JPH04331607A - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性を悪化させる
ことなく氷上性能を向上した空気入りタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】粉塵公害の防止の面から、スパイクタイ
ヤの使用が法的に制限されたため、このスパイクタイヤ
に代わるタイヤとして、種々のスタッドレスタイヤが提
案されている。これらの提案に基づく改良によってスタ
ッドレスタイヤの性能は年々向上しているが、氷上路に
おける制動性能（以下氷上性能と称する）がスパイクタ
イヤと同等の性能の域に達するには、まだ課題が残され
ている。

【０００３】従来、スタッドレスタイヤは、図５に示す
ように、トレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝１と、
この主溝１と交差する副溝２とを設け、これら主溝１と
副溝２とにより区画された多数のブロック３を形成し、
これらブロック３にタイヤ幅方向のサイプ４を多数形成
することにより構成され、これらサイプ４やブロック３
自体のエッジ効果によって氷上性能を発揮するようにし
ていた。

【０００４】しかし、このようなスタッドレスタイヤの
氷上性能は、氷上路面に薄い水膜が形成されるような気
象条件の時著しく低下してしまう。これは水膜がスタッ
ドレスタイヤの氷上路面に対する摩擦係数を著しく低下
させるという作用があるからである。上述のような対策
として、ブロック当たりのサイプの本数を増すことによ
って氷上路面の水膜を吸い上げるようにした提案やトレ
ッドゴム層を発泡ゴムにすることにより水膜を吸い上げ
るようした提案が為されている。しかし、前者はブロッ
クの剛性低下を招くためかえって氷上性能は低下し、耐
摩耗性まで低下してしまうという欠点があった。また、
後者は、氷上性能は向上するものの、発泡により耐摩耗
性が著しく低下してしまうという欠点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は耐摩耗
性を損なうことなく氷上性能を向上した空気入りタイヤ
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、トレッド面に多数のブロックからなるブロックパタ
ーンを有するタイヤにおいて、前記ブロックに閉ループ
状の薄い切り込みで取り囲まれたゴム芯体を多数設け、
このゴム芯体の上端を前記ブロックの表面から突出させ
ることにより達成することができる。

【０００７】このようにブロックに、閉ループ状の薄い
切り込みで取り囲まれたゴム芯体を多数設けた上に、さ
らに、そのゴム芯体の上端をブロックの表面から突出さ
せたことにより、走行時にゴム芯体の圧縮伸長を積極的
に繰り返させ、その時のポンプ作用によって、路面上の
水膜を効果的に吸収除去し氷上性能を向上するのである
。しかも、ブロックの剛性が低下することがないので良
好な耐摩耗性を保有する。

【０００８】以下図面を参照して本発明を具体的に説明
する。図１は本発明タイヤのトレッドパターンの１例を
示す平面図である。トレッド面にはタイヤ周方向に延び
る主溝１とこの主溝１と交差する副溝２とが設けられ、
これら主溝１と副溝２によって区画されたブロック３に
、タイヤ幅方向のサイプ４が設けられている。さらにブ
ロック３には、図２に示すように、閉ループ状の薄い切
り込み６で取り囲まれたゴム芯体５が多数形成され、し
かも、それらゴム芯体５の上端は、図３に示すようにブ
ロック３の表面Ｓから突出している。

【０００９】このゴム芯体５は、ブロック３の表面が路
面に接していないときは、図３のように上端が突出して
いるが、タイヤの回転に伴って路面と接触する時は、図
４に示すように、押し込まれて圧縮され、図３と図４と
の状態を交互に繰り返す。このようなゴム芯体５の伸縮
作用は、薄い切り込み６内部の容積を大きくしたり、小
さくしたり変化させるため路面上の水分を強制的に吸い
上げる。このようにして薄い切り込み６内部に吸い上げ
られた水分は、ブロック３が路面から解放された後、遠
心力によって放出される。

【００１０】このような作用を行うゴム芯体としては、
その横断面積を０．４〜１０ｍｍ２　、ブロック表面か
らの突出量ａを０．２〜１．０ｍｍとし、単位表面積ｃ
ｍ２　当たりの密度を１〜１０個とすると共に、このゴ
ム芯体の周囲を取り囲む閉ループ状の薄い切り込みとし
ては、その幅ｔを０．３〜１．０ｍｍ、その深さｄを主
溝の深さの２０〜６０％の範囲とすることが望ましい。 このゴム芯体の横断面積、突出量ａ及び密度、並びに薄
い切り込みの幅ｔ及び深さｄを、それぞれ上記の範囲と
することにより、ブロック剛性を確保し、耐摩耗性を損
なうことなく、前述した走行時のゴム芯体の伸縮作用を
繰り返させ、路面上の水膜を効果的に吸収除去するよう
にする。

【００１１】また、ゴム芯体の断面形状は、図１に示し
た円形に限られるものではなく、四角形、五角形、六角
形等多角形等各種の形状にすることができる。さらに本
発明タイヤには、従来タイヤのブロックに形成するタイ
ヤ幅方向のサイプを形成することができるが、これらの
サイプはゴム芯体と交差しないように形成する。また、
その本数はブロック剛性を損なわない範囲とすることが
望ましい。

【００１２】

【実施例】タイヤサイズがいずれも同一の１０．００Ｒ
２０であり、トレッドパターンをそれぞれ下記するよう
な本発明タイヤ、従来タイヤ１及び従来タイヤ２を製作
した。 本発明タイヤ：図１に示したブロックパターンで、閉ル
ープ状の薄い切り込みの幅ｔを０．５ｍｍ，深さｄを主
溝の深さの５０％とし、ゴム芯体の突出量ａを０．３ｍ
ｍ，横断面積を１ｍｍ２　、ブロック表面に設けた密度
を２個／ｃｍ２　とした。

【００１３】従来タイヤ１：閉ループ状の薄い切り込み
とゴム芯体とを設けていない以外は本発明タイヤと同一
である図５に示したブロックパターンである。 従来タイヤ２：従来タイヤ１において、各ブロックに設
けたサイプ本数を１本ずつ増加したブロックパターンで
ある。 これらの３種類のタイヤについて、下記試験条件により
氷上性能を評価し、その結果を表１に示した。

【００１４】評価結果は、いずれも従来タイヤ１の評価
結果を１００とする指数で示した。これらの指数値が大
きい程各性能が優れている。氷上性能：　　大型車（２
─Ｄ）の全輪に試験タイヤを装着し、氷上路面上を初速
３０Ｋｍ／ｈｒで走行した後ブレーキをかけたときの制
動距離の逆数により評価した。 表１から、本発明タイヤは氷上性能が従来タイヤ１及び
２に比べて著しく向上している。

【００１５】また、トレッドゴム層を発泡ゴム層とした
以外は、従来タイヤ１と同一の構成のトレッドパターン
を有する従来タイヤ３を製作した。この従来タイヤ３に
ついて前述の氷上性能を評価すると共に下記方法による
耐摩耗性を評価した、これらの結果を本発明タイヤの結
果と共に表２に示した。 耐摩耗性：　　大型車（２─Ｄ）の全輪に試験タイヤを
装着し、乾燥路面上を２００００Ｋｍ走行した後のトレ
ッドの摩耗量を測定しその逆数により評価した。　　評
価結果は、従来タイヤ３の評価結果を１００とする指数
で示した。この指数値が大きい程耐摩耗性が優れている
。 　　表２から、本発明タイヤは氷上性能は従来タイヤ３
と変わらないものの、耐摩耗性が著しく向上している。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、ブロックに閉ループ状
の薄い切り込みで取り囲まれたゴム芯体を設けると共に
、その上端をブロック表面から突出させるようにしたこ
とにより、ブロック剛性を低下させたり、耐摩耗性を損
うことなく、氷上路面上の水膜を薄い切り込み内部に効
果的に吸収除去し氷上性能を向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明タイヤのトレッドパターンの１例を示す
平面図である。

【図２】本発明タイヤのブロックに形成したゴム芯体の
平面図である。

【図３】本発明タイヤのブロックに形成したゴム芯体の
断面図である。

【図４】図３のゴム芯体が路面に接触した時の状態を示
す断面図である。

【図５】従来タイヤのトレッドパターンの平面図である
。

【符号の説明】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　トレッド面に多数のブロックからなる
   ブロックパターンを有するタイヤにおいて、前記ブロッ
   クに閉ループ状の薄い切り込みで取り囲まれたゴム芯体
   を多数設け、該ゴム芯体の上端を前記ブロックの表面か
   ら突出させた空気入りタイヤ。