JPH0432381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の分野） 本考案は複写機における排出シートの巻き受け
装置に関する。

（従来技術の説明） 従来この形式の排出シート巻き受け装置として
は、 (イ) シートの巻き癖を利用して側部と底部のそれ
ぞれのベルト案内により巻き受けを行なう装
置、 (ロ) 円形または円筒形のガイドとその途中の部分
が巻き受けシートの取り出し用として開閉でき
るように成つている装置、 (ハ) シート排出部に備える巻き取り軸に依つて処
理する装置、等 が提案されている。

しかしながら、前記(イ)の装置の場合はシートの
巻き癖が逆のときもあり得て巻き受けがベルト案
内通りに為されず排出シートがその装置の外に落
下してしまつたり、仮にシートの巻き癖がベルト
案内通りであつてもワインデイングが大巻きにな
つて所望の例えば10メートル以上のワインデイン
グをその装置内で処理することが不可能になる恐
れがある。また、(ロ)の装置の場合は排出シートを
ワインデイングさせる処が固定的あるいは強制的
に円筒状に形成される長尺の一体ガイド板である
と、排出シートの巻き芯となる部分がガイド板の
内面で決められ、追随するシートの処理ができな
くなる恐れがあり、仮に、排出シートのガイドが
円形状のリンクになつていても排出シートの巻き
径が所々で変化し、特に幅方向で見て両外の部分
が脹れ気味となりこれもまた相当数のシートの巻
き受け能力をほとんど満足することができない。
また、(ハ)の装置の場合は最初に排出するシートの
先端部を巻き取り軸に巻き付けると言う面倒な作
業を伴ない不便である。

（考案の目的） 従つて、本考案の目的は、排出口に通じる排出
シートの巻き受け経路の前半部に第１湾曲案内部
材を配設しこの第１湾曲案内部材の所々に回転コ
ロを頭出しさせ、排出シートの巻き受け経路の後
半部である第２湾曲案内部材に接続する部分を前
記第１湾曲案内部材と交互に交叉した移行部分と
することにより、排出シートが確実に且つ円滑に
巻き癖を与えられながら搬送されるようにするこ
とである。

本考案の他の目的は、前記第２湾曲案内部材
の、前記第１湾曲案内部材と交叉する側の一端部
と結合して第２湾曲案内部材を支承すると共に該
第２湾曲案内部材を覆う形で他端部が廻動可能に
支持されて成る枠体を設け、この枠体の自重の助
けを得て更に排出シートを確実に且つ円滑に円筒
状に形成させることである。

本考案の更に他の目的は、帯状のスプリング部
材を使用して軽量化した第２湾曲案内部材を第１
湾曲案内部材の湾曲径より小さ目の径で所々に配
備させることにより、排出シートがこれらの案内
部材に沿つて確実に且つ円滑に巻き芯の形状へと
きわめて自然に移行されるようにすることであ
る。

本考案の更に他の目的は、前記第２湾曲案内部
材が排出シートをワインデイングして行くに伴な
つて浮き気味に開かれるようにすることにより、
排出シートの巻き受けの部分理能力を所望の長さ
（例えば10数メートル以上）に増大させる排出シ
ートの巻き受け装置を提供することにある。

（考案の概要） 本考案によれば、複写機の排出口から排出され
るシートをその始端部で受けるようになつており
且つその終端部を部分的に櫛状部分とした第１湾
曲案内部材を前記排出口の下方に設け、該第１湾
曲案内部材には複数列のシート案内用のローラ部
材を部分頭出し状態で設けて成る複写機における
排出シートの巻き受け装置であつて、 該第１湾曲案内部材を覆う枠体にして、その自
由端部が部分的に櫛状とされ且つ前記第１湾曲案
内部材の終端部の前記櫛状部分に隣り合つて位置
付けられ、支承端部が前記複写機の排出口に隣り
合つて廻動自在に結合されて成る枠体と、 該枠体及び前記第１湾曲案内部材間に於て該第
１湾曲案内部材と共に略円筒を形成するべく配設
され且つその始端部が前記第１湾曲案内部材の終
端部の櫛状部分と交互に交叉する状態で前記枠体
の自由端部の櫛状部分に各々結合されて成る複数
の第２湾曲案内部材と、 を含み、 それによつて前記第２湾曲案内部材が、前記枠
体と共に前記第１湾曲案内部材との交叉部分に於
て開閉自在とされていることを特徴とする 前記複写機における排出シートの巻き受け装置
が提供される。以下にその実施例を図面を参照し
てより具体的に説明する。

（好ましい実施例の説明） 第１図は本考案の実施例を示す複写機における
排出シートの巻き受け装置の断面図であつて、符
号１は複写機のシート排出口であり、このシート
排出口１はトツプカバー２のガイド板２ａと正面
カバー３のガイド板３ａとにより形成される。符
号４はトツプカバーのガイド板２ａに一端部が固
着され他端部が排出シートを巻き受け装置５に円
滑且つ確実に導く、例えばマイラーのような樹脂
性薄板で構成される導入案内板である。符号６は
複写機の全幅に亘り横設された巻き受け装置用正
面カバーである。該巻き受け装置用正面カバーの
内部には、前記導入案内板４に引き続く巻き受け
装置の前半経路を形成し排出シートに巻き癖を与
えるべくこの板の下方部分とその始端部が前記導
入案内板４と交叉状態に配設される、断面で見て
円形状の第１湾曲案内部材７が、前記巻き受け装
置用正面カバー６と並設される。この第１湾曲案
内部材７は固定部材７ａによつて巻き受け装置の
側板に取り付けられ、またその終端部が固定部材
７ｂによつて正面カバー６の取り付け部６ａに固
着される。またこの第１湾曲案内部材７には数箇
所に切り欠き孔７ｃが形成され、底部でコロ形回
転体から成る第１のローラー部材８とやや正面部
で同様にコロ形回転体から成る第２のローター部
材９とが前記湾曲案内部材７の切り欠き孔７ｃよ
り部分頭出し状態にて前記巻き受け装置の側版に
軸受部材１０によつて取り付けられる。

これら第１及び第２の各ローラー部材８，９
は、第２図で説明する複写機の駆動力を受けて動
作中排出シートの搬送方向に回転される。またこ
の第１湾曲案内部材７には正面に当る始端部に適
宜箇所に切り欠き溝７ｄが設けられる。これら切
り欠き溝７ｄは巻き受け装置の後半経路として排
出シートに円筒状な巻き付けを開始させるべく設
けられる、前記切り欠き溝７ｄに対応する数個の
帯状且つ断面視円形状の、例えば鋼板ストリツパ
ーの様な弾性薄片で構成される第２湾曲案内部
材、即ち湾曲巻き受け案内片１１に受け入れるた
めの巻き受け装置用正面カバーの切り欠き溝６ｂ
と共に設置される。

湾曲巻き受け案内片１１は、その自由端部１１
ａがやや内方に向けられ、その始端部１１ｂはこ
の湾曲巻き受け案内片１１を所定の位置に位置決
めするべく、巻き受け装置の枠体、即ち蓋体１２
の自由端部１２ａの櫛状部分に固着部材１３によ
つて各々固定取り付けされる。これら湾曲巻き受
け案内片１１の始端部１１ｂは前記第１湾曲案内
部材７の切り欠き溝７ｄと対応して交互に交叉さ
れそれにより、前記第１湾曲案内部材７と連係し
て前記前半経路から後半経路への移行部を形成す
る。尚、湾曲巻き受け案内片１１の取り付け個数
は排出シートのサイズ950mm（AO版）で５片が
適当である。符号１４は装置側部間に横架する梁
１５に固着されるストツパーであつて、前記蓋体
１２の櫛状先端部１２ａと共に湾曲巻き受け案内
片１１の始端部１１ｂを先端において開放可能に
支えている。

蓋体１２の支承端部１２ｂは巻き受け装置の側
板に廻動自在に支承された棒部材１６に固着され
ており、蓋体１２の全部が湾曲巻き受け案内片１
１と共に棒部材１６を支軸として開閉可能に形成
される。符号１７は巻き受け装置５の両側部に設
けられる装置全体を複写機に連設させるための取
り付け具である。

第２図は本考案の実施例を一つの例としてジア
ゾ系複写機に連設させた場合の要部の断面横視図
であつて、符号１０１は複写機の排出口、１０２
は複写機のトツプカバー、１０３は複写機の正面
カバー、１０４は巻き受け装置の導入案内部材、
１０５は巻き受け装置、１０６は巻き受け装置用
正面カバー、１０７は巻き受け装置の前半経路を
構成する第１湾曲案内部材、１０８は複写機の駆
動力を図示しないスプロケツト、チエーンベルト
及びギヤー等によつて伝達し実線矢印で示す方向
に回転されてコロが廻動する第１ローラー部材で
あつて、実線矢印で示す排出シートＳ（この例で
はロール形式のジアゾ感光シート）に巻き癖を円
滑に与えるようにしてある。１０９は排出シート
Ｓの搬送方向で見て第１ローラー部材１０８の前
方に間隔をあけて設けられる第２ローラー部材で
あつて、第１ローラー部材１０８と同様に実線矢
印で示す方向にコロが廻動して排出シートの巻き
癖をより一層増大させる働きを果している。１１
１は第１湾曲案内部材１０７と交互に交叉するよ
うに連設する第２湾曲案内部材であつて、スプリ
ング案内片の形状を有し第１湾曲案内部材１０７
の湾曲径に比して小さい湾曲径で形成され進入す
る排出シートを巻き芯に巻き付けるようにきわめ
て自然に巻き受けできる働きを果している。１１
２は枠体、１１２ａは枠体の櫛状先端部、１１４
は第２湾曲案内部材１１１の後端部と枠体１１２
の先端部との結合部分を支承するストツパー、１
１６は枠体１１２の根元部に固着して枠体１１２
と共に第２湾曲案内部材１１１を開閉可能に支え
る軸部材であつて、１１７は巻き受け装置１０５
の取り付け部材である。

複写機１８のフイールドテーブル１９の下方に
セツトされるロール感光シートＳはそのテーブル
１９に実線矢印で示すように引き出され、その感
光シートＳの上に鎖線矢印で示す原稿シートＯを
重ねて焼付露光部２０に挿入される。焼付露光部
２０は内部にランプ２１を有するシリンダー２２
と駆動ローラ２３及び数本のローラー２４の間で
掛け渡されるベルト２５が駆動ローラー２３の実
線矢印方向に回転されることでそれに連れて廻動
されそのベルト２５の廻動に伴なつてシリンダー
２２も回転されその焼付露光部２０の挿入口に原
稿シートＯと露光シートＳを挿入させると大凡シ
リンダー２２とベルト２５に挟まれている間ラン
プ２１によつて焼付露光が行なわれるようになつ
ている。原稿シートＯを何枚か挿入しても感光シ
ートＳは切断されずに連続シートとして焼付露光
することが多々見受けられ時には連続シートで15
メートル以上にもなることがある。

焼付露光部２０を排出する原稿シートＯと感光
シートＳは原稿トレー２６の所で原稿シートＯの
みを残して感光シートＳがベルト２５の上に乗せ
られてその廻動に連れて現像部２７に搬送され
る。

現像部２７は現像槽２８の上方に設けられる現
像ローラー２９とプレツシヤブレード３０と間で
液供給管３１よりミーターブレード３２を経て供
給される現像液により現像ローラー２９が実線矢
印の方向に回転駆動中に現像を行なうようにして
ある。

現像され現像部２７を出る感光シートＳは一対
の排出ローラー３３，３４を通つて転向部材３５
に導かれ、転向部材３５が実線で示す位置にあれ
ば正面に排出され、二点鎖線で示す位置にあれば
バツクガイド板３６に沿つて裏面に排出される。
この第２図においては本考案の排出シートの巻き
受け装置１０５が正面の位置に配備されているの
で感光シートＳは正面で巻き受けられるようにな
つている。但しこの巻き受け装置は前記転向部材
３５が二点鎖線で示す位置にあるときにはバツク
ガイド板３６に連設して配備し排出シートを巻き
受けすることができるし、また原稿シートＯを部
分理する原稿トレー２６の代わりに操作の邪魔に
ならない程度にこの巻き受け装置を配備すること
ができる。

複写機１８の排出口１０１に連設する巻き受け
装置はすでにこの第２図の冒頭に記載する如くで
す。この装置における感光シートＳの巻き受けは
ロール形式の連続する感光済シートであれば実線
矢印で図示するように前記第２湾曲案内部材１１
１の湾曲面に沿う巻き芯形状がきわめて自然に形
成されてその巻き芯に重巻して10メートルは優に
行なえるし、また大判の枚葉感光シートのときは
シートの張り腰によつて感光済シートが湾曲案内
部材１１１の先端部を過ぎると第１湾曲案内部材
１０７の上に延びて、その第１湾曲案内部材に沿
つてすぐに立ち上がつて行くので巻き芯形状は第
２湾曲案内部材の湾曲径よりなお一層小さな径に
形成させられるので更に好都合な巻き受けが可能
となる。

第３図ａ〜ｂは本考案の排出シートの巻き受け
装置における搬送過程を示す態様図であり、第２
図で説明する符号を用いて記載する。ａ図は、実
線矢印で示す排出シート（ロールシートの形態で
連続する排出シート）がローラーで送られて排出
口１０１を通過し導入案内部材１０４に到達する
と一点鎖線で示す位置にこの導入案内部材１０４
を若干追いやつてから第１湾曲案内部材１０７の
上に導かれる。

ｂ図は、排出シートが第１湾曲案内部材１０７
に沿つて実線矢印で示す方向へ回転駆動される第
１ローラー部材１０８によつて排出シートに巻き
癖を円滑に付与されながら第２ローラー部材１０
９に引き渡され、第２ローラー部材１０９によつ
て巻き癖をなお一層効果的に与えつつ搬送され
る。なお、導入案内部材１０４は実線で示す元の
位置に戻つている。

ｃ図は、排出シートが第２湾曲案内部材１１１
に引き渡されその湾曲円弧に沿つて第２湾曲案内
部材１１１の先端を通過しつつ搬送されてもきわ
めて自然に巻き芯形状が作られつつあるところを
示す。なお、第２湾曲案内部材は第１湾曲案内部
材と交互に交叉して連係される部分が複数の切り
欠き溝で形成される軽量で滑りやすい一枚張りの
部材であつても同様なシートの搬送ができる。

ｄ図は、排出シートが第１湾曲案内部材１０７
と第２湾曲案内部材１１１とを何回か経過してワ
インデイングされて行くと、排出シートの円弧に
沿つて第２湾曲案内部材１１１を拡げられ、更に
段々巻き受けの嵩が増大されるに伴なつて枠体１
１２が第２湾曲案内部材１１１と共に軸部材１１
６を支軸にして徐々に開かれて所望の相当数を巻
き受けすることができ、結果として15メートル以
上もの巻き受けを実現し得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す複写機における
排出シートの巻き受け装置の断面横視図、第２図
はこの考案の実施例を一つの例としてジアゾ系複
写機に連設させる要部の断面横視図、第３図ａ，
ｂ，ｃ，ｄはこの考案の排出シートの巻き受け装
置における搬送過程を示す態様図である。 １，１０１……排出口、４，１０４……導入案
内板、導入案内部材、５，１０５……排出シート
の巻き受け装置、７，１０７……第１湾曲案内部
材、８，１０８……第１のローラー部材、９，１
０９……第２のローラー部材、１１，１１１……
第２湾曲案内部材、１２，１１２……蓋体、１
４，１１４……ストツパ、１６，１１６……棒部
材、１７，１１７……取り付け部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 複写機の排出口から排出されるシートをその
   始端部で受けるようになつており且つその終端
   部を部分的に櫛状部分とした第１湾曲案内部材
   を前記排出口の下方に設け、該第１湾曲案内部
   材には複数列のシート案内用のローラ部材を部
   分頭出し状態で設けて成る複写機における排出
   シートの巻き受け装置であつて、 該第１湾曲案内部材を覆う枠体にして、その
   自由端部が部分的に櫛状とされ且つ前記第１湾
   曲案内部材の終端部の前記櫛状部分に隣り合つ
   て位置付けられ、支承端部が前記複写機の排出
   口に隣り合つて廻動自在に結合されて成る枠体
   と、 該枠体及び前記第１湾曲案内部材間に於て該
   第１湾曲案内部材と共に略円筒を形成するべく
   配設され且つその始端部が前記第１湾曲案内部
   材の終端部の櫛状部分と交互に交叉する状態で
   前記枠体の自由端部の櫛状部分に各々結合され
   て成る複数の第２湾曲案内部材と、 を含み、 それによつて前記第２湾曲案内部材が、前記
   枠体と共に前記第１湾曲案内部材との交叉部分
   に於て開閉自在とされていることを特徴とする 前記複写機における排出シートの巻き受け装
   置。 ２ 第２湾曲案内部材が帯状の弾性湾曲巻き受け
   案内片から構成される実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の複写機における排出シートの巻き
   受け装置。 ３ 第２湾曲案内部材が湾曲径において第１湾曲
   案内部材の湾曲径より小さく形成されている実
   用新案登録請求の範囲第１項或は第２項記載の
   複写機における排出シートの巻き受け装置。