JPH0433020Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、服の上着を掛けるハンガーの改良に
関するものであり、特に、ズボンを掛けることの
できるハンガーに関するものある。

〔従来の技術〕

従来、上部フツクを備え、正面視で略弓形に構
成されたハンガーとしては、その殆どが上着だけ
を掛けておくように構成されている。

しかし、最近のハンガーは、フツク本体の両下
端を横桟で繋ぎ、これにズボンを二つ折りして掛
けるものが出ている。

その他、ズボンを吊るすように、前記横桟にズ
ボンの裾をスプリング等を用いて挟持するクリツ
プを数個設けたものも提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記横桟をハンガーに設けたものでは、ズボン
を二つ折りにするという手間がかかると共に長期
の係止によつてズボンに折り目がついてしまうと
いう問題があつた。

また、ズボンの二つ折りについても、折り返し
部で左右バランスが取れないと、自重によつて一
方へ滑り落ちてしまうから、一旦ズボンを二つ折
りにして横桟に掛けてから、裾とベルト側とを交
互に引つ張つてバランスが取れたことを確認して
から手を離さなければならないという煩わしさが
あつた。

また、ズボンの裾を挟むクリツプを設けたハン
ガーでは、スプリングや特殊クリツプを別途設け
なければならないのでコスト高になると共に幅の
あるズボンの裾を挟むには、少なくとも２個以上
のクリツプが必要であり、それらクリツプをそれ
ぞれ挟み操作しなければならず面倒であつた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案にかかるハンガーは、上記従来技術の問
題に鑑み、上部にフツク１を備え、正面視で略弓
形に構成されたハンガーであつて、本体２の両下
端２Ａ，２Ｂを芯材３で連結し、この芯材３と実
質的に同じ長さに構成した挟持部材４の一端４Ａ
を、前記芯材の一側において、その芯材３の一端
に回動軸芯Ｘ方向に遊びを持たせた状態で回動自
在に枢着し、該挟持部材４の他端４Ｂの前記芯材
３側に係合部材６を突設し、該係合部材６が係合
される案内溝７を、前記挟持部材４の回動軸芯Ｘ
を中心とした略円弧状に前記本体２に刻設し、前
記芯材３又は前記挟持部材４の少なくとも一方に
摩擦材８を設けたのである。

また、２つのズボンを吊り舌げれるように、も
う一つの挟持部材４′、係合部材６′、案内溝７′、
摩擦材８′を、前記本体２の回転軸芯Ｙを中心と
した軸対象に設けてもよい。

更に、挟持部材４を外した状態において、これ
を一時係止しておくべく、前記本体２の上部に、
前記挟持部材４，４′を係止する突起９，９′が設
けてもよい。

〔作用〕

少なくとも一本の挟持部材４を、その一端部４
Ａを中心に回動自在に設けてあるので、これの自
由端４Ｂを上方に持ち上げて、芯材３との間にズ
ボンの裾を位置させ、その挟持部材４を下方に回
動し、その端部４Ｂの係合部材６を本体２に刻設
した案内溝７に係合させ、以て、摩擦材８の大き
な滑り摩擦抵抗によつて裾を挟持し、ズボンを吊
り下げることができるのである。

そして、ズボンを外すときも、前記挟持部材４
を少し上方に回動させるだけで、後はズボンを下
方から引き下げるだけで簡単にズボンを外すこと
ができるのである。

そして、こうしたズボンの吊り下げは、挟持部
材４の係止構造として、その自由端４Ｂの係合部
材６を本体２に刻設した案内溝７に没入させる構
造を採り、本体２の厚みを極力薄くすることによ
つて、ズボンの吊り下げのみならず、上着を掛け
ることも可能としていることと、挟持操作を前記
挟持部材４の僅かな上下揺動によつて行うことが
できるようにしていることによつて、上着を掛け
たまま行うことができるのである。

〔実施例〕

本考案にかかるハンガーの一実施例を図面に基
づき以下詳細に説明する。

正面視で略弓形に構成された木製或いはプラス
チツク製のハンガーの上部に鋼線乃至はプラスチ
ツクで製作したフツク１を回動軸芯Ｙ回りに回動
自在に備えて従来と同様のハンガー本体２を構成
している。

前記本体２の両下端２Ａ，２Ｂを、同様の木製
或いはプラスチツク製の薄板状の芯材３で連結し
てある。

この芯材３と実質的に同じ長さに構成した挟持
部材４の一端４Ａ（基端）を、前記芯材４の一側
において、その芯材３の一端に回動軸芯Ｘ方向
に、ワツシヤ５を介して遊びを持たせた状態で回
動自在に枢着してある。

第２図に示すように、前記挟持部材４の他端、
即ち自由端４Ｂの前記芯材３側に係合部材６を突
設し、該係合部材６が係合される所謂、蟻溝形状
の案内溝７を、前記挟持部材４の回動軸芯Ｘを中
心とした略円弧状に前記本体２に刻設してある。

前記芯材３の表面に、摩擦材８の一例としての
スポンジを張りつけてある。このスポンジは、挟
持力を持たせるために段差をつけるのが好まし
く、また、その他の摩擦係数の大きい材質とし
て、ゴムや既に公知の素材を用いることができ
る。

上述じた挟持部材４は、一つのズボンを吊り下
げることができるが、換えズボン等も吊り下げて
おくことができるように、第３図に示すように、
もう一つの挟持部材４′、その両端部４A′，４
B′、係合部材６′、案内溝７′、摩擦材８′を、前
記本体２の回転軸芯Ｙを中心とした軸対象に設け
てある。

又、前記本体２の上部に、前記挟持部材４，
４′を係止する突起９，９′を設け、前記挟持部材
４，４′が非挟持状態にあるときに一時引つ掛け
ておくのである。

尚、前記摩擦材８，８′は、前記挟持部材４，
４′側、或いは前記芯材３の両方に設けてもよい。

〔考案の効果〕

本考案にかかるハンガーによれば、挟持部材の
簡単な上下揺動だけで裾を挟持し、ズボンを吊り
下げることができるのである。

そして、ズボンを外すときも、前記挟持部材を
少し上方に回動させるだけで、後はズボンを下方
から引き下げるだけで簡単にズボンを外すことが
できるのである。

更に、挟持部材の係止構造として、ズボンの係
止機能を持たせるものでありながら、その自由端
の係合突起を本体に刻設した案内溝に没入させる
構造を採り、本体の厚みを極力薄くしてあるの
で、上着を掛けたままの状態において上述したズ
ボンのつり下げ、取り外しを行うことができる作
用効果を奏するのである。

又、請求項によれば、前記本体２の回転軸芯
を中心とした軸対象にもう一つの挟持部材、係合
部材、案内溝′、摩擦材を設けてることによつて、
換えズボン等の２本目のズボンをも吊り下げるこ
とができ、洋服タンスにもスペースを有効利用し
て収納できるのである。

また、請求項によれば、ズボンの吊り下げ、
吊り外し際して、前記挟持部材を仮り止めしてお
けるので、片手が自由となつて吊り下げ操作が行
い易くなるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案にかかるハンガーの実施例を示
し、第１図は、全体の斜視図、第２図は、第１図
の−線矢視断面図、第３図は、全体の背面斜
視図である。 フツク……１、本体……２、両下端……２Ａ，
２Ｂ、芯材……３、挟持部材……４、挟持部材４
の一端……４Ａ、回動軸芯……Ｘ、挟持部材４の
他端……４Ｂ、係合部材……６、案内溝……７、
摩擦材……８。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上部にフツク１を備え、正面視で略弓形に構
   成されたハンガーであつて、本体２の両下端２
   Ａ，２Ｂを芯材３で連結し、この芯材３と実質
   的に同じ長さに構成した挟持部材４の一端４Ａ
   を、前記芯材の一側において、その芯材３の一
   端に回動軸芯Ｘ方向に遊びを持たせた状態で回
   動自在に枢着し、該挟持部材４の他端４Ｂの前
   記芯材３側に係合部材６を突設し、該係合部材
   ６が係合される案内溝７を、前記挟持部材４の
   回動軸芯Ｘを中心とした略円弧状に前記本体２
   に刻設し、前記芯材３又は前記挟持部材４の少
   なくとも一方に摩擦材８を設けてあるハンガ
   ー。 もう一つの挟持部材４′、係合部材６′、案内
   溝７′、摩擦材８′を、前記本体２の回転軸芯Ｙ
   を中心とした軸対象に設けてある請求項に記
   載のハンガー。 前記本体２の上部に、前記挟持部材４、４′
   を係止する突起９，９′が設けられている請求
   項に記載のハンガー。