JPH04322214A - 液晶レンズ及びその使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】各種光学機械の光伝達手段として
用いられ、特に裸眼矯正用として有用であ。

【０００２】

【従来の技術】従来の可変焦点距離レンズは、ズームレ
ンズに見られる様に、複数の組合せレンズの一部を機械
的に移動させていた。また２重焦点レンズのように、視
野の一部を別個の焦点距離のレンズにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この様に、光軸方向の
厚さが大きくなり機械的の運動力を必要とするか、視野
が狭く固定する上に見た目に好ましくない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はかかる従来技術
の問題を解決するため、電圧により選択される複屈折率
を利用して、２種の焦点距離を全視野的に達成するもの
である。

【０００５】

【作用】屈折率異方性の大きい液晶を電圧制御複屈折モ
ードで用いると、一定の直線偏光に対して屈折率を０．
１から０．２程度変化させることができる。従って、屈
折率が中間の値を持つ光学材料を用いた凸レンズを液晶
に浸すと、液晶が低屈折率の時は凸レンズ（正の焦点距
離），高屈折率の時は凹レンズ（負）として作用する。 液晶に関しては、（株）昭晃堂刊（１９８９．４）、野
田健一，大越孝敬監修，応用光エレクトロニクス・ハン
ドブック８１１〜８１８ページに詳しい。

【０００６】

【実施例】図１は液晶レンズの断面図であって、透明平
行板１０とフレネルレンズ板２０との間に、ネマティッ
ク液晶３０が側板５で封止されており、側板５には電極
１５，２５が形成され、両電極からは引出し線４１，４
２がありスイッチ４０と電池４５に接続している。更に
、直線偏光板３５はその偏光方向が電極の対向方向２に
直交する向きに置かれている。今、スイッチ４０が断の
状態では、液晶の棒状分子は配向膜１２によってその長
手方向は、配向膜１２の面に平行で且つ電極１５，２５
の対する方向２に直角をなし、その屈折率は複屈折率の
低値ｎ⊥と見做せる。一方、スイッチ４０が接となり電
池４５からの電圧が電極１５，２５に印加されると、電
界が方向２に印加され、液晶の棒状分子の長手方向は直
線偏光板３５の偏光方向に平行となるから、この時の屈
折率は複屈折率の高値ｎ／／と見做せる。

【０００７】フレネルレンズ板２０の材料は透明な光学
樹脂等で作られ、その屈折率ｎが液晶のｎ⊥とｎ／／の
間に選ばれていると、電源断で正に働き（ｎ−ｎ⊥）電
源接で負に働く（ｎ−ｎ／／）。従って、フレネルレン
ズ板２０が凸レンズ（空気中で）とすれば、電源接では
凹レンズとなる。

【０００８】ここで、フレネルレンズを用いた理由は、
液晶レンズをできるだけ薄く作り小型軽量にするためで
ある。フレネルレンズの極性，空気中で凸か凹かとか、
その曲率半径の値は目的に応じほぼ任意に設計できるの
で、自由度の比較的制限される液晶や光学樹脂材の屈折
率と組合わせて、最適に設計される事になる。

【０００９】図２は眼鏡に応用した例で、２組の液晶レ
ンズ５０と偏光板３５をフレーム６０に取付けたもので
、小型電池４５，ノブスイッチ４０，重力スイッチ４７
がフレームに取付けられている。ノブスイッチ４０は３
位置ａ，ｂ，ｃがあり、位置ａで常時断、位置ｂで重力
スイッチに接続、位置ｃで常時電源接を選択できる。 着用者が指先でそのどれかを選ぶと、強制的に近眼鏡又
は老眼鏡にすることも、自動的に切替ることもできる。

【００１０】眼鏡として使う場合、図示はしないが液晶
レンズ５０を滑らかに湾曲させたり、透明平行板２０の
大気側に、例えば裸眼の乱視に対応する、固定のレンズ
効果を持たせる事もできる。更に、小型軽量化するため
、偏光板３５の代わりに透明な板１０，２０の外面に偏
光膜を形成する事もある。

【００１１】図３は重力スイッチの既知の１例で、細管
内４６に封止された２個の電極４８と水銀粒４９とから
なり、細管４６が傾くと水銀粒が移動し、電極の一方が
水銀から脱し接続が断れるものである。この形のものは
様々に実用されており、ここで詳解するまでもない。傾
斜時断となる重力スイッチは、図１の液晶レンズを用い
た場合、着用者が手元を見るため頭を傾けた時老眼鏡と
して働く。

【００１２】図４は、図２，図３に対応する電気的接続
図の１例であって、液晶レンズ５０，電池４５，スイッ
チ４０，４７が適切に接続されている。

【００１３】図５は二対の電極構造を持った液晶レンズ
の例である。図１では電源断の時の液晶分子を一定方向
に揃えるため、液晶と接する内面に配向膜１２を用いた
が、配向膜１２の代りにもう１組みの電極５５，５７を
、電極１５，２５の対向方向と直角に設けて、常時どち
らか一方の電極対に電圧を印加するものである。この場
合は、別のスイッチ４３を加えて新しい引出線５１，５
２と接続される事になる。

【００１４】又二対の電極を有すると、両方の電極対に
適当な比率の電圧を同時に印加し、電界方向を偏光方向
２から９０°以内の任意の回転角を持たせる事ができる
。この時は、複屈折率の２値が一定の割合で混在する事
になり、２個の屈折率に対応した２個の焦点距離（２重
焦点）を同時に、且つ視野全体にわたって持つことがで
きる。

【００１５】更に又図２眼鏡の例に於いて、直線偏光板
３５の偏光方向は、自然光による幻惑が少なくなる方向
に決めて固定するが、着用者が適宜回転できる様にして
置くことも可能である。その他、液晶レンズ５０の一面
を着色したり、フレーム６０をデザイン的に変形したり
するのは、本出願の主題ではない。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、可動部を全く有せずし
て視野全体の焦点距離を、電圧の印加状態により切替る
事ができる。しかも焦点距離の極性を変えたり、無限遠
系を得ることが極めて容易である。

【００１７】更に、本発明の液晶レンズを用いた可変焦
点眼鏡は、人為的にも自動的にも動作させる事ができて
便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の断面図である。

【図２】眼鏡に応用した斜視図である。

【図３】眼鏡用の重力スイッチの例を示す図である。

【図４】眼鏡に用いる接続図である。

【図５】液晶レンズの変形例の斜視図である。

【符号の説明】

５…側板、１０…透明平行板、２０…フレネルレンズ板
、１５，２５…電極、３０…液晶、３５…直線偏光板、
４０…スイッチ、４５…電池、４７…重力スイッチ、５
０…液晶レンズ、５５，５７…第２電極、６０…眼鏡フ
レーム。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】相対する側面に電極を有し、内面に配向膜
   を有する透明な平行板と、フレネル面を内側とした透明
   なフレネルレンズ板との間に、屈折率異方性の大きな液
   晶を封止し、該封止液晶体を１枚の直線偏光板に重ねて
   用いると共に、前記フレネルレンズ板の屈折率が前記液
   晶の複屈折率の２値間の適値、又は近傍値であることを
   特徴とする液晶レンズ。
2. 【請求項２】請求項１記載の液晶レンズにおいて、前記
   封止液晶体の２電極に直流電圧を印加する時と、しない
   時で２個の焦点距離が選択できる事により、（イ）　　
   正負の焦点距離 （ロ）　　正と無限大の焦点距離 （ハ）　　負と無限大の焦点距離 （ニ）　　同符号の絶対値の異なる２個の焦点距離を用
   いることを特徴とする液晶レンズの使用方法。
3. 【請求項３】請求項２記載の液晶レンズの使用方法にお
   いて、該液晶レンズを２個対に眼鏡フレームに取付け、
   該フレーム内に納めた小型電池からの電圧により、遠近
   の裸眼矯正を切替スイッチ又は重力スイッチにより、人
   為的又は傾斜により自動的に行なうことを特徴とする液
   晶レンズの使用方法。