JPH0431806Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は特に発電機、電動機等の回転電機にお
ける油流出防止装置に関する。

〔従来の技術〕

通常、この種の回転電機は第３図に示すよう
に、回転軸１が含油軸受２を介してケース３に取
付けられているが、回転軸１の回転による摩擦熱
により、軸受２に含有されている油が回転軸１を
伝つて流出する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、従来の回転電機は上記の流出油に対
しては全く流出防止処置が採られていない場合が
多い。最近のカセツトテープレコーダのように機
構そのものが小型化され、回転軸１を支持する軸
受部２と該出力軸に固定した動力伝達用プーリ４
との間隔が狭くなつたものは、上記流出油がプー
リ４および該プーリに巻掛けられたゴムベルト５
に付着してスリツプ事故を発生する。また、回転
軸１の回転による遠心力で該回転軸１およびプー
リ４に付着した油が飛散してゴムベルト及び周囲
を汚損する不都合があつた。

そこで、従来は第４図に示すように、軸受２の
周囲を囲むカバー６をケース３に固定し、このカ
バー６と軸受２の間において回転軸１に油を吸収
する繊維状ワツシヤ７を組付けているが、カバー
６も繊維状ワツシヤ７も回転軸１との間に隙間６
ａ，７ａがあるため、時間経過とともにプーリ４
に油が流出し、油流出防止効果が完全ではない。

本考案は含油軸受より流出した油が回転軸を伝
つて移動することおよび該回転軸の回転によつて
周囲に飛散することを防止した回転電機における
油流出防止装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は前記第３図、第４図と同一部分に同一
符号を付した本考案油流出防止装置を示す縦断面
図であつて、合成樹脂または金属製の縦断面カツ
プ状の油流出兼飛散防止部材（以下、カツプ状部
材と略称する）８を、その開口側を軸受２に向け
てプーリ４より先に回転軸１に圧入した構成であ
る。

〔実施例〕

カツプ状部材８はプーリ４の位置決めワツシヤ
９に兼用できる。また、カツプ状部材８は第２図
に示すようにプーリ４の１端面に直接形成しても
よい。ただし、プーリ４はその軸挿通穴４ａを回
転軸１より細径に形成して該回転軸に圧入固定す
るかプーリ４が接着の場合は位置決めワツシヤ９
をあらかじめ軸１に圧入し位置決めの後プーリ４
を接着してもよい。

〔考案の作用・効果〕

本考案は上記の構成であるから、回転軸１の回
転による軸受２との摩擦熱により該軸受から油が
流出しても、その油は回転軸１の周面を伝つてカ
ツプ状部材８に進入して該カツプ状部材内に溜り
外部へは流出しない。また、回転軸１の回転によ
る遠心力で該回転軸周面に付着した油が飛散して
も、カツプ状部材８の内面に付着するのみであ
る。従つて、流出した油がプーリ４やゴムベルト
５に付着してスリツプ事故を生ずることが未然に
防止される。また、カツプ状部材８はプーリ４の
位置決めワツシヤ９に兼用できる効果がある。

なお、カツプ状部材８の底面に位置するよう
に、回転軸１に繊維状ワツシヤ７を挿入しておけ
ば、カツプ状部材８の底部に溜つた油を吸収して
油流出をより確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す回転電機の軸
受部の縦断面図、第２図は本考案の他の実施例を
示す回転電機の軸受部の縦断面図、第３図・第４
図は従来の回転電機における軸受部の縦断面図で
ある。 １は出力軸、２は軸受、３はケース、４はプー
リ、８は油流出兼飛散防止部材（カツプ状部材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転電機の回転軸を含油軸受を介してケースに
   取付け、このケースより突出した前記回転軸部に
   プーリーを固定した回転電機において、 縦断面カツプ状の油流出兼発散防止部材を、そ
   の開口側を前記含油軸受に向けて前記プーリーの
   上端から伸びて形成し、前記プーリーと油流出兼
   飛散防止部材を一体的に成したことを特徴とする
   回転電機における油流出防止装置。