JPH0432083B2 - - Google Patents

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JPH0432083B2
JPH0432083B2 JP55182930A JP18293080A JPH0432083B2 JP H0432083 B2 JPH0432083 B2 JP H0432083B2 JP 55182930 A JP55182930 A JP 55182930A JP 18293080 A JP18293080 A JP 18293080A JP H0432083 B2 JPH0432083 B2 JP H0432083B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、陰イオン性及び陽イオン性の両性を
有する、オリゴマー調製用の組成物(以下、これ
を組成物ともいう。)に関する。 従来、各種のエチレン性不飽和単量体を重合し
て得られる重合体水性分散液はエマルジヨン(或
はラテツクス)として、塗料、接着剤、繊維加工
等の広範囲の用途に用いられている。これらのエ
マルジヨンにおいては、通常多量の乳化剤が重合
中の系の安定性を保持すること及び生成エマルジ
ヨンの安定性を保持するために用いられている。
しかし、乳化剤は泡立ちの原因となり、取抜作業
に支障を及ぼす。更に乳化剤は製品であるエマル
ジヨン皮膜の接着性、耐水性、耐熱性、耐薬品性
等を低下せしめることがよく知られており、これ
により各種の用途への応用に際し加工後の耐久性
の低下等の欠点を有している。 更に、従来のラテツクスの製造に於て、乳化剤
を用いないでポリビニルアルコール、繊維素エー
テル、澱粉、ポリアクリルアミド等の合成或いは
天然水性高分子を乳化分散剤として用いて乳化重
合し、エマルジヨンを得ることも行なわれている
が、このような水溶性高分子物質、即ち、保護コ
ロイドは特性の重合体組成物にしか用いることが
出来ず、且つ、このような保護コロイドの存在に
より、前述の乳化剤の場合と同様にエマルジヨン
皮膜の耐久性が著しく低下することが知られてお
り、また、これらの保護コロイドと乳化剤とを併
用することも行なわれているが、当然ながら同様
な欠点を有している。 本発明は上述の問題点を解消するために鋭意研
究の結果、従来の界面活性剤及び保護コロイドが
有する欠点を改良したオリゴマー調製用組成物を
見い出し、本発明に到達したものである。 即ち、本発明は 陰イオン性のエチレン性不飽和単量体(A1
5〜90モル%陽イオン性のエチレン性不飽和単量
体(A2)5〜90モル%AあるいはAと共重合し
うるその他のエチレン性不飽和単量体(A3)0
〜85モル%及び一般式R−(SH)o(ただし、Rは
炭素数2〜36のカルボン酸残基、nは1〜8の整
数である。)で表わされる有機チオール化合物
(A4)1〜40モル%(A1、A2、A3、A4の合計は
100モル%)からなるオリゴマー調製用組成物を
提供するものである。 本発明における陰イオン性エチレン性不飽和単
量体(A1)とは、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、ビニルトルエンスルホン酸、3−ア
クリルアミド−2,2−ジメチルプロパン−1−
スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸、アクリル酸或いはメタクリル酸スルホアル
キル等の不飽和−塩基酸及び/又はこれらの塩;
イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和
二塩基酸及び/又はこれらの塩或いはこれらのモ
ノエステル等のカルボン酸及び/又はスルホン酸
基を有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられ
る。又、陽イオン性単量体(A2)とは、ビニル
ピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2
−メチル−5−ビニルピリジンの如きモノビニル
ピリジン類;N,N−ジメチルアミノエチルアク
リレート又はメタクリレート、β−(t−ブチル
アミノ)エチルアクリレート又はメタクリレート
−2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピルト
リメチルアンモニウムの塩又はメタクリロキシプ
ロピルトリメチルアンモニウムの塩の如きアクリ
ル酸又はメタクリル酸の陽イオン性塩を形成しう
るアミノ基を含むエステル類;2−ジメチルアミ
ノエチルビニルエーテルの如きアルキルアミノ基
を有するビニルエーテル類;N−(2−ジメチル
アミノエチル)アクリルアミドまたはメタクリル
アミドの如きアルキルアミノ基を含むアクリルア
ミド或いはメタクリルアミド類が挙げられる。 A1、A2と共重合しうるその他のエチレン性不
飽和単量体(A3)は、一般に水溶性単量体と水
不溶性単量体に分けられる。水溶性単量体として
は、アクリルアミド、メタクリルアミドの如き
α、β不飽和酸のアミド類又はN−メチロールア
クリルアミド、メトキシメチルアクリルアミドの
如きこれらの誘導体、ヒドロキシアルキルアクリ
レート又はメタクリレートの如きα,β−不飽和
酸のヒドロキシアルキルエステル類;ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレートヒドロキ
シビニルエーテル、ビニルピロリドン、アリルア
ルコール等が挙げられる。水不溶性単量体として
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ツク酸ビニル、他の第三級カルボン酸ビニル等の
ビニルエステル類;アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、マレイン酸
ジアルキルエステル、フマール酸ジアルキルエス
テル、イタコン酸ジアルキルエステル等の不飽和
カルボン酸エステル類;エチレン、プロピレン等
のα−オレフイン類、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、フツ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
又はビニリデン類;アクリロニトリル、ブタジエ
ンアルキルビニルエーテル類等が挙げられる。 又、本発明に使用される一般式R−(SH)oで表
わされる炭素数2〜36、nが1〜8の有機チオー
ル化合物(A4)としては、n−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタ
ン、n−オクタデシルメルカプタン等のアルキル
メルカプタン類;ベンジルメルカプタンドデシル
ベンジルメルカプタン、p−クロロベンジルメル
カプタン等の芳香族メルカプタン類、チオグリコ
ール酸、メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ
酸、チオコハク酸、チオ安息香酸の如きチオカル
ボン酸又はこれらの塩或いはn−ブチル−3−メ
ルカプトプロピオネート、n−ブチルチオグリコ
ート、エチルチグリコート、イソオクチルチオグ
リコート、ドデシルチオグリコレート、ドデシル
−3−メルカプトプロピオネート、オクタデシル
−3−メルカプトプロピオネート、トリデシルチ
オグリコレート等のチオカルボン酸アルキルエス
テル類、モノエタノールアミンチオグリコレー
ト、2−ジメチルアミノエタンチオールハイドロ
クロライド、2−ジメチルアミノエタンチオール
ハイドロクロライド、ジアミノプロパンチオール
ハイドロクロライド、2−メルカプトアミンハイ
ドロクロライド等の含室素チオール類、2,2′−
ジメルカプトジエチルエーテル、ジチオールテレ
フタル酸、グリコールメルカプトアセテート、ペ
ンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ト
リメチロールエタントリチオグリコレート、トリ
メチロールプロパントリチオグリコレート等のポ
リチオール類が挙げられる。これらの中で特にア
ルキルメルカプタン類が有用であり、又、これら
有機チオール化合物は二種以上混合して用いても
良い。 本発明の両性オリゴマー調製用組成物に於ける
前記の各化合物の使用比率は該組成物の構成割合
とほぼ同じでよく、即ち陰イオン性のエチレン性
不飽和単量体(A1)5〜90モル%、陽イオン性
のエチレン性不飽和単量体(A2)5〜90モル%、
A1あるいはA2と共重合しうるエチレン性不飽和
単量体(A3)0〜85モル%及び一般式R−(SH)
oで示される有機チオール化合物(A4)1〜40モ
ル%が良く、特にA1:20〜80モル%、A2:20〜
80モル%、A3:0〜50モル%、A4:2〜30モル
%、が好ましい。陰イオン性のエチレン性不飽和
単量体(A1)、陽イオン性のエチレン性不飽和単
量体(A2)及び有機チオール化合物(A4)は本
発明の両性オリゴマー調製用組成物に於ける必須
成分であるが、上記使用範囲を逸脱すると両性オ
リゴマー調製用組成物の乳化分散能が低下し、こ
れを乳化重合用分散剤として用いた場合に、粒子
の凝集を起したり、重合が円滑に進行しなくなる
という問題を生じる。 上記の両性オリゴマーを製造するのに用いる水
溶性有機溶剤にはメタノール、エタノール、プロ
パノール、t−ブタノール等のアルコール系溶
剤、メトキシエタノール、エトキシエタノール、
ブトキシエタノール等のセロソルブ系溶剤、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等のカルビトール系
溶剤、アセトン、テトラヒドロフラン等のケトン
系溶剤など及びこれらの混合溶剤がある。これら
の水溶性有機溶剤は両性オリゴマー調製用組成物
の原料である各種モノマー及び生成オリゴマーを
溶解しうるもので且つ水溶性であればよく、上記
の溶剤のみに限定するものではない。また、スル
ホン酸塩系のモノマーを両性オリゴマー調製用組
成物成分として用いる場合には、当該モノマーの
溶解性を向上させるために水と水溶性有機溶剤を
併用することも可能である。水と水溶性有機溶剤
の使用比率は原料モノマー及び生成ポリマーが均
一に溶解する範囲であればよく特に制限はない。 前記の陰イオン性のエチレン性不飽和単量体
(A1)、陽イオン性のエチレン性不飽和単量体
(A2)、A1あるいはA2と共重合しうるエチレン性
不飽和単量体(A3)及び有機チオール化合物
(A4)はラジカル生成触媒により反応せしめるの
が好ましく、かかるラジカル生成触媒としては、
過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の水溶性無機過酸化物もしくは過硫酸物の塩
及び/又はクメンハイドロパーオキサイド、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド等の有機過酸化物及び/又はアゾビス
イソブチロニトリルの如きアゾ化合物等の一種以
上が用いられる。又、これらの触媒と金属イオン
及び還元剤の併用による一般にレドツクス重合法
として公知の方法を用いてもよい。 反応温度及び反応時間は通常、ラジカル重合が
行なわれる公知の範囲でよいが、一般的に20〜
150℃で15分〜15時間の範囲で、反応せしめる物
質A1、A2、A3、A4の反応性、触媒の分解性、溶
剤の沸点等により選択される。 上述の如く反応せしめたA1、A2、A3、A4の反
応生成物であるオリゴマーはそのままでも重合用
の乳化分散剤として用いることができるが、反応
生成物、(オリゴマー調製用組成物)中の陽イオ
ン性基あるいは陰イオン性基が塩になつていない
場合、これに陰イオン性物質あるいは陽イオン性
物質で中和、造塩する方が好ましい。中和するこ
とにより、両性オリゴマー組成物のイオン性、特
に陽イオン性を一層強め乳化重合特性を向上させ
るとともに同一のオリゴマーを用いて、所望に応
じ陰イオン性、陽イオンいづれに荷電したエマル
ジヨンの調製も可能となる。即ち、A1、A2
A3、A4が本発明の組成範囲ならば、それぞれの
当量比に関係なく、陰イオン性、陽イオン性のど
ちらの荷電を有するオリゴマー組成物をも得るこ
とができる。 本発明の両性オリゴマー調製用組成物はエチレ
ン性不飽和単量体の乳化重合用分散剤として好適
に使用できる。この場合、両性オリゴマー調製用
組成物の使用量(上記A1、A2、A3、A4の合計で
表わす)は、乳化重合性及び生成エマルジヨンの
安定性を損なわないためにはエチレン性不飽和単
量体100重量部に対し少なくとも0.2重量部、好ま
しくは1重量部以上用いる必要があり、一方生成
エマルジヨンの皮膜耐水性、耐酸または耐アルカ
リ性等の皮膜物性を低下せしめないためには50重
量部、好ましくは30重量部以下の使用比率にする
必要がある。 かかるエチレン性不飽和単量体としては下記の
ものを挙げることができ、これらは用途或いは共
重合性等に応じて選択され、一種もしくは二種以
上で用いられる。該エチレン性不飽和単量体とし
ては (1) α,β−不飽和カルボン酸エステル、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸ブチル等のアクリル酸又はメタクリル
酸のアルキルエステル類、アクリル酸ヒドロキ
シプロピル等のヒドロキシアルキルアクリレー
ト及びメタクリレート、2−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジクロルトリアシジニルアミノエ
チルメタクリレート等のアミノ基含有エステル
類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレートの如きグリシジル基含有エステル類
及びマレイン酸、フマル酸、イタコン酸の各エ
ステル類。 (2) α,β−不飽和カルボン酸及びスルホン酸及
び/又はそれらの塩、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルトルエン
スルホン酸等の不飽和一塩基酸及びこれらの塩
類、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不
飽和二塩基酸及びこれらの半エステルおよび塩
類。 (3) α,β−不飽和酸のアミド、例えばアクリル
アミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド
及びマレイン酸イミド等。 (4) 不飽和酸カルボン酸の置換アミド、例えばN
−メチロールアクリルアミド及びメタクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、N−(クロ
ルアセトアミドメチル)アクリルアミド等。 (5) ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニルエステ
ル等及び塩化ビニル等。 (6) α,β−不飽和カルボン酸のニトリル、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等。 (7) ビニルエーテル、例えばビニルエチルエーテ
ル等。 (8) ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン
等。 (9) ビニルアミド、例えばビニルホルムアミド、
ビニルアセトアミド等。 (10) 芳香族ビニル化合物、例えばスチレン及びビ
ニルトルエン等。 (11) 複素環式ビニル化合物、例えばビニルピリ
ジン及びビニルピロリドン等。 (12) ハロゲン化ビニリデン化合物、例えば塩化
ビニリデン、フツ化ビニリデン等。 (13) ジビニル化合物、例えばジビニルベンゼ
ン、ブタンジオールジメタクリレート等。 (14) α−オレフイン、例えばエチレン、プロピ
レン等。 (15) ジオレフイン、例えばブタジエン、イソプ
レン等。 (16) アリル化合物、例えば酢酸アリル、アリル
アルコール及びジアリルフタレート等。 本発明において、水溶性エチレン不飽和単量体
を乳化重合する場合、当該水溶性エチレン不飽和
単量体のイオン性が陽、陰いづれでも特に支障な
く乳化重合できる。必要とする要求物性に応じて
用いる単量体の種類・量を自由に選択することが
できる。 これらの重合は一般的にエマルジヨンの製造に
用いられている公知の乳化重合と同様な方法が用
いられる。即ち、エチレン性不飽和単量体を一括
して或は分割して或は連続的に滴下し、同様に前
記の両性オリゴマー生成反応と同様のラジカル生
成触媒を加えて0〜100℃の温度で重合される。
この場合反応温度でガス状の単量体は当然加圧下
で重合され、又、反応温度は重合せしめる単量体
の重合性或は触媒の分解性等により定められるが
実用的には30〜90℃が適当である。 本発明による重合体水性分散液組成物(エマル
ジヨン)は実用的には20〜65重量%の固型分濃度
で製造され、水或は水と親水性有機溶剤の使用量
により固型分濃度を変えることができ、従来の乳
化重合による場合と同様に調整される。さらに本
発明に於ては、従来の乳化剤或は保護コロイドを
含まないエマルジヨンを得ることが目的ではある
が、場合によりこれらの少量を初期或は重合中或
は重合終了後に添加してもよい。但し、この場合
乳化剤或は保護コロイドの量は従来のエマルジヨ
ンの欠点が問題とならない範囲に制限される。 上記の如くして得られた重合体エマルジヨンは
所望に応じて残留単量体が除去され、又、所望に
応じてPHが調整される。PHの調節は酸性側に調整
する場合は塩酸、硫酸等の無機酸もしくは蟻酸、
酢酸等の有機酸の水溶液、又、アルカリ性側に調
整する場合はアンモニア、アミン類、苛性ソー
ダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ水溶液
等の従来のエマルジヨンのPH調節剤としてのもの
が用いられる。 さらに、その他従来乳化重合時に使用されてい
る調節剤、電解質及び他の添加剤等公知のものが
使用可能である。このようにして得られたエマル
ジヨンは発泡の少ない、しかも機械的安定性に優
れた陰イオン性、陽イオン性を併せもつ両性重合
体水性分散液組成物である。 本発明の水性重合体分散液組成物は乳化剤を含
有せず、かつ粒子表面陽、陰の両性に帯電してい
るため各種基材に対する接着性にすぐれ、また良
好な顔料あるいは染料混和性を有すると同時に乳
化剤を含有しないことによる耐水性、耐薬品性の
耐久性、更には防錆性もすぐれている。 次に本発明を実施例により詳細に説明する。以
下部及び%は特に断りのない限りすべて重量基準
であるものとする。 実施例 1 温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、還流冷却器
および滴下ロートを備えた5つ口フラスコにアク
リル酸324.5g(4.5モル)、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート707.4g(4.5モル)、ラウリル
メルカプタン202.4g(1モル)、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル1233.9gおよび過酸化ベ
ンゾイル61.7gの混合物()の1/5を仕込み、
窒素置換を行なつた後、2時間を要して150℃に
徐々に昇温した。次に150℃にて混合物()の
残部を4時間を要して滴下した。滴下終了後、更
に3時間150℃にて撹拌を行なつた。 得られた組成物(No.1)は均一な淡黄色の液体
であり、その固形分濃度より反応率を求めると
99.0%であつた。 次いで、上記の混合物〔〕の代わりに表1に
示す組成の混合物を用いて同様の反応操作を行な
い組成物No.2〜23を得た。その反応結果を表1に
併記する。
【表】
【表】 表1における略号の説明 AA…アクリル酸;MAA…メタクリル酸 DMA…ジメチルアミノエチルメタクリレート;
DEMA…ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト;QA…2−ヒドロキシ−3−メタクリルオ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド BCS…ブトキシエタノール EPO…ベンゾイルパーオキシド EA…エチルアクリレート st…スチレン AN…アクリルニトリル βHEA…β−ヒドロキシエチルアクリレート LSH…ラウリルメルカプタン OSH…n−オクチルメルカプタン DSH…t−ドデシルメルカプタン DEMA…ジエチルアミノエチルメタクリレート 実施例 2 〔マイナスに帯電する水性分散液の製造〕 撹拌機付スランレス製反応容器にコンデンサ
ー、温度計、滴下ロート、窒素導入管を取付け、
脱イオン水880部及び実施例1で得られた各種オ
リゴマーを40部(固形分換算量)添加し、撹拌を
開始したのち、系のPHをアンモニア水にて8.0に
調整した。系内を窒素置換し、反応容器内温度を
80℃に昇温し、次いで別の容器中で予め混合して
ある単量体混合物(ブチルアクリレート600部お
よびメチルメタクリレート400部)および重合触
媒溶液(過硫酸カリウム5部を脱イオン水80部に
溶解してある)を反応溶器内温度を80℃に保ちな
がら180分かけて滴下し重合せしめた。滴下終了
後同温度にて30分間保持して分散液No.1〜23を得
た。 その後、内容物を30℃に冷却した後、PH測定後
28%アンモニア水にてPH8〜9に調節した。さら
に固形分濃度50%になるよう脱イオン水で調整
し、100メツシユ金網で口過した。各種のオリゴ
マーを用いて得られた重合体エマルジヨンの固形
分濃度(NV)、PH、粘度(ブルツクフイールド
型回転粘度計にて温度25℃で測定)及び100メツ
シユ金網不通過の凝集物(対生成分散液比)を表
2に記す。 比較のため、前記乳化重合の際、オリゴマーの
代わりに乳化剤を使用し、他の条件は同一にして
反応し水性分散液No.24を得た。この場合に用いた
乳化剤は「エマールO」(ナトリウムラウリルサ
ルフエート、花王アトラス社製品)20部、「ノイ
ゲンEA−170」(ポリオキシノニルフエノールエ
ーテル:第一工業製薬社製品)20部であつた。
【表】
〔重合法B:カオチンに帯電する水性分散液の製造〕
撹拌機付ステンレス製反応容器にコンデンサ
ー、温度計、滴下ロート、窒素導入管を取付け脱
イオン水880部及び実施例1で得られた各種オリ
ゴマーのうちの1つを40部(固形分換算量)添加
し、撹拌を開始したのち、系のPHを酢酸にて2.2
に調整した。系内を窒素置換し反応容器内温度を
80℃に昇温し、次いで別の容器中で予め混合して
ある単量体混合物(ブチルアクリレート600部お
よびメチルメタクリレート400部)および重合触
媒溶液(アゾビスイソブチロニトリル−2−アン
モニウムクロリド5gを脱イオン水80部に溶解し
てある。)を反応容器内温度を80℃に保ちながら
180分かけて滴下し重合せしめた。滴下終了後同
温度にて30分間保持して分散液No.25〜48を得た。 その後、内容物を30℃に冷却した後、固形分濃
度50%になるように脱イオン水で調整し100メツ
シユ金網で過した。各種のオリゴマーを用いて
得られた重合体エマルジヨンの固形分濃度
(NV)、PH、粘度及び100メツシユ金網不通過の
凝集物(対生成分散液比)を表3に併記する。 比較のため、前記乳化重合の際オリゴマーの代
わりに乳化剤を使用し、他の条件は同一にて反応
し、水性分散液No.48を得た。この場合に用いた乳
化剤はドデシルアミン塩酸塩20部、「ノイゲン
EA170」(ポリオキシノニルフエノールエーテ
ル:第一工業製薬株式会社製品)20部であつた。 表3に示した結果により、本発明のオリゴマー
がいづれもすぐれた乳化重合特性を有しておりし
かも同一のオリゴマーを用いてアニオン、カチオ
ンいづれに帯電するエマルジヨンも良好に製造し
うることがわかる。
【表】
【表】 ものであり、他は本発明のもので
ある。
試験例 1 実施例2および3にて製造した各水性分散液を
用い、各種基材に対する密着性の試験を行つた。
その結果を表4に示す。また、得られる皮膜の耐
水、耐アルカリ性も試験し、その結果も表4に併
記する。 表4の結果より、本発明の重合体水性分散液は
通常の乳化剤を用いて製造したものに比べてすぐ
れた密着性及び耐水性、耐アルカリ性等の耐久性
を有する塗膜を形成しうることが明らかである。
【表】 は本発明のものである。
表4における試験方法 (1) 各種基材に対する密着性:基材に3ミルアプ
リケーターにてエマルジヨンを塗布し、常温1
日乾燥後、カミソリの刃にて1mmのます目を
100個作り、セロハンテープはく離を行ない残
存率にて表示。 (2) 耐水性:ガラス板に3ミルアプリケーターに
てエマルジヨンを塗布し、常温1日乾燥後72時
間浸漬した塗面の状態を観察する。 (判定基準) ○…塗膜が白化せず、フクレも生じない。 △…塗膜の白化及びフクレがややある。 ×…塗膜が白化及びフクレが著しい。 (3) 耐アルカリ性:(2)と同様に作成した塗布試片
を5%苛性ソーダ水溶液中に72時間浸漬し、試
片の状態を観察する。判定基準は耐水性と同様
である。 実施例 4 実施例1の組成物No.1〜3と、ブチルアクリレ
ート600部、スチレン390部およびアクリル酸10部
からなる単量体混合物とを用いる他は実施例2と
同様にして各水性分散液No.49〜52を製造した。各
水性分散液の諸性状を表5に記す。 これらの分散液を脱脂した磨軟鋼板にNo.30のバ
ーコーターで塗布し80℃5分間熱風乾燥機中で乾
燥する。その後室温にて24時間放置後、塩水噴霧
試験機にて48時間試験したのち、防錆性を判定す
る。この結果を表4に併記する。表5より、本発
明のオリゴマー調製用組成物は、それ自体、優れ
た乳化重合用の分散剤であり、且つ本発明により
製造したエマルジヨンはすぐれた防錆力を有する
ことが明らかである。
【表】 である。
実施例 5 実施例1の組成物No.1〜3と、酢酸ビニル1000
部のみからなる単量体混合物とを用いる他は実施
例2と同様にして各水性分散液No.53〜55を製造し
た。各水性分散液の諸性状を表6に記す。 本実施例で得た各水性分散液を用い下記の塗料
配合例の混合割合で密に混合した混合物100部に
対しフタロシアニンブルーを1部加え、良く混合
して青色の塗料を得た。このようにして得た塗料
をコンクリートアスベストパネル上に刷毛塗りし
た際の塗膜物性及び塗料物性を表6に併記した。 塗料配合例 1 水 105.0部 「タモール731」(25%水溶液:ローム&ハース社
製) 9.0 「タイペークR930」(二酸化チタン:石原産業社
製) 275.0部 エチレングリコール 50.0 「ノイゲンEA120」(ポリオキシエチレンノニル
フエニルエーテル:第一工業製薬社製) 2.2 防腐剤 1.5 ブチルカルビトールアセテート 20.0 「セロサイズWP4400」(3%水溶液:ヒドキシ
エチルセルロース:ユニオンカーバイド社製)
100.0 重合体水性分散液(固形分濃度50%) 616.5 28%アンモニア水 1.0 計 1090.2 固型分濃度 %顔料容積濃度 54.4% 表6の結果から明らかのように、本発明より得
られた分散液をバインダーとして用いた塗料は塗
料安定性、発色性に示されるように顔料分散性に
優れ、しかも塗膜の密着性に極めてすぐれるもの
である。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陰イオン性のエチレン性不飽和単量体(A1
    の5〜90モル%、陽イオン性の不飽和単量体
    (A2)の5〜90モル%、上記したA1あるいはA2
    と共重合し得る他のエチレン性不飽和単量体
    (A3)の0〜85モル%及び一般式 R−(SH)o (ただし、式中のRは炭素数が2〜36なる有機基
    を表わすものとし、また、nは1〜8なる整数で
    あるものとする。) で示される有機チオール化合物(A4)の1〜40
    モル%を含有することを特徴とする、オリゴマー
    調製用組成物。
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