JP3112564U - 姿勢改善バンド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右夫々の上腕に掛ける環状の腕輪(11)と、左右の腕輪(11)間に架橋される伸縮性を有する背当(12)とから構成し、前記腕輪(11)と背当(12)は一直線状に配置され、着用者の背中に背当(12)を、背中における肩甲骨位置の高さ乃至該肩甲骨下方の位置に当接して、前記着用者の腹部及び胸部を前方へ押出し、両腕を後ろへ反らせて、大胸筋を開いた姿勢に改善乃至矯正する。
【選択図】図1
Description
図6の(3)、(4)矯正器具はそれぞれ構成が異なるものであるが、これらの矯正具は、いずれも腰部にベルト(=バンド)を締め付けて装着し、肩にバンドをかけて上体全体の動きを規制して肩を強制的に強い力で後方に引っ張って姿勢を矯正するものである。
しかし、このような肩を後方に引く構成では、両肩を背中側へ引き寄せる張力が、背中上側の中央へ向かって働くため、過度になったり、肩を真直ぐ後ろへ引くような効率のよい矯正を行うことができないとされている。
そしてこれらの矯正具に矯正作用を発揮させるには、ベルトを腰部に締め付けることが必須であり、それが腹部へ過大な圧迫を与えてしまうという問題もある。また着用時に体を動かすと腰部に装着していたベルトがずり上がりやすく、そのため姿勢を矯正する作用が損なわれるという一般的な問題もある。
又、これらの姿勢矯正具は、基本的に被服の中に着用されるために着用が面倒であったり、一旦着用すると、そのまま着用したままでいるために矯正負荷期間がやゝもすれば長期化する場合が多い。
つまり、基本的には直接肌につけるか薄い下着の上に着用するので、着用の違和感、不快感、が少なからず認められ、さらには、その使用状態を他人には知られないようにする心理のために、脱ぎにくい着用形態になっていた。
このような使用時間の長期化で矯正力が減少してしまう課題を解消するために、ゴム質等はやや硬めの弾力性を有した部材を採用するのが商品として通常であり、矯正負荷が安定しているとはいえない面がある。
又、ゴムバンドを伸ばして曲げ回して身体に巻き付ける用法は、ゴムバンド自体への負荷も大きいため伸縮素材であるゴムバンド(弾性体)のエッジから、こすり等による傷が入りやすく、長時間の使用に耐えないという欠点もある。
矯正は、同時に筋肉の適正バランスの育成もできる運動性のあるものが良い。
少しでも大胸筋や背筋、三角筋等の上肢の筋肉を鍛えることができる運動性をもつ構成が、矯正器具にも求められる。大胸筋は、上肢を内転する作用や呼吸幇助の作用があり、男性は胸厚に発達し、女性ではその表層に乳房が発達する。発生学的には上肢の筋肉に属するため、心理的には上肢との繋がりで観念しやすく,腕神経叢の枝である胸筋神経の支配を受ける。
肩のふくらみをつくる上肢の三角筋は、その収縮によって,上肢を外転(外側に挙げる)し,また前方と後方に挙げるので、この三角筋への刺激も重要である。
装着容易性、運動性、やさしい矯正負荷、負荷の自己調整、が可能な構成を企図しているが、一方では姿勢矯正機能を減衰することなく安定させることが機能的な課題である。
但し、肩を比較的強い力で強引に後方に引き続けるという従来の矯正具の思想と構成からは、大きくその思想を変えて開発にかかった。
つまり上腕の前後位置が三角筋に繋がって大胸筋を開く動作に関連があり、上腕を後方に引くと同時に弱い力でも背中に押圧がかかると、大胸筋が開き、姿勢は背骨をゆるやかなS字状に維持する筋肉の適正バランスが改善されることを経験できたことにある。
本考案では、やさしい力で効率よく大胸筋や背筋に負荷をかけて、運動性とともに姿勢を改善することを課題としたものである。
そして、基本的には上腕の位置を、前後方に移動させることを自由にしたままで、固定的な手法ではない構成を開発するという前提で具体的構成を開発したものである。
前記腕輪(11)と背当(12)は一直線状に配置されかつ全体がゴム織物等の伸縮性素材であるか少なくとも背当(12)が伸縮性素材であり、着用者の左右夫々の上腕に環状の腕輪(11)を通し、背中に背当(12)を略水平に当接して、使用される。
背当(12)は、弾性的に伸長短縮可能な平帯状の伸縮性帯状体であり、その両端に設けられた上腕に掛ける環状の腕輪(11)とは、幅を同じくして一直線状に連結されている。
前記腕輪(11)と背当(12)が一直線状に配置されることにより、その縮力で、大胸筋が後方に水平に開かれ、背筋が側面略ゆるやかなS字状に伸び正される。
(5)ゴムリングは、用い方を工夫すれば様々な使用方法ができるが、装着が身体のどこかの部位に適するように特定されたものではない。
これら図6(1)(2)(5)は本考案とは本質的に構成や効果が相違するものである。
そのために、本考案では、環状の腕輪(11)と背当(12)とは、パイル布地等のクッション材(3)で被覆している。
クッション材(3)は、布織物でよく、特別な弾力があるということではなく、上腕に対して滑らずに位置決めできる布地の意味である。
吸湿性でパイル地のように織り弾力があればさらに好ましい。これで伸縮部材を被覆したので、使用が違和感なく好感触で着用できるものとなっている。
背当(12)を狭い帯状のゴムバンドを多数本で構成するのは、縮力の調整に有効であり、一枚ゴムに楕円孔を形成する場合も縮力の調整と、軽量化や通気性の確保のためである。
又、前記背当(12)の伸縮部(2)を、一枚の帯状ゴムで形成する場合には、エッジ部分が断面アール状の加硫もしくは半加硫の伸縮性を有する帯状ゴムである構成も提案する。端部縁が肉厚で丸みがあると、切れにくく高級感もある。
通気性があり、アール状の端部で傷つきにくいことは、長年常用してゆくときには不可欠である。
背当(12)は、少なくとも本考案では伸縮性の弾性体であることが必要であり、耐久性があり、引張り力に安定のある素材が選定され或いは開発される。
正しい負荷方向を定め、ズレも防止できる。
B:本考案の腕輪(11)は、相当の幅があり、上腕を差し込んだときに定位置に落ち着く形態である。水平方向にのみ背当(12)で引っ張り負荷がかかるので、位置ずれが起きないし、上腕を前後に移動させることで、背当(12)への負荷を調整できる。上腕の運動は、いわゆる羽ばたき運動であり、力の少ない女性も簡単に出来る有酸素運動となるので、二の腕の部分ダイエットになると同時に姿勢の矯正を行うことになる。
一般的な腕立て伏せでおこなう二の腕のダイエットに比較してやさしく効果が高い。
C:本考案の姿勢改善バンドは、一直線状のシンプルな形態であり、着用者の肩幅に対応したサイズのものを揃えることも、背当(12)の長さ調節で個人の体格に応じたサイズが容易に提供できる。又、長さ調節手段を設けたものでは、数人で共用うることも可能である。
D:本考案の姿勢改善バンドは、その構成部位の大半が布地で被覆され、伸縮部材であるゴムも平幅(帯状)でかつエッジ部分がアール状であり、人体・被服に食い込むこともなく、又エッジ部分が切断面(カット面)を有さずかつ断面アール状になっているため伸長使用時にエッジ部分より亀裂が入って切断するおそれもない。
ゴム質部材の全面に汗吸湿性収縮性布地を被覆して収縮性糸で淵取り固定するとか、パイル地の汗吸湿性収縮性布地クッション材を管状として腕輪(11)に通してスライド自在とした構成では、着用者が自分の体形、体格に合わせてクッション材が両腕を局部的に強く締付けることを防止することから、着用者が痛みを感じることもなく、極めて良好な着用感を得ることができる。
姿勢改善バンドを装着することにより、両腕を引いて胸を前に押し出し、背筋を伸ばしたよい姿勢に矯正することができる。同時に大胸筋がリフトされるのでバストアップ効果もある。
E:本考案の姿勢改善バンドは、装着時にも体をほぼ自由に動かすことができて、装着時の圧迫感が少なくベルトの位置ずれも起こりにくい。きわめて簡単に手軽に着用できる。しかも被服の上からも着用できる。このことは実は最も実用的であり商品価値が高いところである。
F:上腕の前後動による自己負荷は、実は理学療法士が患者の胸郭を後方から両手で持ち上げて姿勢を矯正するように、或いは上腕を後方中央に水平に引きつけるように作用する。特に背当(12)の上部の縮力を下方部より強くした構成では、若干上方に腕が引っ張られて正しい姿勢矯正に有効である。
G:本考案の姿勢改善バンドは、背当の有する伸縮性から得られる弾性反発力のみによるのではなく、自由な腕の引きによって加減ができ、従来の矯正器具が静的な構造である。そのために従前のものが、装着中の負荷変化は得られ難く、十分な背筋矯正の効果を得ることができるものではなかった、という課題も解消できる。
このように、上腕を後ろへ引くような動作で、負荷が調節でき効率のよい矯正及び改善を行うことができるとともに、腕を緩めれば着用者の好む負荷を選ぶことも出来、羽ばたき運動〔筋力アップ〕もできる。
実施例1に係る姿勢改善バンド(1)は、左右夫々の上腕に掛ける環状の腕輪(11)と、左右の腕輪(11)間に架橋される背当(12)とからなり、前記腕輪(11)と背当(12)は一直線状に配置されかつ全体がゴム織物等の伸縮性素材であるものを示している。
全体が伸縮性素材で作成されるのは好ましいが、少なくとも背当(12)は伸縮性素材で作成される。
着用者は、左右夫々の上腕に環状の腕輪(11)を通し、背中に背当(12)を略水平に当接して、上腕を自然体に両脇に垂下することで、前記着用者の胸部を前方へ押出し、大胸筋を開いた姿勢に矯正することができる。
実施例1の変更例として、幅60mmで作成したものもある。
前記腕輪(11)と背当(12)は一直線状に配置されかつ全体がゴム織物等の伸縮性素材であり、腕輪(11)はダブルステッチで縫着されている。
本実施例1に係る姿勢改善バンド(1)は、着用者の体形に応じたサイズごと(例えば、子供用 女性用S、M、L男性用S,M,L等)に製造される。
図1(B)の部分拡大断面図は、表裏面にパイル布地を形成して、クッション性を付与し、さわり心地がよくしたことを示している。
被覆する布地の素材や模様は、たいへん重要で、柔らかい素材が良い。
又、実施例1の寸法は、aが100mmで、bが340mmの大きさである。
接着する場合は、両端を折り曲げて、当該部位に輪状部を形成するように、ゴムテープ本体上に重ね合わせると共に、重ね合わせ面に未加硫共生地又は共糊を介在させて、重ね合わせ部分を、加圧加硫プレス機でプレスして、重ね合わせ部分に非接合部分の80%以上の接合強度と伸度で非接合部分の伸縮に追随できるような共加硫接合を行なわせて作成する方法がある。
背当(12)を狭い帯状のゴムバンドを多数本で構成するのは、縮力の調整に有効であり、
一枚ゴムに楕円孔を形成する場合も縮力の調整と、軽量化や通気性の確保のためである。
さらに、細く狭い帯状のゴムバンドを多数本で構成した場合においては、縮力の調整に有効であるので、当該(C)図において、下方の横方向Fの縮力と、上方の横方向Eの縮力に差を設けることもできる。
つまり、背当(12)は上部の縮力が強く、下方の縮力を弱くするという設定や調整が容易である。
本考案においては、背当(12)の上方部分Eの部分の縮力を強くすることで、上腕を引く力を少し上向きに負荷して、姿勢の矯正の適正を図っている。
縮力の調整は、個人の矯正程度に応じて個別に姿勢矯正をする場合には有用である。
実施例2においては、当該姿勢改善バンド(1)を構成する背当(12)の片面に雌面ファスナー(4)と雄面ファスナー(4)或いは雌雄混在面ファスナー(4)を設けた構成として、長さの調整ができる手段を設けた構成としている。
実施例2における面ファスナー(4)は全面に形成する必要はなく、係脱の不要な箇所については特に設けないほうが良い。
長さ調節のための構成は、面ファスナーに代えて一定間隔で配列した合成樹脂製の雌雄スナップボタンの釦止めで行うものでもよい。着用者の体格に応じて、面ファスナーの接合位置を変えたり、雌雄のスナップボタンの係合位置を変更使用する。
全体長を着用者に合わせることは不可欠である。
姿勢改善バンド(1)を装着後に、S字状板(6)を差し込めば、背中を緩やかなS字に押圧することができる。S字状板(6)には指圧のための突起を形成している。
このような部品の組み合わせは、本考案が様々に展開可能であることを示している。
伸縮部(2)の強度・伸度は、限定するものではないが、破断強度で50〜130Kg/cm2、伸度で200〜400%あれば好ましい。
尚、この伸度から生じる縮力であるので着用者が痛みを感じることも無い。
図3(1)は、両端の腕輪(11)が伸縮部(2)で、これに続く部分に非伸縮部(30)を形成し、中央に背当(12)をリング状にして伸縮部(2)としたものである。
図3(2)は、両端の腕輪(11)が非伸縮部(30)で、中央の背当(12)を伸縮部(2)としたものである。
図3(3)は、両端の腕輪(11)を伸縮部(2)とし、中央に背当(12)をリング状にして伸縮部(2)としたものである。
前記実施例1〜5は、あくまで一例であり、寸法は限定されないし、又素材も限定するものではない。
特に、3歳〜5歳の幼児用、6歳〜10歳の子供用、11歳〜18歳の中人用、大人用と、成長程度に応じて相応する全体寸法や縮力強度を設計変更することができる。
例えば、幼児用では、姿勢の矯正というよりは、良い姿勢の力の入れ具合を実感させるという用法(保育園や幼稚園での指導)や少しの姿勢改善が想定されるので、破断強度や伸度も弱く又は小さい。
腕輪(11)も差し込みやすいように、全体長に比較して長くするなどの配慮が要請される。
図4は着用した人を正面から見たもの、背後から見たもの、力を抜いた上腕が後方に引っ張られている状態を側面から見たものと、力をいれて上腕を両脇に位置させた状態で背当(12)が背骨を前方に押している状態を側面から見たものと、上方から見たものを示している。
図4において、実線の矢印は、伸縮部(2)の付勢方向(縮力方向)を示し、一点鎖線は身体に加わる力の方向(負荷方向)を示すものである。
このような方向性のある水平な負荷により、大胸筋は開く方向に負荷されて、正しい姿勢に矯正改善することができる。
側面から見た図では、上腕の振る方向や停止位置によっては、背当(12)の反発力を加減できることがわかる。側面状態の図でX・Yは上腕の振る運動方向=羽ばたき運動の方向を示している。
上腕の力を抜いた状態では、背当(12)の復元力(縮力)で、上腕は後方に引っ張られ、上腕の前方への移動幅で、背中への押圧力が加減できる。
しかも背中への負荷は、上腕の位置で調整できるものであり、上腕は固定されておらず運動性(トレーニング用具としての用法ができる)があるので、多目的に使用出来るものとなっている。
特に本考案の姿勢改善バンドを着用した様子を正面から見ると、単に腕章をしている程度にしか見えない。そのため使用していても特に違和感はないので、使用しやすいという実際的利点がある。
矯正医療分野、軽いトレーニング器具、姿勢の指導用具、などの分野に利用される可能性がある。
11 腕輪
12 背当
2 伸縮部(弾性帯)
3 布地(クッション材)
30 非伸縮部
4 長さ調節手段(面ファスナー)
5 差込孔
6 緩いS字状板
E 背当の上部
F 背当の下部
X・Y 上腕の運動方向
Claims (6)
- 左右夫々の上腕に掛ける環状の腕輪(11)と、前記左右の腕輪(11)間に架橋される背当(12)とからなり、前記腕輪(11)と背当(12)は一直線状に配置されかつ全体がゴム織物等の伸縮性素材であるか少なくとも背当(12)が伸縮性素材であり、着用者の左右夫々の上腕に環状の腕輪(11)を通し、背中に背当(12)を略水平に当接して、上腕を両脇に垂下することで、前記着用者の胸部を前方へ押出し、大胸筋を開いた姿勢に改善乃至矯正することを特徴とする姿勢改善バンド。
- 左右夫々の上腕に掛ける環状の腕輪(11)と、前記左右の腕輪(11)間に架橋される伸縮性を有する背当(12)は、パイル布地等のクッション材(3)で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の姿勢改善バンド。
- 前記背当(12)は、面ファスナー等の長さ調整手段(4)を設けていることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかに記載の姿勢改善バンド。
- 前記背当(12)は水平方向に伸縮する細いバンドの列設したものあるいは水平方向に長い楕円状孔を形成して通気性を有するものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の姿勢改善バンド。
- 前記背当(12)は、エッジ部分がアール状の帯状ゴム(2)である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の姿勢改善バンド。
- 前記背当(12)は、その上方部分Eの縮力が下方部分Fの縮力より強く構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の姿勢改善バンド。
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