JP3332097B2 - 増粘された水性ラテックス組成物 - Google Patents

増粘された水性ラテックス組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水を媒体とする水性ラ
テックスに、ビニル系共重合体の水性エマルジョンと水
に分散したコロイダルシリカとを混合されてなる増粘さ
れた水性ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】エマルジョン,サスペンジョン,ラテッ
クス等と呼称される微細粒子の液状媒体分散体(以下、
ラテックスと略称する)は従来から、水性塗料,接着
剤,紙塗工剤,皮革の下地調整剤,セメント用混和剤,
フィルムの滑剤,繊維のバインダ−等として広く利用さ
れている。これらのラテックスは基材に浸漬させて付着
させたり、ドクタ−ブレ−ド,ロ−ルコ−タ等による塗
装や、スプレ−による吹きつけ塗装等の作業で塗布され
たり、その他の成分の助剤として混合したりして使用さ
れているが、ラテックスそのものが非常に低粘度である
のに加え、固形分調整や着色等の目的で顔料,充填剤等
が添加されたラテックス組成物は一層粘度が低下した
り、凝集したりして作業が不可能となったり、目的とす
る製品が得られなかったりする場合が多い。
【0003】このため従来から、ラテックス組成物に適
当な粘度を持たせるために、カルボキシメチルセルロ−
ス,メチルセルロ−ス,ヒドロキシエチルセルロ−ス,
ポリビニルアルコ−ル,ポリアクリルアミド,ポリアク
リル酸ソ−ダ等の増粘剤を添加したり、ラテックス作成
の際に不飽和カルボン酸成分を共重合し、かつ系をアル
カリ性にすることで増粘させる方法を取ってきた。しか
し、前者の増粘剤は粘性に限界があり、ラテックス組成
物に充分な粘性を与えるためには、用途によって異なる
が、例えば、ロ−ルコ−タ−塗装するに良好な粘度にす
るために2〜20重量%もの多量の増粘剤を添加する必
要があり、塗装時に曳糸挙動が現れて均一な塗膜が得ら
れなかったり、乾燥後の塗膜の強度,光沢,耐水性等の
性能に悪影響を及ぼしたりする。また、後者では、系の
pHに粘度が大きく左右されたり、無機イオン,金属イ
オン等が系に存在すると、全く増粘効果を失うといった
問題を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水を
媒体とするラテックス組成物において、pHやイオン濃
度に影響されずに高粘度が維持され、また従来の増粘剤
に付随する不具合の解消された、増粘された水性ラテッ
クス組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決すべく
鋭意研究を進めた本発明者は、特定のアクリル酸エステ
ルを共重合したビニル系水性エマルジョンと特定のコロ
イダルシリカとを混合した水性ラテックスが、驚くべき
増粘を示すことを見いだし本発明に到達した。即ち、上
述した本発明の目的は、水性ラテックスの不揮発分10
0重量部に対し、下記水性エマルジョン(A)の不揮発
分が3〜100重量部及び、水性エマルジョン(A)の
不揮発分100重量部に対し、下記コロイダルシリカ
(B)の不揮発分が20〜400重量部となるように混
合されてなる増粘された水性ラテックス組成物。 水性エマルジョン(A);付加数n=5〜30のポリエ
チレンオキシド又はポリプロピレンオキシドとメタクリ
ル酸又はアクリル酸とのエステル0.5〜10重量%
と、残余はその他のビニル系単量体との共重合体であっ
て、該共重合体が平均粒子径0.5μm以下を有し、か
つ水性媒体中に安定に分散している、ビニル系共重合体
の水性エマルジョン コロイダルシリカ(B);0.1μm以下の平均粒子径
を有し、水性媒体中に安定に分散しているコロイダルシ
リカにより、好適に達成される。
【0006】さらに増粘された水性ラテックス組成物の
増粘の程度は、JIS K5400の3.4に規定され
ているフォ−ドカップ法により表される粘度が増粘前に
比べ、1.3〜20倍の範囲の増粘された水性ラテック
ス組成物が本発明により提供される。
【0007】以下、本発明に係る増粘された水性ラテッ
クス組成物の詳細について説明する。
【0008】まず本発明に用いられる水性エマルジョン
(A)とは、付加数n=5〜30のポリエチレンオキシ
ド又はポリプロピレンオキシドとメタクリル酸又はアク
リル酸とのエステル(以下、アルキレンオキシド付加
(メタ)アクリル酸エステルと略称する)0.5〜10
重量%が共重合されていることに特徴があり、残余は、
その他のビニル系単量体からなる。この共重合割合が
0.5重量%未満だと、最終の水性ラテックス組成物の
増粘が不充分となり、10重量%を越えると水性ラテッ
クス組成物が凝集を引き起こす問題を生じ、いずれも発
明が達成されない。また、(メタ)アクリル酸とエステ
ルを構成するポリエチレンオキシド又はポリプロピレン
オキシドの付加数nは5〜30である。この付加数nも
5未満だと水性ラテックス組成物の増粘が不充分とな
り、付加数nが30を越える場合、該当する単量体が見
当たらないので定かではないが、水性ラテックス組成物
が凝集を引き起こす問題を生じる可能性が高く、やはり
発明が達成されない。また、水性エマルジョン(A)の
平均粒子径が0.5μmを越えると、水性ラテックス組
成物が沈降する問題が生じるため、水性エマルジョン
(A)の平均粒子径は0.5μm以下、望ましくは0.
25μm以下が良い。
【0009】尚、水性エマルジョン(A)を構成するア
ルキレンオキシド付加(メタ)アクリル酸エステル以外
の残余成分は、ビニル系単量体である。該単量体は後段
で例示するが、その選択においては、本発明の水性ラテ
ックス組成物の応用される用途、例えば水性塗料,接着
剤,紙塗工剤,皮革の下地調整剤,セメント用混和剤,
フィルムの滑剤,繊維のバインダ−等のそれぞれの分野
及びそれぞれの中でもさらに特別に要求される性能を満
たすために、各種の単量体が組み合わされる。従って該
単量体は1種類に限らず、複数種が組み合わされ共重合
されることもある。かかる共重合体に、必須成分として
本発明に定義するアルキレンオキシド付加(メタ)アク
リル酸エステルが存在することで、水性エマルジョン
(A)がコロイダルシリカ(B)とともに水性ラテック
スに混合されたとき、従来の問題点を解消した十分増粘
された水性ラテックス組成物を与えるのである。
【0010】次に付加数n=5〜30のアルキレンオキ
シド付加(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、
例えば、(メトキシ)ポリエチレングリコ−ル(メタ)
アクリレ−ト,(メトキシ)ポリプロピレングリコ−ル
(メタ)アクリレ−ト,ポリエチレングリコ−ルポリプ
ロピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等のn=5〜
30のものが例示できる。
【0011】また、前述したその他のビニル系単量体と
しては、例えば、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニ
リデン類;アクリル酸,メタアクリル酸,マレイン酸,
イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びこれらの塩類;
(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチ
ル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オ
クチル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アク
リル酸メトキシエチル,(メタ)アクリル酸フェニル,
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル,(メタ)アクリル
酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−ト,ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレ−ト等のヒドロキシ(メタ)アクリ
レ−ト類;メチルビニルケトン,フェニルビニルケト
ン,メチルイソプロペニルケトン等の不飽和ケトン類;
蟻酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;メチルビニルエ−テル,エチルビニルエ
−テル,アリルグリシジルエ−テル等のビニルエ−テル
類;アクリルアミド及びそのアルキル置換体;ビニルス
ルホン酸,アリルスルホン酸,メタリルスルホン酸,p
−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及
びこれらの塩類;スチレン,α−メチルスチレン,クロ
ロスチレン等のスチレン及びそのアルキルまたはハロゲ
ン置換体;アリルアルコ−ル及びそのエステルまたはエ
−テル類;ビニルピリジン,ビニルイミダゾ−ル,ジメ
チルアミノエチルメタクリレ−ト等の塩基性ビニル化合
物類;アクロレイン,メタクロレイン,シアン化ビニリ
デン,アクリロニトリル,メタクリロニトリル等のビニ
ル化合物類等が挙げられ、要求される水性ラテックス組
成物の性能に応じて、適宜選択される。
【0012】水性エマルジョン(A)の製造法は特に限
定しないが、水性媒体中での乳化重合による方法が望ま
しい。この場合、通常の乳化重合においては、低分子量
界面活性剤や水溶性ポリマ−,水溶性オリゴマ−等水溶
性保護コロイドの存在下で重合を行うことが一般的であ
る。しかし、このような低分子量界面活性剤を用いて重
合したエマルジョンは、コロイダルシリカ(B)ととも
に用いたときの増粘の程度に、pHやイオン濃度の影響
を受けることが場合によってはあるので、上記の様な低
分子量界面活性剤や水溶性保護コロイドを使用しないで
得られたものの方が望ましい。
【0013】そこで、水性エマルジョン(A)の合成に
おいて、重合開始剤としては通常のフリ−ラジカル触媒
(例えば、過硫酸アンモニウム,過硫酸カリウム等の酸
化剤やアゾビス系触媒等)が使用できるが、上記酸化剤
に還元剤(例えば、酸性亜硫酸ナトリウム,亜硫酸ナト
リウム等)をそれぞれ用いたレドックス系触媒が望まし
い。この触媒の使用量は、単量体総重量に対して0.2
〜3.0重量%であり、好ましくは0.3〜1.5重量
%である。水性媒体中での乳化重合による合成は、構成
成分である各種単量体を攪拌条件下で上記開始剤と同時
に水中に滴下する通常の方法を用いれば良い。この時、
各種単量体は予め全部を混和させておくことが望ましい
が、必要に応じて滴下する単量体組成を時間的に変化さ
せる連続多段重合や断続多段重合の方法を用いたり、性
質の異なる単量体を別々に滴下する方法を用いても差し
支えない。
【0014】次に、コロイダルシリカ(B)は、平均粒
子径0.1μm以下で水性媒体中に安定に分散してお
り、化学式、SiO2で表せる物を言う。0.1μmを
越える平均粒子径だと、増粘させるべき水性ラテックス
組成物が凝集を引き起こすので発明が達成されない。
【0015】また、コロイダルシリカ(B)の代わり
に、Al23,ZrO2,TiO2,Sb25等酸化物ゾ
ルの中にも増粘効果を持つ物があると考えるが、定かで
はない。
【0016】増粘すべき水性ラテックス及び水性エマル
ジョン(A),コロイダルシリカ(B)の3者の量的な
関係及び混合手順は、まず、水性ラテックスの不揮発分
100重量部に対し、水性エマルジョン(A)の不揮発
分が3〜100重量部、好ましくは5〜50重量部にな
るよう混合する。ただし、この時点では全く増粘効果は
表れない。
【0017】次に、水性エマルジョン(A)の不揮発分
100重量部に対し、コロイダルシリカ(B)の不揮発
分が20〜400重量部、好ましくは50〜200重量
部になるよう混合する。ここで混合物は速やかに増粘効
果が発現し、発明の増粘された水性ラテックス組成物を
与える。尚、増粘すべき水性ラテックスの性質によって
は、必ずしも前述の手順で混合される必要はなく、例え
ば増粘すべき水性ラテックスにコロイダルシリカ(B)
を混合し、次いで水性エマルジョン(A)を混合する順
でも良い。例えば繊維用バインダ−やフィルム滑剤等の
用途の場合には、これでもいける例である。
【0018】水性エマルジョン(A)が水性ラテックス
に対し、3重量部未満、或いはコロイダルシリカ(B)
が水性エマルジョン(A)に対し、20重量部未満だと
増粘効果はほとんど表れないし、水性エマルジョン
(A)が水性ラテックスに対し、100重量部を越え
る、或いはコロイダルシリカ(B)が水性エマルジョン
(A)に対し、400重量部を越える場合、水性ラテッ
クス組成物が凝集を引き起こす問題を生じ、発明が達成
されない。
【0019】かくの如く混合された本発明の水性ラテッ
クス組成物は、使用された水性エマルジョン(A)の共
重合成分やコロイダルシリカ(B)の種類や量,混合の
方法や温度等により異なるが、いずれにしても水性ラテ
ックスに較べ大幅に粘度が上昇するいわゆる増粘をおこ
し、それぞれの用途での使用に大きな利点をもたらす。
その増粘の程度は、水性ラテックスの粘度をもとにし
て、1.3〜20倍が得られる。勿論、増粘の程度は目
的に応じて水性エマルジョン(A)の共重合組成やコロ
イダルシリカ(B)の種類や量で制御することが出来
る。尚、粘度は後記するフォ−ドカップ法によったもの
である。
【0020】本発明の増粘されたラテックス組成物は、
さらにその用途に応じて、酸化チタン,酸化亜鉛,酸化
鉄,フタロシアニンブル−等の着色顔料や、充填剤,安
定剤等の添加剤、ポルトランドセメント,ケイ酸カルシ
ウム,けい砂等のセメント原料、クロム酸塩,燐酸塩等
の防錆,絶縁剤、その他の目的の添加物が混合されてい
てもよく、かかる添加物が添加されていても増粘効果を
維持することができるものである。
【0021】尚、増粘すべき水性ラテックスについて
は、水性媒体に分散された微細粒子であれば何ら限定は
なく、例えば無機物,有機物,さらには高分子化合物が
挙げられるが、本発明が最も有用に適用されるのは有機
高分子系水性ラテックスの塗料,接着剤,紙塗工剤,皮
革の下地調整剤,セメント用混和剤,フィルム滑剤,繊
維のバインダ−等の分野である。
【0022】
【作用】以上詳述した本願発明の増粘されたラテックス
組成物が、従来の問題を解決した理由は十分解明するに
至っていないが、概ね以下のようであろうと考えられ
る。即ち、水性エマルジョン(A)を構成している特定
アクリル酸エステルに付加しているポリエチレンオキシ
ド又はポリプロピレンオキシド中のエステル基と、コロ
イダルシリカ(B)の水酸イオンとの水素結合により、
水性エマルジョン(A)のポリエチレンオキシド鎖又は
ポリプロピレンオキシド鎖が水媒体中に引き出され、か
らみあい構造を取ることで、pHやイオンによる影響を
受けることなく増粘作用が発現していると考えられる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例の記載によってそ
の範囲を限定されるものではない。実施例中に示される
部及び百分率は、特に断らない限り重量分率を示す。
尚、組成物の粘度はJISK5400の3.4に規定さ
れているフォ−ドカップ法を用いた。表示単位は秒であ
る。また、水性エマルジョン(A)の平均粒子径は、堀
場製作所製CAPA700を用いて測定した結果であ
り、コロイダルシリカ(B)の平均粒子径は、製造者の
カタログ値をそのまま採用している。
【0024】(1)水性エマルジョン(A)の合成 脱イオン水400部をガラス製反応槽に入れ、液温度を
50℃に上昇させ、これに対し表1に示すA〜Eそれぞ
れの共重合割合の単量体混合物400部と、過硫酸アン
モニウム4部を脱イオン水96部に溶解した液と、酸性
亜硫酸ソ−ダ6部を脱イオン水94部に溶解した液と
を、同時並行に2時間で終了するように攪拌しながら滴
下した後、液温度を60℃にし、さらに2時間攪拌しな
がら重合反応を行って、試料略号A〜Eの水性エマルジ
ョン(A)を合成した。
【0025】また、比較例として、水性エマルジョン
(A)として発明の範囲を付加数や共重合割合で外れる
水性エマルジョンF〜Hを、表1に併記する単量体共重
合割合にて同様に合成した。
【0026】
【表1】
【0027】(2)水性媒体中に安定に分散しているコ
ロイダルシリカ(B) 表2に示す略号I〜IIIの市販コロイダルシリカを使
用した。
【0028】
【表2】
【0029】増粘させるべき水性ラテックス(日本エク
スラン工業(株)製タフチックF−361・・・主たる
用途は水性塗料である)に、上記の水性エマルジョン
(A)A〜Eとコロイダルシリカ(B)I〜IIIを表
3に示す比率で(この場合は水性ラテックスに水性エマ
ルジョン(A)を、次いでコロイダルシリカ(B)の順
で)混合し、性能を評価した。ただし、ラテックス組成
物の粘度は全体の固形分に左右されるため、増粘させる
べき水性ラテックス,水性エマルジョン(A)の不揮発
分を全て30%に調整後混合してある。尚、タフチック
F−361単独の粘度は10秒であった。
【0030】
【表3】
【0031】また、比較例として、本発明を外れる混合
比で混合した例、本発明を外れる水性エマルジョン
(A)のF〜Hを用いコロイダルシリカ(B)のIIと
混合した結果を表3に併せて示した。
【0032】さらに、発明の水性ラテックス組成物の粘
度へのpHやイオン濃度の影響を調べるため、塩酸,水
酸化ナトリウムを加えた結果を表4に、また、クロム酸
マグネシウム水溶液、或いは燐酸水溶液を予め混合され
た水性ラテックスを増粘させるべき水性ラテックスとし
て、実施例2に示した組成で調合した結果を表5に示し
た。尚、表5の水性ラテックス自体の粘度は表の上から
順に10秒,10秒,9秒であった。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】表3より、実施例1〜3はコロイダルシリ
カの粒子径によりラテックス組成物の増粘度合が変わる
が、目的とする1.5〜5倍に増粘された水性ラテック
ス組成物であることが判る。
【0036】次に、実施例2,4,5は、水性エマルジ
ョン(A)とコロイダルシリカ(B)との混合比によ
り、水性ラテックス組成物の増粘度合を変えることので
きる例である。これに対し、比較例1,2では、好適な
増粘効果が得られていないことが判る。
【0037】次に、実施例6〜9は水性エマルジョン
(A)を構成する特定アクリル酸エステルのポリエチレ
ンオキシド又はポリプロピレンオキシドの付加数及び共
重合割合を変化させた例であるが、発明が推奨する範囲
である限り十分な増粘が得られている。一方、比較例3
は付加数を,比較例4,5はポリエチレンオキシド又は
ポリプロピレンオキシド付加物の共重合割合が本発明か
ら外れる水性エマルジョン(A)を用いたものであり、
それぞれ増粘効果が発現されない、あるいは凝集を起こ
し採用し得るものではないことが理解される。
【0038】表4の実施例10,11では、実施例2で
調整した水性ラテックス組成物のpHを変化させた結果
を示しているが、本発明の水性ラテックス組成物は、p
Hに影響されない増粘効果が維持されることが判る。
【0039】表5の実施例12〜14では、多量のイオ
ンが存在した水性ラテックスから、実施例2と同様の水
性ラテックス組成物を調整したが、イオン濃度に関係さ
れない増粘効果を有するものであることが判る。
【0040】
【発明の効果】以上説明した本発明により、従来のpH
やイオン濃度に左右されていた問題から解放された、し
かも用途,目的により増粘程度を制御して変え、もって
作業性の大幅に改良される増粘された水性ラテックス組
成物を提供し得た点が特筆すべき効果である。本発明の
組成物は水性塗料,接着剤,紙塗工剤,皮革の下地調整
剤,セメント用混和剤,フィルムの滑剤,繊維のバイン
ダ−等の用途に好適に採用され得るので、工業的意義の
高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C09D 5/00 - 201/10 C09J 5/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性ラテックスの不揮発分100重量部
    に対し、下記水性エマルジョン(A)の不揮発分が3〜
    100重量部及び、水性エマルジョン(A)の不揮発分
    100重量部に対し、下記コロイダルシリカ(B)の不
    揮発分が20〜400重量部となるように混合されてな
    る増粘された水性ラテックス組成物。 水性エマルジョン(A);付加数n=5〜30のポリエ
    チレンオキシド又はポリプロピレンオキシドとメタクリ
    ル酸又はアクリル酸とのエステル0.5〜10重量%
    と、残余はその他のビニル系単量体との共重合体であっ
    て、該共重合体が平均粒子径0.5μm以下を有し、か
    つ水性媒体中に安定に分散している、ビニル系共重合体
    の水性エマルジョン。 コロイダルシリカ(B);0.1μm以下の平均粒子径
    を有し、水性媒体中に安定に分散しているコロイダルシ
    リカ。
  2. 【請求項2】 水性ラテックスに較べ、フォ−ドカップ
    法による粘度の増加が1.3〜20倍であることを特徴
    とする、請求項1記載の増粘された水性ラテックス組成
    物。
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