JPH0433083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はパンを作る製パン器に関するものであ
る。とりわけ、混ねつ、発酵等の工程と、焼きの
工程を組合せて自動で行うものについて、こね羽
根がついたまま焼きを行う製パン器に関するもの
である。

「従来の技術」 こね羽根と共に焼き上がる自動製パン器で作ら
れたパンは、パン底部にこね羽根の痕跡を残した
恰好で取り出されていた。

「考案が解決しようとする問題点」 上記の如く回転軸にこね羽根をかん着して混ね
つすると、混ねつ力によつて回転軸とこね羽根の
かん着の隙間にパン生地の一部が入り込み、その
圧力又は発酵力によつて混ねつ中にこね羽根が浮
き上がり回転軸より離脱する事があつた。又その
ため、回転軸とこね羽根のかん着をきつめにする
と離脱しないが、パンが焼き上がつて材料容器よ
りパンを取り出す時、こね羽根が回転軸にこびり
付いて離れないため、パンの底部の外皮を破るよ
うに振り落として外していた。そのため、パンの
取り出しに一苦労をすると言う問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 本考案はパン生地混ねつ中又は発酵中にこね羽
根が、回転軸より離脱しないようにし、併せてパ
ン焼き上げ後パンを材料容器から簡単に取り出さ
せる事も出来るようにしたもので、混ねつ中又は
発酵中も回転軸の突子がこね羽根の切掛部内に入
つて抜け止めをし、併せてパン焼き上げ後回転軸
をこね方向と反対方向に廻す事によつてカム力に
よつて、こね羽根を回転軸より離脱させ容易にパ
ンを取り出す事が出来るようにしたものである。

「作用」 上記の如く本考案は、回転軸に突子を設け、該
軸をこね羽根の内周にかん着し、該突子の上面を
混ねつ回転方向と反対方向にこね羽根底周面のテ
ーパー状に一周した傾面に当接させ、且つこね羽
根底周面のテーパーの起点に切掛部を穿溝して該
突子を混ねつ中掛け止めをするように構成されて
いる。それ故、回転軸の回転によつて切掛部に突
子が入り込み回転軸を駆動力がこね羽根に伝達さ
れてこねが開始されるようになる。

そのため該軸の突子がこね羽根の切掛部に入り
込むため混ねつ中は勿論発酵中のパン生地の膨ら
みによる押し上げで、抜け出すのが防止される。
斯くしてこね終了、発酵、焼きが終了して、パン
を材料容器より取り出す時、こね羽根が回転軸周
囲に入り込んだパン生地がパン焼きと共に焼き付
き、こね羽根が回転軸から離脱しにくい状態とな
つて、パンがこね羽根と共に材料容器より落下し
にくい。その時材料容器の回転軸の下部に取付け
たツマミ兼クラツチ部のツマミを、こね方向と逆
方向にこね羽根のこびり付きに打ち勝つ抗力で、
上記に述べたある角度まで廻すと、こね羽根との
こびり付きがとれ、更にテーパー上を突子が回動
すると、その傾度分（第３図Ａ，Ｂ）だけこね羽
根が押し上げられるので、こね羽根は離脱し易く
なつてパンと一緒になつて落下する事になる。又
第３図Ｂの如くテーパー部を少なくして点線の如
くしてもよい。この際、ツマミの代わりにモータ
を少し逆転してもよい。又こね羽根の底周面をテ
ーパー状にしたが、一線上にして左右に廻しても
同様の効果があり、又こね回転を左右にして廻す
こね機構は、こね羽根の底周面に二つの切掛部を
左右に設け、中間部にテーパーの頂点をもつてい
くようにしてもよい（第３図Ｃ）。尚、回転軸と
こね羽根のかん着面を筒状よりテーパー状にする
事によつて、一層の取り外しが容易となる事も附
記する。

「実施例」 本考案を図について説明すると、１は製パン器
本体、２はヒータ１２及び材料容器３を内蔵した
オーブンで、該器３の中央にはモータ１１より駆
動力をモータ１１の軸に取付けたプーリ１０より
ベルト９を介してプーリ８に伝達される。該プー
リ８の中央にメタル４にて支持される下部回転軸
７が取付けられ上端には二叉クラツチ５が装着さ
れる。該クラツチ５と噛み合う上部クラツチ６が
該クラツチ６の中央の上部回転軸１３に装着され
メタル１４にて支持される。該メタル１４は材料
容器３の底部にて固着支持される。該軸１３の周
上一端に突子１７が設けられ、該軸１３の外周と
取り外し自由にかん着するこね羽根１２の底面周
上に切掛部１５が穿溝され、突子１７がかん入す
るようになる。１６は該部１５より突子１７が摺
動するテーパー部で、こね羽根１２をテーパーの
高さだけ押し上げるものである。該軸の他端下方
には上記クラツチ６が装着され、併せてクラツチ
６の外周にツマミ部１８が形成され、該ツマミ部
１８をこね方向と逆方向に廻す事によつて、切掛
部１５より突子１７が離れ該テーパー部１６を摺
動してこね羽根１２を押し上げるようになる。１
９はこね、発酵、焼き等の制御部である。

「考案の効果」 今迄は混ねつ中にこね羽根が、回転軸から応々
にして外れる事があつたが、本考案によつてその
心配がなくなり、併せて焼き上げ後のパンの取り
出しが容易になると言う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を採用した製パン器、第２図は
本考案の拡大図、第３図は各種テーパー部の展開
図である。 ３……材料容器、１２……こね羽根、１３……
回転軸、１５……切掛部、１６……テーパー部、
１７……突子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 混ねつ、発酵等の工程と、焼きの工程を組合せ
   て自動で行い、材料容器の底部より貫通した回転
   軸上の一端に連結したこね羽根の回転によつて上
   記混ねつ工程を行う製パン器に於て、こね羽根に
   は回転軸の一方向への回転により、回転軸外周に
   突設した突子に係合し合う切掛部を形成し、該切
   掛部は突子との係合状態ではこね羽根の回転軸に
   対する軸方向移動を阻止する形状になしてあると
   共に、該切掛部に連続する部分は、回転軸の他方
   向への回転により、上記突子が摺接してこね羽根
   を回転軸に対し軸方向移動させるテーパー部にな
   してあることを特徴とする製パン器。