JP2007212623A - 多焦点眼鏡 - Google Patents

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修 山田
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Abstract

【課題】従来の単レンズの中に焦点距離の異なる複数のレンズを設けた多焦点眼鏡は、手元など近傍を見る場合と遠方を見る場合では、被装着者がレンズ内の視線の位置を変えるか、レンズ自体の焦点距離を切り替える作業が必要であった。
【解決手段】本発明の多焦点眼鏡は、可変焦点レンズと前記可変焦点レンズを駆動する駆動ユニットを備えた多焦点眼鏡において、前記可変焦点レンズは正または負の焦点距離を有する第1のレンズと、前記第1のレンズの光軸上に配置され、電圧を印加することで焦点距離が変化する第2のレンズとを有し、前記駆動ユニットは、第2のレンズに予め設定した複数の電圧値を所定の周期でステップ的に繰返し印加する印加手段を有する。これにより、前記可変焦点レンズは、被装着者が認識できない周期で2種類以上の焦点距離をステップ的に繰返し切換ることが可能となり、多焦点眼鏡を実現できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電圧を印加することで焦点距離が変化するレンズを用いた多焦点眼鏡に関するものである。
主に高齢者が用いる多焦点レンズを有する遠近両用眼鏡は、単レンズの中に焦点の異なる2種類以上の焦点距離のレンズを配置し、被装着者のレンズ内の視線の位置を変えることで焦点を切り替える方式、レンズを回転させることで焦点を切り替える方式、単レンズを上下にシフトさせて切り替える方式、さらには、眼鏡自体を上下逆さにかけ直す方式が提案されている。また、新たな方式として、液晶からなる誘電体をレンズとして用いた可変焦点眼鏡がある。液晶を用いた可変焦点眼鏡は、レンズ内に配置された液晶部に印加する電圧を調整することで、液晶部の屈折率を変化させ、最適な焦点距離に調整することを特徴とするものである。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)
特開昭63−135916号公報 特開平11−352445号公報
しかしながら、従来の単レンズの中に焦点の異なる複数のレンズを設けた多焦点眼鏡は、手元など近傍を見る場合と風景など遠方を見る場合では、レンズ内の視線の位置を変えるか、レンズ自体を回転もしくは上下に切り替える作業が必要であった。また、従来の液晶を用いた可変焦点眼鏡においても、液晶に印加する電圧の切り替え作業が必要であった。特に、自動車の運転において、運転者は、近傍のスピードメータなどの確認と遠方の道路情報の認識を常に行う必要があるが、従来の多焦点眼鏡や可変焦点眼鏡では、注視点に合わせた焦点距離の切り替えが難しかった。
本発明は、これらの課題を解決するもので、電圧を印加することで焦点距離が変化するレンズを有する眼鏡において、印加する電圧を短時間の周期でステップ的に繰返し変化させることにより、複数の焦点距離を有する多焦点眼鏡を実現するものである。
前記の課題を解決するために、本発明の多焦点眼鏡は、可変焦点レンズと前記可変焦点レンズを駆動する駆動ユニットを備え、前記可変焦点レンズは、正または負の焦点距離を有する第1のレンズと、前記第1の光軸上に配置され電圧を印加することで焦点距離が変化する第2のレンズと、を有し、前記駆動ユニットは、第2のレンズに、予め設定した複数の電圧値を40msec以下の周期でステップ的に繰返し印加する電圧印加回路を有する。これにより、前記可変焦点レンズの焦点距離は、人間の視覚で認識できない短時間の周期でステップ的に繰返し変化し、前記可変焦点レンズを有する眼鏡は、多焦点眼鏡としての機能を発生する。
以上のように、本発明の多焦点眼鏡によれば、非装着者から注視点までの距離が近傍の場合でも遠方の場合でも、注視点までの焦点距離が合うようにレンズ内の視線を移動したり、眼鏡の焦点距離の切換作業をすることが不要となり、簡単かつ快適に多焦点眼鏡からなる遠近両用眼鏡を利用できるようになる。
以下に、本発明の眼鏡の実施の形態を図面とともに説明する。
図1は、本発明の多焦点眼鏡の基本構成を示す。1は、可変焦点レンズで、16は、可変焦点レンズ1を保持するリム、17は左右のリム16を連結するブリッジである。また、18はヨロイであり、テンプル19とリム16を連結する。また、20はモダンでありテンプル19の一端に設けられた耳当て、21はパッドでありリム16に設けられた鼻当てである。また、8は可変焦点レンズ1の焦点距離を可変する駆動ユニットであり、接続線7aおよび接続線7bで左右の可変焦点レンズ1が並列に接続されている。図1では、左右の可変焦点レンズ1が接続線7aおよび接続線7bにより駆動ユニット8に並列に接続されているが、左右の可変焦点レンズ1に独立の駆動ユニット8を接続しても良い。
図2は、可変焦点レンズ1および駆動ユニット8の基本構成を示す。可変焦点レンズ1は、第1面および第2面からなるレンズA2と、第3面および第4面からなるレンズB3と、レンズA2の第2面に形成された透明電極4と、レンズB3の第3面に形成された透明電極5と、透明電極4および透明電極5の間に充填された高分子分散液晶層6で構成される。また、左右の二つ可変焦点レンズ1の透明電極4および透明電極5は、接続線7aおよび接続線7bを介して、駆動ユニット8に接続され、透明電極4と透明電極5の間に駆動電圧が印加されるようになっている。
図に示す矢印は、可変焦点レンズ1の中心光軸で、矢印の方向が被装着者の目の方向となる。可変焦点レンズ1のレンズ配置は、光の入射側から、両凸レンズの形状を有するレンズA2、両凹レンズの形状を有する高分子分散液晶層6、一面が凸面で他面が凹面の形状を有するメニスカスレンズのレンズB3の順に配置される。高分子分散液晶層6は、透明電極4および透明電極5の間に電圧が印加されると、その電圧値に対応して屈折率が変化する特性を有する。すなわち、両凹レンズの形状を有する高分子分散液晶層6の焦点距離が変化する。これにより、焦点距離が正であるレンズA2およびレンズB3と、焦点距離が負である高分子分散液晶層6との組み合わせである可変焦点レンズ1の焦点距離も変化する。ここで、レンズB3は、正の焦点距離を持つメニスカスレンズとして説明したが、負の焦点距離を持つメニスカスレンズでも良く、また、高分子分散液晶層6を物理的に閉じ込めるためのレンズ作用を有しない(焦点距離=∞)光学ウィンドウでも良い。また、高分子分散液晶層6は、負の焦点距離を有する両凹レンズの形状として説明したが、片凹レンズまたは、正の焦点距離を有する両凸レンズまたは、片凸レンズの形状でも良い。但し、高分子分散液晶層6が両凸および片凸レンズのレンズ形状の場合は、高分子分散液晶層6の焦点距離は正であり、可変焦点レンズ1を近視補正および手元補正用の遠近両用レンズとして用いるには、レンズA2およびレンズB3の少なくても一方の焦点距離の符号は、高分子分散液晶層6の焦点距離の符号と逆である負でなければならない。
駆動ユニット8は、発振回路9、信号波発生回路10、変調回路14、スイッチ11から構成されている。信号波発生回路10は、予め設定した複数の直流電圧の値を周期的にステップ的に繰り返す信号波を発生する。発振回路9は、高分子分散液晶層6に印加する交流電圧の基本波(搬送波)を発生する。また、変調回路14は、基本波を信号波で振幅変調し、接続線7aおよび接続線7bを介して透明電極4および透明電極5に交流電圧として印加する。スイッチ11は、接続線7bの途中に設けられ透明電極4および透明電極5に印加する電圧を入・切できるようになっている。高分子分散液晶層6に印加する交流電圧の周期は、液晶13の配向の応答速度より高くすることが必要で、一般的に用いられる周波数(=1/周期)は、0.1KHzから100KHz程度が望ましいとされる。しかし、本発明において、信号波発生回路10からの信号波の周期は、40msecから5msec程度であり、交流電圧の周波数は、信号波の周波数(=1/周期)より約1桁以上で、かつ、高分子分散液晶層6の応答速度より高いことが望ましい。具体的に望ましい信号波の周波数は、1KHzから100KHzである。
次に高分子分散液晶層6について説明する。高分子分散液晶層6は、液晶分子13を含む略球状のマイクロカプセル12を有する。このマイクロカプセル構造により、高分子分散液晶層6は、印加電圧に対する液晶分子13の配向の応答速度が著しく速く、一般的には数msec程度でも十分に応答できる性能を有する。本発明において、可変焦点レンズ1の焦点距離は、40msecから5msec程度の周期で繰返しステップ的に変化させる必要があるため、液晶分子13の配向の応答速度は、8倍以上高い5msecから0.5msec以下が望ましい。一方、高分子分散液晶層6の光の透過率は、液晶分子13の配向が一様でなくなると低下する特性を有する。これは、高分子分散液晶層6の屈折率を変化させると、同時に光の透過率が変化することを意味する。しがって、高分子分散液晶層6の光の透過率の低下を抑えるには、マイクロカプセル12の直径Dを小さくすること、高分子分散液晶層6に対する高分子15(高分子分散液晶層6のマイクロカプセル12を除いた部分)の体積割合を増やす必要がある。具体的には、マイクロカプセル12の直径Dは、光の波長の1/5程度以下である100nm以下が望ましく、さらには、1/10程度以下の50nm以下が望ましい。また、マイクロカプセル12は、技術的は2nm以上であれば作製可能である。一方、高分子分散液晶層6に対する高分子15の体積の割合は、可変焦点レンズ1の距離の変化の幅の確保と透過率の確保の関係から、約25%程度から75%程度が望ましい。
さらに、高分子分散液晶層6の屈折率変化の原理について詳しく説明する。
まず、図3(a)および図3(b)を用いて、液晶が有する光学異方性の屈折率の定義と、入射光と液晶分子の分子軸の位置関係における屈折率について説明する。図3(a)は、液晶が有する液晶が有する光学異方性の屈折率の定義を示す図である。図3(a)において、液晶分子13の一端に原点O1を配置する。入射光線の方向をz1軸とし、z1軸に対して垂直で液晶分子13の分子軸方向をy1軸、z1軸とy1軸に垂直な方向をx1軸とする。その時、液晶分子13への光の入射光のy1軸方向の偏向成分(異常光線)の屈折率をne、とし、x軸方向の偏向成分(常光線)の屈折率をnとする。
次に、図3(b)を用いて、入射光と液晶分子の分子軸との位置関係と屈折率について説明する。入射光をz2方向とする。z2軸に対して垂直な一方向をy2軸、z2軸とy2軸に垂直な方向をx2軸とし、原点をO2とする。また、液晶分子21は、一端を原点O2とし、分子軸をz2軸に配置する。液晶分子22は、一端を原点O2とし、分子軸をx2に配置する。分子軸23は、一端を原点O2とし、分子軸をy2に配置する。
次に、液晶分子21、液晶分子22、液晶分子23における屈折率について説明する。
液晶分子21における屈折率をnzとすると、液晶分子21に対して入射光は全て常光線であるから、nzは以下の式で表される。
nz = ( n +n )/2 ・・ 式1
液晶分子22における屈折率をnxとすると、液晶分子22に対して入射光は、常光線と異常光線とに分離されるため、nxは以下の式で表される。
nx = ( n + n )/2 ・・ 式2
液晶分子23における屈折率をnzとすると、液晶分子23に対して入射光は、常光線と異常光線とに分離されるため、nyは以下の式で表される。
ny = ( n + n )/2 ・・ 式3
次に、図4および図5を用いて、高分子分散液晶層6の屈折率の変化について説明する。図4および図5の交流電源22は、図2の駆動ユニット8の代わりに、一定の交流電圧を高分子分散液晶層6に印加する。図4において、スイッチ11は切の状態であり、交流電源22より高分子分散液晶層6に交流電圧が印加されない。この状態では、高分子分散液晶層6に電界が発生しないため、高分子分散液晶層6の液晶分子13が様々な方向を向いている。この状態の高分子分散液晶層6の屈折率をnaとすると、高分子分散液晶層6の屈折率naは以下の式で表される。
na = (1−m)×(nz+nx+ny)/3 + m × nρ
= (1−m)×(2×n+n)/3+ m × nρ・・ 式4
ここで、nρは、高分子分散液晶層6の高分子15(高分子分散液晶層6のマイクロカプセル12を除いた部分)の屈折率であり、mは、高分子分散液晶層6に含まれる高分子15の割合を示す。
次に、図5において、スイッチ11は入りの状態である。スイッチ11が入りの場合、高分子分散液晶層6には光軸と並行な方向の交流電圧が印加され電界が発生する。そのため、液晶分子13の分子軸は、光軸に対して平行な方向になる。その場合の高分子分散液晶層6の屈折率nbは、以下の式で表される。
nb = (1−m)×nz + m × nρ
= (1−m)×n + m × nρ・・ 式5
入手可能な液晶において、nは、nより低い値をとるため、naはnbより高い値となる。すなわち、スイッチ11が切の状態では、高分子分散液晶層6の屈折率はnaで、凹レンズの形状を有する高分子分散液晶層6の負の焦点距離は短くなる。(凸レンズの形状を有する高分子分散液晶層6の場合は、正の焦点距離が同様に短くなる。)また、スイッチ11が入りの状態では、高分子分散液晶層6の屈折率はnbで低く、凹レンズの形状を有する高分子分散液晶層6の負の焦点距離は長くなる。(凸レンズの形状を有する高分子分散液晶層6の場合は、正の焦点距離が同様に長くなる。)また、スイッチ11が入りの状態において、高分子分散液晶層6に印加する交流電圧が高いほど、液晶分子13の分子軸が徐々に可変焦点レンズ1の光軸と平行になるように配向するので、高分子分散液晶層6の屈折率を連続的に変化させることも可能である。
高分子分散液晶層6あるいは液晶分子13として用いることができる液晶物としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶、カイラルコレステリック液晶、コレステリック液晶、スメクチックC液晶、強誘電性液晶、トラン系液晶、ジフロオルスチルベン系粘性化合物、バナナ型液晶等がある。
また、高分子分散液晶層6は、液晶以外にも、電圧を印加することで屈折率を変化できる透明性を有する光学素子であれば用いることが可能である。たとえば、ペブロスカイト型などの酸化強誘電体などを用いることができる。
次に、変調回路14から出力され、透明電極4および透明電極5に印加される交流電圧の波形について図6を用いて説明する。図6の交流電圧は、周期t1(周波数f1)であり、Em1およびEm2の2つの電圧値を、周期t4で、ステップ的に繰り返す波形である。信号波の周期t4のうち、電圧値Em1の時間をt2、電圧値Em2の時間をt3とすると、高分子分散液晶層6の屈折率は、t2の時間で小さく、t3の時間で高くなる。従って、可変焦点レンズ1の焦点距離は、t2の時間で長くなり、t3の時間で長くなる。すなわち、可変焦点レンズ1を有する眼鏡を装着した被装着者は、遠方に焦点が合った像と近傍に焦点が合った像を、t4の周期で繰返し見ることになる。ここで、Em2が0Vのである電圧値0Vと電圧値Em1を、周期t1でステップ的に繰り返す交流波形でも良い。
次にt4の周期の違いによる多焦点レンズ1の見え方について説明する。t4の周期が約40msec以上の場合、被装着者には可変焦点レンズ1の焦点距離の切り替えを明確に認識される。そのため、40msec以上の周期t4は、遠近両用の眼鏡としては用いられない。また、t4の周期が40msecから20msec程度の場合、被装着者には、遠方に焦点があった像と近傍に焦点が合った像が合成された像として認識される。また、焦点距離の切り替えが、ちらつきとして認識される。さらに、t4の周期が20msec以下になると、遠方に焦点があった像と近傍に焦点が合った像が合成された像として認識され、焦点距離の切り替えによるちらつきは認識されなくなる。すなわち、可変焦点レンズの焦点距離の切り替えを40msec以下の周期で行うと擬似的な多焦点レンズを実現でき、さらには、焦点距離の切り替えを20msec以下の周期で行うと、ちらつきもなく良好な多焦点レンズを実現できる。
図2、図4、図5および図6では、交流電圧を透明電極4および透明電極5に印加する場合について説明したが、図7で示すような直流電圧を印加しても良い。この場合は、図2で示す発振回路9および変調回路14が不要であり、信号波発生回路10からの電圧信号を増幅するだけで、透明電極4および透明電極5に印加することができる。
また、図6および図7では、予め設定した2値の電圧値を一定の周期でステップ的に、透明電極4および透明電極5へ印加することを説明したが、3値以上の電圧値を一定の周期でステップ的に透明電極4および透明電極5へ印加しても良い。但し、予め設定する電圧値の数を更に多くすると、1つの電圧値の時間が少なくなり、逆にフォーカスが合った像が得られにくくなる。条件により異なるが、10値程度の電圧値の設定が限界である。
次に実験結果について、図8および図9を用いて説明する。
まず、実験に用いた可変焦点レンズについて、図8を用いて説明する。レンズA2は、f(焦点距離)70mの両凸レンズで、第2面のR1は80mm、材質はn(屈折率)1.518のBK7とした。また、第2面には透明電極4として、約0.1μm程度の膜厚のITO膜を形成した。接続線7aは、透明電極4に導電ペーストを介して接着した。レンズB3は、fが∞(無限大)で、第3面のR2が50mmの光学ウィンドウを用いた。また、第3面には透明電極5として、約0.1μm程度の膜厚のITO膜を形成した。接続線7bは、透明電極5に導電ペーストを介し接着した。レンズA2およびレンズB3は、リム16の内部に取付けた。レンズA2とレンズB3の光軸上の間隔Lは、約0.5mmとした。高分子液晶層6のマイクロカプセルの直径Dは、約30nmから100nm程度とした。高分子分散液晶6の屈折率は、印加電圧が0Vで約1.60、1Vで約1.61、100Vで1.55であった。また、可変焦点レンズ1の焦点距離は、 印加電圧が1Vで−350mm、100Vで−1300mmであった。各レンズおよび高分子分散液晶層6、印加電圧の条件を以下に示す。
レンズA2 :
両凸レンズ
f(焦点距離)=70mm
n(屈折率)=1.518
R1 = 80mm
レンズB3 :
光学ウィンドウ
f = ∞
n = 1.518
R2 = 50mm
高分子分散液晶層6 :
L = 0.5mm
n1 = 1.60 (1V 印加時 )
n2 = 1.55 (100V 印加時 )
可変焦点レンズ1 :
f = 約−350mm (1V印加時 )
f(焦点距離) = −1300mm (100V印加時 )
印加電圧 :
周波数5KHzの交流電圧
電圧 1V、100V
信号波の周期 100msec、40msec、20msec、13msec、10msec、5msec
上記眼鏡を装着する被験者は、度数−3の近視と、手元補正度数−2の老眼を有する被験者とした。また、評価方法は、被験者が多焦点眼鏡を装着し、遠方20mと近傍0.3mに設置した所定の物体のフォーカスの状態と、ちらつき度合いについて評価した。
実験結果を図9に示す。実験の結果、信号波の周期(t2)が20msec以下の条件では、ちらつきが殆ど無いことが判明した。さらに、信号波の周期が13msec以下且つ5msec以上の条件では、ちらつきが全くないことも判明した。また、どの信号波の周期の条件においても、遠方(20m)および近傍(0.3m)のフォーカスの状態は、ほぼ良好以上であった。但し、信号の周期が5msecと100msecの条件では、他の条件と比較してフォーカスの状態がやや劣化した。これは、信号の周期が5msecの条件では、高分子分散液晶層6の応答特性が限界に近づいたためと思われる。
ところで、被験者は、全ての条件においても、遠方(20m)および近傍(0.3m)の両方ともフォーカスが合ってない像も見ているはずである。しかし、全ての条件でフォーカスの状態がほぼ良好であったのは、人間が、フォーカスの状態が合った像を無意識に選択的していると思われる。
以上の実験結果から、可変焦点レンズの2種類の焦点距離の切り替えを、40msec以下の周期でステップ的に行うことで、遠方と近傍の両方にフォーカス状態が合った2焦点眼鏡を実現できることを確認した。
本発明にかかる多焦点眼鏡は、可変焦点レンズの複数の焦点距離を人間が認識できない周期でステップ的に切り替えることにより、近場と遠方の両方に同時に焦点が合った眼鏡を実現することができ、従来の多焦点眼鏡のような、レンズ内の視線の移動や、焦点距離の切換作業が不要となる。特に、高齢者が自動車の運転等を行う場合に、遠方の道路情報の認識と近傍のメータ等の確認を、眼鏡の焦点が合った状態で行えるため、安全運転等に有用なものである。
本発明の多焦点眼鏡の基本構成を示す図 本発明の可変焦点レンズの基本構成を示す図 (a)液晶が有する光学異方性の定義を示す図、(b)入射光と液晶分子の分子軸との位置関係と屈折率について示す図 交流電圧を印加しない状態における可変焦点レンズの概要を示す図 交流電圧を印加した状態における可変焦点レンズの概要を示す図 透明電極4および透明電極5に印加される交流電圧の波形を示す図 透明電極4および透明電極5に印加される直流電圧の波形を示す図 実験に用いた多焦点眼鏡の概要を示す図 実験結果の示す図
符号の説明
1 可変焦点レンズ
2 レンズA
3 レンズB
4 透明電極
5 透明電極
6 高分子分散液晶層
7a 接続線
7b 接続線
8 駆動ユニット
9 発振回路
10 信号波発生回路
11 スイッチ
12 マイクロカプセル
13 液晶分子
14 変調回路
15 高分子
16 リム
17 ブリッジ
18 ヨロイ
19 テンプル
20 モダン
21 液晶分子
22 液晶分子
23 液晶分子

Claims (6)

  1. 可変焦点レンズと前記可変焦点レンズを駆動する駆動ユニットを備えた多焦点眼鏡において、前記可変焦点レンズは、正または負の焦点距離を有する第1のレンズと、前記第1のレンズの光軸上に配置された、電圧を印加することで焦点距離が変化する第2のレンズと、を有し、前記駆動ユニットは、前記第2のレンズに、予め設定した複数の電圧値を所定の周期でステップ的に繰返し印加する印加手段を有することを特徴とした多焦点眼鏡。
  2. 前記駆動ユニットは、前記第2のレンズに、予め設定した複数の電圧値を40msec以下の周期でステップ的に繰返し印加することを特徴とした請求項1記載の多焦点眼鏡。
  3. 前記第2のレンズは、液晶分子と、前記駆動ユニットからの電圧により前記液晶分子の電界を制御するための透明電極を有することを特徴とした請求項2記載の多焦点眼鏡。
  4. 前記駆動ユニットは、前記第2のレンズに、予め設定した複数の電圧値を20msec以下の周期でステップ的に繰返し印加することを特徴とした請求項3記載の多焦点眼鏡。
  5. 前記第2のレンズに、印加する電圧は1kHz以上の周波数の交流電圧であることを特徴とした請求項4記載の多焦点眼鏡。
  6. 前記第2のレンズに、印加する電圧は直流電圧であることを特徴とした請求項4記載の多焦点眼鏡。
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