JPH04330199A - 防水シート取付装置および防水シート取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トンネルの縦断方向お
よび横断方向の適当な範囲の下地面に、防水工としての
防水シートを設置するための防水シート取付装置および
防水シート取付方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、山岳トンネルやシールドトンネ
ル等が湧水箇所を通過する場合、完成後のトンネルの漏
水を防止するため、防水工を施工することが必要である
。このような防水工としては、防水シートを吹付コンク
リートや一次覆工コンクリート等のトンネルの下地面に
敷設し、しかる後に覆工コンクリート等を打設して、下
地面と覆工コンクリートとの間に防水シートを挾んだ防
水構造とする方法が知られている。そして、かかる防水
シートを下地面に敷設するには、従来より、防水シート
をトンネルの下地面に展開し、これをボルト、釘等を所
定間隔で下地面に打ち付けて固定したり、下地面に打ち
付けた釘に円形のビニール板を取り付けておき、これに
防水シートを熱溶着して取り付けたりする方法が採用さ
れていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の防水シートのトンネル内への展張作業は、アーチ
状の下地面に対して行う必要があるところから、自動化
が難しく、防水シートの敷設および保持や釘の打ち込み
による取り付けに多くの人手がかかり、また使用される
防水シートの幅は、その重量上の制約から１．５〜２．
０ｍ幅が一般的であり、これ以上の幅の防水シートでは
作業が極めて困難になるため作業効率の改善を図ること
ができないとう問題点があった。

【０００４】また、この防水シートの敷設や固定の作業
は、トンネル上部の下地面については作業用架台を用い
た高所作業となるため危険を伴うほか、使用される防水
シートの幅が小さいため、防水シート相互の溶着箇所が
多くなり、この結果、防水性能、信頼性が低下するなど
の懸念があった。

【０００５】本発明は上記のような従来の問題点に着目
してなされたものであり、防水シートのトンネルにおけ
る下地面への取付けを自動的かつ安全に実施可能にし、
しかも防水性能を向上できる防水シート取付装置および
防水シート取付方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記目
的に鑑みてなされたものであり、請求項１の発明にかか
る防水シート取付装置は、トンネルの円周方向又は縦方
向に移動する移動手段と、回転によって引出し可能にし
たロール状防水シートと、該防水シートを引出し、前記
移動手段によりトンネル下地面に沿って移動しつつ防水
シートを圧接する展張手段とからなり、該展張手段で前
記下地面に対して接着剤により前記防水シートの一部又
は全部を貼着するようにしたものである。

【０００７】また、請求項２の発明にかかる防水シート
取付方法は、シート接着工程において、トンネルの下地
面に沿って防水シートを敷設し、かつ該防水シートを必
要箇所で接着剤により前記下地面に接着させ、さらに、
シート密着処理工程において、前記防水シートの前記下
地面に対する非接着部を真空処理によって、該下地面に
密着させるようにしたものである。

【０００８】

【作用】請求項１の発明におけるシート展張手段は、移
動手段の移動に伴いロール状防水シートを引出すととも
に、防水シートを下地面に圧接して、該防水シート自身
に予め施された接着剤を介して、またはローラやノズル
によって下地面に塗布される接着剤を介して、防水シー
トを容易かつ迅速に下地面に貼着する。

【０００９】また、請求項２の発明におけるシート密着
処理工程では、所定の接着箇所に囲まれた防水シートの
非接着部と下地面との間から空気を抜取り、真空処理に
よって前記非接着部を下地面に密着させる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を基に詳細
に説明する。

【００１１】図１において、１は一次覆工のトンネル、
２はこのトンネルのアーチ部、３はインバート部、４は
トンネル１内を例えばキャタピラ走行する塗布装置で、
この塗布装置４にはブーム５により伸縮自在に支承され
た接着剤塗布機６が設けられている。なお、この接着剤
塗布機６は図示しない接着剤の送出し部とこの接着剤を
トンネル１のうちアーチ部２の下地面に塗布するローラ
７とを有する。

【００１２】そして本発明の、防水シート取付装置１０
は、トンネル１内を例えばキャタピラ走行する走行装置
８と、走行装置８に取付けられた伸縮及び回動自在のブ
ーム９とを備え、走行装置８とブーム９とは移動手段を
構成している。そして、このブーム９の先端には、ロー
ル状の防水シート１１が引出し可能に取付けられている
。また、１２はブーム９に前記ロール状の防水シート１
１とは離れて設けられたシート展張手段で、これが上記
引出された防水シート１１を下地面に圧接するように作
用する。

【００１３】次に動作について説明する。まず、上記塗
布装置４をトンネル１内の所定位置に移動し、接着剤塗
布機６を作動させる。この接着剤塗布機６は塗布装置４
を移動しながら、または、定位置に止まりながら、ブー
ム５を伸長させて、ローラ７付近に送られる接着剤を、
このローラ７によりトンネル１の下地面に縦断方向また
は横断方向に塗布する。このため、防水シート１１を接
着すべき部位の上記下地面に、接着剤が塗着する。次に
、この接着剤が乾燥する前に、上記接着剤の塗布位置へ
防水シート取付装置８を移動させ、ブーム９を周方向へ
移動してシート展張手段１２により防水シート１１を引
出すとともに、引出した防水シート１１をさらにシート
展張手段１２よってトンネルの下地面に圧接する。そし
て前記防水シート１１を上記塗布された接着剤上に連続
的に圧接して上記下地面に周方向に展張していく。引続
いて、トンネル方向に連続して防水シート１１を展張す
るべく防水シート取付装置１０をシート幅分トンネル方
向に移動し、防水シート１１の端部を重ねて同様の作業
を行ない所定幅の次の列の防水シート１１を展張する。 さらに同様の作業を順次繰返し、トンネルの所定領域全
体に防水シート１１を展張してゆく。ここで、一の工程
で施工される防水シート１１の幅は、シート展張手段１
２の幅を変えることにより任意に設定することができる
。また、図１の実施例では接着剤塗布機６にローラ７を
用いたものを示したが、ローラ７に代えて接着剤を下地
面に吹き付ける吹き付け機を用いてもよい。

【００１４】図２はこの発明の別の防水シート取付装置
を示す。これはトンネル１内を走行する走行装置２１上
に油圧ジャッキ式の伸縮自在なブーム２２を仰角変位自
在に取り付けて、このブーム２２上端に、ロール状の防
水シート１１を引出し可能に支持する軸部材２３と、引
出された防水シート１１を接着剤を介して下地面に接着
させるシート展張手段２４と、下地面に接着剤を塗布す
る接着剤塗布ローラ２５とを取り付けたもである。この
うち軸部材２３はロール状の防水シート１１の中心を貫
通して、軸受２６に回転自在に取付けられ、一方シート
展張手段２４は、ブーム２２上に伸縮自在に設けたアー
ム２７と、このアーム２７の先端に回転自在に取り付け
た押圧ローラ２８とにより構成される。また、接着剤塗
布ローラ２５は、ブーム２２上に連設した固定アーム２
９の端部に取付けた接着剤容器３０内に設けられ、この
接着剤容器３０内には、チューブ３１を通じて走行装置
２１の接着剤供給装置から接着剤が適量ずつ供給される
ようになっている。

【００１５】かかる構成になる防水シート取付構造では
、走行装置２１をトンネル１内の所定部位に位置させた
後、定位置でまたは移動しながらブーム２２を伸長また
は収縮させ、シート展張手段２４や接着剤塗布ローラ２
５がトンネル１の下地面に対し適当な距離を保つように
する。次に、接着剤塗布ローラ２５を下地面に接触させ
て、ブーム２２を仰角が変わるように変位させる。この
ため、接着剤塗布ローラ２５は接着剤容器３０内の接着
剤を表面に付け、これを下地面に塗着していく。一方、
このようなブーム２２の変位動作に従って、シート展張
手段２４により防水シート１１が上記軸部材２３から引
出され、この引出された防水シート１１が、アーム２７
の伸圧を受けて下地面を押圧する押圧ローラ２８により
、接着剤塗布直後の下地面に連続的に圧着されていく。

【００１６】図３はこの発明のさらに別の防水シート取
付装置を示す。これは図２に示す接着剤塗布ローラ２５
および接着剤容器３０に代えて、副数本の接着剤塗布ノ
ズル４１を用い、また、押圧ローラ２８に代えて、ロー
ラ４２，４３に架設したエンドレスベルト４４からなる
押圧ベルト装置４５を用いたものである。この場合には
、接着剤を接着剤塗布ノズル４１から下地面に噴射して
塗布し、上記のように引出した防水シート１１を、シー
ト展張手段を構成する押圧ベルト装置４５によって広い
領域に亘って下地面に確実に圧着させる。従って、防水
シート１１の取付作業が迅速に行えるとともに、所期の
接着強度が十分に得られることとなる。なお、この接着
剤塗布ノズル４１に代えて図２の接着剤塗布ローラ２５
を用いたり、押圧ベルト装置４５に代えて押圧ローラを
用いることもできる。また、上記実施例では接着剤をト
ンネル１の下地面に塗布する工程を要する場合を示した
が、防水シート１１に予め接着剤が塗布されているもの
を使用すれば、上記の接着剤塗布機６、接着剤塗布ロー
ラ２５、接着剤塗布ノズル４１等の塗布手段を用いるこ
となく本発明を実施することも可能になる。また、隣接
する防水シート１１間のジョイントは、これらのオーバ
ラップ部を再び接着剤によって接着することによりなさ
れればよく、また、必要に応じて溶着などの作業を施す
ことも任意である。さらに、上記実施例では、トンネル
の円周方向に防水シート１１を展張してゆく場合につい
て述べたが、走行装置を移動しつつ軸方向に防水シート
１１を展張してゆくこともできる。

【００１７】ところで、上記のように防水シート１１を
トンネル１の下地面に接着した場合において、この接着
が不完全となる場合、つまり下地面と防水シート１１と
の間隙に空気が滞留する場合には、この間隙に漏水が溜
ることが予想されが、このような場合には、例えばその
空気が溜った空隙に、防水シート１１に刺した吸気針の
先端を臨ませ、この吸気針により空隙内の空気を外へ吸
い出し負圧化することで、その防水シート１１を下地面
に密着させることができる。なお、この密着後は、防水
シート１１にできた針孔を接着剤で塞ぐ必要がある。ま
た、防水シート１１の複数箇所に、吸気針を抜いた後そ
の針孔を自動的に閉じる生ゴムなどによるバルブ部材を
設けてもよい。

【００１８】また、トンネル１の下地面に沿って防水シ
ート１１を敷設する際に、この防水シート１１の必要箇
所のみを、接着剤により下地面に対し接着し（シート接
着工程）、次いで所定の接着箇所に囲まれた防水シート
の非接着部と下地面との間から空気を抜取り、真空処理
によって前記非接着部を下地面に密着させる（シート密
着処理工程）方法も採用することができる。この方法に
よれば接着剤の使用量を大幅に減少させることができる
。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明によれば
、移動手段と、引出し可能にしたロール状防水シートと
、該防水シートを引出し、前記移動手段によりトンネル
下地面に沿って移動しつつ防水シートを圧接する展張手
段とにより構成したので、防水シートの下地面に対する
取付け作業を自動化によって省力化でき、人間による高
所作業を省略して、安全、確実に防水シートに展張作業
を行なうことができる。また、防水シートの展張幅を大
きくすることにより、展張作業を迅速化、効率化できる
とともに、防水シート相互の溶着や接着箇所が激減し、
防水処理後の止水性およびこの止水性に対する信頼度が
向上するという効果が得られる。

【００２０】また、請求項２の発明によればシート接着
工程において、トンネルの下地面に沿って防水シートを
展張し、かつ該防水シートを必要箇所で接着剤により上
記下地面に接着させ、続いて、シート密着処理工程にお
いて、上記防水シートの上記下地面に対する非接着部を
真空処理によって、該下地面に密着させるようにしたの
で、接着剤の使用量を大幅に減らしながら、防水シート
の下地面に対する密着性を十分に確保できるとともに、
防水シートの接着作業能率をさらに効率化できるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の防水シート取付構造を示す概念図で
ある。

【図２】この発明の他の防水シート取付構造を示す概念
図である。

【図３】この発明のさらに他の防水シート取付構造を示
す概念図である。

【符号の説明】

１　　トンネル ８，２１　　走行装置（移動手段） ９，２２　　ブーム（移動手段） １１　　ロール状防水シート １２，２４　　シート展張手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　トンネルの円周方向又は縦方向に移動
   する移動手段と、回転によって引出し可能にしたロール
   状防水シートと、該防水シートを引出し、前記移動手段
   によりトンネル下地面に沿って移動しつつ防水シートを
   圧接する展張手段とからなり、該展張手段で前記下地面
   に対して接着剤により前記防水シートの一部又は全部を
   貼着することを特徴とする防水シート取付装置。
2. 【請求項２】　　トンネルの下地面に沿って防水シート
   を敷設し、かつ該防水シートを必要箇所で接着剤により
   前記下地面に接着させるシート接着工程と、前記防水シ
   ートの前記下地面に対する非接着部を真空処理によって
   、該下地面に密着させるシート密着処理工程とからなる
   防水シート取付方法。