電期間T2 におい
ては、パルス幅周波数信号Df1 に合成されたパルス
幅設定信号で定まるパルス幅に相当する期間だけパルス
電流値制御信号Ip3 を通電する信号とベ−ス電流設
定信号Ib1 とを、パルス幅周波数信号Df1 によ
って切り換えてパルス制御信号Pf2 を溶接電源制御
回路PSに出力する。以下、図109の説明と同一なの
で省略する。
【0413】(図113の説明)図113において、P
1 ,P1 ,…P1 は、第1パルス電流値IP31
、第1パルス幅TP1 、第1パルス周波数f1 及び
第1ベ−ス電流値IB1 から成る第1パルス電流群で
あり、P2 ,P2 ,…P2 は、第2パルス電流値
IP32、第1パルス幅と同じ第2パルス幅TP1 、
第1パルス周波数と同じ第2パルス周波数f1 及び第
1ベ−ス電流値と同じ第2ベ−ス電流値IB1 から成
る第2パルス電流群である。M1 及びM2 は、それ
ぞれ第1及び第2パルス電流通電期間の溶接電流平均値
であり、Iaは溶接電流の平均値である。
【0420】(請求項42の実施例)請求項42は、第
2パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベー
ス電流設定回路が、第2アーク電圧設定信号Vs2 を
出力する第2アーク電圧設定回路VS2と、第2パルス
幅設定信号Tp2 を設定する第2パルス幅設定回路T
P2と、第2パルス周波数設定信号Fp2 を設定する
第2パルス周波数設定回路FP2と、第2ベース電流設
定信号Ib2 を設定するベース電流設定回路IB2と
であり、切換設定信号を出力する切換設定回路が、第1
アーク長に対応したアーク電圧設定信号Vs1 と第2
アーク長に対応した第2アーク電圧設定信号Vs2 と
を切り換えて切換アーク電圧信号S6 を出力するアー
ク電圧切換回路SW6と、パルス幅設定信号Tp1 と
第2パルス幅設定信号Tp2 とを切り換えて切換パル
ス幅設定信号S2 を出力するパルス幅切換回路SW2
と、パルス周波数設定信号Fp1と第2パルス周波数設
定信号Fp2 とを切り換えて切換パルス周波数信号S
4 を出力するパルス周波数切換回路SW4と、ベース
電流設定信号Ib1 と第2ベース電流設定信号Ib2
とを切り換えて切換ベース電流信号S3 を出力するベ
ース電流切換回路SW3とであり、パルスベース電流制
御信号と切換設定信号とを入力とするパルス制御信号発
生回路が、切換パルス周波数信号S4 を入力として第
1パルス周波数信号Vf1 及び第2パルス周波数信号
Vf2 を出力するパルス周波数信号発生回路VFと、
第1パルス周波数信号Vf1 と第1パルス幅設定信号
Tp1 とから成る第1パルス幅周波数信号Df1 及
び第2パルス周波数信号Vf2 と第2パルス幅設定信
号Tp2 とから成る第2パルス幅周波数信号Df2 
を出力するパルス幅周波数信号発生回路DFと、切換ア
ーク電圧信号S6 に対応したパルス電流値制御信号I
p3 と切換ベース電流信号S3 とを、第1パルス幅
周波数信号Df1 及び第2パルス幅周波数信号Df2
 によって切り換えるベースパルス電流切換回路SW5
とから構成されるパルスMAG溶接装置である。
【0421】(図111の説明)図111は、請求項4
2の溶接方法を実施するブロック図であって、前述した
図112に示す溶接電流の波形を出力する。図111に
おいて、図109と同一の構成は説明を省略し、異なる
構成について説明する。図111において、図109と
異なる第1の構成は、ア−ク電圧設定回路VS1のかわ
りに、第1ア−ク電圧設定回路VS1及び第2ア−ク電
圧設定回路VS2を備え、それぞれ、第1パルス通電期
間T1 及び第2パルス通電期間T2 における各ア−
ク電圧の平均値を設定する回路であって、第1ア−ク電
圧設定信号Vs1 及び第2ア−ク電圧設定信号Vs2
 を出力する。ア−ク電圧切換回路SW6は、切換信号
Hlにより、信号Vs1 と信号Vs2 とを切換えて
切換ア−ク電圧信号S6 を出力する。第2比較回路C
M2は、信号S1 とア−ク電圧検出回路VDのア−ク
電圧検出信号Vdとを入力としてその差のア−ク電圧制
御信号Cm2を出力する。パルス電流値制御回路IP3
は、第1パルス通電期間T1 における第1のア−ク電
圧制御信号Cm2 及び第2パルス通電期間T2 にお
ける第2のア−ク電圧制御信号Cm2 を入力として、
それぞれ第1パルス電流値IP31及び第2パルス電流
値IP32に対応する第1パルス電流値制御信号Ip3
1及び第2パルス電流値制御信号Ip32を出力する。
【0422】図111において図109と異なる第2の
構成は、図109の平均電流設定回路IMのかわりに、
第1溶接電流設定信号Im1 を出力する第1溶接電流
設定回路IM1と、第2溶接電流設定信号Im2 を出
力する第2溶接電流設定回路IM2と、第1溶接電流設
定信号Im1 と第2溶接電流設定信号Im2 とを切
換信号Hlによって切換えて切換ワイヤ送給信号S7 
を第1比較回路CM1に出力するワイヤ送給切換回路S
W7を備えている。以下、図109の説明と同一なので
省略する。
【0423】図109及び図111においては、第2パ
ルス幅設定回路TP2及び第2パルス周波数設定回路F
P2及び第2ベ−ス電流設定回路IB2を備えた場合に
ついて説明したが、これらの設定回路の1つ又は2つを
備えている場合も、請求項40又は42に包含される。
【0424】また、図111において、第1溶接電流設
定回路IM1から出力される第1溶接電流設定信号Im
1 と第2溶接電流設定回路IM2とから出力される第
2溶接電流設定信号Im2 とを切り換えて、切換ワイ
ヤ送給速度信号S7 を出力するワイヤ送給速度切換回
路SW7を設けたが、これらの構成は、後述する請求項
43の実施例をも包含させた場合であって、請求項42
の必須の構成要件ではない。
【0430】(請求項43の実施例)請求項43は、第
1ワイヤ送給速度設定信号Im1 を出力する第1ワイ
ヤ送給速度設定回路Im1 と、第2ワイヤ送給速度設
定信号Im2 を出力する第2ワイヤ送給速度設定回路
Im2 と、第1ワイヤ送給速度設定信号Im1 と第
2ワイヤ送給速度設定信号Im2 とを切換周波数F=
0.5乃至5[Hz]で切り換えて、切換ワイヤ送給速
度信号S7 をワイヤ送給速度制御回路WCに出力する
ワイヤ送給速度切換回路SW7を備えたパルスMAG溶
接装置である。
【0431】請求項43の実施例としては、図89、図
100、図106及び図111に示すとおりである。
【0432】請求項43の追加の回路構成により、ワイ
ヤ送給速度を第1溶接電流設定回路IM1と第2溶接電
流設定回路IM2とを周期的に切換えて、第1パルス通
電期間T1 の溶接電流平均値M1 と第2パルス通電
期間T2 の溶接電流平均値M2 とを、ア−ク長小の
第1パルス通電期間T1 は複数パルス1溶滴移行又は
1パルス1溶滴移行を形成する範囲内に設定し、ア−ク
長大の第2パルス通電期間T2 は1パルス1溶滴移行
又は1パルス複数溶滴移行を形成する範囲内に設定して
周期的に切り換えることによって、ア−ク長の切り換え
による前述した種々の効果がより一層大になる。特に、
前述したように、継手の隙間が大になったとき、ワイヤ
送給速度を増加させることにより溶接電流を増加させて
溶融金属量を増加させて、大きくなった隙間に充填させ
ることによって、隙間が大きくなるにしたがって不足に
なる余盛りを補い外観の良好なビ−ド形状を得ることが
できる。逆に、継手の隙間が小になったとき、溶接電流
を減少させて溶融金属量を減少させて、小さくなった隙
間から余分の溶着金属を減少させて、外観の良好なビ−
ド形状を得ることができる。
【0440】(請求項6の実施例…図114の説明)図
114は請求項6の溶接方法を実施する溶接装置のブロ
ック図を示す。同図において、図89と同一構成の説明
は省略する。同図において、通電周波数設定回路FTは
、図11に示す第1パルス通電期間T1 と第2パルス
通電期間T2 とを切換える切換信号Hlの切換周波数
Fを設定する回路であって、例えば、0.5〜25Hz
程度の設定が適切であり、通電周波数信号Ftを出力す
る。通電比率設定回路DTは、通電比率Dsの略中心値
の0.5に設定するとともに、ア−ク電圧検出回路VD
によって検出したア−ク電圧検出信号Vdを入力として
、通電比率Dsを制御する回路で、通電比率信号Dtを
出力する。切換信号発生回路HLは信号Ftと信号Dt
とを入力して、第1パルス通電期間T1 と第2パルス
通電期間T2 とを周期的に切換えるための切換信号H
lを出力する。
【0441】この請求項6を実施する溶接装置は、外乱
によってワイヤ送給速度とワイヤ溶融速度とがアンバラ
ンスになってア−ク長が変動したとき、検出したア−ク
電圧によってパルス周波数を速に増減させてア−ク長を
復帰させる機能の他に、突合せ溶接又は重ね隅肉溶接に
おいて継手の隙間が変化したときは、隙間の変化に応じ
て変化したときのア−ク電圧を検出して、この遅れて変
化したア−ク電圧によって通電比率Dsを制御すること
によって、ワイヤ溶融速度を増減させて、隙間に対応し
たア−ク長に補正する機能を追加している。
【0442】(図115及び図116の説明)図115
は、図114の溶接装置のブロック図の構成のうち、ア
−ク電圧検出回路VD、通電比率設定回路DT、通電周
波数設定回路FT及び切換信号発生回路HLの構成を示
す図であって、パルス幅変調回路と同様の機能を果して
いる。例えば、ア−ク電圧検出回路VDから出力される
ア−ク電圧検出信号Vdが図116(A)に示すように
、ア−ク長が次第に短くなって検出信号Vdが次第に減
少したとき、通電比率設定回路DTから出力される通電
比率信号Dtが予め設定された一定値であるときは、比
較回路CMP11は、図116(C)に示すように、差
の信号Vd−Dtを出力する。通電周波数設定回路FT
は、予め設定した周波数の三角波信号の通電周波数信号
Ftを出力する。比較回路CMP12は、通電周波数信
号Ftと差の信号Vd−Dtとを入力として、図116
(D)に示すその差信号Ft−(Vd−Dt)に対応し
た図116(E)に示す切換信号HLを出力する。した
がって、同図(A)に示すように、ア−ク電圧が次第に
減少するにしたがって、同図(E)に示すように切換信
号Hlのパルス幅が次第に増加するので、このパルス幅
に対応した比率で、通電比率Dsが制御される。
【0443】(図117の説明)図117は、請求項6
の溶接方法を実施する他の溶接装置のブロック図を示す
。同図において図114と異なる構成は、ア−ク電圧検
出回路VDと切換信号発生回路HLとの間にサンプル・
ホ−ルド回路SHが挿入され、このサンプル・ホ−ルド
回路SHは、ア−ク電圧検出信号Vdと切換信号Hlと
を入力として、第1パルス通電期間T1 (又は第2パ
ルス通電期間T2 のいずれか一方の期間)のみのア−
ク電圧検出信号Vdを切換信号発生回路HLに入力する
ことによって、第2パルス通電期間T2 の間(又は逆
に、第1パルス通電期間T1 の間)に変動及びパルス
周波数の増減により復帰させるア−ク長に対応したア−
ク電圧を検出しないので、継手の隙間の変化によるア−
ク長の補正作用の応答速度を大にしても、ハンチング現
象を生じることなく、ア−ク長の補正作用が速に行われ
る。
【0450】(請求項17…図118及び図122の説
明)図118は、請求項17の溶接方法を実施する装置
のブロック図である。同図において、図88と同一の構
成の説明は省略する。第1ア−ク電圧自動設定回路VA
1は、図43で説明したワイヤ送給速度設定値Wnと第
1ア−ク電圧設定値Unとの関係がデ−タテ−ブルにす
でに記憶されており、ワイヤ送給速度設定信号Wsを入
力として記憶したデ−タテ−ブルを検索して第1溶接条
件におけるア−ク電圧値を設定する回路であって、第1
ア−ク電圧設定信号Vs1 を出力する。第2ア−ク電
圧自動設定回路VA2は、第2溶接条件におけるア−ク
電圧値を設定する回路であって、同図で説明した第1ア
−ク電圧設定値Unと第2ア−ク電圧設定値Vnとの関
係がデ−タテ−ブルにすでに記憶されており、第1ア−
ク電圧設定信号Vs1 を入力として、同図に示したデ
−タテ−ブルを検索して第2溶接条件における第2ア−
ク電圧設定信号Vs2 を出力する。
【0451】図122は、図118のブロック図の第1
ア−ク電圧自動設定回路VA1及び第2ア−ク電圧自動
設定回路VA2の機能を説明する図であって、マイクロ
プロセッサを使用して前述した図42に示すワイヤ送給
速度設定信号Wsを入力として、第1ア−ク電圧設定信
号Vs1 とその信号Vs1 に対応した第2ア−ク電
圧設定信号Vs2 とを出力する。図122(A)は、
CPU、RAM、ROM、I/Oポ−ト、A/D変換回
路及びD/A変換回路から構成されており、A/D変換
回路からワイヤ送給速度設定信号Wsが入力されて、図
42に示すデ−タテ−ブルから、ワイヤ送給速度設定値
Wnに対応した第1ア−ク電圧設定値Un =u1,u
2,…,unの中から1つの設定値を検索し、さらに、
検索した第1ア−ク電圧設定値Un に対応した第2ア
−ク電圧設定値Vn=v1,v2,…,vnの中から1
つの設定値を検索して、D/A変換回路を通じて、第1
及び第2ア−ク電圧設定信号Vs1 及びVs2 を出
力する。
【0452】図122(B)は、そのフロ−チャ−トを
示し、B−1 においてワイヤ送給速度設定値例えばW
n =w1を読み込み、B−2 においてROMデ−タ
テ−ブルからUn=u1のデ−タを検索し、B−3 に
おいてROMデ−タテ−ブルからu1に対応した第2ア
−ク電圧設定値Vn =v1のデ−タを検索し、B−4
 においてI/O回路からu1及びv1を出力する。
【0455】(請求項18…図119及び図123の説
明)図119は、請求項18の溶接方法を実施する装置
のブロック図で、図118と異なる個所は次のとおりで
ある。まず第1に、第1ア−ク電圧設定回路VS1の第
1ア−ク電圧設定信号Vs1 が自動設定ではなく手動
設定である。第2に、第2ア−ク電圧自動設定回路VA
2には、図42で説明した第1ア−ク電圧設定値Un 
と第2ア−ク電圧設定値Vn とのデ−タテ−ブルがす
でに記憶されており、第1ア−ク電圧設定信号Vs1 
及びワイヤ送給速度設定信号Wsを入力信号として、図
42に示したデ−タテ−ブルを検索して、第2ア−ク電
圧設定信号Vs2 を、ア−ク電圧切換回路SW6に出
力する。第3に、図118のパルス電流値設定回路IP
1の代りに、第1パルス電流値設定信号Ip1 を出力
する第1パルス電流値設定回路IP1と、第2パルス電
流値設定信号Ip2 を出力する第2パルス電流値設定
回路IP2と、切換信号Hlによって信号Ip1 とI
p2 とを切換えて切換パルス電流値信号S1 を出力
するパルス電流値切換回路SW1とが設けられている。 第4に、図118のパルス幅設定回路TP1の代りに、
第1パルス幅設定信号Tp1 を出力する第1パルス幅
設定回路TP1と、第2パルス幅設定信号Tp2 を出
力する第2パルス幅設定回路TP2と、切換信号Hlに
よって信号Tp1 とTp2 とを切換えて切換パルス
幅信号S2 を出力するパルス幅切換回路SW2とが設
けられている。
【0456】また、図123(A)は、図119のブロ
ック図の第2ア−ク電圧自動設定回路VA2の機能を説
明する図であって、マイクロプロセッサを使用して前述
した図42に示すワイヤ送給速度設定信号Ws及び第1
ア−ク電圧設定信号Vs1 を入力として、第1ア−ク
電圧設定信号Vs1 に対応した第2ア−ク電圧設定信
号Vs2 を出力する。図123(A)は、CPU、R
AM、ROM、I/Oポ−ト、A/D変換回路及びD/
A変換回路から構成されており、A/D変換回路からワ
イヤ送給速度設定信号Ws及び第1ア−ク電圧設定信号
Vs1 が入力されて、図42に示すデ−タテ−ブルか
ら、入力された第1ア−ク電圧設定値信号Un に対応
した第2ア−ク電圧設定値Vn =v1,v2,…,v
nの中から1つの設定値を検索して、D/A変換回路を
通じて、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出力する。
【0457】図123(B)は、そのフロ−チャ−トを
示し、B−1 においてワイヤ送給速度設定値、例えば
Wn =w1及び第1ア−ク電圧設定値Un =u1を
読み込み、B−3 においてROMデ−タテ−ブルから
u1に対応したVn =v1のデ−タを検索し、B−4
においてI/Oポ−トからv1を出力する。
【0460】(請求項19…図120及び図124の説
明)図120は、請求項19の溶接方法を実施する装置
のブロック図で、図118と異なる個所は次のとおりで
ある。まず第1に、図118のワイヤ送給速度設定回路
WSの代りに、第1ワイヤ送給速度設定信号Ws1 を
出力する第1ワイヤ送給速度設定回路WS1と、第2ワ
イヤ送給速度設定信号Ws2 を出力する第2ワイヤ送
給速度設定回路WS2と、切換信号Hlによって信号W
s1 とWs2 とを切換えて切換ワイヤ送給信号S7
 を出力するワイヤ送給速度切換回路SW7とが設けら
れている。 第2に、図118の第2ア−ク電圧自動設定回路AV2
と記憶デ−タテ−ブル及び検索するためのデ−タテ−ブ
ルが異なる。すなわち、図119の第2ア−ク電圧自動
設定回路AV2には、図43で説明した第1ア−ク電圧
設定値Un に対応した第2ア−ク電圧設定値Vn と
のデ−タテ−ブルが、各第2ワイヤ送給速度設定値Xn
 毎に記憶されており、第2ワイヤ送給速度設定信号W
s2 を入力信号として、この設定値Xnと第1ア−ク
電圧自動設定回路AV1によって検索された第1ア−ク
電圧設定信号Un とから、図43に示したデ−タテ−
ブルを検索して第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を、ア
−ク電圧切換回路SW6に出力する。なお、第1ア−ク
電圧自動設定回路AV1には、第1ワイヤ送給速度設定
信号Ws1 が入力されるが、動作は図118の場合と
同じである。第3に、図118のベ−ス電流設定回路I
B1の代りに、第1ベ−ス電流設定信号Ib1 を出力
する第1ベ−ス電流設定回路IB1と、第2ベ−ス電流
設定信号Ib2を出力する第2ベ−ス電流設定回路IB
2と、切換信号Hlによって信号Ib1と信号Ib2 
とを切換えて切換ベ−ス電流信号S3 を出力するベ−
ス電流切換回路SW3とが設けられている。
【0461】また、図124(A)は、図120のブロ
ック図の第1ア−ク電圧自動設定回路VA1及び第2ア
−ク電圧自動設定回路VA2の機能を説明する図であっ
て、マイクロプロセッサを使用して、前述した図43に
示す第1ワイヤ送給速度設定信号Ws1 を入力して、
第1ア−ク電圧設定信号Vs1 を出力し、次に、第1
ア−ク電圧設定信号Vs1 と第2ワイヤ送給速度設定
信号Ws2 とから第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を
出力する。 図124(A)は、CPU、RAM、ROM、I/Oポ
−ト、A/D変換回路及びD/A変換回路から構成され
ており、A/D変換回路から第1ワイヤ送給速度設定信
号Ws1 が入力されて、図124(B)に示すデ−タ
テ−ブルから、第1ワイヤ送給速度設定値Wn に対応
した第1ア−ク電圧設定値Un =u1,u2,…,u
nの中から1つの設定値を検索し、さらに、検索した第
1ア−ク電圧設定値Un と入力した第2ワイヤ送給速
度設定値Xn とから、第2ア−ク電圧設定値Vn =
v1,v2,…,vnの中から1つの設定値を検索して
、D/A変換回路を通じて、第1及び第2ア−ク電圧設
定信号Vs1 及びVs2 を出力する。
【0462】図124(B)は、そのフロ−チャ−トを
示し、B−1 において第1及び第2ワイヤ送給速度設
定値、例えばWn =w1及びXn =x1を読み込み
、B−2 においてROMデ−タテ−ブルからUn =
u1のデ−タを検索し、B−3 においてROMデ−タ
テ−ブルからu1及びx1に対応した第2ア−ク電圧設
定値Vn =v1のデ−タを検索し、B−4 において
I/O回路から第1及び第2ア−ク電圧設定信号Vs1
 及びVs2 を出力する。
【0465】(請求項20…図121及び図125の説
明)図121は、請求項20の溶接方法を実施する装置
のブロック図で、図120と異なる個所は次のとおりで
ある。まず第1に、第1ア−ク電圧設定回路VS1の第
1ア−ク電圧設定信号Vs1 が自動設定ではなく手動
設定である。第2に、第2ア−ク電圧自動設定回路VA
2には、図43で説明した第1ア−ク電圧設定値Un 
とその設定値に対応した第2ア−ク電圧設定値Vn と
のデ−タテ−ブルが、各第2ワイヤ送給速度設定値Xn
 毎に記憶されており、第2ワイヤ送給速度設定信号W
s2 と第1ア−ク電圧設定値Un とを入力信号とし
て、この信号Ws2の設定値Xn と第1ア−ク電圧設
定値Un とから、図43に示したデ−タテ−ブルを検
索して、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 をア−ク電圧
切換回路SW6に出力する。第2に、図120の回路I
P1、IP2、SW1、TP1、TP2及びSW2の他
に、図120のベ−ス電流設定回路IB1の代りに、第
1ベ−ス電流設定信号Ib1 を出力する第1ベ−ス電
流設定回路IB1と、第2ベ−ス電流設定信号Ib2 
を出力する第2ベ−ス電流設定回路IB2と、切換信号
Hlによって信号Ib1 と信号Ib2 とを切換えて
切換ベ−ス電流信号S3 を出力するベ−ス電流切換回
路SW3とが設けられている。
【0466】また、図125(A)は、図121のブロ
ック図の第2ア−ク電圧自動設定回路VA2の機能を説
明する図であって、マイクロプロセッサを使用して、前
述した図43に示す第1ア−ク電圧設定信号Vs1 と
第2ワイヤ送給速度設定信号Ws2 とを入力信号とし
て、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出力する。図1
25(A)は、CPU、RAM、ROM、I/Oポ−ト
、A/D変換回路及びD/A変換回路から構成されてお
り、A/D変換回路から第1ア−ク電圧設定信号Unと
第2ワイヤ送給速度設定信号Ws2 とが入力されて、
図43に示すデ−タテ−ブルから、第1ア−ク電圧設定
値Un と入力した第2ワイヤ送給速度設定値Xnとか
ら、第2ア−ク電圧設定値Vn =v1,v2,…,v
nの中から1つの設定値を検索して、D/A変換回路を
通じて、第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出力する。
【0467】図125(B)は、そのフロ−チャ−トを
示し、B−1 において第1及び第2ワイヤ送給速度設
定値、例えばWn =w1及びXn =x1と第1ア−
ク電圧設定値を読み込み、B−3 においてROMデ−
タテ−ブルからu1及びX1に対応した第2ア−ク電圧
設定値Vn =v1のデ−タを検索し、B−4 におい
てI/O回路から第2ア−ク電圧設定信号Vs2 を出
力する。
【0500】
【本発明の効果】本発明の溶接方法の効果を要約すると
下記のとおりである。■アルミニウムに対して、規則正
しい「うろこ状ビ−ド」外観を得られる他に、■銅また
は銅合金に対しても、規則正しい「うろこ状ビ−ド」外
観が得られる、■アルミニウムに対して、結晶粒を微細
化して割れが発生しにくい、■アルミニウムに対して、
ブロ−ホ−ルの発生が少ない、■突合せ溶接に対して、
突合せの隙間が大になっても、溶け落ちが発生しにくい
、■重ね隅肉溶接に対して、重ね合せの隙間が大になっ
ても、片溶けが発生しにくい、■ステンレス鋼に対して
、溶け込み形状の制御ができ、溶接ビ−ドの進行方向の
溶け込み深さが略一定になっている。
【0501】さらに詳細に説明すると次のとおりである
。本発明のパルスMAGア−ク溶接方法及び溶接装置に
よれば、従来のワイヤ送給速度の切り換えによる溶接電
流変化方式のように、機械的変化の遅れのために、ア−
ク長が過度に長くなってア−クが不安定になったり、短
絡によりスパッタが多く発生したり、時には、ワイヤの
突込み又はバ−ンバックが発生したりすることがなく、
また、スプレ−移行と短絡移行とを周期的に繰り返して
「うろこ状ビ−ド」を得る方式ではないので、本発明の
溶接方法及び溶接装置では、TIG溶接と同様の規則正
しい「うろこ状ビ−ド」を得ることができ、しかもスパ
ッタの発生も極めて少ない。
【0502】また、本発明の溶接方法及び溶接装置では
、第1パルス電流群を複数パルス1溶滴移行又は1パル
ス1溶滴移行方式としているので、ア−ク長を最小2乃
至3[mm]の短絡に近いア−ク長すなわち、微小短絡
が発生するア−ク長にまで短くすることができ、通常の
1パルス1溶滴移行(ユニットパルス)方式のパルスア
−ク溶接方法及び装置と同様に、薄板の高速溶接をする
ことができる他に、第2パルス電流群も1パルス1溶滴
移行又は1パルス複数溶滴移行を形成する範囲で制御さ
れたパルス電流値又はパルス幅又はパルス周波数又はベ
−ス電流値又はこれらの2以上を大きくして、周期的に
ア−ク長を大きくすることによってア−ク長を周期的に
変化させることができるので、突合せ溶接における突合
せ面に隙間がある場合の溶け落ちの防止、重ね隅肉溶接
における重ね部分に隙間がある場合又は熱変形により隙
間が発生したときの上側の板の溶け落ちの防止、立向溶
接における垂れ落ちの防止、「うろこ状ビ−ド」の美観
性の向上、オッシレ−ト溶接における各オシレ−ト位置
に対応させた溶け込み形状の確保等、種々の用途におい
てそれぞれ異なる効果を有する。
【0503】また、本発明の溶接方法及び溶接装置では
、前述したように、第1パルス電流群を複数パルス1溶
滴移行又は1パルス1溶滴移行方式にしてア−ク長を微
小短絡が発生する2乃至3mmまで極めて短く設定する
ことができ、しかも短絡を生じにくくスパッタの発生も
極めて少なく、さらに第2パルス電流群においても1パ
ルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行方式を形成し
、上記の第1パルス電流群のア−ク長を極めて短くする
ことができるために、第2パルス電流群のア−ク長を4
乃至5[mm]程度まで短くすることができる。したが
って、本発明の溶接装置においては、従来の溶接方法及
び装置の高電流期間におけるア−ク長のような過大なア
−ク長になり、ア−クが過大に広がることがないので、
ガスシ−ルド不良になることがなく、特に、アルミニウ
ムの溶接におけるクリ−ニングにすぐれ、消耗電極とア
ルミニウム材の被溶接物上の陰極点との間の実際のア−
ク長が伸びてア−クの不安定を生じさせることがない等
多くの効果を有している。
【0504】また、ステンレス鋼等の熱伝導率の低い被
溶接物のMIGア−ク溶接においては、ア−ク長を周期
的に変化させることにより、溶込み形状の異なる溶融池
を一体に融合させて、溶込み形状を制御して、突合せ溶
接の突合せ面又は重ね隅肉溶接の重ね面の隙間の許容限
界を拡大させたり、溶接進行方向の溶込み深さを一定値
に維持したり、溶接ビ−ド断面形状を制御することがで
きる。
【0505】さらに本発明のMAGア−ク溶接方法のう
ち、アルミニウム、銅等の熱伝導率の高い被溶接物のM
IGア−ク溶接においては、ワイヤ送給速度を周期的に
切換えて溶接電流の変化による溶着金属量を周期的に変
化させて余盛り高さの増減をともなった各うろこごとに
丸味をおびた「うろこ状ビ−ド」を得ることができる。 また、ステンレス鋼等の熱伝導率の低い被溶接物のMA
Gア−ク溶接方法においては、ア−ク長の周期的切換え
による効果に加えて、ワイヤ送給速度を周期的に切換え
て溶接電流を周期的に変化させてワイヤ溶融量の変化に
よる余盛りの溶着金属量をも制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のTIGフィラア−ク溶接方法に
より溶接した波目のはっきりした「うろこ状ビ−ド」の
外観を示す図である。
【図2】図2は、従来技術1(特公昭46−650)の
MIG溶接方法に使用する溶接電源の出力切換のブロッ
ク図である。
【図3】図3は、従来技術1のMIG溶接方法に使用す
る溶接電源の出力電流と出力電圧との外部出力特性及び
ア−ク特性を示す図である。
【図4】図4(A)乃至(C)は、それぞれ、従来技術
2(特公昭49−48057)のMAG溶接方法に使用
する出力電流と出力電圧との外部特性とア−ク特性とを
示す図である。
【図5】図5(A)及び(B)は、それぞれ、従来技術
3(特開昭62−279087)のMIG溶接方法でワ
イヤ送給速度の切り換えにより、ベ−ス電流を大幅に切
り換えて、溶接電流の平均値を高電流と低電流とに変化
させる溶接電流の波形図及びベ−ス電源の出力電圧を切
り換えることにより、ベ−ス電圧を大幅に切り換えた溶
接電圧の波形図である。
【図6】図6は、従来のMIGア−ク溶接方法により溶
接した波目のはっきりしない効果の少ない「うろこ状ビ
−ド」の外観を示す図である。
【図7】図7は、本発明の溶接方法においてア−ク長を
変化させたときのア−クの広がりの変化を示す説明であ
る。
【図8】図8は、定電流特性の溶接電源の出力電流(横
軸)と出力電圧(縦軸)との外部特性CC1及びCC2
とア−ク特性L1 及びL2 との関係を示す図である
【図9】図9(A)は、直流電流CC1の第1溶接電流
とパルス電流PC2の第2溶接電流との繰り返しの電流
を示す図であり、図9(B)は、直流電流CC1の第1
溶接電流及びパルス電流PC2の第2溶接電流との外部
特性曲線及びア−ク特性曲線L1 及びL2 とを示す
図である。
【図10】図10(A)は、パルス電流PC1の第1溶
接電流とパルスなしの定電流CC2の第2溶接電流との
繰り返しの電流を示す図であり、図10(B)は、パル
ス電流PC1の第1溶接電流とパルスなし定電流CC2
の第2溶接電流との外部特性曲線及びア−ク特性曲線L
1 及びL2 とを示す図である。
【図11】図11(A)は、第1パルス電流群PC1と
第2パルス電流群PC2との繰り返しの溶接電流の時間
的経過を示す図であり、図11(B)は第1パルス通電
期間T1 と第2パルス電流通電期間T2 とを周期的
に切り換える切換信号の時間的経過を示す図である。
【図12】図12は、第1及び第2パルス電流群の外部
特性曲線PC1及びPC2とア−ク特性L1 及びL2
 とを示す図である。
【図13】図13は、パルスMAGア−ク溶接をしたと
きのパルス通電時間及びパルス電流値に対する各溶滴移
行の形態を示す図である。
【図14】図14(A)は、第1ア−ク長を微小短絡が
生じる最も短い2[mm]から第2ア−ク長を最も長い
12[mm]又は15[mm]まで、図14(B)に示
すア−ク長Lを変化させたときの溶接電流の平均値Ia
(横軸)とア−ク電圧の平均値Va(縦軸)との関係を
示す図である。
【図15】図15は、アルミニウムの溶接において、ワ
イヤ送給速度の設定値を一定にしておいて、ア−ク電圧
の変化値△Vaに対するア−ク長の変化値Leを示す図
である。
【図16】図16は、アルミニウムの溶接において、ワ
イヤ送給速度を切り換えて、溶接電流値及びア−ク電圧
値を変化させたときのア−ク長の変化値Leを示す図で
ある。
【図17】図17は、ステンレス鋼の溶接方法において
、ワイヤ送給速度の設定値を一定にしておいて、ア−ク
電圧の変化値△Vaに対するア−ク長の変化値Leを示
す図である。
【図18】図18は、ステンレス鋼の溶接方法において
、ワイヤ送給速度を切り換えて、溶接電流値及びア−ク
電圧値を変化させたときのア−ク長の変化値Leを示す
図である。
【図19】図19は、請求項7の溶接方法を実施する溶
接装置のブロック図である。
【図20】図20(A)は、本発明の溶接方法で溶接し
た場合の溶接ビ−ドの外観を示す図、同図(B)は溶接
進行方向の溶け込み深さを示す図、同図(C)は従来の
方法で溶接したときの溶け込み深さを示す図である。
【図21】図21は、請求項8及び請求項9の溶接方法
を実施する溶接電流波形図である。
【図22】図22(A)及び(B)は、それぞれ本発明
の溶接方法の第1パルス電流群を1パルス1溶滴移行さ
せるときのワイヤ先端から溶滴が離脱する現象の時間的
経過を示す図及びパルス電流群のパルス電流の通電の時
間的経過を示す図である。
【図23】図23(A)及び(B)は、それぞれ本発明
の溶接方法の第1パルス電流群を複数パルス1溶滴移行
させるときのワイヤ先端から溶滴が離脱する現象の時間
的経過を示す図及びパルス電流群のパルス電流の通電の
時間的経過を示す図である。
【図24】図24は、請求項8乃至12の微小短絡移行
範囲を示す図で、直径1.2[mm]のアルミニウムワ
イヤを使用して第1パルス電流群と第2溶接電流とを周
期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電流値IPと
の関係に対する溶滴移行形態を示す説明図である。
【図25】図25は、請求項8乃至12の微小短絡移行
範囲を示す図で、直径1.6[mm]のアルミニウムワ
イヤを使用して第1パルス電流群と第2溶接電流とを周
期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電流値IPと
の関係に対する溶滴移行形態を示す説明図である。
【図26】図26は、実線CCに示す複数パルス1溶滴
移行の溶接方法と点線に示す 1P1D溶接方法とにつ
いて、溶接電流の平均値Iaとア−ク長の変化値Leの
最大値との関係を示す図である。
【図27】図27は、請求項8のパルスMAGア−ク溶
接方法を実施する溶接装置の実施例のブロック図である
【図28】図28は、直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤ
を使用して第1パルス電流群と第2溶接電流とを周期的
に切り換えてMAG溶接をしたとき、パルス幅TPとパ
ルス電流値IPとの関係に対する溶滴移行形態を示す説
明図である。
【図29】図29は、直径1.2[mm]のステンレス
鋼ワイヤを使用して第1パルス電流群と第2溶接電流と
を周期的に切り換えてMIG溶接をしたとき、パルス幅
TPとパルス電流値IPとの関係に対する溶滴移行形態
を示す説明図である。
【図30】図30(A)及び(B)は、それぞれ本発明
の溶接方法の第1パルス電流群を1パルス複数溶滴移行
させるときのワイヤ先端から溶滴が離脱する現象の時間
的経過を示す図及びパルス電流群のパルス電流の通電の
時間的経過を示す図である。
【図31】図31は、直径1.2[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して第1パルス電流群の複数パルス1溶
滴移行範囲と第2パルス電流群の1パルス1溶滴移行範
囲とを周期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電流
値IPとの関係を示す説明図である。
【図32】図32は、直径1.6[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して第1パルス電流群の複数パルス1溶
滴移行範囲と第2パルス電流群の1パルス1溶滴移行範
囲とを周期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電流
値IPとの関係を示す説明図である。
【図33】図33は、直径1.2[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して第1パルス電流群の複数パルス1溶
滴移行範囲と第2パルス電流群の1パルス複数溶滴移行
範囲とを周期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電
流値IPとの関係を示す説明図である。
【図34】図34は、直径1.6[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して第1パルス電流群の複数パルス1溶
滴移行範囲と第2パルス電流群の1パルス複数溶滴移行
範囲とを周期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電
流値IPとの関係を示す説明図である。
【図35】図35は、直径1.2[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して、実線Cに示す複数パルス1溶滴移
行範囲と1パルス複数溶滴移行範囲とを切り換える溶接
方法と点線Zに示す1パルス1溶滴移行範囲内の溶接方
法とについて、溶接電流の平均値Iaとア−ク長の変化
値Leの最大値との関係を示す図である。
【図36】図36は、直径1.2[mm]のステンレス
鋼ワイヤを使用して、実線Dに示す複数パルス1溶滴移
行範囲と1パルス複数溶滴移行範囲とを切り換える溶接
方法と点線Zに示す1パルス1溶滴移行範囲内の溶接方
法とについて、溶接電流の平均値Iaとア−ク長の変化
値Leの最大値との関係を示す図である。
【図37】図37は、直径1.2[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して第1パルス電流群の1パルス1溶滴
移行範囲と第2パルス電流群の1パルス複数溶滴移行と
を周期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電流値I
Pとの関係を示す説明図である。
【図38】図38は、直径1.6[mm]のアルミニウ
ムワイヤを使用して第1パルス電流群の1パルス1溶滴
移行範囲と第2パルス電流群の1パルス複数溶滴移行と
を周期的に切り換えて、パルス幅TPとパルス電流値I
Pとの関係を示す説明図である。
【図39】図39は、ワイヤ送給速度を一定にしてパル
ス条件を切り換えてア−ク長をLtとLrとを変化させ
たときの溶接電流値Iとア−ク電圧値Vとの関係につい
て測定した結果を示す図である。
【図40】図40は、実線Bに示す1パルス1溶滴移行
範囲と1パルス複数溶滴移行範囲とを切り換える溶接方
法と点線Zに示す1パルス1溶滴移行範囲内の溶接方法
とについて、溶接電流の平均値Iaとア−ク長の変化値
Leの最大値との関係を示す図である。
【図41】図41は、予め設定したワイヤ送給速度で、
MAGア−ク溶接をしたときの溶接電流値とア−ク電圧
値との関係を示し、請求項17及び18及び21及び2
2の溶接方法を説明する図である。
【図42】図42は、消耗電極を予め設定したワイヤ送
給速度で送給してMAGア−ク溶接するときの各ワイヤ
送給速度設定値Wnに対応した各第1ア−ク電圧設定値
Unを予め定めたデ−タテ−ブル及び各第1ア−ク電圧
設定値Unに対応した各第2ア−ク電圧設定値Vnを予
め定めたデ−タテ−ブルである。
【図43】図43は、消耗電極を予め設定した第1及び
第2のワイヤ送給速度を周期的に切り換えて送給してM
AGア−ク溶接するときの第1ワイヤ送給速度設定値W
nに対応した各第1ア−ク電圧設定値Unを予め定めた
デ−タテ−ブル及び各第1ア−ク電圧設定値Unに対応
した各第2ア−ク電圧設定値Vnを、各第2ワイヤ送給
速度設定値Xn毎に予め定めたデ−タテ−ブルを示す。
【図44】図44は、第1ア−ク長Ltと第2ア−ク長
Lrとのア−ク長の変化値Leを縦軸とし、切換周波数
Fを横軸として、アルミニウムALのMIG溶接をして
、溶融池の振動を生じさせるために必要な切換周波数F
とア−ク長の変化値Leとの関係を求めた図である。
【図45】図45は、アルミニウムのMIGア−ク溶接
方法において、溶接電流の平均値Ia(横軸)とア−ク
電圧の平均値Va(縦軸)とを変化させたときの溶接ビ
−ドの断面形状及びア−ク長を示す図である。
【図46】図46は、アルミニウムのパルスMIGア−
ク溶接方法において、溶接電流の平均値Ia(横軸)と
ア−ク長の変化値Le(縦軸)とを変化させたときの「
うろこ状ビ−ド」の形成有無を示す図である。
【図47】図47は、本発明のア−ク長を変化させるM
IGア−ク溶接方法により溶接した「うろこ状ビ−ド」
の外観及びピッチPtを示す図である。
【図48】図48は、銅のパルスMIGア−ク溶接方法
において、溶接電流の平均値Ia(横軸)とア−ク電圧
の平均値Va(縦軸)とを変化させたときの溶接ビ−ド
の断面形状及びア−ク長を示す図である。
【図49】図49は、ステンレス鋼のパルスMIGア−
ク溶接方法において、溶接電流の平均値Ia(横軸)と
ア−ク電圧の平均値Va(縦軸)とを変化させたときの
溶接ビ−ドの断面形状及びア−ク長を示す図である。
【図50】図50は、突合せ継手に、請求項25及び請
求項25と6との溶接方法を適用したときの実施例を示
すとともに、従来技術の発明との効果の対比を示す図で
ある。
【図51】図51は、図50の突合せ溶接に使用したパ
ルス電流の時間的経過を示す図である。
【図52】図52は、重ね隅肉継手に、請求項26及び
請求項26と6との溶接方法を適用したときの実施例を
示すとともに、従来技術の発明との効果の対比を示す図
である。
【図53】図53は、図52の重ね隅肉溶接に使用した
継手の隙間を示す図である。
【図54】図54(A)乃至(C)は、請求項25の突
合せ溶接方法において、突合せ面の隙間が大きくなった
ときの現象を説明する図であり、同図(D)及び(E)
は、同図(A)及び(B)に対応したパルス電流の周期
の時間的経過を示す図である。
【図55】図55(A)乃至(D)は、請求項25の突
合せ溶接方法において、突合せ面の隙間が小さくなった
ときの現象を説明する図である。
【図56】図56(A)乃至(C)は、請求項26の重
ね隅肉溶接方法において、重ね合せ面の隙間が大きくな
ったときの現象を説明する図であり、同図(D)及び(
E)は、同図(A)及び(B)に対応したパルス電流の
周期の時間的経過を示す図である。
【図57】図57(A)乃至(D)は、請求項26の重
ね隅肉溶接方法において、重ね合せ面の隙間が小さくな
ったときの現象を説明する図である。
【図58】図58(A)は、請求項5及び6の溶接方法
により、突合せ面の隙間が大きくなったときのア−ク長
の補正の効果を説明する図であり、図58(B)は、同
様に隙間が小さくなったときのア−ク長の補正の効果を
示す図である。
【図59】図59(A)は、請求項5及び6の溶接方法
により、重ね合せ面の隙間が大きくなったときのア−ク
長の補正の効果を説明する図であり、図59(B)は、
同様に隙間が小さくなったときのア−ク長の補正の効果
を示す図である。
【図60】図60は、同様に図50に示す溶接方法にお
いて、ワイヤ送給速度を一定にして溶接したときの実線
の曲線上のa点乃至d点における溶接ビ−ドの断面形状
と、ワイヤ送給速度を切り換えて溶接したときの実線の
曲線上のa点乃至d点における溶接ビ−ドの断面形状と
を示す図である。
【図61】図61は、図52に示す溶接方法において、
ワイヤ送給速度を一定にして溶接したときの実線の曲線
上のa点乃至d点における溶接ビ−ドの断面形状と、ワ
イヤ送給速度を切り換えて溶接したときの実線の曲線上
のa点乃至d点における溶接ビ−ドの断面形状とを示す
図である。
【図62】図62は、請求項27の溶接方法において、
切換周波数Fと割れ率との関係を示す図である。
【図63】図63は、請求項27の溶接方法において、
切換周波数Fと平均結晶粒径SDとの関係を示す図であ
る。
【図64】図64は、従来のパルスMIGア−ク溶接方
法と請求項27の結晶粒微細化溶接方法との割れに対す
る効果を示した図である。
【図65】図65は、請求項27の溶接方法において、
ア−ク長の変化値Leと溶融池の振動の振幅PWとの関
係を示す図である。
【図66】図66は、請求項27の溶接方法において、
ア−ク長の変化値Leと平均結晶粒径SDとの関係を示
す図である。
【図67】図67は、請求項27の溶接方法において、
切換周波数Fとア−ク長の変化値Leとの関係を示す図
である。
【図68】図68(A)は、請求項28の溶接方法で溶
接した溶接ビ−ドの外観を示す図であり、同図(B)は
、溶接中の溶融池の溶け込み方向の振動の振幅PWの時
間的経過を示す図であり、同図(C)は、溶融池の溶接
金属の対流を示す図である。
【図69】図69(A)及び(B)はそれぞれ、従来の
MIG溶接及び請求項28の溶接方法による溶接後の放
射線透過試験をしたときの状態を示す図である。
【図70】図70(A)及び(B)はそれぞれ、従来の
MIG溶接及び請求項28の溶接方法による溶接後の超
音波深傷試験をしたときのエコ−の波形を示す図である
【図71】図71は、請求項28の溶接方法において、
平均結晶粒径SDとエコ−高さとの関係を示す図である
【図72】図72は、請求項28の溶接方法において、
切換周波数Fと平均結晶粒径SDとの関係を示す図であ
る。
【図73】図73は、請求項28の溶接方法において、
ア−ク長の変化値Leと溶融池の振動の振幅PWとの関
係を示す図である。
【図74】図74は、請求項28の溶接方法において、
ア−ク長の変化値Leと平均結晶粒径SDとの関係を示
す図である。
【図75】図75は、請求項28の溶接方法において、
切換周波数Fとア−ク長の変化値Leとの関係を示す図
である。
【図76】図76は、請求項28のパルスなしMIGア
−ク溶接方法において、ア−ク電圧の変化値ΔVaとア
−ク長の変化値Leとの関係を示す図である。
【図77】図77は、請求項28のパルスなしMIGア
−ク溶接方法において、切換周波数Fと平均結晶粒径S
Dとの関係を示す図である。
【図78】図78は、請求項29の溶接方法において、
溶融池振幅PWと溶接長50mmあたりのブロ−ホ−ル
数BNとの関係を示す図である。
【図79】図79は、請求項29の溶接方法において、
切換周波数Fと溶融池振幅PWとの関係を示す図である
【図80】図80は、請求項29の溶接方法において、
切換周波数Fと溶接長50mmあたりのブロ−ホ−ル数
BNとの関係を示す図である。
【図81】図81は、請求項29の溶接方法において、
ア−ク長の変化値Leと溶接長10[cm]あたりのブ
ロ−ホ−ル数BNとの関係を示す図である。
【図82】図82は、請求項29の溶接方法において、
溶融池振動振幅PWを0.5[mm]以上発生させるた
めのア−ク長の変化値Leと切換周波数Fとの関係を示
す図である。
【図83】図83は、請求項31(パルス周波数制御)
の第1の実施例のブロック図である。
【図84】図84は、請求項31(パルス周波数制御)
の第2の実施例のブロック図である。
【図85】図85は、請求項31(パルス周波数制御)
の第3の実施例のブロック図である。
【図86】図86は、請求項31(パルス周波数制御)
の第4の実施例のブロック図である。
【図87】図87は、請求項31(パルス周波数制御)
の第5の実施例のブロック図である。
【図88】図88は、請求項32(パルス周波数制御)
の実施例のブロック図である。
【図89】図89は、請求項33(パルス周波数制御)
の実施例のブロック図である。
【図90】図90は、図83乃至図89の実施例のブロ
ック図の構成のうち、パルス周波数制御信号を発生する
回路の実施例のブロック図である。
【図91】図91は、図90のブロック図の出力信号の
時間的経過を示す図である。
【図92】図92は、図83のブロック図に示す溶接装
置の出力電流の波形図である。
【図93】図93は、図84のブロック図に示す溶接装
置の出力電流の波形図である。
【図94】図94は、図85のブロック図に示す溶接装
置の出力電流の波形図である。
【図95】図95は、図86のブロック図に示す溶接装
置の出力電流の波形図である。
【図96】図96は、図87及び図89のブロック図に
示す溶接装置の出力電流の波形図である。
【図97】図97は、図88のブロック図に示す溶接装
置の出力電流の波形図である。
【図98】図98は、請求項34(パルス幅制御)の実
施例のブロック図である。
【図99】図99は、請求項35(パルス幅制御)の実
施例のブロック図である。
【図100】図100は、請求項36(パルス幅制御)
の実施例のブロック図である。
【図101】図101は、図98乃至図100の実施例
のブロック図の構成のうちパルス幅制御信号の時間的経
過を示す図である。
【図102】図102は、図98及び図100のブロッ
ク図に示す溶接装置の出力電流の波形図である。
【図103】図103は、図99のブロック図に示す溶
接装置の出力電流の波形図である。
【図104】図104は、請求項37(ベ−ス電流制御
)の実施例のブロック図である。
【図105】図105は、請求項38(ベ−ス電流制御
)の実施例のブロック図である。
【図106】図106は、請求項39(ベ−ス電流制御
)の実施例のブロック図である。
【図107】図107は、図104及び図106の実施
例のブロック図に示す溶接装置の出力電流の波形図であ
る。
【図108】図108は、図105のブロック図に示す
溶接装置の出力電流の波形図である。
【図109】図109は、請求項40(パルス電流値制
御)の実施例のブロック図である。
【図110】図110は、請求項41(パルス電流値制
御)の実施例のブロック図である。
【図111】図111は、請求項42(パルス電流値制
御)の実施例のブロック図である。
【図112】図112は、図109及び図111のブロ
ック図に示す溶接装置の出力電流の波形図である。
【図113】図113は、図110のブロック図に示す
溶接装置の出力電流の波形図である。
【図114】図114は、請求項6の溶接方法を実施す
る溶接装置のブロック図である。
【図115】図115は、図114の溶接装置のブロッ
ク図の構成の一部分の実施例を示す図である。
【図116】図116(A)乃至(E)は、図115の
実施例において、各信号の時間的経過に対する波形の変
化を示す図である。
【図117】図117は、請求項6の溶接方法を実施す
る溶接装置の他のブロック図である。
【図118】図118は、請求項17の溶接方法を実施
する溶接装置のブロック図である。
【図119】図119は、請求項18の溶接方法を実施
する溶接装置のブロック図である。
【図120】図120は、請求項19の溶接方法を実施
する溶接装置のブロック図である。
【図121】図121は、請求項20の溶接方法を実施
する溶接装置のブロック図である。
【図122】図122(A)は、図118のブロック図
の第1及び第2ア−ク電圧自動設定回路VA1及びVA
2の機能を説明する図であり、同図(B)はそのフロ−
チャ−トを示す。
【図123】図123(A)は、図119のブロック図
の第2ア−ク電圧自動設定回路VA2の機能を説明する
図であり、同図(B)はそのフロ−チャ−トを示す。
【図124】図124(A)は、図120のブロック図
の第1及び第2ア−ク電圧自動設定回路VA1及びVA
2の機能を説明する図であり、同図(B)はそのフロ−
チャ−トを示す。
【図125】図125(A)は、図121のブロック図
の第2ア−ク電圧自動設定回路VA2の機能を説明する
図であり、同図(B)はそのフロ−チャ−トを示す。
【符号の説明】
1…消耗電極(ワイヤ)、 1a,1b…ワイヤ先端、 2…被溶接物、 3…ア−ク、 4…給電チップ、 4a…給電チップ先端、 L11,L21…実際のア−ク長、 Ln,Lm…ワイヤ突き出し長、 Lt,Lr…(見かけの)第1及び第2ア−ク長、Le
…ワイヤ突き出し長の変化値、(見かけの)ア−ク長の
変化値、 L1 ,L2 …ア−ク長L1 及びL2 のア−ク特
性、1PnD…1パルス複数溶滴移行範囲、1P1D…
1パルス1溶滴移行範囲、 nP1D…複数パルス1溶滴移行範囲、P1 ,P1 
,…P1 …第1パルス電流群、P2 ,P2 ,…P
2 …第2パルス電流群、IP…パルス電流(値)、 IP1 …第1パルス電流値、 IP2 …第2パルス電流値、 IP3 …パルス電流値、 IP31,IP32…第1及び第2パルス電流値、TP
…パルス幅(パルス通電時間)、 TP1 …第1パルス幅、 TP2 …第2パルス幅、 TP3 …パルス幅、 TP31,TP32…第1及び第2パルス幅、f…パル
ス周波数、 f1 ,f2 …第1及び第2パルス周波数、f3 …
パルス周波数、 f31,f32…第1及び第2パルス周波数、IB…ベ
−ス電流(値)、 IB1 …第1ベ−ス電流、 IB2 …第2ベ−ス電流、 IB3 …ベ−ス電流値、 IB31,IB32…第1及び第2ベ−ス電流値、F…
切換周波数、 WS…溶接速度、 WF,WF1 ,WF2 ,WF3 …ワイヤ送給速度
、Wf…ワイヤ送給速度設定値、 D1 …(第1)パルス周期、 D2 …第2パルス周期、 I1 …第1溶接電流値、 I2 …第2溶接電流値、 T1 …第1溶接電流通電時間(第1パルス通電期間)
、T2 …第2溶接電流通電時間(第2パルス通電期間
)、Ds…通電比率、 M1 …第1パルス通電期間の溶接電流平均値、M2 
…第2パルス通電期間の溶接電流平均値、I…溶接電流
(値)、 Ia…溶接電流の平均値、 ΔIa…溶接電流の変化値、 V…ア−ク電圧(値)、 Va…ア−ク電圧の平均値、 Va1 …第1ア−ク電圧値、 Va2 …第2ア−ク電圧値、 ΔVa…ア−ク電圧の変化値、 WM…ワイヤ送給モ−タ、 WC…ワイヤ送給速度制御回路、 WD…ワイヤ送給速度検出回路、 IM…平均電流設定回路(ワイヤ送給速度設定回路)、
IM1…第1溶接電流設定回路(第1ワイヤ送給速度設
定回路)、 IM2…第2溶接電流設定回路(第2ワイヤ送給速度設
定回路)、 VS1…(第1)ア−ク電圧設定回路、VS2…第2ア
−ク電圧設定回路、 VA1…第1ア−ク電圧自動設定回路、VA2…第2ア
−ク電圧自動設定回路、VD…ア−ク電圧検出回路、 ID…溶接電流検出回路、 CM1…ワイヤ送給速度比較回路(第1比較回路)、C
M2…(第2)比較回路、 CM6…溶接電流比較回路、 IP1…(第1)パルス電流値設定回路、IP2…第2
パルス電流値設定回路、 TP1…(第1)パルス幅設定回路、 TP2…第2パルス幅設定回路、 FP1…(第1)パルス周波数設定回路、FP2…第2
パルス周波数設定回路、 IB1…(第1)ベ−ス電流設定回路、IB2…第2ベ
−ス電流設定回路、 IB3…ベ−ス電流制御回路、 IP3…パルス電流値制御回路、 SW1…パルス電流値切換回路、 SW2…パルス幅切換回路、 SW3…ベ−ス電流切換回路、 SW4…パルス周波数切換回路、 SW5…パルスベ−ス電流切換回路、 SW6…ア−ク電圧切換回路、 SW7…ワイヤ送給速度切換回路(溶接電流切換回路)
、 SW8…定電流切換回路、 SW9…短絡時電流切換回路、 SW10…パルス定電流切換回路、 PS…溶接電源制御回路、 VF…パルス周波数信号発生回路、 VF3…パルス周波数制御信号発生回路、DF…パルス
幅周波数信号発生回路、 DF3…パルス幅周波数制御信号発生回路、HL…切換
信号発生回路、 DT…通電比率設定回路、 FT…通電周波数設定回路、 IS1…第1定電流設定回路、 IS2…第2定電流設定回路、 IT…短絡時電流設定回路、 SD…短絡判別回路、 WS…溶接速度設定回路、 Wn…ワイヤ送給速度設定値(第1ワイヤ送給速度設定
値)、 Xn…第2ワイヤ送給速度設定値、 Wc…ワイヤ送給速度制御信号、 Wd…送給速度検出信号、 Im…平均電流設定信号(ワイヤ送給速度設定信号)、
Im1 …第1溶接電流設定信号(第1ワイヤ送給速度
設定信号)、 Im2 …第2溶接電流設定信号(第2ワイヤ送給速度
設定信号)、 Vs1 …(第1)ア−ク電圧設定信号、Vs2 …第
2ア−ク電圧設定信号、 Vd…ア−ク電圧検出信号、 Id…溶接電流検出信号、 Cm1 …ワイヤ送給速度制御信号、 Cm2 …ア−ク電圧制御信号、 Cm6 …溶接電流制御信号、 Vf…パルス周波数信号、 Vf1 ,Vf2 …第1及び第2パルス周波数信号、
Vf3 …パルス周波数制御信号、 Vf31,Vf32…第1及び第2パルス周波数制御信
号、Hl…切換信号、 Ip…パルス電流値設定信号、 Ip1 ,Ip2 …第1及び第2パルス電流値設定信
号、Ip3 …パルス電流値制御信号、 Ip31,Ip32…第1及び第2パルス電流値制御信
号、Tp…パルス幅設定信号、 Tp1 ,Tp2 …第1及び第2パルス幅設定信号、
Tp3 …パルス幅制御信号、 Tp31,Tp32…第1及び第2パルス幅制御信号、
Fp…パルス周波数設定信号、 Fp1 ,Fp2 …第1及び第2パルス周波数設定信
号、Ib…ベ−ス電流設定信号、 Ib1 ,Ib2 …第1及び第2ベ−ス電流設定信号
、Ib3 …ベース電流制御信号、 Ib31,Ib32…第1及び第2ベース電流制御信号
、S1 …切換パルス電流値信号、 S2 …切換パルス幅信号、 S3 …切換ベ−ス電流信号、 S4 …切換パルス周波数信号、 S5 …切換パルスベ−ス電流信号、 S6 …切換ア−ク電圧信号、 S7 …切換ワイヤ送給速度信号、 S8 …切換定電流信号、 S9 …短絡切換信号、 S10…パルス定電流切換信号、 Df…パルス幅周波数信号、 Df1 ,Df2 …第1及び第2パルス幅周波数信号
、Df3 …パルス幅周波数制御信号、 Df31,Df32…第1及び第2パルス幅周波数制御
信号、 Dt…通電比率信号、 Pf…パルス制御信号、 Pf1 ,Pf2 …第1及び第2パルス制御信号、I
t…短絡時電流設定信号、 Sd…短絡判別信号、

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  溶接電源の出力電流を、第1溶接電流
    値I1 と、前記第1溶接電流値I1 よりも大の第2
    溶接電流値I2 とに、切換周波数Fを0.5乃至25
    [Hz]で切り換えてワイヤ溶融速度を変化させて、ア
    −ク長を2[mm]以上の第1ア−ク長Ltと前記ア−
    ク長よりも大の第2ア−ク長Lrとに周期的に変化させ
    、さらに前記第2溶接電流値I2 と前記第1溶接電流
    値I1 との比を1.03乃至1.20にしたMAGア
    ーク溶接方法。
  2. 【請求項2】  第1溶接電流値I1 と第2溶接電流
    値I2 とを切換周波数Fで切り換え、第1ア−ク長L
    tのときの第1ア−ク電圧値Va1 と第2ア−ク長L
    rのときの第2ア−ク電圧値Va2 との差のア−ク電
    圧の変化値ΔVaが0.3乃至4.0[V]である請求
    項1のMAGア−ク溶接方法。
  3. 【請求項3】  ワイヤ送給速度を予め設定した一定速
    度で送給し、第2溶接電流値I2 と第1溶接電流値I
    1 との比が1.03乃至1.10である請求項2のM
    AGアーク溶接方法。
  4. 【請求項4】  切換周波数Fを、溶接速度WSの増加
    に対応させて増加させる請求項2のMAGアーク溶接方
    法。
  5. 【請求項5】  第1溶接電流通電時間T1 と第2溶
    接電流通電時間T2との通電比率Ds=T1 /(T1
     +T2 )を切り換える請求項2のMAGアーク溶接
    方法。
  6. 【請求項6】  通電比率Dsをア−ク電圧検出値Vd
    に対応させて増減させる請求項5のMAGアーク溶接方
    法。
  7. 【請求項7】  定電流特性の直流電流を出力する溶接
    出力制御回路から、第1ア−ク長で微小短絡を発生する
    スプレイ移行をする第1溶接電流を供給し、定電流特性
    の直流電流又はパルス電流群を出力する溶接出力制御回
    路から、第2ア−ク長で微小短絡を発生しないスプレイ
    移行をする第2溶接電流を供給する請求項1のMAGア
    −ク溶接方法。
  8. 【請求項8】  パルス電流群を出力する溶接出力制御
    回路から、第1ア−ク長で微小短絡を発生するスプレイ
    移行をする第1溶接電流を供給し、定電流特性の直流電
    流を出力する溶接出力制御回路から、第2ア−ク長で微
    小短絡を発生しないスプレイ移行をする第2溶接電流を
    供給する請求項1のMAGア−ク溶接方法。
  9. 【請求項9】  パルス電流群の各パルス電流値及びパ
    ルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値を、消耗電極
    から被溶接物に移行する溶滴が、複数のパルス電流のい
    ずれかに同期して移行する複数パルス1溶滴移行する範
    囲内又は各パルス電流に同期して移行する1パルス1溶
    滴移行する範囲内に設定した請求項8のMAGア−ク溶
    接方法。
  10. 【請求項10】  第1ア−ク長を得る第1溶接電流が
    第1パルス電流群であり、第2ア−ク長を得る第2溶接
    電流が第2パルス電流群である請求項1のMAGア−ク
    溶接方法。
  11. 【請求項11】  第1パルス電流群の各パルス電流値
    及びパルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値を、消
    耗電極から被溶接物に移行する溶滴移行が複数のパルス
    電流のいずれかに同期して微小短絡を発生して移行する
    複数パルス1溶滴移行を形成する値に設定しておき、第
    2パルス電流群の各パルス電流値及びパルス幅及びパル
    ス周波数及びベ−ス電流値の1つ以上を、各パルス電流
    に同期して1パルス1溶滴移行を形成する範囲内又は各
    パルス電流のうちの1以上のパルス電流に同期して1パ
    ルス複数溶滴移行を形成する範囲内で、前記第1パルス
    電流群と異なる値に設定した請求項10のMAGアーク
    溶接方法。
  12. 【請求項12】  第1パルス電流群の各パルス電流値
    及びパルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値を、消
    耗電極から被溶接物に移行する溶滴移行が各パルス電流
    に同期して微小短絡を発生して移行する1パルス1溶滴
    移行を形成する値に設定しておき、第2パルス電流群の
    各パルス電流値及びパルス幅及びパルス周波数及びベ−
    ス電流値の1つ以上を、各パルス電流に同期する1パル
    ス1溶滴移行を維持する範囲内又は各パルス電流のうち
    の1以上のパルス電流に同期して1パルス複数溶滴移行
    を形成する範囲内で、前記第1パルス電流群と異なる値
    に設定した請求項10のMAGアーク溶接方法。
  13. 【請求項13】  第1パルス電流群の各パルス電流値
    及びパルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値を、消
    耗電極から被溶接物に移行する溶滴移行が複数のパルス
    電流のいずれかに同期して複数パルス1溶滴移行を形成
    する値に設定しておき、第2パルス電流群の各パルス電
    流値及びパルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値の
    1つ以上を、各パルス電流に同期して1パルス1溶滴移
    行を形成する範囲内又は各パルス電流のうちの1以上の
    パルス電流に同期して1パルス複数溶滴移行を形成する
    範囲内で、前記第1パルス電流群と異なる値に設定した
    請求項10のMAGア−ク溶接方法。
  14. 【請求項14】  第1パルス電流群の各パルス電流値
    及びパルス幅及びパルス周波数及びベ−ス電流値を、消
    耗電極から被溶接物に移行する溶滴移行が各パルス電流
    に同期して1パルス1溶滴移行を形成する値に設定して
    おき、第2パルス電流群の各パルス電流値及びパルス幅
    及びパルス周波数及びベ−ス電流値の1つ以上を、各パ
    ルス電流に同期する1パルス1溶滴移行を維持する範囲
    内又は各パルス電流のうちの1以上のパルス電流に同期
    して1パルス複数溶滴移行を形成する範囲内で、前記第
    1パルス電流群と異なる値に設定した請求項10のMA
    Gア−ク溶接方法。
  15. 【請求項15】  パルス電流値及びパルス幅及びパル
    ス周波数及びベ−ス電流値の1以上を切換周波数Fで切
    り換えて、第1パルス電流群及び第2パルス電流群を通
    電して第1ア−ク長Ltと第2ア−ク長Lrとに変化さ
    せ、さらにア−ク電圧設定信号Vs1 とア−ク電圧検
    出信号Vdとを比較して差のア−ク電圧制御信号Cm2
     によってパルス周波数f3 又はパルス幅TP3 又
    はベ−ス電流値IB3 又はパルス電流値IP3 を増
    減させてワイヤ溶融速度を制御して第1及び第2ア−ク
    長を維持する請求項10のMAGア−ク溶接方法。
  16. 【請求項16】  第1ア−ク電圧設定信号Vs1 と
    第2ア−ク電圧設定信号Vs2 とを切換周波数Fで切
    り換えて、ア−ク電圧検出信号Vdと比較し、前記第1
    ア−ク電圧設定信号Vs1 と前記ア−ク電圧検出信号
    Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 によって、パ
    ルス周波数f31又はパルス幅TP31又はベ−ス電流
    値IB31又はパルス電流値IP31を制御して第1パ
    ルス電流群を通電し、前記第2ア−ク電圧値設定信号V
    s2 と前記ア−ク電圧検出信号Vdとの差のア−ク電
    圧制御信号Cm2 によって、パルス周波数f32又は
    パルス幅TP32又はベ−ス電流値IB32又はパルス
    電流値IP32を制御して第2パルス電流群を通電する
    請求項10のMAGア−ク溶接方法。
  17. 【請求項17】  各第1ア−ク電圧設定値Vs1 に
    対応した第2ア−ク電圧設定値Vs2 を記憶させてお
    き、予め設定した第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応
    した第2ア−ク電圧設定値Vs2 を読み出して、第1
    パルス電流群及び第2パルス電流群を通電する請求項1
    6のMAGア−ク溶接方法。
  18. 【請求項18】  各ワイヤ送給速度設定値Wfに対応
    した各第1ア−ク電圧設定値Vs1 を予め記憶させ、
    前記第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応した第2ア−
    ク電圧設定値Vs2 を記憶させておき、予め設定した
    ワイヤ送給速度設定値Wfに対応した前記第1ア−ク電
    圧設定値Vs1 と前記第1ア−ク電圧設定値Vs1 
    に対応した前記第2ア−ク電圧設定値Vs2とを読み出
    して、第1パルス電流群及び第2パルス電流群を通電す
    る請求項16のMAGア−ク溶接方法。
  19. 【請求項19】  ワイヤ送給速度WFを切換周波数F
    =0.5乃至5[Hz]で第1ワイヤ送給速度と第2ワ
    イヤ送給速度とに切り換え、第2溶接電流値I2 と第
    1溶接電流値I1 との比が1.05乃至1.20であ
    る請求項2のMAGア−ク溶接方法。
  20. 【請求項20】  第1ワイヤ送給速度設定信号Im1
     と第2ワイヤ送給速度設定信号Im2 及び第1ア−
    ク電圧設定信号Vs1 と第2ア−ク電圧設定信号Vs
    2 とを切換周波数Fで切り換えて、ア−ク電圧検出信
    号Vdと比較し、前記第1ア−ク電圧設定信号Vs1 
    と前記ア−ク電圧検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御
    信号Cm2 によって、パルス周波数f31又はパルス
    幅TP31又はベ−ス電流値IB31又はパルス電流値
    IP31を制御して第1パルス電流群を通電し、前記第
    2ア−ク電圧値設定信号Vs2 と前記ア−ク電圧検出
    信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 によって
    、パルス周波数f32又はパルス幅TP32又はベ−ス
    電流値IB32又はパルス電流値IP32を制御して第
    2パルス電流群を通電する請求項19のMAGア−ク溶
    接方法。
  21. 【請求項21】  各第1ア−ク電圧設定値Vs1 に
    対応させて各第2ア−ク電圧設定値Vs2 を各第2ワ
    イヤ送給速度設定値Im2 毎に記憶させておき、予め
    設定した前記第1ア−ク電圧設定値Vs1 に対応した
    第2ア−ク電圧設定値Vs2 を読み出して、第1パル
    ス電流群と第2パルス電流群とを通電する請求項19の
    MAGア−ク溶接方法。
  22. 【請求項22】  各第1ワイヤ送給速度設定値Im1
     に対応した各第1ア−ク電圧設定値Vs1 を予め記
    憶させておき、次に、前記各第1ア−ク電圧設定値Vs
    1 に対応させて各第2ア−ク電圧設定値Vs2 を、
    各第2ワイヤ送給速度設定値Im2 毎に記憶させてお
    き、予め設定した前記第1ワイヤ送給速度設定値Im1
     に対応した第1ア−ク電圧設定値Vs1 と第2ワイ
    ヤ送給速度設定値Im2に対応した第2ア−ク電圧設定
    値Vs2 とを読み出して、第1パルス電流群と第2パ
    ルス電流群とを通電する請求項19のMAGア−ク溶接
    方法。
  23. 【請求項23】  第1ア−ク長Ltと第2ア−ク長L
    rとのア−ク長の変化値Le[mm]を縦軸とし、切換
    周波数F=0.5乃至25[Hz]を横軸とし、切換周
    波数Fが0.5[Hz]のときのア−ク長の変化値Le
    が2.5[mm]の第1位置と、切換周波数Fが12[
    Hz]のときのア−ク長の変化値Leが1.0[mm]
    の第2位置と、切換周波数Fが25[Hz]のときのア
    −ク長の変化値Leが0.5[mm]の第3位置とを結
    ぶ曲線よりも上方の範囲のア−ク長の変化値Le[mm
    ]と切換周波数F[Hz]とで溶接する請求項1のMA
    Gア−ク溶接方法。
  24. 【請求項24】  切換周波数Fを0.5乃至15[H
    z]とし、ア−ク長の変化値Leを3[mm]以上とし
    て、アルミニウム又は銅の溶接ビ−ドの表面に規則正し
    い繰り返し波形状を形成させる請求項23のMAGア−
    ク溶接方法。
  25. 【請求項25】  切換周波数Fを0.5乃至15[H
    z]とし、ア−ク長の変化値Leを3[mm]以上とし
    て、溶接速度30[cm/min]のときは隙間の最大
    値3.0[mm]まで、溶接速度100[cm/min
    ]のときは隙間の最大値1.5[mm]までの突合せ溶
    接をする請求項23のMAGア−ク溶接方法。
  26. 【請求項26】  切換周波数Fを0.5乃至15[H
    z]とし、ア−ク長の変化値Leを3[mm]以上とし
    て、溶接速度30[cm/min]のときは隙間の最大
    値3[mm]まで、溶接速度100[cm/min]の
    ときは隙間の最大値2[mm]までの重ね隅肉溶接をす
    る請求項23のMAGア−ク溶接方法。
  27. 【請求項27】  切換周波数Fを0.5乃至15[H
    z]とし、ア−ク長の変化値Leを1[mm]以上とし
    て、アルミニウムの溶融池を撹拌させて結晶粒を微細化
    して凝固割れ感受性を低下させる請求項23のMAGア
    −ク溶接方法。
  28. 【請求項28】  切換周波数Fを1.0乃至15[H
    z]とし、ア−ク長の変化値Leを1[mm]以上とし
    て、ステンレス鋼の溶融池を撹拌させて結晶粒を微細化
    して割れの発生を防止又は非破壊検査の精度を向上させ
    る請求項23のMAGアーク溶接方法。
  29. 【請求項29】  切換周波数Fを0.5乃至25[H
    z]とし、ア−ク長の変化値Leを1[mm]以上とし
    て、アルミニウムの溶融池を撹拌させてブロ−ホ−ルを
    防止する請求項23のMAGアーク溶接方法。
  30. 【請求項30】  第1アーク長Ltを得る第1パルス
    電流群と第2アーク長Lrを得る第2パルス電流群とを
    切換信号によって周期的に切り換えるパルスMAGアー
    ク溶接装置において、アーク電圧値を検出してアーク電
    圧検出信号Vdを出力するアーク電圧検出回路VDと、
    アーク電圧設定信号Vs1 又は第1ア−ク電圧設定信
    号Vs1 と第2アーク電圧設定信号Vs2 とを切り
    換えた切換ア−ク電圧信号S6 と前記アーク電圧検出
    信号Vdとを比較して差のアーク電圧制御信号Cm2 
    を出力する比較回路CM2とを備えたア−ク電圧制御回
    路と、前記アーク電圧制御信号Cm2 に対応したパル
    ス周波数f3 又はパルス幅TP3又はベース電流値I
    B3 又はパルス電流値TP3 を制御するパルスベー
    ス電流制御信号を出力するパルスベース電流制御回路と
    、第1パルス電流群のパルス電流値及びパルス幅及びパ
    ルス周波数及びベース電流値の4つの条件のうち前記パ
    ルスベース電流制御信号で制御する条件を除いた3つの
    条件を設定して第1パルスベース電流設定信号を出力す
    る第1パルスベース電流設定回路と、第2パルス電流群
    のパルス電流値及びパルス幅及びパルス周波数及びベー
    ス電流値の4つの条件のうち前記パルスベース電流制御
    信号で制御する条件を除いた3つの条件を設定して第2
    パルスベース電流設定信号を出力する第2パルスベース
    電流設定回路と、切換周波数F=0.5乃至25[Hz
    ]で切り換えて切換信号Hlを出力する切換回路HLと
    、前記第1ア−ク電圧設定信号Vs1 と前記第2アー
    ク電圧設定信号Vs2 とを前記切換信号Hlによって
    切り換えて切換ア−ク電圧信号S6 を出力するか又は
    前記第1パルスベース電流設定信号と前記第2パルスベ
    ース電流設定信号とを前記切換信号Hlによって切り換
    えて切換設定信号を出力するか又はその両方の信号を出
    力する1以上の切換設定回路と、前記パルスベース電流
    制御信号と前記切換設定信号とを入力して第1パルス制
    御信号Pf1 及び第2パルス制御信号Pf2 を出力
    するパルス制御信号発生回路と、前記第1パルス制御信
    号Pf1 が入力されたとき第1パルス電流群を出力し
    前記第2パルス制御信号Pf2 が入力されたとき前記
    第2パルス制御信号Pf2 を出力する溶接出力制御回
    路とを備えたパルスMAGア−ク溶接装置。
  31. 【請求項31】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、ア−ク電圧
    の平均値に相当するア−ク電圧設定信号Vs1 を出力
    するア−ク電圧設定回路VS1と、ア−ク電圧を検出し
    てア−ク電圧検出信号Vdを出力するア−ク電圧検出回
    路VDと、ア−ク電圧設定信号Vs1 と前記ア−ク電
    圧検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を
    出力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電す
    る第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第
    2パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する
    切換信号発生回路HLと、パルス電流値を設定してパル
    ス電流値設定信号Ip1 を出力するパルス電流値設定
    回路IP1と、パルス通電時間を設定してパルス幅設定
    信号Tp1 を出力するパルス幅設定回路TP1と、ベ
    −ス電流値を設定してベ−ス電流設定信号Ib1 を出
    力するベ−ス電流設定回路IB1と、第2パルス電流値
    を設定して第2パルス電流値設定信号Ip2 を出力す
    る第2パルス電流値設定回路IP2及び第2パルス通電
    時間を設定して第2パルス幅設定信号Tp2 を出力す
    る第2パルス幅設定回路TP2及び第2ベ−ス電流値を
    設定して第2ベ−ス電流設定信号Ib2 を出力する第
    2ベ−ス電流設定回路IB2の1つ以上と、前記第1パ
    ルス電流群の設定信号と前記第2パルス電流群の設定信
    号とを、前記切換信号Hlによって切換えて、切換設定
    信号を出力する切換設定回路と、前記ア−ク電圧制御信
    号Cm2 と前記パルス幅設定信号Tpとを入力として
    パルス幅とパルス周波数とに対応するパルス幅周波数制
    御信号Df3 を出力するパルス幅周波数制御信号発生
    回路DF3と、前記パルス電流値設定信号Ipと前記ベ
    −ス電流設定信号Ibとを、前記パルス幅周波数制御信
    号Df3 で切換えて第1及び第2パルス制御信号Pf
    1 及びPf2 (以下、パルス制御信号Pfという)
    を出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用電
    源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって、第
    1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出力し
    、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群を出
    力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスMAG
    ア−ク溶接装置。
  32. 【請求項32】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、パルス電流値を設定してパルス
    電流値設定信号Ip1 を出力するパルス電流値設定回
    路IP1と、パルス通電時間を設定してパルス幅設定信
    号Tp1 を出力するパルス幅設定回路TP1と、ベ−
    ス電流値を設定してベ−ス電流設定信号Ib1 を出力
    するベ−ス電流設定回路IB1と、前記ア−ク電圧制御
    信号Cm2 と前記パルス幅設定信号Tpとを入力とし
    てパルス幅とパルス周波数とに対応するパルス幅周波数
    制御信号Df3 を出力するパルス幅周波数制御信号発
    生回路DF3と、前記パルス電流値設定信号Ipと前記
    ベ−ス電流設定信号Ibとを、前記パルス幅周波数制御
    信号Df3 で切換えてパルス制御信号Pfを出力する
    パルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用電源を入力と
    して、前記パルス制御信号Pfによって、第1パルス通
    電期間においては第1パルス電流群を出力し、第2パル
    ス通電期間においては第2パルス電流群を出力する溶接
    電源制御回路PSとを具備したパルスMAGア−ク溶接
    装置。
  33. 【請求項33】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、パルス電流値を設定してパルス
    電流値設定信号Ip1 を出力するパルス電流値設定回
    路IP1と、パルス通電時間を設定してパルス幅設定信
    号Tp1 を出力するパルス幅設定回路TP1と、ベ−
    ス電流値を設定してベ−ス電流設定信号Ib1 を出力
    するベ−ス電流設定回路IB1と、第2パルス電流値を
    設定して第2パルス電流設定信号Ip2 を出力する第
    2パルス電流値設定回路IP2及び第2パルス通電時間
    を設定して第2パルス幅設定信号Tp2 を出力する第
    2パルス幅設定回路TP2及び第2ベ−ス電流値を設定
    して第2ベ−ス電流設定信号Ib2 を出力する第2ベ
    −ス電流設定回路IB2の1つ以上と、前記第1パルス
    電流群の設定信号と前記第2パルス電流群の設定信号と
    を、前記切換信号Hlによって切換えて、切換設定信号
    を出力する切換設定回路と、前記ア−ク電圧制御信号C
    m2 と前記パルス幅設定信号Tpとを入力としてパル
    ス幅とパルス周波数とに対応するパルス幅周波数制御信
    号Df3 を出力するパルス幅周波数制御信号発生回路
    DF3と、前記パルス電流値設定信号Ipと前記ベ−ス
    電流設定信号Ibとを、前記パルス幅周波数制御信号D
    f3 で切換えてパルス制御信号Pfを出力するパルス
    ベ−ス電流切換回路SW5と、商用電源を入力として、
    前記パルス制御信号Pfによって、第1パルス通電期間
    においては第1パルス電流群を出力し、第2パルス通電
    期間においては第2パルス電流群を出力する溶接電源制
    御回路PSとを具備したパルスMAGア−ク溶接装置。
  34. 【請求項34】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、ア−ク電圧
    の平均値に相当するア−ク電圧設定信号Vs1 を出力
    するア−ク電圧設定回路VS1と、ア−ク電圧を検出し
    てア−ク電圧検出信号Vdを出力するア−ク電圧検出回
    路VDと、ア−ク電圧設定信号Vs1 と前記ア−ク電
    圧検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を
    出力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電す
    る第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第
    2パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する
    切換信号発生回路HLと、パルス電流値を設定してパル
    ス電流値設定信号Ip1 を出力するパルス電流値設定
    回路IP1と、パルス周波数を設定してパルス周波数設
    定信号Fp1 を出力するパルス周波数設定回路FP1
    と、ベ−ス電流値を設定してベ−ス電流設定信号Ib1
     を出力するベ−ス電流設定回路IB1と、第2パルス
    電流値を設定して第2パルス電流値設定信号Ip2 を
    出力する第2パルス電流値設定回路IP2及び第2パル
    ス周波数を設定して第2パルス周波数設定信号Fp2 
    を出力する第2パルス周波数設定回路FP2及び第2ベ
    −ス電流値を設定して第2ベ−ス電流設定信号Ib2 
    を出力する第2ベ−ス電流設定回路IB2の1つ以上と
    、前記第1パルス電流群の設定信号と前記第2パルス電
    流群の設定信号とを、前記切換信号Hlによって切換え
    て、切換設定信号を出力する切換設定回路と、前記パル
    ス周波数設定信号Fpと前記ア−ク電圧制御信号Cm2
     とを入力としてパルス幅とパルス周波数とに対応する
    パルス幅周波数制御信号Df3 を出力するパルス幅周
    波数制御信号発生回路DF3と、前記パルス電流値設定
    信号Ipと前記ベ−ス電流設定信号Ibとを、前記パル
    ス幅周波数制御信号Df3 で切換えてパルス制御信号
    Pfを出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商
    用電源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって
    、第1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出
    力し、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群
    を出力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスM
    AGア−ク溶接装置。
  35. 【請求項35】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、パルス電流値を設定してパルス
    電流値設定信号Ip1 を出力するパルス電流値設定回
    路IP1と、パルス周波数を設定してパルス周波数設定
    信号Fp1 を出力するパルス周波数設定回路FP1と
    、ベ−ス電流値を設定してベ−ス電流設定信号Ib1 
    を出力するベ−ス電流設定回路IB1と、前記パルス周
    波数設定信号Fpと前記ア−ク電圧制御信号Cm2 と
    を入力としてパルス幅とパルス周波数とに対応するパル
    ス幅周波数制御信号Df3 を出力するパルス幅周波数
    制御信号発生回路DF3と、前記パルス電流値設定信号
    Ipと前記ベ−ス電流設定信号Ibとを、前記パルス幅
    周波数制御信号Df3 で切換えてパルス制御信号Pf
    を出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用電
    源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって、第
    1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出力し
    、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群を出
    力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスMAG
    ア−ク溶接装置。
  36. 【請求項36】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、パルス電流値を設定してパルス
    電流値設定信号Ip1 を出力するパルス電流値設定回
    路IP1と、パルス周波数を設定してパルス周波数設定
    信号Fp1 を出力するパルス周波数設定回路FP1と
    、ベ−ス電流値を設定してベ−ス電流設定信号Ib1 
    を出力するベ−ス電流設定回路IB1と、第2パルス電
    流値を設定して第2パルス電流値設定信号Ip2 を出
    力する第2パルス電流値設定回路IP2及び第2パルス
    周波数を設定して第2パルス周波数設定信号Fp2 を
    出力する第2パルス周波数設定回路FP2及び第2ベ−
    ス電流値を設定して第2ベ−ス電流設定信号Ib2 を
    出力する第2ベ−ス電流設定回路IB2の1つ以上と、
    前記第1パルス電流群の設定信号と前記第2パルス電流
    群の設定信号とを、前記切換信号Hlによって切換えて
    、切換設定信号を出力する切換設定回路と、前記パルス
    周波数設定信号Fpと前記ア−ク電圧制御信号Cm2 
    とを入力としてパルス幅とパルス周波数とに対応するパ
    ルス幅周波数制御信号Df3 を出力するパルス幅周波
    数制御信号発生回路DF3と、前記パルス電流値設定信
    号Ipと前記ベ−ス電流設定信号Ibとを、前記パルス
    幅周波数制御信号Df3 で切換えてパルス制御信号P
    fを出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用
    電源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって、
    第1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出力
    し、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群を
    出力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスMA
    Gア−ク溶接装置。
  37. 【請求項37】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、ア−ク電圧
    の平均値に相当するア−ク電圧設定信号Vs1 を出力
    するア−ク電圧設定回路VS1と、ア−ク電圧を検出し
    てア−ク電圧検出信号Vdを出力するア−ク電圧検出回
    路VDと、ア−ク電圧設定信号Vs1 と前記ア−ク電
    圧検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を
    出力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電す
    る第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第
    2パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する
    切換信号発生回路HLと、前記ア−ク電圧制御信号Cm
    2 を入力としてベ−ス電流値に相当するベ−ス電流制
    御信号Ib3 を出力するベ−ス電流制御回路IB3と
    、パルス電流値を設定してパルス電流値設定信号Ip1
     を出力するパルス電流値設定回路IP1と、パルス通
    電時間を設定してパルス幅設定信号Tp1 を出力する
    パルス幅設定回路TP1と、パルス周波数を設定してパ
    ルス周波数設定信号Fp1 を出力するパルス周波数設
    定回路FP1と、第2パルス電流値を設定して第2パル
    ス電流値設定信号Ip2 を出力する第2パルス電流値
    設定回路IP2及び第2パルス周波数を設定して第2パ
    ルス周波数設定信号Fp2 を出力する第2パルス周波
    数設定回路FP2及び第2パルス通電時間を設定して第
    2パルス幅設定信号Tp2 を出力する第2パルス幅設
    定回路TP2の1つ以上と、前記第1パルス電流群の設
    定信号と前記第2パルス電流群の設定信号とを、前記切
    換信号Hlによって切換えて、切換設定信号を出力する
    切換設定回路と、前記パルス周波数設定信号Fpと前記
    パルス幅設定信号Tpとを入力としてパルス幅とパルス
    周波数とに対応するパルス幅周波数信号Dfを出力する
    パルス幅周波数信号発生回路DFと、前記パルス電流値
    設定信号Ipと前記ベ−ス電流制御信号Ib3 とを、
    前記パルス幅周波数信号Dfで切換えてパルス制御信号
    Pfを出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商
    用電源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって
    、第1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出
    力し、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群
    を出力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスM
    AGア−ク溶接装置。
  38. 【請求項38】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、前記ア−ク電圧制御信号Cm2
     を入力としてベ−ス電流値に相当するベ−ス電流制御
    信号Ib3 を出力するベ−ス電流制御回路IB3と、
    パルス電流値を設定してパルス電流値設定信号Ip1 
    を出力するパルス電流値設定回路IP1と、パルス通電
    時間を設定してパルス幅設定信号Tp1 を出力するパ
    ルス幅設定回路TP1と、パルス周波数を設定してパル
    ス周波数設定信号Fp1 を出力するパルス周波数設定
    回路FP1と、前記パルス周波数設定信号Fpと前記パ
    ルス幅設定信号Tpとを入力としてパルス幅とパルス周
    波数とに対応するパルス幅周波数信号Dfを出力するパ
    ルス幅周波数信号発生回路DFと、前記パルス電流値設
    定信号Ipと前記ベ−ス電流制御信号Ib3 とを、前
    記パルス幅周波数信号Dfで切換えてパルス制御信号P
    fを出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用
    電源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって、
    第1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出力
    し、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群を
    出力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスMA
    Gア−ク溶接装置。
  39. 【請求項39】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、前記ア−ク電圧制御信号Cm2
     を入力としてベ−ス電流値に相当するベ−ス電流制御
    信号Ib3 を出力するベ−ス電流制御回路IB3と、
    パルス電流値を設定してパルス電流値設定信号Ip1 
    を出力するパルス電流値設定回路IP1と、パルス通電
    時間を設定してパルス幅設定信号Tp1 を出力するパ
    ルス幅設定回路TP1と、パルス周波数を設定してパル
    ス周波数設定信号Fp1 を出力するパルス周波数設定
    回路FP1と、第2パルス電流値を設定して第2パルス
    電流値設定信号Ip2 を出力する第2パルス電流値設
    定回路IP2及び第2パルス幅を設定して第2パルス幅
    設定信号Tp2 を出力する第2パルス幅設定回路TP
    2及び第2パルス周波数を設定して第2パルス周波数設
    定信号Fp2 を出力する第2パルス周波数設定回路F
    P2の1以上と、前記第1パルス電流群の設定信号と前
    記第2パルス電流群の設定信号とを、前記切換信号Hl
    によって切換えて、切換設定信号を出力する切換設定回
    路と、前記パルス周波数設定信号Fpと前記パルス幅設
    定信号Tpとを入力としてパルス幅とパルス周波数とに
    対応するパルス幅周波数信号Dfを出力するパルス幅周
    波数信号発生回路DFと、前記パルス電流値設定信号I
    pと前記ベ−ス電流制御信号Ib3 とを、前記パルス
    幅周波数信号Dfで切換えてパルス制御信号Pfを出力
    するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用電源を入
    力として、前記パルス制御信号Pfによって、第1パル
    ス通電期間においては第1パルス電流群を出力し、第2
    パルス通電期間においては第2パルス電流群を出力する
    溶接電源制御回路PSとを具備したパルスMAGア−ク
    溶接装置。
  40. 【請求項40】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、ア−ク電圧
    の平均値に相当するア−ク電圧設定信号Vs1 を出力
    するア−ク電圧設定回路VS1と、ア−ク電圧を検出し
    てア−ク電圧検出信号Vdを出力するア−ク電圧検出回
    路VDと、ア−ク電圧設定信号Vs1 と前記ア−ク電
    圧検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を
    出力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電す
    る第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第
    2パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する
    切換信号発生回路HLと、前記ア−ク電圧制御信号Cm
    2 を入力としてパルス電流値に相当するパルス電流値
    制御信号Ip3 を出力するパルス電流値制御回路IP
    3と、パルス通電時間を設定してパルス幅設定信号Tp
    1 を出力するパルス幅設定回路TP1と、パルス周波
    数を設定してパルス周波数設定信号Fp1 を出力する
    パルス周波数設定回路FP1と、ベ−ス電流値を設定し
    てベ−ス電流設定信号Ib1 を出力するベ−ス電流設
    定回路IB1と、第2パルス通電時間を設定して第2パ
    ルス幅設定信号Tp2 を出力する第2パルス幅設定回
    路TP2及び第2パルス周波数を設定して第2パルス周
    波数設定信号Fp2 を出力する第2パルス周波数設定
    回路FP2及び第2ベ−ス電流値を設定して第2ベ−ス
    電流設定信号Ib2 を出力する第2ベ−ス電流設定回
    路IB2の1つ以上と、前記第1パルス電流群の設定信
    号と前記第2パルス電流群の設定信号とを、前記切換信
    号Hlによって切換えて、切換設定信号を出力する切換
    設定回路と、前記パルス周波数設定信号Fpと前記パル
    ス幅設定信号Tpとを入力としてパルス幅とパルス周波
    数とに対応するパルス幅周波数信号Dfを出力するパル
    ス信号発生回路DFと、前記パルス電流値制御信号Ip
    3 と前記ベ−ス電流設定信号Ibとを、前記パルス幅
    周波数信号Dfで切換えてパルス制御信号Pfを出力す
    るパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用電源を入力
    として、前記パルス制御信号Pfによって、第1パルス
    通電期間においては第1パルス電流群を出力し、第2パ
    ルス通電期間においては第2パルス電流群を出力する溶
    接電源制御回路PSとを具備したパルスMAGア−ク溶
    接装置。
  41. 【請求項41】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、前記ア−ク電圧制御信号Cm2
     を入力としてパルス電流値に相当するパルス電流値制
    御信号Ip3 を出力するパルス電流値制御回路IP3
    と、パルス通電時間を設定してパルス幅設定信号Tp1
     を出力するパルス幅設定回路TP1と、パルス周波数
    を設定してパルス周波数設定信号Fp1 を出力するパ
    ルス周波数設定回路FP1と、ベ−ス電流値を設定して
    ベ−ス電流設定信号Ib1 を出力するベ−ス電流設定
    回路IB1と、前記パルス周波数設定信号Fpと前記パ
    ルス幅設定信号Tpとを入力としてパルス幅とパルス周
    波数とに対応するパルス幅周波数信号Dfを出力するパ
    ルス幅周波数信号発生回路DFと、前記パルス電流値制
    御信号Ip3 と前記ベ−ス電流設定信号Ibとを、前
    記パルス幅周波数信号Dfで切換えてパルス制御信号P
    fを出力するパルスベ−ス電流切換回路SW5と、商用
    電源を入力として、前記パルス制御信号Pfによって、
    第1パルス通電期間においては第1パルス電流群を出力
    し、第2パルス通電期間においては第2パルス電流群を
    出力する溶接電源制御回路PSとを具備したパルスMA
    Gア−ク溶接装置。
  42. 【請求項42】  第1パルス電流群と第2パルス電流
    群とを周期的に切換えたパルス溶接電流を通電して溶接
    するパルスMAGア−ク溶接装置において、第1のア−
    ク電圧の平均値に相当する第1ア−ク電圧設定信号Vs
    1 を出力する第1ア−ク電圧設定回路VS1と、第2
    のア−ク電圧の平均値に相当する第2ア−ク電圧設定信
    号Vs2 を出力する第2ア−ク電圧設定回路VS2と
    、ア−ク電圧を検出してア−ク電圧検出信号Vdを出力
    するア−ク電圧検出回路VDと、前記第1又は第2ア−
    ク電圧設定信号Vs1 又はVs2 と前記ア−ク電圧
    検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 を出
    力する比較回路CM2と、第1パルス電流群を通電する
    第1パルス通電期間と第2パルス電流群を通電する第2
    パルス通電期間とを切換える切換信号Hlを出力する切
    換信号発生回路HLと、前記ア−ク電圧制御信号Cm2
     を入力としてパルス電流値に相当するパルス電流値制
    御信号Ip3 を出力するパルス電流値制御回路IP3
    と、パルス通電時間を設定してパルス幅設定信号Tp1
     を出力するパルス幅設定回路TP1と、パルス周波数
    を設定してパルス周波数設定信号Fp1 を出力するパ
    ルス周波数設定回路FP1と、ベ−ス電流値を設定して
    ベ−ス電流設定信号Ib1 を出力するベ−ス電流設定
    回路IB1と、第2パルス幅を設定して第2パルス幅設
    定信号Tp2 を出力する第2パルス幅設定回路TP2
    及び第2パルス周波数を設定して第2パルス周波数設定
    信号Fp2を出力する第2パルス周波数設定回路FP2
    及び第2ベ−ス電流値を設定して第2ベ−ス電流設定信
    号Ib2 を出力する第2ベ−ス電流設定回路IB2の
    1以上と、前記第1パルス電流群の設定信号と前記第2
    パルス電流群の設定信号とを、前記切換信号Hlによっ
    て切換えて、切換設定信号を出力する切換設定回路と、
    前記パルス周波数設定信号Fpと前記パルス幅設定信号
    Tpとを入力としてパルス幅とパルス周波数とに対応す
    るパルス幅周波数信号Dfを出力するパルス幅周波数信
    号発生回路DFと、前記パルス電流値制御信号Ip3と
    前記ベ−ス電流設定信号Ibとを、前記パルス幅周波数
    信号Dfで切換えてパルス制御信号Pfを出力するパル
    スベ−ス電流切換回路SW5と、商用電源を入力として
    、前記パルス制御信号Pfによって、第1パルス通電期
    間においては第1パルス電流群を出力し、第2パルス通
    電期間においては第2パルス電流群を出力する溶接電源
    制御回路PSとを具備したパルスMAGア−ク溶接装置
  43. 【請求項43】  第1ワイヤ送給速度設定信号Im1
     を出力する第1ワイヤ送給速度設定回路IM1と、第
    2ワイヤ送給速度設定信号Im2 を出力する第2ワイ
    ヤ送給速度設定回路IM2と、前記第1ワイヤ送給速度
    設定信号Im1 と前記第2ワイヤ送給速度設定信号I
    m2 とを切換周波数F=0.5乃至5[Hz]で切り
    換えて、切換ワイヤ送給速度信号S7 をワイヤ送給速
    度制御回路WCに出力するワイヤ送給速度切換回路SW
    7を備えた請求項30のパルスMAGア−ク溶接装置。
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