JPH04327155A - 蓋体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は保存性、密封性、易開封
性に優れた蓋体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来プラスチックガスバリア性容器はエ
チレンビニルアルコール共重合体（以下ＥＶＯＨと略す
）や塩化ビニリデン系樹脂（以下ＰＶＤＣと略す）等の
ガスバリア性熱可塑性樹脂、あるいはアルミニウム箔を
バリア層とし、他のヒートシール性樹脂や保護層を組み
合わせた多層フィルムが多く用いられてきた。しかし、
これらのフィルム状蓋では内容物が液体を含むものであ
ると、開封時に内容物が容器からこぼれてしまうという
欠点や、内容物の劣化を促進する空気を排除するために
は内容物を容器からオーバーフローさせた状態でシール
する必要があり、内容物がシールフランジ上にあるため
、シール不良を生じ易いという欠点があった。

【０００３】これらの欠点を解消するものとしては、容
器内に落しこんだ成形蓋（以下落し蓋と略す）が用いら
れている。しかし、ガスバリア性に優れるアルミニウム
箔を用いた落し蓋は、容器に沿った自由な形状のものが
成形しずらいという欠点を有していた。一方プラスチッ
ク性落し蓋は自由な形状はとれるものの、フィルム蓋に
比べるとシール部分が厚くなるためシール性に劣り、ま
た容器本体に比べると全体の厚みが薄くなるため、ガス
バリア性に限界があるという欠点を有していた。

【０００４】これらを解消せんと、特開平２−２０５５
５１号公報、特開平２−１９１１６２号公報等に開示さ
れている如き、射出成形品とアルミニウム箔を組み合わ
せた保存性に優れた落し蓋が提案されているが、これら
は非常に高価であり、一般の用途に用いにくいという欠
点や形状に限界があるという欠点を有していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれらの
従来技術の現状を鑑み、より優れた蓋体を得んと鋭意努
力し検討したところ、プラスチック成形品とアルミニウ
ム箔多層フィルムの組合せにより、達成できるとの見通
しを得た。その目的とするところは、落し蓋の形状の自
由性を損なうことなく、容器内部の酸素を除去でき、か
つ容易に開封でき、保存性に、シール性に優れた蓋体を
提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は少なくとも２層
の複合シートを中空部となる凹部を持つように成形し、
該中空部を食品に少なくとも不活性なガスで置換するか
あるいは酸素吸収剤を封入し、ガスバリア性に優れるフ
ィルムによりシールされた蓋体において、容器本体とシ
ールするシール層の少なくとも最内側に超音波処理によ
り無数の微小凹部を形成させ、該蓋体のシール層とその
隣接する層との層間剥離強度Ｘとシール層と容器本体と
のシール強度Ｙと微小凹部でのシール層の切断強度Ｚと
の関係がＺ＜Ｘ＜Ｙであることを特徴とする蓋体である
。

【０００７】本発明で用いられる蓋体の構成はプラスチ
ック落し蓋は任意の熱可塑性樹脂が用いられる。これは
単層でもよいし、いくつかの組合せで用いてもよい。例
えば、ポリプロピレン（以下ＰＰと略す）、ポリエチレ
ン（以下ＰＥと略する）、エチレン酢酸ビニル共重合体
（以下ＥＶＡと略する）、ポリスチレン（以下ＰＳと略
する）、ポリカーボネート（以下ＰＣと略する）、ポリ
エチレンテレフタレート（以下ＰＥＴと略する）、ポリ
ブチレンテレフタレート（以下ＰＢＴと略する）等が用
いられる。これらを多層化する方法としては、共押出法
、共押出ラミネート法、押出ラミネート法ドライラミネ
ート法等の公知の積層化技術が用いられる。又、これら
のフィルム及び多層フィルムを成形する方法としては、
一般的には真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法が
用いられるが、場合によっては射出成形を用いても良く
、任意のプラスチック成形法を用いて成形される。

【０００８】本発明はアルミニウム入り多層フィルムは
前述の落し蓋成形品の外層樹脂と溶着が可能な熱可塑性
樹詣フィルムを配し、バリア層としてアルミニウム箔を
配し、外層にＰＥＴ、ナイロン（以下ＮＹと略する）、
ＰＰを保護層として配したものが用いられる。これらの
多層フィルムを製造する方法としては、共押出法、共押
出ラミネート法、押出ラミネート法ドライラミネート法
等の公知の積層化技術が用いられる。又、アルミニウム
箔入り多層フィルムと落し蓋成形品を溶着する方法とし
ては、公知のヒートシール法、超音波シール法、高周波
シール法が用いられる。

【０００９】本発明で落し蓋内をガス置換する方法とし
ては、食品保存に不活性な二酸化炭素、窒素を落し蓋内
部にフラッシュするか、真空置換するかで内部空気を排
除し、置換したうえで、溶着される。また酸素吸収剤を
落し蓋内部に入れる場合は置換の必要はない。また、食
品を食する際に必要な箸、フォーク等の添付物や調味料
等の副次的な内容物についてもこの溶着が行われる際に
落し蓋に入れることが可能である。

【００１０】

【作用】本発明の蓋体の作用について図を参照しながら
説明する。本発明は図３に示したようにプラスチック製
落し蓋１は内容物が入る容器本体３の側面に沿うような
形で成形されたものであり、この形状により容器本体に
含まれる空気が物理的に排除される。また落し蓋１と容
器本体３の間には若干の隙間があり、これにより内容物
のオーバーフローが抑えられ、容器本体のフランジ部に
内容物が付着される事無くシールされるために、シール
安定性が得られる。

【００１１】また、本発明によると、蓋体４は成形部分
の落し蓋１がアルミニウム多層フィルム２により二重に
シールされているために、十分な保存性を保つことが可
能である。これは落し蓋１とアルミニウム多層フィルム
２とをシールすることにより形成される中空部５が不活
性ガスで置換されていない場合には、中空部の空気が内
容物に影響を与えるが、本発明では中空部５が不活性ガ
ス置換されているために、内容物の保存については何ら
悪影響を与えない。図４に示すように中空部５に酸素吸
収剤６が封入された場合では中空部の空気の内、食品に
悪影響を与える酸素は吸収され、ガス置換した場合と同
じ効果を示すこととなる。また、この場合では容器内部
に若干残った酸素を吸収する効果も見られる。

【００１２】次に本発明で用いられる開封方法について
述べる。本発明で用いられる易開封法としては効果的な
のは、落し蓋の構成を少なくとも２層構成にし、図１及
び図２に示すように容器本体との落し蓋４のシール層Ａ
に超音波処理により無数の微小凹部Ｃを形成させ、該落
し蓋のシール層Ａとその隣接する層Ｂとの層間剥離強度
Ｘとシール層Ａと容器本体とのシール強度Ｙと落し蓋の
最内側に設けた開封終了部となる微小凹部Ｃでのシール
層Ａの切断強度ＺがＺ＜Ｘ＜Ｙという関係を満たすよう
な落し蓋を用いる。

【００１３】こうすることにより、図５に示すようにフ
ランジ部外端の落し蓋の断面から容易に開封ができ、微
小凹部Ｃで落し蓋の剥離は終了し開封が終了する。この
とき、容器本体と落し蓋はシール強度Ｙで強固しシール
され密封性に何ら影響は与えない。又、図６に示す様に
、微小凹部を初期開封部と開封終了部の２個所に設けて
も同じ作用により、容易に開封することが出来る。

【００１４】本発明では上記に示した開封法が最も好ま
しいと考えるが、落し蓋の容器本体とのシールにおいて
、公知の技術である落し蓋のシール層樹脂自体を容器本
体のシール層と適度のシール強度で溶着させる方法を用
いても何ら差し支えない。

【００１５】

【実施例】表１に示す構成による蓋体を作成した。成形
部分の材料を個々の厚みになるように共押出法を用いて
作成した。落し蓋成形品はこれらのシートを用いて、真
空成形法により作成した。アルミニウム多層フィルムは
個々の材料をドライラミネート法により作成した。表１
で用いられる微小凹部を有した落し蓋は超音波による加
工により行った。又、容器本体については、表１に示す
構成のものを、まず共押出によりシート化し、それを真
空成形法により作成した。また、比較例として、実施例
と同じく作成した落し蓋容器を使用した。

【００１６】評価方法としては、シール性についてはシ
ール後蓋上部より加圧し内容物の漏れを調べた。保存性
については内容物としてカレーソースを作成し、容器本
体に充填、実施例、参考例の蓋体でシールした後、レト
ルト殺菌を行い半年間常温で保存した後に開封し、食用
にしその内容物の変化度合を調べることにより比較した
。また、開封性についても、数人のモニターによる開封
感比較により行った。結果を表２に示す。

【００１７】

【表１】

【００１８】

【表２】

【００１９】

【発明の効果】本発明に従うと実施例に示すように本発
明による蓋体を用いると、落し蓋の形状の自由性を損な
うことなく、容器内部の酸素を除去できるために保存性
に優れた食品容器を提供することができる。またシール
性に優れた、安定した密封性が得られ、かつ開封しやす
い食品容器が得られる。また、前述の従来技術の欠点が
解消でき、保存性に優れたプラスチック製容器の蓋体と
して好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の蓋体の断面図である。

【図２】図１の蓋体の微小凹部を示す部分拡大図であり
、（ａ）は断面図、（ｂ）は下面図である。

【図３】本発明の蓋体を使用した容器の一実施例を示す
断面図である。

【図４】本発明の蓋体を使用した容器の他の実施例を示
す断面図である。

【図５】本発明の蓋体を使用した容器の開封方法を示す
一部断面図である。

【図６】容器本体とのシール面に微小凹部を設けた他の
例を示す本発明の蓋体の部分断面図（ａ）及び拡大部分
下面図（ｂ）である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　少なくとも２層の複合シートを中空部
   となる凹部を持つように成形し、該中空部を食品に少な
   くとも不活性なガスで置換するかあるいは酸素吸収剤を
   封入し、ガスバリア性に優れるフィルムによりシールさ
   れた蓋体において、容器本体とシールするシール層少な
   くとも最内側に超音波処理により無数の微小凹部を形成
   させ、該蓋体のシール層とその隣接する層との層間剥離
   強度Ｘとシール層と容器本体とのシール強度Ｙと微小凹
   部でのシール層の切断強度Ｚとの関係がＺ＜Ｘ＜Ｙであ
   ることを特徴とする蓋体。