JPH04331252A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH04331252A
JPH04331252A JP19376691A JP19376691A JPH04331252A JP H04331252 A JPH04331252 A JP H04331252A JP 19376691 A JP19376691 A JP 19376691A JP 19376691 A JP19376691 A JP 19376691A JP H04331252 A JPH04331252 A JP H04331252A
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森本 精一
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂組成
物に関する。詳しくは人体等に及ぼす毒性について心配
がなく、かつ熱安定性に優れ、熱による変色が少なく、
耐熱老化性に優れており、特に高温条件下で使用され得
る耐熱電線の絶縁被覆材として好適な軟質塩化ビニル系
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の電気、電子機器の配線材、モータ
ー口出線、トランスのリード線等の耐熱電線の絶縁被覆
材として、各種の軟質塩化ビニル樹脂が使用されている
が、耐熱性、難燃性、経済性等の諸性状を満足すること
が要求される。特に、90〜125℃の高温条件下で使
用されても絶縁被覆材としての特性に変化の少ない軟質
塩化ビニル樹脂が要求される。上記のような、高温条件
下で特性変化の少ない軟質塩化ビニル樹脂を得るために
は、揮発性の低い可塑剤と熱安定性の優れた安定剤とを
使用しなければならない。揮発性の低い可塑剤としては
、従来より、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸
エステルやボリエステル系可塑剤等が使用されており、
安定剤としては三塩基性硫酸鉛、二塩基性フタル酸鉛等
の鉛系安定剤が汎用されている。鉛系以外の安定剤とし
ては、カドミウム系、錫系、バリウム系等のものが使用
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉛系安
定剤の場合、塩化ビニル樹脂の高温時の熱分解を抑える
点では優れているが、ポリエステル系可塑剤との併用で
はエステル結合の分解を助長し、高温多湿条件では可塑
剤のブリード減少を呈するため、実用上問題がある。し
かも、鉛はその毒性が以前より指摘されており、鉛系安
定剤を原料として取り扱う場合の作業環境や使用後の電
線類の廃棄時の自然環境の汚染という観点からもその使
用は好ましくない。鉛系以外の安定剤にあって、カドミ
ウム系の場合は鉛以上にその毒性がクローズアップされ
、生産量も激減しているのが現状である。錫系安定剤の
場合は可塑剤添加量の非常に少ない硬質塩化ビニル配合
系では優れた熱安定性を示すが、可塑剤量が20重量%
以上の軟質塩化ビニル樹脂組成物では、ブルーム、ブリ
ード現象が強く主安定剤としては不向きである。バリウ
ム系安定剤は軟質塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定剤と
して亜鉛との複合塩が多用されている。しかし、90℃
〜125℃の高温条件下で使用される塩化ビニル樹脂製
品の安定剤系としては熱安定性が不十分であり、特性劣
化を来すおそれがある。また、バリウムは欧州ではその
毒性に懸念がもたれており規制の動きがある。本発明の
目的は、人体等に及ぼす毒性について心配がなく、かつ
熱安定性に優れ、熱による変色が少なく、耐熱老化性に
優れており、特に高温条件下で使用され得る電線の絶縁
被覆材として好適な軟質塩化ビニル系樹脂組成物を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、人体に及
ぼす毒性について心配がなく、かつ高温条件下で使用さ
れても特性に変化の少ない軟質塩化ビニル系樹脂組成物
について鋭意研究を重ねた結果、マグネシウム及びアル
ミニウムを金属成分としたハイドロタルサイト化合物と
脂肪酸マグネシウム塩を安定剤として用い、さらにβ−
ジケトンを含有させ、揮発性の低い可塑剤と配合するこ
とにより耐熱電線の絶縁被覆材としての使用に耐え得る
充分な熱安定性を示す軟質塩化ビニル系樹脂組成物が得
られるとの知見を得、本発明に到達したものである。す
なわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、耐熱性可塑剤30〜200重量部、ハイドロタルサ
イト化合物1〜20重量部、脂肪酸マグネシウム塩0.
5〜10重量部及びβ−ジケトン0.05〜5重量部を
含有してなる耐熱性の優れた塩化ビニル系樹脂組成物で
ある。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる塩化ビニル系樹脂
としては、塩化ビニル単独重合体あるいは塩化ビニルと
これと共重合可能な他の成分との共重合体のいずれであ
ってもよい。かかる重合体としては塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体
例えばエチレン、プロピレン、塩化ビニリデン、アクリ
ル酸エステル等との共重合体が挙げられる。懸濁重合法
、塊状重合法、乳化重合法等通常の方法によって製造さ
れたものすべてが用いられる。平均重合度は900〜9
000の範囲が好ましい。これは、耐熱性のビニルコン
パウンドとして耐加熱変形性を考慮したもので、900
未満であると加熱変形性が極端に低下し高温条件下での
使用に耐えられない。また、9000を超えると押出成
形等の成形性に問題がある。
【0006】本発明の樹脂組成物に用いられる可塑剤は
、分子量500以上の揮発性の少ない耐熱性可塑剤であ
って、例えばトリメリット酸エステル、ピロメリット酸
エステル、ビフェニルテトラカルボン酸エステル等の芳
香族多塩基酸エステル、アジピン酸系ポリエステル、ア
ゼライン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル
等のポリエステル系可塑剤等が挙げられる。上記のよう
な可塑剤は1種又は2種以上併用してもよい。これらの
可塑剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、30
〜200重量部の範囲で使用される。30重量部未満で
あると常温での硬度が大きく実用的でなく、耐熱老化性
の点でも充分なものが得られず、一方200重量部を超
えると軟らかくなり過ぎ、加熱変形性が著しく、加工性
、成形性にも問題がある。
【0007】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、以下
に示すように特定の安定剤を特定量用いることにより優
れた耐熱性を発揮するものである。本発明に用いられる
ハイドロタルサイト化合物は、一般式 Mg1−xAlx(OH)2Ax/2・mH2O  (
式中、0<x≦0.5、AはCO3又はSO4、mは正
の数を示す) で表されるマグネシウムとアルミニウムとを含む含水複
塩化合物である。このハイドロタルサイト化合物は天然
物、合成物のいずれであってもよい。上記ハイドロタル
サイト化合物の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量
部に対し、1〜20重量部である。1重量部未満では熱
安定性が充分ではなく、熱により老化しやすく、また2
0重量部を超えて使用してもそれ程の熱安定性の向上は
期待できず、熱着性が強くなるいう問題を生じる。
【0008】本発明の樹脂組成物に用いられる脂肪酸マ
グネシウム塩としては、例えばラウリン酸マグネシウム
、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウ
ム等が挙げられる。上記脂肪酸マグネシウム塩の配合量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.5〜10
重量部である。0.5重量部未満では加工性、成形性が
劣るため見掛けの熱安定性が悪く、また10重量部を超
えると滑性が強いため加工性、成形性を阻害し良好な成
形品が得られない。
【0009】さらに、本発明に用いられるβ−ジケトン
は、一分子内に2個のケトン基をもち、下記一般式で表
される化合物である。 R1−CO−CHR2−CO−R3   上式中、R1及びR2はアルキル、アリール、アル
キルアリール又はアラルキル基を示し、R2は水素原子
、アルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル
基又は−COR1を示す。また、R1とR2又はR1と
R3は共同してアルキレン基を示してもよい。また、前
記一般式におけるR1,R2及び/又はR3のアルキル
基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミ
ル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、ウンデシル、ト
リデシル、ペンタデシル、オクタデシル、エイコシル、
シクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、
フェニル、ナフチル基等が挙げられる。アルキルアリー
ル基としては、メチルフェニル、エチルフェニル、第3
ブチルフェニル基等が挙げられ、アラルキル基としては
、ベンジル、フェニルエチル基等が挙げられる。これら
の基はハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ基等で置換さ
れてもよい。これらのβ−ジケトン化合物のうち、R1
及びR2の少なくとも一方がアリール基又はアルキルア
リール基である化合物が効果が大きく特に望ましい。
【0010】β−ジケトンは、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対し0.05〜5重量部添加される。0.05
重量部未満では通常条件下での成形時、成形品の着色が
強く塩化ビニル系樹脂の特徴であるバラエティーに富ん
だ色調の製品が得られなくなる。また、5重量部を超え
て添加しても何等それに見合う添加効果が認められない
と共に経済的デメリットが大きい。
【0011】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記
の成分の他に、更に難燃性を向上させる目的で毒性の点
で問題のない水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
等の水酸化物、塩素量が50%以上の塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、塩素化パラフィン等の高塩
素化物及び紫外線吸収剤、充填剤、着色剤等を併用する
ことができる。
【0012】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を調製す
るには、上記の塩化ビニル系樹脂、耐熱性可塑剤、ハイ
ドロタルサイト化合物、脂肪酸マグネシウム塩、β−ジ
ケトン、更に必要に応じて前記の添加剤をそれぞれ所定
の割合で混合し、通常、リボンブレンダー、ケーキミキ
サー、高速ミキサー等を用いて均一に分散させ、次いで
ミルロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸
押出機、2軸混練押出機、プラスティフィケーター、コ
ニーダー等を使用して140℃〜190℃の温度で混練
した後ペレット化して、所望の形状に成形すればよい。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるも
のではない。 実施例1〜10、比較例1〜10 下記の表に示す配合成分により高速撹拌機で均一に配合
した後、ミルロールで混練して厚さ約0.5ミリのシー
トを作成し、熱安定性、熱着色性、耐熱老化性について
調べた。その結果は下記の表に示すとおりであった。な
お、下記の表中の数値は「重量部」を表す。実施例及び
比較例において、熱安定性及び耐熱老化性はJISK6
723に準拠して測定した。但し、耐熱老化性について
は試験条件を136℃×168hrsに変更して測定し
たものである。熱安定性は300分以上のもの、耐熱老
化性は75%以上のものであることが好ましい。また、
熱着色性は加熱した場合の変色の度合いを示すものであ
る。電線等が高温条件下で使用された場合、色調の識別
ができなくなることがあるため、変色の度合いが少ない
ことが肝要である。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、本発明によれば、製造時の作業環境や廃棄時の自然
環境を汚染する恐れが強い鉛、カドミウム、等を安定剤
として使用せずに、熱安定性に優れ、熱による変色が少
なく、耐熱老化性に優れた軟質塩化ビニル系樹脂組成物
を得ることができる。したがって、耐熱性が要求される
電線の絶縁被覆材(とりわけ薄肉細物電線、フラットケ
ーブル)として、また耐熱塩ビフィルム類としての利用
価値は頗る大きいものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    、耐熱性可塑剤30〜200重量部、ハイドロタルサイ
    ト化合物1〜20重量部、脂肪酸マグネシウム塩0.5
    〜10重量部及びβ−ジケトン0.05〜5重量部を含
    有してなる耐熱性の優れた塩化ビニル系樹脂組成物。
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