JPH04323393A - 透孔を有する電鋳製品並びにその製造方法 - Google Patents
透孔を有する電鋳製品並びにその製造方法Info
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- JPH04323393A JPH04323393A JP11559591A JP11559591A JPH04323393A JP H04323393 A JPH04323393 A JP H04323393A JP 11559591 A JP11559591 A JP 11559591A JP 11559591 A JP11559591 A JP 11559591A JP H04323393 A JPH04323393 A JP H04323393A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細な透孔を有する電
鋳製品並びにその製造方法に関する。
鋳製品並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電鋳製品としては、例えば、精
密スクリーン印刷用メッシュなどの各種メッシュ、電気
かみそりの刃、あるいはそのほか各種ノズルなどが挙げ
られる。これら電鋳製品、特に比較的厚手(例えば15
0〜200μ)の透孔を有する電鋳製品の製造に際して
は、多くの場合、例えば、図9にその製造過程の工程図
を示すように、まず、図9の(A)に示すように母型5
の表面にフォトレジスト20を複数層に重ね合わせ、そ
のフォトレジスト20の上に、電鋳製品の透孔に相当す
るパターン(網目模様)をもつフィルム21を密着させ
て焼き付け、現像処理して、同図の(B)に示すように
フォトレジスト膜22を形成する。ついで、同図の(C
)に示すように母型5のフォトレジスト膜22で覆われ
ていない表面に電着金属23を電着させ、しかるのち、
同図の(D)に示すようにその電着金属23を母型5か
ら剥離し、フォトレジスト膜22を除去することにより
、透孔2を有する電鋳製品を得る。
密スクリーン印刷用メッシュなどの各種メッシュ、電気
かみそりの刃、あるいはそのほか各種ノズルなどが挙げ
られる。これら電鋳製品、特に比較的厚手(例えば15
0〜200μ)の透孔を有する電鋳製品の製造に際して
は、多くの場合、例えば、図9にその製造過程の工程図
を示すように、まず、図9の(A)に示すように母型5
の表面にフォトレジスト20を複数層に重ね合わせ、そ
のフォトレジスト20の上に、電鋳製品の透孔に相当す
るパターン(網目模様)をもつフィルム21を密着させ
て焼き付け、現像処理して、同図の(B)に示すように
フォトレジスト膜22を形成する。ついで、同図の(C
)に示すように母型5のフォトレジスト膜22で覆われ
ていない表面に電着金属23を電着させ、しかるのち、
同図の(D)に示すようにその電着金属23を母型5か
ら剥離し、フォトレジスト膜22を除去することにより
、透孔2を有する電鋳製品を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにして得られ
る透孔2の断面形状は漏斗形になる傾向がある。これは
、フォトレジスト20を2層、3層と重ねることにより
、指数関数的に光線(紫外線)の吸収が行われ、この結
果母型5の位置にはほとんど紫外線が達しないことが原
因であると考えられる。このような漏斗形状化の傾向は
紫外線透過率の小さいフォトレジストを使用するほど顕
著になる。
る透孔2の断面形状は漏斗形になる傾向がある。これは
、フォトレジスト20を2層、3層と重ねることにより
、指数関数的に光線(紫外線)の吸収が行われ、この結
果母型5の位置にはほとんど紫外線が達しないことが原
因であると考えられる。このような漏斗形状化の傾向は
紫外線透過率の小さいフォトレジストを使用するほど顕
著になる。
【0004】こうしたフォトレジスト膜22の漏斗形状
化の傾向を巧みに利用し、そうした断面形状の透孔2を
必要とする電鋳製品、例えば微小ノズル電鋳製品を得る
ことが考えられる。
化の傾向を巧みに利用し、そうした断面形状の透孔2を
必要とする電鋳製品、例えば微小ノズル電鋳製品を得る
ことが考えられる。
【0005】しかし、上記した厚手のフォトレジスト膜
22ではその母型5側の下層部に達する紫外線量が少な
くなり、表面硬化が先行して下層部が未硬化になり易い
ことから、フォトレジスト膜22の下層部が母型5から
剥離して欠損を生じやすい。そのため、一定した断面漏
斗形状の透孔2をもつ電鋳製品を得ることが難しい。ま
た、透孔2の断面形状が漏斗形状のみでは、例えば、イ
ンクジェットプリンター用ノズルのように噴射対象物に
対してインクを一様な流れで平行に精度よく噴出させる
必要のある物には適しない。
22ではその母型5側の下層部に達する紫外線量が少な
くなり、表面硬化が先行して下層部が未硬化になり易い
ことから、フォトレジスト膜22の下層部が母型5から
剥離して欠損を生じやすい。そのため、一定した断面漏
斗形状の透孔2をもつ電鋳製品を得ることが難しい。ま
た、透孔2の断面形状が漏斗形状のみでは、例えば、イ
ンクジェットプリンター用ノズルのように噴射対象物に
対してインクを一様な流れで平行に精度よく噴出させる
必要のある物には適しない。
【0006】そこで、先に本出願人により、透孔の断面
形状として、図10に示すようにその上部が漏斗形状孔
2aで、かつその下部の出口側に細いストレート孔2b
を連通状に形成することにより、前記インクジェットプ
リンター用ノズルにも適する電鋳製品の製造方法(以下
、「レジスト一体形成法」という。)を提案した(特願
平2−314959号)。
形状として、図10に示すようにその上部が漏斗形状孔
2aで、かつその下部の出口側に細いストレート孔2b
を連通状に形成することにより、前記インクジェットプ
リンター用ノズルにも適する電鋳製品の製造方法(以下
、「レジスト一体形成法」という。)を提案した(特願
平2−314959号)。
【0007】これは、フォトレジスト膜22を、紫外線
透過率の大きいフォトレジスト20aと紫外線透過率の
小さいフォトレジスト20bの複数層で形成し、母型5
の表面に接する側の下層部に紫外線透過率の大きいフォ
トレジスト20aを使用する。これにより紫外線はフォ
トレジスト膜22の下層部にまで十分に達し、フォトレ
ジスト膜22の母型5との接触面も十分に硬化させるこ
とができ、フォトレジスト膜22の下層部が母型5から
剥離して欠損するようなことが少なくなる。また、その
ように下層部に紫外線透過率の大きいフォトレジスト2
0aを用いることにより、紫外線はそのフォトレジスト
20a内を真っ直ぐに透過するため、漏斗形状部の下部
に細いストレート部を有するフォトレジスト膜22を得
ることができる。したがって、この状態のフォトレジス
ト膜22を用いて電鋳すると、断面形状が漏斗形状孔2
aの下部に細いストレート孔2bを連通形成する形の透
孔2を有する電着金属23(電鋳製品)を得ることがで
きる。
透過率の大きいフォトレジスト20aと紫外線透過率の
小さいフォトレジスト20bの複数層で形成し、母型5
の表面に接する側の下層部に紫外線透過率の大きいフォ
トレジスト20aを使用する。これにより紫外線はフォ
トレジスト膜22の下層部にまで十分に達し、フォトレ
ジスト膜22の母型5との接触面も十分に硬化させるこ
とができ、フォトレジスト膜22の下層部が母型5から
剥離して欠損するようなことが少なくなる。また、その
ように下層部に紫外線透過率の大きいフォトレジスト2
0aを用いることにより、紫外線はそのフォトレジスト
20a内を真っ直ぐに透過するため、漏斗形状部の下部
に細いストレート部を有するフォトレジスト膜22を得
ることができる。したがって、この状態のフォトレジス
ト膜22を用いて電鋳すると、断面形状が漏斗形状孔2
aの下部に細いストレート孔2bを連通形成する形の透
孔2を有する電着金属23(電鋳製品)を得ることがで
きる。
【0008】また、先に、この方法とは異なって、同様
にインクジェットプリンター用ノズルなどにも最適な断
面形状の透孔を有する電鋳製品を得ることのできる製造
方法(以下、「電鋳−エッチング法」という。)を提案
した(特願平2−411398号)。これは、図11に
示すように、母型5の表面に、紫外線透過率の大きいフ
ォトレジスト膜22を必要厚よりも少し厚く重ね合わせ
(100μ)、まず、図11の(A)に示すように電鋳
を行ってストレート孔2bを形成する。電鋳後、同図の
(B)に示すようにその表面側よりエッチングを行う。 このときフォトレジスト膜22の周辺は他のベタ部より
も電流密度が高くなっているためエッチング速度が激し
く、この結果ストレート孔2bの上部にそれよりも径大
な漏斗形状孔2aを連通状に形成することができる。
にインクジェットプリンター用ノズルなどにも最適な断
面形状の透孔を有する電鋳製品を得ることのできる製造
方法(以下、「電鋳−エッチング法」という。)を提案
した(特願平2−411398号)。これは、図11に
示すように、母型5の表面に、紫外線透過率の大きいフ
ォトレジスト膜22を必要厚よりも少し厚く重ね合わせ
(100μ)、まず、図11の(A)に示すように電鋳
を行ってストレート孔2bを形成する。電鋳後、同図の
(B)に示すようにその表面側よりエッチングを行う。 このときフォトレジスト膜22の周辺は他のベタ部より
も電流密度が高くなっているためエッチング速度が激し
く、この結果ストレート孔2bの上部にそれよりも径大
な漏斗形状孔2aを連通状に形成することができる。
【0009】しかし、最近では、電鋳応用製品として、
上記したもの以外に、バイオテクノロジーの分野で1対
1細胞融合などに用いられるマイクロチャンバプレート
(マイクロメカニカルデバイス)なども要望されている
。これは、図1に示すように漏斗形状孔の径大側の開孔
径が500μで、ストレート孔の径が15μで、高さ(
板厚)が390μであるといった、上方と下方の孔径の
差が極端に大きく、かつ厚み大なる透孔を有する電鋳製
品である。
上記したもの以外に、バイオテクノロジーの分野で1対
1細胞融合などに用いられるマイクロチャンバプレート
(マイクロメカニカルデバイス)なども要望されている
。これは、図1に示すように漏斗形状孔の径大側の開孔
径が500μで、ストレート孔の径が15μで、高さ(
板厚)が390μであるといった、上方と下方の孔径の
差が極端に大きく、かつ厚み大なる透孔を有する電鋳製
品である。
【0010】しかし、本発明者はこうした電鋳製品は上
記したレジスト一体形成法および電鋳−エッチング法の
いずれの方法によっても満足なものを得ることができな
いことを知見した。すなわち、図10に示す上記レジス
ト一体形成法では、せいぜい漏斗形状の孔の径大側の開
口径が120μ、高さ(板厚)200μ、ストレート孔
径が40μが実績である。したがって、ここで要求され
るように高さ(板厚)寸法が390μである場合は、レ
ジスト膜厚が400μも必要となる。この場合、母型面
とレジストの密着強度が足りず、ストレート孔径を15
μも細くすることは不可能である。また、図11に示す
上記電鋳−エッチング法では、せいぜい漏斗形状の孔の
径大側の開口径が160μ、ストレート孔径が40μが
実績であり、レジスト一体形成法と同様に、母型面とレ
ジストの密着強度が足りず、ストレート孔径を15μの
細径にするのは不可能である。エッチング深さと漏斗形
状孔の孔径は比例関係にあり、エッチング深さが深くな
るとこの孔径も大きくなるが、要求される500μレベ
ルにするにはベタ部のエッチング量もかなり多くなる。 したがって、初期電鋳厚が600μレベルも必要となり
、多くの時間がかかるなど種々の問題が発生する。
記したレジスト一体形成法および電鋳−エッチング法の
いずれの方法によっても満足なものを得ることができな
いことを知見した。すなわち、図10に示す上記レジス
ト一体形成法では、せいぜい漏斗形状の孔の径大側の開
口径が120μ、高さ(板厚)200μ、ストレート孔
径が40μが実績である。したがって、ここで要求され
るように高さ(板厚)寸法が390μである場合は、レ
ジスト膜厚が400μも必要となる。この場合、母型面
とレジストの密着強度が足りず、ストレート孔径を15
μも細くすることは不可能である。また、図11に示す
上記電鋳−エッチング法では、せいぜい漏斗形状の孔の
径大側の開口径が160μ、ストレート孔径が40μが
実績であり、レジスト一体形成法と同様に、母型面とレ
ジストの密着強度が足りず、ストレート孔径を15μの
細径にするのは不可能である。エッチング深さと漏斗形
状孔の孔径は比例関係にあり、エッチング深さが深くな
るとこの孔径も大きくなるが、要求される500μレベ
ルにするにはベタ部のエッチング量もかなり多くなる。 したがって、初期電鋳厚が600μレベルも必要となり
、多くの時間がかかるなど種々の問題が発生する。
【0011】そこで本発明は、上記のような単一層では
どうしても板厚や孔径が制約されるといった不具合を解
決するためになされもので、複数層に積層一体化する積
層体構造をとることにより、単一層では孔径や板厚を所
望寸法に形成できないことを補い、上記のような、漏斗
形状孔の径大側の開孔径が大きく、ストレート孔径が極
細い寸法とされ、かつ板厚を厚く要求される透孔を有す
る電鋳製品をも高精度に均一に製造できる電鋳製品並び
にその製造方法を提供しようとするものである。
どうしても板厚や孔径が制約されるといった不具合を解
決するためになされもので、複数層に積層一体化する積
層体構造をとることにより、単一層では孔径や板厚を所
望寸法に形成できないことを補い、上記のような、漏斗
形状孔の径大側の開孔径が大きく、ストレート孔径が極
細い寸法とされ、かつ板厚を厚く要求される透孔を有す
る電鋳製品をも高精度に均一に製造できる電鋳製品並び
にその製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に例示す
るように、断面形状が漏斗形状孔2aの細径出口側に細
いストレート孔2bを連通する形に形成される透孔2を
有する電鋳製品であって、漏斗形状孔2aをもつ上部金
属プレート3とストレート孔2bをもつ下部金属プレー
ト4からなり、両プレート3・4を漏斗形状孔2aの中
心とストレート孔2bの中心とを一致させて拡散接合に
より積層一体化したものである。
るように、断面形状が漏斗形状孔2aの細径出口側に細
いストレート孔2bを連通する形に形成される透孔2を
有する電鋳製品であって、漏斗形状孔2aをもつ上部金
属プレート3とストレート孔2bをもつ下部金属プレー
ト4からなり、両プレート3・4を漏斗形状孔2aの中
心とストレート孔2bの中心とを一致させて拡散接合に
より積層一体化したものである。
【0013】こうした電鋳製品の製造方法としては、漏
斗形状孔2aをもつ上部金属プレート3をエッチングま
たは電鋳で形成する工程と、ストレート孔2bをもつ下
部金属プレート4を電鋳する工程と、上部金属プレート
3と下部金属プレート4とをストレート孔2bの中心と
漏斗形状孔2aの中心とを一致させて拡散接合する工程
とからなる。
斗形状孔2aをもつ上部金属プレート3をエッチングま
たは電鋳で形成する工程と、ストレート孔2bをもつ下
部金属プレート4を電鋳する工程と、上部金属プレート
3と下部金属プレート4とをストレート孔2bの中心と
漏斗形状孔2aの中心とを一致させて拡散接合する工程
とからなる。
【0014】
【作用】ストレート孔2bをもつ下部金属プレート4は
電鋳により製作するので、15μ径ほどの細いストレー
ト孔2bも容易に得ることができる。
電鋳により製作するので、15μ径ほどの細いストレー
ト孔2bも容易に得ることができる。
【0015】また、漏斗形状孔2aをもつ上部金属プレ
ート3は、下部金属プレート4とは別に、エッチングま
たは電鋳により製作するので、390μ厚で500μ径
ほどの漏斗形状孔2aも容易に得ることができる。
ート3は、下部金属プレート4とは別に、エッチングま
たは電鋳により製作するので、390μ厚で500μ径
ほどの漏斗形状孔2aも容易に得ることができる。
【0016】上部金属プレート3と下部金属プレート4
とを積層一体化する拡散接合によれば、両プレート3・
4を溶融することなく、固相状態で変形を加えないで加
熱圧着するので、漏斗形状孔2aとストレート孔2bと
を位置ずれなく連通させることができる。
とを積層一体化する拡散接合によれば、両プレート3・
4を溶融することなく、固相状態で変形を加えないで加
熱圧着するので、漏斗形状孔2aとストレート孔2bと
を位置ずれなく連通させることができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、大きい孔径の漏斗形状
孔2aの細径出口側に極細いストレート孔2bを連通す
る形で、かつ厚肉の透孔2が要求される細胞融合用マイ
クロチャンバプレートや微小ノズルなどの電鋳製品も高
精度に製造することができる。
孔2aの細径出口側に極細いストレート孔2bを連通す
る形で、かつ厚肉の透孔2が要求される細胞融合用マイ
クロチャンバプレートや微小ノズルなどの電鋳製品も高
精度に製造することができる。
【0018】
【実施例】本発明に係る電鋳製品の製造方法一実施例を
図1ないし図4に基づき説明する。図1はその電鋳製品
の一例であるマイクロチャンバプレートの断面図を、図
2はその平面図を示しており、これに形成される透孔(
マイクロチャンバ)2の断面形状は、径大側の開孔径が
500μで、高さ(板厚)が390μの漏斗形状孔2a
と、漏斗形状孔2aの細径出口側に連通形成された、孔
径が15μで、高さ(板厚)が10〜20μのストレー
ト孔2bとからなる形を有し、ストレート孔2bを形成
する下部金属プレート4と漏斗形状孔2aを形成する上
部金属プレート4はそれぞれ、別々に製作し、そのうえ
で両者を拡散接合で積層一体化してなる。
図1ないし図4に基づき説明する。図1はその電鋳製品
の一例であるマイクロチャンバプレートの断面図を、図
2はその平面図を示しており、これに形成される透孔(
マイクロチャンバ)2の断面形状は、径大側の開孔径が
500μで、高さ(板厚)が390μの漏斗形状孔2a
と、漏斗形状孔2aの細径出口側に連通形成された、孔
径が15μで、高さ(板厚)が10〜20μのストレー
ト孔2bとからなる形を有し、ストレート孔2bを形成
する下部金属プレート4と漏斗形状孔2aを形成する上
部金属プレート4はそれぞれ、別々に製作し、そのうえ
で両者を拡散接合で積層一体化してなる。
【0019】このような断面形状の透孔2を有する電鋳
製品は次のような工程を経て製造される。ストレート孔
2bを形成する下部金属プレート4を電鋳する。この電
鋳に際しては、まず、図3の(A)に示すようにステン
レス鋼製の母型5の表面にフィルム状のフォトレジスト
6を重ね合わせて均一な膜を形成する。次いで、同図の
(B)に示すようにフォトレジスト6の上に上記電鋳製
品の透孔2のストレート孔2bに相当するパターン(模
様)をもつフィルム7を密着させ、紫外線ランプを照射
して焼き付け、現像、乾燥の各処理を行って、同図の(
C)に示すようにフォトレジスト膜9を形成する。次い
で、母型5をスルファミン酸ニッケル浴などの電鋳槽に
移し、ニッケルあるいはニッケルーコバルト合金で電鋳
を行って、同図の(D)に示すように母型5のフォトレ
ジスト膜9で覆われていない表面に電着金属10をフォ
トレジスト膜9の厚み程度にまで電着する。電鋳後、そ
の電着金属10をフォトレジスト膜9共に母型5から剥
離し、水酸化ナトリウム剥離浴などに浸漬してフォトレ
ジスト膜9を除去することにより、同図の(E)に示す
ようなストレート孔2bを有する下部金属プレート4を
得る。
製品は次のような工程を経て製造される。ストレート孔
2bを形成する下部金属プレート4を電鋳する。この電
鋳に際しては、まず、図3の(A)に示すようにステン
レス鋼製の母型5の表面にフィルム状のフォトレジスト
6を重ね合わせて均一な膜を形成する。次いで、同図の
(B)に示すようにフォトレジスト6の上に上記電鋳製
品の透孔2のストレート孔2bに相当するパターン(模
様)をもつフィルム7を密着させ、紫外線ランプを照射
して焼き付け、現像、乾燥の各処理を行って、同図の(
C)に示すようにフォトレジスト膜9を形成する。次い
で、母型5をスルファミン酸ニッケル浴などの電鋳槽に
移し、ニッケルあるいはニッケルーコバルト合金で電鋳
を行って、同図の(D)に示すように母型5のフォトレ
ジスト膜9で覆われていない表面に電着金属10をフォ
トレジスト膜9の厚み程度にまで電着する。電鋳後、そ
の電着金属10をフォトレジスト膜9共に母型5から剥
離し、水酸化ナトリウム剥離浴などに浸漬してフォトレ
ジスト膜9を除去することにより、同図の(E)に示す
ようなストレート孔2bを有する下部金属プレート4を
得る。
【0020】他方、漏斗形状孔2aをもつ上部金属プレ
ート3は390μ厚のニッケル材11をエッチングして
得る。すなわち、図4(A)に示すようにそのニッケル
材11の表面に上記電鋳製品の透孔2の漏斗形状孔2a
に相当するパターン(模様)をもつ耐蝕膜12を形成さ
せ、次いで、これを塩化第2鉄などの腐食液にてエッチ
ングを行い、同図の(B)に示すようにニッケル材11
の表面を化学的に腐食させることによりエッチング深さ
が390μ、径が500μの漏斗形状孔2aをもつ上部
金属プレート3を得る。それらエッチング深さや径の大
きさはエッチング時間やエッチング条件で調節する。
ート3は390μ厚のニッケル材11をエッチングして
得る。すなわち、図4(A)に示すようにそのニッケル
材11の表面に上記電鋳製品の透孔2の漏斗形状孔2a
に相当するパターン(模様)をもつ耐蝕膜12を形成さ
せ、次いで、これを塩化第2鉄などの腐食液にてエッチ
ングを行い、同図の(B)に示すようにニッケル材11
の表面を化学的に腐食させることによりエッチング深さ
が390μ、径が500μの漏斗形状孔2aをもつ上部
金属プレート3を得る。それらエッチング深さや径の大
きさはエッチング時間やエッチング条件で調節する。
【0021】かくして、下部金属プレート4と上部金属
プレート3とをストレート孔2bの中心と漏斗形状孔2
aの中心とが一致するように密着重合させ、真空または
保護雰囲気中で高温加圧して拡散接合する。この拡散接
合は固相状態でほとんど変形を加えないで接合できるた
め、孔2a・2bどうしの位置ずれなども生じるような
ことがない。
プレート3とをストレート孔2bの中心と漏斗形状孔2
aの中心とが一致するように密着重合させ、真空または
保護雰囲気中で高温加圧して拡散接合する。この拡散接
合は固相状態でほとんど変形を加えないで接合できるた
め、孔2a・2bどうしの位置ずれなども生じるような
ことがない。
【0022】上記実施例では上部金属プレート3と下部
金属プレート4はともに高融点金属のニッケルであるた
め、800°C程度の高温で加圧しなければ結晶粒界で
の原子の拡散が行いにくい。その点、上部金属プレート
3と下部金属プレート4を異種金属に、例えば上部金属
プレート3を銅で、下部金属プレート4をニッケルにし
て拡散接合すれば、それほどの高温環境下におかなくて
も拡散接合が可能となる。また図6に示すように上部金
属プレート3をニッケル、下部金属プレート4をニッケ
ル層4aと、金または錫等の低融点金属もしくは合金層
4bとの複合体で作って、その低融点金属もしくは合金
層4b側を上部金属プレート(ニッケル)3に密着重合
させて拡散接合しても低い拡散接合温度で足りる。
金属プレート4はともに高融点金属のニッケルであるた
め、800°C程度の高温で加圧しなければ結晶粒界で
の原子の拡散が行いにくい。その点、上部金属プレート
3と下部金属プレート4を異種金属に、例えば上部金属
プレート3を銅で、下部金属プレート4をニッケルにし
て拡散接合すれば、それほどの高温環境下におかなくて
も拡散接合が可能となる。また図6に示すように上部金
属プレート3をニッケル、下部金属プレート4をニッケ
ル層4aと、金または錫等の低融点金属もしくは合金層
4bとの複合体で作って、その低融点金属もしくは合金
層4b側を上部金属プレート(ニッケル)3に密着重合
させて拡散接合しても低い拡散接合温度で足りる。
【0023】また、上記実施例では上部金属プレート3
にエッチングで漏斗形状孔2aを形成するが、これに代
えて電鋳で得ることもできる。その電鋳工程を図5の(
A)ないし(D)に示す。まず、図4の(A)に示すよ
うに母型13の表面にフィルム状のフォトレジスト14
を重ね、この上に上記電鋳製品の透孔2の漏斗形状孔2
aに相当するパターン(模様)をもつフィルム15を密
着させ、紫外線ランプを照射して焼き付け、現像、乾燥
の各処理を行って、同図の(B)に示すようにフォトレ
ジスト膜16を形成する。次いで、母型13を電鋳槽に
移し、ニッケルあるいは銅で電鋳を行って、同図の(C
)に示すように母型13のフォトレジスト膜16で覆わ
れていない表面に電着金属17をフォトレジスト膜16
の厚み程度にまで電着する。電鋳後、その電着金属17
をフォトレジスト膜16共に母型13から剥離し、フォ
トレジスト膜16を除去することにより、同図の(D)
に示すような漏斗形状孔2aを有する上部金属プレート
3を得る。上記フォトレジスト14としては、漏斗形状
孔2aの下側の孔径を上側の孔径よりも極端に小さくす
るために、紫外線透過率の小さいものを選ぶことが望ま
しい。
にエッチングで漏斗形状孔2aを形成するが、これに代
えて電鋳で得ることもできる。その電鋳工程を図5の(
A)ないし(D)に示す。まず、図4の(A)に示すよ
うに母型13の表面にフィルム状のフォトレジスト14
を重ね、この上に上記電鋳製品の透孔2の漏斗形状孔2
aに相当するパターン(模様)をもつフィルム15を密
着させ、紫外線ランプを照射して焼き付け、現像、乾燥
の各処理を行って、同図の(B)に示すようにフォトレ
ジスト膜16を形成する。次いで、母型13を電鋳槽に
移し、ニッケルあるいは銅で電鋳を行って、同図の(C
)に示すように母型13のフォトレジスト膜16で覆わ
れていない表面に電着金属17をフォトレジスト膜16
の厚み程度にまで電着する。電鋳後、その電着金属17
をフォトレジスト膜16共に母型13から剥離し、フォ
トレジスト膜16を除去することにより、同図の(D)
に示すような漏斗形状孔2aを有する上部金属プレート
3を得る。上記フォトレジスト14としては、漏斗形状
孔2aの下側の孔径を上側の孔径よりも極端に小さくす
るために、紫外線透過率の小さいものを選ぶことが望ま
しい。
【0024】透孔2の漏斗形状孔2aは図7および図8
に示すように四角すい状に形成することもできる。また
、電鋳製品の板厚、漏斗形状孔2aの上側の孔径、スト
レート孔2bの孔径などは要求により任意寸法に変更で
きる。
に示すように四角すい状に形成することもできる。また
、電鋳製品の板厚、漏斗形状孔2aの上側の孔径、スト
レート孔2bの孔径などは要求により任意寸法に変更で
きる。
【図1】電鋳製品の一部の断面図である。
【図2】電鋳製品の一部の平面図である。
【図3】下部金属プレートの製造過程の工程説明図であ
る。
る。
【図4】上部金属プレートの製造過程の工程説明図であ
る。
る。
【図5】他の実施例を示す上部金属プレートの製造過程
の工程説明図である。
の工程説明図である。
【図6】他の実施例の上部金属プレートと下部金属プレ
ートを拡散接合する前の状態を示す断面図である。
ートを拡散接合する前の状態を示す断面図である。
【図7】他の実施例を示す電鋳製品の一部の断面図であ
る。
る。
【図8】他の実施例を示す電鋳製品の一部の平面図であ
る。
る。
【図9】従来例の電鋳製品の製造過程の工程説明図であ
る。
る。
【図10】比較例の電鋳製品の製造過程の工程説明図で
ある。
ある。
【図11】他の比較例の電鋳製品の製造過程の工程説明
図である。
図である。
2 透孔
2a 漏斗形状孔
2b ストレート孔
3 上部金属プレート
4 下部金属プレート
Claims (2)
- 【請求項1】 断面形状が漏斗形状孔2aの細径出口
側に細いストレート孔2bを連通する形に形成される透
孔2を有する電鋳製品であって、漏斗形状孔2aをもつ
上部金属プレート3とストレート孔2bをもつ下部金属
プレート4からなり、両プレート3・4は漏斗形状孔2
aの中心とストレート孔2bの中心を一致させて拡散接
合してあることを特徴とする透孔を有する電鋳製品。 - 【請求項2】 断面形状が漏斗形状孔2aの細径出口
側に細いストレート孔2bを連通する形に形成される透
孔2を有する電鋳製品を製造するに際し、漏斗形状孔2
aをもつ上部金属プレート3をエッチングまたは電鋳で
形成する工程と、ストレート孔2bをもつ下部金属プレ
ート4を電鋳する工程と、上部金属プレート3と下部金
属プレート4とを漏斗形状孔2aの中心とストレート孔
2bの中心とを一致させて拡散接合する工程とからなる
ことを特徴とする透孔を有する電鋳製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11559591A JPH04323393A (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 透孔を有する電鋳製品並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11559591A JPH04323393A (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 透孔を有する電鋳製品並びにその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04323393A true JPH04323393A (ja) | 1992-11-12 |
Family
ID=14666504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11559591A Pending JPH04323393A (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 透孔を有する電鋳製品並びにその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04323393A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996030645A1 (de) * | 1995-03-29 | 1996-10-03 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zur herstellung einer lochscheibe |
WO1996030643A1 (de) * | 1995-03-29 | 1996-10-03 | Robert Bosch Gmbh | Lochscheibe, insbesondere für einspritzventile |
JP2002019125A (ja) * | 2000-07-10 | 2002-01-23 | Kyushu Hitachi Maxell Ltd | ノズル体の製造方法 |
EP0787255B1 (de) * | 1995-03-29 | 2002-07-31 | Robert Bosch Gmbh | Lochscheibe, inbesondere für einspritzventile |
KR100442897B1 (ko) * | 1995-03-29 | 2004-12-03 | 로베르트 보쉬 게엠베하 | 분사밸브용천공원판 |
RU2470749C2 (ru) * | 2011-01-11 | 2012-12-27 | Федеральное государственное унитарное предприятие "Государственный космический научно-производственный центр имени М.В. Хруничева" (ФГУП "ГКНПЦ им. М.В. Хруничева") | Способ электрохимической обработки локальных участков и устройство для его использования |
-
1991
- 1991-04-18 JP JP11559591A patent/JPH04323393A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996030645A1 (de) * | 1995-03-29 | 1996-10-03 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zur herstellung einer lochscheibe |
WO1996030643A1 (de) * | 1995-03-29 | 1996-10-03 | Robert Bosch Gmbh | Lochscheibe, insbesondere für einspritzventile |
US5766441A (en) * | 1995-03-29 | 1998-06-16 | Robert Bosch Gmbh | Method for manfacturing an orifice plate |
US5899390A (en) * | 1995-03-29 | 1999-05-04 | Robert Bosch Gmbh | Orifice plate, in particular for injection valves |
US5976342A (en) * | 1995-03-29 | 1999-11-02 | Robert Bosch Gmbh | Method for manufacturing an orifice plate |
EP0787255B1 (de) * | 1995-03-29 | 2002-07-31 | Robert Bosch Gmbh | Lochscheibe, inbesondere für einspritzventile |
KR100442897B1 (ko) * | 1995-03-29 | 2004-12-03 | 로베르트 보쉬 게엠베하 | 분사밸브용천공원판 |
KR100478540B1 (ko) * | 1995-03-29 | 2005-07-11 | 로베르트 보쉬 게엠베하 | 천공원판제조방법 |
JP2002019125A (ja) * | 2000-07-10 | 2002-01-23 | Kyushu Hitachi Maxell Ltd | ノズル体の製造方法 |
RU2470749C2 (ru) * | 2011-01-11 | 2012-12-27 | Федеральное государственное унитарное предприятие "Государственный космический научно-производственный центр имени М.В. Хруничева" (ФГУП "ГКНПЦ им. М.В. Хруничева") | Способ электрохимической обработки локальных участков и устройство для его использования |
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