JPH0432095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、学童に特に多いねこぜや前かがみ等
の上半身の悪い姿勢を正常姿勢に矯正する上半身
姿勢の矯正着装具に関する。

（従来の技術） 第３図に示すように、従来の上半身姿勢の矯正
着装具５０は、背当て部５１の上縁５１ａの左右
の隅部位に一端が連結され各左右の側縁５１ｂ，
５１ｃの最下部位に他端が連結され、これら両部
位にかけて腕を通して肩を収容する空間Ａ，Ｂを
形成する小さめのループ状を成した伸縮弾性ベル
ト５２，５３と、背当て部５１の下縁５１ｄに沿
つて連結され腹部前方部で連結解除可能に連結さ
れる伸縮弾性ベルト５４とから構成されており、
リユツクサツク式に装着・取外しできるようにな
つている。更に、伸縮性の背当て部の下方縁部に
ベルト通しを設けて脱通しルーフを左右にそれぞ
れ形成するようにベルトを通して身体正面で結着
するようにしたものもある（例えば実開昭56−
36312公報に開示された姿勢矯正具）。

（考案が解決しようとする課題） 従来の上半身姿勢の矯正着装具５０にあつて
は、たすき掛けのベルト５２，５３は固定式にな
つており、装着時、特に取外し時に腕を通す時に
弾性収縮しているベルト５２，５３が上腕部でも
強く収縮し、からんでなかなかスムーズに装着・
取外しができず、特に学童は他の人の手助けを必
要としていた。また、大柄な人や小柄な人等、各
種体形の人々に対して体形に応じた適当な矯正力
を与えることができない等の問題を有していた。
また、後者の従来例では、体力や体形に応じた矯
正力の調節がむずかしく面倒である他、ベルト通
しにおけるベルトの摺動がしにくく背当て部にし
わが寄る等の問題を有していた。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので
あつて、１人でも装着や取外しを容易に行うこと
ができ、各種体形にもフイツトして最適な矯正力
をベルト自身の伸縮弾力性を引張りや結着の度合
で調節して与えることができ且つ比較的スムーズ
にベルトを引いたりゆるめたりできる上半身姿勢
の矯正着装具を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案の上半身姿勢
の矯正着装具を添付図面を参照して説明する。

本考案に係る上半身姿勢の矯正着装具を示す斜
視図の第１図と第２図において、本考案の上半身
姿勢の矯正着装具１は、縦長の略長方形状の背当
て部１０と、該背当て部１０に設けられたベルト
挿通案内部１５と、上記背当て部１０の上縁１０
ａの左右隅部位に各々一端２１ａ，２２ａが連結
され、各々左右の腕を通して肩を収容する空間
Ａ，Ｂを形成するループ部２１ｂ，２２ｂを設け
て上記ベルト挿通案内部１５に摺動可能に挿通さ
れ、腹の前部まで届く長さを有した２本のベルト
２１，２２と、該ベルト２１，２２の他方の自由
端部分２１ｃ，２２ｃに設けられた連結解除可能
な連結手段３１，３２とから成る上半身姿勢の矯
正着装具において、上記ベルト２１，２２は伸縮
弾性ベルトから構成されると共に、上記ベルト挿
通案内部１５は背当て部１０の下半部１２の四隅
部位に設けられた挿通開口１５ａ，１５ｂ，１５
ｃ，１５ｄから構成されベルト２１，２２をＸ形
状や相互に平行に上下方向に挿通案内しているこ
とを特徴としている。

背当て部１０の上縁１０ａの左右隅部位近傍及
び上記ベルト２１，２２の連結一端２１ａ，２２
ａ近傍に血行促進用強力マグネツト４１，４２を
設けると肩こりをほぐす健康用具としても利用で
きるようになる。

（作用） 上記のように構成された上半身姿勢の矯正着装
具１では、左右一対のベルト２１，２２は背当て
部１０の下半部１２の挿通案内部１５において比
較的スムーズに摺動可能に挿通されているため腕
を通して肩を収容するループ部２１ｂ，２２ｂ内
の空間Ａ，Ｂの大きさは使用者の体形に応じて調
整され、装着時や取外し時に楽に腕を通すことが
可能となる。また、ベルト２１，２２は、本矯正
着装具１を装着後ねこぜ等を矯正するのに適した
矯正力を発揮するように引張られ、上記空間Ａ，
Ｂを絞り、これらベルト２１，２２の各々の弾性
張力が調節され、腹の前で自由端部分２１ｃ，２
２ｃの連結手段３１，３２によつて連結保持され
るようになつている。

背当て部１０の上縁１０ａの左右隅部位近傍及
びベルト２１，２２の連結一端２１ａ，２２ａ近
傍に設けられた強力マグネツト４１，４２は、矯
正中は勿論、ベルト２１，２２の引張りを緩めて
空間Ａ，Ｂを少し大きくして矯正を中断している
時も肩のこりをほぐすように血行を促進すること
ができる。

（実施例） 本考案の代表的な実施例を図面によつて説明す
ると、第１図において、ねこぜや前かがみ等の上
半身の悪い姿勢を矯正する矯正着装具１は、背当
て部１０と、該背当て部１０の上縁１０ａの左右
隅部位に各々一端２１ａ，２２ａが縫製で連結さ
れ肩を通す空間Ａ，Ｂを形成するようにループ部
２１ｂ，２２ｂを成した後で背当て部１０の下半
部１２の挿通案内部１５をＸ状に交差して通つた
伸縮弾性ベルト２１，２２と、該ベルト２１，２
２の各々の自由端部分２１ｃ，２２ｃに設けられ
た連結解除可能なベルクロテープから成る連結手
段３１，３２とから構成されている。

背当て部１０は、やや硬めのナイロン製メツシ
ユ基布にフエルト状の布を縫合した上半分１１と
挿通案内部１５を裏面に設けたメツシユ基布のま
まの下半分１２とから成り、全体的に縦長の略長
方形状を成すが、身体に沿うようにベルト２１，
２２との連結部や当接部は若干突出状になつてい
る。

背当て部１０の上縁１０ａの左右偶部位には、
ベルト２１，２２の一端２１ａ，２２ａが縫製で
連結されており、装着時に各ベルト２１，２２が
各左右の肩の上から各脇の下を通つて背中の方に
導かれるようになつている。即ち、装着時や取外
し時に腕を通す空間Ａ，Ｂをループ部２１ｂ，２
２ｂで形成している。

背当て部１０の下半部１２の裏側に設けられた
ベルト用挿通案内部１５は、略太いＸ形状の同じ
ナイロンメツシユ基布から成る当て布１６をＸの
各先端部位を除いた輪郭が下半部１２に縫い付け
られてＸ状の通路を形成するように構成されてお
り、Ｘの各先端部位にベルト２１，２２より若干
幅広の挿通開口１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ
を形成している。従つて、上述のように背中の方
に導かれた各ベルト２１，２２の自由端は、各左
右の上部挿通開口１５ａ，１５ｂからこの挿通案
内部１５に対角方向に差し込まれ、反対側の下部
挿通開口１５ｄ，１５ｃから引き出されるように
なつており、ベルト２１，２２はこの案内部１５
内で交差状態でスムーズに摺動可能に保持されて
いる。

各ベルト２１，２２は、ゴム編みの伸縮弾性帯
やゴム帯から形成され、装着時に腹の前方に自由
端部が届く充分な長さを有すると共に、それらの
自由端部を引張つて適切なねこぜ矯正力を発揮す
るように該自由端部分２１ｃ，２２ｃの連結手段
３１，３２の連結位置が調節されるようになつて
いる。連結手段３１，３２としては、取扱いが簡
単で係合力が安定した雄と雌のベルクロテープが
好適であるが、ホツクやバツクルでもよい。

背当て部１０の上縁１０ａの左右偶部近傍及び
ベルト２１，２２の連結一端２１ａ，２２ａ近傍
には、肩こりをほぐすように血行促進用の強力マ
グネツト４１，４２が付着されている。

本考案の変形例として第２図に示すようなもの
がある。上記代表実施例における部材と同じ機能
を有したものは同じ符号で示してある。

上記代表実施例と違つた構造のみを説明する
と、案内部１５は、背当て部１０の下半部１２の
左右側縁１０ｂ，１０ｃを向いたＪ形状の筒で形
成されており、ベルト２１，２２の脇腹部位にお
けるカーブに若干スムーズさに欠ける難点がある
が、案内部１５の製作が簡単になるメリツトがあ
る。矯正力を補足するために下半部１２をナイロ
ン製メツシユ基布に代えて左右方向に伸縮する弾
力性を持つた布から構成することも可能である。

上記両実施例の矯正着装具１において、装着時
には予じめベルト２１，２２のループ部２１ｂ，
２２ｂを拡大しておくと楽に腕を通すことがで
き、また太つた人でも痩せた人でも各種体形に応
じてループ部２１ｂ，２２ｂの大きさを調整して
窮屈さや弛みを無くして１日20分〜60分の効果的
な矯正装着が行われるようになつている。取外し
時には、連結手段３１，３２を解放後に、ループ
部２１ｂ，２２ｂを引張つて空間Ａ，Ｂを大きく
して腕を抜きやすくでき、幼児でも１人で本矯正
着装具１を取外すことができる。

また、マグネツト４１，４２による肩こりほぐ
し用に使用する場合には、連結手段３１，３２の
連結位置を弛めの方にずらすことができる。

（考案の効果） 上述の如く、本考案の上半身姿勢の矯正着装具
１によれば、弾性ベルト２１，２２のループ部２
１ｂ，２２ｂの大きさを使用者の各種体形に応じ
て楽に調整することができ、腕の着け根を締めあ
げるような窮屈さを無くすると共に適当な矯正力
を発揮させることができる。また、装着時や取外
し時にループ部２１ｂ，２２ｂを引張つて充分に
大きくして楽に腕を通すことが可能となり、太つ
た人でも幼児１人で装着や取外しが容易にできる
ようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る上半身姿勢の矯正着装具
の代表的な実施例の斜視図、第２図は同矯正着装
具の変形例の斜視図、第３図は従来例の上半身姿
勢の矯正着装具の斜視図である。 符号の説明、１……上半身姿勢の矯正着装具、
１０……背当て部、１０ａ……上縁、１２……下
半部、２１，２２……伸縮弾性ベルト、２１ａ，
２２ａ……一端、２１ｂ，２２ｂ……ループ部、
２１ｃ，２２ｃ……自由端部分、１５……挿通案
内部、１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ……挿通
開口、３１，３２……連結手段、Ａ，Ｂ……空
間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦長の略長方形状の背当て部１０と、該背当て
   部１０に設けられたベルト挿通案内部１５と、上
   記背当て部１０の上縁１０ａの左右隅部位に各々
   一端２１ａ，２２ａが連結され、各々左右の腕を
   通して肩を収容する空間Ａ，Ｂを形成するループ
   部２１ｂ，２２ｂを設けて上記ベルト挿通案内部
   １５に摺動可能に挿通され、腹の前部まで届く長
   さを有した２本のベルト２１，２２と、該ベルト
   ２１，２２の他方の自由端部分２１ｃ，２２ｃに
   設けられた連結解除可能な連結手段３１，３２と
   から成る上半身姿勢の矯正着装具において、上記
   ベルト２１，２２は伸縮弾性ベルトから構成され
   ると共に、上記ベルト挿通案内部１５は背当て部
   １０の下半部１２の四隅部位に設けられた挿通開
   口１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄから構成され
   たベルト２１，２２をＸ形状や相互に平行に上下
   方向に挿通案内していることを特徴とする上半身
   姿勢の矯正着装具。