JPH0432959B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、たとえばルームクーラに組み込まれ
る密閉形圧縮機に係り、特に騒音の低減を図つた
密閉形圧縮機に関する。

（従来の技術） 従来の密閉形圧縮機、たとえば密閉形回転圧縮
機は、第１図に示すように、密閉ケーシング１の
内部上方に電動機２を設け、この電動機２から下
方に延びる軸３の下端に一体に形成した大径部４
を挟むように圧縮装置５の主軸受６および副軸受
７を設けて構成されている。

上記圧縮装置５は、第２図に示すように、主軸
受６、副軸受７およびこれらの間に位置するシリ
ンダ８を有して構成され、上記大径部４に外嵌し
たローラ９に弾接するブレード１０の協働作用で
シリンダ８内に圧縮室を形成している。一方上記
主軸受６の適当位置には吐出ポート１１が設けら
れて、この吐出ポート１１にはリード弁からなる
吐出弁１２が配設されている。そして上記主軸受
６の吐出弁１２を含む区域を覆うように略円筒形
のバルブカバー１３が装着されている。

上記吐出弁１２は、第３図に示すように、一端
側にねじ孔を有する弁ストツパ１２ａによりボル
ト１４を介して主軸受６に取付けられている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記の密閉形圧縮機では、弁の
打撃音等の騒音が大きいという不具合があつた。

本発明は、上記した点に鑑みてなされたもの
で、部品数を増大することなしに騒音の低減を図
ることができる密閉形圧縮機を提供することを目
的としている。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本発明に係る密閉形
圧縮機は、密閉ケーシング内に電動機とこの電動
機に直結した圧縮装置とを備え、圧縮装置に設け
た吐出ポートに吐出弁を配設するとともに、上記
圧縮装置に上記吐出弁をフリー弁で構成するとと
もに、上記バルブカバー内に上記フリー弁を囲む
ように吐出孔を有する一端開口の筒状部材からな
る弁ストツパーを弾接部材により圧縮装置に弾接
させて設け、バルブカバー内にバルブ室を画成し
たものである。

（作用） フリー弁が主軸受に着座するときに生ずる弁打
撃音、吐出ガスの流出に伴う流動音等の騒音は、
一旦弁ストツパー内のバルブ室で低減され、さら
にバルブカバー内で低減される。したがつて、十
分な騒音低減効果が得られる。また、弁ストツパ
ー自体で騒音を低減するものであり、部品数を増
大することもない。さらに、弁ストツパーを弾接
部材により圧縮装置に弾接させて設けたので、液
圧縮時に弁ストツパーが圧縮装置から浮き上がつ
て通路が形成され、吐出弁を保護することができ
る。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面につき説明する。な
お第４図において第２図と同一部材については同
一符号を付す。

第４図において、符号２０は、フリー弁であつ
て、このフリー弁２０は、主軸受６の吐出ポート
１１に配置されている。そしてこのフリー弁２０
を囲むようにバルブカバー１３内にバルブ室を画
成する弁ストツパー２１が設けられている。

上記弁ストツパー２１は、一端開口の筒状をな
しており、側壁には吐出孔２２がまた上壁には内
方に突出する支持突部２３が形成されている。上
記支持突部２３は、コイル状バツクアツプスプリ
ング２４を装着支持するとともに、上下動するフ
リー弁２０のストツパとして作用する。上記側壁
はフリー弁２０の横方向の動きを規制する。上記
バツクアツプスプリング２４は、弁ストツパー２
１内に形成されるバルブ室２５に配設され、フリ
ー弁２０を吐出ポート１１に弾接させている。

一方上記弁ストツパー２１の上面とバルブカバ
ー１３の間には弾接部材としての波形ワツシヤ２
６が設けられていて、弁ストツパー２１を主軸受
６の面に弾接させバルブ室２５を画成している。

次に、組立順序を説明する。

主軸受６の吐出ポート１１にフリー弁２０を配
置するには、まずフリー弁２０を吐出ポート１１
上に置き、次に弁ストツパー２１の支持突部２３
にバツクアツプスプリング２４を装着し、この弁
ストツパー２１をフリー弁２０を囲むように主軸
受６上に置く。ついで弁ストツパー２１上に波形
ワツシヤ２６を置いた後、バルブカバー１３を通
常の手段で主軸受６に装着する。これによりフリ
ー弁２０の取付けが完了する。

上記実施例において、圧縮機が駆動されると冷
媒が図示しない吸込管からシリンダ８内に吸込ま
れて圧縮され、圧縮されたガスはフリー弁２０を
押し上げて主軸受６の吐出ポート１１から弁スト
ツパー２１内に形成されたバルブ室２５に吐出さ
れる。バルブ室２５に吐出された吐出ガスはさら
に、弁ストツパー２１の側壁に形成された吐出孔
２２を通つてバルブカバー１３に吐出され、ま
た、このバルブカバー１３に形成された図示しな
い吐出孔を通つて密閉ケーシング１内に吐出され
る。このとき、上記フリー弁２０が主軸受６に着
座するときに生ずる弁打撃音、吐出ガスの流出に
伴う流動音等の騒音は、一旦弁ストツパー２１内
のバルブ室２５で低減され、さらにバルブカバー
１３内で低減される。したがつて、十分な騒音低
減効果が得られる。また、弁ストツパー２１自体
で騒音を低減するものであり、部品数を増大する
こともない。さらに、液圧縮運転が生じたとき、
吐出ポート１１から容積の小さなバルブ室２５に
高圧の気液混合冷媒が吐出される。このとき、弁
ストツパー２１は波形ワツシヤ２６を変形させて
浮き上がり、弁ストツパー２１と主軸受６との間
に隙間（吐出通路）が形成される。そのため、フ
リー弁２０に大きな圧力が作用することを防止で
き、フリー弁２０の破損を防止することができ
る。

第６図は本発明の他の実施例を示すものであつ
て、この場合弁ストツパー３０の下端が外方にカ
ールされ、このカール部分３１で弾接部材として
のコイルばね３２を支持し、弁ストツパー３０を
主軸受に弾接させている。

なお、図示しないが弁ストツパー３０を、一端
側に切欠を有する板ばねで作つたストツパーに装
着し、このストツパーを圧縮装置５に固着しても
良い。

さらに、上記両実施例は本発明を密閉形回転圧
縮機に適用したものについて説明したが、本発明
はこれに限らず、種種の密閉形圧縮機に適用可能
である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明は吐出弁をフリー
弁で構成し、このフリー弁を囲むように吐出孔を
有する一端開口の筒状部材からなる弁ストツパー
を設け、バルブカバー内にバルブ室を画成したの
で、フリー弁が主軸受に着座するときに生ずる弁
打撃音、吐出ガスの流出に伴う流動音等の騒音
は、一旦弁ストツパー内のバルブ室で低減され、
さらにバルブカバー内で低減される。したがつ
て、十分な騒音低減効果が得られる。また、弁ス
トツパー自体で騒音を低減するものであり、部品
数を増大することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の密閉形圧縮機の縦断面図、第２
図は第１図の要部拡大断面図、第３図は吐出弁部
分の断面図、第４図は本発明の一実施例に係る密
閉形圧縮機の要部拡大断面図、第５図は第４図の
要部の斜視図、第６図は本発明の他の実施例に係
る密閉形圧縮機の要部断面図を示したものであ
る。 ６……主軸受、１１……吐出ポート、１３……
バルブカバー、２０……フリー弁、２１……弁ス
トツパー、２２……吐出孔、２３……支持突部、
２４……バツクアツプスプリング、２５……バル
ブ室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉ケーシング内に電動機とこの電動機に直
   結した圧縮装置とを備え、圧縮装置に設けた吐出
   ポートに吐出弁を配設するとともに、上記圧縮装
   置に上記吐出弁を覆うようにバルブカバーを装着
   した密閉形圧縮機において、上記吐出弁をフリー
   弁で構成するとともに、上記バルブカバー内に上
   記フリー弁を囲むように吐出孔を有する一端開口
   の筒状部材からなる弁ストツパーを弾接部材によ
   り圧縮装置に弾接させて設け、バルブカバー内に
   バルブ室を画成したことを特徴とする密閉形圧縮
   機。